JPH10102116A - 金属鉄の製造方法及び製造設備 - Google Patents

金属鉄の製造方法及び製造設備

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JPH10102116A
JPH10102116A JP25711696A JP25711696A JPH10102116A JP H10102116 A JPH10102116 A JP H10102116A JP 25711696 A JP25711696 A JP 25711696A JP 25711696 A JP25711696 A JP 25711696A JP H10102116 A JPH10102116 A JP H10102116A
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iron
compact
heating
melting
reduction
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JP25711696A
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Akira Uragami
昭 浦上
Osamu Tsuchiya
脩 土屋
Isao Kobayashi
勲 小林
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえ鉄成分含有量の低い鉄鉱石等からで
も、耐火物の溶損等を生じることなく高純度の金属鉄を
効率よく得ることのできる技術を発明し、先に特許出願
を済ませた(特願平8-59801 号)。本発明は上記先願発
明の基本的な技術思想を活用し、これを工業的規模で効
率よく実施することのできる製造方法および設備を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明の設備は、炭素質還元剤が存在す
る原料酸化鉄の成形体から金属鉄を製造する。成形体4
を水平面上に載置せて搬入する搬入部材(台車7)とこ
の成形体4を排出する排出部材と成形体4を加熱する加
熱還元機構(還元用バーナー11)とを備えた加熱還元
装置23と、排出された成形体4を受け入れて加熱溶融
する加熱溶融機構(溶融用バーナー16)を備えた溶融
装置12と、溶融スラグ54と溶融鉄53に分離する分
離装置13とを備えることを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鉱石等の酸化鉄
を炭材等の炭素質還元剤と共に加熱還元して金属鉄を得
る技術の改良に関し、酸化鉄を金属鉄にまで効率よく還
元すると共に、酸化鉄源中に脈石成分等として混入して
くるスラグ成分をうまく溶融分離し、高純度の金属鉄を
溶融鉄として効率よく製造することのできる方法および
設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石や酸化鉄ペレット等の酸化鉄を炭
材や還元性ガスにより直接還元して還元鉄を得る直接製
鉄法としては、従来よりミドレックス法に代表されるシ
ャフト炉法が知られている。この種の直接製鉄法は、天
然ガス等から製造される還元ガスをシャフト炉下部の羽
口より吹き込み、その還元力を利用し酸化鉄を還元して
還元鉄を得る方法である。また最近では、天然ガスに代
わる還元剤として石炭等の炭材を使用する還元鉄製造プ
ロセスが注目されており、具体的には、鉄鉱石等の焼成
ペレットを石炭粉と共にロータリーキルンで加熱還元す
る、所謂SL/RN法がすでに実用化されている。
【0003】また他の還元鉄製造法として米国特許第
3,443,931号公報には、炭材と粉状酸化鉄を混
合して塊状化し、ロータリーハース上で加熱還元して還
元鉄を製造するプロセスが開示されている。このプロセ
スは、粉鉱石と粉炭を混合して塊状化し、これを高温雰
囲気下で加熱還元するものである。
