JPH10101416A - 誘電体磁器組成物、誘電体磁器およびその製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物、誘電体磁器およびその製造方法

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JPH10101416A
JPH10101416A JP8258821A JP25882196A JPH10101416A JP H10101416 A JPH10101416 A JP H10101416A JP 8258821 A JP8258821 A JP 8258821A JP 25882196 A JP25882196 A JP 25882196A JP H10101416 A JPH10101416 A JP H10101416A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】800〜1000℃で焼成することが可能であ
り、30GHz以上の高周波領域において、高い比誘電
率と、低い誘電正接を有する磁器組成物、磁器およびそ
の製造方法を提供する。 【構成】ZnTiO3 85〜99.95重量%と、少な
くともSiO2 、B2 3 、Al2 3 およびアルカリ
金属酸化物を含むガラス0.05〜15重量%とからな
ることを組成物を所定形状に成形後、非酸化性雰囲気
中、800℃〜1000℃で焼成することによって、少
なくともZnとTiを含むイルメナイト型結晶相1と、
Zn、B、Siを含む非晶質相2からなる磁器を得る。
かかる磁器は、ミリ波領域(30〜60GHz)での誘
電率(εr)が15〜30、誘電損失が15×10-4
下の特性を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温での焼成が可
能な磁器組成物、誘電体磁器およびその製造方法に関す
るものであり、特に、銅を配線とする高周波で用いられ
るマイクロ波、ミリ波用の配線基板や、マイクロ波、ミ
リ波領域で用いられる誘電体共振器、誘電体導波路、誘
電体アンテナに用いられる磁器に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、高度情報化時代を迎え、情報伝送は
より高速化・高周波化が進行する傾向にある。自動車電
話やパーソナル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信
やCATV等のニューメディアでは、機器のコンパクト
化が推し進められており、これに伴い誘電体共振器等の
マイクロ波用回路素子に対しても小型化が強く望まれて
いる。
【0003】このようなマイクロ波用回路素子の大きさ
は、使用電磁波の波長が基準となる。比誘電率εrの誘
電体中を伝播する電磁波の波長λは、真空中の伝播波長
をλ0 とするとλ=λ0 /(εr)1/2 となる。したが
って、回路素子は、使用される回路用基板の誘電率が大
きい程、小型になる。
【0004】よって、上述した高誘電率化等の要求を満
足するため、例えば、特開平6−132621号公報に
示すように、樹脂中に無機誘電体粒子を分散したもの
や、特開平6−260035号公報に示されるように、
高誘電率フィラーとガラスとの複合材料からなるガラス
セラミック回路用基板等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−132621号公報に示された回路基板では、焼成
温度が400℃程度であり銅等を配線導体として用いて
の多層化、微細な配線化ができないという問題があっ
た。
【0006】また従来のガラスセラミック材料は、その
ほとんどが誘電率10より低い低誘電率のものであり、
また誘電損失も10GHzのマイクロ波領域においては
20×10-4以上と大きく、高周波用の機器の小型化の
ための高誘電率化、低誘電損失化の点では充分に検討さ
れていない。また、従来のガラスセラミックスは、10
00℃以下での焼成が可能であることから金、銀、銅な
どと同時に焼成する利点を有するが、このような低温焼
成を可能とするためには、少なくともガラス成分を30
重量%以上を必要とするために、得られる磁器の特性が
ガラスの性質に大きく依存してしまう結果、フィラ−成
分の優れた特性が発揮できないという問題があった。
【0007】従って、本発明は、800〜1000℃で
の焼成が可能であり、特に30GHz以上の高周波領域
