JPH0987944A - 繊維摺接部品とその製造方法、およびそれを用いた織機 - Google Patents

繊維摺接部品とその製造方法、およびそれを用いた織機

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JPH0987944A
JPH0987944A JP24807295A JP24807295A JPH0987944A JP H0987944 A JPH0987944 A JP H0987944A JP 24807295 A JP24807295 A JP 24807295A JP 24807295 A JP24807295 A JP 24807295A JP H0987944 A JPH0987944 A JP H0987944A
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sliding contact
crystal plane
fiber
ray diffraction
weight
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JP24807295A
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Emiko Higashinakagaha
恵美子 東中川
Hideo Shirai
英夫 白井
Kazuya Tsujimoto
和也 辻本
Yoshimi Hisatsune
善美 久恒
Noriyuki Miyamoto
紀幸 宮本
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性および耐食性をより一層向上させた
繊維摺接部品、さらには高速化への対応を図った織機が
求められている。 【解決手段】 正方晶のマルテンサイト系ステンレス鋼
からなる繊維摺接部品であって、その繊維との摺接面の
X線回折による結晶面群A{ (110)+ (011)+(10
1)}、結晶面群B{ (002)+ (020)+ (200)}、結晶面
群C{(112)+(121)+ (211)}のX線回折強度比をI
A 、IB 、IC としたとき、IA /(IB +IC )> 2
を満足する。また、これら結晶面群A、B、Cの合計の
X線回折強度比が、Cr23C 6 析出物の結晶面{ (420)+
(422)+ (440)+ (531)}によるX線回折強度比の10倍
以上である。本発明の織機は、このような繊維摺接部品
からなる筬羽およびヘルドの少なくとも一方を具備する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筬羽やヘルド等の
繊維摺接部品とその製造方法、およびそれを用いた織機
に関する。
【0002】
【従来の技術】製織に使用される織機には、経糸(たて
糸)や緯糸(よこ糸)と摺接する各種の部品が用いられ
ており、例えば筬羽やヘルドが挙げられる。筬羽は筬を
構成する部品であり、多数の筬羽を櫛歯状に並べて長方
形の枠に入れ、筬羽と枠とを固定して筬が構成される。
筬は、各筬羽の間に経糸を通してその位置を整え、また
緯糸を押しつめて布の織り目を整える働きを行うもので
ある。また、ヘルドは中央部に経糸を通すための糸挿通
孔を有し、多数平行に並べてフレームに取付けられて使
用される。そして、多数平行に並べられたヘルドを一体
に動かすことによって、糸挿通孔に通した経糸に上下振
動が与えられる。
【0003】上述したような筬羽やヘルドは、経糸や緯
糸と摺接した状態で使用されるため、その摺接面には経
糸や緯糸との摺接に伴う摩耗を防止することが、すなわ
ち耐摩耗性が要求される。また、織機の使用条件を考慮
すると、単に耐摩耗性に優れるだけでなく、耐食性に優
れることも必要となる。例えば、糸種がポリエステルや
ナイロンの場合にはウォータジェット織機(water jet
loom:WJL)が、また糸種が綿、レーヨン、アセテー
ト、ベンベルグ等の場合にはエアジェット織機(air je
t loom:AJL)が主として用いられており、これらの
織機に用いる部品は耐食性に優れることが重要となる。
【0004】従来の織機においては、上述した耐摩耗性
や耐食性を考慮して、筬羽はステンレス鋼 SUS 301で作
製することが、またヘルドはステンレス鋼 SUS 420J2で
作製することが一般的であった。しかし、織機にはWJ
LおよびAJL共に高速化が求められており、従来にも
増して筬羽やヘルドの耐摩耗性や耐食性に対する要求が
厳しくなっている。このため、上述したような従来材か
らなる筬羽やヘルドでは十分に対応できないというよう
な問題が生じている。そこで、より一層耐摩耗性および
耐食性に優れた織機部品、すなわち繊維摺接部品が求め
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、織機
