JPH10111275A - 電子捕獲型検出器および電子捕獲型検出器動作方法 - Google Patents

電子捕獲型検出器および電子捕獲型検出器動作方法

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JPH10111275A
JPH10111275A JP9281251A JP28125197A JPH10111275A JP H10111275 A JPH10111275 A JP H10111275A JP 9281251 A JP9281251 A JP 9281251A JP 28125197 A JP28125197 A JP 28125197A JP H10111275 A JPH10111275 A JP H10111275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来実現されなかったダイナミックレンジに
わたって改善された感度と直線性をもって動作すること
ができる電子捕獲型検出器および電子捕獲型検出器動作
方法を提供する。 【解決手段】 電子捕獲型検出器は、最適なセル容積を
定めるイオン化セル(256)と;当該イオン化セル
(256)に接続されていて、該イオン化セルに流体混
合物を供給する試料注入系(250)と;前記イオン化
セルに組込まれていて、約1〜2ミリキュリーの範囲の
有効放射能の最適レベルに応答して前記流体混合物に複
数の熱電子を発生させ、よって流体混合物中に存在する
電子捕獲種が、該熱電子と反応して陰イオンを生成でき
るようにした放射性イオン化源(258)と;前記セル
容積に関して配置され、流体混合物における熱電子の濃
度の連続的変化を検出するための装置(210)と;を
含んで成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、総じてイオン化
検出器に関し、より詳細にはクロマトグラフから溶出さ
れる試料の成分検出に用いる電子捕獲型検出器および電
子捕獲型検出器動作方法に関する。
【0002】
【発明の背景】ガスクロマトグラフィー用の電子捕獲型
検出器は当分野でよく知られている。例えば、該検出器
の概観は、Debra Noble による論文、“E
lectron Capture Detectors
for GC”,Analytical Chemi
stry,July 1,1995,pp.439A〜
442Aに収録されている。電子捕獲型検出器(EC
D)は、アルキルハロゲン化物のようなある種の分子に
は極めて鋭敏であるが、炭化水素、アルコール、ケト
ン、等には比較的低感度である。この種の検出器は、求
電子性化合物に対する高感度かつ高選択性を特徴として
おり、生物系および食物製品における微量の殺虫剤の検
出に広く用いられているものである。前述の化合物は、
典型的に、検出器内のイオン化セルで作り出される自由
電子と結合するハロゲンを含有している。その結果生ず
るイオン化セル中の自由電子の減少を、試料中の化合物
の濃度の指標として監視し利用するのである。
【0003】典型的な電子捕獲型検出器の応答は、試料
の分子組成とその濃度、検出器セルの清浄度(clea
nliness)と温度、メークアップガスと溶出物の
流速ような、多くの変量に左右されると見られてきた。
しかし、これらの多くの変量に関連した電子捕獲型検出
器の挙動は、完全には理解されていない。
【0004】その初期の使用に際しては、電子捕獲型検
出器は、直流電流(DC)または固定周波数(FF)パ
ルス化動作モードで作動され、その場合、電流(I)の
変化が応答として採用された。これら2つのモードの何
れかで作動された検出器は、全応答範囲の最初の10%
以上でのみ直線校正曲線を与えた。1967年、Wen
tworth and Chen(J.Gas Chr
omatogr.5(1967),P.170)は、固
定周波数モードにおける解析応答が(I−I)/I
(ここで、Iは試料が無い場合の測定定在電流であ
り、Iはクロマトグラム中連続して測定されたセル電流
である)と見なされるなら、直線校正曲線は、検出器の
飽和の90%以上まで得られるであろう、ということを
示した。この信号処理モードの実用限界は、長いパルス
周期を有する高定在電流を得ることができるような、著
しく清浄なクロマトグラフ条件としてのその要件であ
る。1971年、Maggs等(Anal.Chem.
43(1971)p.1966)は、周波数変調した、
即ち“定電流”(CC)動作モードで電子捕獲型検出器
を動作させることを提案した。このモードでは、帰還ネ
ットワークの作用でパルス化周波数の制御により測定電
流の振幅が不変になりかつ予め定めた基準値に等しくな
る。電子捕獲化合物がセルを通過するとき、パルス化周
波数は電流を一定に保つのに要する量だけ増大する。
【0005】校正曲線は幾度も作られ、それによって、
検出器の応答因子(即ち、試料濃度によって分けられた
検出器応答)が三桁のダイナミックレンジにわたって数
パーセント以内に一定にされる。結果として、電子捕獲
型検出器は、今や、ガスクロマトグラフィーに広く用い
られ、しばしば、フェムトグラム程の低さの量で存在す
る化合物に適合する感度をも可能にする。
【0006】しかし、明らかに変化しない条件下では、
定電流電子捕獲型検出器は、測定応答と被検体濃度との
間で非線形でかつ予測できない関係の徴候を呈すること
がある。図1に示すように(J.J.Sulliva
n,C.A.Burgett,NON−LINEARI
TY IN CONSTANT CURRENT EL
ECTRON CAPTURE DETECTION,
Chromatographia,Vo.8,Apri
l 1975から引用)、非線形の大きさは、低試料濃
度での応答が高試料濃度での応答の半分を下回るような
値であり得る(図1では、被検体濃度をピコグラム(p
g)で示し、測定応答をミリボルト/ピコグラム(mV
/pg)で示してある)。この種の非線形応答は、以前
に記述されている(Sullivan&Burget
t,上記;Lovelock,J.Chromatg
r.99,(1974),3,Lovelock&Wa
tson,J.Chrogatgr.158,(197
8),123;Grimsrud&Knighton,
Anal.Chem.54,(1982),565参
照)。
【0007】故に、定量化は困難である。何故なら、電
子捕獲型検出器は、現在一般的に、それが最も敏感であ
るような化合物(例えば、高ハロゲン化炭化水素)に非
線形応答をもたらすことが予想されているからである。
この重要な化合物群に直線性を欠いていることは、機器
の欠陥ではなく、例えば、電子付着プロセス自体による
検出器内部の試料濃度の変更様相のせいであるとされて
きた。
【0008】Knighton&Grimsrudは、
Analytical Chemistry 55,
(1983),pp.713〜718において、次のよ
うな強く応答する化合物に対する電子捕獲型検出器の応
答を説明している:低試料濃度では、試料の重要な部分
は、電子捕獲の速度定数(k)と平均電子密度
(e)が両方とも大きい故、電子捕獲型検出器によっ
てイオン化される。この低試料濃度条件下で、電子集団
が高く(大きく)かつ相対的に一定のまま留まり、同一
割合の被検体分子がこの制限試料濃度範囲にわたって反
応している間は、ほぼ線形の応答が観測される。しか
し、試料濃度が増えるにつれ、ますます小さい電子集団
が、セルに入るより小割合の被検体を消費する。検出器
応答は、検出器内の被検体の瞬間的濃度に直接比例する
といわれており、従って、その応答は、検出器の全ダイ
ナミックレンジにわたってセルに入る被検体濃度に対し