において高い比誘電率と、低い誘電損失を有する誘電体
磁器組成物、誘電体磁器およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を鋭意検討した結果、ZnTiO3 に対して、少なくと
もSiO2 、B2 3 を含むガラスを添加することによ
り、少なくともZnとTiを含むイルメナイト型結晶相
を主体とする結晶相を析出させることにより、高い比誘
電率と低い誘電損失を得ることができること、また、Z
nTiO3 から生成するZnを主とする液相とガラスと
の活性な反応によって、少ないガラス量で1000℃以
下での緻密化を可能とし、配線導体として金、銀及び銅
等を用いた多層化、微細配線化が可能であることを知見
し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の磁器組成物は、ZnTiO
3 85〜99.95重量%と、少なくともSiO2 、B
2 3 を含むガラス0.05〜15重量%とからなるこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の誘電体磁器は、金属元素と
して、Zn、Ti、Si、Bを含む複合酸化物からな
り、ZnおよびTiをZnO換算およびTiO2 換算に
よる合計で全量中85〜99.95重量%の割合で含有
するものであり、少なくともZnとTiを含むイルメナ
イト型結晶相を主体とする結晶相と、Zn、BおよびS
iを含む非晶質相とからなることを特徴とするものであ
り、特に、30〜60GHzでの誘電率(εr)が15
〜30、誘電損失が15×10-4以下であることを特徴
とするものである。
【0011】さらに、上記誘電体磁器を製造する方法と
して、ZnTiO3 85〜99.95重量%と、少なく
ともSiO2 、B2 3 を含むガラス0.05〜15重
量%とからなる組成物を所定形状に成形後、非酸化性雰
囲気中、800℃〜1000℃で焼成することを特徴と
するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の磁器組成物は、ZnTi
3 を85〜99.95重量%と、少なくともSi
2 、B2 3 、Al2 3 およびアルカリ金属酸化物
(Li2 O、Na2 O、K2 Oなど)を含むガラスを
0.05〜15重量%とから構成される。
【0013】ここで、組成を上記の範囲に限定したの
は、ガラスの量が0.05重量%より少ないか、言い換
えれば、ZnTiO3 の量が99.95重量%より多い
と、800〜1000℃の温度で磁器が十分に緻密化す
ることができず、この組成物を用いて作製される磁器特
性において、磁器が緻密化しないため誘電率が低下し、
また誘電損失は増大し、ガラスの量が15重量%より多
いか、言い換えればZnTiO3 の量が85重量%より
少ないと、700℃以下の低温で液相が流失し磁器の形
状を損ない製品形状を保てず、また磁器特性の点から誘
電率は15より低くなり、同時に、30〜60GHzの
高周波領域における誘電正接が15×10-4以上と高く
なる。上記組成の望ましい範囲はZnTiO3 93〜9
9.9重量%、上記ガラス0.1〜7重量%である。
【0014】また、この誘電体磁器組成物は、800〜
1000℃の温度範囲での焼成によって相対密度95%
以上まで緻密化することができ、これによって形成され
る磁器は、図1の磁器組織の概略図に示すように、主と
してイルメナイト型結晶相1を主体とする結晶相と、Z
nとBを含有する非晶質の粒界相2とから構成されてい
る。イルメナイト型結晶とは、FeTiO3 で代表され
る三方格子に属する結晶構造を呈し、本発明の磁器で
は、前記FeがZnに置き換わったものと推定される。
磁器中の結晶相としては、上記イルメナイト型結晶相以
外に、TiO2 結晶相(ルチル、アナターゼ)3やスピ
ネル型結晶相(例えば、Zn2 TiO4 )4等の副結晶
相が析出してもよい。また、非晶質の粒界相中には、少
なくともZn、B、Siが含まれ、さらには添加したガ
ラスの成分も含有される場合がある。
【0015】このように本発明によれば、磁器中に、少
なくともZnとTiを含むイルメナイト型結晶相を主結
晶相として存在させることにより、比誘電率を15〜3
0の間で調整できるとともに、高周波領域においても低
い誘電損失を得ることができるのである。
【0016】また、上記磁器を製造する方法としては、
出発原料として、ZnTiO3 粉末と、少なくともSi
