JPH0987559A - インクジェット記録装置用インク組成物 - Google Patents
インクジェット記録装置用インク組成物Info
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- JPH0987559A JPH0987559A JP7241241A JP24124195A JPH0987559A JP H0987559 A JPH0987559 A JP H0987559A JP 7241241 A JP7241241 A JP 7241241A JP 24124195 A JP24124195 A JP 24124195A JP H0987559 A JPH0987559 A JP H0987559A
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- water
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Abstract
(57)【要約】
【構成】平滑なガラス板上に形成した平滑な乾燥塗膜上
に均一に薄く塗布した蒸留水が0.9 秒間以内で液膜が
破れて、濡れていない状態になる性質を有すると同時
に、その乾燥塗膜上での蒸留水の水滴の接触角を50度
以下にした。 【効果】本発明によれば、通常塗膜の親水性を評価する
指数とする水の接触角ではなく水濡れ保持時間であると
いう新しい知見が得られ、この水濡れ保持時間が0.9
秒以下であるような塗膜特性を持つインクを使えば、イ
ンク柱24の直進安定性を充分に確保でき、親水性の高
い素材を用いたインクでもインク柱のふらつきがなくな
り、印字品質が向上する。
に均一に薄く塗布した蒸留水が0.9 秒間以内で液膜が
破れて、濡れていない状態になる性質を有すると同時
に、その乾燥塗膜上での蒸留水の水滴の接触角を50度
以下にした。 【効果】本発明によれば、通常塗膜の親水性を評価する
指数とする水の接触角ではなく水濡れ保持時間であると
いう新しい知見が得られ、この水濡れ保持時間が0.9
秒以下であるような塗膜特性を持つインクを使えば、イ
ンク柱24の直進安定性を充分に確保でき、親水性の高
い素材を用いたインクでもインク柱のふらつきがなくな
り、印字品質が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に用いるインク組成物に関するものである。インクの
噴出口から噴出し、粒子化する以前のインク柱が振動し
たり、突発的に振れたりする現象を防止して、噴出方向
を安定化させることにより、粒子切断およびそれに伴う
電荷付与のタイミングを一定にし、その結果としてイン
ク粒子の着弾位置の精度を高めて、高品質な印字品質を
得るためのインク乾燥塗膜の表面特性に関するものであ
る。
置に用いるインク組成物に関するものである。インクの
噴出口から噴出し、粒子化する以前のインク柱が振動し
たり、突発的に振れたりする現象を防止して、噴出方向
を安定化させることにより、粒子切断およびそれに伴う
電荷付与のタイミングを一定にし、その結果としてイン
ク粒子の着弾位置の精度を高めて、高品質な印字品質を
得るためのインク乾燥塗膜の表面特性に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置例の原理
を図1および図2により説明する。インクジェット記録
装置の記録動作中はインク容器9からインク供給ポンプ
10により送られたインクは調圧弁11により所定の液
圧に調整される。その後インク流はノズル1に供給され
るが、ここで電歪素子2には適切な周波数と電圧が励振
電源3より印加され、インクは粒子化される。インクが
粒子化する位置に設けられた荷電電極4により個々のイ
ンク粒子6には所定の電荷が与えられ、これが次に偏向
電極5によって発生した偏向電界7部を通過する際に個
々のインク粒子の帯電量に応じた偏向力を受ける。その
後インク粒子6は直線的に飛行し、被印字物12の上に
接触して印字ドット13を形成する。荷電電極4で電荷
を与えられなかったインク粒子はガター8からインク容
器9に回収されている。
を図1および図2により説明する。インクジェット記録
装置の記録動作中はインク容器9からインク供給ポンプ
10により送られたインクは調圧弁11により所定の液
圧に調整される。その後インク流はノズル1に供給され
るが、ここで電歪素子2には適切な周波数と電圧が励振
電源3より印加され、インクは粒子化される。インクが
粒子化する位置に設けられた荷電電極4により個々のイ
ンク粒子6には所定の電荷が与えられ、これが次に偏向
電極5によって発生した偏向電界7部を通過する際に個
々のインク粒子の帯電量に応じた偏向力を受ける。その
後インク粒子6は直線的に飛行し、被印字物12の上に
接触して印字ドット13を形成する。荷電電極4で電荷
を与えられなかったインク粒子はガター8からインク容
器9に回収されている。
【0003】図2はノズル1近傍部分の拡大図である。
ノズル1の先端部分には、オリフィス23が構成されて
おり、その中心部に口径が約30〜120×10-6mの
インク噴出口25が設けられている。このインク噴出口
25からインク供給ポンプ10によって加圧されたイン
クがインク柱を形成しながら毎秒5〜50mの流速で噴
出するが、インクには電歪素子2により適当な周波数と
電圧が付与されているので、インク柱24は次第にくび
れ、最終的には切断して粒子化される。インク柱24が
切断されてインク粒子6になる寸前の状態において、荷
電電極4によって各粒子に所定の電荷が付与される。
ノズル1の先端部分には、オリフィス23が構成されて
おり、その中心部に口径が約30〜120×10-6mの
インク噴出口25が設けられている。このインク噴出口
25からインク供給ポンプ10によって加圧されたイン
クがインク柱を形成しながら毎秒5〜50mの流速で噴
出するが、インクには電歪素子2により適当な周波数と
電圧が付与されているので、インク柱24は次第にくび
れ、最終的には切断して粒子化される。インク柱24が
切断されてインク粒子6になる寸前の状態において、荷
電電極4によって各粒子に所定の電荷が付与される。
【0004】理想的なインク粒子6の飛行の制御のため
には、さまざまな条件が求められる。インクジェット記
録装置自体の設置される環境については、強い風が吹い
ていたり、強い静電気等の電磁場の乱れがあると、制御
が困難になり、印字品質が低下することは言うまでもな
い。これらの条件に対しては装置側の対処策として、空
気の乱流や静電気場の安定化を施すための各種の機構が
提案されている。一方インク液自体に求められる特性と
しては。粘度,表面張力,電気伝導度等の基本的な物性
がインクジェット記録装置の仕様に合致することは最低
限必要であり、それらの物性値が均質で、また長期ラン
ニング時にも著しい物性劣化がないことが必要となる。
これらのような単純に数値化できるインク仕様値以外
に、安定した印字を行うために求められる詳細なインク
特性が3点ある。まず第1点にはインク噴出口25に目
詰まりしないことである。第2点目にはオリフィス23
から立ち上がるインク柱24が常に一定方向を保ち、中
心軸が振れることのないことが求められる。第3点目に
は、インク柱24の切断がスムーズに行われて糸引きや
インク粒子6の帯電に悪影響を与える微小粒子の発生が
起きないことが求められる。第1点目のインクの目詰ま
りの問題については、問題に対する認識も高く、比較的
高沸点のグリコール系等の成分をインク中に添加して、
インク噴出口25部分が乾燥しないようにするなどの技
術が数多く提案されている。これに該当する実際の出願
公知例としては、例えば、特開昭60−229969号公報,特
開昭62−121776号公報や特開昭62−169875号公報等が挙
げられる。また、第3点目の微粒子発生の問題について
も、インク中のバインダー成分である樹脂成分の分子量
調整や、あるいは発生した微粒子を物理的に除去する、
特開昭55−61478 号公報や特開昭58−185270号公報に記
載のような技術が公知である。これに対して、第2番目
の問題点であるインク柱24の方向安定性についての問
題は、これまで重要視されておらず、従って対策技術に
ついても公知例がみられなかった。特に荷電制御型のイ
ンクジェット記録装置における、インクの配合処方によ
る対策に関する公知の技術はみられない。オリフィス2
3周辺の表面処理によるインク吐出方向の安定化技術に
関しては、オリフィス23やインク噴出口25のごく表
