JPH10108487A - 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置 - Google Patents

回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置

Info

Publication number
JPH10108487A
JPH10108487A JP25931296A JP25931296A JPH10108487A JP H10108487 A JPH10108487 A JP H10108487A JP 25931296 A JP25931296 A JP 25931296A JP 25931296 A JP25931296 A JP 25931296A JP H10108487 A JPH10108487 A JP H10108487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
driving
side member
magnetic flux
exciting coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25931296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3968804B2 (ja
Inventor
Jiro Kondo
二郎 近藤
Tsutomu Shimizu
勉 清水
Yasuo Uosaki
靖夫 魚崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP25931296A priority Critical patent/JP3968804B2/ja
Publication of JPH10108487A publication Critical patent/JPH10108487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3968804B2 publication Critical patent/JP3968804B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 永久磁石による保持状態を解除させるに必要
な励磁コイルの起磁力を可及的に小さくすることで装置
のコンパクト化あるいはコストダウンを図り得るように
した継手装置及びかかる継手装置を使用した可変バルブ
タイミング装置を提案する。 【解決手段】 駆動側部材11と非駆動側部材10との
間に跨がる磁束を生成して保持力を発生させるための永
久磁石8を上記駆動側部材11と非駆動側部材10との
少なくともいずれか一方側に設けるとともに、永久磁石
8の磁力による保持力を減少させて駆動側部材11と非
駆動側部材10との接続状態を解除させるための励磁コ
イル12を、該駆動側部材と非駆動側部材のいずれか他
方側を挟んで永久磁石8に対向する位置に固定配置し、
該励磁コイル12により生成される磁束方向が上記永久
磁石の磁束と同方向となるように通電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、回転伝動部材の
継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転駆動される駆動側部材か
ら非駆動側部材へ断続的に回転力を伝達する場合の方法
として、機械式のクラッチ機構とか、電磁石を用いた電
磁クラッチ等が知られている。ところが、これら各クラ
ッチ機構はいずれも摩擦材の接触・非接触によってトル
ク伝達の有無をコントロールするものであるため、長時
間使用の後には摩擦材の摩耗とか摩擦係数の変化など、
信頼性という面において問題が多かった。
【0003】かかる問題を解決するひとつの方法とし
て、永久磁石の磁気吸引力を利用して非接触状態でトル
ク伝達を行う継手装置が知られている。この永久磁石を
利用した継手装置は、接触機構をもたないため、長時間
の使用の後においても性能劣化が少なく信頼性という点
において優れるものである。そして、この永久磁石を利
用した継手装置においては、上記永久磁石の磁気吸引力
による駆動側部材と非駆動側部材との一体連結の保持状
態を解除するに際しては、保持解除用の励磁コイルを備
え、該励磁コイルに通電してその磁力により上記永久磁
石の保持力を減少させるようになっている。
【0004】また、かかる永久磁石を利用した継手装置
をエンジンの可変バルブタイミング装置に適用すること
も考えられるが、この場合には、上記駆動側部材と非駆
動側部材との回転位相変更時の駆動手段として一般に電
磁ブレーキが適用され、該電磁ブレーキによって駆動側
部材に制動力をかけるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記永久磁
石による駆動側部材と非駆動側部材との一体連結の保持
力は、これら両部材の対向部位にそれぞれ形成され所定
のギャップをもって対向する凸極を通してこれら両部材
のいずれか一方側に配置した上記永久磁石により生成さ
れる磁束が他方側の部材へ流入し各凸極同士が対向した
回転位置においてここを通過する磁束の密度が高くなる
ことで得られるものである。従って、保持状態の解除時
において上記保持力を減少させるには、上記凸極を介し
て上記駆動側部材と非駆動側部材の間に跨がって流れる
永久磁石の磁束密度を下げることが必要となる。
【0006】この場合、この永久磁石の磁束密度を下げ
る方法のひとつとして、励磁コイルの磁束と永久磁石の
磁束とが共に通る部位における励磁コイルの磁束方向を
上記永久磁石の磁束方向と逆方向に設定し、該励磁コイ
ルの磁束を永久磁石の磁束を打ち消す方向に作用させて
上記両部材間を通る永久磁石の磁束密度を下げる方法が
考えられる。
【0007】ところが、このように励磁コイルを、永久
磁石の磁束密度を下げる方向に作用させる場合、以下に
述べるような理由により、上記励磁コイルに極めて大き
な起磁力(アンペアターン:AT)が要求され、その結
果、励磁コイルの巻数が多くなり装置のコンパクト化が
阻害され、また大電流の通電により消費電力が多くなる
とかスイッチあるいは電線等の大容量化が必要になり、
延いてはコストアップを招来する等の問題があった。
【0008】即ち、永久磁石は、所定の保持力を確保す
る必要上、元々強力な磁力をもつものが採用されている
ため、この永久磁石の磁力に打ち勝ってその磁束を打ち
消すためには励磁コイルに非常に大きな起磁力が必要と
なるものである(図13の曲線L1を参照)。
【0009】また、励磁コイルの磁力はその磁束経路に
おける透磁率の大きさに左右され、磁束経路中に透磁率
が極めて低いエアギャップが存在する場合にはこのエア
ギャップ部分において磁力が減衰されるので、所要の磁
力を得るためにはこの減衰分を考慮してさらに高い電流
を励磁コイルに流す必要がある。従って、継手装置の設
計に際しては、励磁コイルの磁束経路中におけるエアギ
ャップの数をできるだけ少なくするように構造上におい
て十分に配慮することが必要となる。
【0010】そこで本願発明は、永久磁石による保持状
態を解除させるに必要な励磁コイルの起磁力を可及的に
小さくすることで装置のコンパクト化あるいはコストダ
ウンを図り得るようにした継手装置及びかかる継手装置
を使用した可変バルブタイミング装置を提案することを
目的としてなされたものである。
【0011】
【本願発明の技術的背景】本願発明者らは、永久磁石に
よる保持力を低減させるための励磁コイルの必要起磁力
をより小さく抑えるための手段を検討する過程におい
て、「磁気飽和」という現象に着目した。
【0012】即ち、磁界内に鉄心等の強磁性体を入れた
場合、図12に曲線Lで示すように、鉄心内の磁束密度
が磁界が強くなるに従って増大変化するが、磁界がある
強さに達すると、磁界の増大変化に拘わらず磁束密度が
ほとんど変化しない状態となる。このように、磁界の増
大変化に拘わらず磁束密度がほとんど変化しない状態を
「磁気飽和」という。この「磁気飽和」領域において
は、飽和磁束密度以上の磁束は存在できず鉄心から迫り
出される。
【0013】だとすれば、永久磁石の磁束が流入してい
る部分に対して励磁コイルによって磁束をかけてその部
分の磁束密度を飽和させると、該励磁コイルの磁束によ
って次第に上記永久磁石の磁束が磁束経路から迫り出さ
れることになる。従って、例えば、非駆動側部材に永久
磁石を配置し、駆動側部材と非駆動側部材との間に跨が
って流れる永久磁石の磁束によってこれらを一体回転可
能に保持する構成の場合、励磁コイルの磁束によって飽
和磁束密度状態となり、上記永久磁石の磁束が上記駆動
側部材側から迫り出され、これら両者間に跨がって流れ
る上記永久磁石の磁束密度が低減されることで、該永久
磁石による保持作用が容易に解除されることになる。
【0014】この場合、上記励磁コイルは、上記駆動側
部材における磁束経路中の磁束密度を飽和させるに足り
る磁束が生成できればよく、例えば従来のように永久磁
石の磁束を打ち消すような磁束を生成する必要がある場
合に比して、より小さな起磁力で良いことになる。さら
に、この場合において、上記永久磁石の磁束密度を飽和
磁束密度の近くに設定しておけば、この上にさらに励磁
コイルにより磁束がかけられると、直ぐに飽和磁束密度
に達し、永久磁石の磁束密度が磁束経路から迅速に迫り
出されることになる。
【0015】これらの結果、図13に曲線L2で示すよ
