JPH10109015A - 脱硝制御装置 - Google Patents

脱硝制御装置

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JPH10109015A
JPH10109015A JP8281567A JP28156796A JPH10109015A JP H10109015 A JPH10109015 A JP H10109015A JP 8281567 A JP8281567 A JP 8281567A JP 28156796 A JP28156796 A JP 28156796A JP H10109015 A JPH10109015 A JP H10109015A
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nox
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各軸NOx排出量設定値に対する追従性を向
上させた脱硝制御装置を得ることである。 【解決手段】 系列脱硝制御装置2の各軸データ保存部
3は、各軸に対応して各軸のプロセス量を入力して保存
する。一方、各軸NOx設定値演算器6は発電プラント
全体としての排出NOx量設定値に基づいて各軸排出N
Ox量設定値を演算する。そして、予測最適化計算部1
0は、各軸のプロセス量及び各軸排出NOx量設定値に
基づいて、各軸毎の現在のNOx排出量設定値及び将来
のある時刻のNOx排出量設定値を演算し各軸制御器1
に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン発電
プラントで発生する窒素酸化物を除去するための脱硝制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガスタービン発電プラントに
は、複数台のガスタービンから構成されるシンプルサイ
クル発電プラントと、ガスタービンと蒸気タービンとを
組み合わせたコンバインドサイクル発電プラントとがあ
る。コンバインド発電プラントはガスタービンで仕事を
終えた排ガスを用いて排熱回収ボイラで蒸気を発生さ
せ、その蒸気で蒸気タービンを駆動するようにしたもの
であり、1台のガスタービンと1台の蒸気タービンとが
直結されて一軸を構成している。そして、通常は、ガス
タービンと蒸気タービンとを直結したものを複数台設け
た多軸型の複合発電プラントが採用されており、各々の
軸毎に各軸制御器が設けられて制御がなされている。
【0003】ガスタービンの排ガス中には窒素酸化物N
Oxが含まれており、これは公害の要因となるので、な
るべく低く抑える必要がある。そのため、排熱回収ボイ
ラ内の触媒上で、注入されたアンモニアによりNOxを
無害な水分と窒素に分解する脱硝反応を行っている。す
なわち、各軸制御器で適切な量のアンモニアを注入する
ように制御することでこの反応を行っているが、次のよ
うな特徴を持つため、この脱硝反応は一般に制御が難し
い。 (1)NOxとアンモニアの脱硝反応に関わる非線形
性。 (2)反応しきれずに残ったNOxやアンモニアの量を
測定する計器の測定に伴う時間遅れ。
【0004】図3は、そのような従来の脱硝制御装置の
構成図である。脱硝制御装置は、各軸制御装置1a〜1
nと系列脱硝制御装置2とから構成される。系列脱硝制
御装置2は各軸制御装置1a〜1nに、それぞれ各軸制
御器設定値信号として各軸のNOx排出量設定値u1
nを与えるものであり、各軸制御装置1a〜1nは系
列脱硝制御装置2で与えられたNOx排出量設定値u1
〜unに基づき各軸に注入するアンモニア注入量設定値
1〜hnを算出するものである。そして、そのアンモニ
ア注入量設定値h1〜hnを脱硝反応プロセスに出力し、
NOx排出量が規定値を越えないように制御する。
【0005】系列脱硝制御装置2は、各軸に対応して各
軸のプロセス量a1〜anを入力し保存するデータ保存部
3a〜3n及びそのプロセス量に基づいてNOx排出量
を予測する予測部4a〜4nを有している。各軸のデー
タ保存部3a〜3n及び予測部4a〜3nは同一機能を
有するので、以下、第1軸のデータ保存部3a及び予測
部4aについて説明する。
【0006】第1軸のプロセス量a1はデータ保存部3
aに入力され、時系列的に保存される。すなわち、所定
のサンプリング周期前の過去のプロセス量から現在のプ
ロセス量までが保存される。このプロセス量は、NOx
排出量xやアンモニア排出量yであり、その他のプロセ
ス量wも含まれる。
【0007】予測部4aは、データ保存部3aに記憶さ
れている過去のプロセス量a1及び過去の各軸のNOx
