JPH10100300A - 防食・防水被膜の形成方法 - Google Patents

防食・防水被膜の形成方法

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JPH10100300A
JPH10100300A JP25899596A JP25899596A JPH10100300A JP H10100300 A JPH10100300 A JP H10100300A JP 25899596 A JP25899596 A JP 25899596A JP 25899596 A JP25899596 A JP 25899596A JP H10100300 A JPH10100300 A JP H10100300A
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primer
coating
impregnated
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film
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JP25899596A
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Kakutaro Ganai
内 覚太郎 賀
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SAN TECHNO CHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピンホールがない防食・防水被膜を、簡便かつ
優れた作業性で形成することができる方法の提供。 【解決手段】多孔性基材の表面に、接着性固形分を含有
する液状プライマーと、該液状プライマーが含浸された
多孔性薄膜シートとからなるプライマー含浸シート層を
形成した後、該プライマー含浸シート層の上に被膜形成
性樹脂材料をスプレー塗布して被膜を形成する工程を有
する防食・防水被膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防食・防水被膜の
形成方法に関し、特に、ピンホールがない防食・防水被
膜を、簡便かつ優れた作業性で形成することができる方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、下水処理場、下水道マンホールで
は、生成する硫化水素に起因する硫酸によるコンクリー
トの劣化対策として、エポキシ樹脂系の材料による防食
ライニングが施されてきた。また、廃棄物処分場、共同
溝等の地下構造物の防水対策として、塩化ビニル樹脂
系、加硫ゴム、非加硫ゴム、アスファルト系等のシート
を下地のコンクリートに接着したり、機械的に固定する
シート防水工法が知られている。さらに、耐食性を要す
る浄水設備、気密性と耐薬品性を要するコンクリート製
サイロの内面ライニング、橋梁等のコンクリート構造物
の劣化防止ライニングにはエポキシ樹脂をライニングす
る方法が行われている。最近、こうした分野に耐酸性、
耐アルカリ性に優れた超速硬化型の弾性材料であるポリ
ウレア樹脂系等の2液混合型速硬化型のスプレーライニ
ング工法が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2液混
合型のスプレーライニング法では、被膜形成時にエポキ
シ樹脂等のライニングと同様に下地のコンクリートの表
面および表面近傍に存在する気泡跡の巣穴ないし空隙か
ら、樹脂の流入による空気の流出、あるいは樹脂自体の
熱による空気の膨張流出による圧力のため、膜生成初期
の反応率の低い未硬化の被膜面にピンホールが発生し易
いという問題があった。そのため、従来はポリマーセメ
ント等の下地調整材や固形分の多いプライマー等によっ
て、予めこれらの巣穴を塞ぎ空気の流出を遮断する方法
が採られている。しかし、ポリマーセメント等は巣穴や
空隙を埋めるために木ゴテ等で押し込む労力と時間を要
し、また、固形分の多いプライマーは巣穴や空隙の大き
さによって、その充填が十分にできないという問題があ
った。
【0004】そこで、本発明の目的は、ピンホールがな
い防食・防水被膜を、簡便かつ優れた作業性で形成する
ことができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、多孔性基材の表面に、接着性固形分を含有
する液状プライマーと、該液状プライマーが含浸された
多孔性薄膜シートとからなるプライマー含浸シート層を
形成した後、該プライマー含浸シート層の上に被膜形成
性樹脂材料をスプレー塗布して被膜を形成する工程を有
する防食・防水被膜の形成方法を提供するものである。
【0006】以下、本発明の防食・防水被膜の形成方法
(以下、「本発明の方法」という)について詳細に説明
する。
【0007】本発明の方法は、多孔性基材の表面に、プ