【0004】これらの方法で製造された還元鉄は、その
まま或はブリケット状等に成形してから電気炉へ装入
し、鉄源として用いられる。近年、鉄スクラップのリサ
イクルが活発化するにつれて、上記方法によって得られ
る還元鉄はスクラップ中に混入してくる不純物元素の希
釈剤として注目されている。
【0005】ところが従来の還元製鉄法によって得られ
る還元鉄には、原料として用いた酸化鉄(鉄鉱石等)や
炭材(石炭等)に含まれるSiO2 、Al23 、Ca
O等のスラグ成分がそのまま混入してくるため、製品の
鉄品位(金属鉄としての純度)は低くなる。
【0006】実用に当たっては、次の精錬工程でこれら
のスラグ成分は分離除去されるが、スラグ量の増加は精
錬溶湯の歩留りを低下させるばかりでなく電気炉の操業
コストにも大きな影響を及ぼすので、鉄品位が高くスラ
グ成分含有量の少ない還元鉄が求められているが、前述
の如き従来の還元鉄の製法でこうした要求に応えるに
は、還元鉄製造原料として鉄品位の高い鉄鉱石を使用し
なければならず、実用可能な製鉄原料の選択の幅を大変
狭めることになる。
【0007】更に上記の様な従来法は、還元された固体
製品を中間製品として得ることを最終の目的としてお
り、実用化に当たっては、次の工程となる精練工程へ送
るまでに搬送、貯蔵、ブリケット化あるいは冷却といっ
た工程が必要であり、この間に大きなエネルギー損失が
生じたり、ブリケット化のための余分のエネルギーや特
殊な装置が必要になるといった欠点がある。
【0008】他方、酸化鉄を直接還元して還元鉄を得る
方法としてDIOS法等の溶融還元法も知られている。
この方法は、酸化鉄を予め鉄純度で30〜50%程度に
まで予備還元しておき、その後、鉄浴中で炭素との直接
還元反応させることによって金属鉄にまで還元を行う方
法であるが、この方法は予備還元と鉄浴中での最終還元
の2工程が必須になるため作業が煩雑であるばかりでな
くで、鉄浴中に存在する溶融酸化鉄(FeO)と耐火物
が直接接触するため、耐火物の損耗が激しいという問題
も指摘される。
【0009】更に特公昭56−19366号公報には、
金属酸化物と固体炭素質材料およびスラグ形成材料の集
塊物を加熱・還元し、該集塊物の形状を保ちながら、還
元により生成した金属をスラグシェルで包む様な状態を
形成し、その後スラグシェルを溶融させて金属とスラグ
を分離する方法を開示している。ところがこの方法で
は、還元によって生成した金属鉄の再酸化を阻止するた
め、該金属鉄を完全に包み込むに足る量のスラグを生成
させなければならず、スラグ形成材料の配合量を多くす
る必要がある。しかもこの方法ではFeO濃度の高いス
ラグが生成し易く、設備の内張り耐火物を著しく損傷す
るという、実用化する上で大きな問題も生じてくる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一方、スラグ成分含有
量の少ない高純度の金属鉄を製造する方法の実現は、製
品金属鉄としての付加価値を高めるばかりでなく、電気
炉を用いた製鉄コストを低減し、更には金属鉄製造にお
ける使用原料の選択の柔軟性を高めることから極めて重
要である。また、酸化鉄を多く含有したスラグは耐火物
を溶損することから、加熱・還元により副生するスラグ
中の酸化鉄含有量を極力少なくして耐火物の損傷を抑え
ることは、この種の製鉄法を工業的規模で実現可能にす
る上で極めて重要である。
【0011】本発明者らはこうした状況に着目し、鉄成
分含有量の高い酸化鉄はもとより鉄成分含有量の比較的
低い鉄鉱石等からでも、耐火物の溶損などを生じること
なく鉄純度の極めて高い金属鉄を、溶融鉄として簡単な
処理で効率よく得ることのできる技術の開発を期してか
ねてより研究を進めており、その研究成果として下記の
方法を開発し、先に特許出願を済ませた(特願平8−5
9801号)。
【0012】この先願発明は、炭素質還元剤が存在する
酸化鉄の成形体を加熱還元して金属鉄を製造する際に、 加熱還元により金属鉄外皮を生成且つ成長させ、酸化
鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進めると共に、
内部に生成スラグの凝集物を形成する、 加熱還元により金属鉄外皮を生成且つ成長させ、酸化
鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進め、更に加熱
を続けて内部に生成するスラグを金属鉄外皮の外側へ流
出させる、 加熱還元により金属鉄外皮を生成且つ成長させ、酸化
鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進め、更に加熱
を続けて金属鉄とスラグを溶融分離する、或いは加熱
還元により金属鉄外皮を生成且つ成長させ、酸化鉄が実
質的に存在しなくなるまで還元を進めると共に、内部に
生成スラグの凝集物を形成させ、次いで生成スラグを金
属鉄から分離するところに特徴を有している。
【0013】上記の方法を実施するに当たっては、金
属鉄外皮の一部を溶融させることによって、内部の溶融
スラグを金属鉄外皮外へ流出させれば良く、この際、あ
るいは前記の方法を実施するに当たり、金属鉄外皮の
一部もしくは全部を溶融させるには、金属外皮内に存在
する炭素質還元剤による浸炭を進めて当該金属外皮の融
点を降下させれば良い。
【0014】また上記〜の発明を実施するに当たっ
ては、加熱還元工程の最高加熱温度を、生成スラグの融
点以上で且つ生成する金属鉄外皮の融点以下の温度に制
御することによって、金属鉄生成反応をより効率よく進
めることができ、この還元工程では、固相還元により酸
化鉄を低減し、更に液相還元によりFeOを主体とする
酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで還元すれば、得ら
れる金属鉄の品位をより効率よく高めることが可能とな
る。
【0015】そして、固相状態での酸化鉄の還元をうま
く進めるには、還元工程で生成するスラグが、還元によ
って生成する金属鉄よりも低い温度で溶融することが必
要であり、そのためには、成形体中の酸化鉄や炭素質還
元剤等の中に含まれるスラグ生成成分の含有組成を事前
に調整し、生成スラグの融点が還元鉄の融点よりも低く
なる様、成形体の成形工程で必要によりAl23 、S
iO2 、CaOなどを追加調整することが望ましい。
【0016】尚上記先願発明において、「金属鉄外皮内
部に酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進め
る」ことの好ましい定量的基準としては、加熱還元工程
で、「FeOを主体とする酸化鉄の含有率が5重量%以
下、より好ましくは2重量%以下となるまで還元を進め
ること」が好ましく、また別の観点からすると、還元反
応によって生成する金属鉄から分離される生成スラグ中
のFeOを主体とする酸化鉄の含有量が、5重量%以
下、より好ましくは2重量%以下となるまで還元を進め
ることが望ましい。
【0017】そして、この方法によって得られる高純度
の金属鉄および生成スラグは、両者が加熱溶融した状態
で比重差により分離すれば、金属化率で95%程度以
上、更には98%以上といった非常に高純度の金属鉄を
得ることができ、しかもこの先願発明によれば、生成ス
ラグ中の酸化鉄含有量を可及的に少なくすることができ
るので、酸化鉄に起因する処理炉耐火物の溶損も起こら
ず、設備保全の観点からしても極めて実用性の高い技術
として、その実用化が期待される。
【0018】本発明は、上記先願発明の基本的な技術思
想を活用し、これを工業的規模で効率よく実施すること
のできる製造方法および製造設備を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属鉄の製
造方法は、炭素質還元剤が存在する酸化鉄の粒状または
塊状成形体(以下、単に成形体と称することがある)を
加熱還元して金属鉄を製造するに当たり、上記成形体を
