JPH10110051A - 印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルム

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JPH10110051A
JPH10110051A JP26467496A JP26467496A JPH10110051A JP H10110051 A JPH10110051 A JP H10110051A JP 26467496 A JP26467496 A JP 26467496A JP 26467496 A JP26467496 A JP 26467496A JP H10110051 A JPH10110051 A JP H10110051A
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polyethyleneimine
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Koichi Asami
見 耕 一 浅
Kazuhisa Kitamura
村 和 久 北
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性(給排紙性)に優れ、かつ、夏場
の高湿度での環境下においてもオフセット印刷インキの
転移性、インキ密着性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを
提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムの表面に、火炎処理を
施した後、下記(A)及び(B)成分を含有する塗工層
を設けたことを特徴とする、印刷性の良好な熱可塑性樹
脂フィルム。 (A)成分:水溶性第四級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤100重量部 (B)成分:ポリエチレンイミン系重合体 10〜600重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性(給排
紙性)に優れ、かつ、夏場の高湿度での環境下において
もオフセット印刷インキの転移性、インキ密着性に優れ
た熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機微細粉末を配合したポリオレフィン
の単層又はこの無機微細粉末配合ポリオレフィン層を少
なくとも片面に有する積層構造体からなる不透明ないし
半透明フィルム、特に、この層が少なくとも一軸方向に
延伸されたものは合成紙として有用なものである。かか
る無機微細粉末又は有機フィラー含有熱可塑性樹脂フィ
ルムをベースとする合成紙は、その耐水性、強靭性、表
面平滑性等に優れた物性を示すことから、非常に幅広い
分野にまで使用されるに至った。その結果、従来にも増
してより優れた帯電防止性、及びオフセット印刷適性、
又は紫外線硬化型インキを用いての印刷適性が求められ
るようなってきた。合成紙、特にポリオレフィン系合成
紙はその原料樹脂であるポリオレフィンが無極性で疎水
性であることから、帯電防止性やオフセット印刷性にお
いて必ずしも満足できるものではなく、適当な表面処理
を施してから使用するのが普通であった。そのような表
面処理の一つとして、表面に塗布剤を塗布する方法が知
られている。
【0003】このような表面処理に使用される塗布剤と
しては、特開昭50−161478号、特公昭59−2
7769号、特公平2−2910号の各公報にカチオン
性帯電防止剤、両性系帯電防止剤を用いることが記載さ
れている。例えば、特公平2−2910号公報には、C
=CR−COOANRと、CH=CR
−COORと、他の疎水性ビニル単量体とから形成さ
れた重合体〔但し、各式中の、Rは水素原子又はメチ
ル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、R及び
はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、A
は炭素数2〜6のアルキレン基である。〕中の三級窒素
原子をカチオン化剤で四級化して両性化物とした水溶性
の重合体と水溶性ポリアミンポリアミド−エピクロルヒ
ドリン付加物とポリエチレンイミン化合物からなる水溶
性塗布剤が開示されている。一方、特開昭53−838
0号公報には、下記一般式(III)で表わされる繰り返し
単位を有する重合体からなる帯電防止性能を有する導電
性剤が記載されている。 一般式(III)
【0004】
【化1】
【0005】(式中、Rは水素原子又はメチル基、R
及びRはメチル基又はエチル基、R及びRはメチ
ル基、エチル基、−(−CH−CH−O−)−H
(mは1〜4の整数)又はベンジル基、Rは炭素数1
〜18のアルキル基、アルケニル基又は−(−CH
−O−)−H(pは1〜4の整数)、X+ はハロ
ゲンイオン、Aは置換されていてもよいアルキレン基及
びnは通常10〜10の整数を示す。)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような帯
電防止剤を使用すれば、通常の帯電防止されたオフセッ
ト印刷を行なうことは可能であるが、夏場の高湿度での
環境下においてはインキの転移性、密着性が低下するこ
とがあった。また、本発明は、帯電防止性(給排紙性)
を低下させることがなく、オフセット印刷適性の転移
性、インキ密着性の良好な合成紙を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面に、8,000〜200,000ジュール