うに、上記励磁コイルの起磁力が小さい段階で上記永久
磁石の保持力が急速に低下し、直線L3で示す保持解除
の目標保持力を下回り、保持状態が解除されることにな
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上の如き知見に基づ
き、本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手
段として次のような構成を採用している。
【0017】本願の第1の発明では、同軸状に配置され
た駆動側部材と非駆動側部材とを磁力による保持力で一
体回転可能に接続する回転伝動部材の継手装置であっ
て、上記駆動側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束
を生成して上記保持力を発生させるための永久磁石を上
記駆動側部材と非駆動側部材との少なくともいずれか一
方側に設けるとともに、上記永久磁石の磁力による上記
保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材との
接続状態を解除させるための励磁コイルを、該駆動側部
材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで上記永久磁
石に対向する位置に固定配置し、上記励磁コイルに対し
て、上記永久磁石と上記励磁コイルとに挟まれた上記他
方側の部材における該永久磁石と励磁コイルが対向する
部位での該励磁コイルにより生成される磁束方向が上記
永久磁石の磁束と同方向となるように通電することを特
徴としている。
【0018】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記永久磁石
の磁力を、上記他方側の部材における上記永久磁石の磁
束密度が飽和密度近くになるように設定したことを特徴
としている。
【0019】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記他方側の
部材を鉄系材料で構成するとともに、その磁束方向にお
ける断面積を小さく設定したことを特徴としている。
【0020】本願の第4の発明では、上記第3の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記他方側の
部材を軟鉄としたことを特徴としている。
【0021】本願の第5の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部
材と非駆動側部材のうち径方向外側に位置する部材に上
記永久磁石を、径方向内側に位置する部材よりもさらに
径方向内側に上記励磁コイルを、それぞれ配置したこと
を特徴としている。
【0022】本願の第6の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記他方側の
部材における上記永久磁石の磁束と上記励磁コイルの磁
束とが共に通る部位と上記永久磁石との中間にエアギャ
ップを形成したことを特徴としている。
【0023】本願の第7の発明では、上記第6の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記エアギャ
ップの上記永久磁石軸方向における幅寸法を、該永久磁
石の軸方向寸法よりも小さく設定したことを特徴として
いる。
【0024】本願の第8の発明では、上記第6又は第7
の発明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記
エアギャップ内に、非磁性物質を充填したことを特徴と
している。
【0025】本願の第9の発明では、上記第1の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記永久磁石
が備えられた上記一方側の部材が接する回転部材の該永
久磁石に近い表面層を非磁性層とするとともに内部層を
磁性層としたことを特徴としている。
【0026】本願の第10の発明では、上記第6又は第
7の発明にかかる回転伝動部材の継手装置において、上
記他方側の部材における上記永久磁石と対向する部位に
補助永久磁石を備えるとともに、該補助永久磁石の着磁
方向を上記永久磁石の着磁方向と同方向としたことを特
徴としている。
【0027】本願の第11の発明では、上記第1の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記他方側
の部材と上記励磁コイルとのエアギャップ部分に、鉄粉
又は鉄系材料でなるスベリ軸受を配置したことを特徴と
している。
【0028】本願の第12の発明では、上記第5の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記他方側
の部材に、該部材よりもさらに小径の内径寸法をもつ電
磁ブレーキ用のディスク部を設けたことを特徴としてい
る。
【0029】本願の第13の発明では、同軸状に配置さ
れた駆動側部材と非駆動側部材とを磁力による保持力で
一体回転可能に接続する回転伝動部材の継手装置におい
て、上記駆動側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束
を生成して上記保持力を発生させるための永久磁石を上
記駆動側部材と非駆動側部材との少なくともいずれか一
方側に設けるとともに、上記永久磁石の磁力による上記
保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材との
接続状態を解除させるための励磁コイルを、該駆動側部
材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで上記永久磁
石に対向する位置に固定配置し、さらに上記他方側の部
材に該部材よりもさらに小径の内径寸法をもつ電磁ブレ
ーキ用のディスク部を設けたことを特徴としている。
【0030】本願の第14の発明にかかる可変バルブタ
イミング装置では、同軸状に配置された駆動側部材と非
駆動側部材のうち、該駆動側部材をクランク軸により駆
動されるプーリーに、上記非駆動側部材をカムシャフト
に、それぞれ接続する一方、上記駆動側部材と非駆動側
部材のうちの少なくともいずれが一方側に該駆動側部材
と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成してこれらを
一体回転可能とする上記保持力を発生させるための永久
磁石を設けるとともに、上記永久磁石の磁力による上記
保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材との
接続状態を解除させるための励磁コイルを、該駆動側部
材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで上記永久磁
石に対向する位置に固定配置し、上記励磁コイルに対し
て、上記永久磁石と上記励磁コイルとに挟まれた上記他
方側の部材における該永久磁石と励磁コイルが対向する
部位での該励磁コイルにより生成される磁束方向が上記
永久磁石の磁束と同方向となるように通電し、さらに、
上記駆動側部材に対してこれを加速及び減速させる方向
に駆動力を付与する駆動手段を備えたことを特徴として
いる。
【0031】本願の第15の発明にかかる可変バルブタ
イミング装置では、同軸状に配置された駆動側部材と非
駆動側部材のうち、該駆動側部材をクランク軸により駆
動されるプーリーに、上記非駆動側部材をカムシャフト
に、それぞれ接続する一方、上記駆動側部材と非駆動側
部材のうちの少なくともいずれが一方側に該駆動側部材
と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成してこれらを
一体回転可能とする上記保持力を発生させるための永久
磁石を設けるとともに、上記永久磁石の磁力による上記
保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材との
接続状態を解除させるための励磁コイルを、該駆動側部
材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで上記永久磁
石に対向する位置に固定配置し、さらに、上記駆動側部
材に対してこれを加速及び減速させる方向に駆動力を付
与する駆動手段を備えたことを特徴としている。
【0032】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0033】(イ) 本願の第1の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、同軸状に配置された駆動側
部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成して上記
保持力を発生させるための永久磁石を上記駆動側部材と
非駆動側部材との少なくともいずれか一方側に設けると
ともに、上記永久磁石の磁力による上記保持力を減少さ
せて上記駆動側部材と非駆動側部材との接続状態を解除
させるための励磁コイルを、該駆動側部材と非駆動側部
材のいずれか他方側を挟んで上記永久磁石に対向する位
置に固定配置し、上記励磁コイルに対して、上記永久磁
石と上記励磁コイルとに挟まれた上記他方側の部材にお
ける該永久磁石と励磁コイルが対向する部位での該励磁
コイルにより生成される磁束方向が上記永久磁石の磁束
と同方向となるように通電するようにしているので、上
記他方側の部材においては、上記永久磁石の磁束に加え
