JPH099986A - トレハロースとその製造方法並びに用途 - Google Patents

トレハロースとその製造方法並びに用途

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JPH099986A
JPH099986A JP7204033A JP20403395A JPH099986A JP H099986 A JPH099986 A JP H099986A JP 7204033 A JP7204033 A JP 7204033A JP 20403395 A JP20403395 A JP 20403395A JP H099986 A JPH099986 A JP H099986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレハロース、又は、これを含む糖質とその
製造方法並びに用途を提供する。 【解決手段】 マルトースを含有せしめた栄養培地に、
マルトース・トレハロース変換酵素産生能を有する微生
物を培養し、得られるトレハロース、又は、これを含む
糖質、該糖質の製造方法並びに該糖質を含有せしめた組
成物を主な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレハロースとそ
の製造方法並びに用途に関し、詳細には、マルトースを
含有せしめた栄養培地に、マルトース・トレハロース変
換酵素産生能を有する微生物を培養し、得られるトレハ
ロース、又は、これを含む糖質、及び該糖質の製造方法
並びにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】グルコースを構成糖とする非還元性糖質
として、古くからトレハロース(α、α−トレハロー
ス)が知られており、その存在は、『アドバンシズ・イ
ン・カーボハイドレイト・ケミストリー(Advanc
es in Carbohydrate Chemis
try)』、第18巻、第201乃至225頁(196
3年)アカデミック・プレス社(米国)及び『アプライ
ド・アンド・エンビロメンタル・マイクロバイオロジー
(Applied and Environmenta
l Microbiology)』、第56巻、第32
13乃至3215頁(1990年)などにも記載されて
いるように、少量ながら、微生物、きのこ、昆虫など広
範囲に及んでいる。トレハロースのような非還元性糖質
は、アミノ酸や蛋白質等のアミノ基を有する物質とアミ
ノカルボニル反応を起こさず、含アミノ酸物質を損なわ
ないことから、褐変、劣化を懸念することなく利用、加
工できることが期待され、その工業的製造方法の確立が
望まれている。
【0003】トレハロースの製造方法としては、例え
ば、特開昭50−154485公報で報告されている微
生物菌体を用いる方法や、特開昭58−216695公
報で提案されているマルトース・ホスホリラーゼとトレ
ハロース・ホスホリラーゼとの組合わせでマルトースを
変換する方法などが知られている。しかしながら、微生
物菌体を用いる方法は、該菌体を出発原料とし、これに
含まれるトレハロースの含量が、通常、固形物当たり1
5w/w%(以下、本明細書では、特にことわらない限
り、w/w%を単に%と略称する)未満と低く、その
上、これを抽出、精製する工程が煩雑で、工業的製造方
法としては不適である。また、マルトース・ホスホリラ
ーゼ及びトレハロース・ホスホリラーゼを用いる方法
は、いずれもグルコース−1リン酸を経由しており、そ
の基質濃度を高めることが困難であり、また、両酵素の
反応系が可逆反応で目的物の生成率が低く、更には、両
酵素の反応系を安定に維持して反応をスムーズに進行さ
せることが困難であって、未だ、工業的製造方法として
実現するに至っていない。
【0004】これに関係して、『月刊フードケミカ
ル』、8月号、第67乃至72頁(1992年)、「澱
粉利用開発の現状と課題」の「オリゴ糖」の項におい
て、「トレハロースについては著しく広い応用範囲が考
えられるが、本糖の澱粉糖質からの直接糖転移、加水分
解反応を用いた酵素的生産は、現在のところ学術的には
不可能であるといわれている。」と記載されているよう
に、澱粉を原料とし、酵素反応によってトレハロースを
製造することは、従来、学術的にも不可能であると考え
られてきた。
【0005】一方、澱粉を原料として製造される澱粉部
分分解物、例えば、澱粉液化物、各種デキストリン、各
種マルトオリゴ糖などは、通常、その分子の末端に還元
基を有し還元性を示すことが知られている。このような
澱粉部分分解物を、本明細書では、還元性澱粉部分分解
物と称する。一般に、還元性澱粉部分分解物は、固形物
当たりの還元力の大きさをデキストロース・エクイバレ
ント(Dextrose Equivalent、D
E)として表している。この値の大きいものは、通常、
分子が小さく低粘度で、甘味が強いものの、反応性が強
く、アミノ酸や蛋白質などのアミノ基を持つ物質とアミ
ノカルボニル反応を起こし易く、褐変し、悪臭を発生し
て、品質を劣化し易い性質のあることが知られている。
【0006】このような還元性澱粉部分分解物の種々の
特性は、DEの大小に依存しており、還元性澱粉部分分
解物とDEとの関係は極めて重要である。従来、当業界
では、この関係を断ち切ることは不可能とさえ信じられ
てきた。
【0007】還元性澱粉部分分解物とDEとの関係を断
ち切る唯一の方法は、還元性澱粉部分分解物を高圧水素
添加法などによって、その還元基を糖アルコールに変換
して非還元性糖質にする方法である。しかし、この方法
は、高圧オートクレーブを必要とし、多量の水素やエネ
ルギーを消費するのみならず、防災上からも高度な安全
施設や管理を必要としている。その上、得られる還元性
澱粉部分分解物の糖アルコールは、原料の還元性澱粉部
分分解物がグルコースのみからなるのに対し、グルコー
スとソルビトールとから構成される点で異なり、それを
摂取することによって、一過性ではあるが、難消化、緩
下の症状を起こす懸念もある。従って、還元性澱粉部分
分解物の構成糖であるグルコースを変えることなく、そ
の還元力を低減若しくは消滅させる方法の確立が望まれ
る。
【0008】これを解決するために、本発明者等は、先
に、特願平6−144092号明細書で、マルトースを
トレハロースに変換する新規マルトース・トレハロース
変換酵素(本酵素を、本明細書を通じて、マルトース・
トレハロース変換酵素と称する。)を開示し、本マルト
ース・トレハロース変換酵素を利用して、マルトースか
らトレハロースとこれを含む糖質の製造方法を確立し
た。
【0009】しかしながら、微生物を培養して該酵素を
産生せしめる培養時間に加えて、酵素回収の時間、マル
トースからのトレハロースへの酵素反応時間を必要と
し、工業的に実施する上でかなりの長時間を要する欠点
のあることが判明した。マルトースからトレハロースを
生産するに際し、該酵素の生産をも含めて、より簡便
に、容易に実施しうるトレハロースの製造方法の確立が
望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マルトース
からのトレハロースを、簡便に、短時間に製造しうる新
規方法を確立し、併せて、その用途を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために、マルトース・トレハロース変換酵素
産生能を有する微生物の培養状況と該酵素の産生状況に
ついて鋭意研究を続けてきた。その結果、該微生物は、
マルトース・トレハロース変換酵素をかなり早期から産
生していることを見出すとともに、培養中の栄養培地
に、マルトースを共存せしめることにより、容易にトレ
ハロースを生成、蓄積することを見出し、本発明を完成
した。
【0012】すなわち、本発明は、マルトースを含有せ
しめた栄養培地に、マルトース・トレハロース変換酵素
産生能を有する微生物を培養し、得られるトレハロー
ス、又は、これを含む糖質、及び該糖質の製造方法、並
びに、該糖質を含有せしめた組成物を確立するものであ
る。本発明において、マルトースとしては、とりわけ、
澱粉を液化したものにβ−アミラーゼ又はβ−アミラー
ゼとともに澱粉枝切酵素を、作用させて得られるものが
好適であり、また、微生物としては、とりわけ、マルト
ース・トレハロース変換酵素産生能を有している微生物
の利用が、トレハロース生産にとって極めて有利であ
る。このようにして得られるトレハロースやこれを含む
糖質は、安定性が高く、取扱いが容易で、広範な用途に
利用でき、例えば、飲食物、化粧品、医薬品など各種組
成物に有利に利用できる。
【0013】本発明で用いるマルトース・トレハロース
変換酵素産生能を有する微生物としては、マルトースを
トレハロースに変換する酵素を産生する微生物であれば
よく、例えば、特願平6−144092号明細書に開示
されるピメロバクター属、シュードモナス属及びサーマ
ス属に属する微生物が好適である。
【0014】微生物の培養に用いる培地は、微生物が生
育でき、マルトース・トレハロース変換酵素を産生しう
る栄養培地であって、トレハロース生成のための基質と
なるマルトースを含有するものが採用される。必要に応
じて、微生物が資化しうる他の炭素源、例えば、グルコ
ース、フラクトース、ラクトース、スクロース、マンニ
トール、ソルビトール、糖蜜などの糖質、更には、クエ
ン酸、コハク酸などの有機酸、又は、その塩を併用する
ことも随意である。培地に含有せしめるマルトースの濃
度は、20w/v%以下、望ましくは15w/v%以
下、更に望ましくは5乃至10w/v%付近が好適であ
る。窒素源としては、例えば、アンモニウム塩、硝酸塩
などの無機窒素化合物や、例えば、尿素、コーン・ステ
ィープ・リカー、カゼイン、ペプトン、酵母エキス、肉
エキスなどの有機窒素含有物が適宜用いられる。また、
無機成分としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マンガン
塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、モリブデン塩、コバルト塩な
どが適宜用いられる。更に、必要に応じて、アミノ酸、
ビタミンなども適宜用いられる。
【0015】培養条件は、微生物が生育し、マルトース
・トレハロース変換酵素を産生すればよく、通常、温度
4乃至80℃、望ましくは20乃至75℃、pH5乃至
9、望ましくは6乃至8.5から選ばれる条件で好気的
に行われる。培養時間は微生物が増殖し得る以上の時間
であればよく、望ましくは10乃至100時間である。
また、培養液の溶存酸素濃度に特に制限はないが、通常
は、0.5乃至20ppmが好ましい。そのために、通
気量を調節したり、撹拌したり、通気に酸素を追加した
り、また、ファーメンター内の圧力を高めるなどの手段
が採用される。また、培養方式は、回分培養、連続培養
又は半連続培養のいずれでもよい。
【0016】このようにして、マルトースを含有せしめ
た栄養培地に、マルトース・トレハロース変換酵素産生
能を有する微生物を培養して、培養物中にトレハロース
を生成、蓄積せしめることができる。また、必要なら
ば、別に調製したマルトース・トレハロース変換酵素
を、培養中の栄養培地に補足して、トレハロースの生成
速度を高めることも、また、アニオン界面活性剤、非イ
オン界面活性剤などの界面活性剤及び/又は卵白リゾチ
ームなどの溶菌酵素を培養中の栄養培地に加えてトレハ
ロースの生成速度を高めることも有利に実施できる。こ
のようにして、生成、蓄積されたトレハロースは、培養
物中の不溶物を分離し、得られる液体部分に含まれる。
【0017】トレハロースを含有する培養物は、まず、
公知の固液分離法、例えば、濾過又は遠心分離などによ
り、除菌液とし、これを常法に従って、濃縮し、活性炭
で脱色、H型、OH型イオン交換樹脂で脱塩して精製
し、濃縮し、シラップ状製品とする。更に乾燥して粉末
状製品にすることも随意である。必要ならば、培養物を
そのまま平膜又は中空糸膜などの膜濾過にかけ、菌体な
どの不溶物とともに溶性の蛋白質、核酸などの高分子物
を除去するか、又は、予め、遠心分離などにより不溶物
を除去し、次いで、膜濾過により溶性高分子物を除去し
た後、常法に従って、濃縮、脱色、脱塩して精製し、ト
レハロース、又は、これを含む糖質製品を有利に製造す
ることができる。
【0018】次に、本発明のトレハロース生成に寄与し
