JPH10112337A - 湿式太陽電池 - Google Patents

湿式太陽電池

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JPH10112337A
JPH10112337A JP8329968A JP32996896A JPH10112337A JP H10112337 A JPH10112337 A JP H10112337A JP 8329968 A JP8329968 A JP 8329968A JP 32996896 A JP32996896 A JP 32996896A JP H10112337 A JPH10112337 A JP H10112337A
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JP
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oxide film
titanium
solar cell
substrate
semiconductor electrode
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JP8329968A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ishizawa
均 石沢
Akira Tanaka
彰 田中
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2031Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素増感半導体電極を有する湿式太陽電池に
おいて、その半導体電極と起電力取り出し電極との界面
による電気抵抗、及び半導体電極内の内部抵抗を低減さ
せると共に、照射光エネルギーの利用効率を高めること
により、光電変換効率を向上させること。 【解決手段】 起電力を取り出すための導電性基板5を
酸化し、この酸化膜に色素を担持させて、導電性基板と
一体化した色素増感半導体電極4を作製する。酸化法と
して陽極酸化を用い、この陽極酸化膜を水熱処理するこ
とによって、多孔質構造とすれば、多量の色素を吸着さ
せることができるので、照射光エネルギーの利用効率を
一層高めることができる。色素増感半導体電極4と透明
導電膜2との間に電解質層3を挟持して湿式太陽電池を
組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光エネルギーを電気エ
ネルギーに直接変換する湿式太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光エネルギーを電気エネルギーに
直接変換する方法としては、シリコン半導体や色素を用
いた光化学電池が知られている。中でも半導体シリコン
のpn接合を用いた太陽電池はよく知られており、すで
に微弱電力消費の分野や独立電源さらには宇宙用電源と
して利用されている。しかしながらシリコン太陽電池は
理論変換効率が低く、しかも実用上、変換効率が劣化す
るという問題がある。また、シリコン単結晶はもちろん
アモルファスシリコンを製造するに当たっても多大なエ
ネルギーを必要とするので、電池を作るのに費やしたエ
ネルギ−を回収するには、数十年という長期間にわたっ
て発電を続ける必要がある。半導体電極を色素増感した
光化学電池(湿式太陽電池)は古くから研究されている
が、このタイプの光化学電池は変換効率が低い問題点が
あった。しかし、最近、半導体電極の表面積を大きくし
て多量の色素を吸着させ、変換効率を飛躍的に高くする
ことができるようになった。このような色素を吸着させ
た半導体電極を色素増感半導体電極と呼んでいる。
【0003】図3は、色素増感半導体電極を用いた従来
の光化学電池の概略構成を示す断面図である。その構成
は、2枚の透明基板1に各々透明導電膜2を付着させ、
透明導電膜2の間に、電解質層3と色素増感半導体電極
4を挟持したものであり、半導体電極としてチタニア
(TiO2)を用いている。ところが、半導体電極はその
ままでは、キャリア(電荷担体)の濃度が金属に比べて
非常に小さいために、電子の授受をスムーズに行わせる