ライマー含浸シート層を形成した後、スプレー塗布によ
り被膜を形成する工程とを含む方法である。
【0008】本発明の方法によって、被膜を形成する多
孔性基材は、特に制限されず、例えば、セメントモルタ
ル、セメントコンクリート、スレート、アスファルトコ
ンクリート、木材、絨毯、フェルト等が挙げられる。ま
た、本発明の方法において、これらの多孔性基材の表面
は、プライマー含浸シート層の形成を行う前に、予め、
ワイヤブラシやサンドブラストによるレイタンスの除
去、サンドペーパーやグラインダーによる平滑化処理、
また、比較的大きな欠陥部は補修剤による充填補修等の
前処理を行ってもよい。
【0009】また、本発明の方法において、多孔性基材
の表面に形成されるプライマー含浸シート層は、接着性
固形分を含有する液状プライマーと、該液状プライマー
が含浸された多孔性薄膜シートとから形成される。本発
明において、液状プライマーは、多孔性基材の表面と接
触するとともに、多孔性薄膜シートに含浸して、液状プ
ライマーで多孔性薄膜シートが濡れ、多孔性薄膜シート
の上面に液状プライマーが滲みだし、液状プライマーが
含浸した多孔性薄膜シート層が形成される。
【0010】プライマー含浸シート層を形成するための
液状プライマーの主成分である接着性固形分は、多孔性
薄膜シートと被膜形成性樹脂材料との双方に接着性を有
するものであるものが好ましい。この接着性固形分とし
て、水性エポキシ樹脂プライマー、有機溶剤系エポキシ
樹脂プライマー、水性ポリウレタン樹脂プライマー、有
機溶剤系ポリウレタン樹脂プライマー等のエポキシ樹脂
組成物またはポリウレタン樹脂組成物からなるものが挙
げられる。
【0011】接着性固形分の成分として用いられるエポ
キシ樹脂組成物は、エポキシ基を1分子中に1個以上有
するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含むもの
である。エポキシ樹脂としては、エポキシ当量(g/エ
ポキシ基:以下同じ)が165〜550の範囲のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポキシ
当量が170〜250のノボラック型エポキシ樹脂;エ
ポキシ当量が160〜350のフタル酸ジグリシジルエ
ステル;エポキシ当量が100〜250のグリシジルア
ミン類から選ばれる少なくとも1種が使用できる。これ
らの中でも、25℃で液状のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が好適である。
【0012】また、このエポキシ樹脂には、既に公知の
炭素数11〜14アルコールのグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル等の1分子
中に1以上のエポキシ基を有する低粘度エポキシ樹脂の
1種以上を、エポキシ樹脂の粘度調整若しくは柔軟性付
与を目的に併用することができる。
【0013】さらに、エポキシ樹脂硬化剤としては、例
えば、ポリエチレンポリアミン、ポリアルキレンエーテ
ルポリアミン、ポリメチレンポリアミン等の鎖状脂肪族
ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロン
ジアミン等の環状脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミ
ン等の脂肪芳香族アミン、前記鎖状脂肪族または環状脂
肪族ポリアミンと、脂肪酸とからなるアミドアミン、前
記鎖状脂肪族または環状脂肪族ポリアミンとダイマー酸
とからなるポリアミドアミン、その他前記ポリアミンか
ら誘導される変性ポリアミンの1種以上からなるポリア
ミンが、常温硬化性であるため好ましい。特に、ポリエ
チレンポリアミンとダイマー酸との脱水縮合によって得
られる、ポリアミドアミンを20%以上、好ましくは5
0%以上含有する硬化剤が好適である。
【0014】水性エポキシ樹脂プライマーとしては、例
えば、エポキシ樹脂に数%のノニオン系界面活性剤を添
加して乳化したビスフェノール系エポキシ樹脂と水分散
型ポリアミドアミン硬化剤とからなるプライマー、ポリ
オキシアルキレンアミンまたはポリオキシアルキレンイ
ソシアネートが部分的にエポキシ樹脂に反応してなるエ
ポキシ樹脂を水に分散させて乳化したビスフェノール系
エポキシ樹脂とポリアミン系硬化剤または水分散型ポリ
アミドアミン硬化剤とからなるプライマー、ビスフェノ
ール系エポキシ樹脂を主成分とし、必要に応じて反応性
希釈剤、少量のアルコール系溶剤を添加したものと水分
散型ポリアミドアミンからなるプライマー等が挙げられ
る。
【0015】また、接着性固形分の成分として用いられ
るポリウレタン樹脂組成物は、(a)第一級アルコール
および/または第二級アルコール末端ポリオールと、ポ
リシイソシアネートとを反応させてなる、分子末端にイ
ソシアネート残基を有するポリウレタンプレポリマーか
