JPH10109284A - マイクロマニピュレータとその駆動方法 - Google Patents

マイクロマニピュレータとその駆動方法

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JPH10109284A
JPH10109284A JP26285596A JP26285596A JPH10109284A JP H10109284 A JPH10109284 A JP H10109284A JP 26285596 A JP26285596 A JP 26285596A JP 26285596 A JP26285596 A JP 26285596A JP H10109284 A JPH10109284 A JP H10109284A
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Japan
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joint
lower arm
actuator
brake
micromanipulator
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Application number
JP26285596A
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English (en)
Inventor
Hideaki Nishikawa
英昭 西川
Hitoshi Kanayama
斎 金山
Sunao Tsurusawa
直 鶴沢
Naoki Mitsumoto
光本  直樹
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密な微動とより速やかな粗動とを両立する
ことができるマイクロマニピュレータとその駆動方法と
を提供すること。 【解決手段】 本マイクロマニピュレータは、固定端に
上端部2が連なっている上腕1と、エンドエフェクタに
下端部23が連なっている下腕20と、上腕1と下腕2
0とを角度可変に連結している関節10とを有する。下
腕20には曲げ変形可能な屈伸アクチュエータ22が、
関節10には圧電素子15を利用したディスクブレーキ
100とが装備されている。ディスクブレーキ100に
より関節10を固定して屈伸アクチュエータ22を曲げ
変形させて下腕20に角運動量を与える加速運動過程
と、ディスクブレーキ100を緩めて下腕20を角速度
をもって関節10まわりに傾動させる慣性運動過程と、
ディスクブレーキ100をかけて関節10を固定する角
度維持過程とで、大きく速やかに粗動できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を挟持して移
動したりするなど、何らかの操作を物体に及ぼすマニピ
ュレータの技術分野に属し、特にマイクロメートルやナ
ノメートルのオーダの精密作業を行うマイクロマニピュ
レータの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】アクチュエータの急激な動作により慣性
力が支配的である運動と、アクチュエータの動作が緩慢
で関節等に作用する摩擦力の方が支配的である運動とを
交互に繰り返すことによって、所定の方向への移動もし
くは運動を行う駆動方法を、本明細書中では「インパク
ト駆動」と呼ぶものとする。
【0003】特公平6−43040号公報には従来技術
として、所定の摩擦モーメントで支持されている関節部
を有し、インパクト駆動によって腕状部材の軸方向を変
えたり軸回りに回転運動を与えることができる装置が開
示されている。同装置は、腕状部材が関節で所定の摩擦
モーメントで支持されており、この腕状部材に複数の圧
電アクチュエータを介してそれぞれ質量体(錘)が接合
されている。同装置は、圧電アクチュエータの急激な伸
縮によってその反力として発生する慣性力と、関節の摩
擦力とを交互に利用してインパクト駆動を行い、腕状部
材を粗動させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら同装置で
は、腕状部材とは別個に圧電アクチュエータおよび質量
体を装備する構成であったので、小型化および軽量化が
困難であった。また、同装置では粗動操作はできても、
微動操作は難しいものと推察される。なぜならば、関節
の摩擦抵抗は、通常、静摩擦係数の方が動摩擦係数より
も大きいので、関節の摺動部が一端静止状態から摺動状
態に移ったならば、勢いがついてしまって所望の微少距
離の移動で停止させることは困難だからである。また、
インパクト駆動によって生じる振動も、マイクロメート
ル・オーダやナノメートル・オーダの微細な操作が要求
される微動動作には不都合である。それゆえ、従来技術
の上記装置では、マニピュレータの先端部を素早く大き
く移動させる粗動と、同先端部の振動が少なく極めて精
密な操作ができる微動とを両立させることはできなかっ
た。
【0005】これに対し本発明者らは、圧電ユニモルフ
単板の変形を利用して伸縮と屈曲とが可能な屈伸アクチ
ュエータを開発し、これを腕部材に組み込まれたアクチ
ュエータとしてインパクト駆動による粗動と微動とが可
能なマイクロマニピュレータを発明した。同発明のマイ
クロマニピュレータによれば、分解能が極めて高い微動
動作と、大きなダイナミックレンジで素早く移動できる
粗動動作とが、両立できるという効果がある。同発明
は、先行技術として特願平7−121365号で特許出
願されているほか、日本機械学会通常総会講演会No.