ているマルトース・トレハロース変換酵素について説明
する。酵素活性は、培養物の菌体及び除菌液いずれにも
認められ、菌体及び除菌液を粗酵素液として採取するこ
とも、また、培養物全体を粗酵素液として用いることも
できる。培養物から菌体を除去するには公知の固液分離
法が採用される。例えば、培養物そのものをそのまま遠
心分離する方法、あるいは、プレコートフィルターなど
を用いて濾過分離する方法、平膜、中空糸膜などの膜濾
過により分離する方法などが適宜採用される。除菌液を
そのまま酵素液として用いることができるが、一般的に
は、濃縮して用いられる。濃縮方法としては、例えば、
硫安塩析法、アセトン及びアルコール沈殿法、平膜、中
空糸膜など膜濃縮法などが採用される。
【0019】更に、除菌液及びその濃縮物を公知の方法
により固定化することもできる。例えば、イオン交換体
への結合法、樹脂及び膜などとの共有結合・吸着法、高
分子物質を用いた包括法などが採用される。また、培養
物から分離した菌体もそのまま粗酵素として用いること
ができるが、これを固定化して用いてもよい。一例とし
て、これをアルギン酸ナトリウムと混合して、塩化カル
シウム溶液中に滴下して粒状にゲル化させて固定化す
る。この粒状化物をさらにポリエチレンイミン、グルタ
ールアルデヒドで処理して固定化してもよい。菌体から
酵素を抽出して、その抽出液を粗酵素液として用いるこ
ともできる。例えば、超音波による破砕法、ガラスビー
ズ及びアルミナによる機械的破砕法、フレンチプレスに
よる破砕法などで菌体から酵素を抽出し、遠心分離又は
膜濾過などで清澄な粗酵素液を得ることができる。
【0020】本酵素液はそのまま用いることができる
が、公知の方法によって更に精製して利用することがで
きる。一例として、培養液の処理物を硫安塩析して濃縮
した粗酵素標品を透析後、東ソー株式会社製『DEAE
−トヨパール』などを用いた陰イオン交換カラムクロマ
トグラフィー、続いて、同社製『ブチルトヨパール』な
どを用いた疎水カラムクロマトグラフィー、同社製『ト
ヨパール HW−55』などを用いたゲル濾過クロマト
グラフィーを用いて精製することにより、電気泳動的に
単一な酵素を得ることができる。
【0021】このようにして得られるマルトース・トレ
ハロース変換酵素は、一般的には、例えば、下記の理化
学的性質を有する。 (1) 作用 マルトースをトレハロースに変換し、トレハロースをマ
ルトースに変換する。 (2) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法で、約57,000乃至12
0,000ダルトン。 (3) 等電点 アンフォライン含有電気泳動法により、pI約3.8乃
至5.1。 (4) 活性阻害 1mMCu++、Hg++又は50mMトリス塩酸緩衝液で
阻害を受ける。 (5) 起源 微生物により産生された酵素である。
【0022】由来微生物の違いによる具体例を示せば次
の通りである。
【ピメロバクター・スピーシーズ R48由来のマルト
ース・トレハロース変換酵素】 (1) 作用 マルトースをトレハロースに変換し、トレハロースをマ
ルトースに変換する。1モルのマルトース又はトレハロ
ースからそれぞれ約1モルのトレハロース又はマルトー
スを生成する。 (2) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法で、約57,000乃至67,
000ダルトン。 (3) 等電点 アンフォライン含有電気泳動法で、pI約4.1乃至
5.1。 (4) 活性阻害 1mMCu++、Hg++又は50mMトリス塩酸緩衝液で
阻害を受ける。 (5) 至適温度 pH7.0、60分間反応で、20℃付近。 (6) 至適pH 25℃、60分間反応で、pH約7.0乃至8.0。 (7) 温度安定性 pH7.0、60分間保持で、30℃付近まで安定。 (8) pH安定性 20℃、60分間保持で、pH約6.0乃至9.0。
【0023】
【シュードモナス・プチダ H262由来のマルトース
・トレハロース変換酵素】 (1) 作用 マルトースをトレハロースに変換し、トレハロースをマ
ルトースに変換する。1モルのマルトース又はトレハロ
ースからそれぞれ約1モルのトレハロース又はマルトー
スを生成する。 (2) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法で、約110,000乃至12
0,000ダルトン。 (3) 等電点 アンフォライン含有電気泳動法で、pI約4.1乃至
5.1。 (4) 活性阻害 1mMCu++、Hg++又は50mMトリス塩酸緩衝液で
阻害を受ける。 (5) 至適温度 pH7.0、60分間反応で、37℃付近。 (6) 至適pH 35℃、60分間反応で、pH約7.3乃至8.3。 (7) 温度安定性 pH7.0、60分間保持で、40℃付近まで安定。 (8) pH安定性 35℃、60分間保持で、pH約6.0乃至9.5。
【0024】
【サーマス・アクアティカス ATCC33923由来
のマルトース・トレハロース変換酵素】 (1) 作用 マルトースをトレハロースに変換し、トレハロースをマ
ルトースに変換する。1モルのマルトース又はトレハロ
ースからそれぞれ約1モルのトレハロース又はマルトー
スを生成する。 (2) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法で、約100,000乃至11
0,000ダルトン。 (3) 等電点 アンフォライン含有電気泳動法で、pI約3.8乃至
4.8。 (4) 活性阻害 1mMCu++、Hg++又は50mMトリス塩酸緩衝液で
阻害を受ける。 (5) 至適温度 pH7.0、60分間反応で、65℃付近。 (6) 至適pH 60℃、60分間反応で、pH約6.0乃至6.7。 (7) 温度安定性 pH7.0、60分間保持で、80℃付近まで安定。 (8) pH安定性 60℃、60分間保持で、pH約5.5乃至9.5。
【0025】マルトース・トレハロース変換酵素の活性
は、次のようにして測定する。基質としてマルトース2
0w/v%(10mMリン酸塩緩衝液、pH7.0)1
mlに酵素液1mlを加え、反応温度を25℃、35℃
あるいは60℃とし、60分間反応させた後、100℃
で10分間加熱して反応を停止させる。この反応液を正
確に50mMリン酸塩緩衝液pH7.5で11倍に希釈
し、その希釈液0.4mlにトレハラーゼ含有溶液(1
単位/ml)を0.1ml添加したものを45℃、12
0分間インキュベートした後、この反応液中のグルコー
ス量をグルコースオキシダーゼ法で定量する。対照とし
て、予め100℃で10分間加熱することにより失活さ
せた酵素液及びトレハラーゼを用いて同様に測定する。
上記の測定方法を用いて、増加するグルコース量からマ
ルトース・トレハロース変換酵素により生成するトレハ
ロース量を求め、その活性1単位は、1分間に1μmo
leのトレハロースを生成する酵素量と定義する。
【0026】なお、反応温度は、マルトース・トレハロ
ース変換酵素が、ピメロバクター属に属する微生物由来
の場合に25℃とし、シュードモナス属に属する微生物
由来の場合に35℃とし、サーマス属に属する微生物由
来の場合に60℃とした。
【0027】次に、本発明で使用される澱粉は、とうも
ろこし澱粉、米澱粉、小麦澱粉などの地上澱粉であって
も、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉などの地下澱
粉であってもよい。澱粉を液化するには、通常、澱粉を
水に懸濁した澱粉乳、望ましくは濃度10%以上、更に
望ましくは約20乃至50%とし、これを加熱して機械
的に液化しても、酸又は酵素で液化してもよい。液化の
程度は、比較的低いものが適しており、望ましくはDE
15未満、更に望ましくはDE10未満のものが好適で
ある。酸で液化する場合には、例えば、塩酸、燐酸、蓚
酸などで液化し、その後、炭酸カルシウム、酸化カルシ
ウム、炭酸ナトリウムなどで必要pHに中和して利用す
ればよい。酵素で液化する場合には、α−アミラーゼ、
とりわけ、耐熱性の液化型α−アミラーゼの使用が適し
ている。
【0028】本発明で澱粉液化溶液からマルトースを産
生するために用いるβ−アミラーゼは、公知方法によ
り、甘藷、大豆、小麦麩などの植物、バチルス属に属す
る微生物の培養物などから調製してもよく、また、市販
の酵素剤を利用することも随意である。また、本発明で
用いる澱粉枝切酵素は、澱粉を比較的低DEに液化した
もの、望ましくは、DE15未満の液化溶液に作用し、
澱粉の枝分かれ結合を加水分解する酵素であって、公知
のプルラナーゼ、イソアミラーゼなどが有利に利用で
き、また、市販の酵素剤を利用することも有利に実施で
きる。
【0029】酵素の使用量は、作用条件、反応時間によ
って適宜選べばよいが、通常、基質である澱粉液化溶液
に対して、固形物グラム当たり、β−アミラーゼの場
合、約1乃至100単位から選ばれ、澱粉枝切酵素の場
合、約1乃至2,000単位から選ばれる。
【0030】このようにして得られるマルトースは、本
発明の培養方法によるトレハロース、又は、これを含む
糖質製造用の糖源として有利に利用できる。また、市販
のマルトースを利用することも有利に実施できる。マル
トースを栄養培地に含有せしめる時期は、トレハロース
が生成できる時期であればよく、培養初期から含有せし
めておくことも、培養途中から含有せしめることも随意
である。また、連続又は半連続培養する場合には、例え
ば、トレハロースを生成せしめた培養培地の一部を抜き
出し、これと同容量のマルトースを含有せしめた栄養培
地を追加して培養すればよい。また、培養を、澱粉液化
溶液にβ−アミラーゼ又はβ−アミラーゼとともに澱粉
枝切酵素を共存せしめた栄養培地で行うことも随意であ
る。
【0031】このようにして得られるトレハロースを含
む培養物は、常法により、濾過、遠心分離などして菌体
などの不溶物を除去した後、濃縮、活性炭で脱色、H
型、OH型イオン交換樹脂で脱塩して精製し、濃縮し、
シラップ状製品とする。更に、乾燥して粉末状製品にす
ることも随意である。必要ならば、更に、精製、例え
ば、イオン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭カラ
ムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーなどのカラムクロマトグラフィーによる分画、ア
ルコール及びアセトンなど有機溶媒による分別、適度な
分離性能を有する膜による分離、更には、酵母での発酵
処理、アルカリ処理などによる残存している還元性糖質
の分解除去などの方法を1種又は2種以上組合わせて精
製することにより、最高純度のトレハロース製品を得る
ことも容易である。
【0032】とりわけ、工業的大量生産方法としては、
イオン交換カラムクロマトグラフィーの採用が好適であ
り、例えば、特開昭58−23799号公報、特開昭5
8−72598号公報などに開示されている強酸性カチ
オン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより
夾雑糖類を除去し、目的のトレハロース含量を向上させ
た低還元性糖質を有利に製造することができる。この
際、固定床方式、移動床方式、擬似移動床方式のいずれ
の方式を採用することも随意である。
【0033】このようにして得られた本発明のトレハロ
ースを含む糖質を、必要により、グルコアミラーゼ又は
α−グルコシダーゼで分解し、甘味性、還元力などを調
整したり、粘性を低下させたりすることも、また、水素
添加して残存する還元性糖質を糖アルコールにして還元
力を消滅せしめることなどの更なる加工処理を施すこと
も随意である。
【0034】とりわけ、本発明のトレハロースを含む糖
質に対して、グルコアミラーゼ又はα−グルコシダーゼ
を作用させてトレハロースとグルコースとの混合溶液と
し、これを、前述の精製方法、例えば、イオン交換カラ
ムクロマトグラフィーなどにより、グルコースを除去す
れば、トレハロース高含有画分を採取することができ
る。これを精製、濃縮して、シラップ状製品を得ること
も、更に濃縮して過飽和にし、晶出させてトレハロース
含水結晶又は無水結晶トレハロースを得ることも有利に
実施できる。
【0035】トレハロース含水結晶を製造するには、例
えば、純度約60%以上、濃度約65乃至90%のトレ
ハロース高含有液を助晶缶にとり、必要に応じて、0.