2 、B2 3 を含むガラスを前述した組成を満足する
ように混合する。ここで用いるガラスとしては、SiO
2 を5〜80重量%、B2 3 を4〜50重量%の割合
でそれぞれ含み、他の成分としてAl2 3 を30重量
%以下、アルカリ金属酸化物を20重量%以下の割合で
含むものが使用され、これらの酸化物成分を所定割合で
配合したものを溶融、冷却し、ガラス化したものが使用
される。
【0017】なお、調合組成において、ZnTiO3
末は分散性を高め高い誘電率や低い誘電正接を得るため
に2.0μm以下、特に1.0μm以下の微粉末である
ことが望ましい。
【0018】上記のような割合で添加混合した混合粉末
に適宜バインダ−を添加した後、例えば、金型プレス、
冷間静水圧プレス、押し出し成形、ドクターブレード
法、圧延法等により任意の形状に成形後、N2 、Ar等
の非酸化性雰囲気中において800℃〜1000℃、特
に900〜1000℃の温度で0.1〜5時間焼成する
ことにより相対密度95%以上に緻密化することができ
る。この時の焼成温度が800℃より低いと、磁器が十
分に緻密化せず、1000℃を越えると緻密化は可能で
あるが、銅導体を用いることが出来なくなるためであ
る。
【0019】本発明の上記方法によれば、ZnTiO3
と特定ガラスを組み合わせることにより、ZnTiO3
から生成するZnを含む液相と前記特定ガラス成分との
反応によって活性な液相反応が生じる結果、15重量%
以下のガラス量で磁器を緻密化することができる。その
ために、誘電損失を増大させる要因となる粒界の非晶質
相の量を最小限に押さえることができる。このため高周
波領域においてより低い誘電損失を得ることができるの
である。
【0020】本発明における磁器組成物は、800〜1
000℃で焼成可能であることから、特に金、銀、銅な
どを配線する配線基板の絶縁基板として用いることがで
きる。かかる磁器組成物を用いて配線基板を作製する場
合には、例えば、上記のようにして調合した混合粉末を
公知のテープ成形法、例えばドクターブレード法、圧延
法等に従い、絶縁層形成用のグリーンシートを作製した
後、そのシートの表面に配線回路層用として、金、銀お
よび銅のうちの少なくとも1種の金属、特に、銅粉末を
含む導体ペーストを用いて、グリーンシート表面に配線
パターンにスクリーン印刷法、グラビア印刷法等によっ
て回路パターン状に印刷し、場合によってはシートにス
ルーホールやビアホール形成後、上記導体ペーストを充
填する。
【0021】その後、複数のグリーンシートを積層圧着
した後、上述した条件で焼成することにより、配線層と
絶縁層とを同時に焼成することができる。
【0022】
【実施例】ガラスとして、表1の組成からなるガラスお
よび平均粒径が1μm以下のZnTiO3 を表2、3の
組成に従い混合した。
【0023】
【表1】
【0024】そして、この混合物に有機バインダー、可
塑剤、トルエンを添加し、ドクターブレード法により厚
さ300μmのグリーンシートを作製した。そして、こ
のグリーンシートを5枚積層し、50℃の温度で100
kg/cm2 の圧力を加えて熱圧着した。得られた積層
体を水蒸気含有/窒素雰囲気中で、700℃で脱バイン
ダーした後、乾燥窒素中で表2、3の条件において焼成
して多層基板用磁器組成物の焼結体を得た。
【0025】得られた焼結体について誘電率、誘電正接
を以下の方法で評価した。測定は、直径1〜30mm、
厚み2〜15mmの形状の試料を切り出し、1.0〜7
0GHzにてネットワークアナライザー、シンセサイズ
ドスイーパーを用いて誘電体円柱共振器法により測定し
た。測定では、NRDガイド(非放射性誘電体線路)で
誘電体共振器の励起を行い、TE021,TE031モ
ードの共振特性より、誘電率および誘電正接を算出し
た。測定の結果は表2、3に示した。また、X線回折測
定によって、検出される結晶相を同定し、その結果を表
2、3に示した。
【0026】なお、試料No.7のX線回折チャートを図
2に示した。また、比較例として、ZnTiO3 に代わ
り、CaTiO3 、SrTiO3 を用いて同様に焼結体
を作製し評価した(試料No.33〜36)。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】表2、3の結果から明らかなように、結晶
相として、イルメナイト型結晶相(ZnTiO3 )結晶
相が析出した本発明は、いずれも誘電率が15〜30、
1〜70GHzでの誘電正接が15×10-4以下の優れ
