JPH0994084A - 酒類の製造法 - Google Patents

酒類の製造法

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JPH0994084A JP27373395A JP27373395A JPH0994084A JP H0994084 A JPH0994084 A JP H0994084A JP 27373395 A JP27373395 A JP 27373395A JP 27373395 A JP27373395 A JP 27373395A JP H0994084 A JPH0994084 A JP H0994084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 山川紫を用いた場合の如き前処理を行う必要
がなく、着色料を使用せずに、副原料と同等に取扱うこ
とができ、かつアントシアニン系色素を豊富に含有する
原料を用いて、従来のビールの色調とは異なる、鮮やか
な赤色系の色調を有するビール,雑酒・発泡酒,低アル
コール飲料を製造する方法を提供すること 【解決手段】 アントシアニン系色素を含有する紫と
うもろこし又はその改良品種及び/又はその加工品を副
原料に使用することを特徴とする紫とうもろこし由来の
アントシアニン系色素を有するビール、或いは雑酒・発
泡酒の製造法、前記方法により得られるビール、或い
は雑酒・発泡酒に、逆浸透膜法、透析法及び蒸留法から
選ばれた1種以上の処理を施すことを特徴とする紫とう
もろこし由来のアントシアニン系色素を有する低アルコ
ール飲料の製造法の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酒類の製造法に関
し、詳しくはアントシアニン系色素を含有する紫とうも
ろこし又はその改良品種及び/又はその加工品を、色素
を含有する糖質原料として使用した、赤色で高品質なビ
ールと、雑酒・発泡酒と、低アルコール飲料とを、それ
ぞれ製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年数多くのビール、雑酒・発泡酒等が
販売されており、各商品の明確な差別化が必要となって
きている。酒類における色調や香味の違いは、商品の差
別化に非常に大きなウェイトを占めている。例えばビー
ルの場合、これまでは主に香味の差別化に主眼が置かれ
ていた。色調も他のビールとの差別化を図る上で非常に
重要な要因の一つではあるが、ビールは関連法規上、原
料その他が厳しく規制されており、着色料として認めら
れているのはカラメルのみであり、従来のビールとは異
なった色調のビールを製造するのに、外来色素の添加は
できない。
【0003】そこで赤色色素産生酵母を用いた赤色の酒
の製造法が提案されている。例えば、赤色酵母による赤
い酒の製造方法(特開昭58−138377号公報)
や、アデニン要求性酵母による清酒製造法(特開昭59
−23788号公報)、或いは赤色色素生産酵母を用い
る醸造酒の製造法(特開平7−75560号公報)が知
られている。
【0004】しかしながら、このような赤色色素産生酵
母を用いたものではなく、原料による色付与が可能とな
れば、その色度は、原料の配合、pHなどにより、容易
にコントロールできることから、新しいタイプのビー
ル,雑酒・発泡酒,低アルコール飲料などに幅広く利用
することができるものと期待されている。
【0005】原料による色付与については、良く知られ
ているように、ビールでは使用する麦芽を焙焦して色度
を上げ、その色度に応じてビールの色に濃淡を付けるこ
との他には、本出願人が先に特許出願した、さつまいも
の一品種である山川紫を用いて、山川紫またはその改良
品種などに含まれる山川紫由来のアントシアニン系色素
による赤色のビール、発泡酒等(特開平6−23775
1号公報)が知られているのみである。
【0006】ところが、上述の山川紫を用いた赤色のビ
ール,発泡酒等は、仕込時に行われる麦汁濾過におい
て、濾過渋滞を起こし易いことが明らかになった。その
主原因は、山川紫中に多量に含まれる繊維質が濾過面に
蓄積されて濾過されにくくなるためである。従って、山
川紫を用いる場合には、予め上述の繊維質を除去する等
の前処理を行う必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、山川紫を用
いた場合のような前処理を行う必要がなく、しかも着色
料を使用せずに、ビール,発泡酒等に使用される副原料
と同等に取扱うことができ、かつアントシアニン系色素
を豊富に含有する原料を用いて、従来のビールの色調と
は異なる、鮮やかな赤色系の色調を有するビール,雑酒
・発泡酒,低アルコール飲料を製造する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、アントシアニン系色素を豊富に含有する紫
とうもろこし又はその改良品種及び/又はその加工品
を、副原料として使用することが上記目的に適合するこ
とを見出した。すなわち、本発明者は、アントシアニン
系色素を豊富に含有する紫とうもろこし又はその改良品
種及び/又はその加工品を、副原料として仕込工程で用
いることにより、前処理を必要とすることなく、しかも
紫とうもろこしに含まれている色素に由来する鮮やかな
赤色を呈し、かつ香味が良く、これまでにない魅力的な
ビール,雑酒・発泡酒,低アルコール飲料などが得られ
ることを見出した。さらに、本発明者は、これらのビー
ル,雑酒・発泡酒,低アルコール飲料などを、逆浸透膜
