JPH1010318A - 光学異方体および液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体および液晶表示装置

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JPH1010318A
JPH1010318A JP8164382A JP16438296A JPH1010318A JP H1010318 A JPH1010318 A JP H1010318A JP 8164382 A JP8164382 A JP 8164382A JP 16438296 A JP16438296 A JP 16438296A JP H1010318 A JPH1010318 A JP H1010318A
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JP
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ridge
optically anisotropic
liquid crystal
line
compound
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JP8164382A
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English (en)
Inventor
Michitaka Morikawa
通孝 森川
Toshihiro Onishi
敏博 大西
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便な方法で所望の配向構造が得られる、優れ
た光学補償性能を有する光学異方体フィルムおよびこれ
を用いた視野角特性の優れた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】表面に畝状の凹凸を有する基材と光学異方
性化合物を含む層とを有する光学異方体において、該畝
状の凹凸は、凹部の谷線2と凸部の稜線1がほぼ平行か
つ周期的に形成されてなり、その周期の平均値が200
μm以下0.5μm以上であり、該畝状の凹凸の谷線2
と凸部の稜線1の高低差の平均値が畝状の凹凸の周期の
平均値の5倍以下0.3倍以上であり、かつ凸部の稜線
1に垂直な面で切った場合に該畝状の凹凸の断面の形状
は直線および/または曲線の組み合わせで結ばれた形状
であり、稜線1とその両側の谷線2との距離が基材面に
投影された場合に片方の投影線が他方の投影線の2倍以
上であり、該畝状の凹凸を有する基材上に直接ないしは
1層以上の中間層を介して光学異方性化合物層が形成さ
れてなる光学異方体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツイストネマチッ
ク(以下、TNと記すことがある。)型液晶表示素子や
薄膜トランジスタ(以下、TFTと記すことがある。)
型液晶表示素子やスーパーツイストネマチック(以下、
STNと記すことがある。)型液晶表示素子などに用い
られる光学異方体フィルムおよび該光学異方体フィルム
を用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TN型、STN型またはTFT−TN型
液晶表示素子は、軽い、薄い、安価である等の長所を持
つため、広く平面ディスプレイとして利用されている。
しかし、他の発光型平面ディスプレイやブラウン管など
に比べると視野角が狭いために利用の拡大に限界があっ
た。液晶表示装置の液晶セル中で電圧を印加していない
状態では、液晶分子はねじれ配向しており、電圧を印加
すると基板界面では傾斜配向し、セル内部になるほど液
晶分子は垂直に配向すると言われている。STN型液晶
表示装置では、液晶セルが示す複屈折を打ち消すため
に、一軸配向性を有する高分子フィルムなどが一般に共
に用いられている。しかし、液晶分子の一部が基板に垂
直であり、残部が基板に対して傾斜していることに由来
する複屈折性は、STN型も含めすべてのツイスト型液
晶表示装置で視野角を狭くする原因となっている。これ
らの短所は、STN型では垂直方向にも光学異方性を有
する光学異方体を用いることや、TN型では面内と垂直
方向で光学異方性を変化させることによりかなり改良さ
れている。しかし、駆動状態の液晶セル内の液晶分子
は、垂直に配向した状態以外に、傾斜配向した成分を有
することが知られているため、基板法線に対して平行ま
たは垂直に分子軸を持った補償フィルムでは、斜め方向
から見た場合に関して液晶の屈折率異方性を完全に補償
できないため、視野角特性についてはいまだ満足できる
レベルに達していない。
【0003】この傾斜した液晶の複屈折を補償するため
に、光学軸がフィルム面から傾斜した光学異方体を用い
て、液晶表示装置の視野角特性を改良することが試みら
れた。例えば、特開平3−276123号公報には、液
晶セル中に液晶分子または主鎖型の高分子液晶を傾斜配
向させ、最大屈折率方向が基板から傾斜した複屈折層が
例示されている。また、特開平3−276124号公報
には、液晶セルの両面に斜方蒸着を施し、液晶分子の長
軸方向が厚み方向に分布を持つ複屈折層が例示されてい
る。また、特開平4−346312号広報には、ねじれ
回転数の低いコレステリック液晶を用いて傾斜配向成分
を補償し、TFT型およびSTN型液晶表示素子の視野
角特性を改良したことが例示されている。また、特開平
5−157913号公報には、高分子フィルムの延伸方
法を工夫してフィルム面内から傾斜した光学軸を持た
せ、STN型液晶表示素子の視野角特性を改良したこと
が例示されている。また、特開平6−75116号公報
には、光学軸がフィルム法線方向から傾斜した高分子フ
ィルムを用いて液晶表示装置の視野角特性を改善したこ
とが例示されている。また、特開平6−250166号
