JPH10102192A - 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法 - Google Patents

溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10102192A
JPH10102192A JP25992596A JP25992596A JPH10102192A JP H10102192 A JPH10102192 A JP H10102192A JP 25992596 A JP25992596 A JP 25992596A JP 25992596 A JP25992596 A JP 25992596A JP H10102192 A JPH10102192 A JP H10102192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel
weldability
hot
dip galvanizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25992596A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimichi Omori
俊道 大森
Hisafumi Maeda
尚史 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP25992596A priority Critical patent/JPH10102192A/ja
Publication of JPH10102192A publication Critical patent/JPH10102192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接性に優れ、かつ焼戻しを施し強度レベルを
70〜80キロ級に調質した溶接性と耐溶融亜鉛メッキ
割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法を提供
する 【解決手段】重量%で、C:0.06-0.12%、Si:0.1-0.25%、
Mn:0.8-1.6% 、Nb:0.008-0.05%、V:0.02-0.1% 、Ti:0.0
08-0.015% で、N:(0.0005+Ti/3.4) 以上0.01% 以下、B:
0.00016%未満を含み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+
Cr/20+Mo/15+V/10+5B が0.21%以下で、かつ、Ceq=C+Mn
/6+Si/24+ Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14とB含有量で定義され
る、Z=Ceq+600×Bの値が0.40以下である溶接性と耐溶
融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接性と耐溶融亜
鉛メッキ割れ性に優れた70〜80キロ級以上の強度を
有する調質型高張力鋼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐候性、耐食性を付与するため送電鉄塔
や橋梁に用いる鋼材に亜鉛メッキを施すと、いわゆる溶
融金属脆化による割れを発生することがある。この現象
は亜鉛メッキ割れと呼ばれ構造物の安全性を大きく損な
う。これまでの知見から、亜鉛メッキ割れは、溶融亜鉛
メッキ浴に浸した際、引張応力の存在した部位に発生す
ることがわかっており、従って割れが懸念される部位と
して曲げ加工などにより変形を受けた部位、高力ボルト
接合のための穴開け部や溶接接合部が挙げられる。特に
溶接接合部は、溶接熱サイクルによる熱歪に加えて材質
的にもメッキ割れを起こしやすくこの問題は深刻であ
る。そこで、溶接部の亜鉛メッキ割れが懸念される場合
は、高力ボルト接合により構造物を作製するが、上述の
ようにボルト穴加工部の亜鉛メッキ割れが次の懸念事項
として上がってくる。
【0003】これらを防止するため、従来より溶接熱影
響部や母材の耐亜鉛メッキ割れ性向上については数多く
の検討がなされ、鉄塔用鋼材を対象とした新HT60開発
委貫会が組織されるまでに至り基本的な解決手段が示さ
れたが現状の技術ではその適用強度レベルは60キロ級
に留まる。
【0004】その一方で、山間部を中心に設置される大
型送電鉄塔は、資材運搬に費やす費用が膨大となるため
軽量化を図るべく更なる高強度化が求められるが80キ
ロ級鋼材では高力ボルト接合のための穴開け部ですら亜
鉛メッキ割れを防止するのが難しく、更に溶接接合部で
亜鉛メッキ割れを防止することは極めて困難とされてき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の下、
特公平7-57883 号が80キロ級高張力鋼を対象に直接焼
入プロセスと亜鉛メッキ時の焼き戻しを組み含わせた技
術として開示されている。しかし、この技術では、最大
0.2%に達するCの含有から容易に類推されるように
溶接性が良好とはいえず、溶接施工に際して低温割れを
防止するため予熱を必要とする。また、強度が100キ
ロを越える焼き入れままの状態で、部材の加工に供され
るため、ガス切断による低温割れや加工が困難などの問
題に加え、焼入時に鋼板に導入された残留応力がボルト
穴加工部に集中し亜鉛メッキ割れを起こすことが懸念さ
れる。