面をフッ素系の素材をベースとするコーティング剤を塗
布するなどして、撥水性,撥油性を付与することによっ
て安定化させるものとして特開昭57−29465 号公報や特
開昭57−107848号公報や特開平6−320733 号公報等があ
る。また逆にオリフィス23やインク噴出口25の表面
にSiO2 膜を形成するなどの手段で表面の液濡れ性を
良くすることにより、インク粒子の飛行方向を安定化さ
せるという考案が特開平1−123752 号公報等に記載され
ており、公知である。更には、インク噴出口25に液溜
りの凹み部や勾配を設けて安定化させるという考案が特
開平5−124198号公報や特開平6−286129 号公報に記載
されている。
には、さまざまな条件が求められる。インクジェット記
録装置自体の設置される環境については、強い風が吹い
ていたり、強い静電気等の電磁場の乱れがあると、制御
が困難になり、印字品質が低下することは言うまでもな
い。これらの条件に対しては装置側の対処策として、空
気の乱流や静電気場の安定化を施すための各種の機構が
提案されている。一方インク液自体に求められる特性と
しては。粘度,表面張力,電気伝導度等の基本的な物性
がインクジェット記録装置の仕様に合致することは最低
限必要であり、それらの物性値が均質で、また長期ラン
ニング時にも著しい物性劣化がないことが必要となる。
これらのような単純に数値化できるインク仕様値以外
に、安定した印字を行うために求められる詳細なインク
特性が3点ある。まず第1点にはインク噴出口25に目
詰まりしないことである。第2点目にはオリフィス23
から立ち上がるインク柱24が常に一定方向を保ち、中
心軸が振れることのないことが求められる。第3点目に
は、インク柱24の切断がスムーズに行われて糸引きや
インク粒子6の帯電に悪影響を与える微小粒子の発生が
起きないことが求められる。第1点目のインクの目詰ま
りの問題については、問題に対する認識も高く、比較的
高沸点のグリコール系等の成分をインク中に添加して、
インク噴出口25部分が乾燥しないようにするなどの技
術が数多く提案されている。これに該当する実際の出願
公知例としては、例えば、特開昭60−229969号公報,特
開昭62−121776号公報や特開昭62−169875号公報等が挙
げられる。また、第3点目の微粒子発生の問題について
も、インク中のバインダー成分である樹脂成分の分子量
調整や、あるいは発生した微粒子を物理的に除去する、
特開昭55−61478 号公報や特開昭58−185270号公報に記
載のような技術が公知である。これに対して、第2番目
の問題点であるインク柱24の方向安定性についての問
題は、これまで重要視されておらず、従って対策技術に
ついても公知例がみられなかった。特に荷電制御型のイ
ンクジェット記録装置における、インクの配合処方によ
る対策に関する公知の技術はみられない。オリフィス2
3周辺の表面処理によるインク吐出方向の安定化技術に
関しては、オリフィス23やインク噴出口25のごく表
面をフッ素系の素材をベースとするコーティング剤を塗
布するなどして、撥水性,撥油性を付与することによっ
て安定化させるものとして特開昭57−29465 号公報や特
開昭57−107848号公報や特開平6−320733 号公報等があ
る。また逆にオリフィス23やインク噴出口25の表面
にSiO2 膜を形成するなどの手段で表面の液濡れ性を
良くすることにより、インク粒子の飛行方向を安定化さ
せるという考案が特開平1−123752 号公報等に記載され
ており、公知である。更には、インク噴出口25に液溜
りの凹み部や勾配を設けて安定化させるという考案が特
開平5−124198号公報や特開平6−286129 号公報に記載
されている。
【0005】しかし、これらのインク吐出方向の安定化
を図るためのインクジェット記録装置自体の形状や素材
を改良する手法には限界があった。なぜならば、ノズル
1の周辺部品、特にインク噴出口25の近傍部は噴出し
たインクが滲み出したり、飛散したりした後に溶媒分が
揮発して、インクの乾燥塗膜が形成されるために、最も
表面層にはこれら部品の材質や、あるいは濡れ性を改善
するための表面処理材質ではなく、乾燥したインクの塗
膜層となってしまうためである。
を図るためのインクジェット記録装置自体の形状や素材
を改良する手法には限界があった。なぜならば、ノズル
1の周辺部品、特にインク噴出口25の近傍部は噴出し
たインクが滲み出したり、飛散したりした後に溶媒分が
揮発して、インクの乾燥塗膜が形成されるために、最も
表面層にはこれら部品の材質や、あるいは濡れ性を改善
するための表面処理材質ではなく、乾燥したインクの塗
膜層となってしまうためである。
【0006】またこれらの従来の発明の対象とするイン
クジェット記録装置の記録方式はオンデマンド方式と呼
ばれるものである。オンデマンド方式の場合インク噴出
口25から発射されるインクはインク粒子6が一粒分の
分量であり、すなわちすでに粒子化したインクが発射さ
れる。また複数あるそれぞれのインク噴出口25からは
必要なタイミングのみにおいてインク粒子が発射される
機構となっている。しかし本発明において、主として対
象とする荷電制御方式のインクジェット記録装置の場
合、一つのインク噴出口25からビーム状にインク液が
吐出され、その後にこのビームがくびれて切断に至り、
粒子化するものであり、必要な粒子のみを静電気力で偏
向させ、選別して印字に用いる。従ってインク噴出口2
5からは常時インク液が間断なくビーム状に噴出してい
る。このような構造の場合、圧力のかかったインク液が
微小なノズルから高速で連続噴出しており、オリフィス
23のインク噴出口25の近傍の温度が若干低下する。
周囲の環境温度より温度が低い状態が一定の時間以上継
続すると、その部材の表面で結露が発生する。すなわ
ち、空気中の水分が低温の部材表面で過飽和状態とな
り、凝結して水滴化してしまうのである。この微小な水
滴がオリフィス23上で乾燥したインク塗膜上に発生
し、水滴の乾燥速度より生成速度の方が上回った場合、
水滴は徐々に大きくなり、ついにはインク柱24の根本
部分に接触する。成長した水滴がインク柱24に接触す
ると、その瞬間インク柱24の軸方向は接触した角度に
傾斜する。このため、インク粒子6の飛行方向は定まら
なくなり、印字品質が低下してしまう。
クジェット記録装置の記録方式はオンデマンド方式と呼
ばれるものである。オンデマンド方式の場合インク噴出
口25から発射されるインクはインク粒子6が一粒分の
分量であり、すなわちすでに粒子化したインクが発射さ
れる。また複数あるそれぞれのインク噴出口25からは
必要なタイミングのみにおいてインク粒子が発射される
機構となっている。しかし本発明において、主として対
象とする荷電制御方式のインクジェット記録装置の場
合、一つのインク噴出口25からビーム状にインク液が
吐出され、その後にこのビームがくびれて切断に至り、
粒子化するものであり、必要な粒子のみを静電気力で偏
向させ、選別して印字に用いる。従ってインク噴出口2
5からは常時インク液が間断なくビーム状に噴出してい
る。このような構造の場合、圧力のかかったインク液が
微小なノズルから高速で連続噴出しており、オリフィス
23のインク噴出口25の近傍の温度が若干低下する。
周囲の環境温度より温度が低い状態が一定の時間以上継
続すると、その部材の表面で結露が発生する。すなわ
ち、空気中の水分が低温の部材表面で過飽和状態とな
り、凝結して水滴化してしまうのである。この微小な水
滴がオリフィス23上で乾燥したインク塗膜上に発生
し、水滴の乾燥速度より生成速度の方が上回った場合、
水滴は徐々に大きくなり、ついにはインク柱24の根本
部分に接触する。成長した水滴がインク柱24に接触す
ると、その瞬間インク柱24の軸方向は接触した角度に
傾斜する。このため、インク粒子6の飛行方向は定まら
なくなり、印字品質が低下してしまう。
【0007】このように、インクを連続してビーム状に
噴出する荷電制御方式において特に顕著に発生する現象
であり、以上のような原理で発生する現象であるので、
オリフィス等部品自体の表面処理などの従来技術では効
果が得られなかった。また、従来技術にはこの問題に対
して、インクの塗膜の表面特性の工夫によって解決しよ
うとする類の技術が見られなかった。
噴出する荷電制御方式において特に顕著に発生する現象
であり、以上のような原理で発生する現象であるので、
オリフィス等部品自体の表面処理などの従来技術では効
果が得られなかった。また、従来技術にはこの問題に対