公報には、コレステリック液晶の入った液晶セルに電場
を印加することにより、コレステリック液晶を傾斜配向
させた液晶素子を用いて、液晶表示装置の視野角特性を
改善したことが例示されている。
【0004】次に、Society for Information Display
International Symposium Digest of Technical Papers
(1993)第277頁には、光学軸がフィルム法線方
向から傾斜した光学異方体2つとフィルム面内に光学軸
を有する光学異方体とを使うことによって、TN型液晶
表示装置の視野角特性を原理的に向上させることが可能
であることが報告されている。
【0005】液晶分子の配向を制御する方法について
は、表示用セル中での液晶分子の配向が表示品質に大き
く影響するために多くの試みが報告されており、低分子
液晶の場合は配向膜を使って配向を制御する方法が一般
的である。配向膜としては、例えば水平配向を得るため
にポリイミドなどの高分子膜を基板上に設け、表面を布
などで擦ったのち低分子液晶を配向させる方法や、基板
にSiO2 、SiO、MgO、MgF2 などの無機物を
斜め蒸着し、傾斜配向膜に使う方法、延伸した高分子フ
ィルムを使う方法などが知られている(液晶の基礎と応
用、97〜100ページ、工業調査会、1991年)。
【0006】また、低分子液晶の傾斜配向を得るための
方法としては、ポリイミドなどの有機配向膜や、SiO
2 、SiO、MgO、MgF2 などの無機物の斜方蒸着
が知られている。これらの配向膜は、液晶ディスプレイ
素子中の液晶分子の配向を均一にさせ、プレチルトを与
える機能を有し、従来よりも改良された表示画質を実現
している。
【0007】しかし、これらの方法では、駆動時の液晶
セル内における液晶に対する補償に必要な配向構造を容
易に得ることは難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
な方法で所望の配向構造が得られる、優れた光学補償性
能を有する光学異方体フィルムおよびこれを用いた視野
角特性の優れた液晶表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の形状の畝
状の凹凸が規則的に形成された基材上に光学異方性化合
物を含む膜を形成することにより、所望の配向構造を持
った光学異方体を容易に得ることができることを見出し
て、本発明を完成するに至った。次に本発明を詳細に説
明する。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、〔1〕表面
に畝状の凹凸を有する基材と光学異方性化合物を含む層
とを有する光学異方体において、該畝状の凹凸は、凹部
の谷線と凸部の稜線がほぼ平行かつ周期的に形成されて
なり、その周期の平均値が200μm以下0.5μm以
上であり、該畝状の凹凸の谷線と凸部の稜線の高低差の
平均値が畝状の凹凸の周期の平均値の5倍以下0.3倍
以上であり、かつ凸部の稜線に垂直な面で切った場合に
該畝状の凹凸の断面の形状は直線および/または曲線の
組み合わせで結ばれた形状であり、稜線とその両側の谷
線との距離が基材面に投影された場合に片方の投影線が
他方の投影線の2倍以上であり、該畝状の凹凸を有する
基材上に直接ないしは1層以上の中間層を介して光学異
方性化合物層が形成されてなる光学異方体に係るもので
ある。
【0011】さらに、本発明は、〔2〕凸部を含む1つ
の畝の、稜線に垂直な断面において、2つの谷線上の点
を結ぶ直線および1つの谷線上の点から稜線上の点を通
って他方の谷線上の点までを結ぶ線によって囲まれる図
形がほぼ三角形をなす請求項1または2記載の光学異方
体に係るものである。また、本発明は、〔3〕光学異方
性化合物が重合して配向が固定されてなる〔1〕または
〔2〕記載の光学異方体に係るものである。さらに、本
発明は、〔4〕光学異方性化合物に重合性低分子が添加
されてなり、光学異方性化合物と重合性低分子、または
重合性低分子のみが重合することによって配向が固定さ
れてなる〔1〕〜〔3〕記載の光学異方体に係るもので
ある。
【0012】さらに、本発明は、〔5〕光学異方性化合
物がネマチック相またはスメクチック相をとる液晶であ
る〔1〕〜〔3〕記載の光学異方体に係るものである。
また、本発明は、〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれか
に記載の光学異方体を用いた液晶表示装置に係るもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明に使用される畝状の凹凸を有する基材は、少なくと
も片方の面に畝状の凹凸を有し、その凹部の谷線と凸部
の稜線が、一方向に平行に一定の周期をもって形成され
たものである。畝状の凹凸の平均の周期が視認できない
ことが望ましいことから、200μm以下0.5μm以
上であり、好ましくは50μm以下0.5μm以上であ
り、さらに好ましくは20μm以下0.8μm以上であ
る。畝状の凹凸の高低差は凹部の底点の位置と凸部の頂
点の位置の差の平均値が畝状の凹凸の周期の5倍以下
0.1倍以上であり、好ましくは3倍以下0.2倍以上
である。また、畝状の凹凸の形状としては、凸部の稜線
に垂直な面で切った場合に、畝状の凹凸断面の形状は、
直線および/または曲線の組み合わせで結ばれた形状で
あり、稜線と両側の谷線との距離が基材面に投影された
場合に、片方の距離が他方の距離の2倍以上であり、好
ましくは4倍以上であり、さらに好ましくは6倍以上で
ある。
【0014】また、畝状の凹凸の形状は、光学異方性化
合物を所望の配向させるために適した構造に作成され
る。例えば、図1に示すように、凸部を含む1つの畝
の、稜線に垂直な断面において、2つの谷線上の点を結
ぶ直線および1つの谷線上の点から稜線上の点を通って
他方の谷線上の点までを結ぶ線によって囲まれる図形が
