JPH10115703A - カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

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JPH10115703A
JPH10115703A JP27026996A JP27026996A JPH10115703A JP H10115703 A JPH10115703 A JP H10115703A JP 27026996 A JP27026996 A JP 27026996A JP 27026996 A JP27026996 A JP 27026996A JP H10115703 A JPH10115703 A JP H10115703A
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ink
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color filter
convex portion
substrate
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JP27026996A
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Takafumi Hasegawa
隆文 長谷川
Hide Nakamura
秀 中村
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット法でカラーフィルタを形成する
場合に、隣接画素へのインクの流出を防止し、さらに画
素部分で均一な厚みの着色層が得られるようにする。 【解決手段】画素を区切る凸部2を特定の撥インク処理
剤で処理しインクの前進接触角を90°以上、後退接触
角が前進接触角より40°以上低く、凹部の親インク性
を水の静的接触角で20°以下とすることにより、混色
のない、画素周辺での色抜けのないカラーフィルタを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に凸部を形
成し、その凸部に囲まれた凹部をインクジェット方式で
着色することによるカラーフィルタの製造方法及びそれ
を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用のカラーフィルタは各種
の製造方法が提案されている。特に、基板のセル内壁側
に着色層を形成してカラーフィルタを製造する方法には
いくつかの方法が知られている。
【0003】例えば、着色インクをオフセット印刷法等
によりパターン印刷し、着色層を形成する方法がある
が、印刷パターンの精細化には限界があり、生産歩留ま
りの低下等の問題がある。
【0004】また、着色された紫外線硬化性インクを基
板上に全面塗布し、フォトリソ法によりカラーフィルタ
パターンを作成する方法として顔料分散法がよく使用さ
れている。しかし、顔料分散法では、赤、緑、青の三原
色のカラーフィルタを作成するためには、塗布、紫外線
照射、現像工程を3回行うことを要し、製造工程がきわ
めて煩雑である。
【0005】その他、電着塗装法を利用したカラーフィ
ルタの製造方法では、電着塗装される部分にあらかじめ
パターン状の透明電極を作成しておき、3色のカラーフ
ィルタを製造する。このために、順次夫々に対応する電
極に通電し、透明電極上にカラーフィルタ膜を形成す
る。この方法では3回の電着操作を必要とするうえ、色
の重なりによる混色を防ぐ操作を要し、また、3色に対
応する透明電極を要するため、最終的な液晶表示セルが
電極の形状の制限をうけることもある。
【0006】これらの問題を解決した合理的なカラーフ
ィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色イ
ンクを吹きつけして着色層を形成する(特開昭59−7
5205)ことが提案されている。インクジェット方式
で着色を行う場合、その液滴径は数十μmであり、一
方、カラーフィルタの画素はおおむね短辺数十μm、長
辺数百μm程度である。このことから、ガラス基板にあ
らかじめ画素を規定する区画を設け、この中へインクジ
ェット方式でインクを吹きつけ区画内にインクを拡げる
ことで均一な画素が得られる。
【0007】前記提案には、ガラス基板に対し濡れ性の
良いインクを使う場合には、インクに対して濡れ性の悪