排出量設定値u1に基づき、今後の入力変化がない場合
の次のサンプリング周期での第1軸から排出される将来
のNOx排出量の予測値を計算する。
【0008】すなわち、予測部4aでは、次の(1)式
に示す動特性モデルを有し、自由応答と呼ばれる今後の
入力変化がない場合の第1軸から排出されるNOx排出
量の予測値を計算する。なお、(1)式において、kは
現在時刻であり、k−1は1サンプリング前の時刻、k
−mはmサンプリング前の時刻を表している。
【0009】
【数1】
【0010】x1(k):第1軸の時刻kにおけるNO
x排出量(第1軸プロセス量) u1(k):第1軸の時刻kにおけるNOx排出量設定
値 w1(k):第1軸の時刻kにおけるその他のプロセス
量(NOx排出量、アンモニア排出量は除く) y1(k):第1軸の時刻kにおけるアンモニア排出量
(第1軸プロセス量) f1(k):第1軸の動特性を表す線形の離散時間関数 この予測部4aで算出された自由応答のNOx排出量の
予測値x1(k)は最適化計算部5に入力される。
【0011】ここで、将来のk+p時刻における第1軸
のNOx排出量予測値x(k+p)は下記の(2)式で
示される。
【0012】
【数2】
【0013】Δu1:第1軸のNOx排出量設定値u1
変化分。つまり、第1軸の将来の時刻k+pにおけるu
1(k+p)の現在時刻kにおけるNOx排出量設定値
u(k)からの変化分 G1(Δu1):NOx排出量設定値Δu1が将来の時刻
k+pにおける第1軸のNOx排出量に与える影響の項 x1p(k):第1軸のNOx排出量の過去の値 x1p(k)=(x1(k−1),…,x1(k−m)) u1p(k):第1軸のNOx排出量設定値の過去の値 u1p(k)=(u1(k−1),…,u1(k−m)) w1p(k):第1軸のその他のプロセス量a1の過去の
値 w1p(k)=(w1(k−1),…,w1(k−m)) y1p(k):第1軸のアンモニア排出量の過去の値 y1p(k)=(y1(k−1),…,y1(k−m)) F1(w1p,y1p,u1p,w1p):過去の値x
1p(k),u1p(k),w1p(k),y1p(k)が、将
来の値x1(k+p)に影響する項 前述したように、最適化計算部5へは、各々の予測部4
a〜4nから(2)式の右辺第2項で示される自由応答
の予測値x1〜xnが入力される。
【0014】次に、各軸NOx設定値演算器6には、各
軸が排出するNOx量の総和が系列排出NOx量設定値
Srとして入力される。すなわち、発電所全体として出
力が許容される排出NOx量が入力される。
【0015】各軸NOx設定値演算器6では、各軸が排
出するNOx量の総和が系列排出NOx量設定値Srを
満足するように、各軸が排出する排出NOx量の設定値
を計算し、各軸排出NOx量設定値s1〜snとして最適
化計算部5に出力する。
【0016】最適化計算部5では、各々の予測部4a〜
4nからの各軸の予測値x1〜xn及び各軸排出NOx量
設定値s1〜snにより、各軸毎の最適なNOx排出量設
定値u1〜unの現在の値からの変化分Δu1〜Δunが計
算され、各々の積分器7a〜7nに出力される。
【0017】たとえば、第1軸NOx排出量設定値変化
分Δu1は、最適化計算部5において、第1軸の予測値
1及び各軸排出NOx量設定値s1から、次の(3)式
の評価関数を最小にするような将来の入力の変化分Δu
1として求められる。
【0018】
【数3】
【0019】s1(k):第1軸に対する各軸排出NO
x量設定値 Np:予測長 λ:チューニングパラメータ この評価関数で、第1軸の排出NOx量設定値s1と実
際に第1軸から排出されるNOx排出量x1との差がで
きるだけ小さくなるようなΔu1の中で、できるだけ小
さいものを求めることができる。
【0020】(3)式で示す評価関数を最小にする意味
で最適な入力の変化分Δu1 *は、次の(4)式のように
計算される。
【0021】
【数4】
【0022】A:(2式)とλから定まる定数行列 B(s1,F1):s1,F1からなる関数 この入力の変化分Δu1 *(k)が、第1軸NOx排出量
設定値変化分として、積分器7aへ出力される。
【0023】積分器7aでは、第1軸NOx排出量設定
値変化分Δu1 *と、1ステップ(1サンプリング)過去
の第1軸NOx排出量設定値u1(k−1)とを加え
て、第1軸の各軸制御器1aへ出力する。同様に、第n
軸NOx排出量設定値変化分Δu1 *と、1ステップ(1
サンプリング)過去の第1軸NOx排出量設定値u
n(k−1)とを加えて、第1軸の各軸制御器1aへ出
力する。
【0024】つまり、第1軸に関しては、積分器7aで
は、以下の(5)式の演算がなされ、u1(k)が現在
