JPH10103396A - 自動変速機用クラッチの製造方法 - Google Patents

自動変速機用クラッチの製造方法

Info

Publication number
JPH10103396A
JPH10103396A JP25327596A JP25327596A JPH10103396A JP H10103396 A JPH10103396 A JP H10103396A JP 25327596 A JP25327596 A JP 25327596A JP 25327596 A JP25327596 A JP 25327596A JP H10103396 A JPH10103396 A JP H10103396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
friction
clutch facing
automatic transmission
hydraulic oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25327596A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinari Kotani
幸成 小谷
Atsushi Suzuki
厚 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP25327596A priority Critical patent/JPH10103396A/ja
Publication of JPH10103396A publication Critical patent/JPH10103396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】慣らし運転を必要とすることなく、車両のジャ
ダーを確実に防止可能な自動変速機用クラッチを製造可
能とする。 【解決手段】接合工程後、作動油中の摩擦調整剤をクラ
ッチフェーシングに吸着させるべく、クラッチフェーシ
ングに作動油を含浸させた状態で熱処理を行い、摩擦特
性を正の勾配にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の自動変速機に
用いられるクラッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の自動変速機は複数枚のクラッチフ
ェーシングを複数枚のスチールプレートに結合すること
により得られたクラッチパックを有しており、このクラ
ッチパックはその自動変速機において作動油中で用いら
れることとなる。従来、かかるクラッチパックにおける
クラッチフェーシングとスチールプレートからなるクラ
ッチは、例えば特開昭62−266238号公報に開示
されているように、およそ以下のように製造されてい
た。すなわち、まず、繊維成分と充填材と調整材とを含
む混合材料から抄紙して紙質基材を形成した後、この紙
質基材に結合樹脂を含浸し、加熱成形してクラッチフェ
ーシングとする。そして、得られたクラッチフェーシン
グとスチールプレートとを接合し、クラッチひいてはク
ラッチパックとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して製造したクラッチをそのまま車両の自動変速機に用
いると、車両は変速時にジャダー(車体振動)を生じる
こととなる。このため、現状では、クラッチパックへの
組み付けを行った後、常温において実機運転と同様の摺
動を繰り返す慣らし運転を行い、この後でそのクラッチ
パックを有する自動変速機を車両に組み付けることとし
ていた。
【0004】しかしながら、慣らし運転はクラッチフェ
ーシングの摩擦係数の安定が行われただろうと予想され
る条件の下で行われるため、およそその工程時間を一律
に長く行わなければ車両にはジャダーを生じることとな
り、生産効率に問題を有していた。本発明は、上記従来
の実状に鑑みてなされたものであって、慣らし運転を必
要とすることなく、車両のジャダーを確実に防止可能な
自動変速機用クラッチを製造可能とすることを解決すべ
き課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題解
決のため、車両にジャダーが生じる要因を物理的及び化
学的に種々検討した。そして、車両に生じるジャダーは
クラッチフェーシングの係合による摩擦特性に左右され
ることを発見した。つまり、運転速度とクラッチフェー
シングの摩擦係数との摩擦特性が負の勾配を示す場合に
は、ジャダーが生じてしまう。これが上記のように製造
されたクラッチをそのまま車両の自動変速機に用いる場
合である。また、Dexron、Mercon等の規格
を満足する作動油(ATF(Automatic Tr
ansmission Fluid))には、低速で摩
擦係数を低下させるため、リン酸エステル、アミド系等
の摩擦調整剤が必ず添加されており、この摩擦調整剤は
熱によって活性化してクラッチフェーシングに吸着し、
摩擦係数を低下させることを発見した。このため、摩擦
熱が未ださほど生じていない運転初期には、作動油中の