い物質であらかじめ境界となる凸部を印刷しておく方法
が記載されている。また、ガラス基板に対して濡れ性の
悪いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材
料であらかじめガラスにパターンを形成しておきインク
が定着するのを助ける方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単に凸部を撥
インク性とし、凹部を親インク性としても、その撥イン
ク性の制御が不充分であると良好な結果が得られない。
ブラックマスク及びガラス面の臨界表面張力とインクの
表面張力に着目した考え(特開平6−347637)も
示されているが、インクジェット方式では基板に高速で
インクが打ち込まれるため、このような静的な接触角の
規定だけでは不充分である。
【0009】さらに動的接触角に着目したものとして、
インクに対し20°以上の後退接触角を有するインク反
発性樹脂層を設ける方法(特開平7−84122)が示
されている。しかし黒色樹脂製ブラックマスクを用いた
場合、何ら特別な処理を施さなくとも後退接触角20°
程度が得られるのが通例であり、かつ、それでは隣接画
素へのインク流出を防止できない。
【0010】本発明者らの検討によれば、隣接画素への
インク流出防止のためには、凸部の後退接触角は重要で
はなく、前進接触角が重要である。さらに、むしろ後退
接触角があまり大きいと形成される画素の断面形状が強
く凸となり、画素内に色ムラや画素欠けが発生して好ま
しくないことも判明した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題を
解決すべくなされたものであり、基材上に凸部を形成
し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット方
式によってインクを吹きつけて凹部にインクを堆積させ
て着色層を形成するカラーフィルタの製造方法におい
て、凸部に撥インク処理を施し、インク吹きつけ直前の
凸部の上部が、吹きつけるインクの前進接触角において
90°以上であり、かつ後退接触角が前進接触角より4
0°以上小さくなるようにし、凸部により区切られた凹
部にインクを吹きつけてカラーフィルタを形成すること
を特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0012】また、その撥インク処理に用いる処理剤が
主として下記式(1)又は式(2)で表される構造を有
するモノマー、又はそのオリゴマー、ポリマーのいずれ
かからなるカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0013】
【化2】
【0014】ただし、Rは−(CH2 m −Rf を意味
し、Rf は全ての水素原子がフッ素原子に置換されたア
ルキル基、又は1箇所もしくは複数箇所でそのアルキル
基の炭素炭素結合間に酸素原子が結合されたアルキル基
を意味し、mは0〜10の整数を意味し、R1 は水素原
子又はメチル基を意味し、X1 、X2 、X3 は夫々独立
してアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子
又はイソシアナート基を意味する。式(2)は重合の基
本単位構造であり、重合してk個繋がったものを意味す
る。
【0015】また、それらの凸部を形成後、エッチング
処理により凹部を親インク化処理した後にインクジェッ
ト方式でインクを吹きつけるカラーフィルタの製造方法
を提供する。
【0016】また、それらの製造方法により形成された
カラーフィルタを用いた液晶表示素子を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタの製造方
法では、先ず基板上に凸部、好ましくはブラックマスク
による凸部をあらかじめ形成する。その後、インクジェ
ット方式にて着色インクを吹きつけして着色層を形成し
てカラーフィルタを形成する。
【0018】図1は、本発明のカラーフィルタを模式的
に示す断面図である。図1において、1は基板、2は凸
部、3は凸部と凸部により区切られた凹部、4は凸部の
上面、5は凸部の側面、6は凹部に吹きつけ堆積されて
形成された着色層を示す。右端の凹部3のみは説明をわ
かりやすくするために、着色層が形成されていない状態
で示してある。
【0019】この図では、わかりやすくするために凸部
を4個、凹部を3個のみ示すが、これは必要な数設けら