1乃至20%の種晶共存下で、温度95℃以下、望まし
くは10乃至90℃の範囲で、撹拌しつつ徐冷し、トレ
ハロース含水結晶を含有するマスキットを製造する。ま
た、減圧濃縮しながら晶析させる連続晶析法を採用する
ことも有利に実施できる。マスキットからトレハロース
含水結晶又はこれを含有する含蜜結晶を製造する方法
は、例えば、分蜜方法、ブロック粉砕方法、流動造粒方
法、噴霧乾燥方法など公知の方法を採用すればよい。
【0036】分蜜方法の場合には、通常、マスキットを
バスケット型遠心分離機にかけ、トレハロース含水結晶
と蜜(母液)とを分離し、必要により、該結晶に少量の
冷水をスプレーして洗浄することも容易な方法であり、
より高純度のトレハロース含水結晶を製造するのに好適
である。噴霧乾燥方法の場合には、通常、濃度70乃至
85%、晶出率20乃至60%程度のマスキットを高圧
ポンプでノズルから噴霧し、結晶粉末が溶解しない温
度、例えば、60乃至100℃の熱風で乾燥し、次いで
30乃至60℃の温風で約1乃至20時間熟成すれば非
吸湿性又は難吸湿性の含蜜結晶が容易に製造できる。ま
た、ブロック粉砕方法の場合には、通常、水分10乃至
20%、晶出率10乃至60%程度のマスキットを約
0.1乃至3日間静置して全体をブロック状に晶出固化
させ、これを粉砕又は切削などの方法によって粉末化し
乾燥すれば、非吸湿性又は難吸湿性の含蜜結晶が容易に
製造できる。
【0037】また、無水結晶トレハロースを製造するに
は、トレハロース含水結晶を乾燥して変換させることも
できるが、一般的には、水分10%未満の高濃度トレハ
ロース高含有溶液を助晶缶にとり、種晶共存下で50乃
至160℃、望ましくは80乃至140℃の範囲で撹拌
しつつ無水結晶トレハロースを含有するマスキットを製
造し、これを比較的高温乾燥条件下で、例えば、ブロッ
ク粉砕、流動造粒、噴霧乾燥などの方法で晶出、粉末化
して製造される。
【0038】このようにして製造される本発明のトレハ
ロース、又はこれを含む糖質は、還元性が低く安定であ
り、他の素材、特にアミノ酸、オリゴペプチド、蛋白質
などのアミノ酸を有する物質と混合、加工しても、褐変
することも、異臭を発生することもなく、混合した他の
素材を損なうことも少ない。また、還元力が低いにもか
かわらず低粘度であり、良質で上品な甘味を有してい
る。
【0039】更に、本発明のトレハロースはトレハラー
ゼにより容易にグルコースにまで分解することから、経
口摂取により、消化吸収され、カロリー源として利用さ
れる。虫歯誘発菌などによって、醗酵されにくく、虫歯
を起こしにくい甘味料としても利用できる。また、浸透
圧調節性、賦形性、照り付与性、保湿性、粘性、他の糖
の晶出防止性、難醗酵性、糊化澱粉の老化防止性などの
性質を具備している。
【0040】また、本発明のトレハロースは、経管栄養
剤、輸液剤などとして非経口的に使用され、毒性、副作
用の懸念もなく、よく代謝、利用され、生体へのエネル
ギー補給に有利に利用することができる。また、安定な
甘味料であることにより、トレハロース含水結晶の場合
には、プルラン、ヒドロキシエチルスターチ、ポリビニ
ルピロリドンなどの結合剤と併用して錠剤の糖衣剤とし
て利用することも有利に実施できる。
【0041】また、無水結晶トレハロースの場合には、
食品、医薬品、化粧品、その原材料、又は加工中間物な
どの含水物の脱水剤としても有利に利用でき、安定で高
品質の粉末、顆粒、錠剤など固状物を容易に製造するこ
とができる。
【0042】従って、本発明のトレハロース、又はこれ
を含む糖質は、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定
剤、賦形剤、脱水剤などとして、飲食物、嗜好物、飼
料、餌料、化粧品、医薬品などの各種組成物に有利に利
用できる。
【0043】本発明のトレハロース、又は、これを含む
糖質は、そのまま甘味付けのための調味料として使用す
ることができる。必要ならば、例えば、粉飴、ブドウ
糖、マルトース、蔗糖、異性化糖、蜂蜜、メープルシュ
ガー、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラク
トオリゴ糖、ラクトスクロース、ソルビトール、マルチ
トール、ラクチトール、ジヒドロカルコン、ステビオシ
ド、α−グリコシルステビオシド、レバウディオシド、
グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラ
ニンメチルエステル、サッカリン、グリシン、アラニン
などのような他の甘味料の1種又は2種以上の適量と混
合して使用してもよく、また必要ならば、デキストリ
ン、澱粉、乳糖などのような増量剤と混合して使用する
こともできる。
【0044】また、本発明のトレハロース、又は、これ
を含む糖質の粉末乃至結晶状製品は、そのままで、又は
必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合し
て、顆粒、球状、短棒状、板状、立方体、錠剤など各種
形状に成型して使用することも随意である。
【0045】また、本発明のトレハロース、又は、これ
を含む糖質の甘味は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦
味などの他の呈味を有する各種物質とよく調和し、耐酸
性、耐熱性も大きいので、一般の飲食物の甘味付け、呈
味改良に、また品質改良などに有利に利用できる。
【0046】例えば、アミノ酸、ペプチド類、醤油、粉
末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、
マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし
酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、
焼肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、
ダシの素、核酸系調味料、複合調味料、みりん、新みり
ん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなど各種調味
料として有利に使用できる。
【0047】また、例えば、せんべい、あられ、おこ
し、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羮、水羊
羮、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、
パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリ
ン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリ
ーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレ
ート、チューインガム、キャラメル、キャンディーなど
の洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓、
果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペ
ースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、スプ
レッドなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロ
ップ漬、糖果などの果実、野菜の加工食品類、福神漬、
べったら漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たく
あん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソー
セージなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、
かまぼこ、ちくわ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカ
の塩辛、酢こんぶ、さきするめ、ふぐみりん干しなどの
各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造
されるつくだ煮類、煮豆、ポテトサラダ、こんぶ巻など
の惣菜食品、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、魚肉、
畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、清酒、合成酒、リ
キュール、洋酒などの酒類、コーヒー、紅茶、ココア、
ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼
飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席
しるこ、即席スープなどの即席食品、更には、離乳食、
治療食、ドリンク剤、ペプチド食品、冷凍食品、乾燥食
品などの各種飲食物への甘味付けに、呈味改良に、ま
た、品質改良などに有利に利用できる。
【0048】また、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚な
どの飼育動物のために飼料、餌料などの嗜好性を向上さ
せる目的で使用することもできる。その他、タバコ、練
歯磨、口紅、リップクリーム、内服液、錠剤、トロー
チ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい剤な
ど各種固形物、ペースト状、液状などで嗜好物、化粧
品、医薬品などの各種組成物への甘味剤として、又は呈
味改良剤、矯味剤として、さらには品質改良剤、安定剤
などとして有利に利用できる。
【0049】品質改良剤、安定剤としては、有効成分、
活性などを失い易い各種生理活性物質又はこれを含む健
康食品、医薬品などに有利に適用できる。例えば、イン
ターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフ
ェロン−γ、ツモア・ネクロシス・ファクター−α、ツ
モア・ネクロシス・ファクター−β、マクロファージ遊
走阻止因子、コロニー刺激因子、トランスファーファク
ター、インターロイキンIIなどのリンホカイン、イン
シュリン、成長ホルモン、プロラクチン、エリトロポエ
チン、卵細胞刺激ホルモンなどのホルモン、BCGワク
チン、日本脳炎ワクチン、はしかワクチン、ポリオ生ワ
クチン、痘苗、破傷風トキソイド、ハブ抗毒素、ヒト免
疫グロブリンなどの生物製剤、ペニシリン、エリスロマ
イシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ス
プレプトマイシン、硫酸カナマイシンなどの抗生物質、
チアミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、肝油、
カロチノイド、エルゴステロール、トコフェロールなど
のビタミン、リパーゼ、エラスターゼ、ウロキナーゼ、
プロテアーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、グル
カナーゼ、ラクターゼなどの酵素、薬用人参エキス、ス
ッポンエキス、クロレラエキス、アロエエキス、プロポ
リスエキスなどのエキス類、ウイルス、乳酸菌、酵母な
どの生菌、ローヤルゼリーなどの各種生理活性物質も、
その有効成分、活性を失うことなく、安定で高品質の液
状、ペースト状又は固状の健康食品や医薬品などに容易
に製造できることとなる。
【0050】以上述べたような各種組成物にトレハロー
ス、又は、これを含む糖質を含有せしめる方法は、その
製品が完成するまでの工程に含有せしめればよく、例え
ば、混和、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被
覆、噴霧、注入、晶出、固化など公知の方法が適宜選ば
れる。その量は、通常0.1%以上、望ましくは1%以
上含有せしめるのが好適である。次に実験により本発明
をさらに具体的に説明する。
【0051】まず、新規微生物ピメロバクター・スピー
シーズ R48、シュードモナス・プチダ H262及
びサーマス・アクアティカス ATCC33923から
のマルトース・トレハロース変換酵素について説明し、
次いで、他の公知微生物からのマルトース・トレハロー
ス変換酵素について説明する。
【0052】
【実験1 酵素の生産】グルコース2.0w/v%、ポ
リペプトン0.5w/v%、酵母エキス0.1w/v
%、リン酸二カリウム0.1w/v%、リン酸一ナトリ
ウム0.06w/v%、硫酸マグネシウム・7水塩0.
05w/v%、炭酸カルシウム0.5w/v%、及び水
からなる液体培地を、500ml容三角フラスコに10
0mlずつ入れ、オートクレーブで115℃、30分間
滅菌し、冷却して、ピメロバクター・スピーシーズ R
48(FERM BP−4315)を接種し、27℃、
200rpmで24時間回転振盪培養したものを種培養
とした。
【0053】容量30lのファーメンターに種培養の場
合と同組成の培地を約20l入れて、加熱滅菌、冷却し
て温度27℃とした後、種培養液1v/v%を接種し、
温度27℃、pH6.0乃至8.0に保ちつつ、約40
時間通気攪拌培養した。
【0054】培養液のマルトース・トレハロース変換酵
素活性は、0.55単位/mlであった。培養液の一部
を採り、遠心分離して菌体と培養液上清とに分離し、更
に菌体を50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)に懸濁
し、元の培養液と同じ液量とした後、菌体懸濁液と培養
液上清のマルトース・トレハロース変換酵素活性を測定
したところ、菌体懸濁液には、0.5単位/mlの活性
が、培養液上清には、0.05単位/mlの活性が認め
られた。なお、本酵素の活性は、反応温度を25℃にし
て測定した。
【0055】
【実験2 酵素の精製】実験1で得た培養液を遠心分離
して湿重量約0.5kgの菌体を回収し、これを10m
Mリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。この菌体懸
濁液約5lをエドモンドビューラー社製『ヴィブローゲ
ン セルミル』にかけ、菌体を破砕し、この破砕処理液
を遠心分離(15,000G、30分間)することによ
り、約4.5lの上清を得た。その上清液に飽和度0.