の第1軸制御器設定値u1(k)として出力される。
【0025】
【数5】
【0026】第1軸の各軸制御器7aでは、第1軸制御
器設定値u1(k)に基づき、第1軸に対するアンモニ
アの注入量を計算し、第1軸のアンモニア注入量設定値
1を出力する。他の各軸においても同様に、アンモニ
ア注入量設定値が出力され、それぞれの脱硝反応プロセ
スに出力される。これによりNOx排出量は規定値以内
に抑制される。
【0027】図4に示すように、各軸制御器1と脱硝反
応プロセス8とは、脱硝反応プロセス8のプロセス量a
と各軸制御器設定値hとから、アンモニア注入量を算出
する閉ループ系9になっている。なお、脱硝反応プロセ
ス8とは、排熱回収ボイラ内の触媒上での脱硝反応のこ
とであり、アンモニア流量制御系を含む。
【0028】系列脱硝制御装置2では、この閉ループ系
9の動特性を予測し、評価関数を最小にする意味で最適
な閉ループ系9に対するNOx排出量設定値uを計算し
ている。各軸制御器1では、このNOx排出量設定値に
基づいてアンモニアの注入量を求めている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところが、各軸制御器
1にPID制御器が用いられた場合などは、閉ループ系
9の応答は必ずしも良いものとはならないので、各軸N
Ox排出量設定値変化Δuに対して、良い追従性が得ら
れない。
【0030】例えば、説明を簡単にするために、第1軸
NOx排出量をある値から下げて別な値にする場合を考
える。すなわち、各軸NOx設定値演算器6により求め
られた各軸排出NOx量設定値s1〜snのうち、第1軸
に対する設定値s1が時刻k+iで図5のようにステッ
プ状に下がる場合を考える。
【0031】そのとき、最適化計算部5で求められた第
1軸の動特性を考慮して、評価関数を最小にする意味で
最適な第1軸制御器設定値u1は図5のようになる。ま
た、そのとき予測された評価関数を最小にする意味で最
適な第1軸から排出されるNOx量は、図5の第1軸N
Ox排出量x1である。
【0032】このように、閉ループ系9の応答が良いも
のではなかった場合、閉ループ系9の操作量である系列
脱硝制御装置2により与えられる設定値u1が、ハイゲ
インになってしまうこともあり、外乱などの影響で安定
性が損なわれる。
【0033】本発明の目的は、各軸NOx排出量設定値
に対する追従性を向上させた脱硝制御装置を得ることで
ある。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、系列
脱硝制御装置は、各軸に対応して各軸のプロセス量を入
力し保存する各軸データ保存部と、発電プラント全体と
しての排出NOx量設定値に基づいて各軸排出NOx量
設定値を演算する各軸NOx設定値演算器と、各軸のプ
ロセス量及び各軸排出NOx量設定値に基づいて各軸毎
の現在のNOx排出量設定値及び将来のある時刻のNO
x排出量設定値を演算し各軸制御器に出力する予測最適
化計算部とを備えたものである。
【0035】請求項1の発明では、系列脱硝制御装置の
予測最適化計算部で計算された現在の排出NOx量設定
値信号及び将来のある時刻の排出NOx量設定値信号を
各軸制御器において先行信号として利用する。
【0036】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、予測最適化計算部から出力される将来のある時刻の
NOx排出量設定値は、2つ以上の将来のある時刻の値
からなるNOx排出量設定値信号列としたものである。
【0037】請求項2の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、系列脱硝制御装置で計算された現在の排出N
Ox量設定値及び2つ以上の将来のある時刻の値からな
る排出NOx量設定値信号列を、各軸制御器において先
行信号として利用する。
【0038】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、系列脱硝制御装置は、ガスタービンの
起動や停止の際に各軸から排出される排出NOx量を記
憶し、予想最適化計算部に出力する起動停止時排出NO
x信号発生器を備えたものである。
【0039】請求項3の発明では、起動停止時排出NO
x信号発生器は、ガスタービンの起動や停止の際に各軸
から排出されるNOx量を記憶し、これを系列脱硝制御
装置に出力する。これにより、系列排出NOx量設定値
変化として、各軸の起動や停止を考慮することができ
る。
【0040】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の発明において、系列脱硝制御装置は、系統の負荷デマ