て、上記励磁コイルの磁束が流入し、その部分の磁束密
度が飽和磁束密度に達することで上記永久磁石の磁束は
上記励磁コイルの磁束によって次第に該永久磁石側に迫
り出され、該永久磁石が備えられた上記一方側の部材か
らこれが備えられていない上記他方側の部材に流入する
上記永久磁石の磁束が低減され、該永久磁石の磁束によ
る上記駆動側部材と非駆動側部材との間の保持力が低下
し、結果的に、これらの保持状態が解除されることにな
る。
【0034】この場合、上記励磁コイルの磁束によって
上記永久磁石の磁束を上記他方側の部材から迫り出して
該永久磁石による磁束を低下させるものであるため、例
えば従来のように永久磁石の磁束方向と逆方向に励磁コ
イルの磁束を生成させて該永久磁石の磁束を打ち消す場
合に比して、該励磁コイルの必要起磁力が小さくて良い
ことになる。また、上記励磁コイルが上記他方側の部材
を挟んで上記永久磁石と反対側に配置されていることか
ら、該励磁コイルから上記他方側の部材に至る磁束経路
中においては該励磁コイルと上記他方側の部材との間に
エアギャップが一つだけ存在する状態であり、該励磁コ
イルの磁束が上記エアギャップにより減衰される度合い
が少なく、それだけ上記励磁コイルの必要起磁力を低く
抑えることができる。
【0035】このように保持解除のための励磁コイルの
起磁力を低く抑えることができる結果、該励磁コイルに
おけるコイルの巻数を少なくしてそのコンパクト化が図
れるとともに、該励磁コイルに通電する電流値を低く設
定できることでスイッチあるいは電線等の電気部品の小
容量化が促進されそれだけコストダウンが図れる、等の
効果が奏せられるものである。
【0036】(ロ) 本願の第2の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第1の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記永久磁石の磁力
を、上記他方側の部材における上記永久磁石の磁束密度
が飽和密度近くになるように設定しているので、上記励
磁コイルの励磁により生成される磁束により即座に磁束
密度が飽和状態に達して上記永久磁石の磁束が迫り出さ
れることとなり、上記励磁コイルによる保持解除の応答
性が高められる。
【0037】(ハ) 本願の第3の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第2の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記他方側の部材を鉄
系材料で構成するとともに、その磁束方向における断面
積を小さく設定しているので、該鉄系材料はより弱い磁
界のもとで飽和磁束密度に達するという性状を有してい
ること、及び磁束密度は磁束方向における断面積が小さ
い程高くなることからして、上記励磁コイルの磁束によ
る上記永久磁石の磁束の迫り出し、即ち、永久磁石の保
持力の低下が、上記励磁コイルの起磁力がより低い段階
で達成されることになり、それだけ上記(イ)に記載の
効果がさらに顕著となるものである。
【0038】(ニ) 本願の第4の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第3の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記他方側の部材を、
鉄系材料のうちでも、その磁束密度が飽和状態に達する
磁界の強さが最も低い部類に属する軟鉄としているの
で、上記(ハ)に記載の効果がさらに顕著となるもので
ある。
【0039】(ホ) 本願の第5の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第1の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部材と非駆
動側部材のうち径方向外側に位置する部材に上記永久磁
石を、径方向内側に位置する部材よりもさらに径方向内
側に上記励磁コイルを、それぞれ配置しているので、該
励磁コイルのコイル径は、例えばこれを径方向外側に位
置する部材よりもさらにその径方向外側に配置する場合
に比して、可及的に小さくなる。この結果、例えば励磁
コイルのコイル長さを同じとした場合には、励磁コイル
の径が小さくなる分だけコイル巻数を増やすことがで
き、それだけ同じ起磁力を得るに必要な励磁電流を低く
することができることになる。
【0040】また、保持力を発生する上記駆動側部材と
非駆動側部材との間のエアギャップの径(即ち、保持力
を規定するモーメントアームの長さ)が、例えば励磁コ
イルを径方向外側に位置する部材よりもさらにその径方
向外側に配置する場合に比して、大きくなり、この結
果、永久磁石の必要保持力を同じとした場合には上記モ
ーメントアームが大きくなる分だけ上記エアギャップ部
分の凸極における磁気吸引力小さく設定することができ
る。従って、この磁気吸引力が小さい分だけ、これを低
減させるための上記励磁コイルの必要起磁力を小さく抑
えることができるものである。
【0041】(ヘ) 本願の第6の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第1の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記他方側の部材にお
ける上記永久磁石の磁束と上記励磁コイルの磁束とが共
に通る部位と上記永久磁石との中間にエアギャップを形
成しているので、上記永久磁石からの磁束は上記エアギ
ャップの透磁率が極めて低いことから該エアギャップを
通ってショートサーキットすることなく上記他方側の部
材へ容易に流入することとなり、該他方側の部材におけ
る上記永久磁石の磁束密度が確保され、また励磁コイル
側の磁束も上記エアギャップの存在により上記永久磁石
側に流入することなく上記他方側の部材へスムーズに流
入し該他方側の部材における励磁コイルの磁束密度が良
好に維持される。従って、上記励磁コイルを励磁しての
保持解除時には、上記他方側の部材での磁束密度の飽和
が容易且つ確実となり、結果的に励磁コイルのより小さ
な起磁力での保持解除が確保されることになる。
【0042】(ト) 本願の第7の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第6の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記エアギャップの上
記永久磁石軸方向における幅寸法を、該永久磁石の軸方
向寸法よりも小さく設定しているので、上記エアギャッ
プの幅寸法が小さい分だけ該エアギャップ部分の透磁率
が増大する。この結果、保持解除時において上記他方側
の部材に流入していた上記永久磁石の磁束が該部材から
永久磁石側に迫り出される場合、上記エアギャップの幅
寸法が大きい場合に比して、上記磁束が上記エアギャッ
プ部分に流入すること、即ち、上記他方側の部材からの
迫り出しが容易となり、それだけ保持解除時における上
記励磁コイルの起磁力を低く抑えることが可能となるも
のである。
【0043】(チ) 本願の第8の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第6又は第7の発明に
かかる回転伝動部材の継手装置において、上記エアギャ
ップ内に、非磁性物質を充填しているので、上記非磁性
物質により上記エアギャップ内に磁性体が付着して該エ
アギャップ部分の透磁率が大きくなり過ぎること(即
ち、エアギャップ部分の磁気抵抗が小さくなり過ぎるこ
と)が防止される。従って、上記励磁コイルの磁束の上
記エアギャップ側への流入が可及的に阻止され、上記他
方側の部材における磁束密度の減少が抑制される(換言
すれば、上記励磁コイルの磁束が上記他方側の部材にお
ける磁束飽和に有効に利用される)。この結果、上記エ
アギャップ側への磁束流入が無い分だけ上記励磁コイル
の必要起磁力を小さく抑えることができるものである。
【0044】(リ) 本願の第9の発明にかかる回転伝
動部材の継手装置によれば、上記第1の発明にかかる回
転伝動部材の継手装置において、上記永久磁石が備えら
れた上記一方側の部材が接する回転部材の該永久磁石に
近い表面層を非磁性層とするとともに内部層を磁性層と
しているので、例えば上記回転部材の全体を非磁性層と
する場合に比して、保持解除時に上記他方側の部材から
迫り出された上記永久磁石の磁束が上記回転部材側に流
入すること、即ち、該磁束の他方側の部材からの迫り出
しが容易となり、それだけ上記励磁コイルの起磁力を小
さく抑えることが可能となるものである。
【0045】(ヌ) 本願の第10の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記第6又は第7の発明
にかかる回転伝動部材の継手装置において、上記駆動側
部材と非駆動側部材のうちの他方側における上記永久磁
石と対向する部位に補助永久磁石を備えるとともに、該
補助永久磁石の着磁方向を上記永久磁石の着磁方向と同
方向としているので、上記励磁コイルの励磁による保持
解除時には上記永久磁石の磁束の一部は上記他方側の部
材に流入するが、この他方側の部材に流入する一部の磁
束は上記補助永久磁石の磁束によってさらに上記一方側
の部材側へ確実に迫り出されて上記エアギャップ部分に
封じ込められることになり、それだけ上記励磁コイルの
起磁力を小さく抑えることが可能となるものである。