水平面上に載置せた状態で加熱還元することにより、金
属鉄外皮を生成且つ成長させて内部に酸化鉄が実質的に
存在しなくなるまで還元を進めると共に内部に生成スラ
グの凝集物を形成させ、これを上記水平面から排出させ
た後、更に加熱して溶融し、次いで溶融スラグと溶融鉄
に分離することを要旨とする。
【0020】成形体内に炭素質還元剤を存在させること
によって、成形体自身の中で還元を進行させ、金属鉄
(外皮)とスラグ(内部)を生成していく。そしてその
後加熱溶融することによって、比重差により金属鉄とス
ラグを分離することができる。
【0021】上記成形体に存在する炭素質還元剤の量と
しては、少なくとも原料酸化鉄の還元に必要な量を存在
させる。そして更に、還元された鉄の浸炭に必要な量の
炭素質還元剤を存在させることが好ましく、これにより
還元鉄(金属鉄)の生成につれて浸炭も行うことができ
る。また、外皮を形成している固体状態(未溶融)の還
元鉄は、ポーラス状であるため再酸化を受け易いが、上
記「原料酸化鉄の還元に必要な量+還元鉄の浸炭に必要
な量」に加えて更に多くの炭素質還元剤を成形体に存在
させておけば、該成形体からCOガスを発生し、このC
Oガスによって成形体周辺が非酸化性雰囲気になるの
で、上記再酸化を防ぐことができる。即ち最も好ましい
炭素質還元剤の量としては、「原料酸化鉄の還元に必要
な量+還元鉄の浸炭に必要な量+酸化損失量」である。
更に本発明においては、上記成形体を水平面上に載置せ
た状態で加熱還元するに当たり、炭素質還元剤を補給し
つつ加熱還元を行うことが好ましい。
【0022】上記では「還元鉄の浸炭に必要な量+酸化
損失量」の炭素質還元剤を予め成形体に存在させておく
ことを提案したが、この様にする以外に、成形体に「原
料酸化鉄の還元に必要な量」のみを含有させ、「還元鉄
の浸炭に必要な量+酸化損失量」の炭素質還元剤を加熱
還元時に外部から補給するようにしても良く、或いは成
形体には「原料酸化鉄の還元に必要な量+還元鉄の浸炭
に必要な量」を含有させ、「酸化損失量」の炭素質還元
剤を加熱還元時に外部から補給するようにしても良い。
この様に必要に応じて不足分を供給すると良い。尚これ
らの場合も「原料酸化鉄の還元に必要な量」の炭素質還
元剤によって、金属外皮と内部のスラグが良好に生成す
ることは言うまでもない。
【0023】また供給する炭素質還元剤として粉体のも
のを用い、この粉体を成形体の表面に付着させる様にす
れば、成形体同士の焼結付着による大塊状化、或いは炉
壁への成形体の焼結付着を防止することができ、取扱い
性が良くなる。
【0024】尚、金属鉄(還元鉄)の溶融の際に、「還
元鉄の浸炭に必要な量」や「酸化損失量」の炭素質還元
剤を補給するようにしても良く、この場合は溶融の際に
浸炭が進行したり、また炭素質還元剤からのCOガスに
よって成形体周辺が非酸化性雰囲気に保たれ、金属鉄の
再酸化が防止できる。
【0025】また本発明に係る金属鉄の製造設備は、上
記製造方法を実現するものであり、炭素質還元剤が存在
する酸化鉄の粒状または塊状成形体を加熱還元して金属
鉄を製造する設備であって、上記成形体を水平面上に載
置せた状態で断続的に搬入する搬入部材と該搬入部材上
の成形体を排出できる排出部材と上記成形体を加熱する
加熱還元機構を備えた加熱還元装置と、上記排出された
成形体を受け入れて更に加熱し、これを加熱溶融する加
熱溶融機構を備えて配設される溶融装置と、該溶融装置
より後方に配設されて溶融スラグと溶融鉄に分離する分
離装置とを備えてなることを要旨とする。本発明の製造
設備を用いれば成形体から溶融鉄を連続して製造するこ
とができる。
【0026】更に本発明においては、上記排出部材が、
前記搬入部材を水平姿勢と傾斜姿勢に交互に変換する傾
動部材であることが好ましい。或いは上記排出部材が、
前記搬入部材上の成形体を押し出す押出部材であること
が好ましい。また上記排出部材が上記の如くの傾動部材
