JPH10104864A - 電子写真用感光体及びその製造方法 - Google Patents
電子写真用感光体及びその製造方法Info
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- JPH10104864A JPH10104864A JP25583096A JP25583096A JPH10104864A JP H10104864 A JPH10104864 A JP H10104864A JP 25583096 A JP25583096 A JP 25583096A JP 25583096 A JP25583096 A JP 25583096A JP H10104864 A JPH10104864 A JP H10104864A
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- oxide film
- layer
- pure water
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Abstract
(57)【要約】
【課題】画像濃度差を抑制するために転写時のマイナス
コロナ放電による負帯電量が低減されたプラス帯電型電
子写真用感光体並びにその環境汚染対策などがなされた
容易で安定した製造方法を提供する。 【解決手段】アルミニウム又はその合金からなる導電性
基体1を温純水中に浸漬した後引き上げて乾燥する方法
によりその表面に膜厚15nmないし100nmの酸化
膜2を形成し、その上に膜厚0.3μmないし0.8μ
mのp型の下引層3を形成し、その上に純セレンもしく
はセレン合金からなる感光層4及び保護層5を順次蒸着
により成膜することによって、電位保持率,感度,繰り
返し疲労などの機能特性や画像品質を良好な範囲に保ち
ながらマイナスコロナ放電による負帯電量が低減された
プラス帯電型の感光体を得ることができる。
コロナ放電による負帯電量が低減されたプラス帯電型電
子写真用感光体並びにその環境汚染対策などがなされた
容易で安定した製造方法を提供する。 【解決手段】アルミニウム又はその合金からなる導電性
基体1を温純水中に浸漬した後引き上げて乾燥する方法
によりその表面に膜厚15nmないし100nmの酸化
膜2を形成し、その上に膜厚0.3μmないし0.8μ
mのp型の下引層3を形成し、その上に純セレンもしく
はセレン合金からなる感光層4及び保護層5を順次蒸着
により成膜することによって、電位保持率,感度,繰り
返し疲労などの機能特性や画像品質を良好な範囲に保ち
ながらマイナスコロナ放電による負帯電量が低減された
プラス帯電型の感光体を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機,レーザ
ープリンター,ファクシミリ,LEDプリンターなどに
用いられる電子写真用感光体及びその製造方法に関す
る。
ープリンター,ファクシミリ,LEDプリンターなどに
用いられる電子写真用感光体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法による画像形成は、円筒状の
導電性基体の表面に光導電性を有する感光層を形成した
感光体の表面を暗所で一様に帯電させ、その表面に光学
像を露光して静電潜像を形成した後にこの静電潜像をト
ナーにより現像し、現像されたトナー像を紙に転写して
定着することにより行われ、トナー像転写後の感光体は
除電,残留トナーの除去,光除電を行った後繰り返し使
用される。
導電性基体の表面に光導電性を有する感光層を形成した
感光体の表面を暗所で一様に帯電させ、その表面に光学
像を露光して静電潜像を形成した後にこの静電潜像をト
ナーにより現像し、現像されたトナー像を紙に転写して
定着することにより行われ、トナー像転写後の感光体は
除電,残留トナーの除去,光除電を行った後繰り返し使
用される。
【0003】電子写真法を応用したレーザープリンタ
ー,ファクシミリ,LEDプリンターなどにおいて、高
速型でかつプラス帯電型の電子写真用感光体を用いる装
置では、プラスコロナ放電により一様にプラス帯電され
た感光体の表面に光学像を露光し、露光により表面電位
が低下した部分にプラス帯電させたトナーを付着させて
トナー像を形成するという反転現像方式(ネガ−ポジ現
像方式)が通常採られている。このような反転現像方式
においては、形成されたトナー像に紙を重ねてその裏面
からトナーとは逆極性のマイナスコロナ放電を行うこと
によってトナー像を静電気力を利用して紙に転写してい
る。
ー,ファクシミリ,LEDプリンターなどにおいて、高
速型でかつプラス帯電型の電子写真用感光体を用いる装
置では、プラスコロナ放電により一様にプラス帯電され
た感光体の表面に光学像を露光し、露光により表面電位
が低下した部分にプラス帯電させたトナーを付着させて
