JPH0998960A - Mri装置及びmr画像生成方法 - Google Patents

Mri装置及びmr画像生成方法

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JPH0998960A
JPH0998960A JP7257982A JP25798295A JPH0998960A JP H0998960 A JPH0998960 A JP H0998960A JP 7257982 A JP7257982 A JP 7257982A JP 25798295 A JP25798295 A JP 25798295A JP H0998960 A JPH0998960 A JP H0998960A
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一生 森
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隆司 峯邑
Motoji Haratou
基司 原頭
Shinji Mitsui
信二 光井
Yoshiaki Hamamura
良紀 濱村
Kazuto Nakabayashi
和人 中林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存のRFコイルアセンブリを組み合わせてフ
ェーズドアレイコイルと同等の使い方ができるように
し、この既存の複数のRコイルアセンブリによっても一
層の視野拡大やS/N比向上を期したMRデータを得
る。 【解決手段】1つ又は複数のRFコイル素子を有する単
独で使用可能な単一のRFコイルアセンブリ30A(3
0B)を複数用いて、この複数のRFコイルアセンブリ
30A,30Bから被検体のMR信号を同時的に収集し
てMRI装置本体内の処理回路に伝送するMRI装置。
複数のRFコイルアセンブリ30A,30Bを接続しか
つこの複数のRFコイルアセンブリ30A,30Bと処
理回路とをインターフェイスさせるアダプタ31を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング(MRI)のRFコイル装置及びMR画像生成方法
に係り、とくに被検体の近傍に複数のRFコイル素子を
有する単一のRFコイルアセンブリ、又は1つ若しくは
複数のRFコイル素子を有する複数のRFコイルアセン
ブリを配置し、複数のRFコイル素子から少なくとも被
検体のMR信号を同時に受信するようにしたRFコイル
装置及びこれにより受信したMRデータに基づくMR画
像生成方法に関する。
【0002】なお、本発明に係るRFコイル装置のコイ
ル配置の態様としては、(1)ボリュームコイルや表面
コイルのように1つ(対)のRFコイル素子を有するR
Fコイルアセンブリを複数同時に用いる場合、(2)Q
Dコイルのように複数のRFコイル素子を有するRFコ
イルアセンブリを複数同時に用いる場合、(3)フェー
ズドアレイコイル(Phased Array Coil )と呼ばれるR
Fコイルのように複数のRFコイル素子を有する単一の
RFコイルアセンブリを用いる場合、などがある。
【0003】
【従来の技術】一般に、被検体の原子核の磁気共鳴現象
を利用した磁気共鳴イメージングにおいては、被検体が
静磁場B0 中に置かれ、この被検体に撮影断面決定用の
傾斜磁場と伴に高周波磁場B1 が印加される。この高周
波磁場B1 の印加に付勢されて被検体が発生するMR信
号は、位置情報付加用の傾斜磁場を印加しながら収集さ
れる。上記高周波磁場の被検体への送信及び被検体から
のMR信号の受信を担うのがRFコイルであり、MRI
装置の磁石部内の被検体近傍に配設される。
【0004】MR信号のレベルは非常に小さいため、R
Fコイルの感度を高めると伴に受信ノイズを最小に抑え
ることが極めて重要である。つまり、S/N比の高いこ
とがRFコイルに求められる重要な要件の一つになって
いる。
【0005】このような状況の中で、広いFOV(Fiel
d of View )にわたって高S/N比のMR画像を得るた
めのRFコイルの1つとして、従来、複数個の表面コイ
ルと各表面コイルを受信する複数チャンネルの信号収集
回路とを備えたフェーズドアレイコイル(phased arry
coil)のRFコイルアセンブリが知られている。
【0006】このフェーズドアレイコイルののRFコイ
ルアセンブリで問題となるのが複数の表面コイル相互間
の磁気的カップリング(結合)である。この磁気的カッ
プリングを無視できるレベルまで抑えないと、高S/N
比のコイルユニットは実現できない。
【0007】そこで、例えば米国特許第4,825,1
62号及び同第4,885,541号に見られる如く、
コイル素子としての表面コイル相互間の磁気的結合が少
なくなるように各表面コイル配置を最適化し、補助的に
干渉抑制回路を使用するフェーズドアレイコイルの従来
技術が提案されている。
【0008】この干渉抑制回路を図26に示す。同図に
示すフェーズドアレイコイル(コイル素子としては2個
の表面コイルを採用)において、隣接する表面コイル1
00,101は相互インダクタンスが零になるように互
いに一部オーバラップして配置されるとともに、各々の
表面コイル100(101)はチューニング用コンデン
サC2 を利用して、このコンデンサC2 及び集中定数型
インダクタL2 並びにλ/2波長の同軸ケーブル(λ/
2ケーブル)102(103)を順次介して低入力イン
ピーダンスで低雑音指数のプリアンプ104(105)
に接続されている。プリアンプ104,105の入力イ
ンピーダンスRinは、共振角周波数ωにおいてλ/2ケ
ーブル102,103を通しても全く変化せず、共にR
in<3[Ω]のままであるから、図26の点数で囲んだ
部分が共列共振回路を形成する。つまり、コンデンサC
2 とインダクタL2 とで並列共振回路を形成するよう
に、集中定数型インダクタL2 が調整される。これによ
り、プリアンプ104(105)の低入力インピーダン
スを利用してRFコイルのQ値を下げ、磁気的カップリ
ングを低減する、という「プリダンプ回路」が形成され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように上述した従
来例ではプリアンプの入力インピーダンスZinが極力低
いことが重要であり、このためにはその実部(Rin)を
小さくすることが有効である。しかし、一般には、この
抵抗成分Rinを数オーム以下に下げることはできない。
それは、図27にプリアンプの内部回路を例示する如
く、プリアンプはGaAsFETのソース接地回路で形
成し、その入力側にインピーダンス変換用LC回路を備
えているからである。FET自体が最良のNF(雑音指
数)で動作するための最適信号源インピーダンス
Ropt ′は数kΩであり、LC回路により、プリアンプ
全体の最適信号源インピーダンスRopt (一般には50
Ω程度)をRopt ′(数kΩ)に変換している。このイ
ンピーダンス変換用LC回路のインダクタに抵抗損失が
存在するので、インピーダンスZinに数オーム程度の抵
抗成分Rinが必ず残る。したがって、プリアンプの入力
インピーダンスを極力下げることで、コイル素子間の干
渉を抑制するには一定の限界があった。
【0010】また、プリアンプの入力インピーダンスZ
inは、前記最適信号源インピーダンスRopt ′とは全く
異なる値であり、リアクタンス成分(虚部)Xinが存在
し、Zin=純抵抗成分とはなり得ないのが通常である。
前述した米国特許第4,885,541号記載の干渉抑
制回路は、そのリアクタンス成分Xinが存在しないもの
と仮定して構成されているので、コイル素子間の干渉抑
制効果は半減してしまう。この不都合を回避するには、
プリアンプの入力リアクタンス成分Xinを充分に小さく
形成すればよいが、前記最適信号源インピーダンスR
opt を現実的な値(例えば50オーム)に設定したとき
に、そのインピーダンスRopt をFETの最適信号源イ
ンピーダンスRopt ′に変換するインピーダンス変換回
路は複雑な回路構成とならざるを得ず、その回路損失故
に今度はプリアンプのNFが劣化してしまうという問題
がある。
【0011】さらに米国特許第4,825,162号記
載の干渉抑制回路では、通常時(即ち図25のインピー
ダンス変換用LC回路の回路定数が最良のNFを得るこ
とができる値となっているとき)はリアクタンス分Xin
が存在しないものと仮定したうえで、必要に応じてイン
ピーダンス変換用LC回路の定数を最良のNFが得られ
る値からあえて逸脱させて所望のXinを得るものであ
る。しかし、最良のNFが得られる回路状態でXinがゼ
ロと仮定しているのは根本的に誤りである。また、イン
ピーダンス変換用LC回路の定数をNF最小の条件から
逸脱させて所望値のXinを得ようとするのであるから、
プリアンプのNFは大きな犠牲を被るという不都合があ
る。
【0012】本発明は、このような状況を踏まえてなさ
れたもので、複数のRFコイル素子を被検体の周りに配
して同時にMR信号の収集を行う場合、一層の視野拡大
やS/N比向上を図ることを主目的とする。
【0013】とくに、複数のRFコイル素子(フェーズ
ドアレイコイルも含む)にプリアンプによる干渉抑制用
のプリダンプ回路が装備されている場合、プリアンプの
NFを犠牲にすることなく、RFコイル素子間の磁気的
干渉をより確実に抑制して、視野拡大やS/N比向上を
図ることを第1の目的とする。
【0014】また、単独に用いることのできる既存のR
Fコイルアセンブリを組み合わせてフェーズドアレイコ
イルと同等の使い方ができるようにし、この既存の複数
のRコイルアセンブリによっても一層の視野拡大やS/
N比向上を期したMRデータが得られるようにすること
を第2の目的とする。
【0015】さらに、フェーズドアレイコイルアセンブ
リを配置したときの如くの、複数のRFコイル素子から
同時に受信されたMRデータを有効に使って、リアル画
像、イマジナリ画像、位相画像、およびMRアンギオ画
像のような位相差を反映した画像をMR画像として生成
できるようにし、MR画像生成機能の充実を図ることを
第3の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記主目的及び第1の目
的を達成するため、請求請1乃至6記載の発明では、被
検体の近傍に配置され、かつ被検体からのMR信号を受
信する複数のRFコイル素子と、この複数のRFコイル
素子の夫々に接続され、かつこのRFコイル素子からの
MR信号を増幅するプリアンプとを備え、前記複数のプ
リアンプの夫々の入力インピーダンスを、この入力イン
ピーダンスの虚数成分の絶対値がその実数成分よりも大
きくなるように設定したことを特徴とするMRI装置を
主に構成している。
【0017】また上記主目的及び第2の目的を達成する
ため、請求請7乃至30記載の発明では、1つ又は複数
のRFコイル素子を有する単独で使用可能な単一のRF
コイルアセンブリと、この複数のRFコイルアセンブリ
から同時的に収集した被検体のMR信号を処理しかつM
RI装置本体内に設けられた処理回路と、前記複数のR
Fコイルアセンブリと前記処理回路とをインターフェイ
スさせるアダプタとを設けたMRI装置を主に構成して
いる。
【0018】さらに上記主目的及び第3の目的を達成す
るため、請求請31乃至37記載の発明では、その一つ
の態様として、被検体の近傍に配置された複数のRFコ
イル素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデー
タ(k空間データ)に基づいてMR画像を生成するMR
画像生成方法において、前記RFコイル素子毎の複数の
MRデータに基づいて複数のリアル画像又はイマジナリ
画像のいずれか一方の画像P1,P2,P3,…を個別
に生成し、この複数の画像P1,P2,P3,…からリ
アル画像又はイマジナリ画像のいずれか一方の合成画像
CPcを、重み関数をW1,W2,W3,…として CPc=W1・P1+W2・P2+W3・P3,… (ただし、重み関数をW1,W2,W3,…は略、W
1:W2:W3:…=P1を平滑化した値の絶対値:P
2を平滑化した値の絶対値:P3を平滑化した値の絶対
値:…の比に設定)の関係を使って合成することを特徴
としたMR画像生成方法を示している。
【0019】また上記主目的及び第3の目的を達成する
別の態様として、前記RFコイル素子毎の複数のMRデ
ータに基づいて複数のリアル画像又はイマジナリ画像の
いずれか一方の画像P1,P2,P3,…を個別に生成
し、この複数の画像P1,P2,P3,…からリアル画
像又はイマジナリ画像のいずれか一方の合成画像CPc
を、重み関数をW1,W2,W3,…として CPc=W1・P1+W2・P2+W3・P3,… (ただし、重み関数をW1,W2,W3,…は略、W
1:W2:W3:…=P1の絶対値:P2の絶対値:P
3の絶対値:…の比に設定)の関係を使って合成するこ
とを特徴としたMR画像生成方法を示している。
【0020】さらに上記主目的及び第3の目的を達成す
るさらに別の態様として、前記複数のMRデータから個
別に複数の絶対値画像と複数の位相画像を得て、この複
数の絶対値画像を1枚の絶対値画像に合成し、前記複数
の絶対値画像と前記複数の位相画像とから1枚の位相画
像を生成し、前記1枚の合成された絶対値画像に対し前
記1枚の生成された位相画像の余弦又は正弦のいずれか
一方を画素毎に乗じて1枚の合成リアル画像又は合成イ
マジナリ画像のいずれか一方の画像を生成することを特