た値を示した。
【0030】これに対して、ガラス量が0.05重量%
より少ない試料No.11、19では、焼成温度を130
0℃まで高めないと緻密化することができなかった。一
方、ガラス量が15重量%を越える試料No.1、18は
液相量が多いため焼成温度が低いが、誘電率が15、1
4と低く、また誘電損失が60GHzで100×10-4
を越えるものであった。また、B2 3 を含まないガラ
スC,Dを用いた試料No.20〜24では、いずれも1
200℃まで高めないと緻密化することができず、本発
明の目的を満足するものではなかった。
【0031】また、比較例として、CaTiO3 、Sr
TiO3 を用いた試料No.33〜36では、いずれも6
0GHzで高く測定できなかった。
【0032】実施例2 上記実施例中のNo.7の組成を用いて、直径1〜30m
m、厚み2〜15mmの円柱サンプルを作製した(図
中、)。また比較として汎用品のアルミナ系ガラスセ
ラミックス(アルミノ硼珪酸ガラス75重量%、アルミ
ナ25重量%)(図中、)、汎用の低純度アルミナ
(Al2 3 95重量%、CaO、MgO、SiO2
重量%)(図中、)を用い同様にしてサンプルを作製
した。作製したサンプルを1GHz、10GHz、20
GHz、30GHz、60GHzの高周波領域におい
て、誘電体円柱共振器法により誘電率と誘電正接を測定
した。結果を図2、3にそれぞれ示した。汎用品のアル
ミナ系ガラスセラミックスは、誘電率が5とかなり低
い、汎用の低純度アルミナは誘電率は9であった。一
方、本発明品は誘電率が28と高い値であった。
【0033】汎用品のアルミナ系ガラスセラミックス
は低周波領域において誘電正接は10×10-4と低い
が、高周波領域になるに従い特性が劣化してしまい20
GHz以上では20×10-4以上になってしまう。ま
た、汎用の低純度アルミナは60GHzで40×10
-4と高い。一方、本発明品であるは、高周波領域にお
いても誘電正接は15×10-4以下と優れたものであっ
た。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体磁器
組成物は、800〜1000℃の温度で緻密化できるこ
とから、金、銀、銅などの配線と同時に焼成することが
できる。しかも、上記組成物を焼成して得られる磁器
は、30GHz以上の高周波帯においても高い誘電率と
低い誘電正接を示すために、マイクロ波用回路素子等に
おいて小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁器組成物の組織の概略図である。
【図2】本発明の磁器(試料No.7)のX線回折チャー
ト図である。
【図3】本発明品および従来品の誘電率の測定周波数と
の関係を示した図である。
【図4】本発明品および従来品の誘電損失の測定周波数
との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 イルメナイト型結晶相 2 ガラス相 3 TiO2 相 4 Zn2 TiO4

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZnTiO3 85〜99.95重量%と、
    少なくともSiO2 、B2 3 を含むガラス0.05〜
    15重量%とからなることを特徴とする誘電体磁器組成
    物。
  2. 【請求項2】金属元素として、Zn、Ti、Si、Bを
    含む複合酸化物からなり、ZnおよびTiをZnO換算
    およびTiO2 換算による合計で全量中85〜99.9
    5重量%の割合で含有する誘電体磁器であって、少なく
    ともZnとTiを含むイルメナイト型結晶相を主体とす
    る結晶相と、Zn、BおよびSiを含む非晶質相とから
    なることを特徴とする誘電体磁器。
  3. 【請求項3】30〜60GHzでの誘電率(εr)が1
    5〜30、誘電損失が15×10-4以下であることを特
    徴とする請求項2記載の誘電体磁器。
  4. 【請求項4】ZnTiO3 85〜99.95重量%と、
    少なくともSiO2 、B2 3 を含むガラス0.05〜
    15重量%とからなる組成物を所定形状に成形後、非酸
    化性雰囲気中、800℃〜1000℃で焼成することを
    特徴とする誘電体磁器の製造方法。
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