【0046】(ル) 本願の第11の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記第1の発明にかかる
回転伝動部材の継手装置において、上記他方側の部材と
上記励磁コイルとのエアギャップ部分に、鉄粉又は鉄系
材料でなるスベリ軸受を配置しているので、該エアギャ
ップ部分の透磁率が大きくなって磁気抵抗が低下するこ
とで、該エアギャップ部分を通って上記他方側の部材に
流入する上記励磁コイルの磁束の減衰が可及的に抑制さ
れ、それだけ該励磁コイルの起磁力を小さく抑えること
が可能となるものである。
【0047】(ヲ) 本願の第12の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、上記第5の発明にかかる
回転伝動部材の継手装置において、上記駆動側部材と非
駆動側部材のうちの他方側に、該部材よりもさらに小径
の内径寸法をもつ電磁ブレーキ用のディスク部を設けて
いるので、例えば上記ディスク部の外形寸法が所定値に
抑えられている場合には、その内径が小さくなった分だ
け該ディスク部の面積を大きくとることが可能となり、
それだけ上記ディスク部の寿命を高めることができその
耐久性が向上する。
【0048】また、上記ディスク部を上記他方側の部材
寄りに設けることで、上記一方側の部材と他方側の部材
との間における保持力発生用のギャップ面の径寸法を上
記ディスク部に制約されることなく大きくとることが可
能である。従って、必要保持力を同じとすれば、ギャッ
プ面の径が大きい分だけ(即ち、モーメントアームの長
さが長くなった分だけ)上記永久磁石の磁力を小さく設
定することができる。この結果、保持解除時において上
記永久磁石の磁束を迫り出すための上記励磁コイルの起
磁力を低く設定することが可能となるものである。
【0049】(ワ) 本願の第13の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、同軸状に配置された駆動
側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成して上
記保持力を発生させるための永久磁石を上記一方側の部
材に設けるとともに、上記永久磁石の磁力による上記保
持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材との接
続状態を解除させるための励磁コイルを、上記他方側の
部材を挟んで上記永久磁石に対向する位置に固定配置
し、さらに上記他方側の部材に該部材よりもさらに小径
の内径寸法をもつ電磁ブレーキ用のディスク部を設けて
いるので、例えば上記ディスク部の外形寸法が所定値に
抑えられている場合には、その内径が小さくなった分だ
け該ディスク部の面積を大きくとることが可能となり、
それだけ上記ディスク部の寿命を高めることができその
耐久性が向上する。
【0050】また、上記ディスク部を上記他方側の部材
寄りに設けることで、上記一方側の部材と他方側の部材
との間における保持力発生用のギャップ面の径寸法を上
記ディスク部に制約されることなく大きくとることが可
能である。従って、必要保持力を同じとすれば、ギャッ
プ面の径が大きい分だけ(即ち、モーメントアームの長
さが長くなった分だけ)上記永久磁石の磁力を小さく設
定することができる。この結果、上記励磁コイルを励磁
して上記永久磁石の磁束を迫り出す場合においても、ま
た上記永久磁石の磁束を励磁コイルの磁束により打ち消
す場合においても、上記永久磁石の磁力が小さい分だけ
上記励磁コイルの起磁力を低く設定することが可能とな
るものである。
【0051】(カ) 本願の第14の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置は、同軸状に配置された駆動側部材
と非駆動側部材のうち、該駆動側部材をクランク軸によ
り駆動されるプーリーに、上記非駆動側部材をカムシャ
フトに、それぞれ接続する一方、上記駆動側部材と非駆
動側部材のうちの少なくともいずれが一方側に該駆動側
部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成してこれ
らを一体回転可能とする上記保持力を発生させるための
永久磁石を設けるとともに、上記永久磁石の磁力による
上記保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動側部材
との接続状態を解除させるための励磁コイルを、該駆動
側部材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで上記永
久磁石に対向する位置に固定配置し、上記励磁コイルに
対して、上記永久磁石と上記励磁コイルとに挟まれた上
記駆動側部材と非駆動側部材のうちのいずれか他方側に
おける該永久磁石と励磁コイルが対向する部位での該励
磁コイルにより生成される磁束方向が上記永久磁石の磁
束と同方向となるように通電し、さらに、上記駆動側部
材に対してこれを加速及び減速させる方向に駆動力を付
与する駆動手段を備えて構成されているので、上記励磁
コイルを励磁して上記永久磁石による上記駆動側部材と
非駆動側部材との保持状態を解除する場合、上記他方側
の部材における磁束飽和による上記永久磁石の磁力の迫
り出しにより上記励磁コイルの低い起磁力で且つ迅速に
保持解除を行うことができるとともに、保持解除の後、
上記駆動手段により上記駆動側部材を加速あるいは減速
させることで上記プーリーとカムシャフトとの回転位相
を変更してバルブタイミングを変更することができる。
従って、本発明の可変バルブタイミング装置によれば、
保持解除時の通電量が少なく且つ応答性の良好なバルブ
タイミングの変更が可能となるものである。
【0052】(ヨ) 本願の第15の発明にかかる回転
伝動部材の継手装置によれば、同軸状に配置された駆動
側部材と非駆動側部材のうち、該駆動側部材をクランク
軸により駆動されるプーリーに、上記非駆動側部材をカ
ムシャフトに、それぞれ接続する一方、上記駆動側部材
と非駆動側部材のうちの少なくともいずれが一方側に該
駆動側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生成し
てこれらを一体回転可能とする上記保持力を発生させる
ための永久磁石を設けるとともに、上記永久磁石の磁力
による上記保持力を減少させて上記駆動側部材と非駆動
側部材との接続状態を解除させるための励磁コイルを、
該駆動側部材と非駆動側部材のいずれか他方側を挟んで
上記永久磁石に対向する位置に固定配置し、さらに、上
記駆動側部材に対してこれを加速及び減速させる方向に
駆動力を付与する駆動手段を備えているので、上記励磁
コイルを励磁して上記永久磁石による上記駆動側部材と
非駆動側部材との保持状態を解除する場合、上記他方側
の部材における磁束飽和による永久磁石の磁束の迫り出
し、あるいは該永久磁石の磁束の打ち消しによって保持
解除を行うことができるとともに、保持解除の後、上記
駆動手段により上記駆動側部材を加速あるいは減速させ
ることで上記プーリーとカムシャフトとの回転位相を変
更してバルブタイミングを変更することができる。従っ
て、本発明の可変バルブタイミング装置によれば、応答
性の良好なバルブタイミングの変更が可能となるもので
ある。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0054】A:第1の実施形態 図1には、エンジンのカム軸1とクランク軸(図示省
略)により回転駆動されるプーリー2とを回転角位相可
変に連結する継手装置Z1を可変バルブタイミング装置
に組み込んだ状態を示している。以下、この継手装置Z
1を中心にその構成等を説明する。
【0055】A:継手装置Z1の構成 継手装置Z1は、カム軸1と該カム軸1の端部外周に相
対回転可能に支承されたプーリー2とを回転角位相可変
に連結するものであって、その具体的構造は以下の通り
である。
【0056】上記カム軸1の先端側には、その外周にヘ
リカルスプライン3aを刻設した中空長軸状の中間軸3
と、該中間軸3の先端部に外嵌された鍔つき中空軸状の
第1コア4とが、締結ボルト25により上記カム軸1と
同軸上に締結固定されており、これら中間軸3と第1コ
ア4は上記カム軸1と一体回転される。尚、上記第1コ
ア4は、軸受71によりケーシング11側に回転自在に
支承されている。
【0057】上記中間軸3の径方向外側位置には、ディ
スク部5bを備えるとともにその内周面に平行スプライ
ン5aを刻設した第2コア5が上記中間軸3と同軸上に
配置されている。そして、この第2コア5の内周と上記
中間軸3の外周との間には、該第2コア5側の平行スプ
ライン5aと該中間軸3側のヘリカルスプライン3aと
に同時に噛合するアドバンシングプレート6が配置され
ている。また、このアドバンシングプレート6は、爪部
材20を介して上記プーリー2に連結されている。さら
に、上記プーリー2と第2コア5との間には、渦巻きバ
ネで構成されるリターンスプリング7が設けられてい
る。
【0058】一方、上記第1コア4の外周側には、図1
及び図2に示すように、ドーナツ状形態をもつ永久磁石
8と、該永久磁石8をその厚さ方向に挟んだ状態で配置
されたドーナツ状形態をもつ左右一対のヨーク9,9と
が軸方向に挟着状態で取り付けられている。この場合、
上記ヨーク9は、上記永久磁石8よりも大径とされると
ともに、その外周面にはその軸方向に延びる凸条で構成
される凸極9c,9c,・・が形成されている。また、
このヨーク9の一側には、円形の凹部9aが形成されて