ほぼ三角形をなす場合、すなわち、畝状の凹凸の断面の
形状が鋸の歯状の場合、基材底面に投影される面積の大
きい方の畝状の凹凸の壁面の基材に対する傾き角に応じ
た傾斜角の傾斜配向が実現できる。さらに、図2に示す
ように、稜線に垂直な断面が、波線状である例も挙げら
れる。基材底面に投影される面積の大きい方の畝状の凹
凸の壁面の基材に対する傾斜角は、補償する液晶セルに
より適宜設定されるが、小さすぎると配向の効果が現れ
ず、大きすぎると他の片面の壁の影響が大きくなり、均
一な配向が得にくくなるため、5゜以上60゜以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは10゜以上50゜
以下である。
【0015】また、凸部を含む1つの畝の、稜線に垂直
な断面において、頂点と底点が曲線で結ばれている場
合、曲率は正でもよく、負でもよく、また正から負へも
しくは負から正へ変化していてもよい。頂点とその両側
の底点を結ぶそれぞれの線において、それらの基板底辺
に投影される線分の長い方の傾斜角の変化により、光学
異方性化合物の配向を変化させることができる。基板底
辺に投影される線分の長い方の線の曲率または曲率の変
化構造は、補償対象の液晶セル内の液晶分子の配向に応
じて設定すればよい。
【0016】この畝状の凹凸の作成は、畝状の凹凸が規
則的にかつ欠陥無く作成できるのであれば公知のどのよ
うな方法で作成してもかまわない。具体的には、畝状の
凹凸が形成された基材を直接成型する方法、プレス成型
により畝状の凹凸の形を転写する方法、ガラス転移点以
上に加熱された基材をロール間に通しロール表面に形成
された畝状の凹凸の形状を転写する方法、または光硬化
性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を畝状の凹凸の形状に印刷
した後に重合硬化する方法等が例示される。この中でも
生産性および耐溶剤性付与の観点から、光硬化性樹脂ま
たは熱硬化性樹脂を畝状の凹凸の形状を印刷した後に重
合硬化する方法が好ましい。ここで用いられる熱硬化性
樹脂または光硬化性樹脂は、この上に光学異方体を塗布
したときにその形状が崩れない、または使用時に分解ま
たは光学異方体と反応し特性を劣化させる事がなけれ
ば、制限はなく、公知のものが使用できる。熱硬化性樹
脂材料または光硬化性樹脂材料は、ウレタンアクリレー
ト系、エステルアクリレート系、グリシジルエーテル
系、アクリル−シリコン系またはオルガノシロキサン系
の、樹脂、オリゴマーまたはモノマーが例示される。
【0017】また、畝状の凹凸が形成された基材を直接
成型する方法、プレス成型により畝状の凹凸の形を転写
する方法、ガラス転移点以上に加熱された基材をロール
間に通しロール表面に形成された畝状の凹凸の形状を転
写する方法の場合は、畝状の凹凸の凹部の底点の位置と
凸部の頂点の平均値の差は、基材フィルムの凸部の頂点
における厚みに対して大きすぎると、フィルムの強度が
低下するため、基材フィルムの厚みの5割以下であるこ
とが好ましく、3割以下であることがさらに好ましい。
また、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を畝状の凹凸の
形状を印刷した後に重合硬化する方法の場合は、光硬化
性樹脂または熱硬化性樹脂層の厚みは、厚すぎると熱膨
張率または吸水膨張率の違いによるフィルムの反りの原
因となるため、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂層の畝
状の凹凸の凸部の頂点における厚みは、畝状の凹凸の凹
部の底点の位置と凸部の頂点の平均値の差の1倍以上5
倍以下であることが好ましく、1.1倍以上3倍以下で
あることが更に好ましい。
【0018】光学異方性化合物の配向性を増す、または
光学異方性化合物を含む層と畝状の凹凸が形成された基
材との密着性を向上させる等の目的で、畝状の凹凸と光
学異方性化合物を含む層との間に、1層以上の中間層
を、畝状の凹凸の形状を乱さない程度の厚みで設けても
よい。中間層の材料および形成方法は、ポリビニルアル
コール、ポリビニルアルコール・ポリエチレンビニルア
ルコール共重合体、プルラン、デキストリンなどの水溶
性の高分子を塗布する方法;またはポリイミド系、ポリ
アミド系、ポリウレタン系、アクリルオリゴマー系、ア
クリル−シリコン系もしくはオルガノポリシロキサン系
樹脂などのオリゴマーまたはモノマーを塗布した後、熱
重合や光重合にてオリゴマーまたはモノマー間を三次元
的に架橋する方法などが例示される。
【0019】畝状の凹凸が規則的に形成された基材上に
中間層を塗布する場合に、中間層の均一性や基材に対す
る密着性を向上する観点から、基材の表面を、プラズマ
処理、コロナ処理、紫外線照射、酸やアルカリを用いた
処理など公知の表面改質技術により、これら高分子フィ
ルムの表面張力を大きくする処理を施してもよい。中間
層の塗布法としては、ロールコート法、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、マイヤーバーコート
法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート
法、プリント法、デッピング法などが例示される。これ
らの中でも基材が高分子フィルムの場合、生産性よく均
一な膜厚が得られることからロールコート法、マイクロ
グラビアコート法、グラビアコート法またはバーコート
法が好ましい。また、基材がガラス板など無機物基板の
場合、上記方法のほかにスピンコート法も好ましく用い
られる。
【0020】また、この場合の中間層の総厚みは、単分
子膜以上の厚みがあればよく、厚すぎると下地の畝状の
凹凸の形状を乱し、目的の傾斜配向構造が得られなくな
るため、1μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.