【0006】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、溶接性に優れ、かつ焼戻しを施し焼入時の残留応力
を除去することで母材の亜鉛メッキ割れをボルト穴加工
部のように応力集中部においても防止し、さらに耐溶融
亜鉛メッキ割れにも優れた70〜80キロ級の調質型鋼
材とその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の調質型80キロ級
鋼は、母材強度を確保するため Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr
/5十Mo/4+V/14 で定義される炭素等量がおおむね0.45%を越える高
合金成分にて提供されている。その結果、Pcm=C+
Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+C
r/20+Mo/15+V/10+5Bで定義される溶
接割れ感受性指数は0.22%を越え、溶接時には通常
少なくとも50℃以上の予熱を必要としている。また溶
接熱影響部のミクロ組織は亜鉛メッキ割れ感受性の高い
焼き人れ組織になるため、溶接構造物の亜鉛メッキは不
可能とされている。
【0008】溶接性を改善する手段は、Pcm=C+S
i/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr
/20+Mo/15+V/10+5Bで定義されるPc
mを低減することで達成できる。しかし、低Pcm化を
図るためにCを低減することは、80キロ級鋼としての
母材強度を確保するため、更なるMn.Cu.NiやM
o等の合金元素添加が必要になり、これはコスト高を招
くばかりかより溶接熱影響部のミクロ組織を焼き入れ組
織化する方向に作用し、亜鉛メッキ割れは発生しやすく
なる。
【0009】母材の耐亜鉛メッキ割れ性を確保するため
には、母材のミクロ組織をフェライト−パーライト組織
のような不均質な組織ではなくベイナイトのように均質
な組織にしておくことが重要である。本発明が対象とす
る調質型70〜80キロ級鋼材では、ミクロ組織の均一
化は強度の確保の観点から必然的に達成できる。しかし
これのみでは不十分で、先述のように、焼入時に導入さ
れる歪み(残留応力)がボルト穴加工部に集中すると母
材部ですら亜鉛メッキ割れを発生することがある。
【0010】以上から、耐亜鉛メッキ割れ性を有する溶
接熱影響部性能と70〜80キロ級鋼としての強度を優
れた溶接性を確保しつつ如何に両立させるかが課題であ
るといえる。
【0011】本発明は、以下の知見を複合的に駆使する
ことでCeq値、Pcm値が低く、母材及び熱影響部の
耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた70〜80キロ級鋼材
およびその製造方法を提供できることを見いだしたもの
である。
【0012】(1) 直接焼き入れ焼き戻しブロセスの適用
を前提に、Nb,Vを複合的に添加することで飛躍的に
焼き戻しによる軟化を抑制できる。
【0013】(2) その結果、従来より低いCeq値の調
質型鋼材でも70〜80キロ級の強度を確保できる。た
だし、そのためには直接焼入時の冷却速度は少なくとも
肉厚の中心で25℃/秒以上確保しなくてはならない。
【0014】(3) (1) 、(2) による鋼材で焼戻し温度を
500℃以上とすることにより、ボルト穴加工部に亜鉛
メッキ割れを発生させないための残留応力除去が可能と
なる。
【0015】(4) 溶接性を確保する手段として、低C化
による高合金化は避けるべきであり、むしろ溶接性が確
保される範囲でCを添加し低合金化を図ることが溶接熱
影響部の耐亜鉛メッキ割れ感受性確保に有効であること
を見いだした。具体的にMn,Cu,Ni,Cr,Mo
などの合金元素の添加上限値を溶接熱影響部の耐亜鉛メ
ッキ割れ性確保の観点から見いだした。
【0016】(5) Tiを積極的に添加することで溶接熱
影響部の耐亜鉛メッキ割れ性を改善できる。また、必要
によりCaやREMを添加することによりさらに溶接熱
影響部の耐亜鉛メッキ割れ性を改善できる。ただし、N
b,Vを複合添加する目的であるこれらの炭窒化物の生
成に必要なNを確保するため、意図的にNを含有させな
ければならない。
【0017】即ち、本発明は、(1)重量%で、C:
0.06〜0.12%、Si:0.1〜0.25%、M
n:0.8〜1.6%、Nb:0.008〜0.05
%、V:0.02〜0.1%、Ti:0.008〜0.
015%で、N:(0.0005+Ti/3.4)以上
0.01%以下、B:0.00016%未満を含み、P
cm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが
0.21%以下であり、かつ、Ceq=C+Mn/6+
Si/24+Ni/40+Cr/5十Mo/4+V/1
4とB含有量で定義される、Z=Ceq+600×Bの
値が0.40以下である溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ
性に優れた調質型高張力鋼、(2)鋼は、さらにCu:
0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以
下、Mo:0.05%以下、Ca:0.004%以下、
Zr:0.001%以下、REM:0.001%以下の
ー種以上を含む(1)に記載の溶接性と耐溶融亜鉛メッ
キ割れ性に優れた調質型高張力鋼、(3)、重量%で、
C:0.06〜0.12%、Si:0.1〜0.25
%、Mn:0.8〜1.6%、Nb:0.008〜0.