トナー像を形成するという反転現像方式(ネガ−ポジ現
像方式)が通常採られている。このような反転現像方式
においては、形成されたトナー像に紙を重ねてその裏面
からトナーとは逆極性のマイナスコロナ放電を行うこと
によってトナー像を静電気力を利用して紙に転写してい
る。
【0004】ところが、このマイナスコロナ放電によっ
て感光体の表面にも負電荷が帯電する。帯電した負電荷
は感光層が純セレンもしくはセレン合金などのセレン系
感光体においては電子のモビリティーが小さくて光減衰
しにくいため、トナー像転写後に残留電荷を除去するた
めの光除電を行っても正電荷は除去されるが負電荷は感
光体の表面に残留してしまう。その結果、続いて行われ
る画像形成工程でのプラスコロナ放電によって帯電する
正電荷量がその部分に残留している負電荷量分だけ打ち
消され、得られる画像の濃度が低下してしまうという問
題が生じる。
て感光体の表面にも負電荷が帯電する。帯電した負電荷
は感光層が純セレンもしくはセレン合金などのセレン系
感光体においては電子のモビリティーが小さくて光減衰
しにくいため、トナー像転写後に残留電荷を除去するた
めの光除電を行っても正電荷は除去されるが負電荷は感
光体の表面に残留してしまう。その結果、続いて行われ
る画像形成工程でのプラスコロナ放電によって帯電する
正電荷量がその部分に残留している負電荷量分だけ打ち
消され、得られる画像の濃度が低下してしまうという問
題が生じる。
【0005】一方、転写時のマイナスコロナ放電によっ
て感光体の表面に帯電する負電荷量は、一様な放電を行
っても感光体の表面が直接放電を受けた場合と紙などの
介在物を介して受けた場合とで異なり、直接放電を受け
た部分の方が多くなる。このために、転写用紙としてカ
ット紙を用いた場合はカット紙の給紙間隔によって放電
時に感光体の表面が転写用紙で覆われている部分と覆わ
れていない部分とが生じ、転写用紙で覆われていなかっ
た部分の負電荷量が覆われていた部分の負電荷量よりも
多くなり、感光体の表面に負電荷量の多い部分と少ない
部分とが生じる。このような状態で感光体の表面に光除
電を行っても、上述のように、プラス帯電型の感光体で
は負電荷は光除電で殆ど減衰しないので、光除電後の感
光体の表面には負電荷量の多い部分と少ない部分とがそ
のまま残留する。そのために、続いて行われる画像形成
工程でのプラスコロナ放電において、前記の負帯電量に
対応して感光体の表面に正帯電量の多い部分と少ない部
分とが生じ、画像に濃度差が発生し、カット紙の給紙間
隔に起因する画像濃度差いわゆる紙間濃度差が現れる。
て感光体の表面に帯電する負電荷量は、一様な放電を行
っても感光体の表面が直接放電を受けた場合と紙などの
介在物を介して受けた場合とで異なり、直接放電を受け
た部分の方が多くなる。このために、転写用紙としてカ
ット紙を用いた場合はカット紙の給紙間隔によって放電
時に感光体の表面が転写用紙で覆われている部分と覆わ
れていない部分とが生じ、転写用紙で覆われていなかっ
た部分の負電荷量が覆われていた部分の負電荷量よりも
多くなり、感光体の表面に負電荷量の多い部分と少ない
部分とが生じる。このような状態で感光体の表面に光除
電を行っても、上述のように、プラス帯電型の感光体で
は負電荷は光除電で殆ど減衰しないので、光除電後の感
光体の表面には負電荷量の多い部分と少ない部分とがそ
のまま残留する。そのために、続いて行われる画像形成
工程でのプラスコロナ放電において、前記の負帯電量に
対応して感光体の表面に正帯電量の多い部分と少ない部
分とが生じ、画像に濃度差が発生し、カット紙の給紙間
隔に起因する画像濃度差いわゆる紙間濃度差が現れる。
【0006】上述のような残留負電荷の影響による画像
形成工程での画像濃度の低下や紙間濃度差を抑制するた
めには、転写時のマイナスコロナ放電で感光体の表面に
負電荷が帯電しにくい形態とすることが要求され、感光
層がセレン系材料で真空蒸着法によって形成されるいわ
ゆるセレン系感光体の場合には蒸着条件を制御すること
により負電荷の帯電(負帯電量)を低減しようとするこ
とが行われ、また、導電性基体を所定の形状に加工して
有機溶剤で脱脂した後の導電性基体の表面に形成される
酸化膜の膜厚を適切なものとすることにより負帯電量を
低減しようとすることも行われてきた。
形成工程での画像濃度の低下や紙間濃度差を抑制するた
めには、転写時のマイナスコロナ放電で感光体の表面に
負電荷が帯電しにくい形態とすることが要求され、感光
層がセレン系材料で真空蒸着法によって形成されるいわ
ゆるセレン系感光体の場合には蒸着条件を制御すること
により負電荷の帯電(負帯電量)を低減しようとするこ
とが行われ、また、導電性基体を所定の形状に加工して
有機溶剤で脱脂した後の導電性基体の表面に形成される
酸化膜の膜厚を適切なものとすることにより負帯電量を