れる。例えば、ストライプ状のカラーフィルタの場合で
あって、640画素分必要な場合には、1画素当りRG
Bの3個のカラーフィルタが必要なので、凸部は192
1個、凹部は1920個必要になる。液晶表示素子では
基板間隙の精密性から表示を行わない表示画素の周辺ま
でカラーフィルタパターンを形成することもあり、その
場合にはもっと増えることになる。
【0020】ストライプ状のパターンの場合には、長手
方向には凸部が形成されなくてもよいが、画素の周囲を
完全に凸部で囲むこともある。特に、モザイク状のカラ
ーフィルタの場合には、画素の周囲は凸部で囲まれる。
【0021】本発明における基板には、一般的には耐熱
性の面からガラス基板が用いられる。また、この基板に
は通常は透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着
色したような基板でも本発明は適用できる。この基板
は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付
与その他の目的の表面処理を施したものも用いうる。
【0022】本発明で着色層を区切るための凸部は、基
板上に線状や格子状に形成される。この凸部の形状は、
それにより区切られた凹部が画素に対応するようにされ
ればよい。例えば、ストライプ状のカラーフィルタを形
成する場合には線状に形成され、四角の画素に対応させ
るためには格子状に形成される。これは、画素の形状に
より適宜定められるので、放射状、円周状等種々の形状
も考えられる。
【0023】この凸部は、液晶表示素子等ではブラック
マスクを兼用させることが有利である。このため、以下
の説明では、凸部がブラックマスクと兼用される例に基
づいて説明するが、ブラックマスクとしない場合には、
それから黒色の材料や金属遮光層を使用しないようにす
ればよい。
【0024】ブラックマスクによる凸部の形成方法とし
ては、例えば、金属クロム膜や、金属クロムと酸化クロ
ムを積層したもの、又はカーボンブラック等の黒色顔料
と樹脂からなる黒色層を形成し、これらにフォトレジス
トを塗布、画素部のレジストをフォトリソ法で取り除
き、エッチングによって金属クロム等の層を取り除く方
法がある。また、よりコスト的に有利な方法として黒色
顔料を分散したフォトレジストを塗布し黒色膜を形成
し、これをフォトリソ法によって所望のパターンにパタ
ーン化する方法がある。
【0025】本発明では、ある程度の高さの凸部を所望
のパターンに形成できる公知の種々のブラックマスクの
形成法が使用できる。薄膜のブラックマスクと厚膜の樹
脂層とを積層して凸部を形成してもよい。
【0026】本発明における凸部は、インクジェット法
によって着色する際に、吹きつけたインクが他の画素に
流れ込んだり滲んだりすることを防止する役割を果た
す。したがって、この凸部の高さはある程度高いことが
好ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性
が高いことも要求されるので、着色層の厚さに近い高さ
が選択される。
【0027】具体的には、所望の着色を得るのに必要な
吹きつけするインクの堆積量によっても異なるが、通常
は0.1〜2μm程度とされる。この凸部の上面にイン
クが残存すると、平坦性や画素間の着色均一性が損なわ
れるため、凸部を撥インク性にし、凹部はインクの拡が
りを良くするために親インク性にすることが好ましい。
すなわち、凸部はインクをはじき、凹部の基板は親イン
ク性を高めている。
【0028】凸部の撥インク性は、隣接画素へのインク
の流出を防ぐという点から、使用するインクの前進接触
角を90°以上とすることが必要である。これより小さ
いと混色の原因となったり、凸部の上部にインクが残存
して好ましくない。特に100°以上のときには良好な
性能が得られて好ましい。
【0029】他方、各画素の断面形状を平坦に維持し、
色ムラが小さく欠けのない画素を得るという観点から
は、後退接触角がある程度低い方が好ましく、インクの
後退接触角が前進接触角より40°以上小さいことが必
要である。これより大きい場合、画素の断面形状が凸と
なりやすく、画素内に濃度分布ができたり、画素の一部
に着色不良が起きやすい。特に後退接触角が前進接触角
より50°以上小さいとき効果が高く好ましい。
【0030】凸部に撥インク性を付与する方法として
は、凸部を形成する材料を基板全面に形成した段階で撥
インク処理剤を積層して、凸部と同時にパターン化する