徴としたMR画像生成方法を示している。
【0021】さらに上記主目的及び第3の目的を達成す
るさらに別の態様として、前記複数のMRデータから複
数の複素画像Z1,Z2,Z3,…を得て、この複数の
複素画像Z1,Z2,Z3,…の画素毎の絶対値M1,
M2,M3,…を重み付け関数として求め、前記複数の
複素画像Z1,Z2,Z3,…に前記重み付け関数M
1,M2,M3,…を画素毎に乗じて位相角データを求
めることを特徴としたMR画像生成方法を示している。
【0022】さらに上記主目的及び第3の目的を達成す
るさらに別の態様として、被検体に印加する2種類の磁
場パルスに伴う原子核スピンの2種類の位相シフト状態
の夫々にて被検体の近傍に配置された複数のRFコイル
素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデータ
(k空間データ)に基づいてその2種類の位相シフト状
態の位相差を反映させたMR画像を生成するMR画像生
成方法において、前記2種類の位相シフト状態のそれぞ
れにて得た前記複数のMRデータについて、この複数の
MRデータから複数の複素画像Z1,Z2,Z3,…を
求め、この複数の複素画像Z1,Z2,Z3,…の実部
データ同士を合成した合成実部データを求め、前記複数
の複素画像Z1,Z2,Z3,…の虚部データ同士を合
成した合成虚部データを求め、この合成実部データ及び
合成虚部データから合成した合成複素画像を求める一方
で、この2種類の位相状態について求めた2種類の合成
複素画像の位相差データを前記MR画像のデータとして
求めることを特徴としたMR画像生成方法を示してい
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0024】(第1の実施の形態)図1〜図7に第1の
実施形態を示す。図1にはフェーズドアレイコイルによ
るRFコイルアセンブリを形成する複数のコイル素子の
内の、1つのコイル素子(ここでは表面コイル)10の
受信回路を示す。この受信回路は一般的な50オームチ
ェーン回路であり、その中に他のコイル素子との磁気的
カップリングを抑制する干渉抑制回路も一体的に備えて
いる。
【0025】コイル素子10は図1に示す如く、チュー
ニング用コンデンサ11、マッチング用コンデンサ1
2,13を介して位相シフタ(phase shifter )14に
至る。位相シフタ14の出力側はプリアンプ15に至
り、このプリアンプ15の出力側には各々独立した信号
処理回路が形成されている。例えば、このプリアンプ1
5の出力信号はスプリッタにより2分枝された後、複素
信号として取扱われてコンピュータ処理される。
【0026】位相シフタ14はコイル出力ポートからプ
リアンプ15までの信号位相をθだけずらすためのもの
で、ここでは位相シフタ14として特性インピーダンス
Z0=50Ωの同軸ケーブルを用いている。このため、
信号ずれ位相角θはケーブル長の調節によりコントロー
ルできる。
【0027】ここで、上述のコイル受信回路(干渉抑制
回路)における回路定数の設定法を、従来の干渉抑制回
路の問題点の解説と合わせて説明する。
【0028】まず図1における回路素子の表記を以下の
如く決める。
【0029】LはRFコイル素子10のインダクタンス
であり、RFコイル素子10の途中に短縮コンデンサを
挿入している場合は合計の実効インダクタンスだが、以
下簡単のため、短縮コンデンサは無しとする。
【0030】rはRFコイル10のロス抵抗。負荷によ
る損失抵抗をも含んでいる。ZcoilはLとrの合成イン
ピーダンス。Ct はチューニングコンデンサ11の静電
容量。Cm はマッチングコンデンサ12、13の静電容
量。Ropt はプリアンプ15が最小のNFで動作するた
めの最適信号源インピーダンスであり、一般にはRopt
が50オームとなるようにプリアンプ15は作られてい
る。Z0 はチューニング回路を経由してRFコイル素子
10を見込んだインピーダンス(Zo =Ropt )。Zin
はプリアンプ15の入力インピーダンスで、一般に実部
Rin及び虚部Xinを持つ。Zin′はZinを位相シフタ1
4経由で見込んだときのインピーダンス。Zは、RFコ
イル10からチューニング回路を経由してプリアンプ1
5側を見込んだインピーダンスである。
【0031】干渉抑制回路の目的は、ラーモア周波数ω
において、RFコイル素子10に流れる電流を最小にす
ることにより、RFコイル間の磁気的干渉を最小にする
ことである。そのためには、Z>>Zcoilとすることで
ある。実際にはZが最大となるのではなく、Z+Zcoil
が最大となることが、RFコイル素子10に流れる電流
を最小にする条件であるが、略略はZ最大とすることで
よい。そのために、次の条件を満たすようにZin′が選
ばれ、その状態でRFコイル素子10から見てZは
Ct ,Cm ,Cm とZin′との並列共振インピーダンス
となるのである。
【0032】
【数1】 即ちZin′が、インダクタンスL′=Xin′/ωの示す
インダクタンスとなるようにするのである。
【0033】そして、このようなXin′を得るため、θ
を次式により定める。ここでは同軸ケーブルの長さlで
θを決めるので、それで説明する。位相シフタあるいは
同軸ケーブルが無損失であり、その特性インピーダンス
Z0 に等しいならば、
【数2】 βは、位相シフタ14を構成する同軸ケーブルのラーモ
ア周波数ωにおける位相定数。
【0034】このようにしてXin′を得たとき、それに
付随する抵抗分Rin′が存在することになる。この抵抗
分Rin′を考慮に入れると、図1中の並列共振インピー
ダンスZは図2のように表される。この並列共振インピ
ーダンスZはラーモア周波数ωにおいて最大となり、そ
の値をZdampとすると、次式で表される。
【0035】
【数3】 このインピーダンスZdampが大きいほど、干渉抑制性能
は向上する。
【0036】一般には、入力インピーダンスZinの抵抗
分Rinが極力小さいプリアンプ15を使って、上記
(4)式の抵抗分Rin′を小さくすることにより干渉抑
制性能を向上させることが考えられる。
【0037】しかしながら、前記課題の項で説明したよ
うに抵抗分Rinを十分に小さくすることは困難であり、
その結果、インピーダンスZin′のリアクタンス成分X
in′に付随する抵抗分Rin′も必ずしも十分に小さくは
ならない。したがって干渉抑制効果が低い。
【0038】さらに付記すれば、プリアンプ15のRin
を仮にゼロ近辺に設定できたとしても、位相シフタ14
の損失が存在するため、Rin′はやはり十分小さくはな
らない。位相シフタ14が同軸ケーブルで形成されてい
る場合、位相シフタ14の損失を十分小さくするために
は、伝送損失が極小のケーブルを使う必要がある。この
ような同軸ケーブルは非常に大きな径であるから、柔軟
性に欠けるものとなり、極めて扱いづらいものとなる。
一方、位相シフタがインダクタンスやキャパシタンスな
どの集中定数素子でできているときは、やはりインダク
タンス(コイル)が巨大なものとなるに加えて、導体抵
抗は無視できないし、実用には供し難い回路となってし
まう。
【0039】これらの問題を解決するため、本発明者は
プリアンプ15のRinをこれ以上下げるという方策は採
らずに、別の回路定数設定法により、位相シフタ経由で
見込んだRin′を極力小さくするようにしたものであ
る。
【0040】そこで本発明者が着目したのは、従来では
邪魔者として扱われてきたプリアンプ15の入力インピ
ーダンスZinのリアクタンス分Xinである。従来、干渉
抑制回路用プリアンプとしてあるべき姿は「Rin,Xin
共に極小、且つNF最良」と考えられてきた。しかし、
以下に説明するように、かかるあるべき姿は「Rin<<
<Xin(の絶対値)、且つNF最良」であってもよいの
である。つまり、必ずしもRinがゼロ近くの値でなくて
も、Xinが大きければ、高い干渉抑制効果が得られるの
である。
【0041】具体的には、前述した(1)式により定ま
るXin′を得るには、(2)式によってZinを変換して
Xin′相当値を得ればよい。このリアクタンス分Xin′
に付随するRin′は、Xinが大きいほど小さくなり、
(4)式のZdampが大きくなる。これにより、Xinの絶
対値が大きくなる。
【0042】Xinの計算例を示す。ω=4014952
02rad/sec (63.9MHz)、L=0.10μH、
r=1.606ohm (Q=25)とする。Z0 を50オ
ームとするCt ,Cm は計算により、Ct =51.11
2pF,Cm =22.807pFとなる。
【0043】そこでZdampを最大にするXin′は式
(1)より、
【数4】Xin′=+j・267.14 となる。いくつかのZinについて、このXin′を得るた
めのθと、付随するRin′と、それにより得られるZ
dampとを表1に示す。同表にみられるように、リアクタ
ンスXinの絶対値の大きいほど、Rin′が小さくなって
いる。
【0044】
【表1】
【0045】また、インピーダンスZinに大きなXinを
もたせて、所望のXin′を得るに伴うRin′を小さくし
得ることは、式(2)を計算する代わりに、図3のスミ
スチャートによってもわかる。即ち、所望の正規化リア
クタンスが例えば2.0である場合(Z0 は50オーム
だから、リアクタンスとしては100オーム)、Zinが
10+j・0であれば(即ち正規化インピーダンスは
0.2+j・0)、同図上で点Aから出発する。スミス
チャートの中心を軸にして円弧に沿って位相角2θ回転
し、Z/Z0 =0.2の円弧と交差する点BがZin′を
表すが、正規化リアクタンスは2.0になっているもの
の、正規化レジスタンスは2近くの大きな値を示す。一
方、Zinが大きなリアクタンスを伴っていれば、例えば
Zin=10−j・150(正規化インピーダンス0.2
−j・3)ならばスタート点はA′であり、X/Z0 =
0.2の円弧と交差する点B′の示す付随正規化レジス
タンスは0.2以下と僅少である。
【0046】以下、回路シミュレーションでさらに具体
的に示す。図4の回路を使ってシミュレーションをす
る。ラーモア周波数は63.9MHzとし、その他、前
出数値例(表1)と同じ定数を用いる。位相シフタ14
は1.5D2V(63.9MHzでは、減衰定数0.2
dB/m、位相定数βは2.029rad/m)の同軸
ケーブルである。Zin′として、50Ωを直結したとき
(このときは図4において、l=0m、Cin無限大、4
オームのかわりに50オーム)と、いくつかのZin(X
in=−0,50,−100,−200、 63.9MH
zのとき、実部は4オーム)において各々所定のθ(即
ち所定のケーブル長l)をつないだときとで、rの両端
の電圧(即ちRFコイル素子電流に比例する量)を比較
する。RFコイル素子には誘導起電力で1Vが誘起して
いる状態であるとする。同軸ケーブルの長さは、表1で
求めておいたθから式(3)で求められる。
【0047】シミュレーション結果は図5〜図7に示
す。63.9MHzにおけるZin=50Ωの時との信号
レベル差、即ちRFコイル電流抑制効果が干渉抑制性能
の指標である。図5は、Xin(の絶対値)が正の値のケ
ースで、Xinが大きいほど、RFコイル電流抑制効果が
顕著である。図6は、Xinが負の値のケースで、X
in(の絶対値)が大きいほど、RFコイル電流抑制効果
が大きいが、さほど顕著では無い。図7は、図6と同様
だが、ケーブルロスをゼロとした場合である。図5にも
増して、RFコイル電流抑制効果が顕著である。
【0048】以上から、ケーブルロス(フェーズシフタ
の損失)が十分小さい場合は、Xinが大きいことによる
RFコイル電流抑制効果は顕著であることが分る。
【0049】とくに、図5、即ちXinが正の場合の方
が、図6あるいは図7に比べて、干渉抑制性能の優れた
周波数帯域が広い。従って、θを最適にするに当たりそ
の調整はさほど精度が要らず、この点は極めて実用的で
ある。この事実の由来は次のごとくである。「XinがX
in′よりもやや小さい」という条件では、所望のXin′
を得るためのθは小さい。位相シフタが例えば同軸ケー
ブルであるならその長さは短い。一方、ラーモア周波数
以外の周波数では、同軸ケーブルを伝搬するに当たり、
ラーモア周波数と周波数差に比例した程度で、かつ、ケ
ーブル長に比例した程度で、その位相はθからずれる。
従って、所望のXin′から逸脱していく。θが小さい
と、この現象が小さいのである。結論として、XinがX
in′よりやや小さいと云うことが、広い周波数帯域で高
い干渉抑制性能を発揮する点で重要である。勿論、Xin
がXin′に十分近ければ、位相シフタの損失で干渉抑制
機能が制約されるから、その場合、フェーズシフタは無
いほうがよい。
【0050】なお、図5〜7において、Xin=0のケー
スでは、RFコイル素子電流の極小点がラーモア周波数
63.9MHzからずれているが、これはケーブル長
(あるいは位相シフタのθ)を定めるにおいて、Zを最
大とするような値としたからである。Z(あるいはZ
damp)が十分に大きい場合はそれでよいが、そうでない
場合は、ラーモア周波数において「Z+Zcoil」の絶対
値が最大になるようにケーブル長(あるいは位相シフタ
のθ)を定めることで、ラーモア周波数においてRFコ
イル電流が極小となる。
【0051】このように本実施態様では、従来は冷遇さ
れていたプリアンプの入力インピーダンスZinのリアク
タンス成分Xinの値に着目し、この値を「NFを最良に