96−1−(IV),pp.458-459において発表されてい
る。
【0006】ところで、この先行技術のマイクロマニピ
ュレータにおいても、腕部材に組み込まれた屈伸アクチ
ュエータの作動によるインパクト駆動で粗動の速度はあ
る程度速いとはいえ、さらに素早く移動させたいという
要求がある。また、この要求に関連して一回の粗動で長
い距離の移動をさせたいという要求もある。これらの要
求に対して、先行技術のマイクロマニピュレータでは、
関節での摩擦力が一定であるので慣性力の範囲でしか粗
動ができず、十分に応えることは難しい。
【0007】また、複雑なマニピュレーションを行うた
めには、複数の関節を有するマニピュレータを構成し、
各々の関節を独立して制御することが必要である。しか
しながら、先行技術や従来技術のインパクト駆動で操作
する限りにおいては、所望の関節だけを独立して動かす
ことは難しく、所望しない他の関節も動いてしまい、正
確な動作をさせることが困難である。このような粗動制
御上のカップリング現象があるので、複数の関節を所望
の角度に設定し、正確な粗動を素早く行うことは、よほ
ど高度なデカップリング制御技術によらなければ実現は
難しい。
【0008】そこで本発明は、精密な微動が可能であり
ながら、より高速で粗動が可能なマイクロマニピュレー
タとその駆動方法とを提供することを第1の解決すべき
課題とする。本発明はまた、複数の関節をもつマイクロ
マニピュレータの各関節の角度位置を独立して制御する
ことが可能なマイクロマニピュレータとその駆動方法と
を提供することを第2の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明し
た。 [装置発明] (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0010】ここで、アクチュエータには、ピエゾ効果
を利用する圧電アクチュエータの他にも、形状記憶合金
を利用したアクチュエータ、光歪アクチュエータ、静電
気のクーロン力を利用したアクチュエータ、電磁石を利
用したアクチュエータなどが採用できる。アクチュエー
タにはまた、曲げ変形だけではなく、伸縮変形や捻り変
形が可能なアクチュエータを使用しても良い。
【0011】本手段では、上腕または下腕に曲げ変形可
能なアクチュエータが装備されており、上腕と下腕とは
信号により摩擦抵抗が可変な関節で角度変更可能に連結
されている。それゆえ、先ず関節を固定した状態でアク
チュエータの曲げ変形により下腕の角運動量を蓄え、下
腕に角速度が付いた状態で関節を回動自在とすれば、下
腕は運動量の保存則に従って所定の速度で関節を中心と
して傾動する。所望の角度位置にまで下腕が傾動する
か、重力の抵抗で下腕の速度が十分に低下するかした
ら、再び関節を固定して下腕の傾動を止める。この動作
では、関節の摩擦抵抗がほとんどない状態で下腕が角速
度をもって傾動するので、一回の動作での角度変位がイ
ンパクト駆動に比べてずっと大きい。であるから、上記
の動作を繰り返すことにより、下腕を所望の角度位置に
まで素早く粗動させることができる。
【0012】また、所望の変位方向が下腕に作用してい
る重力によるモーメントの方向と同一である場合には、
単に関節の摩擦抵抗を減らすだけで下腕は重力により自
然に所望の位置にまで傾動する。それゆえ、所望の角度
位置で関節の摩擦抵抗を増やせば、下腕に所望の変位を
与えることができる。さらに、関節の摩擦抵抗を減じ、
重力と慣性に任せて振り子のように下腕を反対側へ揺ら
せ、その状態で関節を固定することにより、元の下腕の
位置と対称的な位置の近くにまで反対側に下腕を傾動さ
せることもできる。
【0013】したがって本手段によれば、下腕を所望の
角度位置にまで素早く粗動させることが可能になるとい
う効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載のマイ
クロマニピュレータである。ここで、ブレーキアクチュ
エータには、ピエゾ効果を利用する圧電アクチュエータ
の他にも、形状記憶合金を利用したアクチュエータ、光
歪アクチュエータ、静電気のクーロン力を利用したアク
チュエータ、電磁石を利用したアクチュエータなどが採
用できる。
【0014】本手段では、上腕および下腕の一方にブレ
ーキディスクが固定され、他方にブレーキディスクとブ
レーキアクチュエータとが保持されている。それゆえ、
ブレーキアクチュエータとブレーキディスクとの間に作
用する摩擦力を、ブレーキアクチュエータの作用で調節
することにより、関節の摩擦抵抗を大きくしたり小さく
したりすることができる。また、かような構成のディス
クブレーキは、構成が簡素であり比較的小型でありなが
ら、大きな制動力を発揮することができる。
【0015】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、関節の構成が簡素かつ比較的小型で
ありながら、制動力が大きいブレーキを有する関節を実
現できるという効果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0016】本手段では、ブレーキアクチュエータが圧
電素子(圧電アクチュエータ)で構成されているので、
他の構成のブレーキアクチュエータに比べて、小型化お
よび軽量化、ならびに信頼性の向上が図れる。また、作
動流体の漏出や磨耗粉の排出もないので、マイクロマニ
ピュレータの周囲が汚染されることがない。したがって
本手段によれば、前述の第2手段の効果に加えて、小型
軽量化と高信頼性化とコンタミネーションの防止とが図
れるという効果がある。
【0017】(第4手段)本発明の第4手段は、請求項
4記載のマイクロマニピュレータである。本手段では、
上腕から関節を経て下腕に至るまで、貫通孔または間隙
が連通して形成されているので、この貫通孔や間隙を通
すことにより下腕に連なるエンドエフェクタにまで配線
を通すことができる。それゆえ、配線がマイクロマニピ
ュレータの外表面に接することがないので、配線が絡ま
ったりマイクロマニピュレータの動きを妨げたりするこ
