JPH0988810A - マルチフローポンプ - Google Patents

マルチフローポンプ

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JPH0988810A
JPH0988810A JP7266102A JP26610295A JPH0988810A JP H0988810 A JPH0988810 A JP H0988810A JP 7266102 A JP7266102 A JP 7266102A JP 26610295 A JP26610295 A JP 26610295A JP H0988810 A JPH0988810 A JP H0988810A
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JP
Japan
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discharge
pump
cylinder barrel
discharge ports
valve plate
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JP7266102A
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English (en)
Inventor
Toshio Hashimoto
登志雄 橋本
Takeshi Ichiyanagi
健 一柳
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Yuken Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Yuken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主要部品について通常の単一吐出ポートのア
キシャルピストンポンプの部品が共用でき、斜板にアン
バランスモーメントが作用することなく、独立した複数
の吐出流を安定して得ることのできるマルチフローポン
プを提供する。 【解決手段】 シリンダバレルの回転方向に分割して弁
板に設けられた複数の吐出ポートのうち、同一のポンプ
吐出口に通じる吐出ポートを、斜板の傾転軸心をシリン
ダバレルの回転軸方向に投影した線分を対称軸としてほ
ぼ線対称位置となるように弁板上に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一台のポンプから
互いに独立した複数のポンプ吐出流路に圧油を分配して
吐出するアキシャルピストン型のマルチフロー可変容量
ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ミニパワーショベル、ミニホイールロー
ダ等の小型建設機械用の油圧ポンプの一つとして、シャ
フトの回転運動をピストンのストローク運動に変換して
圧油の吸入吐出を行うアキシャルピストン型可変容量ポ
ンプが挙げられる。
【0003】このアキシャルピストン型可変容量ポンプ
は、それぞれにピストンが嵌入される複数のシリンダ室
を回転軸心から互いに等しい離心距離で等角度間隔に配
設したシリンダバレルと、シリンダバレルの回転中に各
ピストンに吸排ストローク運動を与えるためにシリンダ
バレルの回転軸に対して傾斜した角度でハウジングに支
持される斜板と、回転するシリンダバレルの底面に摺接
してシリンダバレル底面の吸排孔の夫々が順次巡り合う
ように吸入ポート及び吐出ポートを設けた弁板(ポート
プレート)とをハウジング内に備えているものである。
【0004】このようなアキシャルピストンポンプによ
って複数の独立した吐出流を生じる多分配ポンプ、すな
わちマルチフローポンプを構成することは従来から知ら
れており、その第1の形式として、例えば実公昭43−
7977号には、図3に示すように、弁板の吐出ポート
Pをシリンダバレルの回転方向に複数に分割し、それぞ
れの吐出ポートP31〜P33を合流させることなく、それ
ぞれ独立したポンプ吐出口に導くことにより複数の独立
した吐出流を取り出すものが述べられている。この場