/m2 のエネルギーでフレーム(火炎)処理を施した
後、下記(A)及び(B)成分を含有する塗工層を設け
たことを特徴とする、印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィ
ルムを提供するものである。 (A)成分: 水溶性の第四級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤 100重量部 (B)成分: ポリエチレンイミン、アルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ( エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物から なる群より選ばれたポリエチレンイミン系重合体 10〜600重量部
【0008】
【作用】帯電防止効果のある(A)成分と、インクの密
着性を良好なものとする(B)成分のプライマー成分と
を含有するプライマーにより、給排紙性とインクの転移
性、密着性を良好とし、火炎処理によりインクの転移
性、密着性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔発明の具体的説明〕 〔I〕 構 造 本発明の印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルムは、その
基材である熱可塑性樹脂フィルム、特にポリオレフィン
系合成紙、の表面にフレーム処理(火炎処理)を施した
熱可塑性樹脂フィルム層と、その表面に塗工され、乾燥
して皮膜が形成された、前記(A)成分の水溶性の第四
級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤、及び、(B)
成分のポリエチレンイミン系重合体を含有する塗布剤層
とから構成されるものである。
【0010】〔II〕 熱可塑性樹脂フィルム層 本発明において基材層として使用される熱可塑性樹脂フ
ィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロ
ピレン・エチレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリスチレン、ナイロン‐6等の熱可塑性樹脂のフィル
ム、或いは、該熱可塑性樹脂と無機微細粉末又は有機フ
ィラーとから形成されるフィルム層を表面に有するもの
を挙げることができる。
【0011】このような熱可塑性樹脂フィルム、特に合
成紙自体は公知のものであり、その詳細については、特
公昭49−1782号、特開昭56−118437号、
特開昭57−12642号及び特開昭57−56224
号の各公報等を参照することができる。具体的には、無
機微細粉末、例えば、粒径が0.05〜10μmの焼成
クレー、珪藻土、酸化チタン、パーミキュライト、重質
炭酸カルシウム、タルクを8〜65重量%含有するポリ
オレフィンフィルムを1軸延伸し、それによってこのフ
ィルムの表面に無機微細粉末粒子を中心として微細の亀
裂を生じさせると共に、フィルム内部に微細なボイドを
多数(5個/mm2 以上)有する層を表面層として形成
し、この表面層に無機微細粉末を5〜40重量%含有す
る熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸物よりなる基層が積
層された構造の積層フィルムからなるもの(特公昭46
−40794号参照)や、特開昭61−003748号
公報や特公平1−6041号公報で述べられているよう
な、前記積層フィルムの表面に、更に無機微粉末を実質
的に含有しない肉厚0.5〜50μmのポリオレフィン
のフィルム層を形成した複層の合成紙、或いは、無機微
細粉末を10〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィル
ムの二軸延伸物よりなるパール調の合成紙、等を挙げる
ことができる。
【0012】フレーム処理(火炎処理) 本発明においてはこのような熱可塑性樹脂フィルムの表
面に後記塗布剤を施す前に、フレーム処理(火炎処理)
を付すことが重要である。該フレーム処理(火炎処理)
は、上記熱可塑性樹脂フィルムの表面に8,000〜2
00,000ジュール/m2 、好ましくは10,000
〜150,000ジュール/m2 、特に好ましくは2
0,000〜100,000ジュール/m2のエネルギ
ーのフレーム(火炎)を直接当てることにより処理され
る。具体的には、熱可塑性樹脂フィルムの表面を、燃焼
ガスにメタン、プロパン等を使用し、フリンバーナー社
(FLINN BURNER社)製フリンF3000ダ
イレクトフレームプラズマ処理機等の火炎処理装置を用
いて、1〜200m/分のライン速度で1.0×10-5
〜10秒間の火炎処理が行なわれる。このフレーム処理
(火炎処理)によって、熱可塑性樹脂フィルムの表面が
劣化せずに親水化させる。それによってオゾン処理、プ
ラズマ処理等の他の表面処理したものと異なり、夏場の
高温、高湿度での環境下においても、優れたオフセット
印刷インキの転移性及びインキ密着性を備えたものとな
る。
【0013】〔III 〕 塗布剤層 (1) 構成成分 上記塗布剤層は、 (A)成分: 水溶性の第四級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤 100重量部 (B)成分: ポリエチレンイミン、アルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ( エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物から なる群より選ばれたポリエチレンイミン系重合体 10〜600重量部 の(A)及び(B)成分を必須成分とし、これらに必要