3になるように硫安を加え溶解させ、4℃、4時間放置
した後、遠心分離することにより上清を回収した。
【0056】更に、その液に飽和度0.8になるように
硫安を加え溶解させ、4℃、一夜放置した後、遠心分離
することにより硫安塩析物を回収した。
【0057】得られた硫安塩析物を10mMリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解させた後、同じ緩衝液に対して
24時間透析し、遠心分離して不溶物を除いた。その透
析液(400ml)を2回に分けて、『DEAE−トヨ
パール』を用いたイオン交換カラムクロマトグラフィー
(ゲル量300ml)を行った。
【0058】本発明のマルトース・トレハロース変換酵
素は『DEAE−トヨパール』に吸着し、食塩を含む同
緩衝液でカラムから溶出した。溶出した酵素活性画分を
回収した後、1M硫安を含む同緩衝液に対して透析し、
その透析液を遠心分離して不溶物を除き、次に、東ソー
株式会社製『ブチルトヨパール 650』を用いた疎水
カラムクロマトグラフィー(ゲル量300ml)を行っ
た。吸着したマルトース・トレハロース変換酵素を硫安
1Mから0Mのリニアグラジエントによりカラムより溶
出させ、酵素活性画分を回収した。
【0059】続いて、ファルマシア・エルケイビー社製
『モノQ HR5/5』を用いたイオン交換クロマトグ
ラフィー(ゲル量10ml)を行い、溶出した酵素活性
画分を回収した。精製の各ステップにおける酵素活性
量、比活性、収率を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】精製した酵素標品を7.5w/v%濃度ポ
リアクリルアミドを含むゲル電気泳動により酵素標品の
純度を検定したところ、蛋白バンドは単一で純度の高い
標品であった。
【0062】
【実験3 酵素の性質】実験2の方法で得た精製マルト
ース・トレハロース変換酵素標品をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法(ゲル濃度10w/v%)に供
し、同時に泳動した分子量マーカー(日本バイオ・ラッ
ド・ラボラトリーズ株式会社製)と比較して本酵素の分
子量を測定したところ、分子量約57,000乃至6
7,000ダルトンであった。
【0063】精製マルトース・トレハロース変換酵素標
品を2w/v%アンフォライン(ファルマシア・エルケ
イビー社製)含有等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法に供し、泳動後、蛋白バンド及びゲルのpHを測定
して本酵素の等電点を求めたところ、等電点はpI約
4.1乃至5.1であった。
【0064】本酵素活性に及ぼす温度、pHの影響を活
性測定方法に準じて調べた。結果を図1(温度の影
響)、図2(pHの影響)に示した。酵素の至適温度
は、pH7.0、60分間反応で20℃付近、至適pH
は、25℃、60分間反応で約7.0乃至8.0であっ
た。本酵素の温度安定性は、酵素溶液(50mMリン酸
緩衝液、pH7.0)を各温度に60分間保持し、水冷
した後、残存する酵素活性を測定することにより求め
た。また、pH安定性は、本酵素を各pHの50mM緩
衝液中で20℃、60分間保持した後、pHを7.0に
調整し、残存する酵素活性を測定することにより求め
た。それぞれの結果を図3(温度安定性)、図4(pH
安定性)に示した。本酵素の温度安定性は30℃付近ま
でであり、pH安定性は約6.0乃至9.0であった。
なお、本酵素活性は、1mMCu++、Hg++又は50m
Mトリス塩酸緩衝液で阻害された。
【0065】
【実験4 各種糖質への作用】各種糖質を用いて、基質
になりうるかどうかの試験をした。グルコース、マルト
ース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルト
ペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオー
ス、可溶性澱粉、アミロース(平均重合度18)、トレ
ハロース、ネオトレハロース、ゲンチオビオース、コー
ジビオース、イソマルトース、セロビオース、マルチト
ール、シュクロース、マルツロース、ツラノース、パラ
チノース、トレハルロース、あるいはラクトースの溶
液、更に、α−グルコース・1−リン酸と等量のグルコ
ース、又は、β−グルコース・1−リン酸と等量のグル
コースとを含む溶液を調製した。
【0066】これらの溶液に、実験2の方法で得た精製
マルトース・トレハロース変換酵素を基質固形物グラム
当たりそれぞれ2単位ずつ加え、基質濃度を5w/v%
になるよう調整し、これを20℃、pH7.0で24時
間作用させた。酵素反応前後の反応液をメルク社製『キ
ーゼルゲル60』(アルミプレート、20×20cm)
を用いた薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと略称
する。)にかけ、それぞれの糖質に対する酵素作用の有
無を確認した。TLCは展開溶媒に1−ブタノール:ピ
リジン:水=6:4:1(容積比)を用い、室温で1回
展開した。発色は20%硫酸−メタノール溶液を噴霧
し、110℃で10分間加熱しておこなった。結果を表
2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】表2の結果から明かなように、本発明の酵
素は、試験した多種の糖質のうち、マルトースとトレハ
ロースにのみ作用し、その他の糖質、とりわけ、α−グ
ルコース・1リン酸とグルコースとを含む系や、β−グ
ルコース・1−リン酸とグルコースとを含む系に作用し
ないことから、従来知られているマルトース・ホスホリ
ラーゼやトレハロース・ホスホリラーゼなどのホスホリ
ラーゼとは違い、新規な酵素であることが判明した。
【0069】
【実験5 マルトース又はトレハロースからの生成物】
最終濃度5%のマルトース水溶液に実験2の方法で得た
精製マルトース・トレハロース変換酵素を基質固形物グ
ラム当たり2単位加え、20℃、pH7.0で24時間
作用させた。酵素反応液の糖組成は、ガスクロマトグラ
フィー(以下、GLCと略称する。)で分析した。酵素
反応液の一部を乾固し、ピリジンに溶解した後トリメチ
ルシリル化したものを分析試料とした。ガスクロマトグ
ラフ装置は株式会社島津製作所製『GC−16A』、カ
ラムはジー・エル・サイエンス株式会社製『2%シリコ
ンOV−17/クロモゾルブW』を充填したステンレス
カラム(3mmφ×2m)、キャリアーガスは窒素ガス
を流量40ml/分で、カラムオーブン温度は160℃
から320℃まで7.5℃/分の昇温速度で分析した。
検出は水素炎イオン検出器を用いた。その結果を表3に
示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3の結果から明かなように、反応生成物
Xが多量に生成し、その保持時間が市販トレハロースの
それと一致していることが判明した。反応生成物Xを同
定するために次の確認試験を行った。すなわち、前述の
マルトースを基質とした酵素反応液を糖濃度2%になる
よう20mM酢酸緩衝液、pH4.5で希釈し、この
0.5mlにグルコアミラーゼ(生化学工業株式会社
製)0.1単位を加え40℃で20時間反応させた。
【0072】また、同様に酵素反応液を糖濃度2%にな
るよう20mMリン酸緩衝液、pH7.0で希釈し、こ
の0.5mlにトレハラーゼ0.5単位を加え40℃で
20時間反応させた。マルトースを基質とした酵素反応
液、そのグルコアミラーゼ処理液及びトレハラーゼ処理
液をGLCで分析、比較したところ、グルコアミラーゼ
処理によりマルトースは完全にグルコースに分解され、
反応生成物Xは分解されずに残存していた。
【0073】一方、トレハラーゼ処理によりマルトース
は残存していたが、反応生成物Xは完全にグルコースに
分解された。グルコアミラーゼ及びトレハラーゼの反応
特性を考慮すると、本発明の新規酵素によって生成する
マルトースからのオリゴ糖はトレハロースであると判断
される。
【0074】更に、トレハロースを基質として、マルト
ースの場合と同様の条件で精製酵素を作用させ、その反
応液も同様にGLC分析したところ、本発明の酵素によ
ってトレハロースからはマルトースが生成することが判
明した。以上のGLC分析結果をまとめて表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】表4の結果から明かなように、本発明の酵
素は、マルトースをトレハロースに変換し、トレハロー
スをマルトースに変換する。その平衡点は、トレハロー
ス側に片寄っており、マルトースからのトレハロースへ
の変換率が高く、約70%以上になることが判明した。
【0077】
【実験6 トレハロース生成に及ぼすマルトース濃度の
影響】マルトース濃度を2.5%、5%、10%、20
%あるいは40%で、温度20℃、pH7.0にて、実
験2の方法で得た精製マルトース・トレハロース変換酵
素をマルトースグラム当たり2単位加えて反応させ、経
時的に反応液を採取し、100℃で10分間加熱して酵
素を失活させた。
【0078】この反応液の全糖量をアンスロン硫酸法
で、還元糖量をソモギー・ネルソン法でグルコース換算
で定量し、全糖量に対する還元糖量の割合を還元力とし
て算出した。
【0079】また、この反応液を糖濃度約1%になるよ
う希釈し、少量限外濾過器、日本ミリポアリミテッド製
『モルカットII LGC』にて除蛋白を行い、高速液
体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略称する。)
にて糖組成を分析した。HPLCの装置は東ソー株式会
社製『CCPDシステム』、分析カラムは株式会社ワイ
エムシィー製『YMC−pack PA−03』(4.
6mmφ×250mm)、溶離液はアセトニトリル:水
=78:22(容積比)を流速1.2ml/minで、
検出は示差屈折計で行った。それらの結果を表5に示
す。
【0080】
【表5】
【0081】表5の結果から明かなように、基質のマル
トース濃度に関係なく、マルトースからのトレハロース
への変換反応はよく進行し、トレハロースへ約80%変
換した。
【0082】
【実験7 トレハロース生成に及ぼす温度の影響】マル
トース濃度20%で、pH7.0にして、実験2の方法
で得た精製マルトース・トレハロース変換酵素をマルト
ースグラム当たり2単位加えて、温度5℃、10℃、1
5℃、20℃あるいは25℃で反応させ、経時的に反応
液を採取し、100℃で10分間加熱して酵素を失活さ
せた。この酵素反応液を実験6と同様にして、HPLC
にて糖組成を分析した。各温度、各時間でのトレハロー
ス含量を表6に示す。
【0083】
【表6】
【0084】表6の結果から明かなように、反応温度が
高いほどトレハロース生成速度は大きくなる傾向にあっ
たが、温度5℃でもマルトースからのトレハロースへの
変換反応はよく進行し、トレハロースへ約82%変換し
た。
【0085】
【実験8 マルトースからのトレハロースの調製】マル
トース(株式会社林原生物化学研究所製)10重量部を
水40重量部に溶解し、温度15℃、pH7.0にて、
実験2の方法で得た精製マルトース・トレハロース変換
酵素をマルトースグラム当たり2単位加えて48時間反
応させ、次いで100℃で10分間加熱して酵素を失活
させた。本溶液には、トレハロースを固形物当たり約7
4%含有していた。本溶液を活性炭で脱色し、イオン交
換樹脂(H型及びOH型)にて脱塩して精製し、濃度約
78%に濃縮して、トレハロース含水結晶を種晶として
固形物当たり0.1%添加し、室温に一夜放置したとこ
ろ、結晶が析出した。得られたマスキットを分蜜し、結
晶に少量の水をスプレーして結晶を洗浄し、純度99.
8%の極めて高純度のトレハロース含水結晶約3.0重
量部を得た。
【0086】
【実験9 酵素の生産】グルコース2.0w/v%、硫
酸アンモニウム1.0w/v%、リン酸二カリウム0.
1w/v%、リン酸一ナトリウム0.06w/v%、硫
酸マグネシウム0.05w/v%、炭酸カルシウム0.