らなる主成分および(b)有機溶剤を含有する湿気によ
り硬化する一液有機溶剤型ウレタン樹脂組成物、あるい
はポリオール類と触媒および有機溶剤からなる第1成分
液と、ポリイソシアネートと有機溶剤とからなる第1成
分液とを、使用する前に所定の比率で混合する二液型ウ
レタン樹脂組成物等が挙げられる。
【0016】一液有機溶剤型ウレタン樹脂組成物として
は、例えば、ジブチル錫ジラウレート触媒の存在下、ポ
リエーテルポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとの反応生成物であって、イソシアネー
ト残基を有するポリウレタンプレポリマーを有機溶剤に
溶解した組成物が挙げられる。
【0017】二液型ウレタン樹脂組成物としては、例え
ば、第1成分液として、アクリル酸メチル、スチレンお
よびメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの反応生成物で
あるアクリルポリオールの溶液、ポリカプロラクトンポ
リオールの溶液、もしくはネオペンチルグリコール、ア
ジピン酸およびイソフタル酸の反応生成物であるポリエ
ステルポリオールの溶液と、第2成分液として、トルエ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート等のト
リメチロールプロパンのアダクト、ビューレット、もし
くはイソシアヌレートの溶液とからなるものを用いるも
のが挙げられる。
【0018】ウレタン樹脂用有機溶剤としては、ウレタ
ン樹脂を溶解するものであれば、特に制限はない。例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、キシレン等が挙げられる。
【0019】さらに、本発明の方法において用いられる
液状プライマーは、前記接着性固形分以外に、必要に応
じて、亜鉛華、ウルトラマリーン、カーボンブラック、
カドミウムレッド、コバルトグリーン、コバルトバイオ
レット、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、酸化チ
タン、セルリアンブルー、チタニウムイエロー、プルッ
シャンブルー、マルスバイオレット、ベンガラ、パーマ
ネントレッド、ハンザエロー、フタロシアニングリー
ン、フタロシアニンブルー、ベンジジンエロー、レーキ
レッド等の着色顔料、アルミナ、カオリン、活性炭、活
性白土、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラス粉末、グラファイト、珪藻土、酸性白土、シ
リカ、ジルコニア、水酸化アルミニウム、スラグ、ゼオ
ライト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
チタニア、ドロマイト、ベントナイト、マイカ、マグネ
シア、モンモリナイト、硫酸バリウム等の体質顔料を配
合することができる。
【0020】本発明の方法において、液状プライマーが
含浸される多孔性薄膜シートは、含浸された液状プライ
マーを保持し、かつ液状プライマーの接着成分である接
着性固形分との接着性を有するものであればよく、特に
制限されない。この多孔性薄膜シートとして、例えば、
合成樹脂繊維、天然繊維、あるいは無機質繊維からなる
乾式法または湿式法不織布、織布等が用いられる。この
多孔性薄膜シートの具体例として、レーヨン繊維、ポリ
エステル系樹脂、ナイロン系繊維、ビニロン繊維、ガラ
スからなる不織布または織布、パルプ紙、布、ガラスク
ロス等が挙げられる。また、多孔性薄膜シートとして、
前記の合成繊維、天然繊維、無機質繊維等から選ばれる
2種以上を組み合わせてなる不織布、織布であってもよ
い。例えば、ポリエステル樹脂繊維とパルプとを混合比
10:90〜30:70で含む混合繊維からなる不織布
であってもよい。この多孔性薄膜シートは、軽量である
ため、壁面や天井面に対してもプライマーの表面張力で
容易に付着し、従来の下地調整材の塗り付け作業に比べ
て作業性の点で有効である。
【0021】この多孔性薄膜シートの厚さは、特に制限
されないが、通常、0.02〜0.5mm程度である。
【0022】本発明の方法において、プライマー含浸シ
ート層の形成は、多孔性基材の表面に液状プライマーを
塗布した後、液状プライマーの塗布面の上に多孔性薄膜
シートを貼り付け、液状プライマーで多孔性薄膜シート
を濡れさせ、液状プライマーを多孔性薄膜シートの上ま
で滲み出させる方法、あるいは多孔性基材の表面に、液
状プライマーを塗布した後、液状プライマーの塗布面に
多孔性薄膜シートを貼り付け、さらに、その上から液状
プライマーを塗布する方法等のいずれの方法にしたがっ
て行ってもよく、特に制限されない。
【0023】本発明の方法において、多孔性基材の表面
に前記プライマー含浸シート層を形成した後、該プライ
マー含浸シート層の上に被膜形成性樹脂材料をスプレー
塗布して所望の被膜を形成することができる。この被膜