5μm以下である、特に好ましくは0.2μm以下であ
る。
【0021】また、中間層がポリイミドなどの熱硬化性
樹脂の場合、熱処理を行ない硬化させる。熱処理温度
は、使われる中間層の材質に応じて適宜選択することが
できる。また、光硬化性を有する化合物を中間層として
用いる場合には、光照射を行ない硬化させる。熱硬化性
と光硬化性の両方を有する樹脂の場合には、熱処理を行
なっても光照射を行なってもよい。
【0022】また、畝状の凹凸が規則的に形成された基
材、およびさらにこの上に中間層を形成された基材は、
光学異方体の配向を強めるという目的で、必要に応じ
て、ラビングロールを用いてラビングしてもかまわな
い。ラビングに用いられるローラーの材質については特
に制限はなく、公知のバフ布や植毛ローラが用いられ
る。ラビングローラの配向膜への押し込み量や、ローラ
ーの回転数、基材に対するローラーの移動速度、ラビン
グ回数などに特に制限はない。
【0023】基材は、本発明の目的を阻害しないもので
あれば、どのようなものでもかまわない。具体的には、
ガラス、高分子フィルムが挙げられる。この中でも、ハ
ンドリング性の観点から高分子フィルムが好ましい。ま
た、高分子フィルムを基材として用いる場合は、該高分
子としては使用温度やアセンブル工程における温度にお
いて、光学的性質や形状の変化が起こらないものが好ま
しい。特に、ガラス転移温度がある程度高い高分子、ま
たは可塑材が添加されている高分子では、流動温度があ
る程度高い高分子が好ましく用いられる。基材の高分子
のガラス転移温度または軟化温度の好ましい下限は、液
晶表示装置を組み立てるときおよび使用するときにさら
される温度範囲内で光学特性の変化やフィルムの収縮な
どの変形のない範囲で決定できる。具体的には、基材に
求められるガラス転移温度または軟化温度としては、8
0℃以上が好ましく、90℃以上がさらに好ましい。こ
れらの条件を満たす高分子としては、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスル
ホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、エチレン
ビニルアルコール共重合体またはポリエチレンナフタレ
ートなどが例示され、好ましくはポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリスルホンまたは3酢酸セルロースが
例示される。また、基材は、薄すぎると加工性およびハ
ンドリング性が劣り、厚すぎると装着した液晶セルが厚
くなるので好ましくない。該基材の厚みは、10μm以
上1000μm以下であることが好ましく、30μm以
上500μm以下であることがさらに好ましい。
【0024】本発明において、基材としては、複屈折の
小さい高分子を使うことが好ましい。ただし、STN型
または電界制御複屈折(以下、ECBということがあ
る。)型液晶表示装置のように、複屈折を利用した表示
系に用いるのであれば、その上に塗布・配向した光学異
方性化合物とあわせた複屈折が液晶セルとマッチング可
能な範囲で適当な値とすることが好ましい。
【0025】ここで、該高分子のガラス転移温度または
軟化温度を下げて配向を抑制するために、これに可塑剤
を添加してもかまわない。該可塑剤の種類や量について
は、本発明の目的を損なわない程度の範囲であれば特に
限定はない。また、基材に機械的強度を付与する、もし
くはハンドリング性を向上する、または液晶表示装置
(以下、LCDと記すことがある。)のパネルに貼合す
る際の接着性を改良するなどの目的のために該高分子に
添加物を用いてもよい。該添加物の種類や量について
は、本発明の目的を損なわない程度の範囲であれば特に
限定はない。
【0026】本発明において、光学異方性化合物は、本
発明の目的を阻害しない限りどのようなものでも使用で
き、補償される液晶セルにより適宜選択される。その中
でも配向の制御性の観点から、液晶性化合物が好まし
い。この中でも、配向後の重合固定の観点から重合性基
を含む液晶性化合物が好ましい。光学異方体に用いられ
る液晶性化合物は、低分子液晶、液晶オリゴマー、高分
子液晶などが挙げられるが、配向性・配向時間の観点か
ら低分子液晶または液晶オリゴマーが好ましく用いられ
る。また、該液晶性化合物は、単一成分で用いてもよい
し、異なる分子量・構造を持ったものを複数種混合して
用いてもよい。
【0027】また、液晶の相に関しても特に制限はな
く、ネマチック相、スメクチック相、コレステリック相
などの種々の相のものを使用することができる。液晶の
種類は、補償する液晶セルの種類によって異なる。ST
N型液晶セルまたはECB型液晶セルの場合は、ネマチ
ック液晶またはスメクチック液晶を配向させた光学異方
体のいずれかまたはこれら組み合わせたもの、またはこ