摩擦調整剤が未だクラッチフェーシングに吸着しておら
ず、これによりクラッチフェーシングは低速で高い摩擦
係数を示して車両にジャダーを生じさせる一方、クラッ
チフェーシングに摩擦熱が充分に生じるその後には、作
動油中の摩擦調整剤がクラッチフェーシングにある程度
吸着し、クラッチフェーシングの摩擦係数が安定してジ
ャダーを生じなくなることが判明した。
【0006】このため、発明者らは、運転速度とクラッ
チフェーシングの摩擦係数との摩擦特性が正の勾配を示
すようにすれば、これによりジャダーを生じさせないよ
うにできるとの目標の下、このようなクラッチを製造す
るためには、クラッチフェーシングに作動油を含浸させ
た状態で熱処理を行うこととすればよいことを発見し、
請求項1の発明を完成したのである。
【0007】すなわち、請求項1の自動変速機用クラッ
チの製造方法は、繊維成分と充填材と調整材とを含む混
合材料から抄紙して紙質基材を形成する抄紙工程と、該
紙質基材に結合樹脂を含浸し、加熱成形してクラッチフ
ェーシングとする成形工程と、該クラッチフェーシング
とスチールプレートとを接合してクラッチとする接合工
程とを有し、自動変速機において摩擦調整剤を含む作動
油中で用いられるクラッチを製造する方法において、前
記接合工程後、前記作動油中の前記摩擦調整剤を前記ク
ラッチフェーシングに吸着させるべく、該クラッチフェ
ーシングに前記作動油を含浸させた状態で熱処理を行う
吸着工程を行うことを特徴とする。
【0008】請求項1の製造方法では、クラッチフェー
シングに作動油を含浸させた状態で熱処理を行うため、
作動油中の摩擦調整剤が熱により活性化し、吸着が化学
的・積極的に行われる。そして、こうして製造したクラ
ッチをそのまま車両の自動変速機に用いると、摩擦熱が
未ださほど生じていない運転初期にも、作動油中の摩擦
調整剤が既に多量にクラッチフェーシングに吸着してお
り、これによりクラッチフェーシングは低速で低い摩擦
係数を示して車両にジャダーを生じさせない。
【0009】こうして、請求項1により得られるクラッ
チは車両にジャダーを生じさせない。また、これに際
し、従来の曖昧な慣らし運転を必要とせず、適切な管理
が可能な吸着工程を要するのみなので、高い生産効率を
確保することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】繊維成分は、パルプ、芳香族ポリ
アミド繊維、ガラス繊維などの有機繊維及び無機繊維か
ら種々選択され得る。充填材としては、炭酸カルシウ
ム、シリカ、硫酸バリウム、ケイソウ土等が採用され得
る。調整材としては、カシューダスト、グラファイト等
が採用され得る。抄紙工程では、これら繊維成分と充填
材と調整材とを含む混合材料を先ず水に分散させ、丸網
式抄造機や長網式抄造機などにより抄紙し、これを乾燥
すれば、紙質基材を形成し得る。
【0011】結合樹脂としては、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が採用され得
る。成形工程では、紙質基材に結合樹脂を含浸させ、加
熱しながら圧縮成形すれば、所定厚さのクラッチフェー
シングが製造され得る。接合工程では、上記結合樹脂を
採用することができる。吸着工程では、常温の作動油中
にクラッチ本体を浸漬した後、加熱処理を行ったり、高
温の作動油中にクラッチを浸漬したりすることができ
る。加熱処理は、加熱した板材の近接又は接触、熱風の
吹き付け、赤外線照射等を採用することができる。
【0012】現行のクラッチフェーシングに吸着工程を
施す場合、クラッチフェーシングの摩擦係数μを現行の
実用上の0.13程度にするためには、120〜170
°Cで20秒以上の熱処理が必要である。120°C未
満又は170°Cを超えた温度で熱処理を行ったり、2
0秒未満の熱処理では、吸着が不十分であり、クラッチ
フェーシングの摩擦係数が0.13程度にならない。
【0013】
【実施例】以下、請求項1の発明を具体化した実施例を
比較例とともに図面を参照しつつ説明する。 「抄紙工程」繊維成分としてのセルロース繊維35重量
部及び合成繊維(芳香族ポリアミド繊維)15重量部
と、充填材としてのケイソウ土20重量部と、調整材と
してのカシューダスト10重量部とを混合して水中に分
散させ、丸網式抄造機にて抄紙して紙質基材を形成し
た。 「成形工程」乾燥後の紙質基材にフェノール樹脂を20
重量%の含有量となるように含浸させ、風乾後200℃
に加熱保持された成形型内に配置して加熱硬化させた。
その後、中心を打ち抜いてリング状のクラッチフェーシ
ングを形成した。 「接合工程」得られたクラッチフェーシングをスチール
プレートの両表面に接着剤で貼着してクラッチとする。
ここまでは現行のクラッチと同様である。 「吸着工程」クラッチを作動油たるトヨタ純正ATF
(JWS2343)に常温で浸漬した後、図1に示すよ
うに、クラッチ1の中心孔に図示しないスペーサを配置
しつつ、クラッチ1を上熱板2と下熱板3とで挟持し、
所定時間保持して熱処理を行った。ここでスペーサの厚
さは、2枚のクラッチフェーシング1a及び1枚のスチ
ールプレート1bの合計厚さ+0.1mmである。 (試験)上記クラッチフェーシングと同様の方法により