維持する範囲でRin<<<Xin(の絶対値)」となるよ
うにインピーダンス変換用のLC回路の定数、又は/及
び、FETを選択することでXinの値を設定している。
これにより、プリアンプのNFを犠牲にすることなく、
RFコイル素子間の高い干渉抑制機能が得られるので、
S/Nを犠牲にすることなく多数のRFコイルを併設す
ることができる。従ってフェーズドアレイコイルなどの
多素子コイルにおいて、広い視野を高S/Nで撮影する
という本来の使命を充分に発揮することができる。
【0052】また、そのようにすることで、位相シフタ
を同軸ケーブルで形成する場合、その径が大きくなって
柔軟性を低下させたり、位相シフタを集中定数回路で形
成する場合、その回路構成を実用に供しないほど大形化
させてしまうという不都合も回避される。
【0053】(第2の実施の形態)図8に第2の実施形
態に係るRFコイル素子10の受信回路の一部(干渉抑
制回路)を示す。この実施形態は第1の実施形態を変形
させたもので、同一の構成要素には同一符号を用いる。
このRFコイル素子10は例えばフェーズドアレイコイ
ルの一つのコイル素子を示している。
【0054】同図に示すように、位相シフタ14とプリ
アンプ15との間には、コンデンサ16(静電容量C
adj )及びコイル17(インダクタンスLadj )の並列
共振回路がプリアンプ15に並列に介挿してある。
【0055】一般に位相シフタはθを調整することが面
倒である。プリアンプ15の入力インピーダンスZ
inは、製造する際、かなりのばらつきを生じる。また、
RFコイル10の使用状態によってはCt ,Cm が変わ
ることがある。従って、これらばらつきの範囲での典型
的状態にあわせて位相シフタの状態を決定しておく。そ
して、プリアンプ入力インピーダンスZinが所望の状態
からずれていたり、あるいはCt ,Cm が典型的状態か
ら異なっていたりするときには、図8のCadj 、Ladj
の調整を行うのである。特にCadj を可変容量としてお
けば調整容易となる。Cadj とLadj は並列共振回路を
なしており、通常は共振周波数がラーモア周波数の付近
になるようにしておく。この状態であれば並列共振イン
ピーダンスはラーモア周波数において極めて高く、C
adj とLadj の存在は何の影響も及ぼさない。そして、
例えばZinが所望の値からずれているとき、例えばXin
がやや大きすぎるときは、Cadj を大きくする。そうす
ると、ラーモア周波数においては、Cadj とLadj の並
列共振回路のインピーダンスは容量的となる、即ち虚部
が支配的となりその虚部の値は負である。これとZinと
の並列インピーダンスが位相シフタ14から見た見かけ
のプリアンプ15の入力インピーダンスであり、その虚
部はXinより小さくなり、所望の値に近づく。このよう
に、Cadj が典型値から極端にずれていない範囲で行わ
れる場合、Cadj とLadj の並列共振回路のインピーダ
ンスの絶対値がRopt (例えば50オーム)よりも十分
大きいという状態が維持される。従って、プリアンプ1
5から見た見かけの信号源インピーダンスはRopt から
殆どずれないので、プリアンプ15のNFは殆ど損なわ
れない。Xinが所望値から小さすぎるときは、勿論C
adj を小さくしてやる。
【0056】このような調整は例えば次のように行われ
る。RFコイル素子10と粗に電磁誘導結合をしたコイ
ル(図示せず)からラーモア周波数の電圧を印加し、も
う一つRFコイル素子と粗に電磁誘導結合をしたコイル
(図示せず)を使って、RFコイル素子に流れる電流を
検出し、この出力が最小になるようにCadj を調整す
る。
【0057】(第3の実施の形態)図9に第3の実施形
態に係るRFコイル10の受信回路(干渉抑制回路)の
一部を示す。本実施形態の目的は第2の実施形態におけ
るものと同じである。同図のRFコイル素子10は例え
ばフェーズドアレイコイルの一つのコイル素子を示して
いる。
【0058】同図に示すように、位相シフタ14とプリ
アンプ15との間には、コンデンサ18(静電容量C
adj )及びコイル19(インダクタンスLadj )の直列
共振回路がプリアンプ15に直列に介挿してある。
【0059】図9に示す回路では、直列共振回路をなす
Cadj 、Ladj の共振周波数は通用、ラーモア周波数の
付近になるように設定しておく。この状態であれば直列
共振インピーダンスはラーモア周波数において極めて低
く、Cadj とLadj の存在は何の影響も及ぼさない。そ
して、例えばZinが所望の値からずれているとき、例え
ばXinがやや大きすぎるときは、Cadj を小さくする。
そうすると、ラーモア周波数においてはCadj とLadj
の並列共振回路のインピーダンスが容量的となる、即ち
虚部が支配的となり、その虚部の値は負である。これと
Zinとの直列インピーダンスが位相シフタ14から見た
見かけのプリアンプ15の入力インピーダンスであり、
その虚部はXinより小さくなり、所望の値に近づく。こ
のようなCadj が典型値から極端にずれていない範囲で
調整する場合、Cadj とLadj の直列共振回路のインピ
ーダンスの絶対値がRopt (例えば50オーム)よりも
十分小さい状態が維持され、従って、プリアンプから見
た見かけの信号源インピーダンスはRopt から殆どずれ
ない。従ってプリアンプのNFは殆ど損なわれない。X
inが所望の値から小さすぎるときは、勿論Cadj を大き
くしてやる。調整の方法は図8の場合と同様である。
【0060】なお、図8、9におけるように付加的な共
振回路でプリアンプ入力インピーダンスを所望の値に近
づける構成は、前述したようなXinの絶対値がRinより
も大きなプリアンプに限らず、どのようなプリアンプに
も実施できる。
【0061】(第4の実施の形態)フェーズドアレイコ
イルは前述したように、複数のRFコイル素子を被検体
に対して併置して同時に撮影し、S/N比向上及び視野
拡大を図ろうとするコイルアセンブリである。この複数
のRFコイルの別の使い方に、複数のRFコイルを使用
してMRI撮影時間を短縮させようとするものもある
(例えば、“Abstractof 1989 SMRM, page 1172, "Ano
Algorithm For Rapid Image AcquisitionUsing Multipl
e Receiver Coils", Kelton et al.”)。このようなコ
イルアセンブリは一般にはフェーズドアレイコイルとは
呼ばれないが、複数のRFコイルを同時に使用する点で
共通であるので、本発明では、フェーズドアレイコイル
の範疇に入れて扱うこととする。
【0062】以下、この複数のRFコイルを同時使用す
る広義のフェーズドアレイコイルについて、その問題点
から説明することとする。
【0063】上述した“ Multiple Receiver Coils”の
ようなフェーズドアレイコイルの開発は面倒であり、し
かも、被検体の各部位に最適化したフェーズドアレイコ
イルはそれぞれ異なるものであるから、メーカがこれら
あらゆる種類のコイルを開発し供給することは事実上不
可能に近い。ユーザが個々の汎用のRFコイルを組み合
わせれば、部位毎のフェーズドアレイコイルとして使え
るように思えるが、やはりコイル間の磁気的干渉が問題
となり、正常なRFコイルの機能を確保することはほと
んど困難である。得られるMRI像のS/N比は低下
し、異常な感度むらを生じることになる。
【0064】たとえ画質の面で妥協したとしても、専用
のフェーズドアレイコイルと汎用RFコイルとでは回路
が異なるため、それらを同時にMRIシステム本体にイ
ンターフェイスさせて接続することは不可能である。こ
の従来の事情を図10〜14を用いて説明する。
【0065】図10及び11には図示しないMRIシス
テム本体に接続される汎用のRFコイルアセンブリを示
し、図12にはそのような汎用のRFコイルアセンブリ
が接続されるMRIシステム本体側の接続回路の一部を
示す。
【0066】これを図に沿って詳述すると、図10にお
いて、LはRFコイルのインダクタンス、CdはRFコ
イルの巻線の途中に挿入した短縮コンデンサの静電容
量、rは負荷も含めたコイル損失抵抗、および、Ct,
Cmはチューニングコンデンサの静電容量及びマッチン
グコンデンサの静電容量であり、バラクタダイオードで
形成され、バイアス電圧制御により容量可変である。こ
のバラクタダイオードのバイアスラインには、RFコイ
ルの動作に悪影響を与えないように高抵抗R1,R2が
挿入されている。RFコイルの検知信号は同軸ケーブル
CCを介して出力される。コイルID信号は、MRIシ
ステムにどの種類のRFコイルが接続されているかを認
識するための、RFコイルの種類に固有の接点信号であ
る。RFコイルとコネクタCTの間は多芯ケーブルで接
続されている。なお、この回路において、RFコイルの
巻線部以外の回路部をまとめてチューニング回路と呼
び、RFコイルからコネクタCTまでをRFコイルアセ
ンブリと呼ぶ。図10において、ほかのRFコイルから
RF磁場を送信するとき、そのRF磁場から保護するた
めに、PINダイオードにバイアス電流を流すことで、
自己のRFコイルをチューニング状態から外すことが多
いが、そのような回路をはじめとして、一部の回路の図
示を省略している。図11は、図10のコイルアセンブ
リの外観を示す。
【0067】これに対応するMRIシステム本体側の接
続回路は図12に示すように、チューニングバイアス電
圧およびマッチングバイアス電圧は、バラクタダイオー
ドのバイアス電圧発生回路でつくられ、その電圧は可変
である。チューン・受信切換スイッチが備えられてお
り、以下のように動作する。患者に対してRFコイルが
設定されると、その設定状況に応じてRFコイルの抵抗
分rが決まる。この状態でRFコイルの出力インピーダ
ンスを同軸ケーブルの特性インピーダンス(50オーム
とする)に整合させるため、チューニングバイアス電圧
とマッチングバイアス電圧を変える。このときは、通常
時にはプリアンプに接続しているRFコイル出力信号
を、チューン・受信切換スイッチにより方向性結合器に
接続する。周波数シンセサイザからラーモア周波数の信
号が50Ωインピーダンスを介してRFコイルに供給さ
れる。RFコイルのインピーダンスが50Ωから逸脱し
ていると、反射波が戻ってくるから、その反射波を方向
性結合器を介して抽出し、検波器で検波する。この検波
出力に基づいて、図示しない制御部は反射波が最小にな
るチューニングバイアス電圧とマッチングバイアス電圧
とを探す。以後、そのバイアス電圧に固定され、チュー
ン・受信切換スイッチはその接続をプリアンプ側に戻
す。これにより、撮像時にはMR信号(すなわちRFコ
イルの出力信号)はプリアンプを経てポストアンプで増
幅された後、検波される。この検波信号はさらにA/D
変換され、信号処理回路に取り込まれる。
【0068】これに対し、図13は専用に作られたフェ
ーズドアレイコイルの一例を示し、図14はそのフェー
ズドアレイコイルが接続されるMRIシステム本体側の
接続回路の一部を示す。
【0069】図13の構成が図10のものと異なる一つ
は、チューニングおよびマッチング用の静電容量が固定
である点である。また別の一つは、複数のRFコイル
(あるいはコイル素子)が併設されている点である。こ
のコイル併設に際し、RFコイル間の磁気的干渉が最小
となるような幾何学的配置が採られるとともに、特定部
位の撮影が好適に実施できるように個々のRFコイルの
寸法形状が最適化されている。また、低い入力インピー
ダンスのプリアンプを受信チャンネル毎に備え、このプ
リアンプにMRIシステム本体側から電源が供給されて
いる。さらに、プリアンプとチューニング・マッチング
回路との間に位相シフタと呼ばれる回路(例えば、“Ab
stract of 1993 SMRM, Page 1322, "A Design Tool for
Decoup-ling RF Coils with Isolating Rreamplifier
s" 参照)が受信チャンネル毎に挿入されている。これ
により、ラーモア周波数においてRFコイルに流れる電
流を最小にし、RFコイル間の磁気的干渉を抑制してい
る。なお、プリアンプからコネクタまではチャンネル毎
に同軸ケーブルで接続される。
【0070】これに対応するMRIシステム本体側の接
続回路は図14に示すように、コイル素子、すなわち受
信チャンネルの数に応じてポストアンプのほか、検波、
A/D変換のための装備がなされ、多数チャンネルで同
時並行でMR信号を収集できるようにしている。なお、
図13、14においてRFコイルの数を2個、データ収
集チャンネル数を2としたフェーズドアレイコイルを示
したが、その数は3個(3チャンネル)以上であっても
よい(以後、第7の実施形態及びその変形例まで簡単の
ため、2チャンネルで説明する)。
【0071】以上の説明から分かるように、汎用のRF
コイルを複数用意し、それらを同時に使用しても、それ
らのRFコイルに干渉抑制回路を組み込んでいないので
(図10参照)、各RFコイルが正常に動作せず、実行
不可能である。また、そのような干渉を無視したとして
も、MRIシステム本体とのインターフェイスが汎用R
Fコイルとフェーズドアレイコイルとでは機構的に大幅
に相違するため、実施困難なのである。
【0072】本第4の実施形態を図15及び図16に基
づいて説明する。
【0073】図15に本実施形態に係るRFコイル装置
の外観構成を示す。このRFコイル装置は同図に示すよ