低減しようとすることも行われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セレン系感
光体の場合に蒸着条件を制御する方法では負帯電量を低
減するための所要の条件制御が技術的に非常に難しいと
いう問題があった。また、導電性基体の加工処理に際し
ては有機溶剤による環境汚染の発生あるいは強酸,強ア
ルカリの取り扱いの煩わしさを回避しなければならない
という問題があった。
光体の場合に蒸着条件を制御する方法では負帯電量を低
減するための所要の条件制御が技術的に非常に難しいと
いう問題があった。また、導電性基体の加工処理に際し
ては有機溶剤による環境汚染の発生あるいは強酸,強ア
ルカリの取り扱いの煩わしさを回避しなければならない
という問題があった。
【0008】この発明は前記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は画像濃度の低下や紙間濃度差を
抑制するために転写時のマイナスコロナ放電による負帯
電量が低減されたプラス帯電型電子写真用感光体並びに
その環境汚染対策などがなされた容易で安定した製造方
法を提供することにある。
ものであり、その目的は画像濃度の低下や紙間濃度差を
抑制するために転写時のマイナスコロナ放電による負帯
電量が低減されたプラス帯電型電子写真用感光体並びに
その環境汚染対策などがなされた容易で安定した製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明によれば前述の
目的は、導電性基体の表面に光導電性を有する感光層を
備えてなるプラス帯電型の電子写真用感光体において、
導電性基体がアルミニウム又はアルミニウム合金からな
り、その表面に膜厚15nmないし100nmの酸化膜
が形成されている導電性基体である電子写真用感光体と
することによって解決される。
目的は、導電性基体の表面に光導電性を有する感光層を
備えてなるプラス帯電型の電子写真用感光体において、
導電性基体がアルミニウム又はアルミニウム合金からな
り、その表面に膜厚15nmないし100nmの酸化膜
が形成されている導電性基体である電子写真用感光体と
することによって解決される。
【0010】また、酸化膜が形成された導電性基体の表
面と感光層との界面に膜厚0.3μmないし0.8μm
のp型の下引層を備えた電子写真用感光体とすることが
効果的である。なお、感光層が純セレンもしくはセレン
合金で形成されている電子写真用感光体であることが好
ましい。
面と感光層との界面に膜厚0.3μmないし0.8μm
のp型の下引層を備えた電子写真用感光体とすることが
効果的である。なお、感光層が純セレンもしくはセレン
合金で形成されている電子写真用感光体であることが好
ましい。
【0011】そして、このような電子写真用感光体は、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体
の表面を切削加工又は研削加工した後、その導電性基体
を水溶性の弱アルカリ性洗剤で洗浄し、純水で洗浄し、
続いて温純水中に浸漬して引き上げ、乾燥することによ
り導電性基体の表面に酸化膜を形成し、その上に感光層
を形成することによって容易に安定して製造することが
できる。このとき、導電性基体を浸漬する温純水の温度
を90℃±5℃とし、かつこの温純水への導電性基体の
浸漬時間を60秒ないし120秒とすることが有効であ
る。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体
の表面を切削加工又は研削加工した後、その導電性基体
を水溶性の弱アルカリ性洗剤で洗浄し、純水で洗浄し、
続いて温純水中に浸漬して引き上げ、乾燥することによ
り導電性基体の表面に酸化膜を形成し、その上に感光層
を形成することによって容易に安定して製造することが
できる。このとき、導電性基体を浸漬する温純水の温度
を90℃±5℃とし、かつこの温純水への導電性基体の
浸漬時間を60秒ないし120秒とすることが有効であ
る。
【0012】さらに、導電性基体の表面に酸化膜を形成
し、その上にp型の下引層を形成し、その上に感光層を
形成するとよい。上述のように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなり、その表面に膜厚15nmないし
100nmの酸化膜が形成されている導電性基体を用い
ることによって、導電性基体から感光層への正孔の注入
が良好かつ適切な量となり、電位保持率,繰り返し疲労
などの他の電子写真特性や画像品質を良好な範囲に保ち
ながらマイナスコロナ放電による負帯電量を低減するこ
とができ、画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を
得ることが可能となる。