により、更に、(A)成分100重量部に対して、 (C)成分: ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物 10〜500重量部 及び/又は、 (D)成分: アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩 5〜200重量部 を配合してなるものである。
【0014】(A) 水溶性の第四級窒素含有ポリマーより
なる帯電防止剤((A)成分) 上記(A)成分として用いられる帯電防止剤の具体例と
しては、例えば、特開昭59−43065号公報に記載
されるように、対応含窒素単量体の重合及び必要な場合
に生成した三級窒素含有重合体を四級化することによっ
て製造することができる。本発明において用いられる好
適な四級含窒素単量体の具体例を挙げれば、例えば、下
記の(イ)〜(ニ)の化学式で表わされるものを挙げる
ことができる。 化学式(イ)
【0015】
【化2】
【0016】化学式(ロ)
【0017】
【化3】
【0018】化学式(ハ)
【0019】
【化4】
【0020】化学式(ニ)
【0021】
【化5】
【0022】〔上記(イ)〜(ニ)の各化学式中で、R
は水素原子又はメチル基、R及びRはそれぞれ低
級アルキル基(特に炭素数が1〜4、就中炭素数が1〜
2)、Rは炭素数1〜22の飽和又は不飽和アルキル
基若しくはシクロアルキル基、Xは四級化されたN
の対アニオン(例えば、ハライド(特にクロライド)、
Mはアルカリ金属イオン(特にナトリウム、カリウム又
はリチウム)、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を表わ
す。〕 上記化学式(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)で表わされ
る四級窒素含有単量体の重合体は、その前駆体の四級窒
素含有単量体を重合させてから、アルキルハライド、ジ
メチル硫酸、モノクロロ酢酸エステル等のカチオン化剤
により四級化することによって重合体中に存在させるこ
とができることはいうまでもない。本発明では帯電防止
剤は水溶性であることが必要であるが、過度に水溶性で
あることは望ましくない。従って、(A)成分の四級窒
素含有重合体は、疎水性単量体との共重合体であること
が望ましい。疎水性単量体としては、スチレン又はその
核ないし側鎖置換体、アクリルないしメタクリル酸エス
テル、ハロゲン化ビニル、その他がある。
【0023】好適な帯電防止剤重合体 本発明において、特に好ましい(A)成分の帯電防止剤
重合体は、下記の(a)〜(c)成分の共重合体からな
るものである。 (a)成分:化学式(イ)〜(ニ)で表わされる四級窒素含有単量体 20〜40重量% (b)成分:一般式
【0024】
【化6】
【0025】 で表わされる単量体 6〜80重量% 〔式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数が1〜22のアルキル基、 炭素数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数が5〜22のシクロアルキル 基を、それぞれ表わす。〕 (c)成分: 他の疎水性ビニル単量体 0〜20重量%
【0026】最も好適な帯電防止剤重合体 本発明において、最も好適な(A)成分の帯電防止剤重
合体は、(a)成分の四級窒素含有単量体が前記の単量
体(イ)においてXがClであるものである。ま
た、(A)成分は特開平6−25447号号公報に記載
されるように、 (a´) 一般式
【0027】
【化7】
【0028】 で表わされる単量体 30〜70重量% 〔式中、Aは−O−若しくは−NH−を表わし、Rは水素原子若しくはメチル 基を表わし、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基若しくは−CH−CH(O H)−CH−を表わし、R、R、R及びR10は同一であっても、異なっ ていても良い炭素数が1〜3のアルキル基を表わし、R11は炭素数が1〜10の アルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラルキル基を表わし、nは1〜3の整 数を表わし、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表わす。〕、 (b) 一般式
【0029】
【化8】
【0030】 で表わされる単量体 30〜70重量% 〔式中、R´、は水素原子又はメチル基、R5は炭素数が1〜22のアルキル基 、炭素数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数が5〜22のシクロアルキ ル基を表わす。〕、及び、 (c) 他の疎水性ビニル単量体 0〜40重量% を共重合させて得られた第四級アンモニウム塩型共重合
体も好ましい。上記(a´)の単量体の具体例として
は、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエ
チルアミノエチルアクリレート、及び、これらのメタク
リレート相当物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、及び、これらのメタクリレート相当物等の下記一般
式(IV)で示される第三級アミン含有単量体を、3‐ク
ロロ‐2‐ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロリド等の下記一般式(VI)で表わされる変性剤で、