3w/v%、及び水からなる液体培地を、500ml容
三角フラスコに100mlずつ入れ、オートクレーブで
115℃で、30分間滅菌し、冷却して、シュードモナ
ス・プチダ H262(FERMBP−4579)を接
種し、27℃、200rpmで24時間回転振とう培養
したものを種培養とした。
【0087】容量30lのファーメンターに種培養の場
合と同組成の培地を約20l入れて、加熱滅菌、冷却し
て温度27℃とした後、種培養液1v/v%を接種し、
温度27℃、pH6.5乃至8.0に保ちつつ、約20
時間通気攪拌培養した。
【0088】培養液のマルトース・トレハロース変換酵
素活性は、0.12単位/mlであった。培養液の一部
を採り、遠心分離して菌体と培養液上清とに分離し、更
に菌体を50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)に懸濁
し、元の培養液と同じ液量とした後、菌体懸濁液と培養
液上清のマルトース・トレハロース変換酵素活性を測定
したところ、菌体懸濁液には、0.11単位/mlの活
性が、培養液上清には、0.01単位/mlの活性が認
められた。なお、本酵素の活性は、反応温度を35℃に
して測定した。
【0089】
【実験10 酵素の精製】実験9で得た培養液を遠心分
離して湿重量約0.45kgの菌体を回収し、これを1
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。この菌
体懸濁液約2lを超高圧菌体破砕装置(大日本製薬株式
会社販売『ミニラボ』)で処理し、菌体を破砕し、この
破砕処理液を遠心分離(15,000G、30分間)す
ることにより、約1.7lの上清を得た。その上清液に
飽和度0.7になるように硫安を加え溶解させ、4℃、
一夜放置した後、遠心分離することにより硫安塩析物を
回収した。
【0090】得られた硫安塩析物を10mMリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解させた後、同じ緩衝液に対して
24時間透析し、遠心分離して不溶物を除いた。その透
析液(400ml)を2回に分けて、『DEAE−トヨ
パール』を用いたイオン交換カラムクロマトグラフィー
(ゲル量300ml)を行った。
【0091】本発明のマルトース・トレハロース変換酵
素は『DEAE−トヨパール』に吸着し、食塩を含む同
緩衝液でカラムから溶出した。溶出した酵素活性画分を
回収した後、同緩衝液に対して透析し、再度、『DEA
E−トヨパール』を用いたイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー(ゲル量80ml)を行った。吸着したマルト
ース・トレハロース変換酵素を食塩0.1Mから0.3
Mのリニアグラジエントによりカラムより溶出させ、酵
素活性画分を回収した。
【0092】続いて、東ソー株式会社製造『トヨパール
HW−55S』を用いたゲル濾過クロマトグラフィー
(ゲル量400ml)を行い、溶出した酵素活性画分を
回収した。精製の各ステップにおける酵素活性量、比活
性、収率を表7に示す。
【0093】
【表7】
【0094】精製した酵素標品を7.5w/v%濃度ポ
リアクリルアミドを含むゲル電気泳動により酵素標品の
純度を検定したところ、蛋白バンドは単一で純度の高い
標品であった。
【0095】
【実験11 酵素の性質】実験10の方法で得た精製マ
ルトース・トレハロース変換酵素標品をSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法(ゲル濃度7.5w/v
%)に供し、同時に泳動した分子量マーカー(日本バイ
オ・ラッド・ラボラトリーズ株式会社製)と比較して本
酵素の分子量を測定したところ、分子量約110,00
0乃至120,000ダルトンであった。
【0096】精製マルトース・トレハロース変換酵素標
品を2w/v%アンフォライン(ファルマシア・エルケ
イビー社製)含有等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法に供し、泳動後、蛋白バンド及びゲルのpHを測定
して本酵素の等電点を求めたところ、等電点はpI約
4.1乃至5.1であった。
【0097】本酵素活性に及ぼす温度、pHの影響を活
性測定方法に準じて調べた。結果を図5(温度の影
響)、図6(pHの影響)に示した。酵素の至適温度
は、pH7.0、60分間反応で37℃付近、至適pH
は、35℃、60分間反応で約7.3乃至8.3であっ
た。本酵素の温度安定性は、酵素溶液(50mMリン酸
緩衝液、pH7.0)を各温度に60分間保持し、水冷
した後、残存する酵素活性を測定することにより求め
た。また、pH安定性は、本酵素を各pHの50mM緩
衝液中で35℃、60分間保持した後、pHを7.0に
調整し、残存する酵素活性を測定することにより求め
た。それぞれの結果を図7(温度安定性)、図8(pH
安定性)に示した。本酵素の温度安定性は40℃付近ま
でであり、pH安定性は約6.0乃至9.5であった。
なお、本酵素活性は、1mMCu++、Hg++又は50m
Mトリス塩酸緩衝液で阻害された。
【0098】
【実験12 各種糖質への作用】反応温度を35℃とし
た以外は、実験4の方法に準じて、実験10で得たシュ
ードモナス・プチダ H262の精製酵素を各種糖質に
作用させて、基質になりうるかどうかの試験をした。そ
の結果、シュードモナス・プチダ H262の酵素は、
ピメロバクター・スピーシーズ R48の酵素と同様、
マルトースとトレハロースにのみ作用しマルトースをト
レハロースに変換し、トレハロースをマルトースに変換
した。その平衡点は、トレハロース側に片寄っており、
マルトースからのトレハロースへの変換率が高く、約7
0%になることが判明した。
【0099】
【実験13 トレハロース生成に及ぼすマルトース濃度
の影響】マルトース濃度を5%、10%、20%あるい
は30%で、温度35℃、pH7.0にて、実験10の
方法で得た精製マルトース・トレハロース変換酵素をマ
ルトースグラム当たり2単位加えて反応させ、経時的に
反応液を採取し、100℃で10分間加熱して酵素を失
活させた。
【0100】この反応液を用いて、実験6と同様に還元
力及び糖組成を測定した。それらの結果を表8に示す。
【0101】
【表8】
【0102】表8の結果から明らかなように、基質のマ
ルトース濃度に関係なく、トレハロースを約70%生成
した。
【0103】
【実験14 マルトースからのトレハロースの調製】マ
ルトース(株式会社林原生物化学研究所販売)10重量
部を水40重量部に溶解し、温度35℃、pH7.0に
して、実験例10の方法で得た本発明の精製マルトース
・トレハロース変換酵素をマルトースグラム当たり2単
位加えて48時間反応させ、次いで100℃で10分間
加熱して酵素を失活させた。本溶液には、トレハロース
を固形物当たり約69%含有していた。本溶液を活性炭
で脱色し、イオン交換樹脂(H型及びOH型)にて脱塩
して精製し、濃度約78%に濃縮して、トレハロース含
水結晶を種晶として固形物当たり0.1%添加し、室温
に一夜放置したところ、結晶が析出した。得られたマス
キットを分蜜し、結晶に少量の水をスプレーして結晶を
洗浄し、純度99.7%の極めて高純度のトレハロース
結晶約2.3重量部を得た。
【0104】
【実験15 酵素の生産】ポリペプトン0.5w/v
%、酵母エキス0.1w/v%、硝酸ナトリウム0.0
7w/v%、リン酸二ナトリウム0.01w/v%、硫
酸マグネシウム0.02w/v%、塩化カルシウム0.
01w/v%及び水からなる液体培地を、pH7.5に
調整した後、500ml容三角フラスコに100mlず
つ入れ、オートクレーブで120℃で、20分間滅菌
し、冷却して、サーマス・アクアティカス ATCC3
3923を接種し、60℃、200rpmで24時間回
転振とう培養したものを種培養とした。
【0105】容量30lのファーメンター2基に種培養
の場合と同組成の培地をそれぞれ約20l入れて、加熱
滅菌、冷却して温度60℃とした後、種培養液1v/v
%を接種し、温度60℃、pH6.5乃至8.0に保ち
つつ、約20時間通気攪拌培養した。
【0106】培養液のマルトース・トレハロース変換酵
素活性は0.35単位/mlであった。培養液の一部を
採り、遠心分離して菌体と培養上清液とに分離し、更に
菌体を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、
元の培養液と同じ液量とした後、菌体懸濁液と培養上清
液のマルトース・トレハロース変換酵素活性を測定した
ところ、菌体懸濁液には0.33単位/mlの酵素活性
が、また、培養液上清には0.02単位/mlの酵素活
性が認められた。なお、本酵素の活性は、反応温度を6
0℃にして測定した。
【0107】
【実験16 酵素の精製】実験15で得た培養液を遠心
分離して湿重量約0.28kgの菌体を回収し、これを
10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。この
菌体懸濁液約1.9lを、超音波破砕機(株式会社日本
精機製作所製『モデルUS300』)で処理し、菌体を
破砕した。この破砕処理液を遠心分離(15,000
G、30分間)することにより、約1.8lの上清を得
た。その上清に飽和度0.7になるように硫安を加え溶
解させ、4℃、一夜放置した後、遠心分離機にかけ、硫
安塩析物を回収した。
【0108】得られた硫安塩析物を10mMリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解させた後、同じ緩衝液に対して
24時間透析し、遠心分離して不溶物を除いた。その透
析液(1560ml)を、東ソー株式会社製『DEAE
−トヨパール 650』を用いたイオン交換カラムクロ
マトグラフィー(ゲル量530ml)を3回に分けて行
った。
【0109】本発明のマルトース・トレハロース変換酵
素は『DEAE−トヨパール』に吸着し、食塩を含む同
緩衝液でカラムから溶出した。溶出した酵素活性画分を
回収した後、1M硫安を含む同緩衝液に対して透析し、
次に、『ブチルトヨパール650』を用いた疎水カラム
クロマトグラフィー(ゲル量380ml)を行った。吸
着したマルトース・トレハロース変換酵素を硫安1Mか
ら0Mのリニアグラジエントによりカラムより溶出さ
せ、酵素活性画分を回収した。
【0110】次に、『トヨパール HW−55S』を用
いたゲル濾過クロマトグラフィー(ゲル量380ml)
を行い、溶出した酵素活性画分を回収した。
【0111】続いて、ファルマシア・エルケイビー社製
『モノQ HR5/5』を用いたイオン交換クロマトグ
ラフィー(ゲル量1.0ml)を行い、食塩0.1Mか
ら0.35Mのリニアグラジエントにより溶出した酵素
活性画分を回収した。精製の各ステップにおける酵素活
性量、比活性、収率を表9に示す。
【0112】
【表9】
【0113】精製した酵素標品を5w/v%濃度ポリア
クリルアミドを含むゲル電気泳動により酵素標品の純度
を検定したところ、蛋白バンドは単一で純度の高い標品
であった。
【0114】
【実験17 酵素の性質】実験16の方法で得た精製マ
ルトース・トレハロース変換酵素標品をSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法(ゲル濃度7.5w/v
%)に供し、同時に泳動した分子量マーカー(日本バイ
オ・ラッド・ラボラトリーズ株式会社製)と比較して本
酵素の分子量を測定したところ、分子量約100,00
0乃至110,000ダルトンであった。
【0115】精製マルトース・トレハロース変換酵素標
品を2%w/vアンフォライン(ファルマシア・エルケ
イビー社製)含有等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法に供し、泳動後、蛋白バンド及びゲルのpHを測定
して本酵素の等電点を求めたところ、等電点はpI約
3.8乃至4.8であった。
【0116】本酵素活性に及ぼす温度、pHの影響を活
性測定方法に準じて調べた。結果を図9(温度の影
響)、図10(pHの影響)に示した。酵素の至適温度
は、pH7.0、60分間反応で65℃付近、至適pH
は、60℃、60分間反応で約6.0乃至6.7であっ
た。本酵素の温度安定性は、酵素溶液(50mMリン酸
緩衝液を含む、pH7.0)を各温度に60分間保持
し、水冷した後、残存する酵素活性を測定することによ
り求めた。また、pH安定性は、本酵素を各pHの50
mM緩衝液中で60℃、60分間保持した後、pHを
7.0に調整し、残存する酵素活性を測定することによ
り求めた。それぞれの結果を図11(温度安定性)、図
12(pH安定性)に示した。本酵素の温度安定性は約
80℃付近までであり、pH安定性は約5.5乃至9.
