JPH0995727A - スラグの改質方法 - Google Patents

スラグの改質方法

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JPH0995727A JP27509595A JP27509595A JPH0995727A JP H0995727 A JPH0995727 A JP H0995727A JP 27509595 A JP27509595 A JP 27509595A JP 27509595 A JP27509595 A JP 27509595A JP H0995727 A JPH0995727 A JP H0995727A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高清浄度鋼を得るためのスラグ改質を実施し
て含N鋼を製造するに際して、工業的に入手容易な産業
廃棄物を使用して、広範囲なスラグ組成制御を行いつ
つ、同時に溶鋼の加窒を達成する安価で、かつ高効率な
スラグ改質方法を提供する。 【解決手段】 溶鋼取鍋にてスラグ改質を実施して含N
鋼を製造するに際して、アルミニウムの精錬段階で発生
する金属Al,Al23 およびAlNをその主な成分
とする物質いわゆる産業廃棄物を、下記(1)式で規定
される添加量の範囲で、出鋼中の取鍋内溶鋼に脱酸材を
添加した後に添加することを特徴とするスラグの改質方
法。 1.0≦(産業廃棄物の添加量)×T〔N〕/(全出鋼
量) 但し、 T〔N〕:添加する産業廃棄物が含有する全窒素濃度
(%) (産業廃棄物の添加量)の単位はkg、(全出鋼量)の
単位はtである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高清浄度鋼を得る
ためのスラグの改質方法に関するものであり、特に産業
廃棄物を利用して含N鋼の製造コストを低減する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造用鋼の成分設計では、浸炭処理時の
歪制御、析出物による強度増大等を目的に、積極的にN
を含有させることが一般的である。また機械部品等で動
的応力を前提とした用途で使用される場合は、非金属介
在物の存在が部品の耐久性を悪化させるため、鋼材に高
い清浄度が要求される。このような鋼材の製造に際して
は、取鍋精錬法(LF法)が採用されてきた。これは加
熱・攪拌機能を持つ設備にて、造滓材やスラグ還元材を
添加しスラグ組成制御を行うことで介在物のスラグへの
吸収分離を行い、また攪拌ガス等で窒素ガスを使用する
ことで同時に加窒処理を行うこともできる。そのため当
該の鋼材の製造には適した手段であるが、専用の設備が
必要でまた耐火物、電極、電力等のコストが高くなる点
が課題であった。
【0003】高清浄度鋼を得るための目的に限定すれ
ば、製鋼炉から取鍋への出鋼作業の段階で造滓材やスラ
グ還元材を添加し、スラグ組成を制御する方法(特開平
6−330138・特公平2−19168)も広く行わ
れているが、さらにNを添加する必要がある場合にはそ
の制御に課題が残る。溶鋼中のN成分調整はRH真空脱
ガス設備にて行われる。この場合、環流ガスにNを用い
ることで加窒処理を行うが、処理負荷を軽減するためN
制御幅を特に加窒幅を最小限にとどめるよう、真空脱ガ
ス処理以前の工程で充分に鋼中のN含有率を高めておく
ことが一般的である。
【0004】LF法を用いない場合、真空脱ガス処理以
前の加窒方法としては、出鋼時に石灰窒素または窒化マ
ンガンを添加する。これら窒素含有物質は高価であり、
また歩留りが安定せず連鋳到着時間遅れ等の障害の原因
になっていた。上述したように、従来2次精錬工程でL
F処理の担ってきた溶鋼の清浄性の向上と、加窒処理を
より安価かつ簡便に実施する方法の発明は、当然期待さ
れていたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況を鑑みてなされたものであり、高清浄度鋼を得るた
めのスラグ改質を実施して含N鋼を製造するに際して、
工業的に入手容易な産業廃棄物を使用して、広範囲なス
ラグ組成制御を行いつつ、同時に溶鋼の加窒を達成する
安価で、かつ高効率なスラグ改質方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶鋼取鍋にて
スラグ改質を実施して含N鋼を製造するに際して、アル
ミニウムの精錬段階で発生する金属Al,Al23
よびAlNをその主な成分とする物質いわゆる産業廃棄
物を、下記(1)式で規定される添加量の範囲で、出鋼
中の取鍋内溶鋼に脱酸材を添加した後に添加することを
特徴とするスラグの改質方法にある。 1.0≦(産業廃棄物の添加量)×T〔N〕/(全出鋼
量) 但し、 T〔N〕:添加する産業廃棄物が含有する全窒素濃度
(%) (産業廃棄物の添加量)の単位はkg、(全出鋼量)の
単位はtである。
【0007】
【作用】本発明は上述の如く構成されるが、要は特許請
求の範囲で規定した物質中のNを用いて、取鍋スラグ改
質においてスラグフォーミングを発生させ、これを制御
することにより取鍋スラグに選択的に攪拌動力を与え、
スラグ還元効率の向上と滓化促進を達成しつつ、産業廃
棄物中のNを溶鋼中へ、安定した歩留りにて、残留させ
る方法である。
【0008】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、Al精錬段階で発生する産業廃棄物を加
窒材として利用するに際して、転炉精錬を行った全出鋼
量280tのチャージを対象に、当該の産業廃棄物(A
l:24%,Al23 :55%,T[N]:3.6
%)を出鋼中に添加し、そのときの吹止CとRH処理前
の溶鋼中[N]値との関係についての調査を行った。
【0009】結果を図1に示す。図中の水準1および2