重合前に若しくは重合後に変性することによって得るこ
とができる。一般式(IV)
【0031】
【化9】
【0032】(式中、A、R、R、R、Rはそ
れぞれ下記の意味を持つ。Aは−O−若しくは−NH−
で表わされるもの、Rは水素原子又はメチル基で表わ
されるもの、R6は炭素数が2〜4のアルキレン基若し
くは一般式(V)
【0033】
【化10】
【0034】で表わされるもの、R、Rは同一であ
っても、異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキ
ル基で表わされるもの、Xは塩素原子、臭素原子又は沃
素原子で表わされるものである。) 一般式(VI)
【0035】
【化11】
【0036】(式中、R、R10、R11、nはそれ
ぞれ下記の意味を持つ。R、R10は同一であって
も、異なっていても良く炭素数が1〜3のアルキル基で
表わされるもの、R11は炭素数が1〜10のアルキル
基もしくはアラルキル基で表わされるもの、nは1〜3
の整数、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子で表わさ
れるものである。) 上記(b)成分の疎水性単量体単位としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
トを挙げることができる。また、必要によって使用され
る上記(a)又は(a´)及び(b)成分と共重合可能
な(c)成分の他の単量体単位としては、スチレン、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性単量体や、ビニル
ピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親水性単量体
を挙げることができる。
【0037】(A)成分の水溶性帯電防止剤である共重
合体を得るための重合方法としては、ラジカル開始剤を
用いた、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合
方法を採用することができる。これらの中で好ましい重
合方法としては溶液重合法であり、該重合は各単量体を
溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤を添加して窒素気流
下において加熱攪拌することにより実施される。溶媒は
水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類等が好ましく、また、こ
れらの溶媒を混合使用して実施しても良い。重合開始剤
は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル
等のアゾ化合物が好適に用いられる。単量体濃度は通常
10〜60重量%であり、重合開始剤の濃度は単量体に
対して通常0.1〜10重量%である。第四級アンモニ
ウム塩型共重合体の分子量は、重合温度、重合開始剤の
種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件によ
り任意のレベルとすることができる。一般には得られる
重合体の分子量は1,000〜1,000,000であ
るが、中でも1,000〜500,000の範囲が好ま
しい。
【0038】(B) ポリエチレンイミン系重合体((B)
成分) 上記塗布剤層には、上記第四級窒素含有ポリマーに加え
て、インキの密着性、特に紫外線硬化型インクの密着性
に寄与する成分として、ポリエチレンイミン系重合体が
添加される。このようなポリエチレンイミン系重合体と
しては、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−
尿素)、ポリアミンポリアミドのポリエチレンイミン付
加体、ポリエチレンイミンのアルキル(好ましくは炭素
数が1〜8のアルキル基)化物(特開平1−14173
6号公報参照)等を挙げることができる。これらの中で
も、ポリエチレンイミン或いはポリアミンポリアミドの
ポリエチレンイミン付加体に炭素数が1〜24のハロゲ
ン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シク
ロアルキル、ハロゲン化ベンジルによって変性した変性
ポリエチレンイミンを使用することが、オフセットイン
キとの密着性、転移性の向上の観点から好ましい。ここ
で、ポリエチレンイミンの重合度は任意のものが使用さ
れるが、好ましくは20〜3,000のものである。
【0039】(C) ポリアミンポリアミドのエピクロルヒ
ドリン付加物((C)成分) 任意成分である(D)成分のポリアミンポリアミドのエ
ピクロルヒドリン付加物としては、炭素数が3〜10の
飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンと
からのポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得
た水溶性で陽イオンの熱硬化性樹脂である。このような
樹脂の詳細については特公昭35−3547号公報等に
詳細に述べられている。炭素数が3〜10の飽和二塩基
性カルボン酸の具体例としては、炭素数が4〜8のジカ
ルボン酸、特にアジピン酸であり、ポリアルキレンポリ
アミンの具体例としてはポリエチレンポリアミン、特に
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチ
レンタトラミン、就中ジエチレントリアミンである。ポ
リアミド生成反応でのポリアルキレンポリアミン対二塩