て線形関係を欠くと観察されるのである。筆者は、任意
の寸法またはデザインのかつ在来の流速で作動される検
出器を使って、強く応答する化合物に関して直線性を改
善するものと云われているアプローチとして信号処理の
用法を記述する。筆者は、処理応答の拡張定義を使って
作動される定電流制御モード(電子付着による試料濃度
の変更が考慮されかつ応答関数に組み入れられるので、
改善が成されると云われている)を記述する。開示され
た定義は、機器のダイナミックレンジにわたって強力電
子付着分子に対する線形校正曲線を採用し、この場合、
強く応答する化合物に対する検出器の応答は次式に従っ
て解釈する: (f−f)(H+f)/f ここで、fは瞬時パルス化周波数であり、fはベース
ライン(即ち被検体の無い場合の)周波数であり、Hは
実験的に決定される定数である。しかし、前述の校正法
の適用は、他種類の電子捕獲化合物に関する程は有効で
ない。このアプローチのさらに別の欠点は、校正曲線が
検出器のバックグラウンドノイズの変化に応答してシフ
トする傾向にあり、従って、校正曲線が十分に有効であ
るとは言えない、ということである。
【0009】当業者は、放射性イオン化源が比較的少な
いベータ粒子から自由電子を作り出すことを観察してい
る。また一般に、イオン化セル中の自由電子の数が多い
ほど、ますます小さい試料最小検出可能量(MDQ)を
達成させることができる、ということも成り立つ。別の
観察では、放射ベータ粒子は比較的長い有効距離を有す
るということである。従って、1つの在来的設計対処法
は、イオン化セルの容積を、1.0〜1.5ミリリット
ルのオーダーの容積まで拡張して、放射能の有効レベル
を高め、よって、より多い自由電子生成を可能にし、か
つ望ましくない断面積効果を避けることである。しか
し、検出器は、小ガス流を溶出し,それ故比較的小さい
イオン化セル容積を要するキャピラリーカラムによる効
果的使用には適しない故、そのような大容積は重大な欠
点となる。有効放射能のレベルを高めることも、著しい
放出雑音を生じ、これが試料の最小検出可能量を制限す
る。
【0010】この問題に対する対照的アプローチは、イ
オン化セル容積を非常に小さくするか、またはキャリヤ
ー流量を極めて速くして、イオン化セルにおける被検体
の滞留時間を非常に短くしかつ電子捕獲反応による試料
のイオン化を減少させるようにすることである。容積縮
小のアプローチは、Patterson(J.Chro
matgr.134(1977),25)によって立証
されており、この場合、小セルの能動容積は、変位した
同軸陽極の使用により効果的に比較的小さくされた。し
かし、電子捕獲型検出器のイオン化セル容積が縮小され
ると、より多くのベータ粒子がメークアップガスをイオ
ン化する代わりにセル壁で失われかつセルに放射性源を
配置するのに、より少ない内表面が利用される。この結
果として、化学的被検体との相互作用に利用される熱自
由電子の数が減少されることになる。故に、このアプロ
ーチでは、イオン化セル容積を減らすのに実際的限界が
ある。せいぜい、強く応答する化合物に対する検出器応
答は部分的に改善されるに過ぎないが、弱くかつ適度に
応答する化合物に対する電子捕獲型検出器の感度は、比
例して低減される。
【0011】従って、前述の相反する条件と限界がより
明らかに理解されるのみならず、その利点に合わせて最
適化され、結果として、電子捕獲型検出器の感度と直線
性が最適化されるようになるところの、電子捕獲型検出
器の構成と操作に関わる改善されたアプローチと方法論
を求める要求は存在するのである。
【0012】
【発明の概要】本願発明は、概して、改良された検出器
応答を有する電子捕獲型検出器に関し、より詳細には、
高分解能ガスクロマトグラフィーに用いられる電子捕獲
型検出器によって示される検出器応答の直線性と感度の
両方を改善するための方法と装置に関する。ここに記述
するように、“検出器応答因子”は、検出に供される試
料単位当りの検出器応答であると考えられ、“セル容
積”は、電子捕獲型検出器のイオン化セルによって定め
られる容積であると考えられ、かつ“有効放射能”は、
放射性イオン化源の存在によってイオン化容積に誘発さ
れる放射能レベルであると考えられる。
【0013】本願発明の好ましい実施例では、上記およ
びその他の特長は、イオン化セルにおいて検出に供され
る電子捕獲性種を有する流体混合物を供給できるよう、
イオン化セルと該イオン化セルに接続された試料注入系
とを有する電子捕獲型検出器を形成することによって達
成される。イオン化セルは、放射性イオン化源を、好ま
しくはセル内壁に付けられた放射性箔の形で、包含す
る。イオン化セルは、最適のセル容積を定めかつ電子捕
獲反応が濃度動作モードに従って引き起こされるよう最
適有効放射能レベルに依存する。
【0014】好ましい定電流、可変周波数の動作モード
では、セル電流が測定されて、基準電流と比較される。
次いで、不変のセル電流を維持できるようパルス速度
(繰返し数:pulse rate)を調節する。電子
を捕獲する試料化合物がイオン化セルに存在するとき、
パルス速度は変化する。パルス速度は、電圧に変換さ
れ、それが新規の直線化方程式に従ってインタフェース
によって処理され、後続の分析および/または記録のた
めの検出器出力信号として設定される。
【0015】このように、有効放射能が大きいほど、従
って、利用できる自由電子の数が多いほど、MDQ(試
料最小検出可能量)をより小さくできる、ということが
一般に成り立つ従来技術とは対照的に、筆者は、最低の
最小検出可能レベルを得ることができる有効放射能の最
適レベルがある、ということを確認した。電子捕獲型検
出器の改良感度は、本願発明に従って、イオン化セルに
おける有効放射能のレベルを0.5〜3ミリキュリーの
範囲に、好ましくは、1〜2ミリキュリーの範囲に、制
限することにより得ることができる。
【0016】従来技術からの別の進め方では、筆者は、
前述の有効放射能レベルを維持しながら、イオン化セル
容積を実質的に縮小できることを見出した。好ましい有
効放射能レベルは、在来型の電子捕獲型検出器における
イオン化セル容積のそれ以下にセル容積を縮小すること
により最良に発揮される。例えば、最適セル容積は、N
63放射性源を有しかつ大気圧で200〜400℃の範
囲で作動する電子捕獲型検出器では、100〜150マ
イクロリットル(μl)の範囲にあることが見出され
た。
【0017】筆者がさらに確認したことは、従来技術の
電子捕獲型検出器における非直線性についての重大な一
因は、大部分、2つの検出モードにわたる従来の動作に
よるものである。低試料濃度で成される第一の動作モー
ドでは、ほとんどの試料分子は、実質的に全ての自由電
子を捕獲すると見られる(いわゆるクーロメトリック
(電量)検出モード)。高試料濃度で成される第二の動
作モードでは、試料捕獲率は、自由電子の濃度と試料の
濃度の関数であると見ることができる(いわゆる濃度検
出モード)。適度な試料濃度で成される、これらの第一
と第二の動作モード間の遷移中は、検出器は、電量およ
び濃度モードの間で作動する。検出器応答因子は、これ
らの2つの検出モードの間で検出器の動作が変化する
と、不利益な非直線性を呈することを筆者は確認してい
る。この検出器応答における非直線性の一因は、典型的
には、異なっている試料化合物の様々な濃度が分析され
る時に生ずる。例えば、比較的高い試料濃度では、ある
種の化合物は、その同一化合物の低め目の試料濃度で呈
される応答因子より数倍高い応答因子の原因になると見
られている。他の化合物は、逆効果を引き起こすことが
あり、即ち、ずっと小さ目の応答因子が高い試料濃度で
示され、かつ大きい応答因子が低い試料濃度で示される