ことが非常に困難であった。
【0004】そこで、最近の色素増感半導体電極は、チ
タニア微粒子と色素との界面における電子の授受がうま
く行われるように、両者の化学結合などの点で様々な工
夫がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、湿式太陽電池
の光電変換効率に対しては、導電膜とその表面に形成さ
れた酸化チタン膜の間、及び酸化チタン膜を構成するチ
タニア微粒子間における電気抵抗が、大きく影響する。
従って、導電膜と酸化チタン膜との界面、及びチタニア
微粒子同士の界面に生じる内部抵抗をできるだけ減らす
必要がある。しかし、従来の色素増感半導体電極は、チ
タニア微粒子を分散させた溶液を透明導電膜付きの透明
基板上に塗布し、乾燥後に高温焼結して得られた酸化チ
タン膜を用いていたために、界面における電子の授受に
ついては改善する余地がなかった。
【0006】また、酸化チタン膜の色素担持性能は、酸
化チタン膜の表面粗さで決まるが、従来の製造工程では
表面粗さをコントロールする余地もなかった。本発明の
目的は、電子の授受がスムーズに行われ、且つ照射光の
利用効率が高い湿式太陽電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、色素増感
半導体電極と色素増感半導体電極に接して設けられた導
電膜(一方の電極)を一体化させることにより、その界
面の電子の授受をスムーズに行わせることを見出した。
すなわち本発明は、「透明導電膜付き透明基板と、該透
明基板と対極をなす導電性基板との間に色素を担持させ
た半導体電極と電解質層とがあり、光電変換によって前
記透明導電膜と前記導電性基板との間に電気エネルギー
を発生する湿式電池において、前記半導体電極は、前記
導電性基板を構成する金属の少なくともその一部分を酸
化することによって得られる酸化膜であることを特徴と
する」ものである(請求項1)。
【0008】また、前記導電性基板を構成する金属は、
チタン、ニオブ、タンタル、ジルココニウムから選択さ
れ(請求項2)、前記半導体電極を構成する酸化膜は、
上記金属を陽極酸化させて、多孔質構造をもつようにし
たものである(請求項3)。また、前記導電性基板は、
サンドブラスト処理により粗面化されたチタン基板であ
り、前記半導体電極は、多孔質構造を有するチタン陽極
酸化膜である(請求項5)。
【0009】さらに、前記導電性基板は、少なくともそ
の一部分にチタン粉末の溶射によって形成されたチタン
層を有し、前記半導体電極は、前記チタン層の少なくと
もその一部分を陽極酸化することによって得られるチタ
ン陽極酸化膜である(請求項6)。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の半導体電極は、チタン、
ニオブ、タンタル、ジルコニウムから選択された金属を
酸化したものであるから、光電変換作用をもつ金属酸化
物と電極として使用される金属とは一体となっている。
金属の酸化処理には、酸化雰囲気中で金属を加熱した
り、電解液中でのイオン化を利用する方法があるが、以
下の理由により特に陽極酸化法が好ましい。陽極酸化膜
は、金属基板の表面を酸化して形成しているので、基板
と酸化膜の密着性は極めて良好であり、この界面におけ
る電気抵抗は非常に小さいという特長がある。又、比較
的低エネルギーで酸化膜が形成されるにもかかわらず、
陽極酸化膜を構成する粒子同士が強く結合しているの
で、陽極酸化膜内部の電気抵抗を小さくすることができ
る。陽極酸化膜を形成するのにかかる時間は数分程度と
短く、また特殊な装置を必要とせず、室温の水溶液中で
作製できるので、成膜に必要なエネルギ−消費量は非常
に少ない。従って、陽極酸化膜を湿式太陽電池に利用す
ることは、変換効率を向上させるには非常に有利であ
る。本発明で行う陽極酸化は、電解質中で上記の金属を
陽極、任意の金属を陰極とし、電界をかけることによ
り、陽極側の金属の表面上に厚さ数μm の酸化皮膜を形
成する技術である。陽極酸化に用いる電解液としては、
リン酸、硫酸あるいはこれらの混酸、グリセロリン酸塩
と金属酢酸塩を溶解した水溶液などが好ましい。グリセ
ロリン酸塩としてはグリセロリン酸ナトリウム、グリセ