し、その上にp型の下引層を形成し、その上に感光層を
形成するとよい。上述のように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなり、その表面に膜厚15nmないし
100nmの酸化膜が形成されている導電性基体を用い
ることによって、導電性基体から感光層への正孔の注入
が良好かつ適切な量となり、電位保持率,繰り返し疲労
などの他の電子写真特性や画像品質を良好な範囲に保ち
ながらマイナスコロナ放電による負帯電量を低減するこ
とができ、画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を
得ることが可能となる。
【0013】そして、アルミニウム又はアルミニウム合
金からなる導電性基体の表面に形成される酸化膜は、従
来の導電性基体の加工処理方法では形成されにくかった
が、この発明による温純水中に浸漬した後引き上げて乾
燥する方法によれば比較的膜厚の厚い酸化膜を容易に安
定して形成することができ、感光層の密着性も向上させ
ることができる。
金からなる導電性基体の表面に形成される酸化膜は、従
来の導電性基体の加工処理方法では形成されにくかった
が、この発明による温純水中に浸漬した後引き上げて乾
燥する方法によれば比較的膜厚の厚い酸化膜を容易に安
定して形成することができ、感光層の密着性も向上させ
ることができる。
【0014】さらに、酸化膜が形成された導電性基体の
表面と感光層との界面にp型の下引層を備えることによ
って負電荷の帯電が抑制し易くなるので、マイナスコロ
ナ放電による負帯電量を低減することが容易にでき、酸
化膜の膜厚を比較的薄くしても露光感度特性が良くかつ
画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得ることが
できる。
表面と感光層との界面にp型の下引層を備えることによ
って負電荷の帯電が抑制し易くなるので、マイナスコロ
ナ放電による負帯電量を低減することが容易にでき、酸
化膜の膜厚を比較的薄くしても露光感度特性が良くかつ
画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得ることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明による電子写真用
感光体の一実施例を示す断面図であって、アルミニウム
又はアルミニウム合金からなる導電性基体1の表面に、
導電性基体1を温純水中に浸漬した後引き上げて乾燥す
る方法で膜厚15nmないし100nmの酸化膜2を形
成し、その上に膜厚0.3μmないし0.8μmのp型
の下引層3を形成し、その上に純セレンもしくはセレン
合金からなる電荷輸送層41,電荷発生層42を順次蒸
着により成膜して感光層4を形成し、その上に保護層5
を成膜することによって構成されている。 (実施例1)外径80mm,長さ327mm,肉厚3m
mのアルミニウム合金からなる円筒状の導電性基体を3
0個用意し、その外表面を砥石研削で表面粗さR
max 0.7μmに加工した後、水溶性の弱アルカリ性洗
剤で洗浄し、純水で洗浄し、温度90℃の温純水中に6
0秒間浸漬した後10mm/秒の速さで引き上げて乾燥
して得られた導電性基体を真空蒸着装置の真空槽内に装
着し、2.7×10-3Pa〜5.4×10-3Paの真空
中で導電性基体を53℃に加熱し、真空槽温度を44℃
に保ちながら、純セレンからなる電荷輸送層(膜厚48
μm),Teを44重量%含むSe−Te合金からなる
電荷発生層(膜厚0.15μm)およびAsを1.5重
量%〜4.0重量%含むSe−As合金からなる保護層
(膜厚3μm)を順次蒸着により成膜して感光層を形成
して実施例1の感光体を作製した。 (実施例2)温純水中の浸漬時間を120秒間としたこ
との他は実施例1と同様にして実施例2の感光体を作製
した。 (実施例3)温純水中の浸漬時間を90秒間とし、か
つ、電荷輸送層を成膜する直前の工程で真空室を500
ppmの酸素雰囲気としてp型の下引層(0.5μmの
薄膜)を成膜することを追加したことの他は実施例1と
同様にして実施例3の感光体を作製した。 (実施例4)真空室を300ppmの塩素雰囲気として
p型の下引層(0.5μmの薄膜)を成膜したことの他
は実施例3と同様にして実施例4の感光体を作製した。 (比較例1)温純水中の浸漬時間を10秒間としたこと
の他は実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製し
た。 (比較例2)温純水中の浸漬時間を30秒間としたこと
の他は実施例1と同様にして比較例2の感光体を作製し
た。 (比較例3)温純水中の浸漬時間を200秒間としたこ
との他は実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製