ンド信号に基づいて将来のガスタービンの大まかな運転
状態における排出NOx量を予測し予測最適化計算部に
出力する排出NOx量予測器を備えたものである。
【0041】請求項4の発明では、排出NOx量予測器
は、系統の負荷デマンド信号から将来のガスタービンの
大まかな運転状態における排出NOx量を予測し、予測
最適化計算部は将来の運転状態に対応した系列排出NO
x量設定値を算出する。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係わ
る脱硝制御装置を説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係わる脱硝制御装置のブロック構成図である。
【0043】系列脱硝制御装置2の各軸データ保存部3
a〜3nには、それぞれ各軸のプロセス量a1〜anが入
力される。例えば、第1軸データ保存部3aには、第1
軸のNOx排出量xなどから構成される第1軸プロセス
量a1が入力され、以下同様に、第n軸データ保存部3
nには第n軸プロセス量anが入力される。この第1軸
プロセス量a1は、NOx排出量xやアンモニア排出量
y、その他のプロセス量wも含まれるものであり、それ
ぞれについて、所定のサンプリング周期前の過去のプロ
セス量から現在のプロセス量までが時系列的に保存され
る。
【0044】一方、各軸NOx設定値演算器6には、各
軸が排出するNOx量の総和が系列排出NOx量設定値
Srとして入力される。各軸NOx設定値演算器6で
は、各軸が排出するNOx量の総和が系列排出NOx量
設定値Srを満足するように、系列排出NOx量設定値
Srに基づき、各軸がそれぞれ排出する排出NOx量設
定値s1〜snを求め予測最適化計算部10に出力する。
【0045】予測最適化計算部10では、第1軸のデー
タ保存部3a乃至第n軸のデータ保存部3nに記憶され
ている過去のプロセス量a1(k−i)〜an(k−i)
及び各軸排出NOx量設定値s1〜snに基づいて、将来
の各軸から排出されるNOx量の予測最適化計算と、そ
れを満足するような各軸制御器1a〜1nの各軸制御器
設定値c1〜cnの計算を行う。
【0046】以下、第1軸乃至第n軸はそれぞれ同一で
あるので、第1軸の各軸制御器1aについての各軸制御
器設定値c1を計算する場合について説明する。
【0047】予測最適化計算部10は、(1)式で示さ
れた動特性モデルを有する。すなわち、系列脱硝制御装
置2から第1軸制御器1aに出力される第1軸制御器設
定値c1に基づいて、第1軸プロセス量a1のうちの第1
軸NOx排出量x1を出力とするシステムの動特性モデ
ルを有する。
【0048】この動特性モデルから予測される将来のk
+p時刻の第1軸NOx排出量x1(k+p)は、次の
(6)式で与えられる。
【0049】
【数6】
【0050】u1f:第1軸の将来の時刻におけるNOx
排出量設定値 G2(u1f):u1fが将来の時刻の第1軸NOx排出量
に与える影響の項 x1p(k):第1軸のNOx排出量の過去の値 x1p(k)={x1(k−1),…,x1(k−m)} u1p(k):第1軸のNOx排出量設定値の過去の値 u1p(k)={u1(k−1),…,u1(k−m)} w1p(k):第1軸のその他のプロセス量a1の過去の
値 w1p(k)={w1(k−1),…,w1(k−m)} y1p(k):第1軸のアンモニア排出量の過去の値 y1p(k)={y1(k−1),…,y1(k−m)} F2(x1p,y1p,u1p,w1p):過去の値x
1p(k),u1p(k),w1p(k),y1p(k)が、将
来の値x1(k+p)に影響する項 予測最適化計算部10では、この(6)式から、次の
(7)式で示す評価関数を最小にするような将来のNO
x排出量設定値u1fを求める。
【0051】
【数7】
【0052】s1(k):第1軸に対する各軸排出NO
x量設定値 Np:予測長 λ:チューニングパラメータ この評価関数により、第1軸の排出NOx量設定値s1
と実際に第1軸から排出されるNOx量との差が、でき
るだけ小さくなるようなu1fの中で、できるだけ小さい
ものを求めることができる。
【0053】評価関数(7)式を最小にする意味で最適
な入力のu1f *は、次のように計算される。
【0054】
【数8】
【0055】A:(2)式とλから定まる定数行列 B(s1,F1):s1,F2からなる関数 このようにして求められたu1f *のなかで、現在時刻k
の値u1f *(k)は第1軸制御器設定値c1として、第1
軸制御器1aへ出力され、将来のある時刻k+pの値u
1f *(k+p)は第1軸制御器設定値先行信号d1とし