うに、受信専用の2つのRFコイルアセンブリ(ここで
はリニアコイルを採用)30A,30Bと、このRFコ
イルアセンブリ30A,30Bを着脱自在に接続させる
アダプタ31と、このアダプタ31とMRI装置本体と
を接続するケーブル32及びコネクタ33とを備える。
【0074】2つのRFコイルアセンブリ30A,30
Bは既存のリニアアセンブリを何ら仕様変更することな
く、また何ら調整変更することもなく、そっくりそのま
ま使用するものであり、そのプラグコネクタPGをアダ
プタ31の後述するコネクタ(ソケット)に接続するだ
けである。
【0075】アダプタ31は、MRI装置本体側から見
て、接続した既存のRFコイルアセンブリ30A,30
Bが2つのRFコイルを用いたフェーズドアレイコイル
と見做すための変換機能を有するもので、図16に示す
ように構成されている。すなわち、アダプタ31は2つ
の第1のコンバータ311A,311Bと、1つの第2
のコンバータ312とを備える。第1のコンバータ31
1A,311Bは同一の回路であるので、その一方のみ
を図示し、もう一方の図示は簡略化した。
【0076】2つの第1のコンバータ311A,311
Bの各々は、RFコイルアセンブリ30A(30B)の
プラグPGが接続されるコイル側コネクタ(ソケット)
320と、第2のコンバータ312に接続される本体側
コネクタ(プラグ)321とを備え、このコネクタ32
0,321間に、平衡不平衡変換回路322、この変換
回路322の出力側に位置する位相シフタ323、及び
2つの分圧回路324,325を介挿させている。
【0077】平衡不平衡変換回路322はバランともい
うが、複数のRFコイルアセンブリ30A,30Bが共
通の回路に接続されたとき、患者との静電結合などによ
り不測の閉ループを形成し、そのためにRFコイルの性
能低下が起きたり、あるいは外部送信コイルでRF磁場
を印加しているときに同軸ケーブルの外部導体や患者を
経由して異常な電流が誘起されて不都合を生じたりする
こともあるので、これを抑制するための回路である。
【0078】2つの分圧回路324,325の各々は電
圧を調整可能であり、チューニングとマッチングのバラ
クタダイオードに所定の固定電圧を供給するために、M
RI装置本体側から供給されている固定電圧をさらに分
圧する。この分圧回路324,325の分圧状態は、第
1のコンバータ311A(311B)につながっている
RFコイルアセンブリ30A(30B)を典型的な被写
体に装着したときに適切な同調状態になるようにあらか
じめ調整されている。即ち第1のコンバータ311A,
311Bは接続されるRFコイルアセンブリの種類に応
じて予め用意され、固有の調整状態になっている。
【0079】位相シフタ323は、後述する第2のコン
バータ312のプリアンプの入力インピーダンスをRF
コイル30A(30B)のチューニング・マッチング容
量から見て所定のリアクタンスに見えるようにする回路
で、これにより複数のRFコイルアセンブリ間の磁気的
干渉が抑制される。位相シフタ323は例えば同軸ケー
ブルで形成されており、そのケーブル長を所望値に調整
することでその目的を達成できる。同軸ケーブルの長さ
は実際には、接続されるRFコイルアセンブリの種類と
チューニング・マッチングの容量とにより適正値が変わ
るが、前述のようにRFコイルアセンブリの種類毎にチ
ューニング・マッチングのバラクタダイオードバイアス
は決められているので、そのケーブル長も固定となる。
【0080】次いで第2のコンバータ312を説明す
る。この第2のコンバータ312は図16に示す如く、
2つの第1のコンバータ311A,311Bの各本体側
コネクタ(プラグ)321が着脱自在に接続される2つ
のコイル側コネクタ(ソケット)330A,330B
と、MRI装置本体側につながる前記ケーブル32に接
続された本体側コネクタ331とを備える。コネクタ3
30A,330Bの各々とコネクタ331との間には、
前記位相シフタ323の出力信号を受けるプリアンプ3
32(図16においては一方のチャンネルのみ図示す
る)と、両コネクタ330A,330B及び331をつ
なぐマルチプレクサ333とが介挿されている。なお、
第2のコンバータ312の本体側コネクタ331を用い
ずに、この第2のコンバータ312の回路基板から直接
ケーブル32を引き出すように構成してもよい。
【0081】プリアンプ332は、各RFコイルアセン
ブリ30A(30B)からのNMR信号を増幅するもの
であり、その入力インピーダンスは、従来周知の如く極
力低く設定してRFコイル間の磁気的干渉を抑制するよ
うになっている。特に好ましくは、前述した第1の実施
形態において示した如く、このプリアンプ332の入力
インピーダンスの虚部が実部よりも大きく設定すること
でこの入力インピーダンス特性と位相シフタ323とに
よりRFコイル間の干渉を抑制することができる。
【0082】マルチプレクサ333は2個のRFコイル
アセンブリ30A,30BのコイルID信号を順次読み
出すためのマルチプレクサである。即ち、MRI装置本
体側から順次切り替えの指示を受けて、接続されている
RFコイルアセンブリからのコイルIDを順次コネクタ
33を介してMRI装置本体に送り出す。これによりM
RI装置本体は、どのようなRFコイルが接続されてい
るかを知ることができ、必要に応じて撮影条件の制約な
どの判断に供する。
【0083】コネクタ33は図14に示す如く構成され
たMRI装置本体のフェーズドアレイコイル用の接続ポ
ートにRFコイル装置を接続するためのものである。第
2のコンバータ312からのプリアンプ出力(NMR信
号)はスルーしてコネクタ33に送られるが、その途中
に必要に応じアッテネータやポストアンプを入れても良
い。第2のコンバータ312のプリアンプへの供給電源
や第1のコンバータ311A,311Bの分圧回路32
4、325への電源はMRI装置本体からスルーして供
給されるが、その途中にフィルターや電圧変換器を入れ
ても良い。
【0084】MRI装置本体では、本実施態様のRFコ
イル装置の構成に対応して、そのフェーズドアレイコイ
ルポートに分圧回路用電源(即ちチューニング・マッチ
ングのバラクタダイオードバイアス用の固定電圧電源)
やコイルID順次読み出し用コントロールラインを有し
ている。
【0085】以上のような構成とすることで、フェーズ
ドアレイコイルとして作られたものではない既存のRF
コイルアセンブリを複数用いて、NMR信号を同時的に
収集できる。患者の各部位について、操作者は適宜なR
Fコイルアセンブリを選び、組み合わせて配置し、TM
Jや肩などの左右同時撮影を行ったり、長い視野の画像
を得たり、あるいは高画質の画像を得ることができる。
【0086】なお、この実施態様ではコイルID信号を
RFコイル装置を介して直接MRI装置本体に送り出す
構成としたが、マルチプレクサ333の代わりに、RO
MやPALを用いることで、複数のRFコイルの組み合
せに応じた新しいコイイルIDに変換し、送り出すこと
ができる。
【0087】(第5の実施の形態)第5の実施形態に係
るRFコイル装置のアダプタ41を図17に示す。この
アダプタ41は第4実施形態のものを変形したもので、
その変形理由は以下のようである。
【0088】複数のRFコイルアセンブリを近接させな
いで使用する場合、コイル間干渉も小さいので、位相シ
フタの位相状態も最適調整状態から逸脱させても差し支
えない。さらに、RFコイルアセンブリのチューニング
回路が、図10のようにCtとCmとがRFコイルから
見て並列になっていて、RFコイルアセンブリの出力イ
ンピーダンスを出力伝送線の特性インピーダンスとマッ
チングさせる場合で、特に、適切な値のCdが挿入され
ている場合には、二つのコンデンサがRFコイルに直列
に入っている場合に比べて、被写体毎に最適チューニン
グ状態となるようにCt,Cmを変化させかつ位相シフ
タの状態を固定させたままでも、RFコイル間の磁気的
干渉を抑制する性能の低下は小さい、ということが判明
している。そのような場合はRFコイルアセンブリは被
検体ごとに最適チューニング状態とするほうがS/Nが
向上する。
【0089】そこで、MRI装置本体のフェーズドアレ
イコイル用の接続ポートに、その本体内部から自動チュ
ーニング用のチューニング・・マッチング用可変電圧を
出力させる。これに対応して図17に示す如く、第2の
コンバータのコネクタ330A(330B)及びプリア
ンプ332間にスイッチ回路SW420を設け、このス
イッチ回路420に対するMRI本体側からのスイッチ
切換により、位相シフタ323の出力側をそのままMR
I装置本体に直結させるようにする。MRI装置本体は
図12の場合と同じように位相シフタ323の出力イン
ピーダンスが50オームになるように、即ち反射波が最
小になるように、チューニングバイアス電圧とマッチン
グバイアス電圧とを調整する。これにより図12のチュ
ーン・受信切換SWに相当する回路を第2のコンバータ
412に設けたことになる。
【0090】図17において、もう一方の第1のコンバ
ータ411Bは一方のものと同一の構成であり、図示を
省略しているとともに、もう一方の第1のコンバータ4
11Bに対応する第2のコンバータ412の一部回路は
図示を簡略化している。MRI装置本体には、非フェー
ズドアレイコイル用の図12記載の機能をフェーズドア
レイコイルの接続ポートにも持たせている。また、ラー
モア周波数の信号をRFコイルへ供給し、その反射波を
検出するラインは、複数設けることも可能であるが、そ
のようなラインを1つだけ設け、そのラインをコンバー
タの中の何番目の回路につなぐかを切替制御するマルチ
プレクサを持たせてもよい。
【0091】なお、前記第4、5の実施態様では、第1
のコンバータとして各RFアセンブリ毎に最適調整した
個別のものを予め準備し、これらを第2のコンバータに
着脱自在に接続する別体構造のコンバータユニットを採
用したが、複数のRFコイルアセンブリが互いに類似の
特性を有している場合、第1のコンバータと第2のコン
バータとを予め一体構造にし、種々のRFコイルアセン
ブリに対して共通に使用するようにしてもよい。
【0092】(第6の実施の形態)次に第6の実施形態
を図18に基づいて説明する。
【0093】以上の実施形態においては、複数のRFコ
イルアセンブリをフェーズドアレイコイルとして使用す
るときにはアダプタに接続し、RFコイルを一つだけ使
用して通常のMRI撮影に供するときには、そのRFコ
イルをアダプタから外し、MRI装置本体の非フェーズ
ドアレイの接続ポートに接続する、という前提で説明し
た。
【0094】加えて、アダプタにおいて、コンバータが
第1と第2との別体に分割されているので、さらに好ま
しい変形が可能である。即ち、RFコイルアセンブリを
常時第1のコンバータに接続しておき、使途に応じ、第
1のコンバータをそのまま第2のコンバータに接続する
か、あるいはMRI装置本体の非フェーズドアレイの接
続ポートに接続する。これによりコネクタの抜き差しが
減り、操作容易となる。さらに、一般には、非フェーズ
ドアレイ接続ポートは自動チューニング用に可変のチュ
ーニングバイアス電圧とマッチングバイアス電圧を供給
しているから、この機能を利用して常に最良の画質が得
られるようにするために、第1のコンバータに固定チュ
ーンか自動チューンかの切換スイッチをつけることが考
えられるが、この切換スイッチを無くして、自動切換と
することができる。
【0095】これらの趣旨にしたがった第6の実施態様
に係るRFコイルユニットのコンバータユニットの回路
構成を図18に示す。
【0096】この回路構成の図16からの違いを中心に
説明する。第1のコンバータ511A(511B)の本
体側コネクタ520は、図11に示したコネクタと同じ
構造を有し、そのピン配置や各ピンの信号定格なども同
じである。コイル側のコネクタ320は従って、非フェ
ーズドアレイ接続ポートのコネクタと同じ構造であり、
第2のコンバータ512のコイル側コネクタ521A,
521Bもそのコネクタ320と同じ構造である。
【0097】また固定電圧がMRI装置本体側から第2
のコンバータ512に供給され、チョークコイル522
を経由し、プリアンプ332へのNMR信号の伝送線の
片側を経由し、この伝送線から第1のコンバータ511
A(511B)内において別のチョークコイル523を
経由して、二つの分圧回路324,325へ供給されて
いる。チョークコイル522,523はNMR信号がこ
の固定電圧のラインに漏れないようにするためのもので
あるが、ラーモア周波数で共振するような並列共振回路
とすればなお好ましい。
【0098】さらに、第1、第2のコンバータ511A
(511B)、512の前記固定電圧伝送用の伝送線に
は、直流電圧をプリアンプ332やRFコイルアセンブ
リ30A(30B)から隔離するためにコンデンサ52
4,525が各々挿入されている。(このように構成し
たのは、図11のコネクタに空きピンがない、即ち第1
のコンバータ511A(511B)のコネクタ520に
も空きピンが無い場合の対処である。空きピンがあれば
そこから固定電圧を供給すればよい。)分圧回路32
4,325は比較的高い抵抗値からなり、分圧点から固
定電圧あるいはGNDへの抵抗値は例えば数100KΩ
である。勿論これら抵抗値は可変であるが、図中の二つ
の固定抵抗526,527よりは常に高い。この二つの
固定抵抗526,527は数kないし数10kΩであ
る。
【0099】このため、第1のコンバータ511A(5
11B)が非フェーズドアレイ接続ポートに接続されて