5であった。なお、本酵素活性は、1mMCu++、Hg
++又は50mMトリス塩酸緩衝液で阻害された。
【0117】
【実験18 各種糖質への作用】反応温度を50℃とし
た以外は、実験4の方法に準じて、実験16で得たサー
マス・アクアティカス ATCC33923の精製酵素
を各種糖質に作用させて、基質になりうるかどうかの試
験をした。その結果、サーマス・アクアティカスATC
C33923の酵素はピメロバクター・スピーシーズ
R48の酵素、あるいは、シュードモナス・プチダ H
262の酵素と同様、マルトースとトレハロースにのみ
作用しマルトースをトレハロースに変換し、トレハロー
スをマルトースに変換した。その平衡点は、トレハロー
ス側に片寄っており、マルトースからトレハロースへの
変換率が高く、70%以上になることが判明した。
【0118】
【実験19 トレハロース生成に及ぼすマルトース濃度
の影響】マルトース濃度を2.5%、5%、10%、2
0%あるいは40%で、温度60℃、pH6.5にて、
実験16の方法で得たサーマス・アクアティカス AT
CC33923の精製マルトース・トレハロース変換酵
素をマルトースグラム当たり2.5単位加えて反応さ
せ、72時間目に反応液を採取し、100℃で30分間
加熱して酵素を失活させた。この反応液を用いて、実験
6と同様に還元力及び糖組成を測定した。その結果を表
10に示した。
【0119】
【表10】
【0120】表10の結果から明らかなように、基質の
マルトース濃度に関係なく、トレハロースを約70%生
成した。
【0121】
【実験20 トレハロース生成に及ぼす温度の影響】マ
ルトース濃度20%で、pH6.5にして、実験16の
方法で得たサーマス・アクアティカス ATCC339
23の精製マルトース・トレハロース変換酵素をマルト
ースグラム当たり2.5単位加えて、温度40℃、50
℃、60℃、あるいは70℃で反応させ、経時的に反応
液を採取し、100℃で30分間加熱して酵素を失活さ
せた。この反応液を実験6と同様にして、HPLCにて
糖組成を分析した。各温度、各時間でのトレハロース含
量を表11に示す。
【0122】
【表11】
【0123】表11の結果から明らかなように、マルト
ースからのトレハロースへの変換率は反応温度が低いほ
ど高く、40℃においてトレハロースへ約80%変換し
た。
【0124】
【実験21 他の微生物からのマルトース・トレハロー
ス変換酵素の生産とその性質】公知微生物のうち、本発
明のマルトース・トレハロース変換酵素産生能の確認さ
れた特定の微生物を、実験15の場合に準じて三角フラ
スコにて48時間培養した。培養液の酵素活性を調べた
後、実験16の方法に準じて、培養液を破砕装置にか
け、その上清を透析して、部分精製酵素を得、実験17
の方法に従って、その性質を調べた。結果を表12に示
した。
【0125】
【表12】
【0126】表12に示すこれらサーマス属に属する公
知微生物由来の部分精製酵素を用いて、実験18の方法
に従って、各種糖質への作用を調べたところ、サーマス
・アクアティカス ATCC33923由来の酵素の場
合と同様に、マルトースとトレハロースにのみ作用し、
マルトースからトレハロースを生成することが判明し
た。
【0127】また、サーマス・ルーバー ATCC35
948のマルトース・トレハロース変換酵素は、サーマ
ス・アクアティカス ATCC33923の酵素に比
し、その至適温度、安定温度は低かったが、他のサーマ
ス属の酵素は、サーマス・アクアティカス ATCC3
3923の酵素とほぼ同じ性質を示し、耐熱性の高いこ
とが判明した。
【0128】
【実験22 調製したトレハロースの理化学的性質】実
験8の方法で調製したトレハロースの高純度標品を用い
て理化学的性質を調べた。融点は97.0℃、比旋光度
は[α]20 D+199゜(c=5)、融解熱は57.8
KJ/mole、溶解度は25℃の水に対し、無水物と
して77.0gであった。これらの物性値は、同時に測
定した市販トレハロース含水結晶(和光純薬工業株式会
社製)の値とよく一致した。
【0129】
【実験23 生体内での利用試験】厚治等が、『臨床栄
養』、第41巻、第2号、第200乃至208頁(19
72年)で報告している方法に準じて、実験8において
調製した高純度トレハロース標品(純度99.8%)3
0gを20w/v%水溶液とし、これをボランティア3
名(健康な26才、27才、30才の男性)にそれぞれ
経口投与し、経時的に採血して、血糖値及びインスリン
値を測定した。対照としては、グルコースを用いた。そ
の結果、トレハロースは、グルコースの場合と同様の挙
動を示し、血糖値、インスリン値ともに、投与後、約
0.5乃至1時間で最大値を示した。トレハロースは、
容易に消化吸収、代謝利用されて、エネルギー源になる
ことが判明した。従って、本発明の方法で得られるトレ
ハロース及びこれを含む糖質は、エネルギー補給用糖源
として好適である。
【0130】
【実験24 急性毒性試験】マウスを使用して、実施例
A−6において調製した高純度トレハロース含水結晶を
経口投与して急性毒性試験を行った。その結果、トレハ
ロースは低毒性の物質で、投与可能な最大投与量におい
ても死亡例は認められなかった。従って、正確な値とは
いえないが、そのLD50値は、50g/kg以上であっ
た。
【0131】
【実験25 培養法によるトレハロース生成に与えるマ
ルトース濃度の影響】マルトース・トレハロース変換酵
素産生能を有する微生物を、マルトースを2乃至20w
/v%含有せしめた栄養培地に培養し、培養物中のトレ
ハロース収量に与えるマルトース濃度の影響を調べた。
培養方法は、ピメロバクター・スピーシーズ R48
(FERM BP−4315)の場合、栄養培地が、グ
ルコース2.0w/v%の代わりに、別滅菌したマルト
ースを2乃至20w/v%を含有せしめた培地とした以
外は、実験1と同様にファーメンターで27℃、72時
間培養し、更に界面活性剤(ポリオキシエチレン・ソル
ビタン・モノパルミテート、和光純薬工業株式会社販売
『Tween 40』)を0.1v/v%加えて24時
間培養を続けた。また、サーマス・アクアティカス A
TCC33923の場合、栄養培地を別滅菌したマルト
ースを2乃至20w/v%を含有せしめた培地とした以
外は、実験15と同様にファーメンターで60℃、24
時間培養し、更に、界面活性剤『Tween 40』を
0.1v/v%加えて24時間培養を続けた。培養物
は、遠心分離して、上清に含まれるトレハロース含量
(mg/ml)をHPLCで測定した。結果は、表13
に示す。
【0132】
【表13】
【0133】表13の結果から明らかなように、栄養培
地中のマルトースが濃度20w/v%以下、望ましくは
15w/v%以下、更に望ましくは5乃至10w/v%
付近でトレハロース収量が高く、トレハロース生産に好
適であることが判明した。
【0134】以下、本発明のマルトース・トレハロース
変換酵素産生能を有する微生物を利用したトレハロー
ス、又はこれを含む糖質の製造方法を実施例Aで、トレ
ハロース、又は、これを含む糖質を含有せしめた組成物
を実施例Bで示す。
【0135】
【実施例A−1】濃度10%馬鈴薯澱粉乳(pH5.
5)にα−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製
『スピターゼ HS』)を澱粉グラム当たり2単位加え
て撹拌下、加熱糊化・液化させ、直ちにオートクレーブ
(120℃)を20分間行った後、温度50℃、pH
5.0に調整した。これにβ−アミラーゼ(ナガセ生化
学工業株式会社製)を澱粉グラム当たり20単位及びイ
ソアミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉
グラム当たり500単位の割合になるように加えて24
時間反応させ、次いで、95℃に加熱して酵素を失活さ
せ、濾過、脱色して、マルトース含量約92%の糖液を
得た。糖源として、グルコース2.0w/v%の代わり
に、前述の糖液を別滅菌して固形物当たり10w/v%
を使用した以外は、実験1の方法に準じて調製した栄養
培地をファーメンターにとり、これにマルトース・トレ
ハロース変換酵素産生能を有するピメロバクター・スピ
ーシーズ R48(FERM BP−4315)の種培
養物を1v/v%植菌し、実験1と同様に27℃で72
時間通気撹拌培養し、更に、界面活性剤(アルキルフェ
ノール・ポリオキシエチレンエーテル、和光純薬工業株
式会社販売『Triton X−100』)を0.2v
/v%加えて培養を24時間続けた。この培養物を濾過
して不溶物を除去し、得られる濾液を、95℃に加熱し
て酵素を失活させた後、濃縮し、常法に従って活性炭で
脱色・濾過し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱
塩して精製し、更に濃縮して濃度約70%のシラップを
固形物当たり約65%の収率で得た。本品は、固形物当
たりトレハロースを約44%含有しており、温和な甘
味、適度の粘度、保湿性を有し、甘味料、呈味改良剤、
安定剤、賦形剤などとして各種飲食物、化粧品、医薬品
など各種組成物に有利に利用できる。
【0136】
【実施例A−2】実施例A−1の方法で得た培養物の濾
液に、固形物グラム当たり10単位のグルコアミラー
ゼ、ナガセ生化学工業株式会社製『グルコチーム』をp
H5.0、50℃で24時間作用させ、次いで、加熱失
活、脱色、脱塩精製して得られる糖液を原糖液とし、ト
レハロースの含量を高めるため、ナトリウム型強酸性カ
チオン交換樹脂(東京有機化学工業株式会社製『XT−
1016』、架橋度4%)を用いたイオン交換カラムク
ロマトグラフィーを行った。樹脂を内径5.4cmのジ
ャケット付きステンレス製カラム4本に充填し、直列に
つなぎ、樹脂層全長20mとした。カラム内温度60℃
に維持しつつ、糖液を樹脂に対して、5v/v%加え、
これに60℃の温水をSV0.15で流して分画し、グ
ルコースを除去し、トレハロース高含有画分を採取し
た。更に、精製、濃縮し、真空乾燥し、粉砕して、トレ
ハロース高含有粉末を固形物当たり、約35%の収率で
得た。本品は、トレハロースを約97%含有しており、
極めて低い還元性、まろやかで上品な甘味を有し、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤、賦形剤などとし
て、各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利
に利用できる。
【0137】
【実施例A−3】実施例A−2の方法で得たトレハロー
ス高含有画分を、常法に従って、活性炭で脱色し、イオ
ン交換樹脂により脱塩して精製した溶液を濃度約70%
に濃縮した後、助晶機にとり、種晶としてトレハロース
含水結晶約2%を加えて徐冷し、晶出率約45%のマス
キットを得た。本マスキットを乾燥塔上のノズルより1
50kg/cm2の高圧にて噴霧した。これと同時に8
5℃の熱風を乾燥塔の上部より送風して底部に設けた移
送金網コンベア上に捕集し、コンベアの下より45℃の
温風を送りつつ、金網コンベア上に捕集した結晶粉末を
乾燥塔外に徐々に移動させ取り出した。この取り出した
結晶粉末を、熟成塔に充填して温風を送りつつ10時間
熟成させ、結晶化と乾燥を完了し、トレハロース含水結
晶粉末を原料のトレハロース高含有糖液に対して固形物
当たり約90%の収率で得た。本品は、実質的に吸湿性
を示さず、取扱いが容易であり、甘味料、呈味改良剤、
安定剤などとして各種飲食物、化粧品、医薬品など各種
組成物に有利に利用できる。
【0138】
【実施例A−4】実施例A−2の方法で得たトレハロー
ス高含有画分を、実施例A−3と同様に精製し、次い
で、蒸発釜にとり、減圧下で煮詰め、水分約3.0%の
シラップとした。次いで、助晶機に移し、これに種晶と
して無水結晶トレハロースをシラップ固形物当たり1%
加え、120℃で攪拌助晶し、次いで、アルミ製バット
に取り出し、100℃で6時間晶出熟成させてブロック
を調製した。次いで、本ブロックを切削機にて粉砕し、
流動乾燥して、水分約0.3%の無水結晶トレハロース
粉末を、原料のトレハロース高含有糖液に対して、固形
物当たり約85%の収率で得た。本品は、食品、化粧
品、医薬品、その原材料、又は加工中間物などの含水物
の脱水剤としてのみならず、上品な甘味を有する白色粉
末甘味料としても、各種飲食物、化粧品、医薬品など各
種組成物に有利に利用できる。
【0139】
【実施例A−5】濃度33%とうもろこし澱粉乳に炭酸
カルシウムを0.1%加えた後、pH6.5に調整し、
これにα−アミラーゼ(ノボ社製『ターマミール60
L』)を澱粉グラム当たり0.2%加え、95℃で15
分間反応させた。その反応液をオートクレーブ(120
℃)を30分間行った後、55℃に冷却し、これにイソ
アミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉グ
ラム当たり500単位及びβ−アミラーゼ(ナガセ生化
学工業株式会社製)を澱粉グラム当たり30単位加え、
48時間反応させ、次いで、95℃に加熱して酵素を失
活させ、濾過、脱色して、マルトース含量約84%の糖
液を得た。糖源として、前述の糖液を別滅菌して固形物
当たり10w/v%を追加した以外は、実験9の方法に