とがない。
【0018】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、マイクロマニピュレータの内部に配
線を通すことにより、信頼性をより向上させることがで
きるという効果がある。また、露出した配線によって美
観を損なうといった不都合がなく、美観が向上するとい
う効果もある。 (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0019】本手段では、複関節型のマイクロマニピュ
レータの各関節にブレーキが装備されているから、各ブ
レーキに適正な制御信号を送ることによって任意の関節
だけ摩擦抵抗をほぼ無くしてモーメントフリーとし、他
の関節は大きな摩擦抵抗により固定しておくことができ
る。それゆえ、アクチュエータの曲げ変形により角度を
変更したい関節のみをモーメントフリーとして角度変更
することができ、他の関節は元の角度を維持して影響さ
れないでいることができる。
【0020】したがって本手段によれば、複数の関節を
持ちながら任意の関節だけを選択的に角度変更すること
ができ、小型軽量でありながら複関節型のマイクロマニ
ピュレータの制御を容易にすることができるという効果
がある。 (第6手段)本発明の第6手段は、請求項6記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0021】本手段では、各関節のマイクロチップおよ
びブレーキに共通の信号線および電力供給線が配線され
ているので、関節の数がどれだけ増えても、信号線およ
び電力供給線の2本の配線があれば、複関節型のマイク
ロマニピュレータ全体を制御することができる。アース
線は、マイクロマニピュレータの本体の導体部分をもっ
てこれに変えることが可能であり、必須ではない。ここ
で、電力供給線に変調された電気信号をも乗せる構成に
すると、ノイズ対策こそ必要にはなるが、信号線をも兼
ねている電力供給線一本のみでマイクロマニピュレータ
全体を制御することさえも可能である。
【0022】したがって本手段によれば、前述の第5手
段の効果に加えて、関節の数が増えても最低限度(例え
ば信号線と電力供給線との2本)の配線で済み、多数の
配線を必要としない。それゆえ、関節の数がどれだけ多
くても、配線を通すための貫通孔や間隙などを拡大する
必要が無く、構造上製造が容易になる。また、多数の配
線を接続する手間が省け、接続ミスも防止されるので、
配線に関する組立工数が節減される。その結果、製造が
容易となり加工工数および組立工数が減ってコストダウ
ンになるうえ、誤配線が無くなる分だけ信頼性も向上す
るという効果がある。
【0023】なお、信号線および電力供給線は、必ずし
も導電線に限られるものではなく、マイクロチップやア
クチュエータおよびブレーキアクチュエータの種類によ
って、光ファイバ等の他の線である場合もあり得る。 [方法発明] (第7手段)本発明の第7手段は、請求項7記載のマイ
クロマニピュレータの駆動方法である。
【0024】本手段では、先ず加速運動過程で、ブレー
キをかけて関節を固定した状態でアクチュエータを曲げ
変形させ、下腕に角運動量が与えられる。そして次の慣
性運動過程では、ブレーキを緩め関節を回動自在(モー
メントフリー)とした状態で、上記運動量を生かし角速
度をもって関節回りに回動する下腕により、関節での相
対角度が変化していく。更に最後の角度維持過程では、
ブレーキを再びかけ、下腕の回動を停止させて下腕の新
しい角度位置が保持される。
【0025】慣性運動過程においては、下腕が角速度を
もって回動し、関節に大きな角度変位が生じる。この
間、ブレーキがかかっていないので関節での摩擦抵抗は
ほとんどなく、ブレーキがかかったままの状態に相当す
るインパクト駆動に比べて、ワンストローク(一回の駆
動方法)でずっと大きな角度変位が稼げる。また、精密
な微動については、全関節をそれぞれブレーキで固めた
まま、所定のアクチュエータを所定量だけ変形させれば
容易に実施できる。
【0026】したがって本手段によれば、精密な微動が
可能でありながら、より高速で粗動が可能なマイクロマ
ニピュレータの駆動方法を提供することができるという
効果がある。 (第8手段)本発明の第8手段は、請求項8記載のマイ
クロマニピュレータの駆動方法である。
【0027】本手段では、加速運動過程では、逆方向に
いったんアクチュエータを曲げ変形させ、反動をつけた
上でアクチュエータを関節を曲げる正方向に曲げ変形さ
せてマイクロマニピュレータ全体の角運動量を最大とす
る。ここで、アクチュエータのみが曲げ変形し、マイク
ロマニピュレータの他の部分は曲げ変形しないものとす
ると、マイクロマニピュレータの角運動量はアクチュエ
ータより先端側の部分の角運動量と等価である。アクチ
ュエータが下腕にのみ装備されている場合は、アクチュ
エータから先端側の下腕の部分の角運動量と等価であ
る。
【0028】角運動量が最大になった状態で、加速運動
過程から慣性運動過程へと切り替わり、関節がモーメン
トフリーの状態で重力による抵抗の他は摩擦抵抗もほと
んどないので、より高速の角速度で関節が角度変位し、
下腕が大きく速やかに傾動する。それゆえ、ワンストロ
ークでの下腕の角度変位は、反動をつけない場合に比べ
て大幅に増え、幾倍にもなる。
【0029】したがって本手段によれば、前述の第7手
段の効果に加えて、より速やかにいっそう大きな角度変
位が一回の駆動過程(ワンストローク)で得られるとい
う効果がある。 (第9手段)本発明の第9手段は、請求項9記載のマイ
クロマニピュレータの駆動方法である。
【0030】本手段では、慣性運動過程の途中で、関節
の角度変更方向とは逆方向にアクチュエータを曲げ変形
するので、その分、関節の角度変位を大きく取ることが
できる。また、角度維持過程で、アクチュエータの曲げ
変形は中立状態へ戻されるので、マイクロマニピュレー
タは新しい関節の角度位置で(ブレーキ・オン、アクチ
ュエータ中立の)初期状態に戻り、次回の駆動に備える
ことができる。
【0031】したがって本手段によれば、前述の第7手