基酸のモル比は0.9:1〜1.2:程度が普通であ
る。このポリアミンポリアミドとエピクロルヒドリンと
の反応では、ポリアミド中の各第二アミン基に対してエ
ピクロルヒドリンを約0.5〜約1.8モル使用するの
が普通である。このものはインキとの耐水接着性の改良
に寄与することができる。
【0040】(D) アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属
塩((D)成分) 任意成分である(E)成分のアルカリ金属塩又はアルカ
リ土類金属塩からなる水溶性無機塩としては、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、及び塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ
燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、その他の中性
塩、等のアルカリ金属塩や、塩化ベリリウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、硝酸
バリウム等のアルカリ土類金属塩を挙げることができ
る。塗工剤層が無機塩を含んでいるときは、帯電防止性
が向上し、またオフセットインキの乾燥速度が大きくな
る。ただし、水溶性の無機塩の存在はインキの耐水密着
性を低下させるので、過度に多く存在させることは好ま
しくない。
【0041】(E) その他の任意成分((E)成分) 塗工剤層は、更に、界面活性剤、水溶性或いは水分散性
重合体、微細粉末物質、その他の補助材を含むことがで
きる。また、低温時の帯電防止性を向上させるためにポ
リアルキレンエーテル系重合体、例えばポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等を25〜1,0
00重量部加えても良い。
【0042】(2) 塗工剤層成分の組成 (A)成分100重量部に対する(B)成分、(C)成
分及び/又は(D)成分の使用の量比は以下の通りであ
る。 (A)成分: 100重量部 (B)成分: 10〜600重量部、好ましくは 50〜300重量部、 (C)成分: 0〜500重量部、好ましくは 5〜500重量部、 特に好ましくは10〜200重量部、 (D)成分: 0〜200重量部、好ましくは 5〜200重量部、 特に好ましくは 5〜 70重量部、 上記(A)成分の帯電防止剤100重量部に対して、
(B)成分のプライマーが10重量部未満ではインキの
密着性が劣る。また600重量部を超えては更なるイン
キの密着力の向上を望むことができず、経済的に不利と
なる。
【0043】(3) 塗工剤層の形成 上記塗工剤層成分の各成分は、水、或いは、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等
の親水性溶剤に溶解させてから用いられるものである
が、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液
濃度は通常0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5
重量%程度である。塗工方法は、ロールコーター、ブレ
ードコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコ
ーター等により行なわれ、それを乾燥することにより皮
膜が形成される。塗布量は、固形分として一般に0.0
05〜10g/m2 、好ましくは0.02〜5g/m2
で、ある。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、例中の部及び%は、重量部及び重量%をそ
れぞれ意味する。 〔I〕 評 価 表面固有抵抗、UVオフセット印刷インクのインキ転移
性及びインキ密着性については以下の測定方法によって
評価した。
【0045】(1) 表面固有抵抗 得られた合成紙を23℃の温度で50%の相対湿度の条
件下で、三菱化学(株)製表面抵抗計“HIRESTA
MODEL HT−250(商品名)”を用いて測定
した(1×1011Ω/□以下のものは給排紙性が良好と
判断する。)。
【0046】(2) 23℃、相対湿度50%保管後のオ
フセット印刷適性インキ転移性の測定 プライマー塗布剤の塗布されたポリプロピレン樹脂フィ
ルムを23℃の温度、相対湿度50%の雰囲気下で3日
間保管した後、紫外線硬化型インク(株)T&K To
ka製「ベストキュアー−161」)をRIテスター
(明製作所製)で約2g/m2 の厚さとなるように印刷
し、アイグラフィック(株)製メタルハイドライド灯
(80w/cm)1灯の下で10cmのところを10m
/分の速度で1回通過させて照射した後、その面にセロ
テープを貼り付け、十分密着させた後に素早くテープを
剥離してインキ接着性を次の5段階で評価した。 5:全くインキが剥離してこない。 4:僅かな部分のインキが剥離した。 3:剥離部分が25%未満であった。 2:剥離部分が25%〜50%であった。 1:剥離部分が50%超過であった。インキ密着性の測定 プライマー塗布剤の塗布されたポリプロピレン樹脂フィ
ルムを23℃の温度、相対湿度50%の雰囲気下で3日
間保管した後、明製作所製RIテスターにより前記ベス
トキュアー−161インキ(スミ)を通常で1.5g/
2 の厚さとなるように印刷し、印刷面を米国コルモー
ゲン社のマクベス濃度計を用いて光反射濃度(マクベス
濃度)を測定した。マクベス濃度が1.5以上のものを
合格とする。
【0047】(3) 40℃,相対湿度80%保管後のオ
フセット印刷適性インキ転移性の測定 プライマー塗布剤の塗布されたポリプロピレン樹脂フィ
