JPH0990962A - アクティブ消音装置 - Google Patents

アクティブ消音装置

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Publication number
JPH0990962A
JPH0990962A JP7250485A JP25048595A JPH0990962A JP H0990962 A JPH0990962 A JP H0990962A JP 7250485 A JP7250485 A JP 7250485A JP 25048595 A JP25048595 A JP 25048595A JP H0990962 A JPH0990962 A JP H0990962A
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JP
Japan
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noise
noise signal
signal
predicted
error
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Withdrawn
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JP7250485A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Matsuura
哲哉 松浦
Takehiko Hiei
武彦 樋江井
Takeshi Nishimura
剛 西村
Hiroyuki Ito
宏幸 伊藤
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランダム音と考えられていた騒音を解析した
結果、カオスである点を見出だし、騒音信号から時間的
に先の騒音を予測してコンパクト化を図る。 【解決手段】 騒音信号より時間的に先の騒音(11)を
予測して予測騒音信号を出力する予測器(50)を設けて
いる。FIRフィルタ(41)が予測騒音信号に対して逆
位相で同振幅の反転音信号を出力し、スピーカ(31)が
反転音をに放射する。モニタマイクロフォン(32)が反
転音と騒音(11)との誤差を出力し、誤差が小さくなる
ようにFIRフィルタ(41)のフィルタ係数を更新す
る。また、予測器(50)は、カオス判定の相間次元に基
づいて入力層ユニット数を定めたニューラルネットワー
クに基づき1サンプリング先の予測騒音信号を出力する
データ処理回路(51)と、予測騒音信号と騒音信号とに
基づきニューラルネットワークの重み係数を算出する係
数演算回路(52)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブ消音装
置に関し、特に、コンパクト化対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種のアクティブ消音装置
は、特開平5−323974号公報に開示されているよ
うに、ダクトに騒音の上流側から検出マイクとスピーカ
とモニタマイクとを設置し、検出マイクが検出した騒音
に基づいてFIRフィルタが反転音信号を生成し、この
反転音信号に基づいてスピーカがダクトに反転音を放射
し、騒音を打ち消するようにしている。
【0003】一方、上記騒音と反転音との誤差をモニタ
マイクが検出し、該モニタマイクの誤差信号に基づいて
上記誤差が小さくなるように適応アルゴリズム実行回路
がFIRフィルタのフィルタ係数を更新するようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のアクテ
ィブ消音装置においては、設置の自由度を高めるため
に、装置全体のコンパクト化が望まれている。
【0005】一方、上記アクティブ消音装置では、検出
マイク及びスピーカ等の音響機器や、アナログ信号及び
デジタル信号を信号処理するコントローラ自体に遅れが
存在するので、その遅延を補うためには、検出マイクロ
フォンとスピーカとの間に一定の距離が必要になる。
【0006】上述したコンパクト化を図るためには、検
出マイクロフォンとスピーカとの距離を短縮する必要が
あるが、この短縮を図るためには、システム遅延をでき
得る限り小さくする必要がある。
【0007】その際、上記コントローラのデジタル部分
の遅れは、制御チップの進歩によりサンプリング周波数
を高めることで改善される。しかしながら、音響機器に
よる遅れは物理的な問題であるので、その遅延の解消は
期待することができないという問題があった。
【0008】したがって、上述した従来のアクティブ消
音装置においては、コンパクト化に限界があった。
【0009】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、本願発明発明者らは、ランダム音と考えられていた
騒音を解析した結果、カオスである点を見出だし、この
新たな事実に基づき騒音信号から時間的に先の騒音を予
測し、反転音を放射するようにしてコンパクト化を図る
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた
手段は、先ず、伝播空間(21)を伝播する騒音(11)を
検出して騒音信号を出力する騒音検出手段(30)が設け
られている。そして、該騒音検出手段(30)が出力する
騒音信号を受けて該騒音信号より時間的に先の騒音(1
1)を予測し、予測騒音信号を出力する予測手段(50)
が設けられている。更に、該予測手段(50)が出力する
予測騒音信号に対して、逆位相で同振幅の反転音信号を
生成して出力するデジタルフィルタ(41)と、該デジタ
ルフィルタ(41)の反転信号を受けて反転音を伝播空間
(21)に放射する反転音放射手段(31)とが設けられて
いる。加えて、該反転音放射手段(31)が放射した反転