した。 (比較例4)温純水中の浸漬時間を90秒間とし、か
つ、蒸着工程の導電性基体を63℃に加熱したことの他
は実施例1と同様にして比較例4の感光体を作製した。
感光体の一実施例を示す断面図であって、アルミニウム
又はアルミニウム合金からなる導電性基体1の表面に、
導電性基体1を温純水中に浸漬した後引き上げて乾燥す
る方法で膜厚15nmないし100nmの酸化膜2を形
成し、その上に膜厚0.3μmないし0.8μmのp型
の下引層3を形成し、その上に純セレンもしくはセレン
合金からなる電荷輸送層41,電荷発生層42を順次蒸
着により成膜して感光層4を形成し、その上に保護層5
を成膜することによって構成されている。 (実施例1)外径80mm,長さ327mm,肉厚3m
mのアルミニウム合金からなる円筒状の導電性基体を3
0個用意し、その外表面を砥石研削で表面粗さR
max 0.7μmに加工した後、水溶性の弱アルカリ性洗
剤で洗浄し、純水で洗浄し、温度90℃の温純水中に6
0秒間浸漬した後10mm/秒の速さで引き上げて乾燥
して得られた導電性基体を真空蒸着装置の真空槽内に装
着し、2.7×10-3Pa〜5.4×10-3Paの真空
中で導電性基体を53℃に加熱し、真空槽温度を44℃
に保ちながら、純セレンからなる電荷輸送層(膜厚48
μm),Teを44重量%含むSe−Te合金からなる
電荷発生層(膜厚0.15μm)およびAsを1.5重
量%〜4.0重量%含むSe−As合金からなる保護層
(膜厚3μm)を順次蒸着により成膜して感光層を形成
して実施例1の感光体を作製した。 (実施例2)温純水中の浸漬時間を120秒間としたこ
との他は実施例1と同様にして実施例2の感光体を作製
した。 (実施例3)温純水中の浸漬時間を90秒間とし、か
つ、電荷輸送層を成膜する直前の工程で真空室を500
ppmの酸素雰囲気としてp型の下引層(0.5μmの
薄膜)を成膜することを追加したことの他は実施例1と
同様にして実施例3の感光体を作製した。 (実施例4)真空室を300ppmの塩素雰囲気として
p型の下引層(0.5μmの薄膜)を成膜したことの他
は実施例3と同様にして実施例4の感光体を作製した。 (比較例1)温純水中の浸漬時間を10秒間としたこと
の他は実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製し
た。 (比較例2)温純水中の浸漬時間を30秒間としたこと
の他は実施例1と同様にして比較例2の感光体を作製し
た。 (比較例3)温純水中の浸漬時間を200秒間としたこ
との他は実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製
した。 (比較例4)温純水中の浸漬時間を90秒間とし、か
つ、蒸着工程の導電性基体を63℃に加熱したことの他
は実施例1と同様にして比較例4の感光体を作製した。
【0016】上記の実施例1〜4並びに比較例1〜4の
各感光体について、感光体を毎分28.6回転させなが
ら放電長280mmのコロナチャージャーにより導電性
基体への流入電流が30μA一定となる条件でその表面
にマイナスコロナ放電を行い、2秒後の負帯電量を表面
電位として測定した。この値が少ない程画像濃度差を少
なくすることができる。
各感光体について、感光体を毎分28.6回転させなが
ら放電長280mmのコロナチャージャーにより導電性
基体への流入電流が30μA一定となる条件でその表面
にマイナスコロナ放電を行い、2秒後の負帯電量を表面
電位として測定した。この値が少ない程画像濃度差を少
なくすることができる。
【0017】また、これらの各感光体に用いた導電性基
体について、その表面を極薄くエッチングしてはX線光
電子分光法(ESCA)により分析することを繰り返し
行って、導電性基体の表面に形成されている酸化膜の膜
厚を調べた。さらに、これらの感光体について、電荷保
持能力を評価するために暗所でプラス帯電を行い、帯電
直後の表面電位V0 と暗所放置5秒後の表面電位V5 と
を測定してその比V5 /V0 ,いわゆる電位保持率
(%)を求めた。
体について、その表面を極薄くエッチングしてはX線光
電子分光法(ESCA)により分析することを繰り返し
行って、導電性基体の表面に形成されている酸化膜の膜
厚を調べた。さらに、これらの感光体について、電荷保
持能力を評価するために暗所でプラス帯電を行い、帯電
直後の表面電位V0 と暗所放置5秒後の表面電位V5 と
を測定してその比V5 /V0 ,いわゆる電位保持率
(%)を求めた。
【0018】さらにまた、光感度を評価するために波長
780nmの単色光を用いて半減衰露光量(μJ/cm
2 )を測定した。この値が小さい程感度は良い。さらに
また、繰り返し疲労を評価するためにこれらの感光体を
半導体レーザービームプリンターに搭載して連続250
回繰り返し使用したときのプラス帯電の初期表面電位の