は、通常、厚さが0.5〜3mm程度である。
【0024】被膜形成性樹脂材料としては、スプレー塗
装により塗布することができるものであれば、特に制限
されない。この被膜形成性樹脂材料として、スプレー塗
布により、ゲル時間が1〜60秒の速硬化型樹脂材料が
好ましい。
【0025】この被膜形成性樹脂材料の具体例として、
下記の(A)成分および/または(B)成分と、必要に
応じて使用される触媒とからなる第1成分と、(C)成
分からなる第2成分とを混合して反応させてなるポリ尿
素エラストマーが挙げられる。 (A)アミン末端連鎖延長剤100重量部に対しアミノ
基が第二級炭素原子に結合したアミン末端ポリエーテル
ポリオール100〜500重量部 (B)第一級アルコールおよび/または第二級アルコー
ル末端ポリエーテルポリオール0〜500重量部および
触媒0〜3重量部 (C)イソシアネートプレポリマー
【0026】前記(1)のアミン末端連鎖延長剤として
は、例えば、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−
ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−
2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−
2,6−ジアミノベンゼン、3,3’,5,5’−テト
ラエチル−4,4’−ジアミノジフェニル−メタン等の
芳香族ジアミン連鎖延長剤、N,N’−ビス(t−ブチ
ル)エチレンジアミン、ジ(メチルチオ)トルエンジア
ミンなどが挙げられる。これらのアミン末端連鎖延長剤
は、1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられ
る。
【0027】前記(A)アミン末端ポリエーテルポリオ
ールは、例えば、適当な重合開始剤を用いて、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の
低級アルキレンオキシドまたはその混合物を反応させて
得られるポリエーテルの末端に有するヒドロキシル基を
アンモニアと反応させてアミノ基に置換することによっ
て得られるものである。例えば、エチレングリコールを
核とするポリプロピレングリコールの末端2級炭素に結
合した水酸基の還元アミノ化反応により得られるもので
ある。このアミン末端ポリエーテルポリオールの具体例
として、平均分子量200〜4100のジアミン、トリ
メチロールプロパンまたはグリセリンを核とするポリロ
ピレントリオールの末端2級炭素に結合した水酸基の還
元アミノ化により得られる平均分子量400〜5500
のトリアミン等が挙げられ、これらは1種単独でも2種
以上を組み合わせても用いられる。
【0028】(B)第一級アルコールおよび/または第
二級アルコール末端ポリエーテルポリオールとしては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロ
パン、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレ
ンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール等のポリエーテルポリオール、ポリエチレンア
ジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペー
トグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポ
リヘキサメチレンアジペートグリコール、ポリカプロラ
クトングリコール等のポリエステルポリオール、アクリ
ルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシ
ポリオール、ブタジエンポリオール、ポリエステルーポ
リエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、
植物油などが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上
を組み合わせても用いられる。
【0029】また、(C)イソシアネートプレポリマー
は、ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応生成
物であるイソシアネート基を1分子中に1個以上有する
プレポリマーである。また、このイソシアネートプレポ
リマーは、活性水素化合物と反応していないポリイソシ
アネートモノマーを含有していてもよい。活性水素化合
物は、ポリオール、ポリアミンまたはそれらの混合物で
あるが、それらに限定されるものではない。例えば、ポ
リイソシアネートと、ポリオールおよび/またはアミン
末端ポリエーテルとの反応物であって、ポリイソシアネ
ートのイソシアネート基1個に対してポリオールの水酸
基0.02〜0.3個、またはアミン末端ポリエーテル