であって且つ押出部材を有することが好ましい。この様
に排出部材に傾動部材や押出部材を採用することによっ
て、加熱還元の際に成形体同士が焼結付着し大塊状化し
ても、成形体を溶融装置に良好に導入することができ
る。
【0027】また本発明において、上記搬入部材上に鉄
製支持材を載置し、該鉄製支持材を成形体と共に排出す
るように構成することが好ましい。この場合においても
加熱還元の際に成形体同士が付着して大塊状化したり、
また成形体が鉄製支持材に付着しても、成形体を溶融装
置に良好に導入することができる。
【0028】加えて本発明においては、上記搬入部材上
に、上記成形体の相互付着を防止する隔離部材を任意ピ
ッチで設けたものであることがより好ましく、該隔離部
材としては耐火物製の板状のもの等が例示される。これ
により成形体同士が焼結して付着し大塊状化することを
防止することができ、取扱い性が良くなる。
【0029】更に前記隔離部材を脱硫剤によって形成し
たものであることがより好ましく、この場合に炉床から
該隔離部材(脱硫剤)が容易に離脱する構成とし、還元
された成形体と共に該脱硫剤を溶融装置に投入すること
により、そのまま溶融装置で脱硫を行うことができる。
この隔離部材としては板状のものや粉体を盛ったもの等
が例示される。
【0030】また粉体の脱硫剤を用い、この粉体を成形
体の表面に付着させる様にしても良く、これにより成形
体同士の焼結付着による大塊状化の防止に加えて、炉壁
への成形体の焼結付着を防止することができ、その上に
上述の様に、還元された成形体と共に脱硫剤が溶融装置
に投入されるから、そのまま溶融装置で脱硫を行うこと
ができる。尚脱硫剤としては、石灰石等が挙げられる。
加えて本発明においては、前記溶融装置が傾斜床を備
え、排出された成形体を転動または滑動せつつ加熱溶融
させるものであることが好ましい。
【0031】この様に傾斜床を備えることにより、成形
体が溶融装置内を円滑に移動し、後方の分離装置に導か
れることになる。また傾斜床を移動する成形体は、傾斜
床の上方から下方に向けて成形体の溶融程度が徐々に上
がることなり、従って溶融程度の異なるものが混在しな
い(傾斜床の位置によってほぼ揃った溶融程度となる)
から、成形体の加熱溶融を効率的に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、本発明にかかる
製造方法および製造設備を、一実施例を示す図面を参照
しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に
限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】図1,2は本発明に係る金属鉄の製造設備
の一実施例を示す図であり、図1は該製造設備の内部を
上方から見た概略上面図で、図2は図1のZ−Z線断面
及びY−Y線断面を併せて表した概略側面図である。
【0034】金属鉄の製造設備は、加熱還元装置23と
溶融装置12と分離装置13を備えており、上記加熱還
元装置23は成形体準備室2,9と加熱還元炉10に分
かれている。上記加熱還元装置23には、成形体4を載
置する台車(搬入部材)7が設けられ、該台車7が成形
体準備室2,9と加熱還元炉10を移動するようになっ
ている。また台車7には傾動部材(図示せず)が設けら
れ、台車7の成形体載置面(炉床)を水平姿勢と傾斜姿
勢に交互に変換できる様になっている。成形体準備室
2,9には供給口17,18が設けられ、成形体4を外
部から挿入する様になっている。加熱還元炉10には還
元用バーナー11(加熱還元機構)が設けられており、
また発生した排ガスを排出するガス排出口21が設けら
れている。
【0035】上記溶融装置12は上記加熱還元炉10の
排出側に設けられており、溶融用バーナー16(加熱溶
融機構)、及びガス排出口22を備えている。また溶融
装置12は傾斜床24が備えられており、成形体4を後
方(分離装置13)側へ導くようになっている。