図2に示す複数の湿式摩擦材4を製造し、各湿式摩擦材
4を試験リング5に接着剤で貼着して複数のテストピー
スとする(単位はmm)。表1に示すように、実施例の
各テストピースを常温の上記作動油に浸漬した後、記述
の温度に保持した鉄板に各テストピースの湿式摩擦材4
の表面を押し当て、記述の時間だけ保持することで種々
の熱負荷を加えた。
【0014】
【表1】 各テストピースを図3に示す定常すべり試験機にセット
し、速度(m/s)と湿式摩擦材の摩擦係数μとの摩擦
特性と、油温(°C)又は時間(秒)と摩擦係数μとの
関係とを調べた。ここで、定常すべり試験機では、ヒー
タ6により一定温度に保持されるオイルバス7内に上記
作動油が入れられており、各テストピースの相手材8と
してはS35CMを用いている。
【0015】まず、作動油への浸漬がなく、熱負荷もな
い比較例のテストピースと、作動油へ浸漬した後、15
0°C×30秒の熱負荷を付加した実施例のテストピー
ス(No.3)とについて、作動油の温度が120°
C、面圧が2MPaの実機相当の条件の下、すべり速度
を0.01〜2.0m/sとして、摩擦特性を求めた。
結果を図4に示す。
【0016】図4より、比較例のテストピースでは摩擦
特性が負の勾配を示すのに対し、実施例のテストピース
では摩擦特性が正の勾配を示すことがわかる。これは、
実施例のテストピースは作動油を含浸させた状態で熱処
理を行ったものであるため、作動油中の摩擦調整剤が熱
により活性化し、吸着が化学的・積極的に行われたと考
えられるからである。このため、比較例のテストピース
と同様のクラッチフェーシングをそのまま車両の自動変
速機に用いると車両にジャダーが生じるのに対し、実施
例のテストピースと同様のクラッチフェーシングをその
まま車両の自動変速機に用いても、運転初期から車両に
ジャダーが生じないことがわかる。
【0017】次に、吸着工程で行う熱処理における好適
な熱負荷を求めるため、油温又は時間と摩擦係数との関
係を求めた。ここでは、作動油中の摩擦調整剤は低速の
摩擦係数μを下げることから、速度は0.01m/sと
した。なお、作動油の昇温による熱負荷の影響を防ぐた
め、作動油が設定温度になってから各テストピースを取
り付けることとした。油温と摩擦係数との関係を図5に
示し、時間と摩擦係数との関係を図6に示す。
【0018】図5より、油温が120°C未満での熱処
理では、作動油への浸漬を行わないのと同様、摩擦調整
剤の吸着が不十分であると考えられるため、摩擦係数μ
が現行の慣らし運転後の0.13程度にならないことが
わかる。また、油温が170°Cを超えて熱処理を行っ
たのでは、摩擦調整剤が熱劣化していると考えられ、摩
擦係数μがやはり0.13程度にならないこともわか
る。
【0019】また、図6より、20秒未満の熱処理で
は、摩擦調整剤の吸着が不十分であると考えられるた
め、摩擦係数が0.13程度にならないこともわかる。
したがって、現行のクラッチフェーシングに吸着工程を
施す場合、クラッチフェーシングの摩擦係数μを現行の
実用上の0.13程度にするためには、120〜170
°Cで20秒以上の熱処理が必要であることがわかる。
【0020】以上の試験より、請求項1により得られる
クラッチは車両の変速時のジャダーを生じさせないこと
がわかる。また、これに際し、従来の曖昧な慣らし運転
を必要とせず、適切な管理が可能な吸着工程を要するの
みなので、高い生産効率を確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における吸着工程を示す説明図である。
【図2】試験に用いるテストピースの側面図及び平面図
である。
【図3】試験に用いた試験機の断面図である。
【図4】試験において速度と摩擦係数との摩擦特性を示
すグラフである。
【図5】試験において油温と摩擦係数との関係を示すグ
ラフである。
【図6】試験において時間と摩擦係数との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…クラッチ 1a…クラッチフェーシング 1b…スチールプレート 2…上熱板 3…下熱板 4…湿式摩擦材 5…試験リング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維成分と充填材と調整材とを含む混合材
    料から抄紙して紙質基材を形成する抄紙工程と、 該紙質基材に結合樹脂を含浸し、加熱成形してクラッチ
    フェーシングとする成形工程と、 該クラッチフェーシングとスチールプレートとを接合し
    てクラッチとする接合工程とを有し、自動変速機におい
    て摩擦調整剤を含む作動油中で用いられるクラッチを製
    造する方法において、 前記接合工程後、前記作動油中の前記摩擦調整剤を前記
    クラッチフェーシングに吸着させるべく、該クラッチフ
    ェーシングに前記作動油を含浸させた状態で熱処理を行
    う吸着工程を行うことを特徴とする自動変速機用クラッ
    チの製造方法。