のアミノ基の0.02〜0.3個、またはポリオールの
水酸基とアミン末端ポリエーテルのアミノ基との合計が
0.02〜0.3個からなる組成の反応物であり、25
℃における粘度が6000mPa・S以下、好ましくは
3000mPa・S以下のものである。
【0030】ポリイソシアネートの具体例としては、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、m−キシリレンジイ
ソシアネ−ト(MXDI)、1,8−ジイソシアネート
−4−イソシアネートメチルオクタン、ビス(4−イソ
シアネートシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ヘ
キサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TM
XDI)、2,4- トリレンジイソシアネート(TD
I)、ノルボネンジイソシアネートおよびこれらのカル
ボジイミド変性品、ビュレット変性品、ウレトンイミン
変性品などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以
上を組み合わせても用いられる。
【0031】また、必要に応じて使用され、ポリ尿素エ
ラストマーの硬化反応を促進する触媒としては、例え
ば、公知のトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’
−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の三級アミ
ン、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート
等の金属化合物および/またはこれらの混合物が挙げら
れる。
【0032】このポリ尿素エラストマーにおいて、第1
成分がポリアミン類である場合は、一般にアミンとイソ
シアネートとの反応は極めて早く、触媒を用いなくとも
よい。この反応が極めて早いため、効率の良い高速の混
合方法と噴霧性と皮膜形成性に適した反応速度を有する
成分系の選定が必要である。この2種の成分は、湿気、
水分の影響を受けず、また、0℃以下の低温でも硬化し
て、生成するポリ尿素エラストマーは、強靭で弾性があ
り、耐薬品性、耐熱性、耐水性に優れるという特徴を有
する。また、湿気または水分の影響がなく、高温高湿に
曝されない環境で使用され、特に高い強度が要求され
ず、コスト的に安価であることが要求される場合には、
第1成分に(B)成分と触媒が含有される組合せが有利
である。第1成分中に(C)第一級アルコールおよび/
または第二級アルコール末端ポリオールが含まれる場合
は、その含有量は、アミン末端連鎖延長剤100重量部
に対して0〜500重量部、好ましくは10〜300重
量部の割合である。500重量部を超えると破断伸び率
は向上するが強度が著しく低下するため好ましくない。
【0033】また、本発明の方法において、被膜(A)
の形成に用いられるポリ尿素樹脂として、米国特許第4
379729号、同第4433067号および同第44
44910号に記載された、アミン末端ポリエーテル、
芳香族ジアミン連鎖延長剤、ポリイソシアネートまたは
ポリイソシアネートとポリオールから製造されるイソシ
アネート基の一部が未反応のまま残る準プレポリマーで
あってもよい、芳香族ポリイソシアネートを用いて製造
されるポリ尿素エラストマーを用いてもよい。
【0034】本発明において、プライマー含浸シート層
の上に形成される被膜には、必要に応じて、従来から公
知の紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、着色剤、体質顔
料、可塑剤、難燃性付与剤、添加剤等を配合することが
できる。
【0035】紫外線吸収剤としては、例えば、RUVA
ー93(大塚化学社製)、チヌビンP、チヌビン14
4、チヌビン320(チバガイギー社製)、HCB(ダ
ウ製)、スミソーブ100(住友化学製)が例示され
る。
【0036】ラジカル捕捉剤としては、例えば、シマソ
ルブ622、シマソルブ944、イルガノックス101
0、イルガノックス245(チバガイギー社製)が例示
される。
【0037】着色剤としては、例えば、亜鉛華、ウルト
ラマリーン、カーボンブラック、カドミウムレッド、コ
バルトグリーン、コバルトバイオレット、コバルトブル
ー、酸化クロムグリーン、酸化チタン、セルリアンブル
ー、チタニウムイエロー、プルッシャンブルー、マルス
バイオレット、ベンガラ、パーマネントレッド、ハンザ
イエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブ
ルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドが例示され
る。
【0038】体質顔料としては、例えば、アルミナ、カ