ことがある。故に、電量および濃度動作モード間の遷移
で、ある与えられた試料に対する検出器応答因子はかな
り変化するであろう。
【0018】濃度モードにおける検出器の動作は、定常
状態での自由電子の数が次の関係で決められる場合に成
されると示すことができる: C=k(e)・(B/U) ここで、 C=捕獲速度[電子/sec] B=被検体導入速度[分子/sec] U=セル中の流速[ミリリットル/sec] e=自由電子の数 k=電子捕獲の速度定数 である。この関係は、kが不変であるという従来技術
の仮定を使ったとされるときは、(例えば、検出器の出
力周波数がBに比例するところの)線形検出器応答を示
すものと従来は予測されていた。
【0019】従来技術からの別の進め方では、筆者は、
実際に、kは不変でないことを見出している。高めの
試料濃度では、自由電子の数は試料分子の数よりはるか
に少なくなる。例えば、筆者が観察したことは、応答因
子の対数関係的な崩壊は、濃度モード中に起こり、より
詳細には、未捕獲自由電子の数が検出器イオン化セルに
存在する試料分子の数よりはるかに少ない場合のイオン
化条件中に起こる、ということである。これが起こる
と、試料濃度の増加で自由電子数の比例的増加は生じな
い。故に、kは、試料濃度が増加するにつれ、対数的
に衰微すると考えるべきである。
【0020】本願発明による電子捕獲型検出器の直線化
は、前述の非直線性の原因の幾つかまたは全てを克服す
るかおよび/または補償することによって得ることがで
きる。これは、次の処理の1つまたは両方によって達成
される。すなわち、(1)検出器を濃度動作モードのみ
において動作させること、および(2)検出器応答から
誘導される信号を処理して高めの試料率での応答因子の
対数関係的崩壊を補償するようにすること。
【0021】故に、本願発明の一態様において、直線化
は、検出器のイオン化セルに有効放射能の最適レベルを
与え、従って、検出器の動作を濃度モードに限定するこ
とによって達成される。イオン化セル容積を最適容積に
縮小することでも、再結合(速度)定数kは著しく大
きくなり、従って検出器を強制的に濃度モードにするこ
とにもなる。ほぼ100〜150マイクロリットル(μ
l)の範囲にある最適イオン化セル容積は、約1〜2ミ
リキュリーの最大有効放射能を与えかつ検出器を濃度モ
ードで作動させるべく十分大きいkを与えるものであ
る。
【0022】本願発明の別の態様では、kのこの対数
的衰微は、次の直線化の式に従って検出器応答から導か
れる検出器信号を変更することによって補償できること
を筆者は見出した。 f(lin)=f{1+(f/f(dec))}pwr ここで、 f(lin)=電子捕獲型検出器の直線化出力周波数 f=電子捕獲型検出器の非直線化出力周波数 f(dec)=kが目に見えるその衰微を始める検出
器周波数 pwr=kの衰微のべき指数 (ただし、kは、電子捕獲の速度定数) である。本願発明の好ましい実施例では、この直線化の
式の実行は、検出器出力信号インタフェースにおける直
線化部分による検出器信号の信号処理を介して行うこと
ができる。好ましい補償は、従って、個別電子回路(即
ち、ハードウェア)、ファームウェア、またはソフトウ
ェアで実行してよい。
【0023】速度定数kの非直線性に対処する前述の
直線化は、上述の濃度動作モードによる任意のイオン化
検出器動作に適用してよい。これには、放射性または非
放射性タイプの何れかのヘリウムイオン化検出器、アル
ゴンイオン化検出器が含まれる。
【0024】
【発明の効果】本願発明によって構成される電子捕獲型
検出器は、従来実現されなかったダイナミックレンジ
(即ち、試料濃度の約60桁)にわたって改善された感
度と直線性をもって動作することができる。この電子捕
獲型検出器は、広範囲なガス流速と検出器温度にわたっ
て、この抜群の感度と直線性を達成できる。メークアッ
プガスの種類も、適度な汚染レベルも検出器の直線性を
劣化するとは思われない。例えば、殺虫剤分析に見られ
るそれらのような、ある種の化合物の行政委任分析に要
求される直線性条件を満足するのが困難であると見てい
た分析研究機関は、極めて容易に直線性要件を満足する
電子捕獲型検出器を動作させる本願発明の教示を用いる
ことができよう。
【0025】この検出器の線形ダイナミックレンジは試
料濃度の60桁に拡大するので、広範囲の試料濃度を必
要とする分析上の応用は、今や、実行可能となる。例え
ば、従来、試料希釈または試料濃縮の準備処理を必要と
した応用は、そのような処理を要せずに達成できるので
ある。
【0026】本願発明によって構成される電子捕獲型検
出器はまた、汚染にそれ程敏感でなく、従ってそれ程頻
繁に洗浄しなくてよい。これらの利点により、試料のス
ループットとオペレータの生産性を著しく高められるよ
う、中断させずに、より長時間にわたり電子捕獲型検出
器を作動させることが可能となる。検出器ガスまたはメ
ークアップガスの洗浄度、またはカラム漏出の程度のよ
うな諸因子で直線性が変化すると思われるところの、お
よび頻繁な再校正(生産性に悪影響を及ぼす冗長作業)
を免れない、従来技術の検出器とは対照的に、好ましい
実施例における直線性は、上述の諸因子にはほとんど左
右されない。最初の校正は、はるかに長い期間にわたっ
て有効であろう。
【0027】本願発明によって構成される電子捕獲型検
出器は、従来技術において典型的に見られるより小さい
イオン化セル容積を利用する。そのため、より狭域のク
ロマトグラフピークが検出でき、かつ従ってクロマトグ
ラフのより短い運転と試料の高スループットを達成する
ことができる。
【0028】本願発明は、放射性または非放射性電子源
の何れかを備えたヘリウムイオン化検出器、アルゴンイ
オン化検出器、およびその他の電子捕獲型検出器のよう
な、流体混合物のイオン化に基づいて作動する任意の検
出器に適用されるものである。
【0029】
【好ましい実施例の詳細説明】本願発明の装置と方法
は、特に、種々の流体に存在していてよい被検体の検出
法を改善するのに用いることができる。ガス類は、本願
発明の実施に従う好ましい流体であり、それ故、発明に
関する次の記述には、ガスクロマトグラフの分析系(以
後、クロマトグラフ)に使用できる新規の電子捕獲型検
出器の配置構成、構造、および操作に関する記述が含ま
れるであろう。
【0030】ここに記述されている発明の諸実施例は、
ガスクロマトグラフにおける温度制御式定電流パルス変
調方式の電子捕獲型検出器としての使用を意図したもの
である。ガスクロマトグラフに関して意図された検出器
の動作の基礎は、一般に、次のように理解してよい。与
えられた試料化合物のクロマトグラフ分離では、試料
は、加圧キャリヤーガスと共に分離カラムに注入し、カ
ラム溶出物は、流体流として電子捕獲型検出器中へ導
く。1つ以上の気送マニホルド(pneumatic
manifold)アセンブリが想定され、その各々
は、キャリヤーガスと空気、水素、およびメークアップ
ガスのような適当な種類の複数の検出ガスとを含む、複
数のガス流を一部分制御しかつ方向転換する働きをす
る。従って、気送マニホルドは、上述のガス流の何れか
の変調を実行し、かつ特に以下に記述する電子捕獲型検
出器へ変調されたパージガス流とメークアップガス流を
供給できるよう操作してよい。図2およびその次に図解
した実施例における該流体供給の様相は、好ましくは、
電子式気送制御(EPC)を介して実施する。電子式気
送制御技術についてのさらに詳しい説明は、例えば、そ
の開示が本明細書に参考として引用されている、Kle
in等の米国特許No.4,994,096および米国
特許No.5,108,466で調べることができる。
【0031】しかし、特に、ここに記述した発明の諸実
施例は、電子捕獲型検出器の最適の設計、構成、および
動作に関して従来実現できなかった局面に応じて構成さ
れかつ作動されるものとする;これらの局面の理論的基
礎を、“発明の理論”と題する節で先ず提示しよう。そ
の次の節、標題“GCシステムにおける電子捕獲型検出
器の構造と動作”では、クロマトグラフに関して意図さ
れた電子捕獲型検出器の好ましい実施例の構造と動作を
記述する。
【0032】《1.0 発明の理論》 1.1 諸元 1.1.1 電子捕獲型検出器の速度方程式 電子捕獲型検出器イオン化セルが平衡に到達すると、自
由電子の発生速度は、電子除去速度と等しくなる。 A=e・k+C ・・・〈1〉 ここで、 A=ベータ粒子のイオン化による電子発生速度[電子数
・sec−1] C=化学被検体による電子捕獲速度[電子数・sec
−1] e=任意時間にセル中で見出される自由電子数[電子
数] k=正イオンとの自由電子の再結合の速度定数[se
−1] (この定数は、その他の過程で失われた電子、特にセル
壁に当たって失われたそれらも含む) である。
【0033】1.1.2 電子捕獲型検出のクーロメト
リックモード 極めてへ低い被検体濃度では、自由電子の相対存在度が
あり、被検体分子の各々およびいずれも皆、可能な最大
電子数を捕獲する。これは、クーロメトリック検出モー
ドである。それ故、我々は次のように書くことができ
る: C=n・B ・・・〈2〉 ここで、 n=1つの被検体分子で捕獲され得る最大電子数(標準
の殺虫剤試料に関して、nは、殺虫剤の分子構造に依存
して、1〜10の間の値をとることを筆者は観察した) B=イオン化セル中への被検体の導入速度[分子数・s
ec−1] である。式〈2〉を式〈1〉に代入して、クーロメトリ
ックモードの速度方程式、 A=e・k+n・B ・・・〈3〉 を得る。
【0034】1.1.3 電子捕獲型検出の濃度モード イオン化セルでは、自由電子と被検体の濃度は次のよう
に表すことができる。 電子濃度=e/V[電子数・cm−3] ・・・〈4〉 被検体濃度=B/U[分子数・cm−3] ・・・〈5〉 ここで、 V=イオン化セル容積[cm] U=イオン化セル中のガス流速[cm・sec−1] である。
【0035】被検体分子の濃度が自由電子のそれより大
きい時、電子捕獲速度“C”は自由電子濃度、能動被検
体濃度およびセル容積に比例することになる。電子が希
薄なため、ほとんどの分子は1つの電子を捕獲するだけ
であり、それ故、捕獲速度“C”は被検体の“n”数と
は独立している。比例定数kは被検体依存である。従
って、我々は次のように書くことができる。 C=k・(e/V)・(B/U)・V または、 C=k・e・(B/U) ・・・〈6〉 式〈6〉を式〈1〉に代入して、濃度モードの速度方程
式 A=e・k+k・e・(B/U) ・・・〈7〉 を得る。
【0036】1.1.4 定電流パルス化設計における
応答因子 定電流パルス化設計では、陽極は、セル中にある利用可
能自由電子をどれも瞬時に捕集するために狭い正の電気
パルスでパルス化する。パルス周波数は、固定振幅の平
均正味電流を得るべく可変する。このようにして、ます
ます多くの電子を捕獲する被検体がセル中に導入される
と、パルス周波数が高まって捕集に利用できる電子の減
少を引き起こす。この設計では、パルス化周波数は、検
出器の出力信号である。
【0037】定電流捕集を維持するために次式を適用す
る: e(B)・f(B)=e・f ・・・〈8〉 ここで、 e(B)=被検体導入速度“B”の関数としての捕集に
利用できる自由電子の数 f(B)=“B”の関数としてのパルス周波数[Hz] e=e(0)=e(B=0)の値 f=f(0)=f(B=0)の値[Hz] である。 式〈1〉においてC=0とすれば、次式を得る。 A=e・k+0 または、 e=A/k ・・・〈9〉
【0038】被検体導入速度Bの関数としての検出器応
答因子は次のように表すことができる。 R(B)=(f(B)−f(0))/B [Hz・(分子)−1・sec ] ・・・〈10〉 式〈8〉、式〈9〉、式〈10〉とから次式を得る。 R(B)=(e・f/B)・(1/e(B)−1/e(0)) [H z・(分子)−1・sec] ・・・〈11〉
【0039】1.1.5 クーロメトリックモードでの
電子捕獲型検出器応答因子 式〈3〉、式〈11〉とからクーロメトリックモードに
関するR(B)を得ることができる: R(B)Coul.=f・n/(A−n・B) [Hz・(分子)−1 ・sec] ・・・〈12〉 15ミリキュリーの有効放射能での従来技術の検出器作
動に関して、n・B≪A、故に式〈11〉を次式に近似
してよい。 R(B)Coul.=f・n/A [Hz・(分子)−1・sec] ・・・〈13〉 従来技術の検出器では、異なった化合物に対する応答因
子は現存の量であることを式〈12〉は示している(n
は1より大きい整数であるから)。
【0040】1.1.5 濃度モードでの電子捕獲型検
出器応答因子 式〈7〉と式〈10〉とから、濃度モードに関するR
(B)を得ることができる。 R(B)Conc.=f・k/(k・U) [Hz・(分子)−1 ・sec] ・・・〈14〉 kが不変であるという従来の仮定によれば、R(B)
Conc.は不変であると予想され、従って、濃度モー
ドでの電子捕獲型検出器応答因子は線形であると考えら
れる。しかし、この仮定は正しくないことを以下に示
す。
【0041】1.1.7 1つの検出モードから他への
遷移に起因する電子捕獲型検出器の非線形性 これが、従来の15ミリキュリー検出器における非線形
性の主なる原因である。クーロメトリックモードでの応
答因子R(B)Coul.と濃度モードのそれR(B)
Conc.とは異なっている。結果として、従来技術の
電子捕獲型検出器は、被検体の量が低レベルから高レベ
ルに増大する時、応答因子の劇的変化を経験する。この
遷移は、約2桁(被検体注入の1pg〜100pg)に
わたって広がり、これはダイナミックレンジの中間部に
位置するものである。この非線形性についての適切な評
価は、2つの応答因子の比である。式〈13〉と式〈1
4〉とから、次式を得る。 NLfactor=R(B)Conc./R(B)Coul. =A・k/(n・k・U) [Hz・(分子)−1・s ec] ・・・〈15〉 式〈2〉と式〈15〉とから、次式を得る。 NLfactor=e・k/(n・U) [Hz・(分子)−1・ sec] ・・・〈16〉
【0042】全ダイナミックレンジにわたる線形応答の
ためには、この因子が1に等しくなければならない。従
来の15ミリキュリー/1500マイクロリットル検出
器においては、かつ高捕獲被検体および適度の流速に関
しては、この因子は1より大きい。低いkを有する被
検体については、NLfactorは1未満である。そ
れ故、流速Uを変えてどれか1つの被検体を直線化しよ
うとすれば、他の被検体はますます非線形の状態で検出
されることになりかねない。さらに、別々の被検体につ
いて校正曲線を作るとなると冗長である。(検出器の汚
染は、背景被検体のように作用し、試験中の被検体を応
答因子曲線の遷移部分の上下に動かし、従ってその応答
を予測不能に変化させる。)
【0043】前出の分析から、両検出モードで作動する
検出器は、実際的な期間で、直線化するのが不可能であ
るということが明確に示される。
【0044】1.1.8 先の議論の結論 先の分析に基づき結論できることは、実質的にさらに線
形の電子捕獲型検出器を設計するためには、検出モード
の遷移領域を避けるべきである、ということである。こ
れは、線形電子捕獲型検出器の設計は、1つの検出モー
ドにおいて、かつ好ましくは、その全ダイナミックレン
ジにわたって濃度モードにおいて、下記に示すように、
最良に展開されるということを意味する。
【0045】任意のe値を有する検出器は、理論上
は、両モード機能するが、重要な局面は、試料サイズに
ついての実際的限界である。試料サイズの下限は、もち
ろん、MDLである。分子のそのMDLがeとほぼ同
一の大きさであるような小さいe値を有する検出器を
設計することにより、濃度モードでのみ作動する検出器
を得ることができる。他方、MDLをはるかに越えるe
を有する検出器を設計すれば、クーロメトリックモー
ドでだけ作動できる検出器を得ることができる。
【0046】2つの設計のうちどちらがより感度がある
か(即ち、より低いMDLを提供するか)。検出器の感
度(MDL)が放射能の量並びにガス流速、被検体のk
および検出器サイズのような、その他の検出器のパラ
メータによってどのように影響されるか。
【0047】これらの極めて重要な質問に答えるため
に、筆者は、遷移期間と同様、2つの検出モードで電子
捕獲型検出器応答を描写する数学的モデルを開発した。
電子捕獲型検出器に関する雑音の式では、在来の検出器
で実験的に測定されるよりはるかに大きい雑音値が予示
される。それ故、電子捕獲型検出器の雑音に関する正確
な式を誘導しなければならない。
【0048】応答モデルと雑音モデルを使って、検出器
のパラメータの関数としてMDLの数学的モデルを導く
ことができる。
【0049】1.2 電子捕獲型検出器応答に関する汎
用方程式 用語“汎用”は、電子捕獲型検出器応答が、両検出モー
ド並びに遷移領域にわたって特色付けられることを意味
する。換言すれば、それは、検出器の全ダイナミックレ
ンジにわたる応答を表すものである。自由電子を捕捉し
ようとしている被検体分子の有効濃度を“M”と定義
しよう。“M”は次のように表すことができる。 M={B−(C/n)}/U [(分子数)・cm−3] ・・ ・〈17〉
【0050】被検体による電子捕獲速度“C”は、自由
電子の濃度“e/V”、被検体の無い分子の濃度
“M”およびセル容積に比例する。それ故、次のよう
に書くことができる。 C=k・(e/V)・{B−(C/n)}/U・V C=k・e・{B−(C/n)}/U ・・・〈18〉 式〈18〉をCについて整理すると、 C={B・(e・k)/U}/{1+(e・k)/(n・U)} ・・・〈19〉 を得る。
【0051】e・k≫n・Uであると仮定しよう。こ
のとき、式〈19〉は次式に近似できる。 C≒n・B ・・・〈20〉 式〈20〉は式〈2〉に類似しており、これはクーロメ
トリック検出モードを表す。e・k≪n・Uであると
仮定しよう。このとき、式〈19〉は次式に近似でき
る。 C≒k・e・(B/U) ・・・〈21〉
【0052】式〈21〉は式〈6〉に類似しており、こ
れは濃度検出モードを表す。式〈19〉において、Bが
大きくなると、eが小さくなりかつ(e・k)/(n
・U)が小さくなり、従って、検出器を濃度モードの方
へ移行する。濃度モードのみで作動する検出器を設計す
るには、必要とされる条件が次式となることを観察する
ことが重要である。 emdl・k/(n・U)≪1 ・・・〈22〉 ここで、 emdl=“B=MDL”のときのeの値 である。実用的検出器の設計では、emdlはeにほ
ぼ等しい故、式〈22〉は次式になる。 e・k/(n・U)≪1 ・・・〈22.1〉
【0053】式〈19〉と式〈1〉から、所望の汎用速
度方程式を得る。 A=e・k +{B・(e・k)/U}/{1+(e・k)/(n・U)} ・・・〈23〉 Mathematica(TM)のような数学計算プロ
グラムを使ってe(B)について式〈23〉を解き、式
〈11〉に代入することにより、別々のパラメータにつ
いての応答因子のプロットを得た。
【0054】1.3 電子捕獲型検出器のショットノイ
ズ(散弾雑音) DC電流ショットノイズは次式で表される。 Nsh=√{2・q・Idc・Δf} [A](rms) =q√{2・(Idc/q)・Δf} [A](rms) =√{2・(Idc/q)・Δf} [電子数・sec−1](r ms) ・・・〈24〉 式〈24〉は、各電子がランダムに到着する場合に適用
される。N個の電子のバーストが生ずる場合について
は、式〈24〉は次式になる。 Nsh=√{2・N・(Idc/q)・Δf} [電子数・sec−1] (rms) ・・・〈25〉
【0055】電子捕獲型検出器の場合に関しては、3つ
のショットノイズメカニズムがある(式〈1〉も参
照)。 1.ベータ粒子による電子発生に起因する“A”項にお
けるショットノイズ。 2.自由電子の正イオンおよびセル壁との再結合に起因
する“k・e”項におけるショットノイズ。 3.自由電子を捕獲する被検体(複数)に起因する
“C”項におけるショットノイズ。
【0056】再結合と捕獲過程についてのNの値は1に
等しい。一方、Nは、実用的電子捕獲型検出器に関して
は、>25である。このことから、電子捕獲型検出器の
ショットノイズは、主として、電子発生過程に起因する
と結論される。それ故、次のように書くことができる: Ash=√{2・N・A・Δf} [電子数・sec−1](rms) ・・・〈26〉 ここで、 Ash=Aにおけるショットノイズ である。
【0057】実際の電子捕獲型検出器の信号は、“e”
の連続的捕集から誘導されるので、“Neo”としてe
のノイズ定数を計算できる。 A=k・e、またはe=A/keo=Ash/k =√{2N・A・Δf}/k [電子数](rms) ・ ・・〈27〉
【0058】ピーク対ピーク雑音が、雑音値の二乗平均
平方根(rms)の6倍であると仮定しよう、故に、 Np−p=6Neo =6・√{2N・A・Δf}/k [電子数](rms) ・・・〈28〉 これは、電子捕獲型検出器の雑音の真の式である。実験
から、それが実験上の雑音測定値と一致することが示さ
れている。従来技術の教示とは対照的に、電子捕獲型検
出器の雑音は、“e”について計算されるべきであっ
て、セル電流についてではない。セル電流について、ま
たは自由電子生成速度“A”について計算すると、見当
違いに大きい値となる。
【0059】1.4 電子捕獲型検出器におけるMDL
の導出 被検体の最小検出可能レベルBmdlがピーク対ピーク
雑音Np−pに等しいeの減少を生ずるBの値である
と仮定しよう。そうすれば、次のように書くことができ
る: e−emdl=Np−p ここで、 emdl=e(Bmdl) である。Np−pについての式〈28〉に代入して、次
式を得る。 e−emdl=6・√{2・N・A・Δf}/k ・・・〈2 9〉 式〈29〉は次のように書き直すことができる。 emdl=e−6・√{2・N・A・Δf}/k ・・・〈3 0〉 emdlとBmdlとについて式〈23〉を書き直せ
ば、次式を得る。 A=emdl・k +{Bmdl・(emdl・k)/U} /{1+(emdl・k)/(n・U)} ・・・〈31〉
【0060】前述したMathematicaのような
数学計算プログラムを使って式〈30〉と式〈31〉を
解けば、Bmdl対別々の検出器パラメータについての
プロットを得ることができる。
【0061】1.5 被検体捕獲速度定数“k”の不
変性 筆者は、式〈22.1〉を満足する検出器を組立て、そ
して実験測定により、種々の試料(例えば、殺虫剤に使
われる化合物)に関する応答因子曲線は、平坦でなく、
かつ対数被検体濃度軸(応答因子プロットのx軸)上の
仮想点で交わるらしいということを見出した。このこと
から、“k”が不変であるという式〈14〉の仮定が
適正でないことが暗示される。
【0062】対数的崩壊についての説明をここに示そ
う。次の議論に関しては式〈6〉参照。
【0063】議論のため、“e”は不変のままであると
仮定する。“k”が不変で留まるには、被検体濃度
“B/U”を2倍にすることで、捕獲速度“C”を2倍
にしなければならない。これは、濃度“e/V”と“B
/U”が同じ大きさである限り有効である。被検体の濃
度“B/U”が自由電子の濃度“e/V”よりはるかに
大きいときは、“B/U”を2倍にすることで、電子捕
獲の可能性が2倍未満まで高くなる。従って、“k
は、被検体の濃度と自由電子の濃度間の比がますます高
くなるにつれ衰微すると思われる。
【0064】1.6 EC検出器の最適設計 前出の理論的分析は、1500マイクロリットルの容積
と15ミリキュリーの有効放射能を有する従来技術のイ
オン化セルから得た実験上の結果と一致すると思われて
いる。これはまた、セルの非直線性、汚染レベルによる
応答シフティング、ベースライン雑音およびMDLをも
説明するものである。
【0065】さらに、理論的モデルにより、最適設計が
達成されることが示された。MDLのプロットを見れ
ば、その検出器が最も敏感になる有効放射能レベルが存
在することは明らかである。このレベルは、被検体のk
と流速Uに依存して、約1〜2ミリキュリーである。
MDLのプロット(図4参照)も、有効放射能が比較的
低くなるかまたは高くなると、MDLがより高くなり、
即ち、検出器の感度が低下する原因となることを示して
いる。
【0066】同時に、直線性のプロットから、この同じ
放射能範囲(1〜2ミリキュリ)で作動する検出器は、
約13ミリキュリーの範囲の有効放射能レベルで作動す
る在来の検出器よりはるかに線形であることが示され
る。eqn.23を参照して、条件(e・k≪n・
U)を実現できる程に自由電子の数“e”を十分小さ
くしていけば、結局、濃度モードでのみ作動する線形検
出器に帰着することになる。しかし、N63ベータ粒子
の平均自由行程は約1cmである。それ故、イオン化セ
ルが1000マイクロリットルより小さくなると、より
多くのベータ粒子が壁を打ち、そしてより多くの自由電
子を発生させる代わりにその衝撃でそれらのエネルギー
を失ってしまうことになる。結果として、イオン化がほ
とんど起きず、有効放射能が低減する。セル容積の減少
につれて別の現象が起こる;即ち、より多くの自由電子
がセル壁と再結合する。故に、再結合速度定数kがさ
らに大きくなり、従って、利用できる自由電子の数を減
らすことになる。
【0067】《2.0 GCシステムにおける電子捕獲
型検出器の構成と動作》従って、図2に示すような分析
機器に使用できる新規な電子捕獲型検出器を設計でき
る。該機器は、一般に、クロマトグラフ10と称され
る。好ましい実施例では、クロマトグラフ10は、本明
細書の教示によって構築された新規電子捕獲型検出器を
作動できるよう改良されたヒューレット・パッカード社
のHP6890型ガスクロマトグラフである。
【0068】クロマトグラフの動作は、一般に、次のよ
うに理解してよい。与えられた試料化合物のクロマトグ
ラフ分離を実施するため、試料は、注入器12によって
加圧キャリヤーガスと共に注入する。注入器12へ供給
されるキャリヤーガスは、1つ以上の気送マニホルドア
センブリ13を通してガス源12Aから供給され、その
マニホルドの各々は、キャリヤーガスと空気、水素、お
よびメークアップガスのような適当な種類の複数の検出
ガスとを含む、複数のガス流を一部分制御しかつ方向転
換する働きをする。検出器ガスは、それぞれのソース
(そのようなソース24Aの1つを図示)から気送マニ
ホルドアセンブリ13へ供給する。気送マニホルドアセ
ンブリ13の弁、センサおよびその類のような適切な流
体制御装置は、データおよび制御ライン28、30にの
せて供給される制御信号によって、コンピュータ22お
よびコントローラ26の制御下で作動される。制御およ
びデータライン30はまた、気送マニホルドアセンブリ
13に設けられている適当なセンサ並びに信号ーインタ
フェース電子回路からの検出情報のリターンも可能にす
る。別組のデータおよび制御ライン112、118は、
コンピュータ22および検出器24、信号発生装置12
4に接続されている直線化および検出器出力信号インタ
フェース116(図中“L”でも示し、以後、インタフ
ェース116と言う)からの検出器出力信号情報のリタ
ーンを可能にする。
【0069】カラム14はオーブン16内に配置する。
カラム14を通過するキャリヤーガス/試料の組合せ
は、一部分、オーブン16内のヒータ18の作動で生ず
る温度プロフィルにさらされる。この温度可変プロフィ
ルの間に、試料は、与えられた温度での各成分とカラム
14との相互作用の差に主に起因して、その成分に分離
する。該成分がカラム14を出る時、電子捕獲型検出器
(以後、検出器)24によって検出されるのである。
【0070】コンピュータ22は、ガスクロマトグラフ
10と結合された諸系の全体的制御を維持する。特定の
ガスクロマトグラフはどれも、本願発明に関連して記述
されたそれらより多くの系を包含してよい、ということ
は認められよう。例えば、電子制御パネル50は、キー
パッド58とディスプレイ60の形で設けられたオペレ
ータインタフェースを含むように示されている。また、
コンピュータ22とインタフェース116は、それぞ
れ、単一ブロックとして示されているが、他の実施例も
予想される.例えば、コンピュータ22とインタフェー
ス116の機能が1ユニット中に包含されてもよい、と
いうことも理解されるであろう。コンピュータ22は、
中央演算処理装置と、ランダムアクセスメモリ、読取り
専用メモリ、入出力分離装置、クロックのような全ての
関連周辺装置とを包含し、そして、インタフェース11
6は、同様の中央演算処理装置または、好ましくは、デ
ィジタル信号処理装置、およびその他の関連電子部品類
を包含する。好ましい実施例では、コンピュータ22に
用いられる中央演算処理装置はマイクロプロセッサであ
る。前述のように、コンピュータ22および/またはイ
ンタフェース116は、既知の方法で情報とプログラミ
ングが記憶・検索できるメモリを含んでいてもよい。
【0071】インタフェース116に関して以下に記述
する信号処理のプログラム制御は、ディジタル信号プロ
セッサ(DSP)またはは埋込みマイクロプロセッサの
ような、ディジタル計算装置によって実行でき、それら
の何れも、後述のように、ファームウェア、またはイン
タフェース116内部の特定の検出器出力信号経路に組
込まれた専用アナログネットワーク回路を介して直線化
スキームを実行してよい。また、本願発明に関連して利
用される直線化スキームに関わるプログラミングは、熟
練した当業者にとっては、後述の直線化フォーミュラか
ら容易に理解されるであろう。
【0072】図3に示すように、検出器24の好ましい
実施例は、好ましくは、感度と直線性を最適化するため
に本明細書の教示に従って特別に構成された新規な電子
捕獲型検出器200のように構成される。好ましい電子
捕獲型検出器200は、上部本体210、陽極212、
フローガイド220、曲り座金230、シール240、
下部本体250、およびアダプタ260を包含する。上
部本体210は、コレクタ陽極として操作できるもの
で、その位置に陽極212をスペースを開けて同心的に
収容するための中央孔214を定める陽極管213を包
含する。フローガイド220と(図示しないが、典型的
には、中央孔214の上端に取付けられる)電気絶縁性
挿入物は、好ましくは、高純度のアルミナから作って、
陽極212が適切に配置されかつ上部本体210から電
気絶縁されることが確保されるようにする。
【0073】下部本体250は、シール240を受けか
つ上部本体210に対応する噛合い面216を受けるた
め界面252に凹部251を含んでいる。下部本体25
0は、複数の同軸的に配置され相互接続された内部チャ
ンバー群を包含し、それらと、中央孔254、キャップ
逃し255、放射線源258をそこにもっているイオン
化セル256、および陽極チャンバー257との間が流
体連絡されている。曲り座金230とフローガイド22
0は、フローガイド220の最上面が陽極管213の対
向面上に密接に合わされるように陽極チャンバー257
に配置する。上部本体210はまた、中央孔214と連
絡しているパージ流注入口218および陽極チャンバー
257と連絡しているパージ流出口219を含む。噛合
い面216、252間の気密封止は、上部本体210上
または中に配置されてよい適当な受け装置(非表示)中
へネジ孔242を通して延びているネジのような適当な
締付け装置によるシール240の圧縮によって形成され
る。上部本体210、下部本体250、および(曲り座
金230のような)そこにある一定の部品は、好ましく
は、ステンレス鋼のような不活性の耐熱性材料から作製
する。アダプタ260、上部本体210、および下部本
体250は、当分野で周知の装置(非表示)によって選
択温度まで加熱してよい。
【0074】クロマトグラフカラム270の出口端は、
ライナ262に配置し、カラム/ライナアセンブリは、
中央孔263に置く。クロマトグラフカラム270から
の溶出物のような、被分析ガスは、カラム270内部に
導く。その後、メークアップ流体を、メークアップガス
送り264によって中央孔263の中へおよびライナ2
62の中央孔の中へ供給する。次いで、メークアップガ
スとカラム溶出物との実質的に均一な混合物から成る流
体混合物は、アダプタキャップ266から中央孔254
の中へ通る。従って、アダプタ260が中央孔254中
へ十分挿入されると、流体混合物は、キャップ266を
出て直ぐにイオン化セル256へ入る。
【0075】イオン化セル256は、その側壁に放射性
源258を有するカップ形状の断面を有し、流体混合物
中に存在する試料分子を次々にイオン化するために流体
混合物を上方へイオン化セル256中へ通すことができ
るように設計されかつ配置されている。溶出物とメーク
アップガスの所望の混合は、好ましくは、不活性化石英
から作られた中空の円筒状ライナ262の形で設けられ
かつ流動加速領域を有する混合装置によって実行され、
この場合、メークアップガスと溶出物は、瞬間的である
が実質的な速度上昇に見舞われ、その結果、流動加速領
域内部に乱流を生ずる。
【0076】図4は、図2の電子捕獲型検出器の原型バ
ージョンについて計算しかつ実験的に確認した“最小検
出可能レベル(MDL)”対“有効放射能”のグラフ図
であって、本願発明による有効放射能レベルの好ましい
最適化を示すものである。図4は、有効放射能の変化に
関して試料の最小検出レベル(Bmdl)の変化を表す
3つの曲線を示す。曲線A、B、およびCは、それぞ
れ、前述した式〈31〉を使って35、70、および1
40ミリリットル/分の流速について計算したものであ
る。これらの曲線は、次いで、イオン化セルにおいてそ
れぞれ異なった有効放射能レベルを示すよう異なった量
の放射性源(Ni63)を備え、かつ上述の全部の流速
で操作されるところの、イオン化セルを装備した電子捕
獲型検出器200の原型バージョンを用いて実験的に確
かめた。最小検出可能レベル(Bmdl)と有効放射能
レベルの最適化は、約0.5〜4ミリキュリーの有効放
射能範囲で、およびより好ましくは、約1〜2ミリキュ
リーの有効放射能範囲で達成されることが分かる。
【0077】図5は、信号発生装置124に接続されて
いる図2のインタフェース116の好ましい実施例の図
である。インタフェース116は、好ましくは、定電流
パルス部302、周波数/電流(f/I)変換器30
4、アナログ/ディジタル(A/D)変換器306、お
よび直線化部308を包含する。応答因子の直線化は、
好ましくは、変換表310に従い応答因子についての上
述の対数的崩壊を補償するように実行される。変換表3
10の変換因子は、下の直線化の式によって与えられ
る。 f(lin)=f{1+(f/f(dec)pwr ここで、 f(lin)=電子捕獲型検出器の直線化出力周波数 f=電子捕獲型検出器の非直線化出力周波数 f(dec)=kが目に見えるその衰微を始める検出
器周波数 pwr=kの衰微のべき指数 (ただし、kは、電子捕獲の速度定数) である。
【0078】発明の好ましい実施例では、この直線化の
式の実行は、変換表310を運用するファームウェアを
用いて達成されかつディジタル信号プロセッサ(DS
P)312において実施される。この補償は、別法とし
て、個別電子回路で(即ち、ハードウェハで)、または
マイクロプロセッサにおけるソフトウェアの運用を介し
て、達成できるということは、熟練した当業者には理解
されるであろう。
【0079】図6(A)を図6(B)と、および図7
(A)を図7(B)と比較することにより分かるよう
に、改善された定量的結果は、図3に示した電子捕獲型
検出器200から得られた直線化応答因子に表されてい
る。電子捕獲型検出器200の原型バージョンでは、イ
オン化セル容積は約150マイクロリットルであり;放
射性源は、有効放射能が約2ミリキュリーになるようイ
オン化セルの内壁の円筒上に載せられた7.5ミリキュ
リーのNi63のコーティングの形で設けた。図6
(A)と図7(A)に示した非直線化応答因子は、直線
化部308が不活性にされ(即ち、バイパスされ)、従
って、検出器出力応答が直線化されないようにインタフ
ェース116を改良した後で記録した。次いで、電子捕
獲型検出器200の原型バージョンを、本明細書の教示
に従って完全に作動される直線化部308を使って作動
させ、そしてその直線化応答因子を図6(B)と図7
(B)に記録した。本願発明による直線化の利益は、図
6(B)と図7(B)に明確に立証されている。図示さ
れた応答曲線は、注入試料と結果として得られる検出器
応答のピーク高との間の関係が改善されたことを示すも
のである。
【0080】以上述べたように、本願発明は、 〔1〕検出に供される電子捕獲性種を有する流体混合物
を受けるための電子捕獲型検出器において、最適なセル
容積を定めるイオン化セル(256)と;当該イオン化
セル(256)に接続されていて、該イオン化セルに流
体混合物を供給する試料注入系(250)と;前記イオ
ン化セルに組込まれていて、約1〜2ミリキュリーの範
囲の有効放射能の最適レベルに応答して前記流体混合物
に複数の熱電子を発生させ、よって流体混合物中に存在
する電子捕獲種が、該熱電子と反応して陰イオンを生成
できるようにした放射性イオン化源(258)と;前記
セル容積に関して配置され、流体混合物における熱電子
の濃度の連続的変化を検出するための装置(210)
と;を含んで成る電子捕獲型検出器を要旨とする。ま
た、その実施態様として、
【0081】〔2〕最適なセル容積が、100〜150
マイクロリットルの範囲にあることを特徴とする〔1〕
に記載の電子捕獲型検出器、を含む。また、本願発明
は、
【0082】〔3〕検出に供される電子捕獲性種を有す
る流体混合物を受けるための電子捕獲型検出器におい
て、最適なセル容積を定めるイオン化セル(256)
と;当該イオン化セル(256)に組込まれていて、前
記流体混合物に複数の熱電子を発生させ、よって流体混
合物に存在する電子捕獲種が、該熱電子と反応して陰イ
オンを生成できるようにした放射性イオン化源(25
8)と;前記流体混合物に関して配置されて、検出器応
答因子に従い流体混合物中の熱電子の濃度の連続的変化
を検出し、表示信号を供給するための信号発生装置(1
24)と;前記信号発生装置に接続されていて、直線化