の高速化に伴って、従来の筬羽やヘルド等の繊維摺接部
品では耐摩耗性や耐食性が不十分となり、筬羽やヘルド
等が消耗しやすくなるというような問題が生じている。
そこで、より一層耐摩耗性および耐食性に優れた繊維摺
接部品が求められており、さらにはそのような部品を用
いることによって、高速化に実用的に対応し得る織機が
求められている。
【0006】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、耐摩耗性および耐食性をより一層向
上させた繊維摺接部品およびその製造方法を提供するこ
とを目的としており、さらにはそのような繊維摺接部品
を用いることによって、高速化への対応を図った織機を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維摺接部品
は、請求項1に記載したように、繊維との摺接面を有す
る繊維摺接部品であって、正方晶のマルテンサイト系ス
テンレス鋼からなると共に、前記繊維との摺接面のX線
回折による結晶面群A{ (110)+ (011)+ (101)}、結
晶面群B{ (002)+ (020)+ (200)}、結晶面群C{
(112)+ (121)+(211)}のX線回折強度比をIA
B 、IC としたときIA /(IB +IC )> 2を満足
することを特徴としている。
【0008】本発明の繊維摺接部品は、特に請求項2に
記載したように、上記繊維摺接部品において、さらに前
記結晶面群Aと結晶面群Bと結晶面群Cの合計のX線回
折強度比が、Cr23C 6 析出物の結晶面{ (420)+ (422)
+ (440)+ (531)}によるX線回折強度比の10倍以上で
あることを特徴としている。
【0009】また、本発明の繊維摺接部品の製造方法
は、請求項4に記載したように、 C0.2〜 1.0重量% 、S
i 1.0重量% 以下、Mn 1.0重量% 以下、 Cr 11〜19重量%
を含み、さらにMo、NiおよびCuから選ばれる少なくと
も 1種をMoの場合には 2.0重量% 以下、NiおよびCuの場
合には 5.0重量% 以下含み、残部がFeおよび不可避的不
純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を、 973〜
1123Kの温度範囲で軟化焼鈍した後、 50%以上の加工率
で冷間塑性加工し、続いて1273〜 1323Kの温度範囲で所
定時間加熱した後に焼入れし、さらに 423〜473Kの温度
範囲で焼戻すことを特徴としている。
【0010】そして、本発明の織機は、請求項5に記載
したように、上記した請求項1または請求項2記載の繊
維摺接部品からなる筬羽およびヘルドの少なくとも一方
を具備することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0012】本発明の繊維摺接部品は、基本的に正方晶
のマルテンサイト系ステンレス鋼により構成している。
ここで、耐摩耗性に関してはマルテンサイト系ステンレ
ス鋼が優れることは知られているが、一般的なマルテン
サイト系ステンレス鋼では十分な耐食性を得ることがで
きない。そこで、マルテンサイト系ステンレス鋼を基本
とし、その耐摩耗性および耐食性を共に向上させるべく
鋭意研究を行ったところ、次のような知見を得た。なお
繊維摺接部品において、繊維と接する部分すなわち部品
断面には耐摩耗性が要求され、その直交面には耐食性が
要求される。
【0013】すなわち、マルテンサイト系ステンレス鋼
に例えば塩水噴霧試験を施し、その腐食表面を観察する
と、表面(腐食面)を形成している結晶面は{(100)+
(010)+(001)}の結晶面群Bであること、言い換えると
腐食しないで残る結晶面は最密充填の結晶面群Bであっ
て、この結晶面群Bが最も耐食性に優れることを見出し
た。そこで、摺接部品の表面、特に摺接面と直交する面
に結晶面群Bを選択的に現出させると耐食性が向上す
る。
【0014】また、正方晶のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼の各結晶面において、耐摩耗性に関しては{(112)
+ (121)+ (211)}の結晶面群Cがすべり面として機能
することを見出した。ここで、繊維と接する摺接面はす
べり面と垂直である必要がある。そこで、本発明におい
ては繊維摺接部品の繊維摺接面の結晶方位に結晶面群A
{ (110)+ (011)+ (101)}を選び、すべり系の結晶面
群C{ (112)+ (121)+ (211)}を摺接面に直交させる
ことによって、耐摩耗性の向上を図っている。さらに、
結晶面群Aと結晶面群Bおよび結晶面群Cとは、結晶学
的に直交するから、摺接面に結晶面群Aを配向させるこ
とによって、摺接面と直交する部品面(すなわち圧延板
面)に結晶面群Bが配向し、それによって前述したよう
に耐食性が向上する。