オリン、活性炭、活性白土、ガラスバルーン、ガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、ガラス粉末、グラファイト、珪
藻土、酸性白土、シリカ、ジルコニア、水酸化アルミニ
ウム、スラグ、ゼオライト、タルク、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、チタニア、ドロマイト、ベントナイ
ト、マイカ、マグネシア、モンモリナイト、硫酸バリウ
ムが例示される。さらに、可塑剤としては、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート等が挙げられ、難燃性
付与剤としては、トリス−ジクロロプロピルホスフェー
ト(大八化学社製)等が例示される。
【0039】これらの必要に応じて配合される配合剤
は、ポリ尿素エラストマーの第1成分もしくは第2成分
中に含有せしめて用いられる。
【0040】本発明の方法において、プライマー含浸シ
ート層の上に被膜形成性樹脂材料からなる被膜をスプレ
ー塗布によって形成する方法は、被膜形成性樹脂材料を
スプレー塗布することができる方法であれば、特に制限
されない。例えば、前記第1成分と第2成分とからなる
ポリ尿素エラストマーからなる被膜を形成する場合は、
前記第1成分と第2成分とをプロポーショナーにより計
量・調圧・加温してスプレイガン内部に供給してスプレ
イガンの内部で直接衝突させ、反応させながら構造体等
の表面にスプレイすることによって形成される。第1成
分に(C)成分を含有する場合で、比較的反応速度が遅
い場合には、撹拌混合機または静的混合機による混合を
スプレーガンに供給される前に行うことも可能である。
【0041】ところで、コンクリート構造物が、現場で
コンクリートを型枠に流し込んで成形したものである場
合、型枠に接したコンクリート表面部分に、特に空気穴
や巣穴等の空隙が発生し易い。このようなコンクリート
構造物は、一般に規模の大きなものが多く、セメント系
やポリマーセメント系の下地調整材ではその表面調整に
多大の時間を要する。これに対して、本発明の方法は、
工期短縮に寄与するとともに、セメント系やポリマーセ
メント系の下地調整材をコンクリートと一体化させるた
めのこて塗り作業の技術の熟練が不要となり、工事の信
頼性も向上するという利点がある。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により説
明する。なお、ピンホールの発生数、接着強度、被膜の
性能(引張り性能、引裂性能、温度依存性、加熱収縮性
状、劣化処理後の引張り性能、伸び時の劣化状況)の評
価または測定は、下記の方法にしたがって行った。
【0043】ピンホールの発生数 被膜の表面を目視により調べ、面積900cm2 当たり
(300×300mm)のピンホール数を測定した。
【0044】接着強度 JIS K6909に記載の付着強さ試験に基づいて測
定した。
【0045】被膜の性能 JIS A6201に準じて測定した。
【0046】(実施例1)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:189g/eq)100重量部に
メトキシポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−
2−プロピルアミン(平均分子量:1000)10重量
部を付加してなる樹脂(エポキシ当量:216g/e
q)100重量部、エポキシ変性m−XDA(m−キシ
レンジアミン)(活性水素当量:95g/eq、水に対
する溶解度:32g/100g)43重量部、ならびに
イオン交換水143重量部からなる水性エポキシ樹脂プ
ライマー(ポットライフ:20分)を、表面のレイタン
スをワイヤーブラシにより除去したコンクリート舗道板
(300×300×7mm)に、付着量が200g/m
2 となるように塗布した。プライマーの塗布後、直ち
に、ポリエステル樹脂繊維とパルプ繊維とからなる不織
布(ポリエステル樹脂繊維/パルプ繊維の混合割合:7
0/30、厚さ:0.1mm、目付量:25g/m2
を貼り付け、この不織布が、水性エポキシ樹脂プライマ
ーで濡れ、不織布の上面までプライマーが滲み出してい
ることを確認した。
【0047】4時間後、ポリオールの還元アミノ化によ
り調製されたアミン末端ポリエーテルトリアミン(平均
分子量:5000、商品名:ジェファーミンT−500
0)100重量部に対して、ポリオールの還元アミノ化
により調製されたアミン末端ポリエーテルジアミン(平
均分子量:2000、商品名:ジェファーミンD−20
00)66.7重量部およびジエチルトルエンジアミン
64.6重量部、ならびにN,N’−ジエチルアミノジ
フェニルメタン27.1重量部を加えて攪拌混合し、さ
らに、ルチル型酸化チタン5重量部を練り込んで白色に
着色した第1成分液と、カルボジイミド変性メチレンシ
フェニルジイソシアネート100重量部に対して、ポリ
プロピレングリコール(平均分子量:2000)66.