いる。この凹部9cは、上記永久磁石8をその軸方向か
ら嵌合させて該永久磁石8の径方向及び軸方向の位置決
め固定を行うものであり、その深さは上記永久磁石8の
厚さ寸法の略1/3程度とされている。従って、この一
対のヨーク9,9と上記永久磁石8との組付状態におい
ては、図1に示すように、該各ヨーク9,9の一側外周
部に形成された環状の環状隆起部9b,9bが所定間隔
をもって対向し、これらの間に環状の第3エアギャップ
23を形成することになる。尚、上記永久磁石8とヨー
ク9,9とは、上記第1コア4を介して上記カム軸1に
連結されてこれと一体回転する構造となっており、これ
ら各部材によってインナーロータ10が構成される。ま
た、上記ヨーク9,9は、特許請求の範囲中の「非駆動
側部材」に該当する。
【0059】上記インナーロータ10の径方向外側に
は、上記第2コア5の一端部に同軸状に取り付けられた
アウタロータ11が位置している。このアウタロータ1
1は、特許請求の範囲中の「駆動側部材」に該当するも
のであって、例えば軟鉄等の鉄系の強磁性材で構成され
ている。そして、このアウタロータ11の内周面におけ
る上記インナーロータ10側の各ヨーク9,9の外周面
に対向する部位には、その軸方向に延びる凸条で構成さ
れる凸極11a,11a,・・が形成されており、これ
ら各凸極11a,11ac,・・は上記ヨーク9側の凸
極9c,9c,・・と所定の第1エアギャップ21をも
って径方向に近接対向する。さらに、上記アウタロータ
11の内周面における上記永久磁石8に対応する部位に
は、上記インナーロータ10側の上記第3エアギャップ
23と同様の幅寸法をもつ環状の周溝11bが形成され
ており、この周溝11bの形成により上記アウタロータ
11は該周溝11bに対応する部位はその断面積が他の
部位に比して小さくなっている(以下、この部位を「小
断面部17」という)。
【0060】一方、上記アウタロータ11の径方向外側
には、励磁コイル12が、ケーシング30側に固定され
且つその内部に環状空間を形成した一対のヨーク13,
14の該環状空間内に収容された状態で配置されてい
る。この各ヨーク13,14の上記アウタロータ11の
上記周溝11b形成部位の背面側に近接対向する側の端
部13a,14aは、上記永久磁石8と対応する部位に
おいて相互に離間し、これらの間に第4エアギャップ2
4を形成している。さらに、上記励磁コイル12の径方
向外側には、ブレーキコイル15が配置され、該ブレー
キコイル15の磁力によりシュー部材16を上記第2コ
ア5のディスク部5bに押圧付勢することで該第2コア
5に所定の制動力をかけるようになっている。
【0061】B:継手装置Z1の作動等 上記継手装置Z1の作動等を説明すると次の通りであ
る。この継手装置Z1は、上記カム軸1とエンジンのク
ランクシャフト(図示省略)によりタイミングベルト
(図示省略)を介して回転駆動されるプーリー2とを、
その回転位相を保持した状態で一体的連結して回転させ
る「位相保持」と、上記カム軸1とプーリー2との位相
保持状態を解除してこれら両者の位相変更を可能とする
「位相解除」とをエンジン回転数の運転状態に応じて選
択できるものであって、上記「位相保持」はこれを上記
永久磁石8の磁力により行い、上記「位相解除」はこれ
を上記励磁コイル12の磁力により上記永久磁石8の磁
力を調整することで行うようになっている。また、「位
相変更」は、「位相解除」の状態において上記ブレーキ
コイル15による制動力と上記リターンスプリング7の
復元力を駆動力として上記アドバンシングプレート6の
軸方向変位により行われる。以下、これら各作動につい
てそれぞれ具体的に説明する。
【0062】位相保持 「位相保持」は、上記励磁コイル12を非励磁とした状
態において上記永久磁石8の磁力により行われる。即
ち、図3に実磁束線で示すように、上記励磁コイル12
を非励磁とした状態においては、上記永久磁石6により
生成される磁束F1は、該永久磁石8から一方のヨーク
9及び第1エアギャップ21を経て上記アウタロータ1
1に流入し、該アウタロータ11の小断面部17部分を
通って再び上記第1エアギャップ21及び他方のヨーク
9を経て永久磁石8に帰還する経路をとる。この磁束F
1が上記各ヨーク9,9と上記アウタロータ11とに跨
がって流れる場合、上記各ヨーク9側の凸極9cとアウ
タロータ11側の凸極11aとが径方向において対向し
た時、これらの間を流れる磁束の密度が最大となり、そ
の磁力により上記ヨーク9,9(即ち、これに連結され
た上記カム軸1)とアウタロータ11(即ち、これに連
結されたプーリー2)とはその時点の回転位相を保持し
たまま相対回転が規制され、これら両者は一体回転可能
とされる。
【0063】この「位相保持」状態での動力伝達経路は
次の通りである。即ち、上記インナーロータ10側の各
ヨーク9,9と上記アウタロータ11とが「位相保持」
により一体化されることで上記第2コア5と中間軸3
(即ち、カム軸1)とが一体化され、上記アドバンシン
グプレート6はロック状態となる。従って、上記プーリ
ー2の回転力は、該プーリー2から爪部材20、アドバ
ンシングプレート9、中間軸3を順次経て上記カム軸1
に伝達される。
【0064】位相解除 「位相解除」は、上記励磁コイル12の磁力により行わ
れる。即ち、図3に実磁束線で示すように、上記励磁コ
イル12が励磁されると、上記各ヨーク13,14内を
通り且つ上記第4エアギャップ24部分においてはこれ
を迂回して上記第2エアギャップ22を介して上記アウ
タロータ11の小断面部17側に流入する磁束F2が生
成される。この場合、上記励磁コイル12の磁束F2
上記永久磁石8側の磁束F1の磁束方向が上記ヨーク8
の小断面部17部分において同方向となるように設定さ
れているので、該小断面部17部分においては磁束が飽
和し、上記永久磁石8側の磁束F1は上記励磁コイル1
2側の磁束F2によって該永久磁石8側に迫り出され、
同図に破磁束線で示す磁束F1のように、上記アウタロ
ータ11側へは流入せずに上記各ヨーク9,9側のみに
おいて循環する経路をとることになる。この結果、上記
ヨーク9側の凸極9cと上記アウタロータ11側の凸極
11aとの間を流れる磁束密度が可及的に小さくなって
位相を保持することができず、結果的に上記インナーロ
ータ10とアウタロータ11との相対回転(即ち、上記
カム軸1とプーリー2との相対回転)が許容される状態
となり、位相保持状態が解除されることになる。
【0065】ところで、このような永久磁石8の磁力に
よる回転位相の保持と励磁コイル12による回転位相の
保持解除とを行う構成のものにおいては、保持解除時に
おいて上記励磁コイル12の起磁力をいかに低く抑えら
れるかが課題であることは既述の通りである。この実施
形態のものにおいては、上記励磁コイル12の起磁力を
低く抑えるために以下のような特有の構成を採用してい
る。
【0066】第1の特有な構成は、保持解除時に上記ア
ウタロータ11における上記永久磁石8の磁束F1を低
減させるに際して、上記アウタロータ11部分における
上記永久磁石8の磁束F1と上記励磁コイル12の磁束
2の磁束方向を同方向とし、「磁束飽和」を利用して
上記永久磁石8の磁束を上記アウタロータ11からイン
ナーロータ10側に迫り出すようにした点である。この
ような「磁束飽和」を利用することで、例えば永久磁石
8の磁束を励磁コイル12の磁束で打ち消す手法の場合
に比して、該励磁コイル12の起磁力を低く抑えること
ができるものである。
【0067】第2の特有な構成は、上記励磁コイル12
を、アウタロータ11を挟んで上記インナーロータ10
の永久磁石8に対向する位置に固定配置した点である。
かかる構成により、上記励磁コイル12から上記アウタ
ロータ11に至る磁束経路中においては該励磁コイル1
2とアウタロータ11との間には一つの第2エアギャッ
プ22のみが存在することとなり、かかるエアギャップ
の数が少ない分だけ上記励磁コイル12の磁束の減衰が
抑制され、それだけ上記励磁コイル12の必要起磁力が
低く抑えられるものである。
【0068】第3の特有の構成は、上記永久磁石8の磁
力を、上記アウタロータ11における上記永久磁石8の
磁束密度が飽和密度近くになるように設定した点であ
る。かかる構成により、上記励磁コイル12の励磁によ
り生成される磁束により上記アウタロータ11における
磁束密度が即座に飽和状態に達し、上記永久磁石8の磁
束がアウタロータ11から迫り出されることとなり、結
果的に、上記励磁コイル12による保持解除の応答性が
高められるものである。
【0069】第4の特有の構成は、上記アウタロータ1
1における磁束経路中に小断面部17を設けた点であ
る。かかる構成により、上記小断面部17部分における
磁束密度を飽和させるに必要な上記励磁コイル12の起
磁力がより一層小さくなるものである。
【0070】第5の特有な構成は、上記アウタロータ1
1を、弱い磁界のもとで飽和磁束密度に達するという性
状を有する鉄系材料、特に軟鉄で構成した点である。か
かる構成により、上記アウタロータ11における磁束密
度を飽和させるに必要な上記励磁コイル12の起磁力が
低く抑えられることになる。
【0071】第6の特有な構成は、上記アウタロータ1
1における上記永久磁石8の磁束と上記励磁コイル12
の磁束とが共に通る部位、具体的には上記小断面部17
部分と、上記永久磁石8との中間に、第3エアギャップ
23を形成した点である。かかる構成により、上記永久
磁石8からの磁束は上記第3エアギャップ23の透磁率