いるときは、二つの固定抵抗526,527へチューニ
ングバイアス電圧とマッチングバイアス電圧とが低いイ
ンピーダンスでMRI装置本体側から供給され、分圧回
路324,325への固定電圧は供給されていない。こ
の固定電圧は供給されていてもいいし、ゼロであっても
いいが、固定抵抗526,527のラインのインピーダ
ンスが低いので、RFコイルアセンブリへ供給されるC
t,Cm(のバラクタダイオード)への電圧はMRI装
置本体からの電圧が支配することになる。
【0100】これに対し、第1のコンバータ511A
(511B)が第2のコンバータ512へ接続されてい
るときは、固定抵抗526,527のラインのMRI装
置本体側はオープンであるから、分圧回路324,32
5で決まる電圧が図示しないRFコイルアセンブリのC
t,Cmへ供給される。これで、RFコイルアセンブリ
に第1のコンバータ511A(511B)が接続された
まま、その先を第2のコンバータ512につなぐか非ア
レイポートにつなぐかで、自動的に自動チューニングか
固定チューニングかの切換が為される。第2のコンバー
タ512のSW420その他の動作は図17と同じであ
る。
【0101】(第7の実施の形態)第7の実施形態を図
19に基づいて説明する。
【0102】同時収集用には製造されていない既存のR
Fコイルの中にも、例えばQDコイルのように複数のR
Fコイル素子を持ち、このコイル素子間の干渉抑制のた
めに、前述したプリアンプによる干渉抑制回路を内蔵し
たものがある。この干渉抑制回路は通常、固定チューン
である。このようなRFコイルアセンブリと、特に干渉
抑制回路を内蔵していない一般のRFコイルアセンブリ
とで、同時的にNMR信号を収集してフェーズドアレイ
コイル相当の使い方をするためのアダプタもやはり必要
である。
【0103】この要望に応えるのが図19に示すRFコ
イル装置のアダプタ61である。このアダプタ61は、
2つの第1のコンバータ611A,611Bと1つの第
2のコンバータ612とを有する。一方の第1のコンバ
ータ611A(上段に図示の回路)は図16のものと同
一であり、とくには干渉抑制回路を内蔵していない一般
のRFコイルアセンブリがつながる。
【0104】これに対し、もう一方の第1のコンバータ
611B(下段に図示の回路)には、前述した如くプリ
アンプを用いた干渉抑制回路を内蔵したRFコイルアセ
ンブリが接続されるようになっている。この第1のコン
バータ611Bは、そこで、コイル側コネクタ620、
平衡不平衡変換回路621、アンプ622、減衰器62
3をこの順に有する。減衰器621の出力は第2のコン
バータ612のコイル側コネクタ624,331を介し
てMRI装置本体側に送られる。アンプ622の電源は
第2のコンバータ612におけるプリアンプ用の電源を
コネクタ624を介して受けるようになっている。
【0105】前記もう一方の第1のコンバータ611B
におけるコイル側コネクタ620は前記一方の第1のコ
ンバータ611Aのコネクタ320と一般に異なってい
る。もう一方の第1のコンバータ611Bにはプリアン
プなどは不要であるが、雑音レベルを一方の第1のコン
バータ611Aと所定の関係に揃えることがフェーズド
アレイコイルには必要となることがあり、このため追加
のアンプ622と可変の減衰器623で調整する。もう
一方の第1のコンバータ611Bに接続されるRFコイ
ルアセンブリ(図示せず)には、既に固定されたコンデ
ンサがついているので、チューニング・マッチング用の
固定バイアスは不要であるが、内蔵プリアンプの電源が
必要であり、それをコンバータ611Bに供給してい
る。
【0106】また、ここではQDコイルを例にとった
が、フェーズドアレイとして作られたコイルアセンブリ
であって前述したプリアンプによる干渉制御回路を内蔵
したものが前記もう一方の第1のコンバータ611Bに
接続するようにしても良い。このときは平衡不平衡変換
回路、アンプ及び減衰器はフェーズドアレイコイルを形
成するエレメントコイルの数だけ装備すればよい。
【0107】なお、以上において、アダプタのユニット
は外部に露出したものと想定して説明をしたが、要は、
RFコイルアセンブリの外部にコンバータ機能があれば
よいのであって、これはMRI装置本体にそのアダプタ
のユニットを埋設することもできる。このときは、つね
に同じアダプタを使うことが大部分であるから、RFコ
イルアセンブリの同調回路形態として図10記載のもの
を用いると、位相シフタを使用の都度最適化する必要性
は少ないので、便利である。
【0108】また、接続ポートを、フェーズドアレイと
して使用するときと、非フェーズドアレイとして使用す
るときとで2種用意する場合、勿論コネクタ自体は共通
だが、それにつながるMRI装置側の回路は異なってく
る。この回路状態の変更(主に信号パスの変更)はどの
ポートにつながったかをシステムが認識して、切り替え
る。どのポートにつながったかの識別は、例えば対話で
も可能だし、コネクタのピンの電気的状態で判定する事
もできる。フェーズドアレイとして使用するときと非フ
ェーズドアレイとして使用するときとで共通の接続ポー
トを使用する場合、対話による識別が簡便であるが、必
ずしもこれに限定される必要はない。
【0109】さらに、以上においては、RFコイルアセ
ンブリは、フェーズドアレイとして使用するときと非フ
ェーズドアレイとして使用するときとで、アダプタを含
めたMRI装置本体側の回路状態やコントロール法が異
なる、という前提で述べた。しかし、RFコイル間の干
渉抑制回路をRFコイルアセンブリの外に用意し、常に
これに接続して使うとすれば、そして例えば常に固定し
たチューニング・マッチングバイアス電圧で使うなどと
単純化する場合、アダプタを含めたMRI装置本体側の
回路状態やコントロール法は変えなくても済むように設
定することもできる。その際、前述した各種の実施形態
に係るコンバータユニットの回路構成を必要に応じて組
み合わせて実施し、回路状態やコントロール法の一定化
を推進させることも可能である。
【0110】さらに、上述した第4〜第7の実施形態及
びその変形例にあっては、同時に接続する複数のRFコ
イルアセンブリ(フェーズドアレイコイルのアセンブリ
の場合は素子数)は2個に限定されるものではなく、3
個以上であってもよく、その場合には、前述した第1の
コンバータをその数に応じた分だけ前述したと同様に設
ければよい。
【0111】以上、第4の実施形態から述べてきた構成
によって、ユーザが多くの既存のRFコイルアセンブリ
の中から適宜なものを被検体の撮影部位の形状などに応
じて自在に組み合わせ、フェーズドアレイコイルと同様
に使うことができ、単独のRFコイルアセンブリでは得
られない、例えば視野の広いMR画像を得ることができ
る。
【0112】(第8の実施の形態)以下の実施形態は、
複数のRFコイル素子を用いてMR信号を同時に収集し
たMRデータからMR画像としてのリアル像、イマジナ
リ像、及び位相に関する像を得るMRイメージング方法
及びMRIシステムに関する。このRFコイル素子とし
ては、コイルアセンブリ毎の単独のコイル素子であって
もよいし、フェーズドアレイコイルのような多素子コイ
ルを構成するコイル素子であってもよい。
【0113】まず、複数のRFコイル素子で収集したM
RデータからMR画像を再構成する方法を現状説明す
る。
【0114】複数のRFコイル素子の一態様として前述
したようなフェーズドアレイコイルがある。このフェー
ズドアレイコイルを用いた画像化の一態様は、従来で
は、収集したNMRデータ(k-space データと呼ばれ
る)からMRI画像である絶対値画像を合成することで
行われている。この絶対値像を最大S/N比で合成する
方法は、“Magnetic Resonance in Medicine, Vol.16,N
o.2,November 1990,Roemer et.al. "The NMR Phased Ar
ray”に示されている。
【0115】また、MRI画像の別の種類である位相シ
フト画像については、“MRM 32:330-334,1994,Berstein
et al. "Reconstruction of Phase Contrast, PhasedA
rray Multicoil Data”に発表されている。しかし、こ
の方法は計算時間がかかりすぎるという難点がある。
【0116】ここで、この従来例を説明するため、以下
の記号を導入する(なお、この記号は後述する本実施態
様においても共通に使用する)。また、以下の説明で
は、フェーズドアレイコイルのアレイコイル(コイル素
子)は2素子:コイル1、コイル2と仮定する。3素子
以上のコイルアセンブリへの拡張はそれを基に容易に推
察される。以下の記号中、k-space データは時間および
位相エンコード量の関数であるが、その他はすべて位置
x,y,zの関数である。
【0117】 k1 :コイル1で得たk-space データ。 k2 :コイル2で得たk-space データ。 Z1 :k1をフーリエ変換して得られた複素画像値。 Z2 :k2をフーリエ変換して得られた複素画像値。 W1 :コイル1の素画像に対して乗じる重み関数。 W2 :コイル2の素画像に対して乗じる重み関数。 M1 :コイル1の信号強度の素画像値、即ち最終画像
を合成する前の、k1による絶対値画像(即ちZ1の絶
対値)。 M2 :コイル2の信号強度の素画像値、即ち最終画像
を合成する前の、k2による絶対値画像(即ちZ2の絶
対値)。
【0118】
【外1】 Mc :合成された信号強度の画像値。 R1 :コイル1のReal素画像値、即ち最終画像を合成
する前の、k1をフーリエ変換して得た画像の実部。 R2 :コイル2のReal素画像値、即ち最終画像を合成
する前の、k2をフーリエ変換して得た画像の実部。
【0119】
【外2】 Rc :合成されたReal画像値。 ka1,kb1 :2種類の位相シフト状態a,bにて
コイル1で得たk-space データ。 ka2,kb2 :2種類の位相シフト状態a,bにて
コイル2で得たk-space データ。 Ma1,Mb1 :2種類の位相シフト状態a,bで得
たコイル1の信号強度の素画像値。 Ma2,Mb2 :2種類の位相シフト状態a,bで得
たコイル2の信号強度の素画像値。 Za1,Zb1 :2種類の位相シフト状態a,bで得
たコイル1の複素画像値。 φ1 :Za1とZb1との位相差(コイル1のデータ
だけによる位相シフト差の画像値)。 Za2,Zb2 :2種類の位相シフト状態a,bで得
たコイル2の複素画像値。 φ2 :Za2とZb2との位相差(コイル2のデータ
だけによる位相シフト差の画像値)。 ΔΦ :合成された位相シフト差の画像値。
【0120】上述した従来例の位相シフト画像合成は、
次のようなものである。2種類の位相シフト状態で、複
数のRFコイル素子(以下、単にコイルという)から複
数のk-space データを得る。そして各ピクセルについ
て、位相シフト量の差に相当するピクセル値を最大S/
Nで求めるものである。
【0121】この計算のフローを図20に示す。まず、
各RFコイル(2つある)のk-space データから通常の
2次元FFTで複素画像値(リアル画像とイマジナリ画
像とからなる)Za1,Zb1,Za2,Zb2を求め
る。そして、絶対値化してMa1,Mb1,Ma2,M
b2を求め、さらに各々の位相シフト角φ1、φ2を求
め、最後に、下式から最終合成値ΔΦを定めるのであ
る。*は共役複素数の記号である。
【0122】
【数5】
【0123】複素数の偏角を求める計算は時間がかかる
のが一般であるが、これを両コイル1、2について行
い、さらに、最後にΔΦを求めるときにも行っている。
位相シフト画像は、血流速度を位相シフト量に直接反映
させ得るので、MRIによる血管撮影にしばしば必要と
なるものである。しかし、撮影結果を操作者が見るまで
に時間がかかり位相シフト画像を得る撮影は高頻度に行
うことができない。なお、最終的に表示する画像の値は
ΔΦそのままではなく、一般にそれに何らかの係数がか
かっているが、いずれにせよΔΦを直接に反映した画像
である。
【0124】ところで、従来、MRI画像の別の種類で
あるリアル画像(即ちk-space データをフーリエ変換し
て得た複素数画像の実部)、あるいはイマジナリ画像
(即ちk-space データをフーリエ変換して得た複素数画
像の虚部)を最大S/N比で合成する手法は未だ公表さ
れていないという現状にある。リアル画像は必ずしも普
通には用いられないが、STIRなどのパルスシーケン
スのときに必要になることがある。
【0125】そこで、この実施形態を含めて以下の述べ
る実施形態では、位相シフト画像をより高速に合成する
手法、およびリアル画像、イマジナリ画像を合成する手
法を提供することを、主な目的とする。
【0126】まず、この第8の実施形態では、リアル画
像又はイマジナリ画像を最大S/N合成する手法を示
す。最初に、かかる合成法を理論的に説明する。
【0127】まず、一種類の位相シフト状態で、即ち一
回の測定で得たk-space データk1,k2だけがあると
する。これから複素画像Z1、Z2が求められる。Z
1,Z2を前述した“Berstein et al”による公知の位
相シフト画像合成方法におけるZa1,Za2に対応さ
せる。この公知の位相シフト画像合成方法におけるZb
1,Zb2に対応させるため、位相シフト量がゼロとな
るような、しかしその他はZ1,Z2と同じになるよう
な撮像条件で仮想的データを得たとする。すると、Za