7重量部を反応させ、これにフタロシアニンブルー0.
1重量部を練り込み青色に着色した第2成分液とからな
るポリ尿素エラストマー原液のそれぞれを、高圧供給装
置(H−2000;GUSMER社製)に連結したスプ
レーガンに供給して、プライマー含浸シート層の上にス
プレー塗装し、厚さ1mmのポリ尿素樹脂からなる被膜
を形成した。形成される被膜は、スプレー塗装の5秒後
には流動性を失い、5分後にはその上を歩行可能な程度
に硬化した。
【0048】得られた被膜には、全くピンホールが認め
られなかった。また、得られた被膜の性能(引張り性
能、引裂性能、温度依存性、加熱収縮性状、劣化処理後
の引張り性能、伸び時の劣化状況)および接着強度を評
価または測定した。結果を表1および表3に示す。
【0049】また、同時に、離型剤を塗布したステンレ
ス板上に形成したポリ尿素樹脂の被膜の特性(JIS
A6201による試験)を表2に示した。
【0050】(比較例1)不織布を貼り付けない以外
は、実施例1と同様にして、コンクリート舗道板に水性
エポキシ樹脂プライマーを塗布し、4時間後、実施例1
と同様に、第1成分液と第2成分液とからなるポリ尿素
エラストマー原液のそれぞれを、高圧供給装置(H−2
000;GUSMER社製)に連結したスプレーガンに
供給して、プライマー含浸シート層の上にスプレー塗装
し、厚さ1.0mmのポリ尿素樹脂からなる被膜を形成
した。得られた被膜には、23個のピンホールが認めら
れた。また、この被膜の接着強度を測定した。結果を表
1に示す。
【0051】(比較例2)不織布を貼り付けない以外
は、実施例1と同様にして、コンクリート舗道板に水性
エポキシ樹脂プライマーを塗布し、4時間後、実施例1
と同様に、第1成分液と第2成分液とからなるポリ尿素
エラストマー原液のそれぞれを、高圧供給装置(H−2
000;GUSMER社製)に連結したスプレーガンに
供給して、プライマー含浸シート層の上にスプレー塗装
し、厚さ1.5mmのポリ尿素樹脂からなる被膜を形成
した。得られた被膜には、8個のピンホールが認められ
た。また、この被膜の接着強度を測定した。結果を表1
に示す。
【0052】(比較例3)不織布を貼り付けない以外
は、実施例1と同様にして、コンクリート舗道板に水性
エポキシ樹脂プライマーを塗布し、4時間後、実施例1
と同様に、第1成分液と第2成分液とからなるポリ尿素
エラストマー原液のそれぞれを、高圧供給装置(H−2
000;GUSMER社製)に連結したスプレーガンに
供給して、プライマー含浸シート層の上にスプレー塗装
し、厚さ2.0mmのポリ尿素樹脂からなる被膜を形成
した。得られた被膜には、3個のピンホールが認められ
た。また、この被膜の接着強度を測定した。結果を表1
に示す。
【0053】(比較例4)表面のレイタンスをワイヤー
ブラシにより除去したコンクリート舗道板(300×3
00×7mm)に、SBR系ポリマーセメント(亜細亜
工業(株)製、ポリバ8セメントフィラー)を1mmの
厚さに塗布して24時間後、実施例1と同様に、第1成
分液と第2成分液とからなるポリ尿素エラストマー原液
のそれぞれを、高圧供給装置(H−2000;GUSM
ER社製)に連結したスプレーガンに供給してスプレー
塗装し、ポリマーセメント層の上に、直接、厚さ1.0
mmのポリ尿素樹脂からなる被膜を形成した。得られた
被膜には、全くピンホールが認められなかった。また、
この被膜の接着強度および被膜の性能を評価または測定
した。結果を表1および表3に示す。
【0054】(参考例)表面のレイタンスをワイヤーブ
ラシにより除去したコンクリート舗道板(300×30
0×7mm)に、水道水0.5リットルを散布して表面
を濡らした後、直ちに、厚さ0.1mmのポリエステル
樹脂繊維からなる不織布を貼り付け、この不織布が、水
道水で濡れ、不織布の上面まで水が滲み出していること
を確認した。この状態で、直ちに、実施例1と同様に、
スプレー塗装し、厚さ1.0mmのポリ尿素樹脂からな