方法、又はあらかじめ既存の方法で凸部を形成し、その
基板全面を撥インク処理剤で処理し、その後画素部の撥
インク性をエッチングなどにより取り除く方法などが用
いられる。
【0031】前者の例としては、(1)基板上へ光硬化
性樹脂と黒色顔料とを含む黒色層を形成する工程、
(2)その黒色層の上面を撥インク処理剤で表面処理す
る工程、(3)フォトリソ工程により所望のブラックマ
スクパターンに形成する工程、のような工程を例示で
き、このような工程を経た場合、親インク性であるべき
画素部分には撥インク処理剤が接触しないため汚染の可
能性が小さく、さらに工程が簡略でありコスト的にも優
れる。
【0032】一方後者の例としては、(1)基板上にあ
らかじめブラックマスクを既存の方法でパターニングす
る工程、(2)この基板全面に撥インク処理剤を塗布す
る工程、(3)エッチング、エネルギー線照射などの方
法により、画素部の撥インク処理剤を取り除く工程、の
ような工程を例示でき、このような工程では撥インク処
理剤を塗布する際の溶媒の制限が少ない利点がある。本
発明は上記いずれの場合にも有効であるが、特に後者に
おいては凸部の側面にも撥インク処理されやすいため、
その撥インク処理の影響が大きいことから本発明の効果
が顕著である。
【0033】本発明の前進接触角、後退接触角を実現す
る撥インク処理剤としては、使用するインクに合わせて
種々のものが使用できる。より具体的には、式(1)〜
式(9)で表されるような化合物が、所望の前進接触
角、後退接触角を得やすいので好ましい。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】ただし、Rは−(CH2 m −Rf を意味
し、Rf は全ての水素原子がフッ素原子に置換されたア
ルキル基、又は1箇所もしくは複数箇所でそのアルキル
基の炭素炭素結合間に酸素原子が結合されたアルキル基
を意味し、mは0〜10の整数を意味する。
【0037】R1 は水素原子又はメチル基を意味し、R
2 及びR3 は夫々独立して水素原子又はアルキル基を意
味し、R4 はアルキレン基を意味する。X1 、X2 、X
3 は夫々独立してアルキル基、アルコキシ基、水酸基、
ハロゲン原子又はイソシアナート基を意味し、Yは水酸
基、ハロゲン原子又はイソシアナート基を意味する。
【0038】式(2)、式(8)で表される化合物は、
括弧でくくったものが重合の基本単位構造であり、重合
してk個繋がったものを意味する。
【0039】これらのうち、式(1)、式(2)で表さ
れる化合物の使用が、所望の前進接触角、後退接触角を
得やすいので好ましい。そのなかでも、Rが特に以下の
(a)又は(b)の基であることが、所望の接触角が得
やすく、より好ましい。
【0040】(a):−(CH2 m −Cn 2n+1 n=1〜8、10≧m≧n−4、なおn≦4の場合には
10≧m≧0。 (b):−(CH2 m −(O−C23 (CF3 ))
n −O−C37 n=1〜20、m=0〜10。
【0041】これ以外のフッ素系の材料、例えばポリテ
トラフルオロエチレン等のように主鎖にフッ素原子を有
するものの多くは前進接触角が90°以上という条件を
満たすが、前進接触角と後退接触角の差が小さいのが通
例で、本発明の後退接触角の条件を満たしにくい。また
フッ素を含まない、シリコーン系材料等では水に対する
接触角は高いが、通常用いられる、顔料や有機溶媒を含
んだインクに対しては前進接触角90°以上を満たすの
は難しい。
【0042】また、フッ素を含まないアクリル、スチレ
ン、エポキシ系などの各種の樹脂バインダー等を混合し
たり、非フッ素系のモノマーを共重合したポリマー、オ
リゴマーも利用できるが、いずれの場合も前進接触角が
適正な値をとる範囲にとどめる必要がある。
【0043】これらの化合物で撥インク処理を施す場
合、溶媒によって希釈してスピンコート、スプレーコー
ト、ロールコート、ダイコート、ディップコート等の方
法で塗布し、乾燥する方法がとられる。
【0044】溶媒にはこれらの撥インク処理剤を溶解す
る各種の溶剤が用いられるが、特に凸部を形成する樹脂
が未硬化の状態で撥インク処理を施す場合、すなわち凸
部のパターニング前に撥インク処理を施し、処理後フォ
トリソ工程によりパターニングする場合には、凸部を形
成する樹脂に悪影響を与えないようにする必要がある。
このため、この凸部を形成する樹脂に悪影響を与えない
パーフルオロオクタン、パーフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)、パーフルオロトリブチルアミン等の