音と伝播空間(21)の騒音(11)との誤差を検出して誤
差信号を出力する誤差検出手段(32)と、該誤差検出手
段(32)が出力する誤差信号と予測手段(50)が出力す
る予測騒音信号とを受けて誤差が小さくなるように上記
デジタルフィルタ(41)のフィルタ係数を更新する適応
アルゴリズム実行回路(44)とが設けられている。
【0011】また、請求項2に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明において、予測手段(50)が、
1サンプリング先の騒音(11)を予測して予測騒音信号
を出力している構成としている。
【0012】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、上記請求項2の発明において、予測手段(50)が、
騒音信号を入力としてニューラルネットワークに基づき
予測騒音信号を出力するデータ処理回路(51)と、予測
騒音信号と該予測騒音信号に対応する実際の騒音信号と
の差に基づきニューラルネットワークにおける各ユニッ
トの重み係数を算出してデータ処理回路(51)に係数信
号を出力する係数演算回路(52)とを備えた構成として
いる。
【0013】また、請求項4に係る発明が講じた手段
は、上記請求項3の発明において、データ処理回路(5
1)が、騒音信号のカオス性を判定する相間次元に基づ
いて入力層のユニット数を定める構成としている。
【0014】−作用− 上記の発明特定事項により、請求項1に係る発明では、
先ず、伝播空間(21)を伝播する騒音(11)は、騒音検
出手段(30)により検出されて予測器(50)に入力され
る。
【0015】該予測器(50)は、騒音信号より時間的に
先の騒音(11)を予測し、予測騒音信号を出力する。具
体的に、請求項2及び請求項3に係る発明では、データ
処理回路(51)が騒音検出手段(30)からの騒音信号を
取得して予測騒音信号を出力する。一方、1サンプリン
グタイムだけ遅延された予測騒音信号と騒音信号とを比
較した誤算信号が係数演算回路(52)に入力される。
【0016】そして、係数演算回路(52)が、誤算信号
に基づき重み係数を演算して係数信号をデータ処理回路
(51)に出力する。そして、データ処理回路(51)が1
サンプリング先の予測騒音信号を出力すると共に、係数
演算回路(52)がニューラルネットワークの重み係数を
更新する。その際、請求項4に係る発明では、カオスの
相間次元に基づいてニューラルネットワークの入力層の
ユニット数が定められている。
【0017】一方、上記予測騒音信号がデジタルフィル
タ(41)に入力すると共に、適応アルゴリズム実行回路
(44)に入力する。そして、デジタルフィルタ(41)に
おいては、予測騒音信号と逆位相で且つ同振幅の反転音
信号を生成する。この反転音信号が反転音放射手段(3
1)に出力され、反転音が伝播空間(21)に放射され
る。この放射により、伝播空間(21)の騒音(11)は、
反転音により良好に低減される。
【0018】更に、反転音で減衰した騒音レベル、つま
り、誤差が誤差検出手段(32)により検出され、誤差信
号が適応アルゴリズム実行回路(44)に入力される。こ
の誤差信号と上記予測騒音信号とに基づいてデジタルフ
ィルタ(41)のフィルタ係数が適応アルゴリズム実行回
路(44)によって逐次更新される。このフィルタ係数の
更新により、デジタルフィルタ(41)による反転音信号
の生成が騒音(11)に対して経時的に精度良く行われ、
騒音(11)が最も良好に低減される。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によれば、
騒音信号を予測するようにしたために、騒音検出手段
(30)と反転音放射手段(31)との間の距離を予測時間
に対応した分だけ短縮することができるので、装置全体
のコンパクト化を図ることができる。この結果、設置の
自由度を向上させることができ、適用範囲の拡大を図る
ことができる。
【0020】また、請求項2及び請求項3に係る発明に
よれば、予測手段(50)が1サンプリング先の騒音(1
1)を予測するようにしたために、重み係数を更新する
ためのデータ処理回路(51)を省略することができるの
で、予測器(50)の構成を簡略化することができる。
【0021】また、請求項4に係る発明によれば、時系
列データのカオスを判定する相間次元に基づいてニュー
ラルネットワークにおける入力層のユニット数を設定す
るようにしたために、決定論的関係をニューラルネット
ワークで表現することが容易となり、予測騒音信号の正
確性を向上させることができる。この結果、騒音(11)
の減衰レベルを向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0023】図2に示すように、アクティブ消音装置
(10)は、空調用ダクト(20)内の騒音(11)を消音す
るものであり、該ダクト(20)の内部には、図2の左端
に位置する騒音源(図示省略)から騒音(11)が伝播す
る伝播空間(21)が形成されている。
【0024】上記ダクト(20)には、図2の矢符で示す
伝播空間(21)における騒音(11)の伝播方向の上流側
から下流側に向かって検出マイクロフォン(30)とスピ
ーカ(31)とモニタマイクロフォン(32)とが順に配置
されている。該検出マイクロフォン(30)は、伝播空間
(21)における騒音(11)を検出する騒音検出手段を構
成しており、エリアシング防止用ローパスフィルタ(図
示省略)を介して騒音信号をコントローラ(40)に出力
する。
【0025】上記スピーカ(31)は、コントローラ(4
0)からの反転音信号をエリアシング防止用ローパスフ
ィルタ(図示省略)を介して受け、騒音(11)とは逆位
相でかつ同振幅の反転音を上記伝播空間(21)に放射す
るための付加音源であって、反転音放射手段を構成して
いる。
【0026】上記モニタマイクロフォン(32)は、所定