準じて調製した栄養培地をファーメンターにとり、これ
にマルトース・トレハロース変換酵素産生能を有するシ
ュードモナス・プチダ H262(FERM BP−4
579)の種培養物を1v/v%植菌し、実験9と同様
に27℃で48時間通気撹拌培養し、更に、界面活性剤
『Tween 40』を0.2v/v%加えて24時間
培養を続けた。この培養物を濾過して不溶物を除去し、
得られる濾液を、95℃に加熱して酵素を失活させた
後、濃縮し、常法に従って活性炭で脱色・濾過し、H型
及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、更に
濃縮して濃度約70%のシラップを固形物当たり約50
%の収率で得た。本品は、固形物当たりトレハロースを
約64%を含有しており、低還元性、温和な甘味、適度
の粘度、保湿性を有し、各種飲食物、化粧品、医薬品な
どの各種組成物に有利に利用できる。
【0140】
【実施例A−6】実施例A−5の方法で得たシラップを
濃度約80%に濃縮して助晶機にとり、種晶としてトレ
ハロース含水結晶粉末約1%を加え、攪拌しつつ徐冷、
晶出させた。次いで、バスケット型遠心分離機で分蜜
し、結晶を少量の水でスプレーし、洗浄して高純度トレ
ハロース含水結晶を固形物当たり約20%の収率で得
た。本品は、実験22と同様の理化学的性質を示し、甘
味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして、各
種飲食物、化粧品、医薬品などの各種組成物に有利に利
用できる。更には、工業試薬、化学原料などに利用する
ことも有利に実施できる。
【0141】
【実施例A−7】濃度10%とうもろこし澱粉乳(pH
5.5)にα−アミラーゼ『スピターゼHS』を澱粉グ
ラム当たり2単位加えて撹拌下、加熱糊化・液化させ、
直ちにオートクレイブ(120℃)を20分間行った
後、温度55℃、pH5.0に調整した。これにイソア
ミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉グラ
ム当たり300単位及びβ−アミラーゼ(ナガセ生化学
工業株式会社製)を澱粉グラム当たり20単位の割合に
なるように加えて24時間反応させ、次いで、95℃に
加熱して酵素を失活させ、濾過、脱色して、マルトース
含量約92%の糖液を得た。糖源として、前述の糖液を
別滅菌して固形物当たり10w/v%を追加した以外
は、実験15の方法に準じて調製した栄養培地をファー
メンターにとり、これにマルトース・トレハロース変換
酵素産生能を有するサーマス・アクアティカスATCC
33923の種培養物を1v/v%植菌し、実験15
と同様に60℃で40時間通気撹拌培養し、更に、界面
活性剤『Triton X−100』を0.1v/v%
及び培養液1l当たり卵白リゾチーム50mgを加えて
16時間培養を続けた。この培養物を濾過して不溶物を
除去し、得られる濾液を、95℃に加熱して酵素を失活
させた後、濃縮し、常法に従って活性炭で脱色・濾過
し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製
し、更に濃縮して濃度約70%のシラップを固形物当た
り約55%の収率で得た。本品は、固形物当たりトレハ
ロースを約68%含有しており、温和な甘味、適度の粘
度、保湿性を有し、甘味料、呈味改良剤、安定剤、賦形
剤などとして各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成
物に有利に利用できる。
【0142】
【実施例A−8】実施例A−7の方法で得たシラップを
濃度約85%に濃縮して助晶機にとり、種晶約1%を混
合した後、バットにとり、20℃で4日間静置して晶出
固化させ、次いで切削機にて粉砕し、乾燥して含蜜型ト
レハロース含水結晶粉末を固形物当たり約95%の収率
で得た。本品は、実質的に吸湿性を示さず、取扱いが容
易であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤な
どとして、各種飲食物、化粧品、医薬品などの各種組成
物に有利に利用できる。
【0143】
【実施例A−9】実施例A−7の方法で得たシラップを
濃度約80%に濃縮して助晶機にとり、実施例A−6と
同様に晶出、分蜜して高純度のトレハロース含水結晶を
固形物当たり約20%の収率で得た。本品は、実験22
と同様の理化学的性質を示し、実施例A−6と同様に、
各種飲食物、化粧品、医薬品などの各種組成物、更に
は、工業試薬、工業原料、化学原料などに有利に利用で
きる。
【0144】
【実施例B−1 甘味料】実施例A−3の方法で得たト
レハロース含水結晶粉末1重量部に、α−グリコシルス
テビオシド(東洋精糖株式会社販売『αGスイート』)
0.01重量部及びL−アスパルチル−L−フェニルア
ラニンメチルエステル(味の素株式会社販売『アスパル
テーム』)0.01重量部を均一に混合し、顆粒成型機
にかけて、顆粒状甘味料を得た。本品は、甘味の質が優
れ、蔗糖の約2倍の甘味度を有し、甘味度当たりカロリ
ーは、蔗糖の約1/2に低下している。本甘味料は、そ
れに配合した高甘味度甘味物の分解もなく、安定性に優
れており、低カロリー甘味料として、カロリー摂取を制
限している肥満者、糖尿病者などのための低カロリー飲
食物などに対する甘味付けに好適である。また、本甘味
料は、虫歯誘発菌による酸の生成が少なく、不溶性グル
カンの生成も少ないことより、虫歯を抑制する飲食物な
どに対する甘味付けにも好適である。
【0145】
【実施例B−2 ハードキャンディー】濃度55%蔗糖
溶液100重量部に実施例A−1の方法で得たトレハロ
ース含有シラップ30重量部を加熱混合し、次いで減圧
下で水分2%未満になるまで加熱濃縮し、これにクエン
酸1重量部及び適量のレモン香料と着色料とを混和し、
常法に従って成型し、製品を得た。本品は、歯切れ、呈
味良好で、蔗糖の晶出、変形も起こらない高品質のハー
ドキャンディーである。
【0146】
【実施例B−3 チョコレート】カカオペースト40重
量部、カカオバター10重量部、蔗糖30重量部、実施
例A−6の方法で得た高純度トレハロース含水結晶20
重量部を混合してレファイナーに通して粒度を下げた
後、コンチェに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この
間に、レシチン0.5重量部を加え、充分に混和分散さ
せた。次いで、温度調節機で31℃に調節し、バターの
固まる直前に型に流し込み、振動機でアワ抜きを行い、
10℃の冷却トンネルを20分間くぐらせて固化させ
た。これを型抜きして包装し製品を得た。本品は、吸湿
性がなく、色、光沢共によく、内部組織も良好で、口中
でなめらかに溶け、上品な甘味とまろやかな風味を有す
る。
【0147】
【実施例B−4 チューインガム】ガムベース3重量部
を柔らかくなる程度に加熱溶融し、これに蔗糖4重量部
及び実施例A−3の方法で得たトレハロース含水結晶粉
末3重量部とを加え、更に適量の香料と着色料とを混合
し、常法に従って、ロールにより練り合わせ、成形、包
装して製品を得た。本品は、テクスチャー、風味とも良
好なチューインガムである。
【0148】
【実施例B−5 加糖練乳】原乳100重量部に実施例
A−5の方法で得たトレハロース含有シラップ3重量部
及び蔗糖1重量部を溶解し、プレートヒーターで加熱殺
菌し、次いで濃度70%に濃縮し、無菌状態で缶詰して
製品を得た。本品は、温和な甘味で、風味もよく、乳幼
児食品、フルーツ、コーヒー、ココア、紅茶などの調味
用に有利に利用できる。
【0149】
【実施例B−6 乳酸菌飲料】脱脂粉乳175重量部、
実施例A−2の方法で得たトレハロース高含有粉末80
重量部及び特開平4−281795号公報で開示されて
いるラクトスクロース高含有粉末50重量部を水1,2
00重量部に溶解し、65℃で30分間殺菌し、40℃
に冷却後、これに、常法に従って、乳酸菌のスターター
を30重量部植菌し、37℃で8時間培養して乳酸菌飲
料を得た。本品は、風味良好な乳酸菌飲料である。ま
た、本品は、オリゴ糖を含有し、乳酸菌を安定に保持す
るだけでなく、ビフィズス菌増殖促進作用をも有する。
【0150】
【実施例B−7 粉末ジュース】噴霧乾燥により製造し
たオレンジ果汁粉末33重量部に対して、実施例A−6
の方法で得た高純度トレハロース含水結晶50重量部、
蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65重量部、リンゴ
酸0.1重量部、L−アスコルビン酸0.1重量部、ク
エン酸ソーダ0.1重量部、プルラン0.5重量部、粉
末香料適量をよく混合撹拌し、粉砕し微粉末にしてこれ
を流動層造粒機に仕込み、排風温度40℃とし、これ
に、実施例A−5の方法で得たトレハロース高含有シラ
ップをバインダーとしてスプレーし、30分間造粒し、
計量、包装して製品を得た。本品は、果汁含有率約30
%の粉末ジュースである。また、本品は異味、異臭がな
く、長期に安定であった。
【0151】
【実施例B−8 カスタードクリーム】コーンスターチ
100重量部、実施例A−1の方法で得たトレハロース
含有シラップ100重量部、マルトース80重量部、蔗
糖20重量部及び食塩1重量部を充分に混合し、鶏卵2
80重量部を加えて撹拌し、これに沸騰した牛乳1,0
00重量部を徐々に加え、更に、これを火にかけて撹拌
を続け、コーンスターチが完全に糊化して全体が半透明
になった時に火を止め、これを冷却して適量のバニラ香
料を加え、計量、充填、包装して製品を得た。本品は、
なめらかな光沢を有し、温和な甘味で美味である。
【0152】
【実施例B−9 ういろうの素】米粉90重量部に、コ
ーンスターチ20重量部、蔗糖40重量部、実施例A−
3の方法で得たトレハロース含水結晶粉末80重量部及
びプルラン4重量部を均一に混合してういろうの素を製
造した。ういろうの素と適量の抹茶と水とを混練し、こ
れを容器に入れて60分間蒸し上げて抹茶ういろうを製
造した。本品は、照り、口当たりも良好で、風味も良
い。また、澱粉の老化も抑制され、日持ちも良い。
【0153】
【実施例B−10 あん】原料あずき10重量部に、常
法に従って、水を加えて煮沸し、渋切り、あく抜きし
て、水溶性夾雑物を除去して、あずきつぶあん約21重
量部を得た。この生あんに、蔗糖14重量部、実施例A
−7の方法で得たトレハロース含有シラップ5重量部及
び水4重量部を加えて煮沸し、これに少量のサラダオイ
ルを加えてつぶあんをこわさないように練り上げ、製品
のあんを約35重量部得た。本品は、色焼けもなく、舌
ざわりもよく、風味良好で、あんパン、まんじゅう、だ
んご、もなか、氷菓などのあん材料として好適である。
【0154】
【実施例B−11 パン】小麦粉100重量部、イース
ト2重量部、砂糖5重量部、実施例A−2の方法で得た
トレハロース高含有粉末1重量部及び無機フード0.1
重量部を、常法に従って、水でこね、中種を26℃で2
時間発酵させ、その後30分間熟成し、焼き上げた。本
品は、色相、すだちともに良好で適度な弾力、温和な甘
味を有する高品質のパンである。
【0155】
【実施例B−12 ハム】豚もも肉1,000重量部に
食塩15重量部及び硝酸カリウム3重量部を均一にすり
込んで、冷室に1昼夜堆積する。これを水500重量
部、食塩100重量部、硝酸カリウム3重量部、実施例
A−2の方法で得たトレハロース高含有粉末40重量部
及び香辛料からなる塩漬液に冷室で7日間漬け込み、次
いで、常法に従い、冷水で洗浄し、ひもで巻き締め、燻
煙し、クッキングし、冷却包装して製品を得た。本品
は、色合いもよく、風味良好な高品質のハムである。
【0156】
【実施例B−13 粉末ペプチド】濃度40%食品用大
豆ペプチド溶液(不二製油株式会社製『ハイニュート
S』)1重量部に、実施例A−6の方法で得た高純度ト
レハロース含水結晶2重量部を混合し、プラスチック製
バットに入れ、50℃で減圧乾燥し、粉砕して粉末ペプ
チドを得た。本品は、風味良好で、プレミックス、冷菓
などの製菓用材料としてのみならず、経口流動食、経管
流動食などの離乳食、治療用栄養剤などとしても有利に
利用できる。
【0157】
【実施例B−14 粉末味噌】赤味噌1重量部に実施例
A−4の方法で得た無水結晶トレハロース粉末3重量部
を混合し、多数の半球状凹部を設けた金属板に流し込
み、これを室温下で一夜静置して固化し、離型して1個
当たり約4gの固形味噌を得、これを粉砕機にかけて粉
末味噌を得た。本品は、即席ラーメン、即席吸物などの
調味料として有利に利用できる。また、固形味噌は、固
形調味料としてだけでなく味噌菓子などとしても利用で
きる。
【0158】
【実施例B−15 粉末卵黄】生卵から調製した卵黄を
プレート式加熱殺菌機で60乃至64℃で殺菌し、得ら
れる液状卵黄1重量部に対して、実施例A−4の方法で
得た無水結晶トレハロース粉末4重量部の割合で混合し
た後バットに移し、一夜放置して、トレハロース含水結
晶に変換させてブロックを調製した。本ブロックを切削
機にかけて粉末化し、粉末卵黄を得た。本品は、プレミ
ックス、冷菓、乳化剤などの製菓用材料としてのみなら
ず、経口流動食、経管流動食などの離乳食、治療用栄養
剤などとしても有利に利用できる。また、美肌剤、育毛