とZbとの位相差は当然Z1あるいはZ2の位相量φ
1′、φ2′と同じである。即ち、
【数6】
【0128】このφ1′,φ2′を最大S/Nとなるよ
うに合成するには、“Berstein etal”による合成方法
を使って、
【数7】 ΔΦ′は、Z1,Z2により、ゼロ度からの位相シフト
量を最良のS/Nで推定したものとなる。すなわち、Z
1,Z2から最大S/N比で合成した位相画像となって
いる。ΔΦ′を求める上式は見方を変えれば、複素画像
Z1,Z2に対し、その絶対値M1,M2を重みづけ関
数として乗じて加算して得た複素数の位相角を求めるこ
とになっている。
【0129】リアル画像を求めるには、もう一つ、最良
のS/Nとなるようにして絶対値合成画像Mcを求め、
それにcos(ΔΦ′)を乗じたものである。イマジナ
リ画像はMcにsin(ΔΦ′)を乗じたものである。
【0130】
【数8】Rc=Mc・cos(ΔΦ′)
【0131】イマジナリ画像の扱いはリアル画像の例か
ら自ずと明らかなので、以下省略する。
【0132】最大S/NでMcを求める方法は、各種の
周知技術から明らかなように、k1とk2との雑音相関
が小さい場合は次の求め方が典型的である。
【0133】
【数9】
【0134】以上のようにして合成画像の位相角は最大
S/Nで求め、また振幅を最大S/Nで求めたのだか
ら、それらから上記のようにして得たRcはやはり最大
S/Nとなっている。以上の計算のフローは図21のよ
うになる。
【0135】なお、以上の説明において、Z1とZ2、
R1とR2、あるいはM1とM2は、互いに雑音レベル
は同程度という前提で説明している。異なる場合は雑音
レベルを揃えるように正規化を行えばよい。
【0136】次に、この画像法を実施するMRI装置の
一例を図22に基づいて説明する。
【0137】このMRI装置は、静磁場発生用の磁石部
と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場部と、
選択励起用及びMR信号受信用の送受信部と、システム
コントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを備
えている。
【0138】磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、
この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被
検体Pが挿入される円筒状の診断空間のZ軸方向に静磁
場H0 を発生させる。
【0139】傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,
Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、こ
の傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場
電源4と、この電源4を制御する傾斜磁場シーケンサ5
とを備える。このシーケンサ5はコンピュータを備え、
装置全体のコントローラ6(コンピュータを搭載)から
所定収集シーケンスを指令する信号を受ける。これによ
り、傾斜磁場シーケンサ5は、指令されたシーケンスに
したがってX,Y,Z軸方向の各傾斜磁場の印加及びそ
の強度を制御し、それらの傾斜磁場が静磁場H0 に重畳
可能になっている。ここでは、互いに直交する3軸の内
のZ軸方向の傾斜磁場をスライス用傾斜磁場GS とし、
X軸方向のそれを読出し用傾斜磁場GR とし、さらにY
軸方向のそれを位相エンコード用傾斜磁場GE とする。
【0140】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRF送信コイルアセンブリ7T
及びRF受信コイルアセンブリ7Rと、これらのコイル
アセンブリ7T及び7Rに各別に接続された送信機8T
及び受信機8Rと、この送信機8T及び受信機8Rの動
作タイミングを制御するRFシーケンサ9(コンピュー
タを搭載)とを備える。RF受信コイルアセンブリ7R
には、例えば第1の実施形態で説明した位相シフタとプ
リアンプを用いた干渉抑制機能を有するフェーズドアレ
イコイルが採用されている。この送信機8T及び受信機
8Rは、RFシーケンサ9の制御のもと、核磁気共鳴
(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電
流パルスをRF送信コイルアセンブリ7Tに供給する一
方、RF受信コイルアセンブリ7Rが受信したMR信号
(高周波信号)にフェーズドアレイ用の各種の信号処理
を施してデジタル信号を得る。
【0141】さらに、制御・演算部は、上述したコント
ローラ6のほか、受信機8Rで形成されたMR信号のデ
ジタルデータを入力し、画像データを演算・合成する演
算ユニット150と、演算した画像データを保管する記
憶ユニット151と、画像を表示する表示器152と、
入力器153を備えている。演算ユニット150は、具
体的には、メモリ空間を有し、図21のフローチャート
に示した処理を行う。コントローラ6は傾斜磁場シーケ
ンサ5及びRFシーケンサ9の同期をとりながら、両者
の動作内容及び動作タイミングを制御する。
【0142】以上のようにしてフェーズドアレイコイル
においても、このコイルから得られたNMRデータに基
づいてリアル画像又はイマジナリ画像を最大S/N比を
保持した状態で的確に合成することができ、通常の絶対
値画像では応えられない診断上の要望に応えることがで
きる。
【0143】(第9の実施の形態)次いで、第9の実施
形態を図23に基づいて説明する。この実施形態は第8
の実施形態をさらに発展させたものである。すなわち、
第8の実施形態の合成法では、ΔΦ′を求める処理など
に比較的時間が掛かるので、これをより高速化しようと
するものである。理論的導出を示す。
【0144】この導出に当たっては、リアル画像間の雑
音相関は無いものとする。
【0145】二つのリアル素画像R1,R2を考える。
【0146】
【数10】
【数11】 ε1,ε2はR1,R2のゆらぎであり、平均値0、標
準偏差σ1,σ2である。また、R1m,R2mはR
1,R2の平均値である。
【0147】即ち、
【数12】 R1m =<R1> ……( 7)
【数13】 R2m =<R2> ……( 8)
【数14】 Var(ε1)=Var(R1)=σ12 ……( 9)
【数15】 Var(ε2)=Var(R2)=σ22 ……(10) (Varは分散である)合成値Rcは、
【数16】 RcのS/Nは、平均値の絶対値を自身の標準偏差σr
で割ったもの。
【0148】
【数17】 雑音無相関を仮定したから、
【数18】 よって、
【数19】 Rcは便宜上、正の値とする(Rcが負の値にも適用で
きる)。
【0149】
【数20】
【数21】
【0150】W1,W2でS/Nを偏微分して、S/N
の極値条件を求める。
【0151】
【数22】
【数23】 多くの場合は雑音レベルは大体同等である、即ち、σ=
σ1=σ2である(そうでない場合、R1,R2は正規
化される)。
【0152】
【数24】
【数25】
【0153】これらの式を満たすのは、下記条件であ
る。
【0154】
【数26】 W2/W1 =R2m/R1m ……(22)
【0155】もう一つ条件を付け加えよう。必ずしも必
然ではないが、合成されたRcの雑音標準偏差がもとの
素画像の雑音標準偏差σ(σ1とσ2の両方とも同じレ
ベルσとして)と同等になるようにスケーリングするも
のとする。
【0156】
【数27】 よって、
【数28】 W12 +W22 =1 ……(24)
【0157】これと、前述した「W2/W1 =R2m
/R1m」から、
【数29】
【数30】
【0158】従って、Noise Equaliztion ができてい
て、かつ雑音無相関なら、理想的な画像合成アルゴリズ
ムは次の式に帰着する。
【0159】
【数31】
【0160】しかし、上式には若干の問題がある。R1
mとR2mを求めねばならない。元来はR1mとR2m
は位置依存であるから、正しくは多数回の撮影を繰り返
し、位置毎にR1とR2の平均値を求めることになる。
勿論これは非現実的なので、R1mとR2mとはR1と
R2を空間的に平滑化した値で代替することになる。こ
のようにした場合は、次の式となる。上棒付きで示した
R1とR2とは各々、R1とR2とを平滑化したもので
ある。まとめると、
【数32】
【数33】
【数34】
【0161】以上の計算のフローは図23に示される。
このフローの処理は前述したMRI装置の演算ユニット
150が行う(図22参照)。このフローから分かるよ
うに、前述した図21のフローに比べて処理が簡素化さ
れており、より高速にリアル画像又はイマジナリ画像が
合成される。
【0162】(第10の実施の形態)第10の実施形態
を図24に基づいて説明する。この実施形態は第9の実
施形態をさらに発展させたものである。すなわち、第9
の実施形態の合成法では、平滑化処理に未だ時間を掛け
ている。また、極めて広範囲の平滑化を行ったときに
は、高コントラストエッジ近傍で何らかのアーチファク
トを生じる懸念も残されている。そこで、一切、平滑化
処理を行わないようにする。
【0163】前記(29)〜(30)式を、一切平滑化
を伴わない式に直すと、
【数35】
【数36】
【数37】
【0164】この計算フローは図24に示される(この
計算も前述した演算ユニットで処理される)。図23に
比べて、なお一層簡素化された処理となっており、画像
化が高速になるとともに、アーチファクトの発生も懸念
されない。
【0165】問題は、このようにして得たRc′が式
(28)〜(30)で求めたRcと同等のS/N比を持
つのかどうかという点である。
【0166】この点について補足する。雑音相関を加味
し、さらにσ1とσ2とが異なる場合も含めて式(2
8)〜(30)によるRcの平均信号レベルは次のよう
になる。
【0167】
【数38】
【数39】 なお、rはε1とε2との相関係数である。即ち
【数40】 <ε1・ε2>=r・σ1・σ2 ……(36)
【0168】一方、式(31)〜(33)で得たRc′
の平均信号レベルと雑音レベルは、R1mとR2mとが
同じ符号である場合は、やはり式(34)、(35)と
同じである。従って、平滑化も偏角計算も伴わない本方
法は、著しく高速な画像合成を最大S/N比で行うこと
ができることを示している。
【0169】ただし、符号が異なる場合は、計算過程は
省略するが、Rc′の雑音標準偏差は式(35)よりも
著しく増大してしまうことがあることが示される。一般
には、同じ被写体を撮影しているのであるからR1mと
R2mとが異なる符号である理由はない(勿論、当該領
域にたいするコイル1とコイル2との感度の違いから、
R1mとR2mとの大きさは異なるが)。ただし、MR
信号がきわめて微弱な場合は、コイル1とコイル2と別
々のデータ収集パスを通るので、データ収集パスの系統
的誤差が支配することに因って、R1mとR2mの符合
が異なるという事態も起きうる。従って、データ収集パ
スの系統的誤差が支配的になるなどの状況下では、第
8、9の実施形態の合成法を実施するなど、使い分けが
好ましい。
【0170】(第11の実施の形態)第11の実施形態
を図25に基づいて説明する。この実施形態は位相シフ
ト画像について実施したものである。位相シフト画像
を、従来のような計算時間のかかる偏角計算を多数回行
う方法でなく、より高速な方法で算出できるようにする
ものである。
【0171】この演算ユニット(図22参照)で実施さ
れる位相シフト画像の計算フローを図25に示す。すな
わち、k-space データka1,kb1,ka2,kb2
から複素画像Za1,Zb1,Za2,Zb2を求める
までは図20と同じである。その後.各複素画像から実
部と虚部とを抽出することにより、各リアル画像と各イ
マジナリ画像Ra1,Ia1,Rb1,Ib1,Ra
2,Ia2,Rb2,Ib2を得る。
【0172】そして、サブトラクションMRンギオグラ
フィのようにフローエンコードパルスを反転して加える
場合、1回目のフローエンコードパルスに係る位相シフ
ト状態aのときの、最大S/N比での合成画像をリアル
画像Rcaとイマジナリ画像Icaとを求める。これは
好適には図24で説明した方法で行われる。この画像R
caとIcaとから、位相角Φaを次のようにして求め
る。
【0173】Φa=arg{Rca+j・Ica}
ここでjは虚数単位。
【0174】2回目のフローエンコードパルスに係る位
相シフト状態bのときについても同様にリアル画像Rc
b、イマジナリ画像Icbを求め、位相角Φbを求め
る。
【0175】即ち Φb=arg{Rcb+j・Icb} 最大S/N比となるようにRca、Ica、Rcb、I
cbは求められているから、これらから得たΦa、Φb
も最大S/N比を維持している。
【0176】次いで図25に示すように、Φa、Φbの
差として、ΔΦを求める。あるいは、勿論、Φa、Φb
を求めることなく次のようにしても良い。
【0177】
【数41】
【0178】このようにして位相シフト画像のデータを
演算するので、時間のかかる偏角計算はリアル画像とイ
マジナリ画像とが合成された後に行われるだけであり、
RFコイルの数が増えても偏角計算は増えない。かくし
て、フェーズドアレイコイルを使った場合の位相シフト
画像を従来よりも高速に且つ最大S/N比で得ることが
できる。
【0179】なお、第9及び第10の実施態様におい