についてはそれぞれ、水準1は出鋼量60tの時点でA
l;70kgを添加した後に上記の産業廃棄物を450
kg添加した場合、水準2は出鋼量60tの時点で同様
の産業廃棄物を450kg添加した後にAl;70kg
を添加した場合である。図1に示した如く、Alを添加
した後に上記の産業廃棄物を添加した場合に、RH処理
前[N]の値が高いことがわかる。すなわち、当該の産
業廃棄物を加窒材として使用する場合、脱酸材を添加し
た後に当該の産業廃棄物を添加すれば良いことが判明し
た。
【0010】次に上述のNの溶鋼中の挙動について説明
する。本発明者らの調査によればAl精錬段階で発生す
る産業廃棄物中のNはその殆どがAlNであった。その
ため金属Al粒やAl23 粒の表面近傍に存在するA
lNは溶鋼中で熱分解し、Al原子とN原子を生成す
る。この時の局所的な反応速度は、脱酸溶鋼中ではAl
の酸化反応を伴わないため、Al原子とN原子の拡散速
度支配となる。この結果、局所的なN濃度の増加は制限
され、N2 ガスとして溶鋼中を浮上分離する確率は低下
し、溶鋼中へのN歩留りが増加する。以上のように本発
明者らは当該物質の物性を詳細に調査し、溶鋼中での溶
解機構を解明することにより、加窒材としての使用方法
を確立しえたのである。
【0011】さらに本発明者らは当該物質が含有するN
を利用したスラグ改質方法の開発を行った。出鋼前C:
0.15〜0.20%、出鋼量280tのチャージにつ
いて、当該の産業廃棄物の添加量とRH処理前スラグ中
(%T.Fe+MnO)の関係を調査した。この時のス
ラグ改質の処理手順については図2に示した如く行い、
出鋼時のAl添加は、RH処理前[Al]値が0.03
0〜0.050%になるように調整した。各水準は、使
用した産業廃棄物の成分に対応し、水準1はAl:35
%,Al23 :45%,T[N]:2.1%のもの
を、水準2はAl:24%,Al23 :55%,T
[N]:3.6%のものを、水準3はAl:12%,A
23 :67%,T[N]:5.1%のものをそれぞ
れ使用した。
【0012】結果を図3に示す。図3に示した如く、
1.0≦(産業廃棄物の添加量)×T[N]/(全出鋼
量)の範囲の添加量で当該の産業廃棄物を添加した場合
には、いづれの水準においても、RH処理前のスラグ中
(%T.Fe+MnO)≦1.5%であり、スラグ改質
が効率良く行われることを確認した。
【0013】スラグ改質におけるNの作用について以下
に説明する。当該物質が含有したAlNの一部、特にA
23 粒中に包含されたものは、スラグ面に到達しス
ラグ中で分解する。この時、AlNはスラグ中のFe
O,MnO等と接触することによりAl23 とN原子
とを生成する。この反応は発熱反応であり滓化反応を促
進する。また生成したN原子は、スラグ層内にN2 ガス
気泡を生成しスラグ層内の内部攪拌の増大、およびスラ
グ層の体積膨張等の物理現象を引き起こす。従って、ス
ラグ上に添加したスラグ改質材は速やかに浸潤し、効率
良くスラグ中の低級酸化物を還元できる。以上の結果よ
り、当該物質の含有するNを利用してスラグ改質を高効
率に行うための下限値を規定した。
【0014】また添加量の上限値については、目標とす
る[N]範囲で任意に設定することが可能であるが、添
加時の温度降下や発生するスラグ量による二次精錬段階
での設備制約を考慮した場合、全溶鋼量に対する添加量
は10kg/t以下に設定するのが通常である。なお、
アルミニウムの精錬過程で発生するいわゆるアルミドロ
スは、その精錬工程段階で異なるAl含有率の物が発生
するが、金属Alの含有率が高い物については再精錬を
行って金属Alの回収が実施されるため、産業廃棄物と
しては、金属Al含有率:5〜50(重量%)、Al2
3 含有率:20〜70(重量%)、AlN含有率:5
〜20(重量%)の物が発生し、また金属Al含有率の
低下に伴いAl23 やAlNの含有率が増加する。
【0015】本発明の実施に際しては以下の理由によ
り、金属Al含有率:20〜40(重量%)、Al2
3 含有率:25〜50(重量%)のものの使用を推奨す
る。金属Al含有率が高い場合、あるいはAl23
有率が低い場合、当該物質は速やかに溶解するため、A
lNの分解は溶鋼中で進行する比率が高まり、スラグ攪
拌力が低下する場合がある。このため、本発明を単独で
利用し、他のスラグ攪拌手段を併用しない場合において
は、上記範囲を推奨する。金属Al含有率が高い場合、
あるいはAl23 含有率が低い場合、当該物質は粉体
の比率が高くなり、添加条件によっては作業環境や添加
歩留りが悪化する場合がある。このため、集塵条件等に
よっては上記範囲を推奨する。
【0016】本発明は、鋼中の[N]の目標値に応じて
は、その他の加窒手段を併用することも可能であり、ま
た出鋼後にスラグ上に添加するスラグ還元材の種類を何
ら限定するものではなく、少なくとも溶鋼取鍋にてスラ
グ改質を実施して含N鋼を製造するに際して、アルミニ
ウムの精錬段階で発生する金属Al,Al23 および
AlNをその主な成分とする物質いわゆる産業廃棄物
を、前述の(1)式で規定される添加量の範囲で、かつ
出鋼中の取鍋溶鋼に脱酸材を添加した後に添加する限り
において、上記課題を解決できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の効果を従来法と対比して表1
に示す。例は全てJIS−SCM420相当の鋼種であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】発明例1は、転炉精錬を行った成分C:
0.10%、温度1694℃の溶鋼270tの出鋼中
に、出鋼量60tの時点でAl;0.3kg/t−Sを
添加した後、当該の産業廃棄物(Al:24%,Al2
3 :55%,T[N]:3.6%)を3.0kg/t
−S,FeSi;1.5kg/t−S,FeMn;8.
5kg/t−S,FeCr;14.0kg/t−S,C
aO;4.0kg/t−Sを記載の順に続けて添加し、
出鋼後のスラグ上にAl;0.45kg/t−Sをスラ
グ還元材として添加し、RH工程にて成分調整を行い連
続鋳造した場合である。表1に示したように、RH処理
前の[N]:73ppmであり、またRH処理前のスラ
グ中の酸素ポテンシアルも充分低下させることができ
た。連続鋳造後の鋳片の分析結果ではT[O]:9pp
mであった。
【0020】比較例1は、転炉精錬を行った成分C:
0.10%、温度1691℃の溶鋼270tの出鋼中
に、出鋼量60tの時点で、当該の産業廃棄物(Al:
24%,Al23 :55%,T[N]:3.6%)を
3.0kg/t−S,FeSi;1.5kg/t−S,
FeMn;8.5kg/t−S,FeCr;14.0k
g/t−S,Al;0.3kg/t−Sを記載の順に続
けて添加し、出鋼後のスラグ上にAl;0.45kg/
t−Sをスラグ還元材として添加し、RH工程にて成分
調整を行い連続鋳造した場合である。表1に示したよう
に、RH処理前の[N]:36ppmであり、窒素の歩
留りが悪かった。
【0021】比較例2は、転炉精錬を行った成分C:
0.10%、温度1688℃の溶鋼の出鋼中に、FeS
i;1.5kg/t−S,FeMn;8.5kg/t−
S,FeCr;14.0kg/t−S,Al;1.3k
g/t−S,CaO;4.0kg/t−Sを記載の順に
続けて添加し、出鋼後のスラグ上にAl;0.45kg
/t−Sをスラグ還元材として添加し、RH工程にて成
分調整を行い連続鋳造した場合である。表1に示したよ
うに、RH処理前の[N]:24ppmで、またRH処
理前のスラグ中の(T.Fe+MnO)の値が高かっ
た。連続鋳造後の鋳片の分析結果ではT[O]:21p
pmであった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、取
鍋スラグを選択的に攪拌でき、高効率なスラグ改質を行
って溶鋼の清浄性を向上すると共に、溶鋼の加窒コスト
の軽減が図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】当該の産業廃棄物の添加条件とRH処理前の溶
鋼中[N]値との関係を示す図
【図2】当該の産業廃棄物の添加量とRH処理前スラグ
中(%T.Fe+MnO)の関係の調査におけるスラグ
改質の処理手順を示す図
【図3】当該の産業廃棄物の添加量とRH処理前スラグ
中(%T.Fe+MnO)の関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 得自 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼取鍋にてスラグ改質を実施して含N
    鋼を製造するに際して、アルミニウムの精錬段階で発生
    する金属Al,Al23 およびAlNをその主な成分
    とする物質いわゆる産業廃棄物を、下記(1)式で規定
    される添加量の範囲で、出鋼中の取鍋内溶鋼に脱酸材を
    添加した後に添加することを特徴とするスラグの改質方
    法。 1.0≦(産業廃棄物の添加量)×T〔N〕/(全出鋼
    量) 但し、 T〔N〕:添加する産業廃棄物が含有する全窒素濃度
    (%) (産業廃棄物の添加量)の単位はkg、(全出鋼量)の
    単位はtである。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113584253A (zh) * 2021-06-21 2021-11-02 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种利用不锈钢除尘灰生产含铬高碳钢的方法
CN114686638A (zh) * 2022-04-12 2022-07-01 南京钢铁股份有限公司 一种控制冶炼过程中n含量的方法

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