ロリン酸カルシウムなどがあるが、水に非常に溶けやす
いことからグリセロリン酸ナトリウムが最も好ましい。
金属酢酸塩ならば何でも良いが、特にアルカリ金属(リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム)の酢酸塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム)の酢酸塩、さらに
酢酸ランタンなどはグリセロリン酸塩の水溶液に非常に
よく溶け、しかも高い電圧まで安定に陽極酸化できるの
で最も好ましい。これらの電解液を用いて例えばチタン
を陽極酸化すると、リン酸やグリセロリン酸塩からリン
イオンあるいはリン酸イオンが、金属酢酸塩から金属イ
オンが取り込まれたチタン陽極酸化膜が形成される。こ
れらの電解液を用いて陽極酸化を始める前には、あらか
じめ最高到達電圧を設定しておく。陽極酸化を開始する
と電圧は徐々に上昇し、その最高電圧に到達すると電流
が流れなくなり陽極酸化が終了するようにする。陽極酸
化にかかる時間は、電流密度を高くして速く昇圧するほ
ど短時間で終了させることができるが、およそ5〜10
分程度と比較的短くする。膜の厚さは電圧に比例するの
で、陽極酸化膜の単位面積当たりの表面積を増大させる
には、高電圧で陽極酸化して膜厚を大きくするとよい。
しかし、膜厚が大きすぎると安定して陽極酸化ができな
くなるので、 500V程度が限界である。電圧が 100Vを
越えたあたりから、陽極酸化膜の表面で火花放電が発生
し、酸化皮膜が局所的に高い温度に加熱される。このよ
うな膜に対する加熱が無数に繰り返された結果、陽極酸
化膜全体が結晶化され、結晶性の高い陽極酸化膜が形成
される。また、陽極酸化は他のセラミック膜の製造方法
に比べて成膜速度が速く、大面積であっても均一な厚さ
に成膜できるという利点がある。しかも基板表面に激し
い凹凸が形成されていたり、基板が複雑な形状をしてい
ても成膜できるので、大面積のセラミック膜の成膜方法
としては工業的に有用な方法である。さらに、湿式太陽
電池の変換効率をさらに向上させるために、本発明で
は、半導体電極の表面に色素を吸着させた色素増感半導
体電極を用いる。色素増感半導体電極の単位面積当たり
の色素の吸着量及び光の吸収量を多くするには、電極表
面に微細な凹凸を付けて、見掛けの表面積をできるだけ
大きくすることが有効となる。金属の基板は高電圧で陽
極酸化すると、表面で発生する火花放電によって多数の
放電痕が形成され、多孔質になることがわかっている。
しかし、このような放電痕の直径は数μm 程度と大きい
ため、陽極酸化膜の表面積を大きくするのにはあまり寄
与しない。膜の表面積を増大させるには膜に数10nm程度
の非常に微細な気孔を形成して多孔質にすることが、き
わめて効果的である。このような多孔質構造とするため
には、先ず、陽極酸化の際に火花放電による加熱によっ
て電解液から陽極酸化膜へイオンの取り込みを行わせ、
次に、陽極酸化膜に取り込まれた液体に可溶な物質(イ
オン)を溶出させればよい。その可溶性物質が溶出した
あとには細孔が無数形成され、陽極酸化膜は多孔質にな
り、表面積は著しく増大する。溶出方法としては、オー
トクレーブのような密閉容器中の液体又は蒸気の中で陽
極酸化膜を 100-500℃の範囲で加熱する、いわゆる水熱
法が有効である。加熱温度が 100℃より低いと、可溶性
物質はほとんど溶出しない。また、オートクレ−ブを 5
00℃より高い温度に加熱することは、装置が非常に大が
かりになり一般的でない。液体としては一般に純水が用
いられるが、それだけに限定されるものではなく、陽極
酸化膜から可溶性物質の溶出を促進させるために、酸性
又はアルカリ性にすることもある。また、液体を攪拌し
ながら加熱処理すると溶出が促進される。さらに、陽極
酸化しようとする金属基板の表面をあらかじめ粗くして
おくと、単位面積当たりの表面積をより一層増大させる
ことができる。基板表面を粗面化するには、サンドブラ
ストあるいはグリットブラストによる方法が好ましい。
この方法で表面に突き刺さったサンドやグリットは、フ
ッ酸溶液などでエッチングすることによってすべて取り
除いておくことが必要である。また、セラミックス、金
属、プラスチックなど任意の素材の基板に、アーク溶