て、第1軸制御器1aへ出力される。
【0056】第1軸制御器1aでは、第1軸制御器設定
値先行信号d1を、第1軸アンモニア注入量設定値h1
計算する際の先行信号として利用できるので、第1軸制
御器1a及び第1軸脱硝反応プロセスから成る閉ループ
系の応答を改善することができる。よって、第1軸排出
NOx量設定値変化に対する追従性を改善することがで
きる。
【0057】図2は、図5に示した従来例と同一条件で
第1軸NOx排出量をある値から下げて別な値にする場
合の特性図である。すなわち、各軸NOx設定値演算器
6により求められた各軸排出NOx量設定値s1〜sn
うち、第1軸に対する設定値s1が時刻k+iで図2の
ようにステップ状に下がる場合を考える。この場合、図
5との比較からも明らかなように制御特性が改善されて
いる。
【0058】以上の説明では、将来のある時刻k+pの
値u1f *(k+p)は一つであるものを示したが、複数
個の値からなる信号列としても良い。すなわち、(8)
式のu1f *の中で、現在時刻kの値u1f(k)は第1軸
制御器設定値c1として第1軸制御器36へ出力し、将
来のある時刻k+p1の値u1f *(k+p1)及びその
他の将来の時刻k+p2の値u1f *(k+p2)などか
ら成る信号列は、第1軸制御器設定値先行信号d1とし
て、第1軸制御器1aへ出力する。
【0059】第1軸制御器1aでは、現在時刻kと複数
の将来時刻の設定値から成る第1軸制御器設定値先行信
号d1を、第1軸アンモニア注入量設定値h1を計算する
際の先行信号として利用できる。そのため、将来のある
時間区間にわたる設定値先行信号から、無駄時間や時定
数が大きい閉ループ系に対して、より応答を効果的に改
善することができる。よって、第1軸排出NOx量設定
値変化に対する追従性を、さらに改善することができ
る。
【0060】次に、起動停止時排出NOx信号発生器1
1は、ガスタービンの起動停止信号gを入力し、ガスタ
ービンの起動や停止の際に各軸から排出されるNOx量
を記憶し、これを予測最適化計算部10に出力するもの
である。これにより、系列排出NOx量設定値変化とし
て、各軸の起動や停止を考慮することができる。すなわ
ち、ガスタービンの起動や停止運転中の各軸から排出さ
れるNOx量の将来の値を予測することができ、これを
考慮して系列排出NOx量設定値を求めることで、将来
の設定値変化を精度良く予測することができるので、良
い制御性が得られる。
【0061】また、排出NOx量予測器12は、系統の
負荷デマンド信号Dから将来のガスタービンの大まかな
運転状態に基づいて排出NOx量を予測し、予測最適化
計算部10に出力するものである。すなわち、系統の負
荷デマンド信号から将来のガスタービンの大まかな運転
状態を予測し、将来の運転状態に対応した系列排出NO
x量設定値を算出する。これにより、将来の設定値変化
を精度良く予測することができ、良い制御性が得られ
る。
【0062】また、以上の説明では、動特性モデルは一
つであるものを示したが、複数個の動特性モデルを用意
し、運転点の変更に対応してその複数個の動特性モデル
を切り替えて用いるようにすることも可能である。この
場合は、運転点が大きく変わったときに、その動特性を
最も良く表す動特性モデルに切り替えて用いることがで
きるので、運転点の変化によるプラントの動特性変化に
対して、精度の良い予測が可能となり、良い制御性が得
られる。
【0063】また、以上の説明では、系列脱硝制御装置
2側に動特性モデルを持つようにしたが、各軸制御器1
において脱硝反応プロセスの動特性モデルを持ち、この
動特性モデルにより最適な各脱硝反応プロセスごとのア
ンモニア注入量を算出し出力するようにしても良い。そ
の場合には、脱硝反応プロセスに対して先行的な制御を
行うことができる。この場合においても、複数個の動特
性モデルを用意し、運転点の変更に対応して動特性モデ
ルを切り替えて用いることが可能である。
【0064】さらに、系列脱硝制御装置2及び各軸制御
器1の持つ動特性モデルのパラメータを可変にし、適応
的にパラメータを更新するようにしても良い。これによ
り、プラントの特性が経年変化しても、ふさわしいモデ
ルに調整することができる。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、各
軸制御器において現在の時刻の設定値の他に、将来のあ
る時刻の設定値を先行信号として用いることができるの
で、各軸制御器及び脱硝プロセスからなる閉ループ系の
応答を改善することができる。
【0066】また、現在の時刻の設定値の他に、2つ以
上の将来のある時刻の値からなるNOx排出量設定値信