て、式(28)(29)(31)(32)は、最終合成
のリアル画像の雑音標準偏差が合成前のリアル素画像の
雑音標準偏差と同等である、という特性を前提に求めら
れた式である。しかし、このような特性は必ずしも是非
とも必要なものではない。必要な特性は、最大のS/N
比になるということである。これについては式(22)
で示されているようにW1とW2の相対比だけが問題と
なる。従って下記のごとくW1やW2の相対比の条件が
満たされることが必要なのであり、Rcの大きさはW1
やW2に共通の係数が乗じられたときのその係数で変わ
り得る。
【0180】Rc=W1・R1+W2・R2+W3・R
3……と表すとき、
【数42】 あるいは、 Rc′=W1′・R1+W2′・R2+W3′・R3…
…と表すとき、
【数43】 なお、ここではコイルの数が3個以上であるとした場合
の式を記した。
【0181】これら重み係数の相対比をこのように維持
すれば、最大S/N比でリアル画像の合成ができる。重
み係数間に共通にかかるスケールファクタの大きさの選
択に自由度が残ることを利用すれば、例えば第9の実施
態様の方法を変形して、絶対値画像において最大S/N
比で任意の大局的信号レベル分布の合成画像を得るとい
うことが、リアル画像についてもできる。つまり、具体
的にいえば、例えばR1,R2,…のいずれかが均一な
感度分布の全身用コイルで得たリアル画像であるとすれ
ば、合成したリアル画像をS/N比最大で、しかも全身
用コイル並の信号レベル分布に見えるようにすることが
できる。
【0182】ところで、第9の実施形態では平滑化を伴
う算法を示したが、ここでの平滑化は一旦、R1,R2
を求め、それを平滑化するという手法であった。この平
滑化の手法に対する変形例としては、k空間データの中
央部、すなわち低周波成分のみを抽出してフーリエ変換
することによっても、R1,R2を平滑化したものに相
当する画像が得られるので、これを前述の平滑化したR
1,R2(式では上棒付きのR1,R2)の代わりに用
いてもよい。また第10の実施形態のように、R1,R
2を求め、ついで平滑化せずにそのままW1,W2を定
め、しかる後にW1,W2を平滑して得た値を第9の実
施形態におけるW1,W2の代わりに用いてもよい。本
発明における平滑化の概念は、このように変形した平滑
化の手法をも含む。
【0183】また、第8の実施形態においては複素画像
Z1,Z2にM1,M2を重み付け関数として乗じた
が、これについても種々の変形が可能である。例えば、
コイルの感度分布はなだらかなものであることから、重
み付け関数を空間的に急変させる必要はない。したがっ
て、重み付け関数を定める際、k空間データの高周波成
分は不要である。つまり、重み付け関数M1,M2の代
わりに、k空間データの中央部、すなわち低周波成分の
みを抽出しフーリエ変換を行って得た絶対値画像の値を
用いることもできる。この手法はM1,M2が雑音に対
して十分大きくないとき、重み付け関数に重畳される雑
音の影響を緩和できる点で有用である。
【0184】以上のように、本発明おける重み付け関数
は全て、k空間データの中央部、すなわち低周波成分の
みを抽出しフーリエ変換をして得た関数で代替でき、こ
の関数を用いる概念も本発明の範疇に属する。
【0185】
【発明の効果】以上説明したように、まず請求請1乃至
6記載の発明に係るMRI装置によれば、被検体の近傍
に配置され、かつ被検体からのMR信号を受信する複数
のRFコイル素子と、この複数のRFコイル素子の夫々
に接続され、かつこのRFコイル素子からのMR信号を
増幅するプリアンプとを備え、複数のプリアンプの夫々
の入力インピーダンスを、この入力インピーダンスの虚
数成分の絶対値がその実数成分よりも大きくなるように
設定したことにより、従来は邪魔者扱いされていた虚数
成分を有効に駆使して、プリアンプのNFを犠牲にする
こと無く、RFコイル間の高い磁気的干渉抑制機能が得
られる。したがって、S/N比を犠牲にすること無く、
複数のRFコイルアセンブリ(又はRFコイル素子)を
被検体に対して併設できるから、フェーズドアレイコイ
ルなどにおいて一層の視野拡大、S/N比向上を図った
MR撮像を実施できる。
【0186】また請求請7乃至30記載の発明によれ
ば、1つ又は複数のRFコイル素子を有する単独で使用
可能な単一のRFコイルアセンブリと、この複数のRF
コイルアセンブリから同時的に収集した被検体のMR信
号を処理しかつMRI装置本体内に設けられた処理回路
と、前記複数のRFコイルアセンブリと前記処理回路と
をインターフェイスさせるアダプタとを設けたことか
ら、被検体の種々の部位や用途に対して新たなフェーズ
ドアレイコイルを開発することなく、ユーザが既存のR
Fコイルアセンブリを組み合わせて容易にフェーズドア
レイコイル相当の使い方ができ、また、それに相当した
MRデータを取得することができる。すなわち複数の部
位の同時撮影なども容易に短時間で撮影でき、診断能の
向上に寄与する。
【0187】さらに請求請31乃至37記載の発明によ
れば、フェーズドアレイコイルなどの、複数のRFコイ
ル素子から得たk空間データに基づいて高速でリアル画
像、イマジナリ画像、位相画像を最大S/N比で生成す
るようにしたので、インバージョンリカバリーのような
リアル画像を必要とするケースについてもフェーズドア
レイコイルなどの、複数のRFコイル素子を有するコイ
ルアセンブリを適用でき、高S/N比、広視野撮影が可
能になる。また、k空間データを完全に充填しない高速
撮像法であるハーフフーリエイメージングにおいては一
般にリアル画像しか使われないが、これにもフェーズド
アレイコイルなどを適用できる。さらに、フェーズドア
レイコイルを用いたときの位相シフト画像の再構成を従
来よりも高速に行えるので、MRIによる脳血管撮影の
画像化を広視野、高S/N比、かつ高速に行えるという
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るRFコイル装置
を1つのコイル素子について示す構成図。
【図2】図1のチューニング・マッチング回路の等価回
路図。
【図3】インピーダンスの変化の状態を説明するスミス
チャート。
【図4】シミュレーション状態を説明する回路図。
【図5】RFコイル間の干渉抑制効果を説明するシミュ
レーション結果の図。
【図6】RFコイル間の干渉抑制効果を説明するシミュ
レーション結果の別の図。
【図7】RFコイル間の干渉抑制効果を説明するシミュ
レーション結果の別の図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るRFコイル装置
を1つのコイル素子について示す構成図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るRFコイル装置
を1つのコイル素子について示す構成図。
【図10】本発明の第4の実施形態に説明において採用
した、従来のRFコイルアセンブリの例を示す図。
【図11】図10のRFコイルアセンブリの外観図。
【図12】図10のコイルアセンブリを接続するMRI
装置本体側の一部を示すブロック図。
【図13】本発明の第4の実施形態に説明において採用
した、従来のフェーズドアレイコイルセンブリの例を示
す図。
【図14】図13のフェーズドアレイコイルアセンブリ
を接続するMRI装置本体側の一部を示すブロック図。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る、アダプタを
有するRFコイル部(装置)の外観図。
【図16】同実施形態に係るアダプタのブロック図。
【図17】本発明の第5の実施形態に係るRFコイル部
(装置)のアダプタのブロック図。
【図18】本発明の第6の実施形態に係るRFコイル部
(装置)のアダプタのブロック図。
【図19】本発明の第7の実施形態に係るRFコイル部
(装置)のアダプタのブロック図。
【図20】本発明の第8の実施形態において採用した従
来の画像生成を示すフローチャート。
【図21】本発明の第8の実施形態における画像生成方
法を示すフローチャート。
【図22】同実施形態の画像生成方法を実行する演算ユ
ニットを備えたMRI装置のブロック図。
【図23】本発明の第9の実施形態における画像生成方
法を示すフローチャート。
【図24】本発明の第10の実施形態における画像生成
方法を示すフローチャート。
【図25】本発明の第11の実施形態における画像生成
方法を示すフローチャート。
【図26】従来のプリダンプ回路の構成図。
【図27】低入力インピーダンスのプリアンプの一部を
示す内部回路図。
【符号の説明】
10 RFコイル素子(RFコイル) 11 チューニング用コンデンサ 12、13 マッチング用コンデンサ 14 位相シフタ 15 プリアンプ 16、18 調整用コンデンサ 17、19 調整用コイル 30A,30B RFコイルアセンブリ PG プラグコネクタ 31 アダプタ 311A,311B 第1のコンバータ回路 312 第2のコンバータ回路 32 ケーブル 33 コネクタ 320,321,330A,330B,331 コネク
タ 322 平衡不平衡変換回路 323 位相シフタ 324、325 分圧回路 332 プリアンプ 333 マルチプレクサ 411A,411B 第1のコンバータ回路 412 第2のコンバータ回路 420 スイッチ回路 511A,511B 第1のコンバータ回路 512 第2のコンバータ回路 522、523 コイル 526、527 抵抗 611A,611B 第1のコンバータ回路 612 第2のコンバータ回路 7R 受信RFコイル 150 演算ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光井 信二 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 濱村 良紀 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 中林 和人 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の近傍に配置され、かつ被検体か
    らのMR信号を受信する複数のRFコイル素子と、この
    複数のRFコイル素子の夫々に接続され、かつこのRF
    コイル素子からのMR信号を増幅するプリアンプとを備
    え、 前記複数のプリアンプの夫々の入力インピーダンスを、
    この入力インピーダンスの虚数成分の絶対値がその実数
    成分よりも大きくなるように設定したことを特徴とする
    MRI装置。
  2. 【請求項2】 前記RFコイル素子とプリアンプとの間
    に、このRFコイル素子からのMR信号の位相をずらす
    位相シフト手段を介在させた請求項1記載のMRI装
    置。
  3. 【請求項3】 前記RFコイル素子と位相シフト手段と
    の間に、ラーモア周波数にチューニングしかつMR信号
    の伝送ラインのインピーダンスマッチング用のチューニ
    ング・マッチング回路を介挿した請求項2記載のMRI
    装置。
  4. 【請求項4】 前記位相シフト手段とプリアンプとの間
    に、コイル及びコンデンサによる並列共振回路を当該プ
    リアンプの入力インピーダンスと並列に介挿し、この並
    列共振回路の共振周波数をラーモア周波数又はその近傍
    域に設定した請求項2記載のMRI装置。
  5. 【請求項5】 前記位相シフト手段とプリアンプとの間
    に、コイル及びコンデンサによる直列共振回路を当該プ
    リアンプの入力インピーダンスと直列に介挿し、この直
    列共振回路の共振周波数をラーモア周波数又はその近傍
    域に設定した請求項2記載のMRI装置。
  6. 【請求項6】 前記共振回路は、前記コイル及びコンデ
    ンサの少なくとも一方にリアクタンス可変の素子を用
    い、前記共振周波数を調整できる回路に形成した請求項
    4又は5記載のMRI装置。
  7. 【請求項7】 1つ又は複数のRFコイル素子を有する
    単独で使用可能な単一のRFコイルアセンブリと、この
    複数のRFコイルアセンブリから同時的に収集した被検
    体のMR信号を処理しかつMRI装置本体内に設けられ
    た処理回路と、前記複数のRFコイルアセンブリと前記
    処理回路とをインターフェイスさせるアダプタとを設け
    たことを特徴とするMRI装置。
  8. 【請求項8】 前記RFコイルアセンブリは、コイル本
    体と、このコイル本体に接続されたケーブルと、このケ
    ーブルに接続されたコネクタとを有し、前記アダプタ
    は、前記MRI装置本体の外部に別体として設けられ、
    かつ前記処理回路に通じる当該MRI装置本体のポート
    に接続されている請求項7記載のMRI装置。
  9. 【請求項9】 前記アダプタは、前記複数のRFコイル
    アセンブリ間の磁気的干渉を抑制する干渉抑制回路を備
    える請求項7記載のMRI装置。
  10. 【請求項10】 前記コイル本体は、少なくとも前記M
    R信号を受信する巻線部と、この巻線部に接続されたチ
    ューニング・マッチング回路とを備える請求項9記載の
    MRI装置。
  11. 【請求項11】 前記アダプタは、接続される前記RF
    コイルアセンブリに応じた固有の回路調整状態を有する
    複数の第1のコンバータ回路と、この複数の第1のコン