射、フレーム溶射、プラズマ溶射などによって、チタ
ン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム等の粉末を固着さ
せれば、粗面化された金属層を形成できる。これを陽極
酸化すれば、ブラスト処理と同様な効果が得られる。以
下、具体例により本発明を詳細に説明する。湿式太陽電
池に用いられる半導体電極としては、先述のようにチタ
ン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムの酸化物がある
が、酸化チタンは光励起された表面の正孔が非常に高い
酸化電位をもつことから特に注目されている。そこで、
以下の実施の形態では、チタン及び酸化チタンを用いた
湿式太陽電池について説明する。
【0011】尚、本実施の形態では、湿式太陽電池を構
成する基板として直径20mmの円板を用いたが、この寸
法、形状に限られるものではない。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施形態
に係る湿式太陽電池の概略構成を示す断面図である。そ
の構成は、透明基板1、透明導電膜2、電解質層3、色
素増感半導体電極4及び導電性基板5を順次積層したも
ので、透明導電膜2及び導電性基板5の間から電力を取
り出す。透明基板1としてガラス基板を用い、透明導電
膜2としてITO膜を用い、ITO膜の形成にはスパッ
タリング法を用いた。また、導電性基板5としてチタン
基板を用い、色素増感半導体電極4は、チタン基板を陽
極酸化して形成されるチタン陽極酸化膜に色素を担持さ
せたものである。チタン基板の表面にチタン陽極酸化膜
を形成させる際の陽極酸化の条件は、濃度 0.02mol/lの
β−グリセロリン酸ナトリウム及び濃度0.08mol/l の酢
酸ストロンチウムからなる40℃の電解質水溶液を用い
て、直流電圧 400V、電流密度 50mA/cm2に設定し
た。形成されたチタン陽極酸化膜中には、PとSrが含
まれており、これらのPとSrは、チタン陽極酸化膜が
形成されたチタン基板をオートクレーブ中に入れて、 3
00℃の高圧水中で2時間加熱処理する水熱法によって溶
出させた。その結果、チタン陽極酸化膜は、粒径が約40
nmの酸化チタン微粒子同士の間に微小な気孔が形成され
た多孔質構造になった。この多孔質のチタン陽極酸化膜
をローダミンB水溶液に24時間浸漬し、陽極酸化膜を構
成する酸化チタン微粒子上に色素を吸着させることによ
り、色素増感半導体電極4を作製した。最後に、透明導
電膜2と色素増感半導体電極4との間に、テトライソプ
ロピルヨージドとヨウ素を炭酸エチレンとアセトニトリ
ルの混合溶液に溶解した電解液をしみ込ませることによ
って電解質層3を作製し、図1に示す構造の湿式太陽電
池が完成した。本実施形態の湿式太陽電池に 500Wのキ
セノンランプからの光を照射したときの起電力を測定し
たところ、電流は 0.32mA、電圧は0.33Vであった。
【0012】〔第2の実施の形態〕本実施例の湿式太陽
電池は、チタン基板表面に凹凸を設けた以外は、上記第
1の実施形態と同じである。チタン基板を#36のアルミ
ナ粒子でブラスト処理した後に、30%フッ酸溶液中でエ
ッチングすることにより、基板に突き刺さっていたアル
ミナ粒子を取り除き、基板の表面に凹凸を形成した。第
1の実施形態と同様に、陽極酸化、水熱処理色素吸着、
電解質層形成の工程を経て、湿式太陽電池を組み立て
た。本実施形態の湿式太陽電池に 500Wのキセノンラン
プからの光を照射したときの起電力を測定したところ、
電流は 0.47mA、電圧は0.35Vであり、第1の実施形態
の測定値に比べて電流値も電圧値も大きかった。
【0013】〔第3の実施の形態〕図2は、本発明の第
3の実施形態に係る湿式太陽電池の概略構成を示す断面
図である。その構成は、透明基板1、透明導電膜2、電
解質層3、色素増感半導体電極4、チタン層6及び基板
7を順次積層したもので、チタン層6と基板7を併せて
導電性基板5としている。従って、透明導電膜2及びチ
タン層6の間から電力を取り出す。透明基板1としてガ
ラス基板を用い、透明導電膜2としてITO膜を用い、
ITO膜の形成にはスパッタリング法を用いた。
【0014】また、基板7の材質としてステンレススチ
ールを用い、色素増感半導体電極4を構成する半導体電
極は、溶射により形成されたチタン層を陽極酸化して形
成されるチタン陽極酸化膜である。この場合、チタン層
の厚さ全部を陽極酸化膜とするのではなく、陽極酸化さ
れないチタン層を一部残して、取り出し電極として利用
する。
【0015】本実施の形態が上記第1及び第2の実施形
態と異なる点は、基板7と陽極酸化膜を形成するための
金属層は別種であること、陽極酸化を施すための金属層
は溶射によって基板7の上に形成されたものであること
の2点である。本実施の形態では、ステンレススチール
製の基板に粒径が10〜45μm のチタン粒子をプラズマ溶
射し、膜厚が約50μm 、表面粗さがRmax で36μm のチ
タン層6を形成した。尚、プラズマ溶射によるチタン層
の厚さは50μm に限らず、より厚く形成してもよい。
【0016】また、基板7が導電性を有している場合に
は、チタン層全部を陽極酸化してもよい。チタン層6表
面に陽極酸化膜を形成させる際の条件は、上記第1及び
第2の実施形態と同様である。すなわち、濃度 0.02mol
/lのβ−グリセロリン酸ナトリウム及び濃度0.08mol/l
の酢酸ストロンチウムからなる40℃の電解質水溶液を用
いて、直流電圧 400V、電流密度 50mA/cm2に設定し
た。形成されたチタン陽極酸化膜中には、PとSrが含
まれており、これらのPとSrは、チタン陽極酸化膜が
形成された導電性基板5をオートクレーブ中に入れて 3
00℃の高圧水中で2時間加熱処理することによって溶出
させた。その結果、チタン陽極酸化膜は、粒径が約40nm
の酸化チタン微粒子の間に微小な気孔が形成された多孔
質構造になった。この多孔質のチタン陽極酸化膜をロー
ダミンB水溶液に24時間浸漬し、陽極酸化膜を構成する
酸化チタン微粒子上に色素を吸着させることにより、色
素増感半導体電極4を作製した。最後に、透明導電膜2
と色素増感半導体電極4との間にヨウ素電解質溶液をし
み込ませることによって電解質層3を形成させ、周囲を
樹脂で封止し、図3に示す構造の湿式太陽電池を完成さ
せた。本実施形態の湿式太陽電池に 500Wのキセノンラ
ンプからの光を照射したときの起電力を測定したとこ
ろ、電流は 0.54mA、電圧は0.35Vであった。 〔第4の実施の形態〕本実施の形態が上記第1の実施形
態と異なる点は、水熱処理の条件と色素の種類である。
チタン基板の表面に陽極酸化膜を形成させる際の条件
は、上記の各実施形態と同様である。すなわち、濃度
0.02mol/lのβ−グリセロリン酸ナトリウム及び濃度0.0
8mol/l の酢酸ストロンチウムからなる40℃の電解質水
溶液を用いて、直流電圧 400V、電流密度 50mA/cm2
に設定した。形成されたチタン陽極酸化膜中には、Pと
Srが含まれており、これらのPとSrは、チタン陽極
酸化膜が形成された図1に示す導電性基板5をオートク
レーブ中に入れて 180℃の高圧水中で4時間加熱処理す
ることによって溶出させた。その結果、チタン陽極酸化
膜は、粒径が約30nmの酸化チタン微粒子の間に微小な気
孔が形成された多孔質構造になった。この多孔質のチタ
ン陽極酸化膜を 100℃で真空乾燥した後、直ちにエオシ
ンYを含むエタノール溶液に24時間浸漬し、陽極酸化膜
を構成する酸化チタン微粒子上に色素を吸着させること
により、色素増感半導体電極4を作製した。
【0017】最後に、透明導電膜2と色素増感半導体電
極4との間に、テトライソプロピルヨージドとヨウ素を
炭酸エチレンとアセトニトリルの混合溶液に溶解した電
解液をしみ込ませることによって電解質層3を作製し、
図1に示す構造の湿式太陽電池が完成させた。本実施形
態の湿式太陽電池に、420nm 以下の波長の光をカットす
るフィルターを透して 500Wのキセノンランプからの光
を照射したときの起電力を測定したところ、電流は 0.7
8mA、電圧は0.65Vであった。この起電力測定を1時間
続けても、本実施形態の湿式太陽電池は安定した発電が
認められた。なお、本実施形態では、導電性基板5とし
てチタン板を用いたが、サンドブラスト処理したチタン
板にも、チタン粉末の溶射によって形成されたチタン層
を有する基板にも適用できる。
【0018】
【発明の効果】以上の通り、本発明の色素増感半導体電