【0015】上述した理由に基いて本発明の繊維摺接部
品においては、繊維との摺接面のX線回折による結晶面
群A、結晶面群B、結晶面群CのX線回折強度比IA
B、IC を、IA /(IB +IC )> 2と規定してい
る。これは、FeのX線回折強度比(ASTM:6-0696)による
と、特に配向していないFeにおいては、結晶面群A、結
晶面群B、結晶面群CのX線回折強度比IA 、IB 、I
C は、IA /(IB +IC )= 100/(20+30)= 2となる
からである。
【0016】また本発明において、結晶面を表すのに例
えば {100}と代表させずに、{(100)+ (010)+(001)}と
表記するのは、添加元素C の量によっては正方晶のc軸
が増加してa軸が減少し、c/a比が増加することによ
って、例えば (200)面と(020)面は同じ位置にX線回折
ピークが観測されるものの、 (002)面のX線回折ピーク
は位置がわずかにずれる場合があるためである。従っ
て、結晶面群Aとは(110)面と (011)面と (101)面を全
て含むものであり、結晶面群Bおよび結晶面群Cについ
ても同様である。
【0017】本発明の繊維摺接部品は、さらに繊維との
摺接面における結晶面群A、B、Cの合計のX線回折強
度比が、Cr23C 6 析出物の結晶面{ (420)+ (422)+
(440)+ (531)}によるX線回折強度比(合計)の10倍
以上となるようにすることが好ましい。これは、耐食性
成分であるCrがCr23C 6 析出物として消費されると、基
本的な耐食性が損われるためである。適度な加工性を得
るために、焼入れ後に焼戻しを行うと多少なりともCr23
C 6 が析出するが、結晶面群A、B、Cの合計のX線回
折強度比がCr23C 6 の結晶面{ (420)+ (422)+ (440)
+ (531)}のX線回折強度比の10倍以上であれば、良好
な耐食性を得ることができる。
【0018】なお、Cr23C 6 のX線回折ピークにおいて
は {511}面のX線回折強度が最も強いが、これは基材の
ステンレス鋼の結晶面群Aと重なって分離できないた
め、本発明では{ (420)+ (422)+ (440)+ (531)}の
X線回折強度比の和でCr23C 6の析出量を規定するもの
とする。
【0019】本発明の繊維摺接部品の構成材料であるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の具体的な組成は、 C 0.2
〜 1.0重量% 、Si 1.0重量% 以下、Mn 1.0重量% 以下、
Cr11〜19重量% を含み、さらにMo、NiおよびCuから選
ばれる少なくとも 1種をMoの場合には 2.0重量% 以下、
NiおよびCuの場合には 5.0重量% 以下含み、残部がFeお
よび不可避的不純物からなることが好ましい。
【0020】ここで、 Cは耐摩耗性を付与するための必
須成分であり、 0.2重量% 以上の添加が良好な耐摩耗性
を得る上で必要であるが、 1.0重量% を超えて添加する
と加工性が低下するため、 Cの添加量は 0.2〜 1.0重量
% の範囲とすることが好ましい。SiおよびMnは共に脱酸
剤として添加するものであるが、それぞれ 1.0重量%を
超えて添加すると加工性が低下する。Crは耐食性の向上
に寄与する成分であって、11重量% 以上添加することに
よって、その効果を十分に得ることができる。ただし、
あまり多量に添加すると、 Cと結合してCr23C 6 を作り
やすくなると共に、加工性が低下するため、その添加量
は19重量% 以下とすることが好ましい。Mo、NiおよびCu
はいずれも耐食性の向上に寄与するものの、多量に添加
すると硬度が低下するため、Moの場合には 2.0重量% 以
下、NiやCuの場合にはいずれも5.0重量% 以下とするこ
とが好ましい。
【0021】上述したような本発明の繊維摺接部品は、
例えば以下に示す各工程を経ることによって作製するこ
とができる。
【0022】すなわち、まず通常のステンレス鋼製部品
の製造法と同様に、上述したような組成比を満足する合
金成分を溶解および鍛造した後、熱間圧延および冷間圧
延を行う。次いで、 973〜 1123Kの温度範囲で軟化焼鈍
を施す。この際、軟化焼鈍温度が973K未満であると軟化
が不十分となり、次工程の冷間塑性加工時に割れを生
じ、一方 1123Kを超えると結晶粒度が粗大化する。
【0023】次に、 50%以上の加工率で冷間塑性加工す
る。この冷間塑性加工の加工率が50% 未満では以下の処
理を施しても、前述したような規定の結晶面を得ること
ができない。具体的には、まず 50%以上の加工率で冷間
塑性加工し、表面(圧延板面)を {100}〈 110〉面に揃
える。この冷間塑性加工後の鋼はα相(b.c.c) であり、
上記冷間塑性加工により表面に {100}面が、圧延方向に
〈 011〉方向が集合している。これを高温のγ相(f.c.
c) に保持して異方性を消失させても、この状態から水
冷や油冷等による焼入れを行うことによって、マルテン
サイト相α′(正方晶)の {100}面を板面に現出させる
( {100}〈 110〉は再結晶によっても方位は変わらな
い)。このようにして前述した本発明で規定する結晶面
が得られる。ここで、焼入れ温度が低すぎると十分な硬
さおよび十分な耐食性が得られず、また高すぎると残留
オーステナイトが生じて硬さが低下するため、1273〜 1
323Kの温度範囲から焼入れするものとする。また、上記
高温(γ相)での保持時間が長いほど異方性が消失し、
短い保持時間では {100}面の集合が維持されるため、上
記1273〜 1323Kの温度による保持時間は25mmあたり15分
以上とすることが好ましい。
【0024】マルテンサイト系ステンレス鋼は焼入れに
より加工性が低下し、所望の繊維摺接部品形状への加工
が困難となるため、焼戻しを行う必要がある。ただし、
高温で焼戻しを行うと、前述したようにCr23C 6 が多量
に析出して耐食性が低下するため、 423〜473Kの温度範
囲で焼戻すことによって、Cr23C 6 の析出を抑制するこ
とが重要である。焼戻し温度が423K未満であると十分な
焼戻し効果が得られず、一方473Kを超えるとCr23C 6
析出が顕著になり、基本的な耐食性の低下を招くことに
なる。上記したような温度で焼戻すことによって、結晶
面群A、B、Cの合計のX線回折強度比をCr23C 6 の結
晶面{ (420)+ (422)+ (440)+ (531)}のX線回折強
度比の10倍以上とすることができる。
【0025】本発明の織機は、上述したような繊維摺接
部品からなる筬羽およびヘルドの少なくとも一方を具備
するものであり、このような耐摩耗性および耐食性に優
れた筬羽やヘルドを用いることによって、織機の高速化
に十分対応させることが可能となる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0027】実施例1〜7、比較例1 表1にそれぞれ組成を示す合金成分を溶解および鍛造し
た後、熱間圧延および冷間圧延を行った。次いで、 107
3Kの温度で軟化焼鈍を行った後、 60%の加工率で冷間塑
性加工した。この冷間塑性加工の後、γ相を示す 1323K
で20分間保持した後、焼入れ処理を行った。続いて、52
3Kで 1時間の焼戻し処理を行った後、厚さ0.25mmの筬羽
を作製した。
【0028】また、本発明との比較例1として、表1に
組成を示すオーステナイト系ステンレス鋼を用いて、同
様に筬羽を作製した。
【0029】
【表1】 上述した各筬羽の繊維摺接面のX線回折を行ったとこ
ろ、表2に示す結果が得られた。表2に繊維摺接面の結
晶面群Aと結晶面群Bと結晶面群CのX線回折強度比
(IA /(IB +IC ))と、これら結晶面群A、B、
Cの合計のX線回折強度とCr23C 6 析出物の結晶面{
(420)+ (422)+ (440)+ (531)}のX線回折強度との
比を示す。
【0030】
【表2】 上述した実施例1〜7による各筬羽と比較例1による筬
羽に対して、それぞれ塩水噴霧試験と摩耗試験を実施し
たところ、実施例1〜7による各筬羽はいずれの試験に
おいても良好な特性を示したのに対して、比較例1によ
る筬羽は耐食性には優れていたものの、耐摩耗性が上記
実施例の1/10以下であった。
【0031】また、上記実施例1〜7による各筬羽を使
用してそれぞれ筬を作製し、これら各筬を用いてウォー
タジェット織機(WJL)をそれぞれ組立てた。これら
各WJLの実機試験を行ったところ、各筬はいずれも高
速操業した場合においても十分な特性および寿命を有し
ていることを確認した。また、エアジェット織機(AJ
L)においても同様であった。
【0032】実施例8〜14 上記実施例1〜7において、焼戻し温度を823Kとする以
外は同様にして、それぞれ筬羽を作製した。これら各筬
羽に対して塩水噴霧試験と摩耗試験を実施したところ、
各筬羽はいずれも耐摩耗性には優れていたものの、耐食
性は実施例1〜7の各筬羽と比較すると多少劣るもので
あった。なお、これら実施例8〜14の各筬羽のX線回
折を行ったところ、結晶面群A、B、CのX線回折強度
比は実施例1〜7の各筬羽と同様であったが、結晶面群
A、B、Cの合計のX線回折強度比はCr23C 6 析出物の
結晶面{ (420)+ (422)+ (440)+ (531)}のX線回折
強度比の10倍未満であった。
【0033】比較例2〜8 上記実施例1〜7において、焼入れ前のγ相での保持時
間を 5分間とした後に焼入れする以外は同様にして、そ
れぞれ筬羽を作製した。これらの各筬羽の摺接面のX線
回折を行ったところ、結晶面群A、B、CのX線回折強
度比(IA /(IB +IC ))は 2以下であった。これ
ら各筬羽に対して塩水噴霧試験と摩耗試験を実施したと
ころ、各筬羽は耐摩耗性が実施例1〜7の各筬羽と比較
して劣るものであった。
【0034】比較例9〜15 上記実施例1〜7において、焼入れ前のγ相での保持時
間を 5分間とした後に焼入れすると共に、焼戻し温度を
823Kとする以外は同様にして、それぞれ筬羽を作製し
た。これら各筬羽に対して塩水噴霧試験と摩耗試験を実
施したところ、各筬羽はいずれも耐食性および耐摩耗性
が実施例1〜7の各筬羽と比較して劣るものであった。
耐食性は比較例9〜15の各筬羽が最も劣っていた。
【0035】なお、上記各実施例においては、本発明の
繊維摺接部品を筬羽に適用した例について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、ヘルド等の他