05%、V:0.02〜0.1%、Ti:0.008〜
0.015%で、N:(0.0005+Ti/3.4)
以上0.01%以下、B:0.00016%未満を含
み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20
+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5
Bが0.21%以下であり、かつ、Ceq=C+Mn/
6+Si/24+Ni/40+Cr/5十Mo/4+V
/14とB含有量で定義される、Z=Ceq+600×
Bの値が0.40以下である鋼片を1000〜1250
℃に加熱し、熱間圧延後Ar3変態温度以上の温度から
板厚の中心部が25℃/秒以上の冷却速度で常温まで冷
却し、その後500℃以上Acl変態温度以下の温度で
焼き戻しを施すことを特徴とする溶接性と耐溶融亜鉛メ
ッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼の製造方法 (4)鋼は、さらにCu:0.5%以下、Ni:0.5
%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.05%以下、
Ca:0.004%以下、Zr:0.001%以下、R
EM:0.001%以下のー種以上を含む(3)に記載
の溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張
力鋼の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
C Cは、母材の強度を合金元素の多量添加に頼らず確保す
るため0.06%以上好ましくは0.08%添加する。
しかし、0.12%以上添加すると、溶接性や溶接熱影
響部の耐亜鉛メッキ割れ性を損なう。
【0019】Si Siは、溶製時の脱酸に寄与するほか、母材の強度を高
める働きがあるため添加する。しかし、0.1%以下ま
たは0.25%を越えると亜鉛メッキによりいわゆるメ
ッキ焼けを発生しやすくなるため0.1%以上添加し、
上限を0.25%、好ましくは0.2%とする。
【0020】Mn Mnは、母材の強度を確保するため0.8%以上添加す
る。しかし、1.6%以上の添加は、溶接熱影響部の耐
亜鉛メッキ割れ性と溶接性を損なうため上限を1.6
%、好ましくは1.5%とする。
【0021】Nb,V Nb,Vは、焼き戻しに際してこれらの炭窒化物を析出
させ軟化を抑制するために添加する。低Ceq化を図っ
た鋼材を熱間圧延後高冷速にて直接焼き入れする本発明
では、この焼き戻し軟化抑制効果は極めて重要であり、
Nb:0.008%以上、V:0.02%以上を複合し
て添加しなければならない。しかし、必要以上の添加は
母材と溶接継手の靭性を劣化させ、また溶接性を損なう
傾向もあることから、Nb:0.05%以下好ましくは
0.035%以下、V:0.1%以下好ましくは0.0
6%以下の範囲で複合して添加する。
【0022】尚、Nbの析出硬化作用は、熱間圧延時の
加熱段階にて固溶したNbによりもたらされる。本発明
で採用される加熱温度とC,N含有量の上限から導かれ
る固溶し得るNb量はおおむね0.05%である。他
方、Vの炭窒化物の固溶温度はNbと比べて低く、上記
の範囲を超えて添加しても全量が固溶する。しかし、V
の析出硬化による寄与は0.06%以上では小さく、ま
たコスト高につながる。すなわち、溶接性、母材と溶接
継手の靱性への悪影響を最小限にとどめて有効に焼戻し
時の軟化を抑制する方法としてNb,Vを複合して添加
する必要がある。
【0023】Ti TiはNと窒化物を形成し、溶接熱影響部の焼入性を低
下させることを通じて耐溶融亜鉛メッキ割れ性を向上さ
せるので、0.008%以上添加する。ただし、過剰な
Nb,Vが炭窒化物を生成する際必要なNを減少させる
方向に働き、また母材や溶接部の靱性を劣化させるため
上限を0.015%とする。
【0024】N Nは不純物として含有するが、上記のNb,Vと炭窒化
物を生成する際不可欠な元素である。またAlと窒化物
を生成し細粒化に寄与する。さらにTiと窒化物を形成
し、溶接熱影響部の焼入性を低下させることを通じて耐
亜鉛メッキ割れ性を向上させるので、0.0005+T
i/3.4以上好ましくは0.001+Ti/3.4以
上含有させる。ただし、過剰なNは母材と溶接部の靭性
を低下させるので、上限を0.01%、好ましくは0.