合、弁板以外は通常の単一吐出ポートのアキシャルピス
トンポンプの部品が共用でき、ピストンの1ストローク
で吐出される圧油は弁板によってストローク中に分割さ
れて順番に異なる流路に分配され、例えば3つの互いに
独立した吐出流として取出すことができる。
【0005】また、別の構成の第2の形式のマルチフロ
ーポンプとして、特開昭52−35304号、特開平1
−267367号、特開平1−267368号で開示さ
れているものも知られている。
【0006】これら第2の形式はいずれも、図4に示す
ように、シリンダバレル底面に各シリンダ室h1 〜h6
に個々に通じる吸排孔Q41〜Q46を交互に離心距離の異
なる位置で穿ち、それぞれの離心距離にある二つの同心
円上で互いに独立した吐出流となるように弁板の吐出区
間に径方向に並ぶ別々の二つの吐出ポートP41、P42
形成した構造をもつものである。
【0007】この場合、個々のピストンの1ストローク
分の全吐出量がいずれか一方の吐出ポートから吐出され
ることになり、二つの吐出ポートに対して1つおきのシ
リンダ室から交互に吐出流が与えられることになるの
で、例えば6本のピストンを有するポンプでは、それぞ
れ3本のピストン吐出量をもつ二つのポンプと等価なマ
ルチフローポンプとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1の形式の構成による従来のマルチフローポンプでは、
一般的な構成のアキシャルピストン型可変容量ポンプに
おける弁板の吐出ポートを単に回転方向に分割すること
により各ピストンの1ストローク分の吐出量を一定比率
で分割して多吐出流を得るものであるが、回転方向に分
離配列された各吐出ポート間における圧油圧力の相違に
対する対策が何もなく、単に弁板の吐出ポートを回転方
向に複数に分割しただけでは、シリンダ室内の閉じ込み
圧力の発生によりポンプ騒音が高くなったり、各吐出ポ
ート間における圧油圧力の相違に基づいて斜板に傾転軸
回りのアンバランスモーメントが生じてしまい、斜板の
傾転角制御、例えば、近似性馬力制御において、斜板が
アンバランスモーメントによって振動的になり、最悪の
場合には各吐出ポートの吐出量に予期しない偏差が生じ
る原因となる。
【0009】また、前記第2の形式による従来のマルチ
フローポンプの場合は、シリンダバレル底面における各
シリンダ室の吸排孔の配置を径方向に拡大展開すること
により複数の独立した吐出流を獲得する考えであるた
め、三つ以上の独立した吐出流を得るためには、各吐出
ポート間の漏洩防止の観点からも各シリンダ室底部の吸
排孔の径方向寸法を制限して径方向離間距離を充分にと
る必要があり、また、弁板に設ける吐出ポートも径方向
に並列して増やさなければならず、これは結果として、
装置の大型化を引き起こすこととなるので好ましくな
い。勿論、装置の大きさをあまり変えずに三つ以上の独
立した吐出流を得る構成とすることには、弁板近傍部で
各吸排孔および吐出ポートの圧力バランスを考慮した設
計が極めて困難であり、現実には3スプリットフロー以
上のマルチフローポンプは製品化が実現できていない。
【0010】本発明の目的は、主要部品については通常
の単一吐出ポートのアキシャルピストンポンプの部品が
共用できるという前記第1の形式の利点を損なわずに、
比較的簡単な構成で、斜板にアンバランスモーメントが
作用することなく、従って斜板の傾転角制御に不安定要
因を与えることもなく、独立した複数の吐出流を安定し
て得ることのできるマルチフローポンプを提供すること
にあり、更には、各吐出口の独立性を維持すると共に各
シリンダ室内での閉じ込み圧力の発生を防いで騒音を軽
減することのできるマルチフローポンプを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、前記第1の形式のマルチフローポンプ、すなわ
ち、シャフトによって回転されるシリンダバレルの複数
のシリンダ室内でそれぞれピストンを斜板の傾転角に応
じたストロークで往復運動させると共に、シリンダバレ
ルの回転軸心に対して等しい離心距離で配列された複数
の互いに独立した吐出ポートを有する非回転の弁板を、
各シリンダ室内に個々に通じる複数の吸排孔が開口する
シリンダバレル底面と摺接させることにより、各シリン
ダ室内のピストンの1ストローク分の吐出流を前記複数
の吐出ポートを介して分割して取り出して互いに独立し
た複数のポンプ吐出口に導き、各ポンプ吐出口から互い
に独立した吐出流を生じるようにしたアキシャルピスト
ン型マルチフローポンプにおいて、前記複数のポンプ吐
出口のうち、同一のポンプ吐出口に通じる吐出ポート
を、前記斜板の傾転軸心をシリンダバレルの回転軸方向
に弁板上に投影した線分を対称軸としてほぼ線対称位置
となるように弁板上に配置することによって達成され
る。
【0012】即ち、第1の形式のマルチフローポンプで
は、各シリンダ室内からの吐出流をピストンの1ストロ
ーク分のうちから分割して互いに独立した複数のポンプ
吐出口に導くために弁板の吐出ポートがシリンダバレル
の回転方向で複数に分割されているので、分割されたそ
れぞれの吐出ポートにおける圧油圧力の違いによってシ
リンダバレル底面の弁板部分に生じる反力が斜板の傾転
軸回りのアンバランスモーメントを与えようとするのに
対し、本発明では、弁板に設けられた複数のポンプ吐出
口のうち、同一のポンプ吐出口に通じる吐出ポートが、
斜板の傾転軸心をシリンダバレルの回転軸方向に弁板上
に投影した線分を対称軸として、ほぼ線対称位置となる
ように弁板上に配置されているので、個々のポンプ吐出
口の圧力が互いに相違しても、同一のポンプ吐出口に通
じる吐出ポートの圧力はいずれも前記線分を対称軸とし
て弁板に線対称に作用し、その反力も前記対称軸回りに
平衡することから、斜板の傾転軸回りのアンバランスモ
ーメントは常に生じることがない。
【0013】同一のポンプ吐出口に通じる弁板上の吐出
ポートは単数または偶数の場合があり、単数の場合は対
称軸となる前記線分は吐出ポートを二分するような径方
向線分に相当し、偶数の場合は前記線分を対称軸とする
ほぼ線対称の対をなす位置に設けられた各吐出ポートが
一つのポンプ吐出口に合流された吐出流を与える。
【0014】第1の形式によるマルチフローポンプにお
いては、シリンダバレルの回転中にその底面の吸排孔が
いずれの吐出ポートにも開かれない区間があるとシリン
ダ室への圧油の閉じ込み現象が起こるが、本発明のマル
チフローポンプにおいてこれを避けるためには、シリン
ダバレルの回転方向に関して、弁板上の複数の吐出ポー
ト間の間隔を吸排孔の径寸法よりも狭くすればよい。
【0015】このように、シリンダバレル底面の各吸排
孔と弁板の各吐出ポートを所謂アンダーラップ構造とす
ることにより、各吸排孔は回転中に必ずいずれかの吐出
ポートに通じることになり、各シリンダ室内のピストン
により押し出される圧油は、ピストンストローク中に必
ずどこかの吐出ポートに吐出され、シリンダ室内に圧力
が閉じ込まれることがないので、シリンダ室内の圧力が
不必要に高くならず、吐出圧の脈動やポンプ騒音の増加
などの不都合が生じることがない。
【0016】また、第1の形式によるマルチフローポン
プにおいては、互いに独立したポンプ吐出口に通じる吐
出ポート間の圧力差が大きくなると、シリンダバレルの
回転中に弁板の各吐出ポートに巡ってくるシリンダ室内
に圧力衝撃が生じる懸念が考えられるが、本発明のマル
チフローポンプにおいてこれを緩和するには、シリンダ
バレルとの摺接面において、弁板上で隣り合う二つの吐
出ポートの少なくとも一方に、他方の吐出ポートとの間
隔の一部に延在する導圧用の溝を連通させればよい。
【0017】即ち、このような導圧溝を設けることで、
シリンダ室内の圧油が吸排孔から吐出ポートに吐出され
るときに弁板とシリンダバレルとの摺接面で吐出ポート
の圧力の一部が導圧溝によって隣接する吐出ポートに向
って分布するようになり、各ポート間の圧力差によるシ
リンダ室内での圧力衝撃の発生を緩和することができ
る。
【0018】勿論、吐出ポート間の間隔は最も広いもの
でも吸排孔の径寸法よりも狭くなるようにすると共に隣
接吐出ポート間に導圧用の溝を設けることで、シリンダ
室内の閉じ込み圧力の発生とシリンダ室内での圧力衝撃
の発生を一層効果的に抑制することができるが、これは
各吐出ポート間の漏れ量が実用上許容される範囲内に納
まるように設計すべきである。
【0019】本発明では、互いに独立した複数のポンプ
吐出口間に圧力差が生じても、弁板に形成された多分配
用の複数の吐出ポートは線対称な配置によって常に圧力
バランスしているので斜板には上記圧力差によるアンバ
ランスモーメントが発生することはなく、従って斜板の
傾転角をポンプ吐出圧によって例えばカットオフ制御や
近似定馬力制御などの種々の目的で自己圧制御するレギ
ュレータ機構としては通常の方式を採用することがで
き、このようなレギュレータ機構としては、例えば傾転
角を変化させるように斜板を駆動する油圧操作ピストン
機構と、複数の互いに独立したポンプ吐出口のそれぞれ
の圧力の和と前記油圧操作ピストン機構の位置フィード
バック量との偏差が予め定められたバネ荷重と平衡する
ように最も高圧のポンプ吐出口の圧油を油圧操作ピスト
ン機構に操作圧油として導く制御弁装置とによって構成
可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1(a)は、本発明によるマル
チフローポンプの実施形態の一例を示す模式断面図、図
1(b)はその弁板のポート配列を示す説明図であり、
本例では、最も構造が単純なバネによる負荷圧対抗型の
油圧操作ピストン機構によるレギューレータを備えた3
スプリットフロー式のアキシャルピストン型マルチフロ
ーポンプを例示している。
【0021】図1(a)において、シリンダバレル2
は、内燃機関や電動機などの駆動原動機で回転されるシ
ャフト3と共に回転し、シリンダバレル2の各シリンダ
室内に挿入されたピストン4は、そのヘッド部がそれぞ
れ斜板5に相対摺接回転可能に保持されているので、シ
ャフト3の回転に伴ってシリンダバレル2が回転すると
ピストン4のヘッド部はシャフト3の回転軸心を中心と
して斜板5上を摺接周回運動することとなる。
【0022】このときの各ピストン4のシリンダ室内で
の位置は、シリンダバレル2と斜板5との傾転角により
決定されるので、ヘッド部が斜板5上を周回運動する間
にピストン4はシリンダ室内を往復運動することにな
る。
【0023】ピストン4のヘッド部がシリンダバレル2
に最も近づく位置(下死点位置と呼ぶ)に達すると、ピ
ストン4はシリンダ室の容積を最小にし、またピストン
4のヘッド部がシリンダバレル2から最も遠くなる位置
(上死点位置と呼ぶ)に達すると、ピストン4はシリン
ダ室の容積を最大にすることとなる。
【0024】従って、ピストン4がシリンダ室の容積を
増加する方向に移動する時に圧油がシリンダ室内に吸入
され、逆にピストン4がシリンダ室の容積を減じる方向
に移動する時にシリンダ室内の圧油が外部に吐出される
こととなる。
【0025】このようなピストン4のストローク運動に
よるシリンダ室の押しのけ容積は斜板5の傾斜角によっ
て決定され、この斜板5は、戻しバネ6に対抗するレギ
ュレータ機構の油圧操作ピストン7によってその傾転角
が制御されるので、この油圧操作ピストン7の位置によ
りポンプの吐出量を調整することができる。
【0026】シリンダバレル2の底面には、ポンプハウ
ジングに対して固定された非回転の弁板1が摺接可能に
配置されており、この弁板1においては、図1(b)に
示すように、ピストン4の上死点位置Aと下死点位置B
とを通る線分AB(シャフト軸心および斜板傾転軸と直
角)を境界として、その一方の側と他方の側とに吐出ポ
ート領域と吸入ポート領域とがシリンダバレルの回転方
向に基づいて分けられている。
【0027】弁板1の吸入ポート領域に設けられている
一つの吸入ポート1aと吐出ポート領域に設けられてい
る複数の互いに独立した吐出ポート1b〜1fは、いず
れも一つの円周上に円弧状に配列されており、吸入ポー
ト1aは、吸入ポート領域のほぼ全域に亙ってキドニー
状に設けられ、下死点位置Bから上死点位置Aまでの区
間では各シリンダ室内に連続的に圧油が吸入されるよう
になっている。
【0028】一方、弁板1の吐出ポート領域には、上死
点位置Aから下死点位置Bまでの区間が5つの領域θ1
〜θ5に区分され、各区分領域に一つずつの合計5つの
分離した吐出ポート1b〜1fが相互に間隔を開けて配
列されている。これらの吐出ポートのうち、区分領域θ
3内に設けた吐出ポート1dは独立した一つのポンプ吐
出口に導かれ、区分領域θ1とθ5内の各吐出ポート1
bと1fは合流して別の独立した一つのポンプ吐出口に
導かれ、区分領域θ2とθ4内の各吐出ポート1cと1
eは合流して更に別の独立した一つのポンプ吐出口に導
かれ、合計で3つの互いに独立した吐出流を生じるよう
にしてある。
【0029】区分領域θ1とθ5は互いに等しい角度範
囲に亙っており、区分領域θ2とθ4も互いに等しい角
度範囲に亙っている。ここで、斜板5の傾転軸心をシリ
ンダバレル2の回転軸心方向に弁板1上に投影した線分
X−Xを圧力バランス境界対称軸とすると、吐出ポート
1bと1fは線分X−Xを対称軸として線対称位置に設
けられ、吐出ポート1cと1eも線分X−Xを対称軸と
して線対称位置に設けられ、更に吐出ポート1dも線分
X−Xを対称軸として線対称形状となる位置に設けられ
ている。
【0030】この場合、区分領域θ1とθ5内に設けた
吐出ポート1bと1fからの吐出流は一つの独立吐出口
に合流して導かれて圧力P1 および流量Q1 の一つの独
立した吐出流として取り出されるので、区分領域θ1と
θ5に作用するシリンダ室内の圧力は対称軸X−Xに関
して両側で常にバランスし、シリンダ室内の圧力の反力
を回転軸心方向に受ける斜板に対して区分領域θ1とθ
5の圧力による反力も常に平衡状態に保たれる。
【0031】同様に、区分領域θ2とθ4内に設けた吐
出ポート1cと1eからの吐出流は別の一つの独立吐出
口に合流して導かれて圧力P2 および流量Q2 の一つの
独立した吐出流として取り出されるので、区分領域θ2
とθ4に作用するシリンダ室内の圧力は対称軸X−Xに
関して両側で常にバランスし、シリンダ室内の圧力の反
力を回転軸心方向に受ける斜板に対して区分領域θ2と
θ4の圧力による反力も常に平衡状態に保たれる。
【0032】更に、区分領域θ3に設けた単一の吐出ポ
ート1dからの吐出流は更に別の独立した一つのポンプ
吐出口に導かれて圧力P3 および流量Q3 の更に別の独
立した吐出流として取り出され、この吐出ポート1dは
対称軸X−Xに関して線対称の開口形状となるように配
置されているので、区分領域θ3に作用するシリンダ室
内の圧力は対称軸X−Xに関して両側で常にバランス
し、シリンダ室内の圧力の反力を回転軸心方向に受ける
斜板に対して区分領域θ3の圧力による反力も平衡状態
に保たれる。
【0033】このようにして、複数の吐出ポートを対称
軸に関して線対称に圧力バランスするように配置すると
共に、それぞれの吐出ポートからの吐出流をこの圧力バ
ランスが維持されるように複数の独立したポンプ吐出口
に配分しているため、弁板全体として対称軸に関する圧
力バランスが常に保たれ、これら複数の吐出ポート間の
圧力差に基づく斜板傾転軸回りのアンバランスモーメン
トは発生することがなく、それによる斜板の振動も起き
ることがない。
【0034】図2は、弁板上の複数の吐出ポート間の間
隔寸法についての説明図であり、ここでは簡略化のた
め、二つの吐出ポート間の間隔部分のみを示している。
【0035】図2において、実線で示した部分が吐出ポ
ート(それぞれ圧力P1 、P2 )であり、点線で示した
部分Qがシリンダ室底部の吸排孔である。尚、図2では
説明の便宜上、吸排孔Qの移動する方向を直線で示して
いるが、実際にはこの直線は円であることは述べるまで
もない。
【0036】図2(a)は、吐出ポート間の距離L1が
シリンダ孔Qの直径L2よりも大きい場合を示してい
る。シリンダ室内での圧力の閉じ込み現象を回避するに
は、各吐出ポートを互いに近づけて吐出ポート間の距離
L1を短くして所謂アンダーラップ構造にすればよく、
更に各ポートの独立性を高度に維持する必要がある場合
には、吐出ポート間をアンダーラップ構造するよりも、
図2(b)または(c)に示すように、一方の吐出ポー
トに他方の吐出ポートへ向って延びた楔状または半円状
の導圧溝を設けて、圧力作用領域としての吐出ポート間
の間隔を実質的にシリンダ孔Qの直径L2よりも短く
し、吐出ポート間での漏れを極力少なくするのがよい。
【0037】尚、以上に述べた実施形態では3スプリッ
トフローのマルチフローポンプの場合を例に示したが、
本発明はこれに限定されることなく、弁板の吐出ポート
配列によって、所望数の独立したポンプ吐出口からピス
トンストロークを分割した個別の吐出流を取り出すよう
にした場合にも同様に適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
互いに独立した複数のポンプ吐出口間に圧力差が生じて
も、弁板に形成された多分配用の複数の吐出ポートは、
ほぼ線対称な配置によって常に圧力バランスしているの
で、斜板には振動の原因となるような上記圧力差による
アンバランスモーメントが発生することがない。そのた
め、斜板の傾転角をポンプ吐出圧によって例えばカット
オフ制御や近似定馬力制御などの種々の目的で自己圧制
御するレギュレータ機構も特別な方式を採用する必要が
なく、また比較的簡単な構成で独立した複数の吐出流を
比較的低騒音で獲得することのできるマルチフローポン
プを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明によるマルチフローポンプの
実施形態の一例を示す模式断面図、(b)はその弁板の
ポート配列を示す説明図である。
【図2】(a)(b)(c)は本発明の幾つかの実施形
態における弁板の吐出ポート間の間隔を説明するための
模式図である。
【図3】従来のマルチフローポンプの弁板の一例を示す
説明図である。
【図4】従来のマルチフローポンプのシリンダバレル底
面における吸排孔の配列と弁板のポート配列の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 :弁板 1a :吸入ポート 1b〜1f:吐出ポート 2 :シリンダバレル 3 :シャフト 4 :ピストン 5 :斜板 6 :戻しバネ 7 :油圧操作ピストン Q :吸排孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトによって回転されるシリンダバ
    レルの複数のシリンダ室内でそれぞれピストンを斜板の
    傾転角に応じたストロークで往復運動させると共に、シ
    リンダバレルの回転軸心に対して等しい離心距離で配列
    された複数の互いに独立した吐出ポートを有する非回転
    の弁板を、各シリンダ室内に個々に通じる複数の吸排孔
    が開口するシリンダバレル底面と摺接させることによ
    り、各シリンダ室内のピストンの1ストローク分の吐出
    流を前記複数の吐出ポートを介して分割して取り出して
    互いに独立した複数のポンプ吐出口に導き、各ポンプ吐
    出口から互いに独立した吐出流を生じるようにしたアキ
    シャルピストン型マルチフローポンプにおいて、 前記複数のポンプ吐出口のうち、同一のポンプ吐出口に
    通じる吐出ポートが、前記斜板の傾転軸心をシリンダバ
    レルの回転軸方向に弁板上に投影した線分を対称軸とす
    るほぼ線対称位置となるように、前記弁板上に配置され
    ていることを特徴とするマルチフローポンプ。
  2. 【請求項2】 シリンダバレルの回転方向に関して、前
    記複数の吐出ポート間の間隔が、前記シリンダバレル底
    面の吸排孔の径寸法よりも狭いことを特徴とする請求項
    1に記載のマルチフローポンプ。
  3. 【請求項3】 シリンダバレルとの摺接面において前記
    弁板上で隣り合う二つの吐出ポートの少なくとも一方に
    他方の吐出ポートとの間隔の一部に延在する導圧用の溝
    が連通されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のマルチフローポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057613A (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Yuken Kogyo Co Ltd 油圧ポンプ
CN115929617A (zh) * 2023-01-29 2023-04-07 江苏科技大学 一种适用于低噪音超高压柱塞泵的配流盘

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