ルムを40℃の温度、相対湿度80%の雰囲気下で3日
間保管した後、紫外線硬化型インク((株)T&K T
oka製「ベストキュアー−161」)をRIテスター
(明製作所製)で約2g/m2 の厚さとなるように印刷
し、アイグラフィック(株)製メタルハイドライド灯
(80w/cm)1灯の下で10cmのところを10m
/分の速度で1回通過させて照射した後、その面にセロ
テープを貼り付け、十分密着させた後に素早くテープを
剥離してインキ接着性を次の5段階で評価した。 5:全くインキが剥離してこない。 4:僅かな部分のインキが剥離した。 3:剥離部分が25%未満であった。 2:剥離部分が25%〜50%であった。 1:剥離部分が50%超過であった。インキ密着性の測定 プライマー塗布剤の塗布されたポリプロピレン樹脂フィ
ルムを40℃の温度、相対湿度80%の雰囲気下で3日
間保管した後、明製作所製RIテスターにより前記ベス
トキュアー−161インキ(スミ)を通常で1.5g/
2 の厚さとなるように印刷し、印刷面を米国コルモー
ゲン社のマクベス濃度計を用いて光反射濃度(マクベス
濃度)を測定した。マクベス濃度が1.5以上のものを
合格とする。
【0048】〔II〕 基材層の製造合成紙の製造 例1 合成紙(P−1) (1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10分
のポリプロピレン(融点164℃)に、平均粒径1.5
μmの重質炭酸カルシウム12%(ポリプロピレンとの
合計重量基準)を混合した組成物(C′)を、270℃
に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し
てから、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得
た。このシートを再度140℃の温度に加熱した後、縦
方向に5倍延伸させた。
【0049】(2) MFR4.0g/10分のポリプロ
ピレン49%とマレイン酸含量0.5%のマレイン酸
(改質単量体)変性ポリプロピレン5%と、平均粒径
1.5μmの炭酸カルシウム46%とを混合した組成物
(A′)(充填剤100部当たりの改質単量体含量0.
05部)を、270℃に設定した押出機により溶融混練
したものと、MFR4.0g/10分のポリプロピレン
55%と平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム45
%とを混合した組成物(B′)を270℃に設定した別
の押出機で溶融混練したものとをダイ内で積層し、この
積層物を改質ポリプロピレンを含む層が外側になるよう
に、上記(1)で得られた縦方向5倍延伸シートの両側
に共押出して5層積層物(A′/B′/C′/B′/
A′)を得た。次いで、この5層の積層物を155℃に
加熱した後、横方向に7.5倍の延伸を行なって、5層
の延伸積層物である合成紙(P−1)を得た(肉厚5/
20/50/20/5μm)。
【0050】例2 合成紙(P−2) (1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10分
のポリプロピレン79重量%、高密度ポリエチレン5重
量%に、平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム16
重量%を配合した組成物(C′)を、270℃に設定し
た押出機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装
置により冷却して無延伸シートを得た。このシートを1
40℃の温度に加熱した後、縦方向に5倍延伸させた。
【0051】(2) MFR4.0g/10分のポリプロ
ピレン(A´)と、MFRが4.0g/10分のポリプ
ロピレンに平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重
量%を混合した組成物(B′)とを、270℃に設定し
た別々の押出機で溶融混練し、ダイ内で積層し共押出し
たシートを、(A´)が外側となるように、上記(1) に
て得られた縦方向5倍延伸シートの両面に積層し、次い
で、60℃の温度にまで冷却した後、約160℃の温度
にまで加熱した後、165℃の温度にまで加熱し、テン
ターで横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニ
ーリング処理し、60℃の温度にまで冷却した後、耳部
をスリットして五層構造(A′/B′/C′/B′/
A′:30μm/3μm/64μm/3μm/30μ
m)の合成紙(P−2)を得た。
【0052】〔III 〕 塗布剤の調製(A) 第四級アンモニウム塩型共重合体の製造 A−1の製造 還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、及び攪拌装
置を取り付けた4つ口フラスコに、ジメチルアミノエチ
ルメタアクリレート:35部、エチルメタアクリレー
ト:20部、シクロヘキシルメタアクリレート20部、
ステアリルメタアクリレート:25部、エチルアルコー
ル150部と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加
し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行な
った。次いで、3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピルト
リメチルアンモニウムクロリドの60%水溶液:70部
を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水