【0036】該溶融装置12の後方に設けられた分離装
置13は、溶融スラグ54と溶融鉄53が溜まるように
なっており、スラグ出口19と溶融鉄出口20が設けら
れてる。
【0037】次に金属鉄の製造過程について図1,2を
用いて説明する。先ず予め石炭等の炭素質還元剤と鉄鉱
石等の酸化鉄の粉粒体を、例えば小球状に形作って成形
体を作製する。この成形体は「原料酸化鉄の還元に必要
な量+還元鉄の浸炭に必要な量+酸化損失量」の炭素質
還元剤を有しており、成形体の表面には石灰石等の粉末
の脱硫剤が付着されている。
【0038】この成形体4は供給口17から成形体準備
室2に供給されて台車7(水平姿勢)の炉床に載置さ
れ、この成形体4が載置された状態で台車7ごと加熱還
元炉10に移動する。加熱還元炉10内は、最高到達温
度が生成スラグの融点以上で且つ金属鉄外皮の融点以下
になるように、還元用バーナー11によって調整されて
おり、この加熱還元炉10で成形体4が加熱還元され
る。この際台車7は水平姿勢をとっており、この水平面
(炉床)上に載置した状態で成形体4が加熱還元される
こととなる。
【0039】この加熱還元工程では、まず成形体4の外
周側で加熱還元が進行して金属鉄からなる外皮が形成さ
れ、その後、該外皮の内側で炭素質還元剤自体およびそ
の熱分解により生成する一酸化炭素による還元作用によ
って、外皮内における酸化鉄の還元反応が効率よく進行
し、生成する金属鉄は互いに付着し合って集合して外皮
を成長させると共に、生成スラグも互いに融け合って集
合する。即ち還元が進行するに連れて成形体は、金属鉄
外皮を生成且つ成長し、また内部にスラグ凝集物を形成
する。その結果、この加熱還元工程での金属化率は著し
く高まると共に、生成スラグ中の酸化鉄混入量も著しく
少なくなる。
【0040】この還元は成形体4内部に酸化鉄が実質的
に存在しなくなるまで行われる。この様に還元を十分に
行うことによって、スラグ中に混入する酸化鉄の量が低
減できるから、次の溶融装置12で行う成形体4の溶融
の際に、酸化鉄による耐火物(炉壁)の損傷を抑えるこ
とができる。
【0041】前述の様に成形体4は表面に粉末の脱硫剤
が付着しているから、この還元の際に成形体4同士の焼
結付着による大塊状化や炉壁等への成形体4の焼結付着
が防止される。
【0042】また加熱還元炉50内で還元する間に、前
述の様に、成形体4に含有する炭素質還元剤によって生
成還元鉄の浸炭が行われ、また成形体から発生するCO
ガスによってこの成形体周辺が非酸化性雰囲気になり、
生成還元鉄の再酸化が防止される。
【0043】還元が実質的に終了し、成形体4が金属鉄
外皮と内部のスラグ凝集物となった段階で、台車7が傾
動部材によって傾斜姿勢(図2に点線で示す姿勢)をと
る。成形体4は少なくとも外皮が固体状態であり、該成
形体4は上記傾斜した台車7の炉床上を降下して加熱還
元炉10から排出され、溶融装置12に導入される。尚
空になった台車7は成形体準備室2に戻り、再び成形体
4が供給口17から供給される。
【0044】尚、本発明においては加熱還元炉10から
溶融装置12に成形体4を導入するのに当たって台車7
を傾斜させているので、粉末の脱硫剤を成形体4の表面
に付着させない手法を採用して加熱還元を行い、成形体
4が大塊状化した場合であっても、良好に溶融装置12
に導くことができる。
【0045】溶融装置12内は溶融用バーナー16によ
って、生成スラグのみならず金属鉄外皮も溶融できる温
度になっており、導入された成形体4が溶融していく。
この成形体4は傾斜床24上を転動または滑動して後方
側(分離装置13側)に向かいつつ、加熱を受けて溶融
していき、溶融状態となって分離装置13に導入され
る。
【0046】尚、溶融装置12に導入された成形体4に
仮に微量の未還元部分が残っていても(加熱還元炉50
で金属鉄外皮内部に酸化鉄が実質的に存在しなくなるま
で還元を進めるものの、5重量%以下、或いは2重量%
以下の酸化鉄が含まれる場合がある)、溶融の際の加熱