剤などとしても有利に利用できる。
【0159】
【実施例B−16 化粧用クリーム】モノステアリン酸
ポリオキシエチレングリコール2重量部、自己乳化型モ
ノステアリン酸グリセリン5重量部、実施例A−2の方
法で得たトレハロース高含有粉末2重量部、α−グリコ
シル ルチン1重量部、流動パラフィン1重量部、トリ
オクタン酸グリセリル10重量部及び防腐剤の適量を、
常法に従って加熱溶解し、これにL−乳酸2重量部、
1,3−ブチレングリコール5重量部及び精製水66重
量部を加え、ホモゲナイザーにかけ乳化し、更に香料の
適量を加えて撹拌混合しクリームを製造した。本品は、
抗酸化性を有し、安定性が高く、高品質の日焼け止め、
美肌剤、色白剤などとして有利に利用できる。
【0160】
【実施例B−17 粉末薬用人参エキス】薬用人参エキ
ス0.5重量部に実施例A−4の方法で得た無水結晶ト
レハロース粉末1.5重量部を混捏した後、バットに移
し、2日間放置してトレハロース含水結晶に変換させブ
ロックを調製した。本ブロックを切削機にかけて粉末化
し、分級して粉末薬用人参エキスを得た。本品を適量の
ビタミンB1及びビタミンB2粉末とともに顆粒成型機
にかけ、ビタミン含有顆粒状薬用人参エキスとした。本
品は、疲労回復剤、強壮、強精剤などとして有利に利用
できる。また、育毛剤などとしても利用できる。
【0161】
【実施例B−18 固体製剤】ヒト天然型インターフェ
ロン−α標品(株式会社林原生物化学研究所製)を、常
法に従って、固定化抗ヒトインターフェロン−α抗体カ
ラムにかけ、該標品に含まれるヒト天然型インターフェ
ロン−αを吸着させ、安定剤であるウシ血清アルブミン
を素通りさせて除去し、次いで、pHを変化させて、ヒ
ト天然型インターフェロン−αを実施例A−6の方法で
得た高純度トレハロース含水結晶を5%含有する生理食
塩水を用いて溶出した。本液を精密濾過し、約20倍量
の無水結晶マルトース粉末、株式会社林原商事販売『フ
ァイントース』に加えて脱水、粉末化し、これを打錠機
にて打錠し、1錠(約200mg)当たりヒト天然型イ
ンターフェロン−αを約150単位含有する錠剤を得
た。本品は、舌下錠などとして、一日当たり、大人1乃
至10錠程度が経口的に投与され、ウイルス性疾患、ア
レルギー性疾患、リューマチ、糖尿病、悪性腫瘍などの
治療に有利に利用できる。とりわけ、近年、患者数の急
増しているエイズ、肝炎などの治療剤として有利に利用
できる。本品は、本発明の非還元性糖質と無水結晶マル
トースが共に安定剤として作用し、室温で放置してもそ
の活性を長期間よく維持する。
【0162】
【実施例B−19 糖衣錠】重量150mgの素錠を芯
剤とし、これに実施例A−9の方法で得た高純度トレハ
ロース含水結晶40重量部、プルラン(平均分子量20
万)2重量部、水30重量部、タルク25重量部及び酸
化チタン3重量部からなる下掛け液を用いて錠剤重量が
約230mgになるまで糖衣し、次いで、同じトレハロ
ース含水結晶粉末65重量部、プルラン1重量部及び水
34重量部からなる上掛け液を用いて、糖衣し、更に、
ロウ液で艶出しして光沢の在る外観の優れた糖衣錠を得
た。本品は、耐衝撃性にも優れており、高品質を長期間
維持する。
【0163】
【実施例B−20 練歯磨】 配合 第2リン酸カルシウム 45.0重量部 プルラン 2.95重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5重量部 グリセリン 20.0重量部 ポリオキシエチレンソルビタンラウレート 0.5重量部 防腐剤 0.05重量部 実施例A−8の方法で得たトレハロース含水結晶粉末 12.0重量部 マルチトール 5.0重量部 水 13.0重量部 上記の材料を常法に従って混合し、練歯磨を得た。本品
は、適度の甘味を有しており、特に子供用練歯磨として
好適である。
【0164】
【実施例B−21 流動食用固体製剤】実施例A−6の
方法で製造した高純度トレハロース含水結晶500重量
部、粉末卵黄270重量部、脱脂粉乳209重量部、塩
化ナトリウム4.4重量部、塩化カリウム1.8重量
部、硫酸マグネシウム4重量部、チアミン0.01重量
部、アスコルビン酸ナトリウム0.1重量部、ビタミン
Eアセテート0.6重量部及びニコチン酸アミド0.0
4重量部からなる配合物を調製し、この配合物25グラ
ムずつ防湿性ラミネート小袋に充填し、ヒートシールし
て製品を得た。本品は、1袋分を約150乃至300m
lの水に溶解して流動食とし、経口的、又は鼻腔、胃、
腸などへ経管的使用方法により利用され、生体へのエネ
ルギー補給用に有利に利用できる。
【0165】
【実施例B−22 輸液剤】実施例A−6の方法で製造
した高純度トレハロース含水結晶を水に濃度約10w/
v%に溶解し、次いで、常法に従って、精密濾過してパ
イロジェンフリーとし、プラスチック製ボトルに無菌的
に充填し施栓して製品を得た。本品は、経日変化もなく
安定な輸液剤で、静脈内、腹腔内などに投与するのに好
適である。本品は濃度10w/v%で血液と等張で、グ
ルコースの場合の2倍濃度でエネルギー補給できる。
【0166】
【実施例B−23 輸液剤】実施例A−9の方法で製造
した高純度トレハロース含水結晶と下記の組成のアミノ
酸配合物とがそれぞれ5w/v%、30w/v%になる
ように水に混合溶解し、次いで実施例B−22と同様に
精製してパイロジェンフリーとし、更に、プラスチック
製バックに充填し施栓して製品を得た。 アミノ酸配合物の組成(mg/100ml) L−イソロイシン 180 L−ロイシン 410 L−リジン塩酸塩 620 L−メチオニン 240 L−フェニルアラニン 290 L−スレオニン 180 L−トリプトファン 60 L−バリン 200 L−アルギニン塩酸塩 270 L−ヒスチジン塩酸塩 130 グリシン 340 本品は、糖質とアミノ酸との複合輸液剤にもかかわら
ず、トレハロースが還元性を示さないため、経日変化も
なく安定な輸液剤で、静脈内、腹腔内などへ投与するの
に好適である。本品は、生体へのエネルギー補給のみな
らず、アミノ酸補給のためにも有利に利用できる。
【0167】
【実施例B−24 外傷治療用膏薬】実施例A−8の方
法で製造したトレハロース含水結晶粉末200重量部及
びマルトース300重量部に、ヨウ素3重量部を溶解し
たメタノール50重量部を加え混合し、更に10w/v
%プルラン水溶液200重量部を加えて混合し、適度の
延び、付着性を示す外傷治療用膏薬を得た。本品は、ヨ
ウ素による殺菌作用のみならず、トレハロースによる細
胞へのエネルギー補給剤としても作用することから、治
癒期間が短縮され、創面もきれいに治る。
【0168】
【発明の効果】上記から明らかなように、マルトースを
含有せしめた栄養培地に、マルトース・トレハロース変
換酵素産生能を有する微生物を培養することにより、培
養物から非還元性糖質を極めて簡便、短時間に製造する
ことができることとなり、トレハロース、又は、これを
含む糖質の工業的な製造を容易にする。また、マルトー
スとして、澱粉を液化した溶液にβ−アミラーゼ又はβ
−アミラーゼとともに澱粉枝切酵素を作用させて得られ
るマルトースを利用すれば、澱粉からのトレハロース収
量を著しく高め、その工業的な製造を容易にする。この
ようにして得られるトレハロース又はこれを含む糖質
は、安定性に優れ、良質で上品な甘味を有している。ま
た、経口摂取により消化吸収され、カロリー源となる。
とりわけ、トレハロースは非経口的にも使用され、よく
代謝利用される。従って、本発明のトレハロース、又
は、これを含む糖質は、甘味料、呈味改良剤、品質改良
剤、安定剤、賦形剤などとして、各種飲食物、化粧品、
医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0169】本発明の確立は、安価で無限の資源である
澱粉から、従来望むべくして容易に得られなかったトレ
ハロース、又は、これを含む糖質を工業的に大量かつ安
価に提供できる全く新しい道を拓くこととなり、それが
与える影響は、食品、化粧品、医薬品業界は言うに及ば
ず、農水畜産業、化学工業にも及びこれら産業界に与え
る工業的意義は計り知れないものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピメロバクター・スピーシーズ R48のマル
トース・トレハロース変換酵素の酵素活性に及ぼす温度
の影響を示す図である。
【図2】ピメロバクター・スピーシーズ R48のマル
トース・トレハロース変換酵素の酵素活性に及ぼすpH
の影響を示す図である。
【図3】ピメロバクター・スピーシーズ R48のマル
トース・トレハロース変換酵素の安定性に及ぼす温度の
影響を示す図である。
【図4】ピメロバクター・スピーシーズ R48のマル
トース・トレハロース変換酵素の安定性に及ぼすpHの
影響を示す図である。
【図5】シュードモナス・プチダ H262のマルトー
ス・トレハロース変換酵素の酵素活性に及ぼす温度の影
響を示す図である。
【図6】シュードモナス・プチダ H262のマルトー
ス・トレハロース変換酵素の酵素活性に及ぼすpHの影
響を示す図である。
【図7】シュードモナス・プチダ H262のマルトー
ス・トレハロース変換酵素の安定性に及ぼす温度の影響
を示す図である。
【図8】シュードモナス・プチダ H262のマルトー
ス・トレハロース変換酵素の安定性に及ぼすpHの影響
を示す図である。
【図9】サーマス・アクアティカス ATCC3392
3のマルトース・トレハロース変換酵素の酵素活性に及
ぼす温度の影響を示す図である。
【図10】サーマス・アクアティカス ATCC339
23のマルトース・トレハロース変換酵素の酵素活性に
及ぼすpHの影響を示す図である。
【図11】サーマス・アクアティカス ATCC339
23のマルトース・トレハロース変換酵素の安定性に及
ぼす温度の影響を示す図である。
【図12】サーマス・アクアティカス ATCC339
23のマルトース・トレハロース変換酵素の安定性に及
ぼすpHの影響を示す図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルトースを含有せしめた栄養培地に、
    マルトース・トレハロース変換酵素産生能を有する微生
    物を培養し、得られるトレハロース、又は、これを含む
    糖質。
  2. 【請求項2】 マルトースが、澱粉を液化したものに、
    β−アミラーゼ又はβ−アミラーゼとともに澱粉枝切酵
    素を作用させて得られるマルトースである請求項1記載
    のトレハロース、又は、これを含む糖質。
  3. 【請求項3】 微生物が、ピメロバクター属、シュード
    モナス属及びサーマス属から選ばれる微生物であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のトレハロース、又
    は、これを含む糖質。
  4. 【請求項4】 トレハロースが、含水結晶又は無水結晶
    である請求項1、2又は3記載のトレハロース、又は、
    これを含む糖質。
  5. 【請求項5】 マルトースを含有せしめた栄養培地に、
    マルトース・トレハロース変換酵素産生能を有する微生
    物を培養し、得られる培養物からトレハロース、又は、
    これを含む糖質を採取することを特徴とするトレハロー
    ス、又は、これを含む糖質の製造方法。
  6. 【請求項6】 栄養培地に、マルトースを20w/v%
    以下含有せしめることを特徴とする請求項5記載のトレ
    ハロース、又は、これを含む糖質の製造方法。
  7. 【請求項7】 栄養培地に、マルトースとともに界面活
    性剤を含有せしめることを特徴とする請求項5又は6記
    載のトレハロース、又は、これを含む糖質の製造方法。
  8. 【請求項8】 微生物が、ピメロバクター属、シュード
    モナス属及びサーマス属から選ばれる微生物であること
    を特徴とする請求項5、6又は7記載のトレハロース、
    又は、これを含む糖質の製造方法。
  9. 【請求項9】 培養が、回分法、連続法又は半連続法で
    行われることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載
    のトレハロース、又は、これを含む糖質の製造方法。
  10. 【請求項10】 培養物又はこれから得られる糖質に、
    グルコアミラーゼ、又はα−グルコシダーゼを作用させ
    ることを特徴とする請求項5、6、7、8又は9記載の
    トレハロース、又は、これを含む糖質の製造方法。
  11. 【請求項11】 マルトースを含有せしめた栄養培地
    に、マルトース・トレハロース変換酵素産生能を有する
    微生物を培養し、得られるトレハロース、又は、これを
    含む糖質を含有せしめた組成物。
  12. 【請求項12】 トレハロースが、含水結晶又は無水結
    晶である請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 組成物が、飲食物、化粧品又は医薬品
    であることを特徴とする請求項11又は12記載の組成
    物。
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