して、インクの塗膜の表面特性の工夫によって解決しよ
うとする類の技術が見られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにインク噴
出方向の安定化を図るための手段として、インクジェッ
ト記録装置自体の部品形状や材質を改良しても根本的な
問題の解決には至らない。従って本発明の解決しようと
する課題は、インクの特性、特に、溶媒が蒸発して残留
する乾燥塗膜の性質に注目し、これをインク配合材料の
改良で解決しようとするものである。インク柱24の直
進安定性を乱す要因は、先に述べたように空気中の水分
の結露によるものであり、本発明者らはこの点に注目し
て鋭意検討を重ねた結果、インク柱24の安定性とイン
ク乾燥塗膜の水濡れ性の間に密接な相関関係のあること
を見出した。すなわち、インク乾燥塗膜の親水性が高く
なるほどインク柱24の安定性が低下し、インク乾燥塗
膜の疎水性が高くなるほどインク柱24は安定して軸が
振れないのである。
出方向の安定化を図るための手段として、インクジェッ
ト記録装置自体の部品形状や材質を改良しても根本的な
問題の解決には至らない。従って本発明の解決しようと
する課題は、インクの特性、特に、溶媒が蒸発して残留
する乾燥塗膜の性質に注目し、これをインク配合材料の
改良で解決しようとするものである。インク柱24の直
進安定性を乱す要因は、先に述べたように空気中の水分
の結露によるものであり、本発明者らはこの点に注目し
て鋭意検討を重ねた結果、インク柱24の安定性とイン
ク乾燥塗膜の水濡れ性の間に密接な相関関係のあること
を見出した。すなわち、インク乾燥塗膜の親水性が高く
なるほどインク柱24の安定性が低下し、インク乾燥塗
膜の疎水性が高くなるほどインク柱24は安定して軸が
振れないのである。
【0009】一方、荷電制御型のインクジェット記録装
置は量産製品のロット管理等の無差別な材質,多様な表
面形状に高速に印字することが求められるものであるこ
とから、殆どの場合紙を印字対象とするオンデマンド型
のインクの溶媒が主に水系であるのとは異なり、インク
の溶媒としては乾燥性の速い有機溶剤が用いられること
が多い。例えば、シクロヘキサノン,メチルエチルケト
ン,アセトン等のケトン類や、トルエン,キシレン等の
芳香族系溶剤や、ヘキサン等の脂肪族系溶剤、あるい
は、エチルアルコール,メチルアルコール,プロピルア
ルコール等のアルコール類などが単独あるいは混合して
用いられる。近年では、地球環境問題や労働衛生環境問
題等に対する認識が高まりつつあり、臭気や毒性の観点
からアルコール系溶剤が用いられることが多くなってき
ており、中でも特に毒性の低いエチルアルコールを主溶
媒とするインクの需要が高まっている。有機溶剤の中で
エチルアルコールは極性の高い溶剤であり、配合する樹
脂や染料や各種添加剤は従来のインクに用いられる素材
とは異なりエチルアルコールに可溶な高極性のものが使
われる。これはすなわち高極性溶媒である水に近い、親
水性な材料である。親水性の高い素材から成るインクの
乾燥塗膜は当然親水性が高く、水滴を接触させると低い
接触角となり、また、スチームを当てたり多湿環境に置
いて結露させると、水滴状にならずに薄い水膜を形成す
るような表面特性を示す。先に述べたように、荷電制御
型のインクジェットプリンターの場合、インク循環を開
始するとオリフィス23の表面温度が低くなり、結露が
生じやすい条件になる。インク噴出口25の周辺部はイ
ンクで汚れており、インク乾燥塗膜の水濡れ性が結露水
の形状を決定するわけであるが、エチルアルコール可溶
な比較的親水性素材からなる塗膜上で結露した水は接触
角の低い水滴であり、大きな水滴になりやすい。水濡れ
性の低い塗膜、すなわち低極性な有機溶剤に可溶な一般
的な素材から成るインクの場合は、結露した水滴は接触
角が高く球形に近く、表面積が大きいために一度水滴を
形成しても空気中に再蒸発しやすく、また大きな水滴に
成長する前に滴下したり転がって流れてしまう。これに
対して、接触角が小さい水滴ができた場合、接触面積が
大きく、表面に保持されやすいために大きな水滴に成長
して残留する。成長した水滴がインク柱24の根本に接
触するとその進行方向を変化させて、印字品質を低下さ
せるわけであるが、水滴の重量が大きいほどその影響は
大きくなる。このように、一般の比較的極性の低い溶媒
のインクではオリフィス23表面に結露する水滴の重量
が小さく、インク柱24に接触しても殆ど悪影響を及ぼ
すに至らないのに対して、アルコール系溶媒を用いたイ
ンクの様に、インク乾燥塗膜が親水性の高いものの場
合、結露水滴の重量が大きくなりやすく、その結果イン
ク粒子6の直進安定性を妨げるという問題が顕著に発生
する。
置は量産製品のロット管理等の無差別な材質,多様な表
面形状に高速に印字することが求められるものであるこ
とから、殆どの場合紙を印字対象とするオンデマンド型
のインクの溶媒が主に水系であるのとは異なり、インク
の溶媒としては乾燥性の速い有機溶剤が用いられること
が多い。例えば、シクロヘキサノン,メチルエチルケト
ン,アセトン等のケトン類や、トルエン,キシレン等の
芳香族系溶剤や、ヘキサン等の脂肪族系溶剤、あるい
は、エチルアルコール,メチルアルコール,プロピルア
ルコール等のアルコール類などが単独あるいは混合して
用いられる。近年では、地球環境問題や労働衛生環境問
題等に対する認識が高まりつつあり、臭気や毒性の観点
からアルコール系溶剤が用いられることが多くなってき
ており、中でも特に毒性の低いエチルアルコールを主溶
媒とするインクの需要が高まっている。有機溶剤の中で
エチルアルコールは極性の高い溶剤であり、配合する樹
脂や染料や各種添加剤は従来のインクに用いられる素材
とは異なりエチルアルコールに可溶な高極性のものが使
われる。これはすなわち高極性溶媒である水に近い、親
水性な材料である。親水性の高い素材から成るインクの
乾燥塗膜は当然親水性が高く、水滴を接触させると低い
接触角となり、また、スチームを当てたり多湿環境に置
いて結露させると、水滴状にならずに薄い水膜を形成す
るような表面特性を示す。先に述べたように、荷電制御
型のインクジェットプリンターの場合、インク循環を開
始するとオリフィス23の表面温度が低くなり、結露が
生じやすい条件になる。インク噴出口25の周辺部はイ
ンクで汚れており、インク乾燥塗膜の水濡れ性が結露水
の形状を決定するわけであるが、エチルアルコール可溶
な比較的親水性素材からなる塗膜上で結露した水は接触
角の低い水滴であり、大きな水滴になりやすい。水濡れ
性の低い塗膜、すなわち低極性な有機溶剤に可溶な一般
的な素材から成るインクの場合は、結露した水滴は接触
角が高く球形に近く、表面積が大きいために一度水滴を
形成しても空気中に再蒸発しやすく、また大きな水滴に
成長する前に滴下したり転がって流れてしまう。これに
対して、接触角が小さい水滴ができた場合、接触面積が
大きく、表面に保持されやすいために大きな水滴に成長
して残留する。成長した水滴がインク柱24の根本に接
触するとその進行方向を変化させて、印字品質を低下さ
せるわけであるが、水滴の重量が大きいほどその影響は
大きくなる。このように、一般の比較的極性の低い溶媒
のインクではオリフィス23表面に結露する水滴の重量
が小さく、インク柱24に接触しても殆ど悪影響を及ぼ
すに至らないのに対して、アルコール系溶媒を用いたイ
ンクの様に、インク乾燥塗膜が親水性の高いものの場
合、結露水滴の重量が大きくなりやすく、その結果イン
ク粒子6の直進安定性を妨げるという問題が顕著に発生
する。
【0010】アルコール類に溶解する樹脂で比較的親水
性の低いものを用いたインクの場合、この結露による不
安定要因は改善されるが、エチルアルコールに対する溶
解性が低下してしまう。これはノズル部分でのインク再
溶解性の低下という問題であり、すなわちノズル詰まり
に直結する問題であるので、この見地からはできるだけ
溶媒に容易に溶解する樹脂を配合することが好ましい。
性の低いものを用いたインクの場合、この結露による不
安定要因は改善されるが、エチルアルコールに対する溶
解性が低下してしまう。これはノズル部分でのインク再
溶解性の低下という問題であり、すなわちノズル詰まり
に直結する問題であるので、この見地からはできるだけ
溶媒に容易に溶解する樹脂を配合することが好ましい。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、この現
象説明から明らかなように、インク中の固形分がノズル
詰まりを起こさない程度に溶媒に対する易溶解性を有