段の効果に加えて、より大きな角度変位が一回の駆動過
程(ワンストローク)で得られるという効果がある。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のマイクロマニピュレータ
とその駆動方法との実施の形態については、当業者に実
施可能な理解が得らえるよう、以下の実施例で明確かつ
十分に説明する。 [実施例1] (実施例1の全体構成)本発明の実施例1としてのマイ
クロマニピュレータは、図1(a)〜(b)に示すよう
に、固定端(図略)に上端部2が連なっている上腕1
と、エンドエフェクタ(図略)に下端部23が連なって
いる下腕20と、上腕1の下端部4と下腕20の上端部
21とを互いに角度可変に連結している関節10とから
なる。下腕20の中間部には、任意の方向への曲げ変形
と軸長方向への伸縮変形とが可能な屈伸アクチュエータ
22が装備されている。
【0033】ちなみに本マイクロマニピュレータの全長
は21mm程度であり、各部の長さはそれぞれおおよ
そ、上腕1で8mm、関節10で8mm、下腕20で5
mmである。また、図示しない制御装置を除いて、本マ
イクロマニピュレータの重量は、1.2g程度である。
上腕1は、アルミニウムからなる一体部材である。上腕
1の上端部2には外周面に雄ねじが形成されており、中
間部にはフランジ部3が形成されていて、架台フレーム
などの固定端(図略)に同雄ねじをフランジ部3が当接
するまでねじ込むことにより、上腕1は剛に固定され
る。
【0034】関節10にはディスクブレーキ100が装
備されており、以下に詳述するように、角度の変更に対
する摩擦抵抗が大きい状態と、同摩擦抵抗が小さい状態
との二つの状態を制御信号により選択的に実現可能であ
る。 (実施例1の関節)関節10は、図2(a)〜(b)に
示すように、ブレーキディスク12とブレーキディスク
12の回動を制御信号により拘束および解放する一対の
ブレーキアクチュエータ15とを有するディスクブレー
キ100を備えている。すなわち、下腕20の上端部2
1は、ブレーキディスク12の外周部に嵌合して接着固
定されている。一方、上腕1の下端部4は、ブレーキハ
ウジング11等を介して、ブレーキディスク12を回動
可能に軸支しているとともに、ブレーキアクチュエータ
15を保持している。
【0035】ブレーキハウジング11は、上端部11a
と本体部11bと下端部11cとからなる一体部材で、
アルミニウムから形成されている。上端部11aには上
方に開口している嵌合孔が形成されており、同嵌合孔に
は上腕1の下端部4の下方に突出している嵌合部4aが
嵌合して、接着剤で固定されている。ブレーキハウジン
グ11の本体部11bは、ブレーキアクチュエータ15
とブレーキディスク12の一部とを格納している前後に
長い直方体の部材であり、前後両端と中央部下方には開
口部が形成されている。本体部11bの前後両端は、そ
れぞれエポキシ樹脂製のブレーキ押さえ部材16で封止
されており、ブレーキ押さえ部材16に基端面が接着さ
れている一対のブレーキアクチュエータ15が、本体部
11bに格納されている。
【0036】ブレーキアクチュエータ15は積層型の圧
電素子であり、その変位は数μm程度であるが比較的大
きな押圧力Bを発生させることができる。各ブレーキア
クチュエータ15の先端面には、エポキシ樹脂製のブレ
ーキパッド14がそれぞれ接着されており、各ブレーキ
アクチュエータ15は、ブレーキパッド14を介してブ
レーキディスク12の辺縁部に当接している。
【0037】ブレーキアクチュエータ15に電圧を印加
していない状態では、ブレーキアクチュエータ15は伸
張した状態にあり、ブレーキディスク12を両側から押
圧力Bをもって挟持し強力に固定している。逆に印可電
圧がかかっている状態では、ブレーキアクチュエータ1
5は収縮し、ブレーキディスク12に押圧力をかけない
ので、ブレーキディスク12はほとんどモーメントフリ
ー(摩擦抵抗が無い状態)になり、回動自在となる。そ
れゆえ、マイクロマニピュレータの作業中に電源が落ち
るようなことがあっても、マイクロマニピュレータの関
節10は固定されるので、不用意に下腕20が振れて事
故を起こすことがない。
【0038】ブレーキハウジング11の下端部11c
は、前方と後方との二つの部分に分かれており、その間
隔はブレーキディスク12の厚さよりもわずかに大きい
程度である。下端部11cには、前後方向に貫通孔が形
成されており、同貫通孔には前後両方向から一対のシャ
フト13が対向して挿入されて固定されている。両シャ
フト13の先端面は、所定の間隙18を空けて対向して
おり、両シャフト13の先端部でブレーキディスク12
を回動自在に軸支している。
【0039】ブレーキディスク12は、アルミ合金(ジ
ュラルミン)からなる一体部材で、図3(a)〜(b)
に示すように、中央に軸孔120が貫通している円盤状
の部材である。ブレーキディスク12の前後両端面は、
互いに平行かつ精密に仕上げられている。ブレーキディ
スク12の軸孔120から上半部にかけては、スリット
状の間隙121が形成されており、軸孔120付近から
直下に向けて貫通孔122が形成されている。また、貫
通孔122の下端部には、貫通孔122より内径が大き
な嵌合孔17が下方に開口して形成されている。
【0040】ブレーキディスク12の間隙121と嵌合
孔17とは、貫通孔122を介して連通している。ブレ
ーキハウジング11からブレーキディスク12の直上に
導入されている配線Lは、間隙121、貫通孔122お
よび嵌合孔17を通じて下方へ導出されている。間隙1
21が広く形成されているので、図3(c)に示すよう
にブレーキディスク12が回動しても、その回動が左右
にそれぞれ90度程度以内であれば、配線Lに張力等の
負担をかけて傷める心配はない。なお、軸孔120の部
分は、対向している一対のシャフト13の間の間隙18
に相当しているので、配線Lの動きが妨げられることは
ない。
【0041】(実施例1の屈伸アクチュエータ)前述の
下腕20は、図4(a)に示すように、上端部21と下
端部23とに挟まれている屈伸アクチュエータ22を有