    バータ回路に着脱自在に接続され且つ共通の回路調整状
    態を有する第2のコンバータ回路とを備える請求項7記
    載のMRI装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の第1のコンバータ回路の入
    力段に、前記複数のRFコイルアセンブリのそれぞれの
    コネクタを着脱自在に接続するコネクタを備える請求項
    11記載のMRI装置。
  13. 【請求項13】 前記ポートは、フェーズドアレイコイ
    ル接続用のポートである請求項8記載のMRI装置。
  14. 【請求項14】 前記干渉抑制回路は、前記RFコイル
    アセンブリによる受信チャンネル毎に設けられた、前記
    MR信号の位相をシフトさせる位相シフタおよびこの位
    相シフタの出力信号を増幅するプリアンプを有し、この
    プリアンプの入力インピーダンスを前記RFコイルアセ
    ンブリのチューニング・マッチング回路からみて適宜な
    値に変換する回路である請求項9記載のMRI装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の位相シフタのそれぞれは同
    軸ケーブルであり、この同軸ケーブルの長さを調整する
    ことにより前記位相を調整するようにした請求項14記
    載のMRI装置。
  16. 【請求項16】 前記複数の位相シフタのそれぞれは前
    記RFコイルアセンブリ毎に割り当てた前記第1のコン
    バータ回路に各別に装備され、前記複数のプリアンプは
    前記第2のコンバータ回路に装備された請求項14記載
    のMRI装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の第1のコンバータ回路のそ
    れぞれは、前記位相シフタの入力側に設けた平衡不平衡
    変換回路を有する請求項16記載のMRI装置。
  18. 【請求項18】 前記アダプタは、前記複数のプリアン
    プの入力側に介挿され且つ前記処理回路からの切換信号
    に応じて前記位相シフタの出力部を直接、その処理回路
    にスルーさせることが可能なスイッチング回路と、その
    処理回路から送られたきた前記チューニング・マッチン
    グ回路のバイアス電圧を前記RFコイルアセンブリにス
    ルーさせる電圧スルー回路とを備える一方で、前記処理
    回路には、前記スイッチング回路によりスルーされてき
    た前記位相シフタの出力のインピーダンスが所定値にな
    るように前記チューニング・マッチング回路のバイアス
    電圧を制御しかつこの電圧を前記ポートに出力させるよ
    うにしてある請求項14記載のMRI装置。
  19. 【請求項19】 前記プリアンプの入力インピーダンス
    は、その実部が約3オームよりも低い値又はその虚部が
    実部よりも大きい値のいずれかに設定されている請求項
    14記載のMRI装置。
  20. 【請求項20】 前記ポートは、前記RFコイルアセン
    ブリを単独で使用する場合の非フェーズドアレイコイル
    接続用の接続ポートであり、前記アダプタは接続される
    前記RFコイルアセンブリに応じた固有の回路調整状態
    を有する複数の調整用コンバータ回路であり、この調整
    用コンバータ回路は前記RFコイルアセンブリを接続し
    た状態で前記接続ポートに着脱自在に直接に接続可能な
    本体側コネクタを備える請求項7記載のMRI装置。
  21. 【請求項21】 前記RFコイルアセンブリのコネクタ
    と前記コンバータ回路の本体側コネクタとは同一構造で
    ある請求項20記載のMRI装置。
  22. 【請求項22】 前記調整用コンバータ回路が前記請求
    項11記載の前記第1のコンバータ回路に代えて同請求
    項11記載の前記第2のコンバータ回路に接続されたと
    きは前記調整用コンバータ回路の内部で決定された電圧
    を前記チューニング・マッチング回路へ出力し、前記調
    整用コンバータ回路が前記MRI装置本体の有するRF
    コイルアセンブリを単独で使用するときの接続ポートに
    接続されたときは、前記MRI装置本体の前記処理回路
    が実質的に決定する電圧を前記チューニング・マッチン
    グ回路へ出力するように構成した請求請21記載のMR
    I装置。
  23. 【請求項23】 前記処理回路には、前記調整用コンバ
    ータ回路が前記MRI装置本体の接続ポートに直接接続
    された場合、この調整用コンバータ回路に接続されてい
    るRFコイルアセンブリの前記チューニング・マッチン
    グ回路の状態を制御させるようにした請求項20記載の
    MRI装置。
  24. 【請求項24】 前記チューニング・マッチング回路
    は、前記RFコイルの巻線部からみて並列に接続された
    2つのコンデンサを有し、その内の一方のコンデンサは
    当該巻線部の出力側負荷に直列に接続されている請求項
    10記載のMRI装置。
  25. 【請求項25】 前記アダプタは、前記チューニング・
    マッチング回路にチューニング・マッチング状態を調整
    するための電圧信号を供給する回路を有する請求項10
    記載のMRI装置。
  26. 【請求項26】 前記コイル本体はさらにコイルID信
    号を出力するID出力回路を備え、前記アダプタは、前
    記複数のRFコイルアセンブリから送られたきたコイル
    ID信号を順次読み出し、かつ読み出したコイルID信
    号を前記処理回路に送り出す読出し手段を有する請求項
    10記載のMRI装置。
  27. 【請求項27】 前記コイル本体はさらにコイルID信
    号を出力するID出力回路を備え、前記アダプタは、前
    記複数のRFコイルアセンブリから送られたきたコイル
    ID信号に基づいて新たなコイルID信号を生成し、か
    つ生成したコイルID信号を前記処理回路に送り出す生
    成手段を有する請求項10記載のMRI装置。
  28. 【請求項28】 前記RFコイルアセンブリは、コイル
    本体と、このコイル本体に接続されたケーブルと、この
    ケーブルに接続されたコネクタとを有し、前記アダプタ
    は前記MRI装置本体の内部に設けられている請求項7
    記載のMRI装置。
  29. 【請求項29】 前記複数のRFコイルアセンブリの
    内、一部のRFコイルアセンブリはRFコイル素子間の
    磁気的干渉を抑制する干渉抑制回路を備えている請求項
    7記載のMRI装置。
  30. 【請求項30】 前記アダプタは、前記一部のRFコイ
    ルアセンブリ以外の残りのRFコイルアセンブリが接続
    されるチャンネルに、前記複数のRFコイルアセンブリ
    間の磁気的干渉を抑制する干渉抑制回路を介挿させてい
    る請求項29記載のMRI装置。
  31. 【請求項31】 被検体の近傍に配置された複数のRF
    コイル素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデ
    ータ(k空間データ)に基づいてMR画像を生成するM
    R画像生成方法において、 前記RFコイル素子毎の複数のMRデータに基づいて複
    数のリアル画像又はイマジナリ画像のいずれか一方の画
    像P1,P2,P3,…を個別に生成し、この複数の画
    像P1,P2,P3,…からリアル画像又はイマジナリ
    画像のいずれか一方の合成画像CPcを、重み関数をW
    1,W2,W3,…として CPc=W1・P1+W2・P2+W3・P3,… (ただし、重み関数をW1,W2,W3,…は略、W
    1:W2:W3:…=P1を平滑化した値の絶対値:P
    2を平滑化した値の絶対値:P3を平滑化した値の絶対
    値:…の比に設定)の関係を使って合成することを特徴
    としたMR画像生成方法。
  32. 【請求項32】 被検体の近傍に配置された複数のRF
    コイル素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデ
    ータ(k空間データ)に基づいてMR画像を生成するM
    R画像生成方法において、 前記RFコイル素子毎の複数のMRデータに基づいて複
    数のリアル画像又はイマジナリ画像のいずれか一方の画
    像P1,P2,P3,…を個別に生成し、この複数の画
    像P1,P2,P3,…からリアル画像又はイマジナリ
    画像のいずれか一方の合成画像CPcを、重み関数をW
    1,W2,W3,…として CPc=W1・P1+W2・P2+W3・P3,… (ただし、重み関数をW1,W2,W3,…は略、W
    1:W2:W3:…=P1の絶対値:P2の絶対値:P
    3の絶対値:…の比に設定)の関係を使って合成するこ
    とを特徴としたMR画像生成方法。
  33. 【請求項33】 被検体の近傍に配置された複数のRF
    コイル素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデ
    ータ(k空間データ)に基づいてMR画像を生成するM
    R画像生成方法において、 前記複数のMRデータから個別に複数の絶対値画像と複
    数の位相画像を得て、この複数の絶対値画像を1枚の絶
    対値画像に合成し、前記複数の絶対値画像と前記複数の
    位相画像とから1枚の位相画像を生成し、前記1枚の合
    成された絶対値画像に対し前記1枚の生成された位相画
    像の余弦又は正弦のいずれか一方を画素毎に乗じて1枚
    の合成リアル画像又は合成イマジナリ画像のいずれか一
    方の画像を生成することを特徴としたMR画像生成方
    法。
  34. 【請求項34】 被検体の近傍に配置された複数のRF
    コイル素子から同時的に収集した被検体の複数のMRデ
    ータ(k空間データ)に基づいてMR画像としての位相
    画像を生成するMR画像生成方法において、 前記複数のMRデータから複数の複素画像Z1,Z2,
    Z3,…を得て、この複数の複素画像Z1,Z2,Z
    3,…の画素毎の絶対値M1,M2,M3,…を重み付
    け関数として求め、前記複数の複素画像Z1,Z2,Z
    3,…に前記重み付け関数M1,M2,M3,…を画素
    毎に乗じて前記位相画像の位相角データを求めることを
    特徴としたMR画像生成方法。
  35. 【請求項35】 被検体に印加する2種類の磁場パルス
    に伴う原子核スピンの2種類の位相シフト状態の夫々に
    て被検体の近傍に配置された複数のRFコイル素子から
    同時的に収集した被検体の複数のMRデータ(k空間デ
    ータ)に基づいてその2種類の位相シフト状態の位相差
    を反映させたMR画像を生成するMR画像生成方法にお
    いて、 前記2種類の位相シフト状態のそれぞれにて得た前記複
    数のMRデータについて、この複数のMRデータから複
    数の複素画像Z1,Z2,Z3,…を求め、この複数の
    複素画像Z1,Z2,Z3,…の実部データ同士を合成
    した合成実部データを求め、前記複数の複素画像Z1,
    Z2,Z3,…の虚部データ同士を合成した合成虚部デ
    ータを求め、この合成実部データ及び合成虚部データか
    ら合成した合成複素画像を求める一方で、この2種類の
    位相状態について求めた2種類の合成複素画像の位相差
    データを前記MR画像のデータとして求めることを特徴
    としたMR画像生成方法。
  36. 【請求項36】 前記合成実部データ及び合成虚部デー
    タを求める処理は、前記複数のMRデータに基づいて複
    数のリアル画像又はイマジナリ画像のいずれか一方の画
    像P1,P2,P3,…を個別に生成し、この複数の画
    像P1,P2,P3,…からリアル画像又はイマジナリ
    画像のいずれか一方の合成画像CPcを、重み関数をW
    1,W2,W3,…として CPc=W1・P1+W2・P2+W3・P3,… (ただし、重み関数をW1,W2,W3,…は略、W
    1:W2:W3:…=P1の絶対値:P2の絶対値:P
    3の絶対値:…の比に設定)の関係を使って合成するこ
    とで前記合成実部データ及び合成虚部データを求める処
    理である請求項35記載のMR画像生成方法。
  37. 【請求項37】 前記合成実部データ及び合成虚部デー
    タを求める処理は、前記複数のMRデータから個別に複
    数の絶対値画像と複数の位相画像を得て、この複数の絶
    対値画像を1枚の絶対値画像に合成し、前記複数の絶対
    値画像と前記複数の位相画像とから1枚の位相画像を生
    成し、前記1枚の合成された絶対値画像に対し前記1枚
    の生成された位相画像の余弦又は正弦のいずれか一方を
    画素毎に乗じて1枚の合成リアル画像又は合成イマジナ
    リ画像のいずれか一方の画像を生成することで前記合成
    実部データ及び合成虚部データを求める処理である請求
    項35記載のMR画像生成方法。
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