る被膜を形成した。形成される被膜は、スプレー塗装の
5秒後には流動性を失った。得られた被膜には、全くピ
ンホールが認められなかった。また、この被膜の接着強
度を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】 この表3に示す結果から、ポリマーセメント層の上に、
直接、厚さ1.0mmのポリ尿素樹脂からなる被膜を形
成した比較例4に対して、プライマーとポリ尿素樹脂か
らなる被膜とを多孔性薄膜シートを介して接着させた実
施例1とでは、空気中においても、薬品浸漬後において
も、被膜の接着性能に差がなく、本発明の方法が高い実
用性を有することが分かる。
【0058】
【発明の効果】本発明の防食・防水被膜の形成方法によ
れば、ピンホールがない防食・防水被膜を、簡便かつ優
れた作業性で形成することができる。そのため、本発明
の方法は、下水処理場、浄水場、化学工場の水処理槽、
下水道マンホール等のコンクリート施設の防食ライニン
グ、貯水槽、廃棄物処分場、ダム、地下構造物や建物屋
上等の防水ライニング、また、気密性を有するコンクリ
ート製サイロの内面ライニング、橋梁等のコンクリート
構造物の劣化防止ライニング等に好適に用いることがで
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性基材の表面に、接着性固形分を含有
    する液状プライマーと、該液状プライマーが含浸された
    多孔性薄膜シートとからなるプライマー含浸シート層を
    形成した後、該プライマー含浸シート層の上に被膜形成
    性樹脂材料をスプレー塗布して被膜を形成する工程を有
    する防食・防水被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記接着性固形分が、多孔性薄膜シートと
    被膜形成性樹脂材料との双方に接着性を有するものであ
    る請求項1に記載の防食・防水被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記接着性固形分が、エポキシ樹脂組成物
    またはポリウレタン樹脂組成物からなるものである請求
    項1または2に記載の防食・防水被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記多孔性薄膜シートが、ポリエステル不
    織布またはパルプ紙である請求項1または2に記載の防
    食・防水被膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記被膜形成性樹脂材料が、ポリ尿素樹脂
    である請求項1または2に記載の防食・防水被膜の形成
    方法。
JP25899596A 1996-09-30 1996-09-30 防食・防水被膜の形成方法 Withdrawn JPH10100300A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193886A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Aica Kogyo Co Ltd コンクリート構造物の防食・防水方法
JP2006240950A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Aica Kogyo Co Ltd コンクリート構造物の防食方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193886A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Aica Kogyo Co Ltd コンクリート構造物の防食・防水方法
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