が極めて低いことから該第3エアギャップ23を通って
ショートサーキットすることなく上記アウタロータ11
へ容易に流入することとなり、該アウタロータ11にお
ける上記永久磁石8の磁束密度が確保される一方、励磁
コイル12側の磁束も上記第3エアギャップ23の存在
により上記永久磁石8側に流入することなく上記アウタ
ロータ11側へスムーズに流入し、これらにより上記ア
ウタロータ11における励磁コイル12の磁束密度が良
好に維持される。従って、上記励磁コイル12を励磁し
ての保持解除時には、上記アウタロータ11での磁束密
度の飽和が容易且つ確実となり、結果的に励磁コイル1
2のより小さな起磁力での保持解除が確保されることに
なる。
【0072】第7の特有の構成は、上記左右一対のヨー
ク9,9の側面にそれぞれ環状隆起部9b,9bを形成
し、該環状隆起部9b,9bを上記第3エアギャップ2
3を挟んだ状態で対向させることで該第3エアギャップ
23部分における軸方向の幅寸法を上記永久磁石8の厚
さ寸法よりも所定量だけ小さくした点である。かかる構
成により、上記第3エアギャップ23の幅寸法が小さい
分だけ該第3エアギャップ23部分の透磁率が増大し、
この結果、保持解除時において上記アウタロータ11側
に流入していた上記永久磁石8の磁束が該アウタロータ
11から永久磁石8側に迫り出される場合、上記第3エ
アギャップ23の幅寸法が大きい場合に比して、上記磁
束が上記第3エアギャップ23部分に流入すること、即
ち、上記アウタロータ11側からの迫り出しが容易とな
り、それだけ保持解除時における上記励磁コイル12の
起磁力を低く抑えることが可能となるものである。
【0073】位相変更 「位相変更」は、上記ブレーキコイル15による制動力
と上記リターンスプリング7の復元力とを駆動力として
上記アドバンシングプレート6により行われる。即ち、
上記第2コア5に制動力がかけられると、該第2コア5
が上記プーリー2に対して進角側あるいは遅角側に相対
回転し、この第2コア5の回転を受けて上記アドバンシ
ングプレート6が回転して軸方向へ移動する。このアド
バンシングプレート6の軸方向への移動に伴い、該アド
バンシングプレート6と上記中間軸3とにおけるヘリカ
ルスプラインの捩れ角に応じてこれら両者の回転位相が
進角側あるいは遅角側に変化し、結果的に上記カム軸1
が上記プーリー2に対して進角方向あるいは遅角方向へ
位相変更されることになる。
【0074】また、このブレーキコイル15の制動力に
よる位相変更に伴って上記プーリー2と第2コア5とが
相対回転するが、この相対回転により上記リターンスプ
リング7が復元力を増大させる方向に巻上げられる。従
って、「位相解除」の時点において上記ブレーキコイル
15が非作動である場合には、上記リターンスプリング
7の復元力が上記プーリー2と第2コア5との間に作用
し、上記アドバンシングプレート6が軸方向へ移動する
ことで、上記カム軸1が上記プーリー2に対して遅角方
向あるいは進角方向へ位相変更されることになる。
【0075】B:第2の実施形態 図6には、第2の実施形態にかかる継手装置Z2の要部
を示している。この継手装置Z2は、上記第1の実施形
態にかかる継手装置Z1と同様の基本構成をもつもので
あって、該第1の実施形態のそれと異なる点は、上記一
対のヨーク9,9の対向部位に形成された第3エアギャ
ップ23内に、非磁性物質でなる充填材26を充填した
点である。
【0076】かかる構成とすることで、上記充填材26
により上記第3エアギャップ23内に磁性体が付着して
該第3エアギャップ23部分の透磁率が大きくなり過ぎ
ること(即ち、第3エアギャップ23部分の磁気抵抗が
小さくなり過ぎること)が防止される。従って、上記励
磁コイル12の磁束の上記第3エアギャップ23側への
流入が可及的に阻止され、上記アウタロータ11におけ
る磁束密度の減少が抑制される(換言すれば、上記励磁
コイル12の磁束が上記アウタロータ11における磁束
飽和に有効に利用される)。この結果、上記第3エアギ
ャップ23側への磁束流入が無い分だけ上記励磁コイル
12の必要起磁力を小さく抑えることができるものであ
る。
【0077】C:第3の実施形態 図5には、第3の実施形態にかかる継手装置Z3の要部
を示している。この継手装置Z3は、上記第1の実施形
態にかかる継手装置Z1と同様の基本構成をもつもので
あって、該第1の実施形態のそれと異なる点は、上記ア
ウタロータ11の上記周溝11b内に補助永久磁石18
を配置するとともに、該補助永久磁石18の着磁方向を
上記永久磁石8の着磁方向と同方向とした点と、上記ア
ウタロータ11の外周面と上記励磁コイル12の各ヨー
ク13,14の内周面との間の第2エアギャップ22部
分に、鉄粉又は鉄系材料でなるスベリ軸受28を配置し
た点である。かかる特有の構成により次のような効果が
得られる。
【0078】先ず、上記アウタロータ11の上記周溝1
1b内に補助永久磁石18を配置するとともに、該補助
永久磁石18の着磁方向を上記永久磁石8の着磁方向と
同方向とすることで、保持解除時において上記永久磁石
8の磁束を確実に上記第3エアギャップ23側に封じ込
むことができる。即ち、上記励磁コイル12の励磁によ
る保持解除時には、上記永久磁石8の磁束F1の大部分
は、上記励磁コイル12の磁束により迫り出されて破磁
束線F1で示すように上記第3エアギャップ23を通っ
て流れるが、その一部は上記アウタロータ11側に流入
する。この場合、上記補助永久磁石18を設けること
で、上記アウタロータ11に流入する一部の磁束は該補
助永久磁石18の磁束F3によって該アウタロータ11
側への流入が阻止される。この結果、上記永久磁石8の
磁束が上記第3エアギャップ23側へ確実に封じ込めら
れ、該永久磁石8による保持力が皆無に近い状態とされ
る。従って、保持解除用の上記励磁コイル12の起磁力
を小さく抑えることが可能となるものである。
【0079】一方、上記アウタロータ11の外周面と上
記励磁コイル12の各ヨーク13,14の内周面との間
の第2エアギャップ22部分に、鉄粉又は鉄系材料でな
るスベリ軸受28を配置することで、上記励磁コイル1
2の磁束の減衰が可及的に抑制される。即ち、上記第2
エアギャップ22部分に、鉄粉又は鉄系材料でなるスベ
リ軸受を配置することで、該第2エアギャップ22部分
の透磁率が大きくなってその部分の磁気抵抗が低下す
る。この結果、上記第2エアギャップ22部分を通って
上記アウタロータ11に流入する上記励磁コイル12の
磁束の減衰が可及的に抑制され、それだけ該励磁コイル
12の起磁力を小さく抑えることが可能となるものであ
る。
【0080】D:第4の実施形態 図6には、第4の実施形態にかかる継手装置Z4の要部
を示している。この継手装置Z4は、上記第1の実施形
態にかかる継手装置Z1と同様の基本構成をもつもので
あって、該第1の実施形態のそれと異なる点は、上記第
1コア4の外周面における上記インナーロータ10の内
周面と対向する部位に非磁性材でなるカラー部材27を
設けた点である。このようにカラー部材27を配置する
ことで、上記第1コア4の上記インナーロータ10に対
応する部位においては、その表面層が非磁性層とされ、
また上記第1コア4そのものでなる内部層は磁性層とさ
れる。この結果、例えば上記第1コア4の全体を非磁性
層とする場合に比して、保持解除時に上記アウタロータ
11から迫り出された上記永久磁石8の磁束が上記第1
コア4側に流入し易くなる。従って、上記永久磁石8の
磁束のアウタロータ11からの迫り出しが容易となり、
それだけ上記励磁コイルの起磁力を小さく抑えることが
可能となるものである。
【0081】E:第5の実施形態 図7及び図8には、第5の実施形態にかかる継手装置Z
5を示している。この継手装置Z5は、カム軸31の先端
部に取り付けられた第1コア32に、永久磁石37とそ
の外周面に複数の凸極(図示省略)を設けた左右一対の
ヨーク38,38を取り付けてこれら永久磁石37とヨ
ーク38,38とでインナーロータ36を構成してい
る。また、上記インナーロータ36の外周側に、その内
周面に複数の凸極を形成した筒状のアウタロータ35を
配置するとともに、該アウタロータ35を中間部材34
を介して第2コア33に連結している。尚、上記第2コ
ア33には、上記各実施形態の場合と同様に、図示しな
いプーリーがアドバンシングプレートを介して連結され
るとともに、上記第2コア33と上記プーリーの間には
リターンスプリング(図示省略)が配置されている。
【0082】さらに、上記アウタロータ35の径方向外
側には、ヨーク40を備えた励磁コイル39を配置して
いる。そして、このように径方向に重合状態で配置され
た上記励磁コイル39と上記インナーロータ36の側方
には、ブレーキコイル41が配置されている。
【0083】このように、上記インナーロータ36とア
ウタロータ35と励磁コイル39とを径方向に重合させ
て配置し、それらの側方に上記ブレーキコイル41を配
置することで、例えば上記第1の実施形態における継手
装置Z1のように上記励磁コイル12の径方向外側にさ
らにブレーキコイル15を重合状態で配置する場合に比
して、該継手配置Z5の径方向長さを短くできることに
なる。
【0084】尚、この継手装置Z5における「位相保
持」、「保持解除」及び「位相変更」については上記第
1の実施形態にかかる継手装置Z1の場合と同様である
のでその説明は省略する。
【0085】F:第6の実施形態 図9及び図10には、第6の実施形態にかかる継手装置
6を示している。この継手装置Z6は、上記第5の実施