低下分(V)を調べた。この値が小さい程繰り返し疲労
は小さい。そして、そのプリンターに搭載して得られた
画像について画像シミを調べた。
780nmの単色光を用いて半減衰露光量(μJ/cm
2 )を測定した。この値が小さい程感度は良い。さらに
また、繰り返し疲労を評価するためにこれらの感光体を
半導体レーザービームプリンターに搭載して連続250
回繰り返し使用したときのプラス帯電の初期表面電位の
低下分(V)を調べた。この値が小さい程繰り返し疲労
は小さい。そして、そのプリンターに搭載して得られた
画像について画像シミを調べた。
【0019】さらにまた、感光層と導電性基体との密着
性を粘着テープによる剥離試験で評価した。この値が大
きい程密着性は良好である。調査及び測定結果を表1に
示す。
性を粘着テープによる剥離試験で評価した。この値が大
きい程密着性は良好である。調査及び測定結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】 表1に見られるように、実施例1,2,3及び4の感光
体はそれぞれ負帯電量が少なく、電位保持率,感度,繰
り返し疲労などの他の機能特性や画像特性も良好であ
る。特に、実施例1及び2では温純水への浸漬により適
切な酸化膜が得られ、実施例3及び4では酸化膜の形成
とp型の下引層の形成との複合効果によってそれぞれ負
帯電量が少なくなっているために画像濃度差の抑制に有
効であることが判る。比較例1及び2の感光体はそれぞ
れ形成された酸化膜厚が薄く負帯電量が極めて多くなっ
て画像濃度差が問題となるとともに、感度,繰り返し疲
労などの機能特性も良くない。比較例3の感光体は形成
された酸化膜が厚過ぎるために感光層密着性が悪く画像
シミが非常に多くなっていることが判る。比較例4の感
光体は従来の蒸着条件によるものであり、実施例1,
2,3及び4との比較においては負帯電量が多く、電位
保持率,感度,繰り返し疲労などの他の機能特性も悪い
ことが判る。
体はそれぞれ負帯電量が少なく、電位保持率,感度,繰
り返し疲労などの他の機能特性や画像特性も良好であ
る。特に、実施例1及び2では温純水への浸漬により適
切な酸化膜が得られ、実施例3及び4では酸化膜の形成
とp型の下引層の形成との複合効果によってそれぞれ負
帯電量が少なくなっているために画像濃度差の抑制に有
効であることが判る。比較例1及び2の感光体はそれぞ
れ形成された酸化膜厚が薄く負帯電量が極めて多くなっ
て画像濃度差が問題となるとともに、感度,繰り返し疲
労などの機能特性も良くない。比較例3の感光体は形成
された酸化膜が厚過ぎるために感光層密着性が悪く画像
シミが非常に多くなっていることが判る。比較例4の感
光体は従来の蒸着条件によるものであり、実施例1,
2,3及び4との比較においては負帯電量が多く、電位
保持率,感度,繰り返し疲労などの他の機能特性も悪い
ことが判る。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、アルミニウム又はア
ルミニウム合金からなり、その表面に膜厚15nmない
し100nmの酸化膜が形成されている導電性基体を用
いることによって、電位保持率,感度,繰り返し疲労な
どの他の機能特性や画像品質を良好な範囲に保ちながら
マイナスコロナ放電による負帯電量を低減することがで
き、画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得るこ
とが可能となる。
ルミニウム合金からなり、その表面に膜厚15nmない
し100nmの酸化膜が形成されている導電性基体を用
いることによって、電位保持率,感度,繰り返し疲労な
どの他の機能特性や画像品質を良好な範囲に保ちながら
マイナスコロナ放電による負帯電量を低減することがで
き、画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得るこ
とが可能となる。
【0022】そして、アルミニウム又はアルミニウム合
金からなる導電性基体の表面に形成される酸化膜は、従
来の導電性基体の加工処理方法では形成されにくかった
が、この発明による温純水中に浸漬した後引き上げて乾
燥する方法によれば比較的膜厚の厚い酸化膜を容易に安
定して形成することができ、感光層の密着性も向上させ
ることができる。
金からなる導電性基体の表面に形成される酸化膜は、従
来の導電性基体の加工処理方法では形成されにくかった
が、この発明による温純水中に浸漬した後引き上げて乾
燥する方法によれば比較的膜厚の厚い酸化膜を容易に安
定して形成することができ、感光層の密着性も向上させ
ることができる。
【0023】さらに、酸化膜が形成された導電性基体の
表面と感光層との界面にp型の下引層を備えることによ
って負電荷の帯電が抑制し易くなるので、マイナスコロ
ナ放電による負帯電量を低減することが容易にでき、酸