JP25327596A 1996-09-25 1996-09-25 自動変速機用クラッチの製造方法 Pending JPH10103396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25327596A JPH10103396A (ja) 1996-09-25 1996-09-25 自動変速機用クラッチの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25327596A JPH10103396A (ja) 1996-09-25 1996-09-25 自動変速機用クラッチの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10103396A true JPH10103396A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17249023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25327596A Pending JPH10103396A (ja) 1996-09-25 1996-09-25 自動変速機用クラッチの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10103396A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006037983A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Mazda Motor Corp 湿式摩擦部材及び湿式摩擦部材ユニット
JP2006097891A (ja) * 2004-08-31 2006-04-13 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 摩擦係合装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006037983A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Mazda Motor Corp 湿式摩擦部材及び湿式摩擦部材ユニット
JP2006097891A (ja) * 2004-08-31 2006-04-13 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 摩擦係合装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3270846A (en) Friction member with friction material
CA2202432C (en) Two-ply friction material
US6182804B1 (en) High performance two-ply friction material
US4045608A (en) Friction facing with porous sheet base
JP4074364B2 (ja) 高性能二層摩擦材料
EP0154488B1 (en) Friction materials and their manufacture
US8222317B2 (en) Wet friction material
US4747476A (en) Methods of making clutch driven plates
US6830798B2 (en) Continuous yarn laid wet friction material
US6231977B1 (en) Wet friction material
JP3678808B2 (ja) 湿式摩擦材
JP2004217790A (ja) 湿式摩擦材
JPH10103396A (ja) 自動変速機用クラッチの製造方法
CN111684169A (zh) 通过烧掉纤维形成湿摩擦材料的方法
EP0129022A2 (en) Process for making dry friction material
JP2007263203A (ja) 湿式摩擦材及びその製造方法
US3316138A (en) Method of processing clutch plates
EP0123312A2 (en) Process for making dry friction material
CN115053078B (zh) 具有季铵盐的湿摩擦材料
JPH06173983A (ja) 湿式摩擦材の製造方法
CN118575012A (zh) 包括具有改进耐久性的煅烧高岭土湿摩擦材料的离合器组件
US20230272832A1 (en) Clutch assembly including wet friction material with colloidal silica coating
JPH07224872A (ja) クラッチフェーシングの製造方法
US12366275B2 (en) Method for forming a double layer wet friction material with cellulose layer
JPH1163056A (ja) 湿式摩擦材及び湿式摩擦板の製造方法