法,蒸留法,透析法等による処理を行うことにより、赤
色の色調をそのまま保持した低アルコール飲料が得られ
ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて
完成されたものである。
【0009】すなわち、請求項1記載の本発明は、アン
トシアニン系色素を含有する紫とうもろこし又はその改
良品種及び/又はその加工品を副原料に使用することを
特徴とする紫とうもろこし由来のアントシアニン系色素
を有するビールの製造法を提供するものである。
【0010】また、請求項2記載の本発明は、アントシ
アニン系色素を含有する紫とうもろこし又はその改良品
種及び/又はその加工品を原料に使用することを特徴と
する紫とうもろこし由来のアントシアニン系色素を有す
る雑酒・発泡酒の製造法を提供するものである。
【0011】次に、請求項3記載の本発明は、請求項1
記載の方法により得られるビールに、逆浸透膜法、透析
法及び蒸留法から選ばれた1種以上の処理を施すことを
特徴とする紫とうもろこし由来のアントシアニン系色素
を有する低アルコール飲料の製造法。
【0012】さらに、請求項4記載の本発明は、請求項
2記載の方法により得られる雑酒・発泡酒に、逆浸透膜
法、透析法及び蒸留法から選ばれた1種以上の処理を施
すことを特徴とする紫とうもろこし由来のアントシアニ
ン系色素を有する低アルコール飲料の製造法を提供する
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
本発明においては、ビールや雑酒・発泡酒を製造するに
あたり、アントシアニン系色素を含有する紫とうもろこ
し又はその改良品種及び/又はその加工品を副原料とし
て使用する。紫とうもろこしとしては、ペルー産のMa
ize Morado及びMaize Kulliが知
られている(食品添加物便覧第8版、103頁)が、本
発明においては、そのいずれを用いても構わない。
【0014】本発明においては、上記紫とうもろこしだ
けでなく、その改良品種及び/又はその加工品を用いる
ことができる。
【0015】本発明で用いる前記の紫とうもろこし又は
その改良品種及び/又はその加工品は、従来の糖質原料
と全く同様に扱えるので、従来の製造方法を殆ど変える
ことなく、赤色色素を含有するビールや雑酒・発泡酒を
製造することができる。しかも、山川紫を用いた場合の
ように、仕込工程における濾過渋滞を防止するため繊維
質を除去するなどの前処理を行う必要はない。
【0016】すなわち、紫とうもろこし又はその改良品
種及び/又はその加工品を、仕込釜に仕込水,麦芽と共
に加えた後、加熱してデンプンの液化と色素抽出を同時
に行う。次いで、仕込水,麦芽の入った仕込槽に混合
し、麦芽に含まれる酵素を利用してマイシェの糖化を行
う。その後の工程は従来の製造方法と全く同様に行えば
よい。
【0017】なお、紫とうもろこしの加工品とは、乾式
処理によって紫とうもろこしから外皮を分離してひき割
りしたもの、穀粒を砕いて外皮と胚芽を取り除き細かい
粒子の粉にしたもの、及び紫とうもろこしから精製した
デンプンなど意味する。
【0018】仕込工程で使用する紫とうもろこし又はそ
の改良品種及び/又はその加工品の使用量は、ビール製
造の場合、麦芽使用量の50%以下であればよい。一
方、雑酒・発泡酒を製造する場合は、その使用比率に制
限はなく、任意に使用することができる。また、精製し
ていない紫とうもろこし又はその改良品種及び/又はそ
の加工品をそのまま原料として使用することもできる。
さらに、香味特性を変えるために他の副原料と共用した
り、紫とうもろこし又はその改良品種及び/又はその加
工品を仕込槽や煮沸釜に添加したりすることも可能であ
る。
【0019】色素抽出時の温度,pH,時間の条件は問
わないが、好ましくは50〜100℃、pH5.5以下で
数十分〜数時間行う。また、紫とうもろこし由来の色素
は、より低いpHの方が抽出効率が高いことから、雑酒
・発泡酒製造の仕込工程では、クエン酸,乳酸,リンゴ
酸等の有機酸を添加してもよい。
【0020】また、色調の濃淡は、紫とうもろこし又は
その改良品種及び/又はその加工品の使用比率によって
調節することができ、赤色で任意の濃さのビール,雑酒
・発泡酒を製造することができる。つまり、濃い赤色の
ビール,雑酒・発泡酒,低アルコール飲料を製造したい
場合は、紫とうもろこし又はその改良品種及び/又はそ
の加工品の使用比率を高めればよく、薄いピンク色のビ
ール,雑酒・発泡酒を製造したい場合は、紫とうもろこ
し又はその改良品種及び/又はその加工品の使用比率を
下げればよいのである。
【0021】さらに、これらビール、或いは雑酒・発泡
酒に、それぞれ逆浸透膜法、透析法及び蒸留法から選ば
れた1種以上の処理を施すことにより、つまり逆浸透膜
法、透析法及び蒸留法の処理を単独で、或いは2種以上
を組み合わせて適用することにより、赤色の色調をその
まま保持した低アルコール飲料を製造することが可能で
ある。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより制限される
ものではない。
【0023】本発明においては、パイロット試験として
400リットル(L)醸造設備によって試験醸造を行っ
た。
【0024】実施例1(紫とうもろこしの調製) 本実施例では、紫とうもろこしとして、Maize M
oradoを使用した。仕込工程において添加する紫と
うもろこしの調製は、まずとうもろこしの穀粒を砕き、
外皮と胚芽を取り除き、細かい粒子の粉にして行った。