完全フッ素化化合物の溶媒を用いることが好ましい。
【0045】凹部については凸部を形成する材料や撥イ
ンク処理剤、その他工程中に発生する汚染によって弱撥
インク性となっている場合が多く、汚染を取り除き親イ
ンク性にすることが好ましい。
【0046】その目安としては水の静的な接触角で20
°以下であり、より好ましくは10°以下である。親イ
ンク性とする方法として、水酸化ナトリウムなどの強ア
ルカリやフッ酸などによって画素部を軽くエッチング処
理しガラスの清浄面を露出させる方法、紫外線等のエネ
ルギー線の照射を行って、ガラス面上の汚染を取り除く
方法等を採用できる。特に、フッ酸を用いた場合には効
果が高く好ましい。
【0047】あらかじめ凸部をパターニングし、全面を
撥インク処理した後に画素部の撥インク処理剤をエッチ
ングなどにより取り除く方法では、撥インク処理剤を取
り除く工程と凹部を親インク化する工程は兼用できる。
【0048】凸部を形成する高分子材料としては、アク
リル系、ポリイミド系の樹脂が好ましい。また、これを
ブラックマスクとするため黒色の樹脂を添加したり、樹
脂に感光性を持たせるために、種々の感光性ポリマーや
硬化剤を添加できる。
【0049】本発明では、インクジェット方式を着色方
法として用いる。インクジェット方式としては、帯電し
たインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、
圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、イン
クを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法
等、各種の方法を採用できる。
【0050】上記の説明では、水性インクを用いる例に
ついて説明してきたが、用いるインクは油性、水性とも
に使用できる。表面張力の関係から水をベースにした水
系インクの使用がより好ましい。また、そのインクに含
まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面
からは顔料の使用がより好ましい。
【0051】本発明におけるインクには、着色後の工程
を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線等のエネ
ルギー線によって硬化する成分も添加できる。加熱によ
って硬化する成分としては、各種の熱硬化性樹脂が広く
用いられる。また、エネルギー線によって硬化する成分
としては、例えば、アクリレート誘導体又はメタクリレ
ート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示でき
る。
【0052】特に、耐熱性を考慮してアクリロイル基、
メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ま
しい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘
導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性の
ものでもエマルジョン化する等して使用できる。
【0053】本発明では、以上のように、凸部の少なく
とも上面に撥インク処理を施すことで、図2に示すよう
な隣接画素へのインクの流れ出しによる不良を低減でき
る。図2は、基板11上の2つの凸部12に囲まれた1
つの凹部に吹きつけられたインク16が凸部の撥インク
性不足により隣接画素へ流れ出したところ17を示す。
【0054】本発明では、さらに凸部の後退接触角を制
御することで、着色層のムラがより少ない、コントラス
トの良いカラー表示が得られる。
【0055】本発明では、インクジェット方式で通常は
RGB3色のインクを吹きつけて3色のカラーフィルタ
を形成する。このカラーフィルタは、液晶表示素子、電
気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PL
ZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカ
メラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用で
きる。
【0056】図3は、液晶表示素子に使用した場合の例
を示す模式的な断面図である。図3において、21は基