形態にかかる継手装置Z5と同様に、該継手装置Z6の径
方向のコンパクト化を図るためにブレーキコイル55
を、径方向に重合配置される励磁コイル53とアウタロ
ータ50の軸方向の側方に配置した構成をもつものであ
るが、永久磁石51の配置構成等において上記第5の実
施形態にかかる継手装置Z5と異なる。
【0086】即ち、この継手装置Z6は、カム軸45に
インナーロータ47を連結するとともに、該インナーロ
ータ47の径方向外側に、永久磁石51と該永久磁石5
1の両側方に配置された一対のヨーク52,52とから
なるアウタロータ50を配置している。そして、このア
ウタロータ50は、これをコア48を介して図示しない
プーリーに接続している。また、上記インナーロータ4
7の径方向内側にヨーク54を備えた励磁コイル53を
配置している。従って、この実施形態のものにおいて
は、上記アウタロータ50側が駆動側、上記インナーロ
ータ47側が被駆動側となっている。
【0087】このように、径方向に重合配置されるイン
ナーロータ47とアウタロータ50のうち、径方向外側
に位置するアウタロータ50に上記永久磁石51を、径
方向内側に位置する上記インナーロータ47よりもさら
に径方向内側に上記励磁コイル53を、それぞれ配置す
ると、該励磁コイル53のコイル径は、例えば該励磁コ
イル53を上記各実施形態の如くアウタロータの径方向
外側に配置する場合に比して、小さくなる。この結果、
例えば励磁コイル53のコイル長さを同じとした場合に
は、該励磁コイル53の径が小さくなる分だけコイル巻
数を増やすことができ、それだけ同じ起磁力を得るに必
要な励磁電流を低くすることができることになる。
【0088】また、保持力を発生する上記インナーロー
タ47とアウタロータ50との間のエアギャップ47の
径(即ち、保持力を規定するモーメントアームの長さ)
が、例えば励磁コイル53をインナーロータ47の径方
向外側に配置する場合に比して、大きくなり、この結
果、上記永久磁石51の必要保持力を同じとした場合に
は上記モーメントアームが大きくなる分だけ上記エアギ
ャップ49部分の凸極における磁気吸引力小さく設定す
ることができる。従って、この磁気吸引力が小さい分だ
け、これを低減させるための上記励磁コイル53の必要
起磁力を小さく抑えることができるものである。
【0089】G:第7の実施形態 図11には、第7の実施形態にかかる継手装置Z7を示
している。この継手装置Z7は、エンジンの冷却ファン
62の継手として適用されたものであって、クランク軸
60にアウタロータ63を設けるとともに、該アウタロ
ータ63の径方向内側に永久磁石65と一対のヨーク6
6,66とからなるインナーロータ64を配置し、さら
に上記アウタロータ63の径方向外側にヨーク68を備
えた励磁コイル67を配置している。そして、上記イン
ナーロータ64は、これを上記冷却ファン62が取り付
けられたファン軸61に連結している。
【0090】かかる構成とすることで、上記励磁コイル
67の非励磁状態においては、上記永久磁石65により
生成される磁束が上記各ヨーク66,66と上記アウタ
ロータ63との間を流れ、該インナーロータ64とアウ
タロータ63との間に所定の保持力が作用している。従
って、上記クランク軸60により上記ファン軸61が回
転駆動され、上記冷却ファン62による送風状態が実現
される。
【0091】これに対して、上記励磁コイル67が励磁
されると、その磁力により上記永久磁石65の磁束が上
記アウタロータ63側から迫り出されて上記保持力が低
減される。従って、上記クランク軸60とファン軸61
とが非連結状態とされ、上記冷却ファン62は送風停止
状態となる。
【0092】このように、上記継手装置Z7を冷却ファ
ン62の継手として適用すると、上記励磁コイル67の
励磁・非励磁の操作のみによって上記冷却ファン62の
運転・停止を制御することができ、且つ励磁による保持
解除を小さな起磁力(即ち、小通電量)で行うことがで
きるので、例えば従来のように上記クランク軸60とフ
ァン軸61との間に電磁クラッチ等を設け、クラッチコ
イルの磁力によってクランク軸60とファン軸61とを
一体回転可能に接続する場合に比して、装置のコンパク
ト化あるいは低コスト化が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる継手装置を
エンジンの可変バルブタイミング装置に組み込んだ状態
を示す断面図である。
【図2】図1に示した継手装置における永久磁石等の分
解斜視図である。
【図3】図1のV部の拡大図である。
【図4】本願発明の第2の実施形態にかかる継手装置の
要部構造説明図である。
【図5】本願発明の第3の実施形態にかかる継手装置の
要部構造説明図である。
【図6】本願発明の第4の実施形態にかかる継手装置の
要部構造説明図である。
【図7】本願発明の第5の実施形態にかかる継手装置を
エンジンの可変バルブタイミング装置に組み込んだ状態
を示す断面図である。
【図8】図7のVIII部の拡大図である。
【図9】本願発明の第6の実施形態にかかる継手装置を
エンジンの可変バルブタイミング装置に組み込んだ状態
を示す断面図である。
【図10】図9のX部の拡大図である。
【図11】本願発明の第7の実施形態にかかる継手装置
をエンジンの冷却ファンに組み込んだ状態を示す断面図
である。
【図12】「磁界−磁束密度」特性図である。
【図13】「起磁力−保持力」特性図である。
【符号の説明】
1はカム軸、2はプーリー、3は中間軸、4は第1コ
ア、5は第2コア、6はアドバンシングプレート、7は
リターンスプリング、8は永久磁石、9はヨーク、9c
は凸極、10はインナーロータ、11はアウタロータ、
11aは凸極、12は励磁コイル、13はヨーク、14
はヨーク、15はブレーキコイル、16はシュー部材、
17は小断面部、18は補助永久磁石、20は爪部材、
21〜24はエアギャップ、25は締結ボルト、26は
充填材2、27はカラー部材、31はカム軸、32は第
1コア、33は第2コア、34は中間部材、35はアウ
タロータ、36はインナーロータ、37は永久磁石、3
8はヨーク、39は励磁コイル、40はヨーク、41は
ブレーキコイル、45はカム軸、46はコア、47はイ
ンナーロータ、48はコア、50はアウタロータ、51
は永久磁石、52はヨーク、53は励磁コイル、54は
ヨーク、55はブレーキコイル、60はクランク軸、6
1はファン軸、62は冷却ファン、63はアウタロー
タ、64はインナーロータ、65は永久磁石、66はヨ
ーク、67は励磁コイル、68はヨークである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸状に配置された駆動側部材と非駆動
    側部材とを磁力による保持力で一体回転可能に接続する
    回転伝動部材の継手装置であって、 上記駆動側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生
    成して上記保持力を発生させるための永久磁石を上記駆
    動側部材と非駆動側部材との少なくともいずれか一方側
    に設けるとともに、 上記永久磁石の磁力による上記保持力を減少させて上記
    駆動側部材と非駆動側部材との接続状態を解除させるた
    めの励磁コイルを、該駆動側部材と非駆動側部材のいず
    れか他方側を挟んで上記永久磁石に対向する位置に固定
    配置し、 上記励磁コイルに対して、上記永久磁石と上記励磁コイ
    ルとに挟まれた上記他方側の部材における該永久磁石と
    励磁コイルが対向する部位での該励磁コイルにより生成
    される磁束方向が上記永久磁石の磁束と同方向となるよ
    うに通電することを特徴とする回転伝動部材の継手装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記永久磁石の磁力を、上記他方側の部材における上記
    永久磁石の磁束密度が飽和密度近くになるように設定し
    たことを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記他方側の部材を鉄系材料で構成するとともに、その
    磁束方向における断面積を小さく設定したことを特徴と
    する回転伝動部材の継手装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記他方側の部材を軟鉄としたことを特徴とする回転伝
    動部材の継手装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記駆動側部材と非駆動側部材のうち径方向外側に位置
    する部材に上記永久磁石が、径方向内側に位置する部材
    よりもさらに径方向内側に上記励磁コイルが、それぞれ
    配置されていることを特徴とする回転伝動部材の継手装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記他方側の部材における上記永久磁石の磁束と上記励
    磁コイルの磁束とが共に通る部位と上記永久磁石との中
    間にエアギャップが形成されていることを特徴とする回
    転伝動部材の継手装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記エアギャップの上記永久磁石軸方向における幅寸法
    を、該永久磁石の軸方向寸法よりも小さく設定したこと