方程式: f(lin)=f{1+(f/f(dec))}pwr ここで、 f(lin)=電子捕獲型検出器の直線化出力周波数 f=電子捕獲型検出器の非直線化出力周波数 f(dec)=kが目に見えるその衰微を始める検出
器周波数 pwr=kの衰微のべき指数 (ただし、kは、電子捕獲の速度定数) に従って信号を変更することにより検出器応答因子にお
ける対数的衰微を補償するための信号補償装置(11
6)と;を含んで成る電子捕獲型検出器を要旨とする。
さらに、本願発明は、
【0083】〔4〕検出器応答因子に従って検出に供さ
れる電子捕獲性種を有する流体混合物を受けるための電
子捕獲型検出器を動作させる方法において、最適なセル
容積を定めるイオン化セルを設けるステップと;前記流
体混合物に複数の熱電子を発生させるための放射性イオ
ン化源を前記イオン化セルに組込み、よって流体混合物
に電子捕獲種が存在すれば該熱電子と反応して陰イオン
を生成できるようにするステップと;検出器応答因子に
従い流体混合物における熱電子の濃度の連続的変化を表
す信号を発生させるステップと;検出器応答因子におけ
る対数的衰微を補償するため信号を変更するステップ
と;を設けて成る電子捕獲型検出器動作方法をも要旨と
するもので、〔5〕〜〔7〕の実施態様を含む。。
【0084】〔5〕さらに、イオン化セルを濃度モード
で強制的に作動させるステップ、を包含することを特徴
とする〔4〕に記載の電子捕獲型検出器動作方法。
【0085】〔6〕前記のイオン化セルを濃度モードで
強制的に作動させるステップが、さらに、条件: emdl・k/(n・U)≪1 ・・・式〈22〉 に従ってイオン化セルを作動させるステップを包含する
ことを特徴とする〔5〕に記載の電子捕獲型検出器動作
方法。
【0086】〔7〕前記の変更するステップが、さら
に、直線化方程式: f(lin)=f{1+(f/f(dec)pwr ここで、 f(lin)=電子捕獲型検出器の直線化出力周波数 f=電子捕獲型検出器の非直線化出力周波数 f(dec)=kが目に見えるその衰微を始める検出
器周波数 pwr=kの衰微のべき指数 (ただし、kは、電子捕獲の速度定数) に従って検出器応答因子から誘導される信号を変更する
ことにより応答因子における対数的衰微を補償するため
のステップ、を包含することを特徴とする〔4〕に記載
の電子捕獲型検出器動作方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の電子捕獲型検出器によって示された
応答因子の非直線性のグラフ図である。
【図2】本願発明によって構成したクロマトグラフの簡
略化した略図である。
【図3】図2のクロマトグラフに採用されかつ本願発明
に従って構成された電子捕獲型検出器の分解断面図であ
る。
【図4】図2の電子捕獲型検出器の原型バージョンにつ
いて計算しかつ実験的に確認した最小検出可能レベル
(MDL)対有効放射能のグラフ図であって、本願発明
による有効放射能レベルの好ましい最適化を示す。
【図5】図3の電子捕獲型検出器における制御並びに信
号処理機能を実行するための検出器出力信号インタフェ
ースの簡略化した略図である。
【図6】(A)は図3の電子捕獲型検出器原型バージョ
ンによって示された非直線化応答因子対注入試料のグラ
フ、(B)は図3の電子捕獲型検出器原型バージョンに
よって示された直線化応答因子対注入試料の、図5の検
出器出力信号インタフェースで実施された直線化操作の
実験的立証を示すグラフである。
【図7】(A)は図3の電子捕獲型検出器原型バージョ
ンによって示された他の非直線化応答因子対注入試料の
グラフ、(B)は図3の電子捕獲型検出器原型バージョ
ンによって示された他の直線化応答因子対注入試料の、
図5の検出器出力信号インタフェースで実施された直線
化操作の実験的立証を示すグラフである。
【符号の説明】
10 クロマトグラフ 12 注入器 13 気送マニホルドアセンブリ 12A ガス源 14 カラム 16 オーブン 18 ヒータ 22 コンピュータ 24,124 電子捕獲型検出器 24A 検出器ガス源 26 コントローラ 28,30,112,118 データおよび制御ライン 50 電子制御パネル 58 キーパッド 60 ディスプレイ 116 インタフェース 200 電子捕獲型検出器 210 電子捕獲型検出器の上部本体 212 陽極 213 陽極管 214 中央孔 219 パージ流出口 220 フローガイド 240 シール 250 下部本体(試料注入系) 256 イオン化セル 257 陽極チャンバー 258 放射線イオン化源 260 アダプタ 262 ライナ 266 アダプタキャップ 264 メークアップガス送り 270 クロマトグラフカラム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出に供される電子捕獲性種を有する流
    体混合物を受けるための電子捕獲型検出器において、 最適なセル容積を定めるイオン化セル(256)と;当
    該イオン化セル(256)に接続されていて、該イオン
    化セルに流体混合物を供給する試料注入系(250)
    と;前記イオン化セルに組込まれていて、約1〜2ミリ
    キュリーの範囲の有効放射能の最適レベルに応答して前
    記流体混合物に複数の熱電子を発生させ、よって流体混
    合物中に存在する電子捕獲種が、該熱電子と反応して陰
    イオンを生成できるようにした放射性イオン化源(25
    8)と;前記セル容積に関して配置され、流体混合物に
    おける熱電子の濃度の連続的変化を検出するための装置
    (210)と;を含んで成る電子捕獲型検出器。
  2. 【請求項2】 検出に供される電子捕獲性種を有する流
    体混合物を受けるための電子捕獲型検出器において、 最適なセル容積を定めるイオン化セル(256)と;当
    該イオン化セル(256)に組込まれていて、前記流体
    混合物に複数の熱電子を発生させ、よって流体混合物に
    存在する電子捕獲種が、該熱電子と反応して陰イオンを
    生成できるようにした放射性イオン化源(258)と;
    前記流体混合物に関して配置されて、検出器応答因子に
    従い流体混合物中の熱電子の濃度の連続的変化を検出
    し、表示信号を供給するための信号発生装置(124)
    と;前記信号発生装置に接続されていて、直線化方程
    式: f(lin)=f{1+(f/f(dec))}pwr ここで、 f(lin)=電子捕獲型検出器の直線化出力周波数 f=電子捕獲型検出器の非直線化出力周波数 f(dec)=kが目に見えるその衰微を始める検出
    器周波数 pwr=kの衰微のべき指数 (ただし、kは、電子捕獲の速度定数) に従って信号を変更することにより検出器応答因子にお
    ける対数的衰微を補償するための信号補償装置(11
    6)と;を含んで成る電子捕獲型検出器。
  3. 【請求項3】 検出器応答因子に従って検出に供される
    電子捕獲性種を有する流体混合物を受けるための電子捕
    獲型検出器を動作させる方法において、 最適なセル容積を定めるイオン化セルを設けるステップ
    と;前記流体混合物に複数の熱電子を発生させるための
    放射性イオン化源を前記イオン化セルに組込み、よって
    流体混合物に電子捕獲種が存在すれば該熱電子と反応し
    て陰イオンを生成できるようにするステップと;検出器
    応答因子に従い流体混合物における熱電子の濃度の連続
    的変化を表す信号を発生させるステップと;検出器応答
    因子における対数的衰微を補償するため信号を変更する
    ステップと;を設けて成る電子捕獲型検出器動作方法。
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