板、22は凸部、23は着色層、24はその表面を覆う
樹脂等による平坦化層、25はIn23 −SnO2
(ITO)、SnO2 等の電極、26はポリイミド、ポ
リアミド、SiO等の配向膜、27は他方の基板、28
は他方の電極、29は配向膜、30はその電極間に挟ま
れる液晶層である。
【0057】本発明では、この他、必要に応じて、この
液晶セルの外側に偏光膜、反射板、位相差板、光源等を
配置して液晶表示素子として用いうる。
【0058】
【実施例】
「例1(実施例)」ガラス基板に、黒色に着色されたフ
ォトレジスト(新日鉄化学社製「V−259BK」)を
スピンコート法により目標膜厚1.5μmとなるように
塗布し、110℃で10分間加熱処理した。
【0059】下記式(10)で表される撥インク処理剤
をパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)で、
0.1重量%に希釈し、フォトレジスト膜上にスピンコ
ート法により塗布した。 (CH3 O)3 −Si−(CH22 −C613 (10) この基板にフォトマスクを介して100mJ露光し、指
定現像液に30秒浸漬し、純水で洗浄後、230℃で1
時間ポストキュアを行い、ブラックマスク兼用の、高さ
が約1.5μm、幅が約25μmの凸部を有する基板を
得た。
【0060】この基板を、バッファードフッ酸(HFの
50%水溶液とNH4 Fの40%水溶液の1:6の混合
液)を1%に希釈した処理液で、60秒間エッチング処
理した後、水洗し風乾した。
【0061】この基板の凸部に囲まれた凹部に対し、イ
ンクジェット法で水系顔料インク(表面張力約40dy
n/cm)を用いて吹きつけを行い、ストライプ状のR
GBのカラーフィルタを得た。このカラーフィルタの評
価結果を表1に示す。
【0062】「例2(実施例)」例1の撥インク処理剤
を下記式(11)で表される処理剤とした以外は全く同
様な方法でカラーフィルタを得た。 (NCO)3 −Si−(CH22 −C613 (11) この基板の凸部に囲まれた凹部に対し、インクジェット
法で水系顔料インクを用いて吹きつけを行い、ストライ
プ状のRGBのカラーフィルタを得た。このカラーフィ
ルタの評価結果を表1に示す。
【0063】「例3(実施例)」例1の撥インク処理剤
を式(12)で表される処理剤とした以外は全く同様な
方法でカラーフィルタを得た。この基板の凸部に囲まれ
た凹部に対し、インクジェット法で水系顔料インクを用
いて吹きつけを行い、ストライプ状のRGBのカラーフ
ィルタを得た。このカラーフィルタの評価結果を表1に
示す。
【0064】
【化5】
【0065】「例4(実施例)」例1の撥インク処理剤
を式(13)で表される処理剤とした以外は全く同様な
方法でカラーフィルタを得た。この基板の凸部に囲まれ
た凹部に対し、インクジェット法で水系顔料インクを用
いて吹きつけを行い、ストライプ状のRGBのカラーフ
ィルタを得た。このカラーフィルタの評価結果を表1に
示す。
【0066】
【化6】
【0067】「例5(実施例)」ガラス基板に、黒色に
着色されたフォトレジスト(東京応化社製「416
S」)をスピンコート法により目標膜厚1.5μmとな
るように塗布し、110℃で10分間加熱処理した。こ
の基板にフォトマスクを介して100mJ露光し、指定
現像液に30秒浸漬し、冷水で洗浄後、230℃で1時
間ポストキュアを行い、ブラックマスク兼用の、高さが
約1.5μm、幅が約25μmの凸部を有する基板を得
た。
【0068】この基板の表面全体に式(式14)で表さ
れる撥インク処理剤をフッ素系溶剤(旭硝子社製「アサ
ヒクリンAK−225」)に溶解し、ディップコート法
により塗布した後230℃で1時間熱処理した。これを
前出のフッ素系溶剤で洗浄し、例1と同様にバッファー
ドフッ酸でエッチング処理した後、水洗し風乾した。
【0069】
【化7】
【0070】この基板の凸部に囲まれた凹部に対し、イ
ンクジェット法で水系顔料インクを用いて吹きつけを行
い、ストライプ状のRGBのカラーフィルタを得た。こ
のカラーフィルタの評価結果を表1に示す。
【0071】「例6(比較例)」ガラス基板に、黒色に
着色されたフォトレジスト(東京応化社製「416
S」)をスピンコート法により目標膜厚1.5μmとな
るように塗布し、110℃で10分間加熱処理した。こ
の基板にフォトマスクを介して100mJ露光し、指定
現像液に30秒浸漬し、冷水で洗浄後、230℃で1時
間ポストキュアを行った。
【0072】さらに例1と同様にバッファードフッ酸で
エッチング処理した後、水洗し風乾してブラックマスク
兼用の、高さが約1.5μm、幅が約25μmの凸部を
有する撥インク処理を行わない基板を得た。この基板の
凸部に囲まれた凹部に対し、インクジェット法で水系顔
料インクを用いて吹きつけを行い、ストライプ状のRG
Bのカラーフィルタを得た。このカラーフィルタの評価
結果を表1に示す。
【0073】「例7(比較例)」例5の撥インク処理剤
を式(15)で表される化合物化とした以外は全く同様
な方法でカラーフィルタを得た。この基板の凸部に囲ま
れた凹部に対し、インクジェット法で水系顔料インクを
用いて吹きつけを行い、ストライプ状のRGBのカラー
フィルタを得た。このカラーフィルタの評価結果を表1
に示す。
【0074】
【化8】
【0075】下記表1において、前進接触角は凸部にお
けるインクの前進接触角(°)、後退接触角は凸部にお
けるインクの後退接触角(°)、静的接触角は凹部にお
ける水の静的接触角(°)を意味する。
【0076】これら前進接触角、後退接触角及び静的接
触角は、協和界面科学社製のCA−X型接触角計を用
い、前進接触角及び後退接触角は拡散・収縮法にて、静
的接触角は液滴法にて測定した。また、後退接触角は液
滴と吸液ノズルが分離した状態で測定した。
【0077】インク流出は隣接凹部へのインク流出の有
無、色抜けは画素周辺部での色抜けの有無、色ムラは画
素内での色ムラ有無を意味する。「○」はいずれもそれ
らの欠点のないもの(良品)を、「×」は欠点を生じた
もの(不良品)を表す。「△」は一部の画素に欠点を生
じたものを表す。
【0078】なお、この評価に当り、色抜けは明確に識
別できないことを前提にして、50μm2 以上の色抜け
が有る画素が1000画素当り5画素以下を「○」と
し、「6〜50画素」を「△」とし、それを超えた場合
及び1画素でも肉眼で明確に色抜けが識別できたものは
「×」として評価した。
【0079】また、色ムラについては、画素の中心と、
画素最端部より20μmの位置との色差(ΔE* uv )が
2.0以下を「○」とし、2.0を越えて5.0までを
「△」とし、それを超えたものは「×」として評価し
た。
【0080】この結果、例1、2、3、4、5ともに、
隣接凹部へのインク流出、画素周辺部での色抜け、画素
内での色ムラという欠陥は生じなかった。一方、例6
は、ブラックマスクを乗り越えて隣接画素へ容易にイン
クが流出し、パターン状に着色することがまったくでき
なかった。例7では、隣接画素への流出は起きなかった
が、画素周辺部での色抜け、ムラが発生した。
【0081】「例8(実施例)、例9(比較例)」例8
として、例1の画素をドット状にして、RGB画素がモ
ザイク配置になるように凸部を設ける他は例1と同様に
して、この凸部に囲まれた凹部にインクジェット法で水
系顔料インクを用いて吹きつけを行い、モザイク配置の
RGBのカラーフィルタを得た。同様に、例9として、
例6と同様の方法でモザイク配置のカラーフィルタを得
た。
【0082】例8のカラーフィルタは、例1のカラーフ
ィルタと同様に、隣接凹部へのインク流出、画素周辺部
での色抜け、画素内での色ムラという欠陥は生じなかっ
た。例9のものは、例6と同様パターン状に着色するこ
とが困難であった。
【0083】「例10(実施例)」例1のカラーフィル
タ上に樹脂の平坦化層を形成し、ITOを形成し、それ
をパターニングし、さらに樹脂の配向膜を形成し、ラビ
ングして第1の基板を形成した。次いで、ガラス基板上
にITOを形成し、それをパターニングし、さらに樹脂
の配向膜を形成し、ラビングして第2の基板を形成し
た。この第1の基板と第2の基板とを電極面が相対向す
るように配置して、周辺をシールして空セルを形成し
た。
【0084】この空セル内にネマチック液晶を注入し、
注入口を封止して液晶セルを形成した。この液晶セルの
両側に位相差板と偏光板を配置してFSTN型の液晶表
示素子を製造した。この液晶表示素子は美しいカラー表
示が可能であった。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】本発明は、生産性の良いインクジェット
方式でインクを吹きつけてカラーフィルタを製造する際
に、凸部の上にインクが付着しにくく、かつ画素の断面
形状が良好で画素内の色ムラや画素欠けを防止する効果
を有する。これは、液晶表示素子としての表示性能を向