する。屈伸アクチュエータ22は、三組のユニモルフ対
24が二つの連結部材28で連結されている。各ユニモ
ルフ対24は、外縁部で複数の支柱27により接合して
配設されている二枚のユニモルフからなり、各ユニモル
フはPZTからなる電歪材料部26,26’を対向させ
て接合されている。各ユニモルフは、中心部に貫通孔を
有する金属製の円盤部材25と、円盤部材25の一方の
面に接合して形成されている電歪材料部26,26’と
からなる。電歪材料部26,26’は、円盤部材25の
中心から120度毎に区分された三つの扇状の部分に分
割されており、各部分の電歪材料にそれぞれ独立して印
加電圧をかけることができるように配線されている。
【0042】それゆえ、一つまたは二つの区画26’に
だけ印加電圧をかけると、電歪材料部26’は半径方向
に収縮し、図4(b)に示すように、電歪材料部26’
と背向する方向に屈曲する。その結果、下腕20の上端
部21の軸心に対し、下端部23の軸心は角度rだけ偏
向する。本実施例の構成では最大で、印加電圧150V
に対し、偏向角rは1°程度である。また、電歪材料部
26,26’の三つの区画にかける印加電圧を適正に配
分することにより、屈伸アクチュエータ22を任意の方
位へ屈曲させることができる。なお、これらの変位は印
加電圧の調整で微妙に調整することができ、ナノメート
ル・オーダの分解能で操作することが可能である。
【0043】ちなみに、全ての電歪材料部26,26’
に同電位の印加電圧をかけると、屈伸アクチュエータ2
2は伸張し、印加電圧を零に戻すと再びもとの長さに縮
小する。したがって、屈伸アクチュエータ22は、全方
位への屈曲変位と軸長方向への伸縮変位とが可能であ
る。なお、下腕20の全長に渡って貫通孔29が連通し
ており、配線Lを通すことができるようになっている。
【0044】(実施例1の配線)本実施例のマイクロマ
ニピュレータにおいては、再び図2(a)に示すよう
に、配線Lを通すための各種の貫通孔および間隙が形成
され、上腕1の頂部から下腕20の下端面にまで連通す
る配線空間が形成されている。すなわち、上方から順
に、上腕1の貫通孔5、ブレーキハウジング11の貫通
孔19、ブレーキディスク12の間隙121、シャフト
13の間隙18、ブレーキディスク12の貫通孔122
および下腕20の貫通孔29が、本マイクロマニピュレ
ータの上端から下端まで連通している。各貫通孔5,1
9,122,29の内径は0.5mm程度であり、各間
隙の幅も0.5mm程度である。これらの中に配設され
ている配線Lは外径が0.05mmの被覆リード線であ
り、その本数は屈伸アクチュエータ22用の三本、ブレ
ーキアクチュエータ15用の一本および共通アース線一
本の合計五本である。
【0045】これらの配線Lは、上腕1の貫通孔5、関
節10の貫通孔19、間隙121,18、貫通孔12
2、および下腕20の貫通孔29を通っており、外側に
露出していない。それゆえ、美観が向上しているばかり
ではなく、マイクロマニピュレータの動作に配線Lが干
渉したり、配線Lがマイクロマニピュレータの動作の大
きい外側と振れて断線したりする不都合も防止されてい
る。
【0046】(実施例1の駆動方法)本実施例のマイク
ロマニピュレータは、以上のように構成されているの
で、以下に説明する駆動方法で駆動することが可能であ
る。本マイクロマニピュレータを重力に逆らって駆動す
る場合には、下腕20に角運動量を与える加速運動過程
と、関節10をモーメントフリーとして角速度をもって
下腕20を振る慣性運動過程と、ディスクブレーキ10
0をかけて関節10を固定し下腕20を停止させる角度
維持過程とからなる駆動方法で、駆動することができ
る。すなわち、図5(a)〜(d)に示すように、鉛直
下方を向いている下腕20に、この駆動方法により図中
右方向へ一気に大きな角度変位(回動角)Rを与えるこ
とができる。
【0047】先ず、マイクロマニピュレータの初期状態
は、図5(a)に示すように、下腕20が鉛直下方aを
向いているものとする。その下端部23には、角度を示
す便宜上、エンドエフェクタEを付けた状態で示してあ
る。いっぽう上腕1は、上端部2のネジで架台フレーム
等の固定支持部Gにフランジ部3までねじ込まれて、剛
に固定されている。
【0048】加速運動過程では、ディスクブレーキ10
0をかけて関節10を固定したまま、所定の印加電圧で
屈伸アクチュエータ22にいったん左方へ曲げ変形させ
る。この所定の印加電圧で屈伸アクチュエータ22が屈
曲し、下腕20の下端部23が左方へ偏向する偏向角を
rとする。その静的な中立位置は、図5(b)のbであ
るが、ここで印加電圧はステップ状に急激に印加される
ものとすると、屈伸アクチュエータ22は曲げに関して
バネ弾性を有しているので、下端部23は偏向角rを通
り過ぎて偏向角2r付近にまで左方に振れる。
【0049】こうして反動をつけた状態で、今度は印加
電圧の正負をステップ状に急激に逆転する。すると、こ
の新しい印加電圧の下での下腕20の下端部23の静的
な中立位置は、右に偏向角rだけ振れた状態(図5
(c)に相当)である。現時点での実際の下腕20の位
置は、左方へ約2r振れた状態であるから、上記の静的
な中立位置とは偏向角3rだけ左へ偏っており、屈伸ア
クチュエータ22には多大な弾性エネルギが蓄積されて
いる。
【0050】それゆえ、図5(c)に示すように、下腕
20の下端部23は、鉛直下方cを越えて右方への偏向
角rにまで振れた状態c’で、先端の旋回速度Vは最大
値を取り、角運動量も最大となる。この時点で、この駆
動過程は慣性運動過程に移行し、ディスクブレーキ10
0が解放され関節10はモーメントフリーになると、角
運動量は関節10を中心に下腕20の全体について保存
され、下腕20全体が右方へ振れ始める。すると、関節
10は角速度ωで回動し、下腕20全体が右方へ振れて
ゆく。仮にディスクブレーキ100を解放したままの状
態に保つと、下腕20およびブレーキディスク12のも
つ角運動エネルギが全て高さのエネルギに変換されるま
で、下腕20は右方に振れて回動変位する。
【0051】所望の回動角R(図中のdに相当)がその