れらを含む光学異方体を用いることが好ましい。また、
液晶セルの旋光性の補償のためにカイラル剤またはコレ
ステリック液晶を添加し、90゜以上300゜以下のね
じれ配向性を持たせたものを用いてもよい。TN型液晶
セルまたはTFT型液晶セルの場合は、コレステリック
液晶またはネマチック液晶にカイラル剤を混合したもの
を配向させた光学異方体の中の、いずれかまたはこれら
を含む光学異方体を用いることが好ましい。
【0028】本発明に用いられる低分子液晶としては、
下記一般式(1)で示されるものが例示される。
【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコ
キシ基である。Ar1 、Ar2 、Ar3 はそれぞれ独立
に1、4−フェニレン基、1、4−シクロへキシレン
基、ピリジン−2、5−ジイル基、ピリミジン−2、5
−ジイル基またはこれらの基の誘導体である。Sp1
Sp2 は、それぞれ独立に−COO−、−OCO−、−
NCH−、−CHN−、−CH2 −CH2 −、−CH2
−O−C−、、−O−CH2 −、−N=N−、−C≡C
−、単結合(Ar1 とAr2 、またはAr2 とAr3
直接結合することに該当する。)、または下記一般式
(2)で示される基である。k1 は0または1の整数で
ある(k1 が0のとき、Ar2 とB1 が直接結合するこ
とに該当する。)。B1 は水素原子、シアノ基、ハロゲ
ン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、
アクリレート基、メタクリレート基、下記一般式(a)
または下記一般式(b)で示される基である。〕
【化2】
【化3】
【化4】 (ここでR3 は−Hまたは下式を示し、
【化5】 4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR
6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜2
0のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1
〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している
場合は不斉炭素を有していてもよい。)
【0029】液晶オリゴマーとしては、側鎖型液晶オリ
ゴマー、主鎖型液晶オリゴマーが例示され、高分子液晶
としては、側鎖型高分子液晶、主鎖型高分子液晶が例示
されるが、配向温度および時間の観点から側鎖型液晶オ
リゴマーまたは側鎖型高分子液晶が好ましい。側鎖型液
晶オリゴマーまたは側鎖型液晶高分子としては、下記一
般式(3)で表される繰り返し単位を1種以上有するも
のが例示される。
【化6】 〔式中、Aは下記一般式(4)または(5)で表される
基である。一般式(4)において、−Si−O−は一般
式(3)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であって
もよい。一般式(5)において、−C−CH2 −は一般
式(3)の主鎖であり、COO基はSp3 に結合する。
一般式(3)において、Aが一般式(4)のとき、R2
は炭素数1〜6のアルキル基、フェニレン基であり、一
般式(3)において、Aが一般式(5)のとき、R2
炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基である。
一般式(3)において、Ar4 、Ar5 、Ar6 は、そ
れぞれ独立に1、4−フェニレン基、1、4−シクロへ
キシレン基、ピリジン−2、5−ジイル基、ピリミジン
−2、5−ジイル基またはこれらの基の誘導体である。
【0030】Sp3 は炭素数2〜8のアルキル基または
アルコキシ基である。Sp4 、Sp 5 は、それぞれ独立
に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、
−CH2 −CH2 −、−CH2 −O−、−O−CH
2 −、−N=N−、−C≡C−、単結合(Ar4 とAr
5 、またはAr5 とAr6 が直接結合することに該当す
る。)、または前記一般式(2)で示される基である。
2 は0または1の整数である(k2 が0のときAr5
とB2 が直接結合することに該当する。)。B2 は水素
原子、シアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基
もしくはアルコキシ基、アクリレート基、メタクリレー
ト基、前記一般式(a)または前記一般式(b)で示さ
れる基である。〕
【0031】
【化7】
【化8】
【0032】一般式(3)で示される繰り返し単位の合
計数は、側鎖型液晶オリゴマーでは、好ましくは4以上
100以下であり、さらに好ましくは4以上21以下で
ある。次に、高分子液晶では、一般式(3)で示される