上させうる。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内
で、種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの模式的な断面図。
【図2】従来例のインク吹きつけ時の状況を示す模式的
な断面図。
【図3】本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示素子
の模式的な断面図。
【符号の説明】
1:基板 2:凸部 3:凹部 4:凸部の上面 5:凸部の側面 6:着色層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に凸部を形成し、その凸部により区
    切られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹
    きつけて凹部にインクを堆積させて着色層を形成するカ
    ラーフィルタの製造方法において、凸部に撥インク処理
    を施し、インク吹きつけ直前の凸部の上部が、吹きつけ
    るインクの前進接触角において90°以上であり、かつ
    後退接触角が前進接触角より40°以上小さくなるよう
    にし、凸部により区切られた凹部にインクを吹きつけて
    カラーフィルタを形成することを特徴とするカラーフィ
    ルタの製造方法。
  2. 【請求項2】撥インク処理に用いる処理剤が主として下
    記式(1)又は式(2)で表される構造を有するモノマ
    ー、又はそのオリゴマー、ポリマーのいずれかからなる
    請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。 【化1】 ただし、Rは−(CH2 m −Rf を意味し、Rf は全
    ての水素原子がフッ素原子に置換されたアルキル基、又
    は1箇所もしくは複数箇所でそのアルキル基の炭素炭素
    結合間に酸素原子が結合されたアルキル基を意味し、m
    は0〜10の整数を意味し、R1 は水素原子又はメチル
    基を意味し、X1 、X2 、X3 は夫々独立してアルキル
    基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子又はイソシア
    ナート基を意味する。式(2)は重合の基本単位構造で
    あり、重合してk個繋がったものを意味する。
  3. 【請求項3】凸部を形成後、エッチング処理により凹部
    を親インク化処理した後にインクジェット方式でインク
    を吹きつける請求項1又は2記載のカラーフィルタの製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の製造方法により
    形成されたカラーフィルタを用いた液晶表示素子。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000075123A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Konica Corp インクジェット方式によるカラーフィルターの作製方法及びカラーフィルター
JP2001272521A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Konica Corp カラーフィルター用中間品の作製方法、カラーフィルターの作製方法、カラーフィルター並びに画像表示装置及び画像入力装置
KR100352962B1 (ko) * 1998-09-09 2002-09-18 캐논 가부시끼가이샤 칼라 필터의 제조 방법 및 이 제조 방법으로 제조된 칼라 필터를 구비한 액정 소자
US6969166B2 (en) 2003-05-29 2005-11-29 3M Innovative Properties Company Method for modifying the surface of a substrate
JP2011099929A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Fujifilm Corp カラーフィルタ製造方法
JP2016165902A (ja) * 2016-04-28 2016-09-15 セイコーエプソン株式会社 印刷物の製造方法、印刷物

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