途中にある場合には、回動角Rが得られた時点(または
直前)でディスクブレーキ100をかけて角度維持過程
に移行する。こうして、関節10を固定し下腕20の回
動角Rを維持することにより、図5(d)に示すよう
に、下腕20に所望の回動角Rが得られる。このよう
に、加速運動過程で反動を付けて屈伸アクチュエータ2
2を操作することにより、反動を付けずに順方向にのみ
屈伸アクチュエータ22を操作する倍に比べ、偏向角r
にして3倍の変位で弾性エネルギが蓄積される。する
と、弾性エネルギは3の二乗で9倍にも達し、弾性エネ
ルギがそのまま角運動エネルギに変換されるので、下腕
20およびブレーキディスク12が得る位置エネルギも
9倍となる。その結果、エンドエフェクタの先端が持ち
上がる高さも9倍となり、反動を付けることによって一
桁近く大きな動きができるようになる。
【0052】上記慣性運動過程を終えても(つまり下腕
20の角運動量が失われて停止しても)所望の回動角R
に達しない場合には、再び加速運動過程から以上の駆動
方法を繰り返すことにより、所望の下腕20の回動角R
が得られる。なお、慣性運動過程の途中で、すなわち関
節10を回動自在とした状態で、関節10の角度変更方
向とは逆方向にアクチュエータを曲げ変形すると、その
分下腕20の上端部21の回動角Rは大きくなる。すな
わち、慣性運動過程の途中で屈伸アクチュエータ22を
逆方向へ曲げ、角度維持過程で上端部21が関節10で
固定されたら、屈伸アクチュエータ22の曲げ変形を中
立状態へ戻すようにする。こうすれば、より大きな下腕
20の回動角Rが、一回の駆動方法(ワンストローク)
で得られる。
【0053】上記駆動方法とは逆に、重力に沿う方向で
関節10を回動させる場合には、ディスクブレーキ10
0を緩めて所望の角度まで重力に任せて関節10を回動
させ、再びディスクブレーキ100をかけて固定すれば
よい。 (実施例1の効果)以上詳述したように、本実施例のマ
イクロマニピュレータによれば、関節10を固定して精
密な微動が可能でありながら、前述の駆動方法によって
たいへんに大きく素早い粗動も可能であるという効果が
ある。
【0054】また、配線Lは内蔵されているので、美観
が向上している上、作動中のマイクロマニピュレータと
接触してその動作を妨げたりすることが無く、切断や短
絡などの不具合も防止されているという効果もある。 (実施例1の変形態様1)前述の実施例1では、下腕2
0に屈伸アクチュエータ22が装備されているが、下腕
20の代わりに上腕1に屈伸アクチュエータ22と同様
の屈伸アクチュエータを装備している変形態様も可能で
ある。本変形態様では、上腕の下端部、関節10および
下腕の全体が屈伸アクチュエータにより偏向角rを持た
され、振られて前述の駆動方法と同様の駆動方法で下腕
を粗動させることができる。したがって本変形態様によ
っても、実施例1とほぼ同様な作用効果が得られる。
【0055】(実施例1の変形態様2)上腕と下腕20
との両方にそれぞれ屈伸アクチュエータ22を有する構
成の変形態様も可能である。本変形態様は、実施例1と
その変形態様1との両方の屈伸アクチュエータ22を有
するので、二つの屈伸アクチュエータ22を同期して駆
動することにより、粗動の速度を倍加させることができ
る。また、微動の範囲も倍増又はそれ以上に増大させる
ことができる。
【0056】[実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としてのマイクロ
マニピュレータは、図6に示すように、複数個の単マニ
ピュレータ要素M1,M2,M3と、マイクロハンド3
0が連結されて構成されている、複関節型のマイクロマ
ニピュレータである。すなわち、本実施例のマイクロマ
ニピュレータは、マイクロマニピュレータ本体Mと、本
体Mを安定に支持している架台フレーム40と、本体M
を制御する制御装置50とから構成されている。
【0057】架台フレーム40は、定盤状の台座41
と、台座41の後端部中央から固定支持されている直立
柱42と、直立柱42の頂部に固定され、前方に水平に
突き出している水平腕43とからなり、極めて剛性が高
い。水平腕43の上には制御装置50が固定されてお
り、沢山の配線Lでマイクロマニピュレータ本体Mと接
続されている。水平腕43の前端部には、貫通孔が開い
ていて単マニピュレータ要素M1(実施例1のマイクロ
マニピュレータ)の上腕1の上端部(ねじ部)2が下方
から挿入されている。上腕1の上端部2は、水平腕43
の上方からナット44で締結されており、ナット44と
フランジ部3とで水平腕43を挟持して固定端を形成し
ている。
【0058】配線Lは、全て上腕1の上端部2の端面に
開口している貫通孔5(図2(b)参照)から制御装置
50に接続されており、マイクロマニピュレータ本体M
の外部へは露出していない。それゆえ、美観が向上して
いるだけではなく、マイクロマニピュレータ本体Mの動
作と干渉したり、断線したり短絡したりする不都合が防
止されている。
【0059】単マニピュレータ要素M1は、実施例1の
マイクロマニピュレータと同一のものであり、単マニピ
ュレータ要素M2,M3は、実施例1のマイクロマニピ
ュレータの上腕1を取り払い、上にある下腕20に接続
されたものである。つまり、実施例1のマイクロマニピ
ュレータは、再び図2(a)に示すように、上腕1の嵌
合部4aと下腕20の嵌合部23aとは同一規格で製造
されており、下腕20の嵌合部23aに他の関節10の
上端部11aを接続することができる。それゆえ、各単
マニピュレータ要素M1,M2,M3は、それぞれディ
スクブレーキ100付きの関節10と屈伸アクチュエー
タ22とを一組ずつ有している。
【0060】単マニピュレータ要素M1,M3の関節1
0はそれぞれ回転軸を左右方向に持ち、単マニピュレー
タ要素M2は回転軸を前後方向に持っている。それゆ
え、マイクロハンド30は、台座41上を所定の範囲で
前後左右に移動することができる。マイクロハンド30
は、単マニピュレータ要素M3の下腕の下端部に接合さ
れている掌部材33と、それぞれ指アクチュエータ31