によって還元も進行して還元が完結する。尚この際、溶
融装置12に炭素質還元剤の補給を行っても良い。
【0047】溶融スラグ54と溶融鉄53は比重が異な
ることから、分離装置13においてスラグが上層、溶融
鉄が下層に分離する。この分離したスラグ54のみをス
ラグ出口19から、また溶融鉄53のみを溶融鉄出口2
0から夫々排出する。
【0048】この様にして高度に還元された金属鉄が溶
融鉄として効率良く得られる。この金属化率は95%以
上、更には98%以上といった高いレベルにまで達す
る。しかも、該加熱還元工程で酸化鉄の還元が高度に進
行する結果、副生する溶融スラグ中に混入する酸化鉄の
量も極めて少なくなり、酸化鉄の混入による耐火物の溶
損も可及的に抑えられる。
【0049】尚、分離装置13にバーナー加熱や電気加
熱設備を付設し、これによって溶融スラグ54や溶融鉄
53を更に高温に加熱してそれらの流動性を高めてやれ
ば、スラグと溶融鉄の分離・排出を一層容易にすること
ができるので好ましい。
【0050】ところで加熱還元装置23への成形体4の
導入は供給口18からも行われ、成形体準備室9の台車
7(水平姿勢)の炉床に成形体4が載置され、上記と同
様にして成形体4を載せた状態で台車7が加熱還元炉1
0に移動し、成形体4に加熱還元が施される。この様に
して2つの成形体準備室2,9から交互に成形体4(台
車7)が断続的に加熱還元炉10に導入される。尚一方
の成形体準備室9,2から供給された成形体4を還元す
る間に、他方の成形体準備室2,9に成形体4を供給す
ることにより、成形体4の供給・還元時間を短縮するこ
とができる。
【0051】尚、ガス排出口21,22から排出された
排ガスは、そのまま放出しても良いが、この排ガスは高
温でしかも強い還元力を有しているので、バーナー1
1,16へ供給する燃料ガスとして有効利用しても良
く、また成形体4の乾燥や予熱、または燃料や燃料用空
気の予熱等に利用しても良い。
【0052】図1,2に示す製造設備の例では、加熱還
元装置23の排出部材として傾動部材を設け、台車7
(搬入部材)を水平姿勢から傾斜姿勢に変換すること
で、成形体4を加熱還元装置23から排出して溶融装置
12に導入するようにしたが、排出部材はこれに限るも
のではなく、例えば押出部材を設け、これにより台車7
上の成形体4を加熱還元装置23から押し出すようにし
ても良い。また、台車7上に鉄製支持材を載せ、この上
に成形体4を載置するようにし、鉄製支持材ごと成形体
4を加熱還元装置23から排出するようにしても良い。
この様な押出部材による排出や、鉄製支持材ごと排出す
る手法を採用すれば、成形体4が大塊状化した場合であ
っても、成形体4を溶融装置12に良好に導くことがで
きる。
【0053】尚本発明を実施するに当たっては、固相状
態での酸化鉄の還元をうまく進めるため、前述の如く、
加熱還元工程で生成するスラグが、還元によって生成す
る金属鉄よりも低い温度で溶融することが必要であり、
そのためには、成形体中のスラグ生成成分(酸化鉄源と
して一般的に用いられる鉄鉱石や炭素質還元剤中に混入
してくる脈石成分)の組成を事前に調整し、生成スラグ
の融点が還元鉄やその浸炭物の融点よりも低くなる様に
制御することが必要となる。従って、上記脈石成分の組
成によっては、成形体の成形工程で必要によりAl2
3 やSiO2 、CaO等を補給し、溶融温度の低いスラ
グを生成させることが望ましい。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、先
願発明で提案した新しい金属鉄の製造技術を、実用規模
で効率よく実現可能とし、鉄含有量の高い原料酸化鉄は
もとより鉄含有量の低い鉄鉱石等の鉄源からでも、金属
化率で95%以上、更には98%以上といった極めて高
純度の金属鉄を、生産性良く極めて短時間で製造するこ
とができる。また、この方法および設備を使用すれば、
加熱還元工程で副生するスラグに酸化鉄が混入する量も