繰り返し単位の合計数は、好ましくは50以上2000
0以下であり、さらに好ましくは50以上10000以
下である。これらの側鎖型液晶オリゴマーまたは側鎖型
高分子液晶は、単独で用いてもよいし、混合して用いて
もよい。また、側鎖型液晶オリゴマーまたは側鎖型液晶
高分子の側鎖基は、単一である必要はなく、異なる側鎖
よりなる共重合物であってもよい。
【0033】また、光学異方体を液晶セルの光学的補償
体として用いる場合には、液晶性化合物の分子量は、小
さいと転移温度が低く温度の変化により光学物性値が大
幅に変化するので好ましくなく、大きいと液の粘度が高
くなり配向に要する時間が長くなるため実用的でない。
このため、温度変化によって光学特性値が変化すること
を好まない系に使用する場合、および低分子液晶を使用
する場合は、配向後重合してその配向を保持し続けるた
めに重合基を持ったものを使用することが好ましい。こ
の場合の液晶の数平均分子量は、非重合性の場合はポリ
スチレン換算で1200〜10000が好ましく、重合
性の場合は10000以下が好ましい。また、補償する
相手の光学特性が温度変化により変化し、これに追随し
て光学的補償を行わなければならない場合は、特開平8
−5839号公報に示されるような液晶性化合物および
製造方法を選択することにより、このような特性を持っ
た光学異方体を作成することも可能である。
【0034】該液晶性化合物は、配向固定の観点から重
合基を含むものが好ましいが、重合基を含まないものお
よび重合基の比率の小さいものでも、重合基を含む低分
子量化合物を配向固定が可能な量となるだけ添加すれば
好ましく用いることができる。具体的には、配向固定の
観点から、分子1個あたり平均して0.5個以上の重合
性基を持つように添加することが好ましく、さらに好ま
しくは1分子平均1個以上、特に好ましくは1.5個以
上の重合性基を持つように添加する。また、重合基を含
む低分子量化合物の占める重量比は多すぎると配向を乱
すため、20重量%以下にすることが好ましく、さらに
好ましくは15重量%以下である。また、重合基を含む
低分子量化合物は、分子量が高すぎると粘度が上昇し、
配向に時間がかかるようになるため、分子量は1000
0以下のものが好ましい。重合基を含む低分子量化合物
は、液晶の配向性を乱さなければどのようなものでもか
まわないが、光硬化性または熱硬化性の化合物が好まし
く用いられる。光硬化性または熱硬化性の化合物として
は、ウレタンアクリレート系、エステルアクリレート
系、グリシジルエーテル系、アクリル−シリコン系もし
くはオルガノシロキサン系の、樹脂、オリゴマーまたは
モノマーが例示される。
【0035】配向基材への積層法は、配向基材および畝
状の凹凸の形状を損傷しなければ、既存の方法により積
層することができる。具体的には、液晶性化合物を溶液
状態で塗布する方法および等方相状態で塗布する方法が
例示され、溶液状態から塗布する方法が好ましい。塗布
方法としては、通常のロールコート法、グラビアコート
法、バーコート法、マイクログラビアコート法、マイヤ
ーバーコート法、スピンコート法、スプレコート法、プ
リント法、デッピング法などが例示される。これらの中
でも高分子基材上に生産性よく均一な膜厚が得られるこ
とから、ロールコート法、グラビアコート法、バーコー
ト法、マイクログラビアコート法が好ましい。また、基
材がガラス板など無機基板の場合は、上記の方法のほか
にスピンコート法も好ましく用いられる。
【0036】また、液晶性化合物を溶液状態で塗布する
場合において、光学異方性化合物の濃度は、塗布方法、
塗布液粘度および塗布厚により適宜決められるが、5〜
100重量%が好ましい。光学異方性化合物層の厚み
は、光学異方性化合物の屈折率異方性、配向形態および
目的の光学物性により決められるが、コスト、塗布品の
均一性の観点から、0.1〜10μmであることが好ま
しく、さらに好ましくは、0.3〜7μmである。ま
た、光学異方体フィルムの正面レターデーションΔnd
(Δnは複屈折率、dは光学異方体フィルムの厚み)
は、補償される液晶セルの特性によって設定される。具
体的には、補償する液晶セルに合わせて、好ましくは1
0nm以上3000nm以下の値から選択される。さら
に好ましくは、20nm以上2000nm以下の中から
選択される。
【0037】液晶性化合物を配向させるために熱処理を
行う。熱処理温度をTt(℃)、液晶性化合物の結晶相
またはガラス相から液晶相への転移温度をTg(℃)、
基材や配向膜の変形が生じる温度をTk(℃)と書くこ
とにすると、熱処理温度は(Tg+30)≦Tt≦(T
k−10)で示される範囲が好ましく、(Tg+40)
≦Tt≦(Tk−20)で示される範囲がさらに好まし
い。該熱処理時間は、あまり短いと目的の配向構造が実
現せず、あまり長いと工業的に好ましくないので、0.