を介して支持されている一対のエンドエフェクタ32を
有している。指アクチュエータ31は、屈伸アクチュエ
ータ22を小型にしたものであり、エンドエフェクタ3
2の先端で対象物を把持したり解放したりすることがで
きる。
【0061】各単マニピュレータ要素M1,M2,M3
の各々の関節10のディスクブレーキ100および屈伸
アクチュエータ22と、マイクロハンド30の各指アク
チュエータ31とは、それぞれ独立に制御装置50から
の制御信号により制御される。 (実施例2の作用効果)本実施例のマイクロマニピュレ
ータでは、各関節のディスクブレーキ100を独立して
操作することが可能であり、また、各屈伸アクチュエー
タ22をも独立して操作することが可能である。
【0062】それゆえ、角度変位を与えたい一つの関節
10だけでディスクブレーキ100を解放してモーメン
トフリーとし、他の全ての関節10でディスクブレーキ
100をかけて固定した状態を任意に作り出すことがで
きる。こうすれば、角度変位を与えたい関節10だけ
で、前述の実施例1と同様の駆動方法で角度変更を速や
かに行うことができる。また、前述の実施例1の変形態
様1に相当するように、複数の屈伸アクチュエータ22
を協調して駆動することにより、さらに素早く関節10
の角度変更を行うことができる。
【0063】したがって、任意の希望の関節10だけを
角度変更し、他の関節10は固定されたままで角度を維
持していることができ、複数の関節10が操作員の意図
しない角度変位を起こすことが無くなる。その結果、各
関節10をそれぞれ独立して角度変更することができ、
複関節型のマイクロマニピュレータの制御が極めて容易
になるという効果がある。
【0064】なお、回転方向が互いに直交している二つ
の関節10は、屈伸アクチュエータ22から受ける曲げ
モーメントも直交して独立しているので、上記二つの関
節10を同時に駆動していっそう速やかなマニピュレー
ションを行うこともできる。さらに、複数の関節10の
干渉数学モデルを制御装置のコンピュータに内蔵させた
り、ファジー制御などを応用して、互いに干渉する複数
の関節10を同時に所望の角度変位をさせることができ
れば、さらに素早いマニピュレーションが可能である。
【0065】[実施例3] (実施例3の構成)本発明の実施例3としてのマイクロ
マニピュレータの構成は、図7に示すように、おおむね
実施例と同様であるが、次の点で実施例2とは異なって
いる。すなわち、各関節10には、それぞれ屈伸アクチ
ュエータA1〜A3とディスクブレーキB1〜B3とを
制御し駆動するために、制御回路およびパワーアンプを
内蔵しているマイクロチップ61〜63が配設されてい
る。また、マイクロハンド30には、各指アクチュエー
タ31をそれぞれ制御し駆動するためのマイクロチップ
64が配設されている。各マイクロチップ61〜64に
は、共通の3本の配線Lが並列で接続されている。この
配線Lは、各マイクロチップ61〜64に電力を供給す
る電力供給線と、各マイクロチップ61〜64に制御装
置50’からの制御信号を伝達する信号線と、共通アー
ス線とであり、各マイクロチップ61〜64に共通に接
続されている。
【0066】上記信号線には、デジタル信号が制御装置
50’から供給されており、各マイクロチップは自己に
宛てられている制御信号のみを拾って作動する。各マイ
クロチップ61〜64は、自己に宛てられた制御信号を
制御回路で拾ってパワーアンプで増幅し、それぞれの屈
伸アクチュエータA1〜A3および指アクチュエータ3
1やディスクブレーキB1〜B3を独立して駆動する。
各マイクロチップ61〜64の制御回路およびパワーア
ンプは、電力供給線から電力の供給を受けて作動してお
り、各マイクロチップ61〜64、各アクチュエータA
1〜A3,31および各ディスクブレーキB1〜B3
は、単一の共通アース線にアースされている。
【0067】(実施例3の作用効果)前述のように本実
施例では、各単マニピュレータ要素M1’,M2’,M
3’およびマイクロハンド30が、たった3本の配線L
で制御されて駆動され、実施例2と同様の作用効果が得
られる。そればかりではなく、本実施例のマイクロマニ
ピュレータによれば、配線Lの本数が少ないので次のよ
うな効果がある。第1に、配線Lを小さな貫通孔や間隙
を通すことができ、構造上の無理がかからないという効
果がある。第2に、配線Lの数が増えないので、配線の
増加に伴う重量増加や摩擦抵抗の増加がないという効果
がある。第3に、断線や短絡による不具合の可能性が少
なく、信頼性が向上するという効果がある。第4に、配
線Lが単純であるから、誤配線が起きにくく、製造が容
易になるという効果がある。第5に、配線Lの本数が少
ないので、制御装置50’付近での配線Lの美観も向上
しているという効果がある。
【0068】これらの効果は、つなげる単マニピュレー
タ要素やマイクロハンドなどの数が増えても変わること
なく発揮され、むしろいよいよ鮮明になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としてのマイクロマニピュレータの
形状を示す組図 (a)側面図 (b)正面図
【図2】 実施例1としてのマイクロマニピュレータの
構成を示す組図 (a)側断面図 (b)正面透視図
【図3】 実施例1のブレーキディスクの形状および作
用を示す組図 (a)正断面図 (b)側断面図 (c)傾斜状態での
正面図
【図4】 実施例1の屈伸アクチュエータの構成および
作用を示す組図 (a)屈伸アクチュエータ不作動時の下腕の側断面図 (b)屈伸アクチュエータ屈曲時の下腕の側断面図
【図5】 実施例1のマニピュレータの粗動方法を模式
的に示す組図 (a)初期状態を示す正面図 (b)加速運動過程を示す正面図 (c)慣性運動過程を示す正面図 (d)角度維持過程を示す正面図
【図6】 実施例2としてのマイクロマニピュレータの
構成を示す側面図
【図7】 実施例3としてのマイクロマニピュレータの
構成を示す側面図
【符号の説明】
1:上腕1 2:上端部(ねじ部) 3:フランジ部 4:下端部 4a:嵌合部 5:貫通孔(φ0.