を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分
として20%の第四級アンモニウム塩型共重合体(A−
1)を得た。A−2の製造 三菱化学(株)製の水溶性アクリル系帯電防止剤“サフ
トマーST 1100B”(商品名)を用いた。
【0053】
【化12】
【0054】(B) ポリエチレンイミン系重合体 ポリエチレンイミン系重合体として以下のものを使用し
た。 P−SN:BASF社製“ポリミンSN”(ポリアミド
アミンのポリエチレンイミン付加体) AC−72:三菱化学(株)製「サフトマー(商品
名)」(塩化ブチル変性ポリエチレンイミン)
【0055】(C)ポリアミンポリアミド・エピクロル
ヒドリン付加物 ポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加物とし
て以下のものを使用した。 日本PMC(株)製「WS−570」(商品名)
【0056】実施例1 上記「塗布剤の調製」により製造した配合成分を、塗布
液100部中に配合し、各成分の有効成分量が下記の配
合組成になるように水で希釈し、充分攪拌して塗布液を
調製した。 成分A:A−1 0.5部 成分B:AC−72 0.4部 成分C:WS570 0.5部 成分D:NaCO3 0.1部 一方、上記装置の製造において、合成紙(P−1)の両
表面をフリンバーナー社(FLINN BURNER
社)製フリンF3000ダイレクトフレームプラズマ処
理機を用いて、燃焼ガスにプロパンを使用し、ライン速
度40m/分、印加エネルギー37,700J/m2
て火炎処理を行なった後、上記塗布液を両表面に、固形
分で0.05g/m2 となるようにロールで塗布した
後、65℃の温度で乾燥して皮膜を形成せしめ、これを
巻き取った。得られた合成紙の物性、即ち表面固有抵
抗、23℃、相対湿度50%及び40℃相対湿度80%
下で保管後のオフセット印刷適性、インキ転移性及びイ
ンキ密着性は上記評価方法によって評価し、それを表1
に示す。
【0057】実施例2〜8 表1又は表2に示す条件でフィルムを表面処理し、表1
又は表2に示す塗布剤組成物を上記実施例1と同様に合
成紙に塗布し、塗工合成紙を得た。得られた合成紙は表
1又は表2に示すように優れた帯電防止性及び印刷適性
を有するものであった。
【0058】比較例1〜6 表3に示す表面処理、塗布剤組成物、合成紙を用いる他
は実施例1と同様にして評価した。但し、コロナ放電処
理は春日電気(株)製コロナ放電処理装置HFS400
Fを用い、長さ0.8mのアルミニウム製電極、トリー
ターロールにはシリコーン被覆ロールを用い、電極とロ
ールとのギャップを5mmとし、ライン処理速度15m
/分、印加エネルギー密度70W/m2 /分にてコロナ
放電処理を行なった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明の合成紙は、帯電防止性(給排紙
性)に優れ、かつ、夏場の高湿度での環境下においても
オフセット印刷インキの転移性、インキ密着性に優れた
熱可塑性樹脂フィルムであることから、実用上に於いて
幅広い要求を満足することが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムの表面に、8,00
    0〜200,000ジュール/m2のエネルギーでフレ
    ーム(火炎)処理を施した後、下記(A)及び(B)成
    分を含有する塗工層を設けたことを特徴とする、印刷性
    の良好な熱可塑性樹脂フィルム。 (A)成分: 水溶性の第四級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤 100重量部 (B)成分: ポリエチレンイミン、アルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ( エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物から なる群より選ばれたポリエチレンイミン系重合体 10〜600重量部
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムの表面に、8,00
    0〜200,000ジュール/m2のエネルギーでフレ
    ーム(火炎)処理を施した後、下記(A)、(B)、
    (C)及び/又は(D)成分を含有する塗工層を設けた
    ことを特徴とする、印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィル
    ム。 (A)成分: 水溶性の第四級窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤 100重量部 (B)成分: ポリエチレンイミン、アルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ( エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物から なる群より選ばれたポリエチレンイミン系重合体 10〜600重量部 (C)成分: ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物 10〜500重量部 (D)成分: アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩 5〜200重量部
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