し、なおかつ、インク粒子6の飛行方向に影響を与える
ほどの大きさの結露水滴をオリフィス23表面のインク
乾燥塗膜上で形成させないようなインクを得ることにあ
る。
象説明から明らかなように、インク中の固形分がノズル
詰まりを起こさない程度に溶媒に対する易溶解性を有
し、なおかつ、インク粒子6の飛行方向に影響を与える
ほどの大きさの結露水滴をオリフィス23表面のインク
乾燥塗膜上で形成させないようなインクを得ることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の説明から明らかな
ように、本発明の課題は、インクに配合する成分中、溶
媒等の揮発する成分以外の、乾燥塗膜を構成する成分の
水濡れ性を、適切な濡れ性に調整することによって解決
することができる。
ように、本発明の課題は、インクに配合する成分中、溶
媒等の揮発する成分以外の、乾燥塗膜を構成する成分の
水濡れ性を、適切な濡れ性に調整することによって解決
することができる。
【0013】アルコール等の極性溶媒を用いない場合に
は、通常充分に疎水性の高い乾燥塗膜が得られる。具体
的には水滴の接触角が50度以上になるレベルの疎水性
を有しており、結露する水滴の大きさはインク柱に接触
したとしても、インクの推進方向を傾けるほどの大きさ
に成長しない。従って、本発明で対象とするようなイン
ク柱の不安定性を誘発するような問題は発生しない。
は、通常充分に疎水性の高い乾燥塗膜が得られる。具体
的には水滴の接触角が50度以上になるレベルの疎水性
を有しており、結露する水滴の大きさはインク柱に接触
したとしても、インクの推進方向を傾けるほどの大きさ
に成長しない。従って、本発明で対象とするようなイン
ク柱の不安定性を誘発するような問題は発生しない。
【0014】しかしながらアルコール系溶媒を溶媒とす
るインクの場合、溶解度の関係から、インク乾燥塗膜2
6は比較的親水性であるために、結露水滴は成長し、大
きな質量を持つようになる。このため、水滴がインク柱
に接触するとインクの推進方向が影響を受け、印字品質
の低下をもたらす。乾燥塗膜の水滴接触角が50度以下
の場合、この現象は顕著となる。中でも特に安全性の高
いエチルアルコールを溶媒とする場合、容易に溶解する
樹脂を配合し、これを乾燥塗膜にすると、殆どの場合水
の接触角は50度以下となり、実際にインクジェット記
録装置を用いて印字動作を行うと、インク粒子の飛行方
向は安定しなくなる。接触角が50度以上になるような
比較的疎水性の樹脂成分もあるが、容易に溶解しないた
めにインク噴出口25付近で一度乾燥膜ができると再溶
解しづらくなり、いわゆるインク詰まりを起してしま
う。
るインクの場合、溶解度の関係から、インク乾燥塗膜2
6は比較的親水性であるために、結露水滴は成長し、大
きな質量を持つようになる。このため、水滴がインク柱
に接触するとインクの推進方向が影響を受け、印字品質
の低下をもたらす。乾燥塗膜の水滴接触角が50度以下
の場合、この現象は顕著となる。中でも特に安全性の高
いエチルアルコールを溶媒とする場合、容易に溶解する
樹脂を配合し、これを乾燥塗膜にすると、殆どの場合水
の接触角は50度以下となり、実際にインクジェット記
録装置を用いて印字動作を行うと、インク粒子の飛行方
向は安定しなくなる。接触角が50度以上になるような
比較的疎水性の樹脂成分もあるが、容易に溶解しないた
めにインク噴出口25付近で一度乾燥膜ができると再溶
解しづらくなり、いわゆるインク詰まりを起してしま
う。
【0015】容易に溶解する樹脂等の乾燥塗膜成分を用
いて、すなわち、水接触角が50度以下になるようなイ
ンク配合であっても、後に述べるようにJISK6768に記載
のポリエチレン及びポリプロピレンフィルムの濡れ試験
方法に準拠した方法で水濡れ試験で、ある一定の撥水性
を示す表面特性を有していれば、結露水滴の肥大化を防
ぐ効果が有る。JISK6768では、試験体にポリエチレンや
ポリプロピレンのフィルムを用いるが、ここでは縦30
mm,横20mmの平滑なガラス板を用い、これに対象とす
るインクをコーティングしたものを試験体とする。ま
た、JISK6768では、濡れ指数判定液として、ホルムアミ
ドとエチレングリコールモノエチルエーテルの混合液を
用いるが、ここでは蒸留水を使用する。試験方法の内容
については、同様であり、所定の綿棒にて所定の方法で
蒸留水を一様に塗布し、液膜の中央部の状態に破れを生
じないで、もとの状態を維持している場合は濡れている
と判定し、破れが生じている場合には濡れていないと判
定する。
いて、すなわち、水接触角が50度以下になるようなイ
ンク配合であっても、後に述べるようにJISK6768に記載
のポリエチレン及びポリプロピレンフィルムの濡れ試験
方法に準拠した方法で水濡れ試験で、ある一定の撥水性
を示す表面特性を有していれば、結露水滴の肥大化を防
ぐ効果が有る。JISK6768では、試験体にポリエチレンや
ポリプロピレンのフィルムを用いるが、ここでは縦30
mm,横20mmの平滑なガラス板を用い、これに対象とす
るインクをコーティングしたものを試験体とする。ま
た、JISK6768では、濡れ指数判定液として、ホルムアミ
ドとエチレングリコールモノエチルエーテルの混合液を
用いるが、ここでは蒸留水を使用する。試験方法の内容
については、同様であり、所定の綿棒にて所定の方法で
蒸留水を一様に塗布し、液膜の中央部の状態に破れを生
じないで、もとの状態を維持している場合は濡れている
と判定し、破れが生じている場合には濡れていないと判
定する。
【0016】この水濡れ性試験で水を塗布後0.9 秒以
内に水膜の破れを生じるような表面特性を持つインクの
場合は、たとえ水接触角が50度以内のものであって
も、結露水の大きさはインク柱の方向を変え、印字品質
を落すような現象は発生しない。
内に水膜の破れを生じるような表面特性を持つインクの
場合は、たとえ水接触角が50度以内のものであって
も、結露水の大きさはインク柱の方向を変え、印字品質
を落すような現象は発生しない。
【0017】
【作用】乾燥塗膜表面の水濡れ性が低い、すなわち接触
角の50度以上の球状水滴が形成した場合は、重量当た
りの表面積が大きいので蒸発が促進され、大きな水滴に
成長しにくい。また成長すると横方向に動きやすく、イ
ンク柱の傾きに影響するほどに成長するまでに接触した
り、あるいはオリフィス上の端部に移動してしまう。し
かし、50度以下の接触角で、かつ、前述の水濡れ性試
験で1.0 秒以上濡れを保つような親水性表面である
と、形成した結露水は徐々に隣どうし融合して、大きく
なって最後にはインク柱に接触して、その推進方向を変
えてしまう。50度以下の接触角であっても、前述の水
濡れ性試験で0.9 秒以内に水膜が破れて、濡れを保て
ないような撥水性表面であると、結露の初期的には水滴
が徐々に成長し、隣の水滴と融合してある程度の大きさ
には成長するものの、インク柱の方向に影響を与えるほ
どに肥大化する前に、水膜が破れて横方向に移動し始ま
る。この結果、あるものはインク柱にも接触するもの
の、その推進方向を変えるまでには至らない。
角の50度以上の球状水滴が形成した場合は、重量当た
りの表面積が大きいので蒸発が促進され、大きな水滴に
成長しにくい。また成長すると横方向に動きやすく、イ
ンク柱の傾きに影響するほどに成長するまでに接触した
り、あるいはオリフィス上の端部に移動してしまう。し
かし、50度以下の接触角で、かつ、前述の水濡れ性試
験で1.0 秒以上濡れを保つような親水性表面である
と、形成した結露水は徐々に隣どうし融合して、大きく
なって最後にはインク柱に接触して、その推進方向を変
えてしまう。50度以下の接触角であっても、前述の水
濡れ性試験で0.9 秒以内に水膜が破れて、濡れを保て
ないような撥水性表面であると、結露の初期的には水滴
が徐々に成長し、隣の水滴と融合してある程度の大きさ
には成長するものの、インク柱の方向に影響を与えるほ
どに肥大化する前に、水膜が破れて横方向に移動し始ま
る。この結果、あるものはインク柱にも接触するもの
の、その推進方向を変えるまでには至らない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。以下に述べる実施例の内容には一部インクの配合組
成に関する記述があるが、本発明は、インクジェット記
録装置用のインクの乾燥塗膜の水濡れ特性とインク粒子
の飛行方向安定性の相関性に関するものであり、本来イ
ンク組成物の内容に言及するものではない。インク組成
に関する内容については一例にすぎない。
る。以下に述べる実施例の内容には一部インクの配合組
成に関する記述があるが、本発明は、インクジェット記
録装置用のインクの乾燥塗膜の水濡れ特性とインク粒子
の飛行方向安定性の相関性に関するものであり、本来イ
ンク組成物の内容に言及するものではない。インク組成
に関する内容については一例にすぎない。
【0019】図1には従来の荷電制御型インクジェット
記録装置の原理図を示す。図2および図3には従来例の
ノズル部の拡大図を示す。図4には本発明の実施例の原
理をノズル部の拡大図で示す。
記録装置の原理図を示す。図2および図3には従来例の
ノズル部の拡大図を示す。図4には本発明の実施例の原
理をノズル部の拡大図で示す。
【0020】まず従来構成と本発明に共通する荷電制御
型インクジェット記録装置の基本構成を図1の従来例を
使って説明する。図1において、インク容器9,インク
供給ポンプ10,調圧弁11,ノズル1は直列に接続さ
れている。ノズル1において中を流動するインクには電
歪素子2に励振電源3より所定の電圧,周波数が印加さ
れることにより、インクは粒子化される。インクが粒子
化される位置に設けられた荷電電極4により個々のイン
ク粒子6には所定の電荷が与えられ、これが偏向電極5
によって形成された偏向電界7のなかを通過する際に偏
向される。電荷を与えられなかった印字に寄与しないイ
ンク粒子6を受け止められる位置にガター8がある。ガ
ター8とインク容器9も直列に接続されており、回収さ
れたインクはインク容器9に戻る。
型インクジェット記録装置の基本構成を図1の従来例を
使って説明する。図1において、インク容器9,インク
供給ポンプ10,調圧弁11,ノズル1は直列に接続さ
れている。ノズル1において中を流動するインクには電
歪素子2に励振電源3より所定の電圧,周波数が印加さ
れることにより、インクは粒子化される。インクが粒子
化される位置に設けられた荷電電極4により個々のイン
ク粒子6には所定の電荷が与えられ、これが偏向電極5
によって形成された偏向電界7のなかを通過する際に偏
向される。電荷を与えられなかった印字に寄与しないイ
ンク粒子6を受け止められる位置にガター8がある。ガ
ター8とインク容器9も直列に接続されており、回収さ
れたインクはインク容器9に戻る。
【0021】図2はノズル部の拡大図を示している。オ
リフィス23は人工ルビーでできており、内側より球面
状に切削され、肉圧の一番薄くなった部分にインク吐出
口25が設けられている。このインク吐出口からは内圧
のかけられたインク液が噴出し、インク柱24を形成す
る。このインク柱24には予め超音波励振がかけられて
いるために、噴出後徐々にくびれが生じ、丁度荷電電極
4を通過するタイミングでインク柱は切断に至り、イン
ク粒子6になるように液圧と励振周波数が調整されてい
る。
リフィス23は人工ルビーでできており、内側より球面
状に切削され、肉圧の一番薄くなった部分にインク吐出
口25が設けられている。このインク吐出口からは内圧
のかけられたインク液が噴出し、インク柱24を形成す
る。このインク柱24には予め超音波励振がかけられて
いるために、噴出後徐々にくびれが生じ、丁度荷電電極
4を通過するタイミングでインク柱は切断に至り、イン
ク粒子6になるように液圧と励振周波数が調整されてい
る。
【0022】
【表1】
【0023】オリフィス23の表面はインクの噴出を開
始すると同時にインク液が濡れ渡り、インクの溶媒が水
のような揮発しにくい溶媒でない限り、この膜は乾燥し
てインク乾燥塗膜26を形成する。あるいは、インク柱
24の根本から滲み出したインク液により、乾燥した
り、再溶解したりを繰り返す状態となっている。溶媒が
気化する際に熱を奪うのでこのインク乾燥塗膜26の温
度は周囲温度より低下する。そうすると、空気中の水分
がインク乾燥塗膜26表面で結露し始める。インク乾燥
塗膜26は必ずしも完全に乾いた状態ではないが、常に
インク柱24から溶剤分が供給され半乾燥状態となって
いる場合が多い。このようにして形成された結露水は時
間と共に成長する。図2に示した従来例とは表1の従来
例1に示したような組成を持つインクで、エチルアルコ
ールを主たる溶媒とするものである。水滴の接触角度は
35度と低く、また前述のJISK6768に準じた水濡れ性試
験の結果濡れ保持時間は、15秒とかなりの時間濡れを
保持するもので、親水性の高い塗膜特性を有する。この
ようなインクを使った場合、成長した結露水滴27は次
第に隣あう水滴と融合し大きくなるものの、下地のイン
ク乾燥塗膜26の濡れ性が高すぎるために連続した水膜
状になり、水滴27の重量は非常に大きくなる。そして
最終的にインク柱24の根本部分に接触する。この結露
水接触部28はインク柱24の推進方向を傾けるに充分
な重量を持っており、接触した瞬間にインク粒子6の飛
行方向は撹乱され、印字精度が低下する。実際には結露
水滴27は連続して次々に成長し、インク柱24に接触
するので、インク柱24の方向は前後左右に途切れなく
揺れるような現象となる。
始すると同時にインク液が濡れ渡り、インクの溶媒が水
のような揮発しにくい溶媒でない限り、この膜は乾燥し
てインク乾燥塗膜26を形成する。あるいは、インク柱
24の根本から滲み出したインク液により、乾燥した
り、再溶解したりを繰り返す状態となっている。溶媒が
気化する際に熱を奪うのでこのインク乾燥塗膜26の温
度は周囲温度より低下する。そうすると、空気中の水分
がインク乾燥塗膜26表面で結露し始める。インク乾燥
塗膜26は必ずしも完全に乾いた状態ではないが、常に
インク柱24から溶剤分が供給され半乾燥状態となって
いる場合が多い。このようにして形成された結露水は時
間と共に成長する。図2に示した従来例とは表1の従来
例1に示したような組成を持つインクで、エチルアルコ
ールを主たる溶媒とするものである。水滴の接触角度は
35度と低く、また前述のJISK6768に準じた水濡れ性試
験の結果濡れ保持時間は、15秒とかなりの時間濡れを
保持するもので、親水性の高い塗膜特性を有する。この
ようなインクを使った場合、成長した結露水滴27は次
第に隣あう水滴と融合し大きくなるものの、下地のイン
ク乾燥塗膜26の濡れ性が高すぎるために連続した水膜
状になり、水滴27の重量は非常に大きくなる。そして
最終的にインク柱24の根本部分に接触する。この結露
水接触部28はインク柱24の推進方向を傾けるに充分
な重量を持っており、接触した瞬間にインク粒子6の飛
行方向は撹乱され、印字精度が低下する。実際には結露
水滴27は連続して次々に成長し、インク柱24に接触
するので、インク柱24の方向は前後左右に途切れなく
揺れるような現象となる。
【0024】図3は別の従来例として疎水性の高い樹脂
を疎水性の高い溶媒に溶かしたインクの場合のノズル部
の拡大図を示したものである。インクの配合組成は表1
の従来例2に示したもので、その乾燥塗膜の水滴接触角
度は85度と高く、また、水濡れ保持時間は0.2 秒と
非常に短く撥水性の高い塗膜である。このような特性の
インクの場合、図3に示すように結露水は半球から球状
に近い形状で成長する。接触角が高いほど水の単位重量
当たりの大気に触れる接触面積は多くなるので、結露し
ても再び蒸発しやすい。従って大きな水滴になりにく
い。また、水濡れ性が非常に低いのである程度の大きさ
の水滴になると、インク乾燥塗膜26上で転がり始め、
そのうちのいくつかはインク柱24に接触する(結露水
接触部28)ものの、インク柱24を傾けるには至らな
い。従って、印字物の品質にも悪影響を与えることがな
い。この従来例2のように、インク配合成分、特に溶媒
の毒性や臭気に制約がなく、疎水性の素材からインクを
構成できる場合には、インク柱直進安定性に問題はな
く、本発明の関与するところではない。
を疎水性の高い溶媒に溶かしたインクの場合のノズル部
の拡大図を示したものである。インクの配合組成は表1
の従来例2に示したもので、その乾燥塗膜の水滴接触角
度は85度と高く、また、水濡れ保持時間は0.2 秒と
非常に短く撥水性の高い塗膜である。このような特性の
インクの場合、図3に示すように結露水は半球から球状
に近い形状で成長する。接触角が高いほど水の単位重量
当たりの大気に触れる接触面積は多くなるので、結露し
ても再び蒸発しやすい。従って大きな水滴になりにく
い。また、水濡れ性が非常に低いのである程度の大きさ
の水滴になると、インク乾燥塗膜26上で転がり始め、
そのうちのいくつかはインク柱24に接触する(結露水
接触部28)ものの、インク柱24を傾けるには至らな
い。従って、印字物の品質にも悪影響を与えることがな
い。この従来例2のように、インク配合成分、特に溶媒
の毒性や臭気に制約がなく、疎水性の素材からインクを
構成できる場合には、インク柱直進安定性に問題はな
く、本発明の関与するところではない。
【0025】図4は本発明の実施例1と実施例2のイン
ク配合のインクを印字した場合のノズル部の拡大図を示
したものである。インク配合は表1の実施例1,実施例
2に示した内容であり、特長としては、実施例1の場合
は、エチルアルコール溶媒をベースとする従来例1の配
合組成と殆ど同じ組成であり、唯一の違いは、これにシ
リコーン系界面活性剤を1.0 重量部添加したものであ
る。このシリコーン系界面活性剤の添加により、水滴接
触角度は35度と従来例1の場合と全く変化ないのに対
して、水濡れ保持時間は0.6 秒と非常に短くなってお
り、水膜化しにくい特性が付与されたものである。ま
た、実施例2の場合は実施例1の場合と似た配合である
が、樹脂成分の分子量が低いものを使っており、この結
果、得られるインク乾燥塗膜の性質は更に親水性にな
り、水滴接触角も実施例1より低い26度を示してい
る。この配合でシリコーン系界面活性剤を添加しない場
合は、水濡れ性がさらに高まり、水濡れ保持時間は約6
0秒となり、インク柱の直進性も下がる。通常の場合
は、水滴の接触角が低くなるほど水濡れ保持時間は長く
なる。しかし、この場合も実施例1と同様にシリコーン
系界面活性剤が配合されているために、水濡れ保持時間
は0.7 秒と短く、従来例1のように水膜化しない特長
がある。
ク配合のインクを印字した場合のノズル部の拡大図を示
したものである。インク配合は表1の実施例1,実施例
2に示した内容であり、特長としては、実施例1の場合
は、エチルアルコール溶媒をベースとする従来例1の配
合組成と殆ど同じ組成であり、唯一の違いは、これにシ
リコーン系界面活性剤を1.0 重量部添加したものであ
る。このシリコーン系界面活性剤の添加により、水滴接
触角度は35度と従来例1の場合と全く変化ないのに対
して、水濡れ保持時間は0.6 秒と非常に短くなってお
り、水膜化しにくい特性が付与されたものである。ま
た、実施例2の場合は実施例1の場合と似た配合である
が、樹脂成分の分子量が低いものを使っており、この結
果、得られるインク乾燥塗膜の性質は更に親水性にな
り、水滴接触角も実施例1より低い26度を示してい
る。この配合でシリコーン系界面活性剤を添加しない場
合は、水濡れ性がさらに高まり、水濡れ保持時間は約6
0秒となり、インク柱の直進性も下がる。通常の場合
は、水滴の接触角が低くなるほど水濡れ保持時間は長く
なる。しかし、この場合も実施例1と同様にシリコーン
系界面活性剤が配合されているために、水濡れ保持時間
は0.7 秒と短く、従来例1のように水膜化しない特長
がある。
【0026】これらの実施例のような表面特性を持つイ
ンクを使用して印字動作を行うと、従来例1の場合と同
様に接触角の低い水滴が徐々に形成され、成長を続ける
が、隣接する水滴と融合し合って一定の大きさになる
と、水濡れ保持ができなくなり、水膜が途切れて流れ出
す。そのうちの一部はインク柱24に接触するものの、
結露水接触部28の大きさがインクの方向に影響を与え
るまでには至らない。従って、インク柱24は安定し、
印字精度を低下させることがない。
ンクを使用して印字動作を行うと、従来例1の場合と同
様に接触角の低い水滴が徐々に形成され、成長を続ける
が、隣接する水滴と融合し合って一定の大きさになる
と、水濡れ保持ができなくなり、水膜が途切れて流れ出
す。そのうちの一部はインク柱24に接触するものの、
結露水接触部28の大きさがインクの方向に影響を与え
るまでには至らない。従って、インク柱24は安定し、
印字精度を低下させることがない。
【0027】本実施例においてはエチルアルコール等を
溶媒として配合しているが、特に溶媒の材質については
こだわらない。しかし臭気や、毒性,乾燥性能等を考慮
しアルコール系溶媒が好適である。特に炭素数が6以下
の低級アルコールが好ましく、これらが単独あるいは混
合して総溶媒重量の8割以上であることが望ましい。好
適なアルコール類としては、例えばメチルアルコール,
エチルアルコール,nプロピルアルコール,イソプロピ
ルアルコール,nブチルアルコール,第2ブチルアルコ
ール,イソブチルアルコール等が挙げられる。中でも最
も安全性の高いエチルアルコールが好ましく、総溶媒重
量の5割以上であることが望ましい。
溶媒として配合しているが、特に溶媒の材質については
こだわらない。しかし臭気や、毒性,乾燥性能等を考慮
しアルコール系溶媒が好適である。特に炭素数が6以下
の低級アルコールが好ましく、これらが単独あるいは混
合して総溶媒重量の8割以上であることが望ましい。好
適なアルコール類としては、例えばメチルアルコール,
エチルアルコール,nプロピルアルコール,イソプロピ
ルアルコール,nブチルアルコール,第2ブチルアルコ
ール,イソブチルアルコール等が挙げられる。中でも最
も安全性の高いエチルアルコールが好ましく、総溶媒重
量の5割以上であることが望ましい。
【0028】また、本実施例においてはアクリル系樹脂
をバインダー成分として配合しているが、前述のような
溶媒に可溶な樹脂であれば天然系,合成樹脂各種を用い
ることができる。好適な樹脂として例えば、ロジンエス
テル系樹脂,ロジン系フマル酸樹脂,ロジン系マレイン
酸樹脂,スチレン・マレイン酸共重合体樹脂,ケトン系
樹脂,フェノール系樹脂,スチレン・アクリル共重合体
樹脂,アクリル系樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,セ
ルロース系樹脂,ポリエステル系樹脂,アルキド系樹脂
等を用いることができる。樹脂成分に求められる特性と
して、インクの皮膜としての堅牢性や密着性は勿論であ
るが、荷電制御型のインクジェット記録装置特有の問題
点に耐水溶解安定性がある。荷電制御型の場合、インク
を粒子化した後回収する構造となっており、この際に空
気中の湿気をインク中に徐々に吸収する。印字する分に
吸収した水分も消費されるために、インク中の水分比率
はある一定値で収束するが、樹脂等の固形成分はある程
度の親水性を有していないと、この吸収水分の影響で析
出する等の不具合が発生する。特に、アルコール等の親
水性溶媒を用いると、この水分吸収率が高まる傾向があ
る。従って、できるだけ親水性の高い樹脂、すなわち水
の接触角ができるだけ低いような樹脂を選定することが
好ましい。
をバインダー成分として配合しているが、前述のような
溶媒に可溶な樹脂であれば天然系,合成樹脂各種を用い
ることができる。好適な樹脂として例えば、ロジンエス
テル系樹脂,ロジン系フマル酸樹脂,ロジン系マレイン
酸樹脂,スチレン・マレイン酸共重合体樹脂,ケトン系
樹脂,フェノール系樹脂,スチレン・アクリル共重合体
樹脂,アクリル系樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,セ
ルロース系樹脂,ポリエステル系樹脂,アルキド系樹脂
等を用いることができる。樹脂成分に求められる特性と
して、インクの皮膜としての堅牢性や密着性は勿論であ
るが、荷電制御型のインクジェット記録装置特有の問題
点に耐水溶解安定性がある。荷電制御型の場合、インク
を粒子化した後回収する構造となっており、この際に空
気中の湿気をインク中に徐々に吸収する。印字する分に
吸収した水分も消費されるために、インク中の水分比率
はある一定値で収束するが、樹脂等の固形成分はある程
度の親水性を有していないと、この吸収水分の影響で析
出する等の不具合が発生する。特に、アルコール等の親
水性溶媒を用いると、この水分吸収率が高まる傾向があ
る。従って、できるだけ親水性の高い樹脂、すなわち水
の接触角ができるだけ低いような樹脂を選定することが
好ましい。
【0029】また、本実施例においてはカーボンブラッ
ク系顔料を色剤として配合しているが、これに限らず各
種の油溶性染料,溶剤可溶型染料や酒精可溶型染料を用
いることができる。例えばモノアゾ系,ジスアゾ系,ケ
トン・イミン系,フタロシアニン系,キサンテン系,ト
リフェニルメタン系,各種金属錯塩系等のアルコール可
溶の染料は好適である。また、分散顔料としてはカーボ
ン系顔料や酸化チタン系顔料等も用いることができる。
ク系顔料を色剤として配合しているが、これに限らず各
種の油溶性染料,溶剤可溶型染料や酒精可溶型染料を用
いることができる。例えばモノアゾ系,ジスアゾ系,ケ