008%に留める。
【0025】B Bは溶接熱影響部の耐亜鉛メッキ割れ性を著しく劣化さ
せるため不純物としてその上限を0.00016%未満
に規制する。
【0026】Cu、Ni、Cr、Mo Cu、Ni、Cr、Moは、母材の焼き入れ性を確保す
るため補助的に添加する。しかし、溶接熱影響部の耐亜
鉛メッキ割れ性を損なうため、Cu、Ni、Crの上限
はO.5%とし、Moについては0.05%に留める。特
に溶接部の耐亜鉛メッキ割れ性を確保する場合はMoの
含有量の上限を好ましくは0.1%、更に好ましくは
0.05%に抑える。
【0027】Ca,Zr,REM Ca,Zr,REMは、Tiとの複合添加においてTi
系複合析出物を生成し溶接熱影響部の焼き入れ性を低減
し、耐亜鉛メッキ割れ性を向上させるので必要により添
加する。しかし、過剰な添加は母材や溶接継手部の靱性
を低下させるので、上限をCaについては0.004
%、好ましくは0.003%、ZrREMについては
0.001%とする。
【0028】P,S P,Sは、いずれも不純物元素である。健全な母材およ
び溶接継手を得るためにはいずれも0.015%以下好
ましくは0.01%以下に規制されることが望ましい。
また、特にCa,Zr,REMを添加する場合は、母材
の靱性を損なうクラスター状介在物の生成を抑制するた
め、Sの上限を0.005%以下に規制することが望ま
しい。
【0029】Al Alは鋼の脱酸のために添加され、通常0.005%以
上は含有する。また、ミクロ組織の微細化による母材靱
性の確保のために0.01%添加する。しかし、過度の
添加は、錆造時に発生する傷の原因になることがあるた
め0.05%以下に抑える。
【0030】Pcm Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bで
定義される溶接性を表す指標である。板厚が25mm以
下の厚板の場合、Pcm値を0.21%以下に制限する
ことで予熱を施す必要のない溶接性に優れた性能を確保
できる。
【0031】Z Z=Ceq+600×Bで定義される溶接熱影響部の耐
亜鉛メッキ割れ性を表す指標である。
【0032】(ただし Ceq=C+Mn/6+Si/
24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14) Z値を0.40%以下に規制することで、60キロ級鋼
を対象に検討された溶接熱影響部の耐亜鉛メツキ割れ性
試験(鉄と鋼Vol.79(1993).No.9)で
得られるSLM−400値をおおむね50%以上に確保
できる。
【0033】なお、送電鉄塔用60キロ級鋼に要求され
るSLM−400値は42%以上であるが、本発明が対
象とする強度レベルは70〜80キロ級と高いため、溶
接部の残留応力は60キロ級鋼の場合より高い場合があ
り得る。そこで、本発明では、溶接熱影響部の耐亜鉛メ
ッキ割れ性に必要なSLM−400値を50%以上に設
定した。
【0034】製造条件 加熱温度は、Nbの固溶を促すため1000℃以上とす
る。しかし、極端な高温加熱は、結晶組織の粗大化をも
たらし母材の靭性を損なうことから上限を1250℃と
する。
【0035】熱間圧延は通常の方法によって差し支えな
い。ただし、母材の靭性及び耐亜鉛メッキ割れ性をより
改善するため圧下率が10%以上のバスを少なくとも1
パス、または複数パス以上含むことが好ましい。
【0036】圧延終了後Ar3変態温度以上の温度から
焼入を施す。焼入時の冷却速度は、本発明で規定したZ
値を満たす鋼材で焼戻し後に70〜80キロ級の強度を
確保するために肉厚の中央部にて少なくとも25℃/秒
以上でなければならない。
【0037】焼き戻しは、母材靱性及び母材の耐溶融亜
鉛メッキ性を改善するため、焼き入れ時の残留応力除去
を目的に実施する。470℃程度まで加熱される溶融亜
鉛メッキにて材質変化を起こさせないため、500℃以
上Acl変態点以下とする。
【0038】以上の製造条件で仕上げ板厚25mm以下
とした場合、本発明鋼は、70〜80キロ級の強度と母
材及び溶接部で優れた耐溶融亜鉛メッキ割れ性を示す。
【0039】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を溶製し鋼塊とし、