1分以上1時間以下が好ましく、0.2分以上10分以
下がさらに好ましい。以上の熱処理により、液晶性化合
物は目的の配向構造に配向するようになる。熱処理にお
ける加熱速度、冷却速度については特に制限はない。
【0038】液晶性化合物の配向を制御するために、熱
処理中に電場または磁場を印加してもよい。
【0039】配向後は、その配向を固定するため、配向
を保持したままで重合することが好ましい。配向固定の
方法としては、光照射などによる光重合、γ線などによ
る放射線重合や熱重合が例示される。これらの重合方法
の中で、工程の簡単さから、光重合と熱重合が好まし
く、さらに、配向の保持の良好さから光重合がさらに好
ましい。光重合や熱重合を行う場合、重合開始剤を添加
することが好ましい。重合開始剤は、液晶性化合物の配
向を妨げなければ、公知のものを適宜用いることができ
る。
【0040】光重合を行う場合の照射光強度は、フィル
ムの厚みや用いる液晶オリゴマーの種類に応じて最適値
を選択すればよいが、好ましくは0.01〜5.0J/
cm 2 の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜3.0
J/cm2 である。照射光量が0.01J/cm2 より
少ない場合は、重合基の反応が不十分となる可能性があ
り、5.0J/cm2 より多いと、光学物性の低下およ
び製造コストの観点から問題がある。
【0041】本発明の光学異方体は、表面保護および接
着剤の接着性確保の目的で、その片面ないし両面に通常
の透明なハードコート層またはガスバリア層を施しても
よい。ハードコート層またはガスバリア層は特に制限は
ないが、好ましくは光硬化性または熱硬化性の樹脂で、
ウレタンアクリレート系、エステルアクリレート系、グ
リシジルエーテル系、アクリル−シリコン系またはオル
ガノシロキサン系の、樹脂、オリゴマーまたはモノマー
が好ましく用いられる。ハードコート層またはガスバリ
ア層の光重合や熱重合を行う場合も、重合開始剤を添加
することが好ましい。重合開始剤は、液晶性化合物の配
向を妨げなければ、公知のものを用いることができる。
また、先述の方法と同じ方法および条件で硬化してよ
い。
【0042】本発明の液晶表示装置は、液晶表示セルと
少なくとも1枚以上の光学異方体フィルムと少なくとも
1枚以上の偏光フィルムを有する液晶表示装置である。
本発明の液晶表示装置において、光学異方体フィルムを
配置する場所や枚数について特に制限はなく、偏光フィ
ルムと液晶表示セルとの間であればどこでもよい。また
偏光フィルムの吸収軸や液晶表示セルのラビング方向と
光学異方体フィルムの延伸軸とのなす角などについては
コントラスト、視野角特性および表示色調が最適になる
ように決められる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以
下の合成例、実施例および比較例にて用いた測定方法お
よび装置は次の通りである。液晶性化合物の相転移温度
は、示差熱走査分析(DSC)および偏光顕微鏡による
配向状態の観察により決定した。得られた光学異方体フ
ィルムが負の屈折率異方性を有することは、その基材表
面に形成された畝状の凹凸とのなす角が0゜、90゜、
180゜、270゜で、かつ基板の底面と平行な面上に
ある直線を軸として、観察者から見て手前に傾けた場合
に、その中のすくなくとも3方向でレターデーションが
増加する方向があることから確認した。また、得られた
光学異方体フィルムが傾斜配向していることは、光学異
方体フィルムのリターデーションが真上から測定したと
きのものが最小でないことから確認した。なお、レター
デーションの測定は偏光顕微鏡で546nmの光でセナ
ルモン法を用いて行った。
【0044】参考例1(CLC−Aの合成) 特公昭63−41400号公報記載の方法と同様にし
て、下記式(6)と(7)で示されるビニルモノマーを
7:3の混合比でペンタメチルシクロペンタシロキサン
と反応させ、環状ペンタシロキサン液晶性化合物(CL
C−A)を得た。
【化9】
【化10】 このCLC−Aのガラス転移温度は、14℃、等方相へ
の転移温度は、114℃であり、14℃〜114℃でコ
レステリック相を示した。また、CLC−Aとネマチッ
ク液晶との組成物の選択反射波長の測定値から外挿した
結果、CLC−A単独の選択反射波長は280nmであ
った。この波長からCLC−Aのコレステリック相螺旋
ピッチは0.2μmと計算される。
【0045】比較例1 TFT液晶セルを偏光板で挟んだ構造の液晶表示装置
に、白黒のストライプ表示をさせ、この表示に関して斜
め方向から見た場合に、白と黒の表示が反転する領域お
よび表示の着色に関して観察を行った。その結果、向か
って下側に法線方向に対して60゜以上の角度から見た
場合に反転表示が観察され、かつ向かって上方向または
下方向から見た場合に白表示が黄色く着色して見えた。
【0046】実施例1 トリアセチルセルロース基材の上に、アクリレート系の
紫外線硬化樹脂を図3に示す断面形状で規則的な畝状の
凹凸を持つように表面に形成後、紫外線を照射して紫外
線硬化樹脂を硬化させ、配向基材とした。配向基材上
に、CLC−Aのトルエン20w%溶液を塗布した。溶
媒を揮発させた後、80℃に加熱してCLC−Aを配向
させ、光学異方体フィルムを得た。このフィルムを、畝
状の凹凸と平行な方向を軸として傾斜させながらレター
デーション値を測定したところ、図4に示す傾斜角−レ
ターデーション特性を示した。
【0047】実施例2 比較例1で用いた白黒のストライプ表示をさせたTFT
液晶セルを偏光板で挟んだ構造の液晶表示装置の、TF
T液晶セルと上側の偏光板の間に、実施例1で得た光学
異方体フィルムを、図5のように挿入した場合に関し
て、白黒のストライプ表示を斜め方向から見た場合に、
白と黒の表示が反転する領域および表示の着色に関して
観察を行った。その結果、向かって上側に法線方向に対
して60゜以上および左上側に法線方向に対して60゜
以上の角度から見た場合に表示が暗くなり、ストライプ