トン・イミン系,フタロシアニン系,キサンテン系,ト
リフェニルメタン系,各種金属錯塩系等のアルコール可
溶の染料は好適である。また、分散顔料としてはカーボ
ン系顔料や酸化チタン系顔料等も用いることができる。
【0030】また、本実施例では、インク乾燥塗膜の水
濡れ保持時間を短縮するための添加剤としてシリコーン
系界面活性剤を添加している。これは、水やインクの溶
媒に可溶な有機シリコーン系材料で、染料や導電剤等の
安定性に悪影響を与えないものであれば各種のものを用
いることができる。具体的にはポリオキシエチレン・メ
チルポリシロキサン共重合体やポリ(オキシエチレン・
オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等が
好適である。ここでは一例としてシリコーン系素材を挙
げたが、他にはフッ素系界面活性剤や炭化水素系界面活
性剤にも一部同様の効果を示すものがある。また、前述
したような配合する樹脂成分として、シリコーンやフッ
素で変性した樹脂を用いても同様の効果を得ることがで
きる。
濡れ保持時間を短縮するための添加剤としてシリコーン
系界面活性剤を添加している。これは、水やインクの溶
媒に可溶な有機シリコーン系材料で、染料や導電剤等の
安定性に悪影響を与えないものであれば各種のものを用
いることができる。具体的にはポリオキシエチレン・メ
チルポリシロキサン共重合体やポリ(オキシエチレン・
オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等が
好適である。ここでは一例としてシリコーン系素材を挙
げたが、他にはフッ素系界面活性剤や炭化水素系界面活
性剤にも一部同様の効果を示すものがある。また、前述
したような配合する樹脂成分として、シリコーンやフッ
素で変性した樹脂を用いても同様の効果を得ることがで
きる。
【0031】
【発明の効果】従来は、アルコール系等の比較的安全性
の高い極性溶媒を用いたインクにおいては、充分な溶解
性を有する樹脂や染料等を配合せざるを得ないがゆえ
に、インク乾燥塗膜の表面特性が親水性になり、水濡れ
保持時間が長くなってしまい、その結果、インク噴出口
25付近での結露水の水滴が大きくなりすぎて、これが
インク柱24に接触して印字品質を落すという現象が発
生していた。本発明によれば、通常塗膜の親水性を評価
する指数とする水の接触角ではなく水濡れ保持時間であ
るという新しい知見が得られ、この水濡れ保持時間が
0.9 秒以下であるような塗膜特性を持つインクを使え
ば、インク柱24の直進安定性を充分に確保できる効果
がある。
の高い極性溶媒を用いたインクにおいては、充分な溶解
性を有する樹脂や染料等を配合せざるを得ないがゆえ
に、インク乾燥塗膜の表面特性が親水性になり、水濡れ
保持時間が長くなってしまい、その結果、インク噴出口
25付近での結露水の水滴が大きくなりすぎて、これが
インク柱24に接触して印字品質を落すという現象が発
生していた。本発明によれば、通常塗膜の親水性を評価
する指数とする水の接触角ではなく水濡れ保持時間であ
るという新しい知見が得られ、この水濡れ保持時間が
0.9 秒以下であるような塗膜特性を持つインクを使え
ば、インク柱24の直進安定性を充分に確保できる効果
がある。
【0032】これにより、親水性の高い素材を用いたイ
ンクでもインク柱のふらつきがなくなり、印字品質が向
上する。
ンクでもインク柱のふらつきがなくなり、印字品質が向
上する。
【図1】従来インクジェット記録装置の原理図を示す。
【図2】従来インクジェット記録装置のノズル部を拡大
して示す。
して示す。
【図3】従来インクジェット記録装置のノズル部を拡大
して示す。
して示す。
【図4】本発明の実施例をノズル部拡大の原理図により
示す。
示す。
1…ノズル、2…電歪素子、3…励振電源、4…荷電電
極、5…偏向電極、6…インク粒子、7…偏向電界、8
…ガター、9…インク容器、10…インク供給ポンプ、
11…調圧弁、12…被印字物、13…印字ドット、2
2…搬送コンベア、23…オリフィス、24…インク
柱、25…インク吐出口、26…インク乾燥塗膜、27
…結露水滴、28…結露水接触部。
極、5…偏向電極、6…インク粒子、7…偏向電界、8
…ガター、9…インク容器、10…インク供給ポンプ、
11…調圧弁、12…被印字物、13…印字ドット、2
2…搬送コンベア、23…オリフィス、24…インク
柱、25…インク吐出口、26…インク乾燥塗膜、27
…結露水滴、28…結露水接触部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】一方、荷電制御型のインクジェット記録装
置は量産製品のロット管理等の無差別な材質,多様な表
面形状に高速に印字することが求められるものであるこ
とから、殆どの場合紙を印字対象とするオンデマント型
のインクの溶媒が主に水系であるのとは異なり、インク
の溶媒としては乾燥性の速い有機溶剤が用いられること
が多い。例えば、シクロヘキサノン,メチルエチルケト
ン,アセトン等のケトン類や、酢酸エチル等のエステル
系溶剤やトルエン,キシレン等の芳香族系溶剤や、ヘキ
サン等の脂肪族系溶剤、あるいは、エチルアルコール,
メチルアルコール,プロピルアルコール等のアルコール
類などが単独あるいは混合して用いられる。近年では、
地球環境問題や労働衛生環境問題等に対する認識が高ま
りつつあり、臭気や毒性の観点からアルコール系溶剤が
用いられることが多くなってきており、中でも特に毒性
の低いエチルアルコールを主溶媒とするインクの需要が
高まっている。有機溶剤の中でエチルアルコールは極性
の高い溶剤であり、配合する樹脂や染料や各種添加剤は
従来のインクに用いられる素材とは異なりエチルアルコ
ールに可溶な高極性のものが使われる。これはすなわち
更に高極性溶媒である水に近い、親水性な材料である。
親水性の高い素材から成るインクの乾燥塗膜は当然親水
性が高く、水滴を接触させると低い接触角となり、ま
た、スチームを当てたり多湿環境において結露させる
と、水滴状にならずに薄い水膜を形成するような表面特
性を示す。先に述べたように、荷電制御型のインクジェ
ットプリンターの場合、インク循環を開始するとオリフ
ィス23の表面温度が低くなり、結露が生じやすい条件
になる。インク噴出口25の周辺部はインクで汚れてお
り、インク乾燥塗膜の水濡れ性が結露水の形状を決定す
るわけであるが、エチルアルコール可溶な比較的親水性
素材からなる塗膜上で結露した水は接触角の低い水滴で
あり、大きな水滴になりやすい。水濡れ性の低い塗膜、
すなわち低極性な有機溶剤に可溶な一般的な素材から成
るインクの場合は、結露した水滴は接触角が高く球形に
近く、表面積が大きいために一度水滴を形成しても空気
中に再蒸発しやすく、また大きな水滴に成長する前に滴
下したり転がって流れてしまう。これに対して、接触角
が小さい水滴ができた場合、接触面積が大きく、表面に
保持されやすいために大きな水滴に成長して残留する。
成長した水滴インク柱24の根本に接触するとその進行
方向を変化させて、印字品質を低下させるわけである
が、水滴の重量が大きいほどその影響は大きくなる。こ
のように、一般の比較的極性の低い溶媒のインクではオ
リフィス23表面に結露する水滴の重量が小さく、イン
ク柱24に接触しても殆ど悪影響を及ぼすに至らないの
に対して、アルコール系溶媒を用いたインクの様に、イ
ンク乾燥塗膜が親水性の高いものの場合、結露水滴の重
量が大きくなりやすく、その結果インク粒子6の直進安
定性を妨げるという問題が顕著に発生する。
置は量産製品のロット管理等の無差別な材質,多様な表
面形状に高速に印字することが求められるものであるこ
とから、殆どの場合紙を印字対象とするオンデマント型
のインクの溶媒が主に水系であるのとは異なり、インク
の溶媒としては乾燥性の速い有機溶剤が用いられること
が多い。例えば、シクロヘキサノン,メチルエチルケト
ン,アセトン等のケトン類や、酢酸エチル等のエステル
系溶剤やトルエン,キシレン等の芳香族系溶剤や、ヘキ
サン等の脂肪族系溶剤、あるいは、エチルアルコール,
メチルアルコール,プロピルアルコール等のアルコール
類などが単独あるいは混合して用いられる。近年では、
地球環境問題や労働衛生環境問題等に対する認識が高ま
りつつあり、臭気や毒性の観点からアルコール系溶剤が
用いられることが多くなってきており、中でも特に毒性
の低いエチルアルコールを主溶媒とするインクの需要が
高まっている。有機溶剤の中でエチルアルコールは極性
の高い溶剤であり、配合する樹脂や染料や各種添加剤は