    を特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、 上記エアギャップ内に、非磁性物質を充填したことを特
    徴とする回転伝動部材の継手装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 上記永久磁石が備えられた上記一方側の部材が接する回
    転部材の該永久磁石に近い表面層を非磁性層とするとと
    もに内部層を磁性層としたことを特徴とする回転伝動部
    材の継手装置。
  10. 【請求項10】 請求項6または7において、 上記他方側の部材における上記永久磁石と対向する部位
    に補助永久磁石を備えるとともに、 該補助永久磁石の着磁方向を上記永久磁石の着磁方向と
    同方向としたことを特徴とする回転伝動部材の継手装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1において、 上記他方側の部材と上記励磁コイルとのエアギャップ部
    分に、鉄粉又は鉄系材料でなるスベリ軸受を配置したこ
    とを特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  12. 【請求項12】 請求項5において、 上記他方側の部材に、該部材よりもさらに小径の内径寸
    法をもつ電磁ブレーキ用のディスク部を設けたことを特
    徴とする回転伝動部材の継手装置。
  13. 【請求項13】 同軸状に配置された駆動側部材と非駆
    動側部材とを磁力による保持力で一体回転可能に接続す
    る回転伝動部材の継手装置であって、 上記駆動側部材と非駆動側部材との間に跨がる磁束を生
    成して上記保持力を発生させるための永久磁石を上記駆
    動側部材と非駆動側部材との少なくともいずれか一方側
    に設けるとともに、 上記永久磁石の磁力による上記保持力を減少させて上記
    駆動側部材と非駆動側部材との接続状態を解除させるた
    めの励磁コイルを、該駆動側部材と非駆動側部材のいず
    れか他方側を挟んで上記永久磁石に対向する位置に固定
    配置し、 さらに上記他方側の部材に該部材よりもさらに小径の内
    径寸法をもつ電磁ブレーキ用のディスク部を設けたこと
    を特徴とする回転伝動部材の継手装置。
  14. 【請求項14】 同軸状に配置された駆動側部材と非駆
    動側部材のうち、該駆動側部材をクランク軸により駆動
    されるプーリーに、上記非駆動側部材をカムシャフト
    に、それぞれ接続する一方、 上記駆動側部材と非駆動側部材のうちの少なくともいず
    れが一方側に該駆動側部材と非駆動側部材との間に跨が
    る磁束を生成してこれらを一体回転可能とする上記保持
    力を発生させるための永久磁石を設けるとともに、 上記永久磁石の磁力による上記保持力を減少させて上記
    駆動側部材と非駆動側部材との接続状態を解除させるた
    めの励磁コイルを、該駆動側部材と非駆動側部材のいず
    れか他方側を挟んで上記永久磁石に対向する位置に固定
    配置し、 上記励磁コイルに対して、上記永久磁石と上記励磁コイ
    ルとに挟まれた上記他方側の部材における該永久磁石と
    励磁コイルが対向する部位での該励磁コイルにより生成
    される磁束方向が上記永久磁石の磁束と同方向となるよ
    うに通電し、 さらに、上記駆動側部材に対してこれを加速及び減速さ
    せる方向に駆動力を付与する駆動手段を備えたことを特
    徴とする可変バルブタイミング装置。
  15. 【請求項15】 同軸状に配置された駆動側部材と非駆
    動側部材のうち、該駆動側部材をクランク軸により駆動
    されるプーリーに、上記非駆動側部材をカムシャフト
    に、それぞれ接続する一方、 上記駆動側部材と非駆動側部材のうちの少なくともいず
    れか一方側に該駆動側部材と非駆動側部材との間に跨が
    る磁束を生成してこれらを一体回転可能とする上記保持
    力を発生させるための永久磁石を設けるとともに、 上記永久磁石の磁力による上記保持力を減少させて上記
    駆動側部材と非駆動側部材との接続状態を解除させるた
    めの励磁コイルを、上記他方側の部材を挟んで上記永久
    磁石に対向する位置に固定配置し、 さらに、上記駆動側部材に対してこれを加速及び減速さ
    せる方向に駆動力を付与する駆動手段を備えたことを特
    徴とする可変バルブタイミング装置。
JP25931296A 1996-09-30 1996-09-30 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置 Expired - Fee Related JP3968804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25931296A JP3968804B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25931296A JP3968804B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10108487A true JPH10108487A (ja) 1998-04-24
JP3968804B2 JP3968804B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=17332337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25931296A Expired - Fee Related JP3968804B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3968804B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004594A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Nittan Valve Co Ltd 可変バルブタイミングコントロールユニットの解析装置
CN113839592A (zh) * 2021-09-18 2021-12-24 福州大学 时间最优无轴承磁通切换电机转矩及悬浮力预测控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004594A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Nittan Valve Co Ltd 可変バルブタイミングコントロールユニットの解析装置
CN113839592A (zh) * 2021-09-18 2021-12-24 福州大学 时间最优无轴承磁通切换电机转矩及悬浮力预测控制方法
CN113839592B (zh) * 2021-09-18 2024-02-13 福州大学 时间最优无轴承磁通切换电机转矩及悬浮力预测控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3968804B2 (ja) 2007-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5490583A (en) Magnetically-operable brake device
JP2002340059A (ja) モータ用励磁作動型電磁ブレーキ
JPH0429136Y2 (ja)
WO2014076867A1 (ja) クラッチ機構
US6935477B2 (en) Magnet type clutch device or magnet type fan clutch device
JP3968804B2 (ja) 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置
JP2004052985A (ja) 電磁クラッチ
JPS635617B2 (ja)
JP3384247B2 (ja) 無励磁作動型電磁クラッチ/ブレーキ
JP7754705B2 (ja) 外部から励起される電気機械
JP2000179583A (ja) 交流電磁ブレーキ又は交流電磁クラッチ
JP2002130342A (ja) 無励磁作動型電磁ブレーキ
JP3965710B2 (ja) 回転数検出装置および該装置を使用したバルブタイミング検出装置
JP2588824Y2 (ja) ブレーキ付モータ
JP2005124259A (ja) 磁気センサおよびブレーキ付き電動機
JP2002340036A (ja) 電磁クラッチ
JPH10267052A (ja) 無励磁作動型電磁クラッチ/ブレーキ
JP2002025819A (ja) ハイブリッド形磁石を用いた磁力式吸着装置
JP7415050B2 (ja) 回転機
JPS60121326A (ja) 電磁スプリングクラッチ
JPH07272923A (ja) リラクタンス形ロータリーソレノイド
JPS595232Y2 (ja) 電磁スプリングクラツチ
JPS6034526A (ja) 電磁クラッチ
JPH11308844A5 (ja)
JP2004153936A (ja) 渦電流式減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070528

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees