JPH10114543A - 防曇性被膜及びその製造方法 - Google Patents

防曇性被膜及びその製造方法

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JPH10114543A
JPH10114543A JP8267102A JP26710296A JPH10114543A JP H10114543 A JPH10114543 A JP H10114543A JP 8267102 A JP8267102 A JP 8267102A JP 26710296 A JP26710296 A JP 26710296A JP H10114543 A JPH10114543 A JP H10114543A
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film
antifogging
fogging
silica
hot water
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Seiji Yamazaki
誠司 山崎
Keiji Honjo
啓司 本城
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性及び耐久性に優れ、高透明性で格段
に優れた防曇性能を発揮し、しかも結露等表面が濡れた
際透視像や反射像に歪み発現せず、その性能を長く持続
できる防曇性被膜を欠陥なく簡便に効率よく得る。 【解決手段】 基板の表面に形成した薄膜が、シリカと
アルミナ系の複合酸化物膜であり、形成した該複合酸化
物膜を加温後、該加温した状態で純水の熱水に浸漬処理
した防曇性被膜。及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用、建材用、
産業用等の窓ガラスあるいは鏡などに用いて好適な防曇
性被膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板表面に防曇性を付与するに
は、ガラス基板表面に親水性被膜を形成することが一般
的な手法である。
【0003】例えば、界面活性剤をガラス基板表面に塗
布することで表面を親水性にすることは古くから知られ
ており、界面活性剤にポリアクリル酸やポリビニルアル
コ−ルなどの水溶性有機ポリマ−を添加/配合すること
でその持続性を上げる試みがなされている(例えば、特
開昭52-101680 号公報等)。
【0004】また例えば、ポリエチレングリコ−ルやポ
リビニルピロリドンなどのポリエチレンオキシドに代表
される親水性有機高分子をガラス表面に塗布処理して親
水性表面に処理するなどの方法がある(例えば、特開昭
48-89278号公報、特開平1-37268 号公報等)。
【0005】さらに、疎水性ポリマ−よりなる多孔質膜
の表面および内部にポリビニルアルコ−ルと酢酸ビニル
の共重合体の被膜を介してセルロ−スやグリコ−ル類お
よびグリセリンなどの親水性ポリマ−を被膜固定化する
方法がある(例えば、特公平5-67330 号公報等)。
【0006】またさらに、物理的方法には、プラズマ処
理、レ−ザ−照射処理などの親水化処理が実用化されて
いるが、一般に処理後短期間では効果があるが持続性に
問題点があるとされている。化学的方法には、表面にラ
ジカルを発生させ親水性の残基を有する重合性化合物を
グラフト重合させる方法、酸、塩基性物質などにより表
面の結合を切断し親水性の残基に変化させる方法などが
行なわれている。
【0007】しかしながら、これらの方法では一時的も
しくは比較的短時間に親水性を付与するのみであり、防
曇効果の充分な持続性は期待し難いばかりでなく、水膜
が均−となり難く透視像や反射像が歪み、防曇性はあっ
ても実使用においては採用が困難なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、例え
ば物理的な処理による親水性は短期的にしか効果を維持
することができず、またポリエチレンオキシド系有機ポ
リマ−膜は、一般に耐水性および耐久性が充分でなく、
膜の強度も低いものであり、用途によっては実用上充分
なものとは言えない。
【0009】また、例えば多孔質膜の表面および内部に
ポリビニルアルコ−ルと酢酸ビニルの共重合体の被膜を
介してセルロ−スなどを被膜固定化する方法において
も、被膜は極めて柔らかいものであり、しかも化学的耐
久性も期待でき難いものであり、使用する用途が限定さ
れる。
【0010】さらに、例えば無機物質からなる被膜は、
膜の強度は比較的高いが親水性を呈する物質は水に対す
る溶解性も高く被膜は容易に消失するので、実用上その
用途は限られたものとなる。
【0011】そこで、本発明の目的は、耐久性に優れ高
硬度でしかも透明性の高く、しかも生じた水膜が均一と
なって透視像または反射像が歪まない防曇性被膜を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題を鑑みてなしたものであって、アルミナゾル溶液中
にシリカゾルを添加し、本複合溶液を基板に塗布し、20
0 〜680 ℃で焼成することによって、シリカ、アルミナ
を含む金属酸化物からなる複合酸化物被膜(第1層)を
形成する。次いで形成した膜を50〜200 ℃まで加温し、
80〜100 ℃の純水の熱水に浸漬処理することを特徴とす
る防曇性被膜およびその製造方法を提供する。
【0013】すなわち、本発明は、基板の表面に形成し
た薄膜が、シリカとアルミナ系の複合酸化物膜であり、
形成した該複合酸化物膜を加温後、該加温した状態で純
水の熱水に浸漬処理したことを特徴とする防曇性被膜。
【0014】ならびに、前記加温の温度が、50〜200 ℃
であることを特徴とする上述した防曇性被膜。また、前
記熱水による浸漬処理が、温度80〜100 ℃の熱水に1〜
10分間浸漬する処理であることを特徴とする上述した防
曇性被膜。
【0015】また、前記複合酸化物膜が、金属アルコキ
シド系化合物または平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子を
分散した溶液から成膜したものであることを特徴とする
上述した防曇性被膜。
【0016】また、前記防曇性被膜において、シリカの
含有量が10〜40wt%であることを特徴とする上述した防
曇性被膜。また、前記防曇性被膜において、被膜の反射
色調がニュトラルであることを特徴とする上述した防曇
性被膜。
【0017】また、前記基板がフロ−トガラスであるこ
とを特徴とする上述した防曇性被膜。さらに、非晶質性
の金属酸化物を形成する金属酸化物ゾル溶液または/お
よび金属酸化物微粒子分散ゾルを添加した溶液からなる
シリカ−アルミナ系複合ゾル溶液を、基板に塗布し、焼
成することでシリカ−アルミナ系複合酸化物膜を成膜
し、該膜付き基板を加温した後、純水の熱水に浸漬処理
をすることを特徴とする防曇性被膜の製造方法。
【0018】さらにまた、前記複合ゾル溶液において、
該溶液中のシリカ含有量が1〜10wt%で、アルミナ含有
量が1〜10wt%であることを特徴とする上述した防曇性
被膜の製造方法。
【0019】さらにまた、前記加温の温度が、50〜200
℃であることを特徴とする上述した防曇性被膜の製造方
法。さらにまた、前記熱水による浸漬処理が、温度80〜
100 ℃の熱水に1〜10分間浸漬する処理であることを特
徴とする上述した防曇性被膜の製造方法。
【0020】さらにまた、前記した焼成が、500 ℃以上
680 ℃以下の温度で行う熱処理であることを特徴とする
上述した防曇性薄膜ならびにその製造方法をそれぞれ提
供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】前述したように、本発明は、非晶
質性の金属酸化物を形成する金属酸化物ゾル溶液または
/および金属酸化物微粒子分散ゾルを添加した溶液から
なるシリカ−アルミナ系複合ゾル溶液を、基板に塗布
し、200 〜680 ℃で焼成することによってシリカ−アル
ミナを含む金属酸化物からなる複合酸化物被膜を成膜
し、該膜付き基板を50〜200 ℃まで加温した後、80〜10
0 ℃にある純水の熱水に1〜10分間程度浸漬処理するこ
とにより防曇性被膜を得るものである。
【0022】これにより、例えばシリカとアルミナ系の
複合酸化物薄膜は表面が親水性であり、それ自体に防曇
性を持つものを、さらに加温、熱水浸漬処理すること
で、表面にある水酸基の数を増大させ、親水性および耐
久性に極めて優れた防曇性被膜とすることができる。
【0023】使用する基板としては、ガラス(自動車用
ガラス、航空機用ガラス、鏡、レンズなど)、金属など
が挙げられるが、これらに限定されたものではない。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明に係る複合酸化物の原料としては、
金属アルコキシドであるテトラエトキシシラン、テトラ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、アルミニウムsec プロポキシド、ア
ルミニウムイソプロポキシド、またはシリカの超微粒子
を分散させたコロイダルシリカ、アルミナ微粒子分散ゾ
ルである。
【0025】具体的には例えば、シリカゾルとしては、
コルコ−トP 、コルコ−ト6P〔日本コルコ−ト社製〕、
ス−パ−セラ〔大八化学工業(株)製〕、アトロンNSi
〔日本曹達(株)製〕などで、コロイダルシリカとして
は、IPA-ST、ST-OXS〔日産化学社製〕、アルミニウム微
粒子分散ゾルとしては、アルミナゾル-10 、アルミナク
リア−ゾル〔川研ファインケミカル(株)製〕などを用
いることができる。
【0026】アルミナ微粒子分散ゾルの粒子径は15〜30
nm程度の範囲であるものが良い。これよりも大きなサイ
ズでは、焼成後に得られたコ−ティング膜の透明性がや
や悪くなり例えば数%前後程度のヘ−ズ(曇化)が発生
する。好ましくは、約20nm程度以下の粒子径が良い。
【0027】金属酸化物として用いるシリカの量は、複
合酸化物薄膜全体の10〜40wt%程度の範囲が望ましい。
シリカの量が10wt%程度未満では膜の充分な防曇効果が
発揮され難く、また40wt%程度を超えると混合ゾル液の
安定性が無くなるからである。混合ゾル液の安定性から
好ましくは、約10〜30wt%程度の範囲である。
【0028】また、コ−ティング溶液に添加するシリカ
およびアルミナの固形分濃度は、それぞれ1〜10wt%程
度の範囲が望ましい。固形分濃度が1wt%程度未満では
充分な防曇性効果が発揮され難く、10wt%程度を超える
とゾル溶液の安定性がなくなり、沈殿を生じるからであ
る。好ましくは固形分濃度が2〜7wt%程度の範囲であ
る。
【0029】上記、複合ゾル溶液は、必要に応じて水や
有機溶媒で希釈して用いることができる。使用する有機
溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−ル、n-ブタノ−ル
等の1級アルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル等の2級
アルコ−ル、タ−シャリ−ブタノ−ル等の3級アルコ−
ル、その他、エ−テル類、ケトン類、シクロヘキサン等
またはジメチルホルムアミドなども採用することがで
き、これらは単独または混合して用いてもよい。
【0030】基板上に上記複合ゾルコ−ティング溶液を
塗布する方法としては、ディッピング法、スプレ−法、
フロ−コ−ト法、スピンコ−ト法、バ−コ−ト法、ロ−
ラ−コ−ト法、リバ−ス法、フレキソ法、印刷法などの
既知の塗布手段が適宜採用できる。
【0031】基板上に塗布した膜は500 〜680 ℃程度で
焼成することにより、防曇性被膜となる。500 ℃程度未
満では膜の機械的強度が充分ではなく、また680 ℃程度
を超える温度では、アルミナの表面の水酸基が減少し、
またアモルファスのアルミナからγアルミナに移行する
ために防曇性の効果が充分に発揮され難いものとなる。
【0032】該防曇性被膜の膜厚については、100 〜30
0nm 程度が望ましく、被膜の膜厚が100nm 程度未満では
防曇性能を長期にわたって発揮することが困難であり、
300nm 程度を超えると1回の塗布操作では焼成後に膜に
クラックが発生する危険性が大きくなったり、膜の透明
性が悪くなったりする場合がある。好ましくは 200〜25
0nm 程度の範囲がよい。
【0033】さらにまた、該被膜の表面粗さ(中心線平
均粗さ)としては、例えば約20nm程度以下が望ましい。
表面粗さが20nm程度を超えると膜のヘ−ズ(曇化)が大
きくなり、透明性が悪くなってしまうためである。
【0034】またさらに、熱水浸漬処理時の膜付き基板
の膜の加温温度については、50〜200 ℃程度の範囲が望
ましい。加温温度が50℃程度未満では膜と熱水の反応性
が乏しく、200 ℃程度を超えると温度が高過ぎて膜表面
で水が蒸発を起し、効果的な膜と熱水の反応性が起こら
ないため、充分な防曇性能を発揮することができない。
好ましくは80〜170 ℃程度の範囲である。
【0035】またさらに、熱水として用いる純水につい
ては、イオン交換等による精製水のようなものであっ
て、例えば比抵抗が10×104Ω・cm以上のものである。
またさらに、熱水浸漬処理時の熱水の温度については、
80〜100 ℃程度が望ましい。熱水の温度が80℃程度未満
では防曇性被膜との反応性が乏しく、さらなる防曇性の
向上および持続性も期待でき難いからである。
【0036】さらにまた、防曇効果の持続性について
は、膜表面の親水性および保水性に影響されることか
ら、膜表面と水との接触角が低く、できるだけ沢山の水
を吸収することができれば、防曇効果を持続することが
可能となる。このことから、前述したように、基板上に
形成された防曇性被膜を熱水浸漬することによって、膜
表面上に多くの水酸基を形成し、親水性が向上するよう
にした。つまり、膜表面の水酸基が増加すると、水の吸
着能が増し、より多くの水を蓄えることができ、防曇効
果の持続性が向上することができる。
【0037】前述したように、本発明によれば、基板の
表面に形成した薄膜が、シリカとアルミナ系の複合酸化
物膜であり、形成した該複合酸化物膜を加温後、純水の
熱水に浸漬処理することによって、格段に優れた防曇性
能を発揮するとともに極めて長期的にその防曇性能を維
持し、クラック等の欠陥がなくかつ充分な可視光透過率
と耐久性等を有し、耐摩耗性に優れ、さらに透視像や反
射像に歪みを発現するようなこともなく、しかも反射色
調がニュ−トラル色である等、建築用窓材もしくは鏡な
どの産業用物品、さらには自動車などの車両用窓材をは
じめ、船舶や航空機用窓材など各種ガラス物品等、種々
の被膜に広く採用できる有用な防曇性薄膜及びその製造
方法を提供することができるものである。
【0038】
【実施例】以下、本発明における効果を明確にするため
に、実施例により詳しく説明する。ただし、本発明はこ
れらに限定されるものではない。各実施例の防曇性被膜
の評価を下記の評価方法で行った。 防曇性能評価方法:約43℃の飽和水蒸気に約3分間接
触させた後、曇りの発生を目視で評価し、一旦乾燥させ
室温までサンプル温度が下がった時点で、再び飽和水蒸
気に接触するのを1サイクルとして、この操作を10サイ
クル繰り返し評価した。
【0039】後述する表1では、全く曇りの発生が認め
られなないものを○印、曇りの発生が認められたものを
×印とした。〔例えば、眼鏡の曇り止め剤試験(JIS S
4030)を参照〕 [合否判定]10回のサイクルにおいても曇りの発生しな
かったものを合格とした。
【0040】−20℃の冷凍庫中に約10分間サンプルを
放置し、サンプルの温度が−20℃になったことを確認
後、約25℃、約50%RHの環境に放置するのを1サイクル
として、曇りの発生状況を目視で評価した。
【0041】後述する表2では、全く曇りの発生が認め
られないものを○印、曇りの発生が認められたものを×
印とした。 [合否判定]10サイクルの試験で曇りの発生がなかった
ものを合格とした。 接触角の経時変化:測定機器 協和界面科学製CA−A型 (水滴) 測定環境 大気中(25℃) 水滴 純水(20μl ) なお、接触角(°)測定時は表面の払拭等なし。
【0042】[合否判定]初期接触角(ゼロ時間)が5
°程度以下でかつ放置時間が192 時間後の接触角が20°
程度以下を合格とした。 膜強度評価方法:堅牢試験 荷重;100 g/cm2 綿帆布;キャンパス布(JIS L 3102-1961-1206) ストロ−ク回数;1000往復 後述する表4では、目視で無キズで呼気による曇りも発
生なしを○印、キズが発生し曇りの発生が認められたも
のを×印とした。
【0043】[合否判定]キズの発生がなく、呼気によ
る曇りも発生しなかったものを合格とした。 テ−バ−摩耗試験 摩耗輪;CS−10F 荷重 ;250gf 回転数;1000回 ヘ−ズ値測定器;日電色工業(株)製、NDH-20D 後述する表4では、ヘ−ズ値測定器で試験前後の膜ヘ−
ズ値(△H)が5%未満でありかつ呼気による曇りも発
生なしを○印、試験前後の膜ヘ−ズ値(△H)が5%以
上で呼気による曇りの発生が認められたものを×印とし
た。
【0044】[合否判定]試験前後の膜ヘ−ズ値(△
H)が5%未満で、呼気による曇りも発生しなかったも
を合格とした。 被膜形状観察: 走査型プロ−ブ顕微鏡の原子間力顕
微鏡(AFM )モ−ド(セイコ−電子製、SPI3700 、5 μ
m 四方スキャン) 被膜の表層表面および断面の写真観察し、JIS B 0601で
定義されている中心線平均粗さRa値を求めた。
【0045】走査型電子顕微鏡(SEM 、日立S−415
) 倍率:3万 被膜の表層表面の写真観察 膜厚の測定: DEKTAK(Sloan 社製、3030)にて測
定した。 その他: クラック等の欠陥の有無。膜の各
種試験による耐久性。可視光透過率の変化等光学特性
への影響など、建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に必要な事項を評価した。
【0046】実施例1 基板としては大きさ約100mm ×100mm で、厚さ約2mm の
フロ−トガラス(組成はソ−ダライムシリケ−ト系)を
用い、コ−ティング面を酸化セリウムで充分に研磨し、
上水で水洗、純水でリンスした後、イソプロピルアルコ
−ルまたはアセトンで払拭し、コ−ティング用ガラス基
板とした。
【0047】一方、第1層コ−ティング溶液複合ゾルは
以下の手順で調製した。まず、シリカの出発原料として
は珪酸エチル(キシダ化学製)を用い、アルミナ微粒子
分散ゾルはアルミナクリア−ゾル(平均粒子径;15nm川
研ファインケミカル製)を固形分濃度換算(wt%)でSi
O2:Al2O3 =20:80で、溶媒としては純水(硝酸添加)
とエタノ−ルの混合溶媒を用い、溶液を調製し、コ−テ
ィング溶液とした。
【0048】まず、珪酸エチルと混合溶媒を混合攪拌
し、60℃で約4時間還流した後、室温まで冷却する。次
いで、アルミナ微粒子分散ゾルを滴下しながら、前記し
た所定量を加え、さらに約2時間以上室温で攪拌し、コ
−ティング溶液とした。
【0049】該コ−ティング溶液を先に準備したガラス
基板上にスピンコ−トにより塗布した後、約150 ℃で約
10分間乾燥した後、約600 ℃で約5分間焼成して防曇性
被膜を形成した。スピンコ−トする際の回転数は、約10
00rpm/min で回転時間は約30秒間とした。なお、該防曇
性被膜の膜厚はDEKTAK(Sloan 社製、3030)にて測定し
たところ、約250nm であった。
【0050】次に、該防曇性被膜を形成したガラス基板
を約150 ℃に加温し、約100 ℃に沸騰した純水に約1分
間浸漬した。その結果、SiO2-Al2O3系膜付きガラス基板
の防曇性被膜について評価すると、また表1および表2
に示すように、防曇性能およびの評価試験でも10サ
イクルにおいて全く曇りの発生が認められなく○印であ
り、格段に優れた防曇性能を示すものであり、しかもま
た結露による透視像の歪みも認められなかった。
【0051】また表3に示すように、実験室(25℃、50
%RH)に放置した場合においても初期接触角が5°未満
であってかつ該接触角の推移が192 時間放置後も12°と
20°未満であり極めて良好であり、優れた防曇性能を充
分に維持でき、格段の防曇持続性を有するものであっ
た。
【0052】さらに表4に示すように、膜強度の評価試
験でも、堅牢試験がキズの発生がなく試験後の呼気検査
でも曇りの発生が認められず良好で○印であり、テ−バ
−摩耗試験が試験前後の膜ヘ−ズ値(△H)が5%未満
で、呼気による曇りも発生なく○印であり、格段の膜強
度を示し、それぞれ充分合格するもので、充分に実用に
供するものであった。
【0053】また、該被膜の形状については、前記AFM
で被膜の表層表面および断面の写真観察し、JIS B 0601
で定義されている中心線平均粗さRa値等を求めたとこ
ろ、表面が数nmピッチの凹凸状で、表面粗さ(中心線平
均粗さ)が例えば約15nm程度以内であった。なお前記SE
M でも被膜の表層表面の写真観察を行った。
【0054】またさらに、該被膜の刺激純度は約2%程
度で反射色調がニュ−トラルであり、耐久性に優れ、安
定かつ確実に厄介な工程もなく簡便な手段で効率よく得
ることができ、建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に採用可能なめざす所期の防曇性被膜を得ることが
できた。
【0055】実施例2 防曇性被膜を形成したガラス基板を約100 ℃に加温し、
約100 ℃に沸騰した純水に約1分間浸漬した以外は、実
施例1と同様とした。
【0056】その結果、表1〜2および4に示すよう
に、実施例1と同様に、全て○印であり、また表3に示
すように初期接触角が5°未満でかつ該接触角の推移が
192 時間放置後も16°と20°未満である等、格段に優れ
た防曇性能を示し、優れた防曇性能を充分に維持でき、
格段の防曇持続性を有するものであり、格段の膜強度を
示し、それぞれ充分合格するもので、充分に実用に供す
るものであった。
【0057】また、第1層の被膜形状についても、前記
AFM ならびに前記SEM を実施例1と同様に行い、表面は
実施例1と同様であった。しかも、該被膜の刺激純度は
約2%程度で反射色調はニュ−トラルであり、実施例1
と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両用、船舶
用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス物品に採
用可能なめざす所期の防曇性被膜を得ることができた。
【0058】実施例3 防曇性被膜を形成したガラス基板を約200 ℃に加温し、
約100 ℃に沸騰した純水に約1分間浸漬した以外は、実
施例1と同様とした。
【0059】その結果、表1〜2および4に示すよう
に、実施例1と同様に、全て○印であり、また表3に示
すように初期接触角が5°未満でかつ該接触角の推移が
192 時間放置後も11°と20°未満である等、格段に優れ
た防曇性能を示し、優れた防曇性能を充分に維持でき、
格段の防曇持続性を有するものであり、格段の膜強度を
示し、それぞれ充分合格するもので、充分に実用に供す
るものであった。
【0060】また、第1層の被膜形状についても、前記
AFM ならびに前記SEM を実施例1と同様に行い、表面は
実施例1と同様であった。しかも、該被膜の刺激純度は
約2%程度で反射色調はニュ−トラルであり、実施例1
と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両用、船舶
用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス物品に採
用可能なめざす所期の防曇性被膜を得ることができた。
【0061】実施例4 ゾルコ−ティング溶液組成を、固形分濃度換算(wt%)
でSiO2:Al2O3=30:70とした以外は、実施例1と同様し
た。
【0062】その結果、表1〜2および4に示すよう
に、実施例1と同様に、全て○印であり、また表3に示
すように初期接触角が5°未満でかつ該接触角の推移が
240 時間放置後も14°と20°未満である等、格段に優れ
た防曇性能を示し、優れた防曇性能を充分に維持でき、
格段の防曇持続性を有するものであり、格段の膜強度を
示し、それぞれ充分合格するもので、充分に実用に供す
るものであった。
【0063】また、第1層の被膜形状についても、前記
AFM ならびに前記SEM を実施例1と同様に行い、表面は
実施例1と同様であった。しかも、該被膜の刺激純度は
約2%程度で反射色調はニュ−トラルであり、実施例1
と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両用、船舶
用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス物品に採
用可能なめざす所期の防曇性被膜を得ることができた。
【0064】実施例5 ゾルコ−ティング溶液組成を、固形分濃度換算(wt%)
でSiO2:Al2O3=35:65とした以外は、実施例1と同様し
た。
【0065】その結果、被膜の水に対する接触角は測定
不可であって格段の親水性能を示し、表1〜2および4
に示すように、実施例1と同様に、全て○印であり、ま
た表3に示すように初期接触角が5°未満でかつ該接触
角の推移が192 時間放置後も13°と20°未満である等、
格段に優れた防曇性能を示し、優れた防曇性能を充分に
維持でき、格段の防曇持続性を有するものであり、格段
の膜強度を示し、それぞれ充分合格するもので、充分に
実用に供するものであった。
【0066】また、第1層の被膜形状についても、前記
AFM ならびに前記SEM を実施例1と同様に行い、表面は
実施例1と同様であった。しかも、該被膜の刺激純度は
約2%程度で反射色調はニュ−トラルであり、実施例1
と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両用、船舶
用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス物品に採
用可能なめざす所期の防曇性被膜を得ることができた。
【0067】比較例1 基板は実施例1と同様のものを使用し、その上に珪酸エ
チル(キシダ化学製)、アルミアルコキシド〔Al(O-sec
-Bu)3;キシダ化学〕を加水分解/縮重合させたものを、
固形分濃度換算(wt%)でSiO2:Al2O3=10:90 とし、溶
媒にはエタノ−ルを用いて調製し、溶液全体に対する固
形分濃度は3wt%としたものを、ガラス基板にスピンコ
−ト法により塗布し、次いで約150 ℃で約10分間乾燥し
た後、約600 ℃で約5分間焼成して防曇性被膜とした。
スピンコ−トの回転数は800rpmで30秒とした。得られた
被膜の膜厚は約250nm であった。
【0068】その結果、表1および表2に示すように、
防曇性能の評価試験で3回で×印および防曇性能の
評価試験で2回で×印となり10サイクルにおいて全て曇
りの発生が認められ×印であり、不合格である防曇性能
を示すものであり、また表3に示すように、被膜の水に
対する接触角は約7°で初期の防曇性は5°を超え、実
験室放置での接触角は徐々に増加し、48時間後には20°
を超え防曇性が認め難くなり、また表4に示すように膜
強度の評価試験でも、堅牢試験が膜にキズおよび呼気に
よる曇りが発生し×印、テ−バ−摩耗試験が試験前後の
膜ヘ−ズ値(△H)が5%を超え、呼気による曇りも発
生し×印であり、不合格の膜強度を示すものであった。
めざす所期の防曇性被膜とは言えないものであった。
【0069】比較例2 実施例1において、約600 ℃で焼成した後、純水の熱水
に浸漬処理しなかった以外は、実施例1とすべて同様と
した。
【0070】その結果、表1および表2に示すように、
防曇性能の評価試験で2サイクル以降において全て曇
りの発生が認められ、防曇性能の評価試験で2サイク
ル以降において全て曇りの発生が認められそれぞれ×印
であり、不合格である防曇性能を示すものであり、また
表3に示すように、被膜の水に対する初期接触角は約8
°で初期の防曇性は5°を超え、実験室放置での接触角
は徐々に増加し、72時間後には20°を超え28°となって
防曇性が認め難くなり、また表4に示すように、膜強度
の評価試験でも、比較例1と同様堅牢試験およびテ−バ
−摩耗試験とも×印であり、不合格の膜強度を示すもの
であった。
【0071】めざす所期の防曇性被膜とは言えないもの
であった。比較例3 実施例1において、約600 ℃で焼成した後、約50℃の純
水に約1分間浸漬処理した以外は、実施例1とすべて同
様とした。
【0072】その結果、表1および表2に示すように、
防曇性能の評価試験で7サイクル以降において全て曇
りの発生が認められ、防曇性能の評価試験で5サイク
ル以降において全て曇りの発生が認められそれぞれ×印
であり、不合格である防曇性能を示すものであり、また
表3に示すように、被膜の水に対する初期接触角は約6
°であるも、実験室放置での接触角は徐々に増加し、96
時間後には20°を超え22°となって防曇性が認め難くな
り、また表4に示すように、膜強度の評価試験でも、テ
−バ−摩耗試験では○印であるものの、比較例1と同様
堅牢試験では不合格の膜強度を示すものであった。
【0073】めざす所期の防曇性被膜とは言えないもの
であった。比較例4 実施例1において、約600 ℃で焼成した後、約70℃の純
水に約1分間浸漬処理した以外は、実施例1とすべて同
様とした。
【0074】その結果、表1および表2に示すように、
防曇性能の評価試験で8サイクル以降において全て曇
りの発生が認められ、防曇性能の評価試験で7サイク
ル以降において全て曇りの発生が認められそれぞれ×印
であり、不合格である防曇性能を示すものであり、また
表3に示すように、被膜の水に対する初期接触角は約5
°であるも、実験室放置での接触角は徐々に増加し、12
0 時間後には20°を超え22°となって防曇性が認め難く
なり、また表4に示すように、膜強度の評価試験でも、
テ−バ−摩耗試験では○印であるものの、比較例1と同
様堅牢試験では不合格の膜強度を示すものであった。
【0075】めざす所期の防曇性被膜とは言えないもの
であった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【発明の効果】本発明の防曇性被膜及びその製法によれ
ば、安定かつ確実に厄介な工程もなく手軽に容易な特定
の手段をもって格段に優れた防曇性能を有する酸化物薄
膜を安価に効率よく高生産性で得ることができ、クラッ
ク等の欠陥がなくかつ充分な可視光線透過率と耐久性等
に優れ、耐摩耗性に優れる。さらに、反射色調がガラス
基板と同じニュ−トラル色であり、優れた防曇性能を持
続するため、建築用窓材もしくは鏡などの産業用物品、
さらには自動車用をはじめ車両用窓材、船舶や航空機の
窓材など各種ガラス物品等、種々の防曇用被膜に広く採
用できる有用な防曇性被膜及びその製法を提供すること
ができるものである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に形成した薄膜が、シリカと
    アルミナ系の複合酸化物膜であり、形成した該複合酸化
    物膜を加温後、該加温した状態で純水の熱水に浸漬処理
    したことを特徴とする防曇性被膜。
  2. 【請求項2】 前記加温の温度が、50〜200 ℃であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の防曇性被膜。
  3. 【請求項3】 前記熱水による浸漬処理が、温度80〜10
    0 ℃の熱水に1〜10分間浸漬する処理であることを特徴
    とする請求項1乃至2記載の防曇性被膜。
  4. 【請求項4】 前記複合酸化物膜が、金属アルコキシド
    系化合物または平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子を分散
    した溶液から成膜したものであることを特徴とする請求
    項1乃至3記載の防曇性被膜。
  5. 【請求項5】 前記防曇性被膜において、シリカの含有
    量が10〜40wt%であることを特徴とする請求項1乃至4
    記載の防曇性被膜。
  6. 【請求項6】 前記防曇性被膜において、被膜の反射色
    調がニュトラルであることを特徴とする請求項1乃至5
    記載の防曇性被膜。
  7. 【請求項7】 前記基板がフロ−トガラスであることを
    特徴とする請求項1乃至6記載の防曇性被膜。
  8. 【請求項8】 非晶質性の金属酸化物を形成する金属酸
    化物ゾル溶液または/および金属酸化物微粒子分散ゾル
    を添加した溶液からなるシリカ−アルミナ系複合ゾル溶
    液を、基板に塗布し、焼成することでシリカ−アルミナ
    系複合酸化物膜を成膜し、該膜付き基板を加温した後、
    純水の熱水に浸漬処理をすることを特徴とする防曇性被
    膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記複合ゾル溶液において、該溶液中の
    シリカ含有量が1〜10wt%で、アルミナ含有量が1〜10
    wt%であることを特徴とする請求項8記載の防曇性被膜
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記加温の温度が、50〜200 ℃であるこ
    とを特徴とする請求項8乃至9記載の防曇性被膜の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記熱水による浸漬処理が、温度80〜10
    0 ℃の熱水に1〜10分間浸漬する処理であることを特徴
    とする請求項8乃至10記載の防曇性被膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記した焼成が、500 ℃以上680 ℃以下
    の温度で行う熱処理であることを特徴とする請求項8乃
    至11記載の防曇性薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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