極は、導電性基板を構成する金属を陽極酸化して形成さ
れた酸化膜を用いるので、導電性基板と酸化膜とは強固
に結合された一体構造をとり、その界面での電気抵抗を
低減できる。また、陽極酸化及び水熱処理による加熱効
果により、陽極酸化膜を構成する微粒子間の電気抵抗を
低減できる。さらに、陽極酸化膜に微細な気孔を無数形
成させた多孔質構造とすることにより表面積を飛躍的に
増大させ、これに色素を吸着させることにより、照射光
の利用効率を高めることができる。従って、本発明の色
素増感半導体電極を用いた湿式太陽電池は、電子の授受
がスムーズに行われ、且つ照射光を十分に利用できるの
で、エネルギー変換効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態に係る湿式太
陽電池の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第3の実施形態に係る湿式太陽電池の
概略構成を示す断面図である。
【図3】従来の湿式太陽電池の概略構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・・・透明基板 2・・・・・透明導電膜 3・・・・・電解質層 4・・・・・色素増感半導体電極 5・・・・・導電性基板 6・・・・・チタン層 7・・・・・基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電膜付き透明基板と、該透明基板
    と対極をなす導電性基板との間に色素を担持させた半導
    体電極と電解質層とがあり、光電変換によって前記透明
    導電膜と前記導電性基板との間に電気エネルギーを発生
    する湿式太陽電池において、 前記半導体電極は、前記導電性基板を構成する金属の少
    なくともその一部分を酸化することによって得られる酸
    化膜であることを特徴とする湿式太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記導電性基板を構成する金属は、チタ
    ン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムから選ばれた1種
    類の金属であることを特徴とする、請求項1に記載の湿
    式太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記半導体電極を構成する酸化膜は、前
    記金属を陽極酸化することによって得られる金属陽極酸
    化膜であり、該金属陽極酸化膜は多孔質構造を有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の湿式太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記多孔質構造は、陽極酸化によって該
    陽極酸化膜に含有された、液体に可溶な物質を、水熱処
    理によって溶出させることにより形成されたことを特徴
    とする、請求項3に記載の湿式太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記導電性基板は、チタンの基板であ
    り、該チタン基板は、サンドブラスト処理による粗面を
    有し、 前記半導体電極は、チタンの陽極酸化膜であり、該陽極
    酸化膜は、多孔質構造を有することを特徴とする、請求
    項1に記載の湿式太陽電池。
  6. 【請求項6】 透明導電膜付き透明基板と、該透明基板
    と対極をなす導電性基板との間に色素を担持させた半導
    体電極と電解質層とがあり、光電変換によって前記透明
    導電膜と前記導電性基板との間に電気エネルギーを発生
    する湿式太陽電池において、 前記導電性基板は、少なくともその一部分にチタン粉末
    の溶射によって形成されたチタン層を有し、 前記半導体電極は、前記チタン層の少なくともその一部
    分を陽極酸化することによって得られるチタン陽極酸化
    膜である、ことを特徴とする湿式太陽電池。
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