従来のインクに用いられる素材とは異なりエチルアルコ
ールに可溶な高極性のものが使われる。これはすなわち
更に高極性溶媒である水に近い、親水性な材料である。
親水性の高い素材から成るインクの乾燥塗膜は当然親水
性が高く、水滴を接触させると低い接触角となり、ま
た、スチームを当てたり多湿環境において結露させる
と、水滴状にならずに薄い水膜を形成するような表面特
性を示す。先に述べたように、荷電制御型のインクジェ
ットプリンターの場合、インク循環を開始するとオリフ
ィス23の表面温度が低くなり、結露が生じやすい条件
になる。インク噴出口25の周辺部はインクで汚れてお
り、インク乾燥塗膜の水濡れ性が結露水の形状を決定す
るわけであるが、エチルアルコール可溶な比較的親水性
素材からなる塗膜上で結露した水は接触角の低い水滴で
あり、大きな水滴になりやすい。水濡れ性の低い塗膜、
すなわち低極性な有機溶剤に可溶な一般的な素材から成
るインクの場合は、結露した水滴は接触角が高く球形に
近く、表面積が大きいために一度水滴を形成しても空気
中に再蒸発しやすく、また大きな水滴に成長する前に滴
下したり転がって流れてしまう。これに対して、接触角
が小さい水滴ができた場合、接触面積が大きく、表面に
保持されやすいために大きな水滴に成長して残留する。
成長した水滴インク柱24の根本に接触するとその進行
方向を変化させて、印字品質を低下させるわけである
が、水滴の重量が大きいほどその影響は大きくなる。こ
のように、一般の比較的極性の低い溶媒のインクではオ
リフィス23表面に結露する水滴の重量が小さく、イン
ク柱24に接触しても殆ど悪影響を及ぼすに至らないの
に対して、アルコール系溶媒を用いたインクの様に、イ
ンク乾燥塗膜が親水性の高いものの場合、結露水滴の重
量が大きくなりやすく、その結果インク粒子6の直進安
定性を妨げるという問題が顕著に発生する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金成 正之 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 峯岸 孝壽 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 橋本 一郎 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 廣田 由香 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 猪狩 光雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 石川 鉄雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内
Claims (9)
- 【請求項1】平滑なガラス板上に形成した平滑な乾燥塗
膜上に均一に薄く塗布した蒸留水が0.9 秒間以内で液
膜が破れて、濡れていない状態になる性質を有すると同
時に、その乾燥塗膜上での蒸留水の水滴の接触角が50
度以下であることを特徴とするインクジェット記録装置
用インク組成物。 - 【請求項2】請求範囲の第1項において、前記のインク
ジェット記録装置の構造が、加圧インクを励振ノズルに
供給し、その励振ノズルから噴出するインクジェット流
を粒子化し、その飛行粒子に与える電荷量を制御し、一
定の電界中を通過させることにより偏向させる荷電制御
型であることを特徴とするインクジェット記録装置用イ
ンク組成物。 - 【請求項3】請求範囲の第1項において、前記のインク
組成物の溶媒全体を100重量部とした時、そのうちの
80重量部以上が炭素数が6以下の低級アルコールであ
ることを特徴とするインクジェット記録装置用インク組
成物。 - 【請求項4】請求範囲の第1項において、前記のインク
組成物の溶媒全体を100重量部とした時、そのうちの
50重量部以上がエチルアルコールであることを特徴と
するインクジェット記録装置用インク組成物。 - 【請求項5】請求範囲の第1項において、前記のインク
組成物全体を100重量部とした時、10重量部の蒸留
水を添加しても固形析出物が発生しないことを特徴とす
るインクジェット記録装置用インク組成物。 - 【請求項6】請求範囲の第1項において、前記のインク
組成物の一成分として、有機シリコーン系樹脂を含むこ
とを特徴とするインクジェット記録装置用インク組成
物。 - 【請求項7】請求範囲の第6項において、前記の有機シ
リコーン系樹脂が、蒸留水、並びに前記の炭素数が6以
下の低級アルコールのいずれか一つ以上に溶解すること
を特徴とするインクジェット記録装置用インク組成物。 - 【請求項8】請求範囲の第6項において、前記インク組
成物全体を100重量部とした時、前記の有機シリコー
ン系樹脂の配合比率が5重量部以下であることを特徴と
するインクジェット記録装置用インク組成物。 - 【請求項9】請求範囲の第6項において、前記の有機シ
リコーン系樹脂が前記の溶媒中でイオン解離しないこと
を特徴とするインクジェット記録装置用インク組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7241241A JPH0987559A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | インクジェット記録装置用インク組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7241241A JPH0987559A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | インクジェット記録装置用インク組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0987559A true JPH0987559A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17071311
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7241241A Pending JPH0987559A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | インクジェット記録装置用インク組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0987559A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10330667A (ja) * | 1997-06-03 | 1998-12-15 | Ricoh Co Ltd | インクセットおよびインクジェット記録方法 |
| JP2007297118A (ja) * | 2006-05-02 | 2007-11-15 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 隠しマークが施されたプラスチック容器 |
| JP2018069453A (ja) * | 2016-10-24 | 2018-05-10 | 株式会社リコー | 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置 |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7241241A patent/JPH0987559A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10330667A (ja) * | 1997-06-03 | 1998-12-15 | Ricoh Co Ltd | インクセットおよびインクジェット記録方法 |
| JP2007297118A (ja) * | 2006-05-02 | 2007-11-15 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 隠しマークが施されたプラスチック容器 |
| JP2018069453A (ja) * | 2016-10-24 | 2018-05-10 | 株式会社リコー | 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置 |
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