号列を先行信号として用いることで、より将来の値を考
慮した先行制御ができる。これにより、各軸制御器及び
脱硝プロセスからなる閉ループ系の応答を改善すること
ができる。
【0067】また、ガスタービンの起動や停止の際に各
軸から排出されるNOx量を記憶し、これを出力するこ
とができるので、起動や停止運転中の各軸から排出され
るNOx量の将来の値を予測することができる。従っ
て、これを考慮して系列排出NOx量設定値を求めるこ
とで、将来の設定値変化を精度良く予測することができ
るので、良い制御性が得られる。
【0068】また、系統の負荷デマンド信号から将来の
ガスタービンの大まかな運転状態を予測し、将来の運転
状態に対応した系列排出NOx量設定値を算出すること
ができるので、将来の設定値変化を精度良く予測するこ
とができ、良い制御性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる脱硝制御装置のブ
ロック構成図。
【図2】本発明の実施の形態での各軸制御器及び脱硝プ
ロセスからなる閉ループ系の応答特性を示す特性図。
【図3】従来例のブロック構成図。
【図4】従来例における各軸制御器と脱硝反応プロセス
との関係を示すブロック構成図。
【図5】従来例での各軸制御器及び脱硝プロセスからな
る閉ループ系の応答特性を示す特性図。
【符号の説明】 1 各軸制御器 2 系列脱硝制御装置 3 データ保存部 4 予測部 5 最適化計算部 6 各軸NOx設定値演算器 7 積分器 8 脱硝反応プロセス 9 閉ループ系 10 予測最適化計算部 11 起動停止時排出NOx信号発生器 12 排出NOx量予測器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台のガスタービンを有した多軸型の
    発電プラントの各々の軸毎に設けられ前記ガスタービン
    から排出されるNOxにアンモニアを注入して前記排出
    されるNOx量をNOx排出量設定値以下に制御する各
    軸制御器と、前記各軸制御器に前記NOx排出量設定値
    を与えるための系列脱硝制御装置とを備えた脱硝制御装
    置において、前記系列脱硝制御装置は、前記各軸に対応
    して各軸のプロセス量を入力し保存する各軸データ保存
    部と、前記発電プラント全体としての排出NOx量設定
    値に基づいて各軸排出NOx量設定値を演算する各軸N
    Ox設定値演算器と、前記各軸のプロセス量及び前記各
    軸排出NOx量設定値に基づいて前記各軸毎の現在のN
    Ox排出量設定値及び将来のある時刻のNOx排出量設
    定値を演算し前記各軸制御器に出力する予測最適化計算
    部とを備えたことを特徴とする脱硝制御装置。
  2. 【請求項2】 前記予測最適化計算部から出力される前
    記将来のある時刻のNOx排出量設定値は、2つ以上の
    将来のある時刻の値からなるNOx排出量設定値信号列
    であることを特徴とする請求項1に記載の脱硝制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記系列脱硝制御装置は、前記ガスター
    ビンの起動や停止の際に各軸から排出される排出NOx
    量を記憶し、前記予想最適化計算部に出力する起動停止
    時排出NOx信号発生器を備えたことを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の脱硝制御装置。
  4. 【請求項4】 前記系列脱硝制御装置は、系統の負荷デ
    マンド信号に基づいて将来のガスタービンの大まかな運
    転状態における排出NOx量を予測し前記予測最適化計
    算部に出力する排出NOx量予測器を備えたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項3に記載の脱硝制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010203266A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Samson Co Ltd 脱硝装置
CN116036849A (zh) * 2022-12-07 2023-05-02 连云港虹洋热电有限公司 一种cfb锅炉烟气脱硝自动控制方法及系统
CN116880390A (zh) * 2023-07-12 2023-10-13 西安热工研究院有限公司 燃煤电厂环保参数调控方法以及装置

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