の観測点に配置され、上記スピーカ(31)から放射され
た反転音の作用により低減された騒音(11)の低減音レ
ベルをその観測点で検出し、エリアシング防止用ローパ
スフィルタ(図示省略)を介して誤差信号を出力する誤
差検出手段を構成している。つまり、該モニタマイクロ
フォン(32)は、スピーカ(31)からの反転音と騒音
(11)との誤差を検出して誤差信号を出力する。
【0027】上記コントローラ(40)は、騒音(11)と
は逆位相でかつ同振幅の反転音信号を生成するためのも
ので、上記スピーカ(31)への反転音信号がD/A変換
器(図示せず)等を介して出力されると共に、検出マイ
クロフォン(30)の騒音信号とモニタマイクロフォン
(32)の誤差信号がA/D変換器(図示せず)等を介し
て入力されている。
【0028】そして、該コントローラ(40)には、適応
型FIRフィルタ(41)と、第1補正フィルタ(42)及
び第2補正フィルタ(43)とを備えると共に、適応アル
ゴリズム実行回路(44)と、本発明の特徴とする予測器
(50)とを備え、上記検出マイクロフォン(30)が出力
する騒音信号が加算回路(45)を介して予測器(50)に
入力されている。
【0029】該適応型FIRフィルタ(41)は、後述す
る予測器(50)が出力する予測騒音信号を受け、該予測
騒音信号とは基本的に逆位相で同振幅の反転音信号を生
成するデジタルフィルタを構成している。
【0030】また、上記第1補正フィルタ(42)は、ス
ピーカ(31)から放射された反転音がモニタマイクロフ
ォン(32)に入力するエラーパス(3c)が存するので、
後述する予測器(50)の予測騒音信号を受け、該予測騒
音信号に対して反転音の出力からエラーパス(3c)まで
の伝達関数に関する補正している。具体的に、第1補正
フィルタ(42)は、反転音信号がスピーカ(31)からモ
ニタマイクロフォン(32)に入力されるのに要する伝播
時間だけ予測騒音信号を予め所定時間遅延させると共
に、波形減衰等を考慮したフィルタであって、スピーカ
(31)とモニタマイクロフォン(32)との間の伝達関数
を有するFIRフィルタで構成されている。
【0031】上記第2補正フィルタ(43)は、スピーカ
(31)から放射された反転音が検出マイクロフォン(3
0)に伝播するフィードバックパス(3b)が存するの
で、このフィードバックパス(3b)によってハウリング
が発生するのを防ぐためのフィルタである。具体的に、
第2補正フィルタ(43)は、適応型FIRフィルタ(4
1)の反転音信号をフィルタ処理して加算回路(45)に
フィードバックしており、反転音の出力からフィードバ
ックパス(3b)までの伝達関数を有するFIRフィルタ
で構成されている。
【0032】上記適応アルゴリズム実行回路(44)は、
最小二乗平均法(LMS;LeastMean Square)アルゴリ
ズムによる適応制御を行うように構成されている。該適
応アルゴリズム実行回路(44)は、第1補正フィルタ
(42)を通して受ける予測騒音信号を遅延した信号と、
モニタマイクロフォン(32)から出力される誤差信号と
に基づき、騒音信号と反転音との誤差が低下するように
LMSによって適応型FIRフィルタ(41)のフィルタ
係数を更新し、反転音信号を補正して適応制御してい
る。
【0033】一方、上記予測器(50)は、本発明の特徴
とするところであって、1サンプリング先の騒音信号を
予測して出力する予測手段を構成し、図3に示すよう
に、データ処理回路(51)と係数演算回路(52)とを備
えている。
【0034】上記データ処理回路(51)は、加算回路
(45)を介して検出マイクロフォン(30)からの騒音信
号を受け、該騒音信号である時系列データをニューラル
ネットワークに基づいて処理しており、現在サンプリン
グした騒音(11)に対して時間的に1サンプリング先の
騒音信号を予測して時系列予測データである予測騒音信
号を出力するように構成されている。
【0035】上記係数演算回路(52)は、データ処理回
路(51)におけるニューラルネットワークの重み係数を
演算する回路であって、予測騒音信号と騒音信号との誤
差信号が比較回路(53)から入力されている。つまり、
データ処理回路(51)が出力する予測騒音信号は、1サ
ンプリング先の騒音信号に対応しているので、該予測騒
音信号を遅延回路(54)によって1サンプリングだけ遅
延させた後、検出マイクロフォン(30)からの騒音信号
とを比較回路(53)が比較して誤差信号を出力する。こ
の誤差信号を係数演算回路(52)が受けて重み係数を演
算して係数信号をデータ処理回路(51)に出力してい
る。そして、上記データ処理回路(51)は、重み係数を
調節して予測騒音信号を出力している。
【0036】−予測原理− そこで、上記騒音(11)を予測する基本的原理について
説明する。
【0037】先ず、騒音(11)を予測するに当り、ダク
ト(20)を伝播する騒音(11)、つまり、ファン騒音
(11)の周波数特性を分析すると、図7に示すようにな
る。つまり、この図7から明らかなように、ファン騒音
(11)の場合、500Hz以下の低周波数の騒音(11)が
多く含まれていることが分る。
【0038】この低周波数成分が多いということは、騒
音(11)の位相に関する時間変動が穏やかであるといえ
る。したがって、短時間であれば、精度の良い予測が可
能である。
【0039】一方、上記ニューラルネットワークは、画
像認識での利用に代表されるように、パターンの認識に
有効であり、低周波成分を多く含む時系列データは、短
時間であれば、パターン変動が小さいので、ニューラル
ネットワークを用いれば、そのパターン認識特性による
比較的精度の良い時系列データの予測が期待できる。し
たがって、上記騒音(11)であるファン騒音は、ニュー
ラルネットワークによって予測が可能といえる。
【0040】しかし、上記ファン騒音(11)の時系列デ
ータは、図8に示す現象を呈し、ファン騒音(11)は、
図8から何らの性質も見出だせないことから、従来、ラ
ンダム音として考えられていた。
【0041】本願発明者らは、騒音(11)について鋭意
研究した結果、低周波のファン騒音(11)がカオスであ
る点を新たに見出だし、本発明を成すに至ったのであ
る。そこで、このカオスに関する考察について説明す
る。
【0042】第1として再構成軌道について説明する。
時系列データのカオス的振舞いを調べるために2次元平
面の埋め込み空間を考える。つまり、上記騒音(11)の
時系列データについて、ある時間のデータX(t) と、該
データX(t) より所定時間T(遅れ時間)だけ時間的に
進んだデータX(t+T) とをとり、このX(t) とX(t+T)
とを2軸とする2次元平面(埋め込み空間)を考える
と、時間tの変化に伴う点|X(t) ,X(t+T) |の軌道
は、図9に示すようになる。図8の騒音(11)が全くの
ランダムであれば、点|X(t) ,X(t+T) |は分散する
ことになるが、上記図9から明らかなように、点|X
(t) ,X(t+T) |の軌道は、分散せずに所定の範囲に限
られており、カオス的であると考えられる。
【0043】第2にリアプノフ指数について説明する。
該リアプノフ指数は、位相空間内において、基準軌道に
近接した軌道が時間と共に離れていく程度を表す量であ
り、リアプノフ指数の正負によってカオス性を判定する
ことができる。上記リアプノフ指数λは、図10に示す
ように、ウォルフ(Wolf)アルゴリズムを用い、位相空
間上の時刻tにおける基準点Xi(t)と、このXi(t)に最
も近接した点Yi(t)とを求めた後、この2点の時間変化
を追いながら、τ間隔の距離の比を算出し、この多くの
ペア|Xi(t),Yi(t)|について平均させて求められ、
次式(1)で表される。尚、次式(1)における‖…‖
はベクトルの長さを表している。
【0044】
【式1】
【0045】このリアプノフ指数λが零よりも小さい場
合(λ≦0)、離れる量が零又は小さくなっているの
で、運動が点アトラクタ又は周期アトラクタであること
を示し、リアプノフ指数λが零よりも大きい場合(λ>
0)、カオス性を有していることになる。尚、リアプノ
フ指数λが零よりも相当大きい場合には、離れる量が大
き過ぎることになり、ランダム現象を示すことになる。
【0046】上記図8に示す騒音(11)の時系列データ
に対するリアプノフ指数λの評価は図11に示すように
なる。この図11から明らかなように、騒音(11)の時
系列データに対するリアプノフ指数λは、約0.003
に収束しており、上記騒音(11)はカオスであるといえ
る。
【0047】第3に相間次元について説明する。位相空
間内での奇妙なアトラクタを特徴付ける量としてフラク
タル次元がある。このフラクタル次元は、通常の次元と
呼ばれる整数値のみを扱う位相次元とは異なり、非整数
値(少数値)まで拡張された次元をいう。このフラクタ
ル次元を求める1手法に、グロスバーガー(P.Grassber
ger)とプロカチア(I.Procaccia)とによって提案された
相間次元があり、この相関次元は、相関積分C(r) を利
用して次式(2)で求められる。尚、次式(2)におけ
る‖…‖はベクトルの長さを表している。
【0048】
【式2】
【0049】上式(2)においてけるH(α)はヘビサ
イド関数であって、次式(3)の通りである。
【0050】
【式3】
【0051】上記式(2)によって計算された相関積分
C(r) が、半径rの適当な範囲で、次式(4)に示す関
係が得られると考えられる。
【0052】
【式4】
【0053】ここで、ν(D) は相間指数である。この相
間指数ν(D) は、横軸に半径 logr、縦軸に相関積分 l
ogC(r) をとってプロットしたグラフにおいて、適当な
半径rの範囲内での直線部分の傾きによって求められ
る。
【0054】そして、埋め込み次元Dを逐次増やしなが
ら相関積分C(r) を計算し、相間指数ν(D) を求める。
実際のアトラクタを埋め込むに必要な次元Dを越えるま
で相間指数ν(D) は増加するが、やがて飽和する。すわ
なち、漸近してゆく値Dcorrが相間次元となり、この相
間次元Dcorrの値が少数を含む非整数値であれば、カオ
ス性を有しているといえる。
【0055】そこで、図8に示すファン騒音(11)の時
系列データについて、半径 logrに対する相関積分 log
C(r) を求めると、図12に示すようになり、埋め込み
次元Dに対する相間指数ν(D) を求めると、図13に示
すようになる。この図13からファン騒音(11)の相間
次元Dcorrは、3と4との非整数値である。
【0056】以上の結果から、ファン騒音(11)は決定
論的カオスであると判定することができる。ファン騒音
(11)にカオス性がある場合、何らかの決定論的関係が
あると考えられるので、この決定論的関係をニューラル
ネットワークで表現することが可能であれば、騒音(1
1)の時系列データの予測が可能となる。
【0057】この決定論的関係を再現するには、図13
から相間次元Dcorrの約2倍の次元を考える必要があ
る。つまり、図13の相間次元Dcorrは、埋め込み次元
Dが6〜7の値に収束しているので、6〜7次元の空間
を考える必要がある。
【0058】例えば、アトラクタが直線で1次元である
場合、位相空間の次元である埋め込み次元Dを1から逐
次増やしていくと、相間指数ν(D) は1次元で飽和し、
埋め込み次元Dを1以上に増やしても相間指数ν(D) は
1次元で相間次元Dcorrは1次元となる。また、アトラ
クタがトーラスで3次元である場合、位相空間の次元で
ある埋め込み次元Dを1から逐次増やしていくと、相間
指数ν(D) は3次元で飽和し、埋め込み次元Dを3以上
に増やしても相間指数ν(D) は3次元で相間次元Dcorr
は3次元となる。
【0059】したがって、上記ファン騒音(11)の場
合、決定論的関係を6〜7次元の位相空間で再現するこ