表2に示した条件で鋼板を製造した。それぞれの鋼板よ
り所定の試験片を採取し、母材の強度と靭性、およびS
LM測定引張試験(鉄と鋼 VOl.79(199
3),No.9)により溶接熱影響部の耐亜鉛メッキ割
れ性の指標となるSLM−400を求めた。また、JI
SZ3158に基づくy型溶接割れ試験を一般の80キ
ロ級鋼用SMAW超低水素タイプの溶接棒を用いて、雰
囲気温度20℃、雰囲気湿度60%、予熱25℃の条件
にて実施し、溶接性を評価した。また、鋼板にボルト穴
加工を施し実際に溶融亜鉛メッキを施し、割れ発生の有
無を調査した。
【0040】実施例No.1,2は、鋼番Aによる比較
例(Nb,Vが本発明の範囲より少ない)と、鋼番Bに
よる本発明例である。いずれもPcm値は0.17%と
低く、溶接性は良好である。また、Z値(=Ceq+6
00×B)は0.40以下であり、溶接熱影響部の耐亜
鉛メッキ割れ性を示すSLM−400実測値は良好であ
る。しかし、実施例No.1(比較方法)は、Nb.V
を本発明の範囲添加しなかったため、板厚15mmの鋼
板を直接焼き入れする際、板厚中心部の冷却速度は約5
0℃/秒に達していたにも拘わらず70〜80キロ級鋼
としての強度が得られない。
【0041】実施例No.3は、鋼番Cを用いた実施例
で、No.4,5は鋼番Cを用いた比較例である。本発
明例である実施例No.3と同じ板厚20mmの鋼板に
焼戻しを施さない実施例No.4では、母材のボルト穴
加工部に割れを生じた。また、再加熱焼入・焼戻プロセ
スにより製造した実施例No.5では目的とする80キ
ロ級鋼としての強度が得られない。
【0042】実施例No.6は、板厚25mmの鋼板D
を製造した本発明例で、No.7は板厚25mmの鋼板
Eを製造した比較例(Z値が本発明の範囲を越える)で
ある。No.7は、本発明の化学成分を逸脱して、低C
化により溶接性を確保しようとしたため、Pcm値は
0.15%と低く本発明の範囲内であるが、Z値が0.
40%を越えている。このため母材の耐亜鉛メッキ割れ
性は良好であるが、SLM−400実測値は36%と低
い。
【0043】実施例No.8は鋼板Fによる本発明例で
ある。母材特性、溶接性、母材の耐亜鉛メッキ割れ性及
び溶接熱影響部の耐亜鉛メッキ割れ性(SLM−400
実測値)いずれにも優れた調質型80キロ級鋼として良
好な性能を確認した。
【0044】実施例No.9は鋼番CにCaを添加した
鋼番Gによる本発明例である。母材特性、溶接性、母材
の耐亜鉛メッキ割れ性は良好であり、SLM−400実
測値は鋼番Cによる実施例No.3を上回る良好な耐亜
鉛メッキ割れ性を確認した。
【0045】実施例No.10は、成分組成、製造条件
共に本発明範囲内にあり、優れた特性が得られている。
【0046】実施例No.11は、焼戻し温度が低く、
母材亜鉛メッキ割れ試験で割れが発生している。
【0047】なお、以上の実施例において、直接焼き入
れ時の冷却速度は、冷却媒体として水を用いた結果とし
て、板厚15mmのとき約50℃/秒、板厚20mmの
とき約40℃/秒、板厚25mmのとき約30℃/秒で
あり、いずれも本発明の要件である25℃/秒以上を満
たす。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、Nb,Vを複合的に添
加して焼き戻しによる軟化を抑制し、直接焼入時の冷却
速度は少なくとも肉厚の中心で25℃/秒以上確保し、
その結果、従来より低いCeq値の調質型鋼材でも70
〜80キロ級の強度を確保できる。その結果、溶接性と
耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた70〜80キロ級以上
の強度を有する調質型高張力鋼及びその製造方法を提供
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.06〜0.12%、
    Si:0.1〜0.25%、Mn:0.8〜1.6%、
    Nb:0.008〜0.05%、V:0.02〜0.1
    %、Ti:0.008〜0.015%で、N:(0.0
    005+Ti/3.4)以上0.01%以下、B:0.
    00016%未満を含み、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
    i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが
    0.21%以下であり、かつ、 Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr
    /5十Mo/4+V/14とB含有量で定義される、 Z=Ceq+600×Bの値が0.40以下であること
    を特徴とする溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた
    調質型高張力鋼。
  2. 【請求項2】 鋼は、さらにCu:0.5%以下、N
    i:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.0
    5%以下、Ca:0.004%以下、Zr:0.001
    %以下、REM:0.001%以下のー種以上を含む請
    求項1に記載の溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れ
    た調質型高張力鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.06〜0.12%、
    Si:0.1〜0.25%、Mn:0.8〜1.6%、
    Nb:0.008〜0.05%、V:0.02〜0.1
    %、Ti:0.008〜0.015%で、N:(0.0
    005+Ti/3.4)以上0.01%以下、B:0.
    00016%未満を含み、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
    i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが
    0.21%以下であり、かつ、 Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr
    /5十Mo/4+V/14とB含有量で定義される、 Z=Ceq+600×Bの値が0.40以下である鋼片
    を1000〜1250℃に加熱し、熱間圧延後Ar3変
    態温度以上の温度から板厚の中心部が25℃/秒以上の
    冷却速度で常温まで冷却し、その後500℃以上Acl
    変態温度以下の温度で焼き戻しを施すことを特徴とする
    溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力
    鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼は、さらにCu:0.5%以下、N
    i:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.0
    5%以下、Ca:0.004%以下、Zr:0.001
    %以下、REM:0.001%以下のー種以上を含む請
    求項3に記載の溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れ
    た調質型高張力鋼の製造方法。
JP25992596A 1996-09-30 1996-09-30 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法 Pending JPH10102192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25992596A JPH10102192A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25992596A JPH10102192A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10102192A true JPH10102192A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17340842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25992596A Pending JPH10102192A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10102192A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113355605A (zh) * 2021-06-03 2021-09-07 南京钢铁股份有限公司 一种低焊接裂纹敏感性n550cf钢板及其低成本制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113355605A (zh) * 2021-06-03 2021-09-07 南京钢铁股份有限公司 一种低焊接裂纹敏感性n550cf钢板及其低成本制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110318006B (zh) 一种冷轧耐候钢及其制备方法
JP4897125B2 (ja) 高強度鋼板とその製造方法
JP5412746B2 (ja) 溶接性と伸びフランジ性の良好な高強度鋼板
JP4325998B2 (ja) スポット溶接性及び材質安定性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板
JP4586449B2 (ja) 曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板およびその製造方法
CN117363981B (zh) 一种560MPa级海洋工程用高强耐蚀钢板及其生产方法
JP4207334B2 (ja) 溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
CN119663109B (zh) 一种极寒海洋环境工程用钢及其生产方法
JP5194572B2 (ja) 耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法
JP2003231941A (ja) 溶接後の成形性に優れ、溶接熱影響部の軟化しにくい引張強さが780MPa以上の高強度熱延鋼板、高強度冷延鋼板および高強度表面処理鋼板
CN100529139C (zh) 焊接性和气割性优良的高强度耐火钢及其制造方法
JP4265152B2 (ja) 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法
WO2006022053A1 (ja) 溶接性および靭性に優れた引張り強さ550MPa級以上の高張力鋼材およびその製造方法
CN114480949A (zh) 一种690MPa级低屈强比耐候焊接结构钢、钢板及其制造方法
JP3336875B2 (ja) 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法
CN117286412A (zh) 低屈强比免涂装370MPa级耐海洋大气腐蚀特厚钢板及制造方法
JPH10102195A (ja) 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法
JPH10102193A (ja) 溶接性と耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた調質型高張力鋼及びその製造方法
JP3895002B2 (ja) 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた非調質高張力鋼
JPH08176731A (ja) 高張力鋼及びその製造方法
JPH07242991A (ja) 溶接性に優れた高靱性クロムモリブデン鋼板
JPH0885823A (ja) 溶融亜鉛めっき構造用耐火鋼材の製造方法
JP3474954B2 (ja) 高張力鋼及びその製造方法
JP2001152296A (ja) 加工性および溶接性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼板
KR100340543B1 (ko) 내수소유기응력부식균열성및굴곡가공성이우수한페라이트열연강판의제조방법