の織機部品にも適用することができ、同様に良好な結果
を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の繊
維摺接部品によれば、繊維摺接面を耐摩耗性に優れるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の特定の結晶面で構成して
いるために、耐摩耗性と共に耐食性を向上させることが
可能となる。また、請求項2記載の繊維摺接部品によれ
ば、さらに耐食性の向上が図れる。そして、このような
繊維摺接部品を有する本発明の織機によれば、高速化へ
の実用的な対応を図ることが可能となる。
【0037】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03C 9/04 D03C 9/04 A D03D 49/62 D03D 49/62 A (72)発明者 久恒 善美 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 宮本 紀幸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維との摺接面を有する繊維摺接部品で
    あって、正方晶のマルテンサイト系ステンレス鋼からな
    ると共に、前記繊維との摺接面のX線回折による結晶面
    群A{ (110)+ (011)+ (101)}、結晶面群B{ (002)
    + (020)+(200)}、結晶面群C{ (112)+ (121)+ (2
    11)}のX線回折強度比をIA 、IB 、IC としたと
    き、IA /(IB +IC )> 2を満足することを特徴と
    する繊維摺接部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維摺接部品において、 さらに、前記結晶面群Aと結晶面群Bと結晶面群Cの合
    計のX線回折強度比が、Cr23C 6 析出物の結晶面{ (42
    0)+ (422)+ (440)+ (531)}によるX線回折強度比の
    10倍以上であることを特徴とする繊維摺接部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の繊維摺接部品において、 前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、 C 0.2〜 1.0重
    量% 、Si 1.0重量% 以下、Mn 1.0重量% 以下、 Cr 11〜
    19重量% を含み、さらにMo、NiおよびCuから選ばれる少
    なくとも 1種をMoの場合には 2.0重量% 以下、Niおよび
    Cuの場合には5.0重量% 以下含み、残部がFeおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とする繊維摺接部品。
  4. 【請求項4】 C 0.2〜 1.0重量% 、Si 1.0重量% 以
    下、Mn 1.0重量% 以下、 Cr 11〜19重量% を含み、さら
    にMo、NiおよびCuから選ばれる少なくとも 1種をMoの場
    合には 2.0重量% 以下、NiおよびCuの場合には 5.0重量
    % 以下含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるマ
    ルテンサイト系ステンレス鋼を、 973〜1123K の温度範
    囲で軟化焼鈍した後、 50%以上の加工率で冷間塑性加工
    し、続いて1273〜 1323Kの温度範囲で所定時間加熱した
    後に焼入れし、さらに 423〜473Kの温度範囲で焼戻すこ
    とを特徴とする繊維摺接部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の繊維摺接
    部品からなる筬羽およびヘルドの少なくとも一方を具備
    することを特徴とする織機。
JP24807295A 1995-09-26 1995-09-26 繊維摺接部品とその製造方法、およびそれを用いた織機 Withdrawn JPH0987944A (ja)

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JP24807295A Withdrawn JPH0987944A (ja) 1995-09-26 1995-09-26 繊維摺接部品とその製造方法、およびそれを用いた織機

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1013784A1 (en) * 1998-12-24 2000-06-28 Nisshin Steel Co., Ltd. An abrasion-resistant steel and a weaving machine member made of an abrasion-resistant steel
US6340400B1 (en) * 1998-03-26 2002-01-22 Skf Engineering & Research Centre B.V. Stainless steel
CN102605494A (zh) * 2011-09-07 2012-07-25 常熟市迅达粉末冶金有限公司 一种具有自润性能的钢丝圈

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