とができると考えられるので、ニューラルネットワーク
の入力層におけるユニット数を6以上に設定することが
望ましいと考えられる。
【0060】−ニューラルネットワークの適用原理− 次に、ニューラルネットワークを予測器(50)に適用す
るようにした理由について図20〜図24に基づき説明
する。尚、本実施形態と同一部分については、同一符号
で示している。
【0061】先ず、図20は、従来の適応フィルタ(4
A)を用いたアクティブ消音装置(10)のシステム構成
を示しており、適応フィルタ(4A)は、検出マイクロフ
ォン(30)の騒音信号を受けて反転音信号を生成し、ス
ピーカ(31)が反転音を放射する一方、モニタマイクロ
ファンが騒音(11)と反転音と誤差信号を適応フィルタ
(4A)に出力している。尚、上記スピーカ(31)から放
射される反転音のうち、検出マイクロフォン(30)に伝
播するフィードバックパス(3b)が存在するので、反転
音の出力からフィードバックパス(3b)までの伝達関数
に関する補正を行うために、第2補正フィルタ(43)が
騒音信号に反転音信号に基づく補正信号を加算してい
る。
【0062】上記適応フィルタ(4A)は、図21に示す
ように、騒音信号である入力信号が入力する適応型FI
Rフィルタ(41)と適応アルゴリズム実行回路(44)と
を備え、反転音信号と所望信号である騒音信号との誤差
信号が適応アルゴリズム実行回路(44)に入力されてい
る。この誤差信号に基づいて適応型FIRフィルタ(4
1)のフィルタ係数を適応アルゴリズム実行回路(44)
が更新している。
【0063】また、上記反転音のうちモニタマイクに検
出されるエラーパス(3c)が存在するので、適応フィル
タ(4A)を正確に作動させるために、図22に示すよう
に、反転音の出力からエラーパス(3c)までの伝達関数
Cの存在を打ち消すために伝達関数の逆関数C-1の特性
を有するフィルタ(F1)を設ける必要がある。
【0064】しかしながら、この逆関数C-1を求めるこ
とは、時間的に予測を行う必要があることから困難であ
るため、図23に示すように、伝達関数Cに相当するフ
ィルタ(F2)を適応アルゴリズム実行回路(44)の入力
側に設置することになり、図24に示すように、従来の
アクティブ消音装置(10)は、第1補正フィルタ(42)
を適応アルゴリズム実行回路(44)の入力側に設けてい
る。
【0065】そこで、上述したように、騒音(11)を予
測する場合、適応型FIRフィルタ(41)にニューラル
ネットワークを適用することが考えられる。しかしなが
ら、適応型FIRフィルタ(41)に代えて、ニューラル
ネットワークを適用したデータ処理回路(51)をそのま
ま適用することができない。
【0066】つまり、上記ニューラルネットワークの重
み係数の更新にバックプロパゲーションアルゴリズムを
用いるが、バックプロパゲーション法による重み係数の
更新にFiltered-Xアルゴリズムを適用することができな
い。
【0067】その理由は、Filtered-Xアルゴリズムは、
上述したように、スピーカ(31)の反転音出力からエラ
ーパス(3c)までの伝達関数Cの存在を補正するための
もので、最小二乗平均法(LMS)によりフィルタ係数
を算出しているので、上記伝達関数Cに関するフィルタ
(F2)である第1補正フィルタ(42)を入力側に設ける
ことにより伝達特性の影響を無くすることができる。
【0068】ところが、ニューラルネットワークに用い
るバックプロパゲーションアルゴリズムは、多数の層を
有し、各層にに対して伝達関数Cに関する補正を行う必
要があることから、適用することが困難である。
【0069】以上のことから、本願発明は、上述したよ
うに適応型FIRフィルタ(41)及び適応アルゴリズム
実行回路(44)の入力側に予測器(50)を設けるように
している。
【0070】ここで、上記ニューラルネットワークにお
けるバックプロパゲーションアルゴリズムによる学習方
法について説明する。
【0071】図14に示すように、第m層i番目のユニ
ットへの入力の総和は、次式(5)で示される。
【0072】
【式5】
【0073】第m層i番目のユニットの出力は、非線形
変換Fにより次式(6)で示される。
【0074】
【式6】
【0075】期待出力をdi (i=1,…,NM )とす
ると、ネット出力の自乗誤差Eの総和について、次式
(7)で定義する。
【0076】
【式7】
【0077】この自乗誤差Eに関して最急降下法による
係数更新を考えると、係数更新式は次式(8)の通りと
なる。
【0078】
【式8】
【0079】ここで、ηは一回の係数更新量を決めるパ
ラメータである。上記式(8)中の偏微分を求めるため
に、先ず、上記式(7)のyに関する偏微分を行うと、
次式(9)が求められる。
【0080】
【式9】
【0081】上記自乗誤差Eのxに関する偏微分は、次
式(10)の通りとなる。
【0082】
【式10】
【0083】上記式(10)におけるyのxに関する偏
微分は、非線形関数の微分であるので、非線形関数とし
て次式(11)のシグモイド関数を定義すれば、式(1
2)の微分が得られる。
【0084】
【式11】
【0085】上記式(9),(10),(12)より次
式(13)が求められる。
【0086】
【式12】
【0087】ここで、上記式(1)より次式(14)が
求められる。
【0088】
【式13】
【0089】したがって、目的の上記自乗誤差EのWに
関する偏微分は、上記式(13),(14)より次式
(15)として求められる。
【0090】
【式14】
【0091】この式(15)は、予め与えられた入力に
対して計算されたユニット出力と予め与えられた期待出
力とを用いて計算することができ、第M層への重い更新
の実現が可能となる。
【0092】一方、中間層の重み更新について検討す
る。先ず、第M−2層から第M−1層への重みに関する
係数更新について考える。この場合、期待出力が不明な
ので、上記式(9)に相当する式は求められない。この
ため、自乗誤差EのWに関する偏微分は、次式(16)
の関係となる。但し、紛らわしさを避けるために、ここ
では第M層、第M−1層及び第M−2層のユニットを区
別する添字をそれぞれi,j,kで示した。
【0093】
【式15】
【0094】上記式(16)は、式(13)の結果を用
いれば簡単に計算することができ、その結果、第M−2
層から第M−1層への重みに関する係数更新が可能とな
る。以下、同様の手順により順次入力層の方向に重みの
偏微分が計算でき、全ての係数更新が可能となる。
【0095】上述の方法によってデータ処理回路(51)
の重み係数を更新することになるが、本実施形態におい
ては、上述したように、入力層のユニットの数を6以上
に設定する一方、出力層のユニット数は、予測騒音信号
を出力するのみであるので1つとなる。
【0096】−消音動作− 次に、上記アクティブ消音装置(10)の消音動作につい
て説明する。
【0097】先ず、ダクト(20)内の伝播空間(21)を
伝播する騒音(11)は、検出マイクロフォン(30)によ
り検出され、このマイクロフォン(30)にて検出した騒
音信号は、加算回路(45)を経て予測器(50)に入力さ
れる。該予測器(50)は、後述するように動作して予測
騒音信号を出力し、該予測騒音信号が適応型FIRフィ
ルタ(41)に入力される。
【0098】また、上記予測騒音信号は、第1補正フィ
ルタ(42)で所定時間だけの遅延処理等が行われて適応
アルゴリズム実行回路(44)に入力されている。一方、
上記適応型FIRフィルタ(41)においては、予測騒音
信号と逆位相で且つ同振幅の反転音信号を生成する。こ
の反転音信号がスピーカ(31)に出力され、該スピーカ
(31)から反転音が伝播空間(21)に放射される。この
放射により、ダクト(20)内の騒音(11)は、スピーカ
(31)から放射された反転音により良好に低減されるこ
とになる。
【0099】更に、反転音で減衰した騒音レベル、つま
り、誤差がモニタマイクロフォン(32)により検出さ
れ、誤差信号が適応アルゴリズム実行回路(44)に入力
される。この誤差信号と上記第1補正フィルタ(42)か
らの予測騒音信号とに基づいて適応型FIRフィルタ
(41)のフィルタ係数が適応アルゴリズム実行回路(4
4)によって逐次更新される。このフィルタ係数の更新
により、適応型FIRフィルタ(41)による反転音信号
の生成がダクト(20)内の騒音(11)に対して経時的に
精度良く行われ、ダクト(20)内の騒音(11)が最も良
好に低減される。
【0100】この消音動作時において、加算回路(45)
は、上記適応型FIRフィルタ(41)が出力する反転音
信号が入力して該反転音信号を騒音信号から差し引き、
上記スピーカ(31)から放射された反転音が検出マイク
ロフォン(30)に伝播することによるハウリングの発生
を防止している。
【0101】次に、上記予測器(50)の予測動作につい
て、図4の制御フローに基づいて説明する。先ず、ステ
ップST1において、データ処理回路(51)が入力信号を
取得し、つまり、検出マイクロフォン(30)からの騒音
信号をデータ処理回路(51)が加算回路(45)を介して
取得する。
【0102】続いて、ステップST2に移り、上記データ
処理回路(51)が予測騒音信号を出力し、該予測騒音信
号を適応型FIRフィルタ(41)等が受信する一方、予
測騒音信号が遅延回路(54)によって1サンプリングタ
イムだけ遅延され。そして、ステップST4に移り、上記
遅延された予測騒音信号と騒音信号とを比較回路(53)
が比較して誤算信号を係数演算回路(52)に出力する。
【0103】その後、ステップST5に移り、係数演算回
路(52)が、上述した式(5)〜(16)に基づきニュ
ーラルネットワークの重み係数を演算して係数信号をデ
ータ処理回路(51)に出力する。そして、ステップST6
に移り、次のサンプリングまで待った後、上記ステップ
ST1に戻り、上述の動作を繰り返してデータ処理回路
(51)が1サンプリング先の予測騒音信号を出力すると
共に、係数演算回路(52)がニューラルネットワークの
重み係数を更新する一方、上記予測騒音信号に基づいて
反転音信号が生成される。
【0104】−消音結果− 次に、上述した予測器(50)を備えたアクティブ消音装
置(10)の消音実験結果について説明する。
【0105】先ず、本実験は、図15に示すアクティブ
消音装置(10)に行った。このアクティブ消音装置(1
0)は、検出マイクロフォン(30)、スピーカ(31)及
びモニタマイクロフォン(32)とコントローラ(40)と
の間にアンプ(33,34,35)及びアナログフィルタ(3
6,37,38)を設ける一方、加算回路(45)の入力側に
遅延バッファ(46)を設けている。
【0106】この遅延バッファ(46)は、検出マイクロ
フォン(30)とスピーカ(31)との距離を短縮する代り
に、該検出マイクロフォン(30)の騒音信号を遅延させ
るもので、騒音信号をそのまま待機させ、定められたサ
ンプリング回数の経過後に騒音信号を出力するように構
成されている。尚、本実験は、サンプリング周波数を6
kHz とし、予測器(50)のニューラルネットワークは1
つの中間層を備えた3層としている。また、第1補正フ
ィルタ(42)は省略している。
【0107】図16は、遅延バッファ(46)の遅延量を
0サンプルと1サンプルと2サンプルとした場合の減衰
レベルdB(A) を示している。そして、この図16におい
て、▲は、予測器(50)を設けていない従来構成のもの
であって、△と□と○とは、本発明の予測器(50)を設
けた場合であり、△は、ニューラルネットワークの入力
層のユニット数を3、中間層のユニット数を3、出力層
のユニット数を1としたもので、□は、ニューラルネッ
トワークの入力層のユニット数を6、中間層のユニット
数を3、出力層のユニット数を1としたもので、○は、
ニューラルネットワークの入力層のユニット数を8、中
間層のユニット数を3、出力層のユニット数を1とした
ものである。
【0108】上記図16から明らかなように、予測器
(50)を設けたもの(△,□,○)は、予測器(50)を
設けないもの(▲)に比して、減衰レベルが大きく、確
実に減衰しており、しかも、予測器(50)を設けたもの
うち(△,□,○)、ニューラルネットワークの入力層
のユニット数を6又は8に設定したもの(□,○)が減
衰レベルでほぼ等しく、ニューラルネットワークの入力
層のユニット数を3に設定したもの(△)より減衰レベ
ルが勝っている。
【0109】更に、遅延量が0サンプルの予測器(50)
を設けないもの(▲)と、遅延量が1サンプルの予測器
(50)を設けたもの(△,□,○)とが、減衰レベルで
ほぼ対応しており、更に、遅延量が1サンプルの予測器
(50)を設けないもの(▲)と、遅延量が2サンプルの
予測器(50)を設けたもの(□,○)とが、減衰レベル
でほぼ対応している。つまり、予測器(50)が1サンプ
リングタイムだけ先の騒音信号を予測して予測騒音信号
を出力するようにしているので、予測器(50)が確実に
騒音信号を予測していることが分る。
【0110】図17及び図18は、それぞれ遅延時間の
違いによる適応型FIRフィルタ(41)のフィルタ係数
の変化を示している。先ず、図17及び図18の横軸
は、適応型FIRフィルタ(41)のタップ数で、縦軸が
フィルタ係数を示している。また、図17及び図18の
各(a),(b)及び(c)は、遅延バッファ(46)の
遅延量を0サンプルと1サンプルと2サンプルとした場
合を示し、図17が予測器(50)を設けていない従来の
場合で、図18が本発明の予測器(50)を設けた場合
で、この図18の予測器(50)は、ニューラルネットワ
ークの入力層のユニット数を6、中間層のユニット数を
3、出力層のユニット数を1としたものである。
【0111】上記図17及び図18において、最初のピ
ーク点Pのタップ位置が、出力までの時間的余裕を示し
ており、図17と図18とを比較すると、1タップ分ず
れていることが分る。つまり、図17(a)と図18
(b)とが対応し、図17(b)と図18(c)とが対
応しているので、予測器(50)によって1サンプリング
タイムだけ先の騒音信号が確実に予測されていることが
分る。
【0112】また、図19は、実際の騒音信号と予測器
(50)が予測した予測騒音信号とを比較したもので、実
線が騒音信号を示し、破線が予測騒音信号を示してお
り、ほぼ対応していることが分る。
【0113】−予測器(50)による効果− 以上のように、本実施形態によれば、騒音信号を予測す
るようにしたために、検出マイクロフォン(30)とスピ
ーカ(31)との間の距離を予測時間に対応した分だけ短
縮することができるので、装置全体のコンパクト化を図
ることができる。この結果、設置の自由度を向上させる
ことができ、適用範囲の拡大を図ることができる。
【0114】また、時系列データのカオスを判定する相
間次元に基づいてニューラルネットワークにおける入力
層のユニット数を設定するようにしたために、決定論的
関係をニューラルネットワークで表現することが容易と
なり、予測騒音信号の正確性を向上させることができ
る。この結果、騒音(11)の減衰レベルを向上させるこ
とができる。
【0115】また、上記予測器(50)が1サンプリング
先の騒音(11)を予測するようにしたために、重み係数
を更新するためのデータ処理回路(51)を省略すること
ができるので、予測器(50)の構成を簡略化することが
できる。
【0116】
【発明の実施の形態2】本実施形態2は、図4に示すよ
うに、予測器(50)の他の実施形態を示しており、Nサ
ンプリング先の時系列データを予測するようにしたもの
である。
【0117】つまり、上記騒音信号は、前実施形態のデ
ータ処理回路(51)に相当する予測用データ処理回路
(51)に入力される一方、重み係数を学習するために、
騒音信号をNサンプリング分だけ遅延させるバッファ
(55)が設けられ、該バッファ(55)を介して遅延した
騒音信号が重み更新用データ処理回路(56)に入力され
ている。
【0118】更に、上記重み更新用データ処理回路(5
6)が予測する予測騒音信号、つまり、Nサンプリング
先の予測騒音信号と現在の騒音信号とを比較して誤差信
号を出力する比較回路(53)が設けられている。そし
て、この比較回路(53)の誤差信号に基づいて係数演算
回路(52)が重み係数を演算し、重み更新用データ処理
回路(56)が重み係数を更新する。
【0119】また、上記重み更新用データ処理回路(5
6)が更新した重み係数を予測用データ処理回路(51)
がコピーし、本来の予測騒音信号を出力することにな
る。
【0120】具体的な予測動作について、図6に基づき
説明すると、先ず、ステップST11において、騒音信号
である入力信号を予測用データ処理回路(51)が取得し
た後、ステップST12に移り、予測用データ処理回路
(51)が予測騒音信号を出力する。一方、ステップST1
3において、上記騒音信号がバッファ(55)に入力した
後、ステップST14に移り、遅延した騒音信号である遅
延データを重み更新用データ処理回路(56)が取得す
る。
【0121】その後、ステップST15に移り、上記重み
更新用データ処理回路(56)が、遅延したNサンプリン
グ先の予測騒音信号を出力し、つまり、現在の騒音信号
を予測して予測騒音信号を出力する。続いて、ステップ
ST16に移り、上記予測騒音信号と現在の騒音信号とを
比較回路(53)が比較して誤差信号を出力した後、ステ
ップST17に移り、係数演算回路(52)が重み係数を演
算して重み更新用データ処理回路(56)が重み係数を更
新すると共に、この重み係数を予測用データ処理回路
(51)がコピーして該データ処理回路(51)が本来の予
測騒音信号を出力する。
【0122】その後、ステップST18に移り、次のサン
プリングまで待った後、上記ステップST11に戻り、上
述の動作を繰り返して予測用データ処理回路(51)がN
サンプリング先の予測騒音信号を出力すると共に、該予
測騒音信号に基づいて反転音信号が生成される。
【0123】したがって、本実施形態2においても前実
施形態と同様に予測騒音信号を出力するので、装置全体
のコンパクト化を図ることができる。但し、2つのデー
タ処理回路(51,56)を要し、計算量等が多くなる。こ
のため、図3に示す前実施形態1のように、1サンプリ
ング先の騒音(11)を予測するようにすることが好まし
い。
【0124】
【発明の他の実施の形態】上記各実施形態においては、
空調用ダクト(20)におけるファン騒音(11)の消音に
ついて説明したが、本発明は、これらの騒音(11)に限
られないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】アクティブ消音装置の回路ブロック図である。
【図3】予測器の回路ブロック図である。
【図4】予測器の制御フロー図である。
【図5】実施形態2を示す予測器の回路ブロック図であ
る。
【図6】実施形態2を示す予測器の制御フロー図であ
る。
【図7】ファン騒音の周波数特性図である。
【図8】ファン騒音のマイク電圧データ図である。
【図9】ファン騒音の2次元平面の解析図である。
【図10】リアプノフ指数を説明する説明図である。
【図11】ファン騒音のリアプノフ指数の解析図であ
る。
【図12】ファン騒音の相関積分の解析図である。
【図13】ファン騒音の埋め込み次元に対する相間指数
の特性図である。
【図14】バックプロパゲーションアルゴリズムの説明
図である。
【図15】実験用のアクティブ消音装置の回路ブロック
図である。
【図16】実験結果の減衰レベルの特性図である。
【図17】従来例による実験結果のフィルタ係数の特性
図である。
【図18】本発明による実験結果のフィルタ係数の特性
図である。
【図19】騒音信号と予測騒音信号との比較図である。
【図20】従来のアクティブ消音装置を説明するための
回路ブロック図である。
【図21】従来の適応フィルタの回路ブロック図であ
る。
【図22】従来の適応フィルタを説明するための回路ブ
ロック図である。
【図23】従来の適応フィルタを説明するための他の回
路ブロック図である。
【図24】従来のアクティブ消音装置の回路ブロック図
である。
【符号の説明】
10 アクティブ消音装置 11 騒音 21 伝播空間 30 検出マイクロフォン(騒音検出手段) 31 スピーカ(反転音放射手段) 32 モニタマイクロフォン(誤差検出手段) 40 コントローラ 41 適応型FIRフィルタ(デジタルフィル
タ) 42 第1補正フィルタ 43 第2補正フィルタ 44 適応アルゴリズム実行回路 50 予測器(予測手段) 51 データ処理回路 52 係数演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/16 9274−5J H03H 17/00 601M H03H 17/00 601 9274−5J 21/00 21/00 G10K 11/16 B (72)発明者 西村 剛 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 伊藤 宏幸 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝播空間(21)を伝播する騒音(11)を
    検出して騒音信号を出力する騒音検出手段(30)と、 該騒音検出手段(30)が出力する騒音信号を受けて該騒
    音信号より時間的に先の騒音(11)を予測し、予測騒音
    信号を出力する予測手段(50)と、 該予測手段(50)が出力する予測騒音信号に対して、逆
    位相で同振幅の反転音信号を生成して出力するデジタル
    フィルタ(41)と、 該デジタルフィルタ(41)の反転信号を受けて反転音を
    伝播空間(21)に放射する反転音放射手段(31)と、 該反転音放射手段(31)が放射した反転音と伝播空間
    (21)の騒音(11)との誤差を検出して誤差信号を出力
    する誤差検出手段(32)と、 該誤差検出手段(32)が出力する誤差信号と予測手段
    (50)が出力する予測騒音信号とを受けて誤差が小さく
    なるように上記デジタルフィルタ(41)のフィルタ係数
    を更新する適応アルゴリズム実行回路(44)とを備えて
    いることを特徴とするアクティブ消音装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクティブ消音装置にお
    いて、 予測手段(50)は、1サンプリング先の騒音(11)を予
    測して予測騒音信号を出力していることを特徴とするア
    クティブ消音装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアクティブ消音装置にお
    いて、 予測手段(50)は、騒音信号を入力としてニューラルネ
    ットワークに基づき予測騒音信号を出力するデータ処理
    回路(51)と、 予測騒音信号と該予測騒音信号に対応する実際の騒音信
    号との差に基づきニューラルネットワークにおける各ユ
    ニットの重み係数を算出してデータ処理回路(51)に係
    数信号を出力する係数演算回路(52)とを備えているこ
    とを特徴とするアクティブ消音装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアクティブ消音装置にお
    いて、 データ処理回路(51)は、騒音信号のカオス性を判定す
    る相間次元に基づいて入力層のユニット数が定められて
    いることを特徴とするアクティブ消音装置。
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