化膜の膜厚を比較的薄くしても露光感度特性が良くかつ
画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得ることが
できる。
表面と感光層との界面にp型の下引層を備えることによ
って負電荷の帯電が抑制し易くなるので、マイナスコロ
ナ放電による負帯電量を低減することが容易にでき、酸
化膜の膜厚を比較的薄くしても露光感度特性が良くかつ
画像濃度差が少ないプラス帯電型の感光体を得ることが
できる。
【0024】さらにまた、この発明による製造方法によ
れば、導電性基体の加工処理に際しては有機溶剤,強
酸,強アルカリなどを使用しないので、有機溶剤による
環境汚染の発生あるいは強酸,強アルカリの取り扱いの
煩わしさを回避することができる。
れば、導電性基体の加工処理に際しては有機溶剤,強
酸,強アルカリなどを使用しないので、有機溶剤による
環境汚染の発生あるいは強酸,強アルカリの取り扱いの
煩わしさを回避することができる。
【図1】この発明による電子写真用感光体の一実施例を
示す断面図
示す断面図
1・・・・導電性基体 2・・・・酸化膜 3・・・・下引層 4・・・・感光層 5・・・・保護層
Claims (6)
- 【請求項1】導電性基体の表面に光導電性を有する感光
層を備えてなるプラス帯電型の電子写真用感光体におい
て、前記導電性基体がアルミニウム又はアルミニウム合
金からなり、その表面に膜厚15nmないし100nm
の酸化膜が形成されている導電性基体であることを特徴
とする電子写真用感光体。 - 【請求項2】酸化膜が形成された導電性基体の表面と感
光層との界面に膜厚0.3μmないし0.8μmのp型
の下引層を備えたことを特徴とする請求項1記載の電子
写真用感光体。 - 【請求項3】感光層が純セレンもしくはセレン合金で形
成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電
子写真用感光体。 - 【請求項4】導電性基体の表面に光導電性を有する感光
層を備えてなるプラス帯電型の電子写真用感光体の製造
方法において、アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる導電性基体の表面を切削加工又は研削加工した後、
その導電性基体を水溶性の弱アルカリ性洗剤で洗浄し、
純水で洗浄し、続いて温純水中に浸漬して引き上げ、乾
燥することにより前記導電性基体の表面に酸化膜を形成
し、その上に感光層を形成することを特徴とする電子写
真用感光体の製造方法。 - 【請求項5】導電性基体を浸漬する温純水の温度が90
℃±5℃であり、かつこの温純水への前記導電性基体の
浸漬時間が60秒ないし120秒であることを特徴とす
る請求項4記載の電子写真用感光体の製造方法。 - 【請求項6】導電性基体の表面に酸化膜を形成し、その
上にp型の下引層を形成し、その上に感光層を形成する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子写真用感光
体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25583096A JPH10104864A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 電子写真用感光体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25583096A JPH10104864A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 電子写真用感光体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10104864A true JPH10104864A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=17284204
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25583096A Pending JPH10104864A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 電子写真用感光体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10104864A (ja) |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25583096A patent/JPH10104864A/ja active Pending
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