5) 10:関節 100:ディスクブレーキ 11:ブレーキハウジング 12:ブレーキディスク 120:軸孔 121:間隙 122:貫通孔 13:シャフト 14:ブレーキパッド 15:ブレーキアクチュエータ 16:ブレーキ押さ
え部材 17:嵌合孔 18:間隙 19:貫通孔 20:下腕 21:上端部 21a:嵌合部 22:屈伸アクチュエータ 23:下端部 23a:嵌合部 30:マイクロハンド 31:指アクチュエータ(屈伸アクチュエータ) 32:エンドエフェクタ 33:掌部材 40:架台フレーム40 41:台座 42:直立柱 43:水平腕 4
4:ナット44 50,50’:制御装置 61,62,63,64:マイクロチップ B:ブレーキの押圧力 E:エンドエフェクタ
G:固定支持部 L:配線(リード線、例えば信号線・電力供給線・共通
アース線) V:旋回速度 ω:角速度 R:回動角(ディスクおよび下腕の傾動角度) r:偏向角(屈伸アクチュエータによる屈曲角度) M,M’,M”:マイクロマニピュレータ本体 M1,M2,M3,M1’,M2’,M3’:単マニピ
ュレータ要素 A1,A2,A3:屈伸アクチュエータ22 B1,B2,B3:ディスクブレーキ100 R1,R2,R3:各関節10の回動角
フロントページの続き (72)発明者 光本 直樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 井戸垣 孝治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定端に一端が連なっている上腕と、エン
    ドエフェクタに一端が連なっている下腕と、該上腕の他
    端と該下腕の他端とを互いに角度可変に連結している関
    節とからなるマイクロマニピュレータにおいて、 前記上腕および前記下腕のうち少なくとも一方に、該一
    方を曲げ変形可能とするアクチュエータが装備されてお
    り、 前記関節は、前記角度の変更に対する摩擦抵抗が大きい
    状態と、該摩擦抵抗が小さい状態との、少なくとも二つ
    の状態を制御信号により選択的に実現可能であることを
    特徴とするマイクロマニピュレータ。
  2. 【請求項2】前記関節は、ブレーキディスクと該ブレー
    キディスクの回動を前記制御信号により拘束および解放
    するブレーキアクチュエータとを備えており、 前記上腕および前記下腕のうち一方の前記他端には、該
    ブレーキディスクが固定されており、 該上腕および該下腕のうち他方の前記他端は、該ブレー
    キディスクを回動可能に軸支しているとともに、該ブレ
    ーキアクチュエータを保持している、 請求項1記載のマイクロマニピュレータ。
  3. 【請求項3】前記ブレーキアクチュエータは、圧電素子
    である、 請求項2記載のマイクロマニピュレータ。
  4. 【請求項4】前記関節、前記上腕および前記下腕には、
    それぞれ互いに連通している貫通孔および間隙のうち少
    なくとも一方が形成されており、該貫通孔または該間隙
    に配線が通されている、 請求項1記載のマイクロマニピュレータ。
  5. 【請求項5】固定端に一端が連なっている上腕と、エン
    ドエフェクタに一端が連なっている下腕と、該上腕の他
    端と該下腕の他端とを相対角度変更可能に連結している
    関節とからなり、前記上腕および前記下腕のうち少なく
    とも一方に該一方を曲げ変形可能とするアクチュエータ
    が装備されており、該関節は制御信号により該相対角度
    変更に対する摩擦抵抗を調整するブレーキを備えている
    単マニピュレータ要素が、複数個連結されて構成されて
    いることを特徴とする、複関節型のマイクロマニピュレ
    ータ。
  6. 【請求項6】各前記関節に前記ブレーキを制御する制御
    回路を内蔵しているマイクロチップが配設されており、 少なくとも、該マイクロチップに電力を供給する電力供
    給線と、該マイクロチップに前記制御信号を伝達する信
    号線とが、該各マイクロチップに共通に接続されてい
    る、 請求項5記載のマイクロマニピュレータ。
  7. 【請求項7】固定端に一端が連なっている上腕と、エン
    ドエフェクタに一端が連なっている下腕と、該上腕の他
    端と該下腕の他端とを互いに角度可変に連結している関
    節とからなり、前記上腕および前記下腕のうち少なくと
    も一方に該一方を曲げ変形可能とするアクチュエータが
    装備されており、該関節は、制御信号により該角度の変
    更に対する摩擦抵抗を調整するブレーキを備えているマ
    イクロマニピュレータを粗動させる方法であって、 前記ブレーキをかけて前記関節を固定した状態でアクチ
    ュエータを曲げ変形させ、下腕に角運動量を与える加速
    運動過程と、 該ブレーキを緩め該関節を回動自在とした状態で、角速
    度をもって該関節回りに回動する下腕により、関節での
    相対角度が変化していく慣性運動過程と、 該ブレーキを再びかけ、該下腕の該回動を停止させて該
    下腕の角度位置を保持する角度維持過程と、 を有することを特徴とするマイクロマニピュレータの駆
    動方法。
  8. 【請求項8】前記加速運動過程は、前記関節の角度変更
    方向とは逆方向にいったんアクチュエータを曲げ変形さ
    せ、前記上腕および前記下腕の弾性変形によるエネルギ
    を蓄積した上でアクチュエータを正方向に曲げ変形させ
    て全体の角運動量を最大とする過程である、 請求項7記載のマイクロマニピュレータの駆動方法。
  9. 【請求項9】前記慣性運動過程は、前記関節の角度変更
    方向とは逆方向に前記アクチュエータを曲げ変形する過
    程であり、 前記角度維持過程は、該アクチュエータの該曲げ変形を
    中立状態へ戻す過程である、 請求項7記載のマイクロマニピュレータの駆動方法。
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