の判別がつかなくなったが、反転表示が無くなり、黒表
示の白化および表示の着色が抑えられるために、比較例
1の補償板を用いないTFT液晶表示装置単独に比べて
視野角は広がった。
【0048】比較例2 実施例1で用いた物と同じCLC−Aのトルエン20w
%溶液を、ラビングしたポリビニルアルコールを積層し
たガラス基板上にスピンコートした。得られた液晶オリ
ゴマーフィルムは白濁しており、偏光顕微鏡で観察した
ところ、全く配向していなかった。次いでこの液晶オリ
ゴマーフィルムを80℃で5分加熱した後、高圧水銀ラ
ンプを用いて積算光量が0.5J/cm2 になるように
紫外線を照射した。
【0049】得られた光学異方体フィルムの膜厚は2μ
mでコレステリック相螺旋ピッチの2.5倍であり、可
視光の選択反射による着色は認められなかった。ラビン
グ方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回転軸として、
レターデーションを測定した結果、図6に示すレターデ
ーション特性を示し、コレステリック相螺旋軸は基板法
線とほぼ平行な配向をしていた。
【0050】比較例3 比較例2で得られた光学異方体フィルムを、白黒のスト
ライプ表示をしたTFT液晶セルと偏光板の間に挿入
し、実施例2と同様な観察を行った。その結果、向かっ
て下側に法線方向に対して60゜以上の角度から見た場
合に反転表示が観察され、かつ向かって上方向または下
方向から見た場合に白表示が黄色く着色して見え、光学
異方体を装着しない場合(比較例1)に比べて余り表示
特性の改善は見られなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の光学異方体は、液晶セル内の液
晶分子の配向により生ずる複屈折を補償するための配向
を持ち、その配向は斜方蒸着などの煩雑な基材作製工程
を用いることなく、簡便な工程によって所望の配向構造
が得られ、かつ優れた光学補償性能を示す光学異方体で
ある。該光学異方体をTN型、TFT型やSTN型液晶
表示装置に適用することにより、液晶表示装置の表示特
性、特に視野角特性を著しく向上させることができるの
で工業的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】畝状の凹凸の稜線に垂直な断面が、2つの谷線
上の点を結ぶ直線および1つの谷線上の点から稜線上の
点を通って他方の谷線上の点までを結ぶ線によって囲ま
れる図形がほぼ三角形をなす場合を示す斜視図。
【図2】畝状の凹凸の稜線に垂直な断面が、波線状であ
る場合を示す斜視図。
【図3】実施例1で用いた配向基材の表面に形成された
畝状の凹凸の断面構造を示す図。
【図4】実施例1におけるレターデーション特性を示す
図。
【図5】実施例2において、偏光板、TFT液晶セル、
光学異方体の位置関係を示す斜視図。
【図6】比較例2におけるレターデーション特性を示す
図。
【符号の説明】
1・・・稜線 2・・・谷線 3・・・上側偏光板 4・・・実施例1における光学異方体(トリアセチルセ
ルロース面が上側偏光板側) 5・・・TFT液晶セル 6・・・下側偏光板 7・・・トリアセチルセルロース基材 8・・・紫外線硬化樹脂の硬化物 9・・・CLC−A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に畝状の凹凸を有する基材と光学異方
    性化合物を含む層とを有する光学異方体において、該畝
    状の凹凸は、凹部の谷線と凸部の稜線がほぼ平行かつ周
    期的に形成されてなり、その周期の平均値が200μm
    以下0.5μm以上であり、該畝状の凹凸の谷線と凸部
    の稜線の高低差の平均値が畝状の凹凸の周期の平均値の
    5倍以下0.3倍以上であり、かつ凸部の稜線に垂直な
    面で切った場合に該畝状の凹凸の断面の形状は直線およ
    び/または曲線の組み合わせで結ばれた形状であり、稜
    線とその両側の谷線との距離が基材面に投影された場合
    に片方の投影線が他方の投影線の2倍以上であり、該畝
    状の凹凸を有する基材上に直接ないしは1層以上の中間
    層を介して光学異方性化合物層が形成されてなることを
    特徴とする光学異方体。
  2. 【請求項2】中間層が配向膜であることを特徴とする請
    求項1記載の光学異方体。
  3. 【請求項3】凸部を含む1つの畝の、稜線に垂直な断面
    において、2つの谷線上の点を結ぶ直線および1つの谷
    線上の点から稜線上の点を通って他方の谷線上の点まで
    を結ぶ線によって囲まれる図形がほぼ三角形をなすこと
    を特徴とする請求項1または2記載の光学異方体。
  4. 【請求項4】光学異方性化合物が、液晶性化合物である
    ことを特徴とする請求項1ないし3記載の光学異方体。
  5. 【請求項5】光学異方性化合物が重合して配向が固定さ
    れてなることを特徴とする請求項1ないし4記載の光学
    異方体。
  6. 【請求項6】光学異方性化合物に重合性低分子が添加さ
    れてなり、光学異方性化合物と重合性低分子、または重
    合性低分子のみが重合することによって配向が固定され
    てなることを特徴とする請求項1ないし5記載の光学異
    方体。
  7. 【請求項7】光学異方性化合物がコレステリック液晶で
    あることを特徴とする請求項1ないし6記載の光学異方
    体。
  8. 【請求項8】光学異方性化合物がネマチック相またはス
    メクチック相をとる液晶であることを特徴とする請求項
    1ないし6記載の光学異方体。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の光学
    異方体を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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