著しく低減するから、加熱還元装置や溶融装置,分離装
置等の内張り耐火物への、溶融酸化鉄による溶損も可及
的に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属鉄の製造設備の一例を上方か
ら見た概略上面図。
【図2】図1のZ−Z線断面及びY−Y線断面を併せて
表した概略側面図。
【符号の説明】
2,9 成形体準備室 4 成形体 10 加熱還元炉 11 還元用バーナー 12 溶融装置 13 分離装置 16 溶融用バーナー 17,18 供給口 19 スラグ出口 20 溶融鉄出口 21,22 ガス排出口 23 加熱還元装置 53 溶融鉄 54 溶融スラグ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質還元剤が存在する酸化鉄の粒状ま
    たは塊状成形体を加熱還元して金属鉄を製造するに当た
    り、上記成形体を水平面上に載置せた状態で加熱還元す
    ることにより、金属鉄外皮を生成且つ成長させて内部に
    酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで還元を進めると共
    に内部に生成スラグの凝集物を形成させ、これを上記水
    平面から排出させた後、更に加熱して溶融し、次いで溶
    融スラグと溶融鉄に分離することを特徴とする金属鉄の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記成形体を水平面上に載置せた状態で
    加熱還元するに当たり、炭素質還元剤を補給しつつ加熱
    還元を行う請求項1に記載の金属鉄の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素質還元剤が存在する酸化鉄の粒状ま
    たは塊状成形体を加熱還元して金属鉄を製造する設備に
    おいて、 上記成形体を水平面上に載置させた状態で断続的に搬入
    する搬入部材と該搬入部材上の成形体を排出できる排出
    部材と上記成形体を加熱する加熱還元機構を備えた加熱
    還元装置と、 上記排出された成形体を受け入れて更に加熱し、これを
    加熱溶融する加熱溶融機構を備えて配設される溶融装置
    と、 該溶融装置より後方に配設されて溶融スラグと溶融鉄に
    分離する分離装置とを備えてなることを特徴とする金属
    鉄の製造設備。
  4. 【請求項4】 上記排出部材が、前記搬入部材を水平姿
    勢と傾斜姿勢に交互に変換する傾動部材である請求項3
    に記載の金属鉄の製造設備。
  5. 【請求項5】 上記排出部材が、前記搬入部材上の成形
    体を押し出す押出部材である請求項3または4に記載の
    金属鉄の製造設備。
  6. 【請求項6】 上記搬入部材上に鉄製支持材を載置し、
    該鉄製支持材を成形体と共に排出するように構成した請
    求項3〜5のいずれかに記載の金属鉄の製造設備。
  7. 【請求項7】 上記搬入部材上には、上記成形体の相互
    付着を防止する隔離部材を任意ピッチで設けたものであ
    る請求項3〜6のいずれかに記載の金属鉄の製造設備。
  8. 【請求項8】 前記隔離部材を脱硫剤によって形成した
    ものである請求項7に記載の金属鉄の製造設備。
  9. 【請求項9】 前記溶融装置は、傾斜床を備え、排出さ
    れた成形体を転動または滑動させつつ加熱溶融させるも
    のである請求項3〜8のいずれかに記載の金属鉄の製造
    設備。
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JP2021031705A (ja) * 2019-08-20 2021-03-01 住友金属鉱山株式会社 酸化鉱石の製錬方法

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