得られた調製品の成分を分析したところ、表1に示すよ
うに、糖質が90%以上含まれていることが確認され
た。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2(400L醸造設備におけるビー
ルの試験醸造) 仕込釜に粉砕麦芽5kgと、上記実施例1で得られた紫
とうもろこし調製品20kgを入れ、マイシェ濃度を2
4%として、50℃より100℃まで昇温させ、原料の
デンプン質の液化と紫とうもろこしの色素抽出(紫とう
もろこし由来のデンプンからのアントシアニン系色素の
抽出)を同時に行った。得られた液を、仕込槽にて予め
調製しておいた粉砕麦芽45kg、濃度25%のマイシ
ェと混合し、図1に示した糖化ダイアグラムに従って糖
化を行った。その後、従来の方法でマイシェ濾過、麦汁
煮沸、冷却、発酵、貯酒、ビール濾過を行った。
【0027】得られたビールの色調は、鮮明な赤色を呈
した。10名のパネラーで官能検査を実施したところ、
香りと味は従来のビールと殆ど同じであり,液体の色調
が鮮明な赤色で、泡がピンク色を示した。この結果を表
2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】また、得られたビールの分析値と、従来の
平均的なビールの分析値を表3に示したが、試験醸造ビ
ールは従来のビールと比べ、色調以外は殆ど差がなかっ
た。
【0030】さらに、色調の違いを数値化するために、
色差計(ミノルタ社製、CT−310)で測定を行い、
* * * 表色モードでの結果を表3に示した。な
お、L* * * 表色系で、L* は明度(蒸留水=10
0)、a* ,b* は色調を表した平面上の座標を示して
いる。a* =b* =0が蒸留水を示しており、a* が+
に大きいと赤色の色調が、b* が+に大きいと黄色の色
調が強くなることを表している。
【0031】
【表3】
【0032】実施例3(400L醸造設備における発泡
酒の試験醸造) 仕込釜に粉砕麦芽5kgと、上記実施例1で得られた紫
とうもろこし調製品30kgを入れ、マイシェ濃度34
%として50℃より100℃まで昇温させ、原料のデン
プン質の液化と紫とうもろこしの色素抽出を同時に行っ
た。得られた液を仕込槽にて予め調製しておいた粉砕麦
芽30kg、濃度16%のマイシェと混合し、実施例2
と同様に、図1に示した糖化ダイヤグラムに従って糖化
を行った。その後、従来の方法でマイシェ濾過,麦汁煮
沸,冷却,発酵,貯酒,ビール同様の濾過を行った。
【0033】得られた発泡酒の色調は、かなり鮮明な赤
色を呈した。10名のパネラーで官能検査を実施したと
ころ、香りは従来のビールと同様で、味はスッキリタイ
プのビール風であった。液体の色調がかなり鮮明な赤色
で,泡がピンク色を示した。この結果については表4に
示した。
【0034】
【表4】
【0035】また、得られた発泡酒の分析値と従来の平
均的なビールの分析値を表5に示したが、試験醸造発泡
酒は従来のビールと比べ、色調以外ではエキス分が少な
くてアルコール含量がやや高く、高発酵タイプとなっ
た。
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、アントシアニン系色素
を含有する紫とうもろこし又はその改良品種及び/又は
その加工品を副原料に使用することにより、山川紫を用
いた場合のような前処理を行う必要がなく、しかも着色
料を使用せずに、従来とは異なった鮮やかな赤色系の色
調で、かつ香味の良い新タイプのビール,雑酒・発泡酒
を製造することができる。
【0038】また、本発明によれば、このようにして得
たビール、或いは雑酒・発泡酒を、逆浸透膜法,蒸留
法,透析法等による処理を施すことにより、赤色の色調
をそのまま保持した低アルコール飲料を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2の仕込工程の中の糖化ダイア
グラムである。横軸方向は時間を示し、縦軸方向は温度
を示す。仕込釜のマイシェは、仕込槽に送られ、混合さ
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アントシアニン系色素を含有する紫とう
    もろこし又はその改良品種及び/又はその加工品を副原
    料に使用することを特徴とする紫とうもろこし由来のア
    ントシアニン系色素を有するビールの製造法。
  2. 【請求項2】 アントシアニン系色素を含有する紫とう
    もろこし又はその改良品種及び/又はその加工品を原料
    に使用することを特徴とする紫とうもろこし由来のアン
    トシアニン系色素を有する雑酒・発泡酒の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により得られるビー
    ルに、逆浸透膜法、透析法及び蒸留法から選ばれた1種
    以上の処理を施すことを特徴とする紫とうもろこし由来
    のアントシアニン系色素を有する低アルコール飲料の製
    造法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法により得られる雑酒
    ・発泡酒に、逆浸透膜法、透析法及び蒸留法から選ばれ
    た1種以上の処理を施すことを特徴とする紫とうもろこ
    し由来のアントシアニン系色素を有する低アルコール飲
    料の製造法。
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