JPH10117809A - 靴の中敷および靴 - Google Patents

靴の中敷および靴

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JPH10117809A JP27602896A JP27602896A JPH10117809A JP H10117809 A JPH10117809 A JP H10117809A JP 27602896 A JP27602896 A JP 27602896A JP 27602896 A JP27602896 A JP 27602896A JP H10117809 A JPH10117809 A JP H10117809A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝作用に優れ、発汗などによる靴内部の湿
気を極めて有効に軽減することができる靴の中敷および
靴を提供する。 【解決手段】 靴の中敷5は、弾性を有する合成樹脂か
らなる成形体6の上面に表皮7を貼着したものである。
中敷1は、土踏まず相当部から踵部の後端に向かって厚
みが次第に増すように形成され、土踏まず相当部から踵
部にわたる裏面に凹部9が形成されている。凹部9と上
面とは通気部10により連通されている。中敷5のつま
先部には通気孔が設けられており、凹部9とつま先部の
通気孔との間には溝が設けられて通気可能に連通されて
いる。凹部9の側壁9aは、幅方向の間隔が中敷裏面開
口部を上部底面よりも広くなるように,鉛直線に対して
傾斜するように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴の中敷および靴
に関し、さらに詳しくは、歩行や走行の際に生じる衝撃
を緩衝し、かつ、靴内部の湿気を効率よく減少させるた
めの構造を有する靴の中敷および靴に関するものであ
る。ここで、靴の中敷とは、製造が完成した靴の中底上
に敷くものをいい、靴の中底とは、靴の製造工程におい
て靴底の上面に接着等により設けられるものをいうこと
とする。
【0002】
【従来の技術】健常者の通常の歩行、および健康増進を
目的とする所謂ウォーキング或いはジョギング等の歩行
や走行、さらに、傷害者の歩行訓練等のリハビリテーシ
ョンや身体障害者の歩行(以下、これらをまとめて歩行
と云う)の際に、踵、膝、腰等に障害が生じないよう
に、使用者が受ける衝撃を緩衝することが望まれてい
る。
【0003】歩行による衝撃を緩衝するために、従来か
ら、弾性を有する合成樹脂等によって、靴底や中底、あ
るいは中敷をほぼ均等厚さに形成したものが用いられて
いる。また、接地の際の踵部の衝撃を緩衝するために、
空気等の気体を封入したチューブを、靴底の踵部の周囲
を取り囲むように設けたものも知られている。
【0004】一方、足蒸れ等を抑止するため、実開昭5
8−8310号公報に開示されているように、靴用中敷
本体の踵部およびこれに連なる土踏まず部に亘って複数
の凹みを断続的に設け、胛被内に空気の流出入させる靴
用中敷も知られている。この靴用中敷は、凹みが常に胛
被との間に隙間を形成しており、着用者の足踵により圧
迫された際に、凹みが大きく収縮変形することにより隙
間内の空気を胛被内の足に流出させ、着用者の足踵によ
る圧迫がないときには、胛被内の空気を隙間内に還流さ
せる、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】着用者の受ける衝撃が
大きいのは着用者が足を踏み出して最初に踵が接地した
ときであるが、上記従来の技術のうち、靴底や中底、あ
るいは中敷をほぼ均等厚さに形成したものにあっては、
靴底や中底、あるいは中敷の踵部がつま先部とほぼ均等
厚さに形成されているために、充分な緩衝能力を備えて
いないという問題があった。
【0006】また、上記従来の技術のうち、靴底の踵部
の周囲に空気等の気体を封入したチューブを設けたもの
にあっては、構造が複雑となり、しかもチューブに穴が
開いた場合には、緩衝作用を全く期待することができな
くなるという問題があった。
【0007】さらに、上記従来の技術のうち、実開昭5
8−8310号公報に開示された靴用中敷にあっては、
着用者の足踵による圧迫の有無により踵部周辺の凹みを
弾性変形させて空気を隙間と胛被との間で通気させるた
め、胛被内への充分な通気量を期待することができない
ものであった。そして、胛被内への充分な通気量を確保
する目的で踵部周辺の凹みの弾性変形を大きくするため
には、中敷の弾性自体を低いものにしなければならず、
さらには、踵部がつま先部とほぼ均等厚さに形成されて
いるために、接地の際に着用者の足踵が受ける衝撃を充
分に緩衝することができないという問題があった。
【0008】また、上記従来の技術には、使用者に正し
い姿勢をとらせることができ、特に脚部に障害を有する
歩行の困難な身体障害者が歩行を行う場合に補助となる
構造を有し、かつ、緩衝作用を有する手段を備えた靴や
中敷は存在しなかった。さらにまた、従来の技術にあっ
ては、中敷の土踏まず相当部が挿入される靴の土踏まず
相当部の内壁に重合して内部形状に不要な膨らみを形成
し、使用者の足裏の土踏まずを圧迫する場合があるとい
う問題があった。
【0009】本発明は、緩衝作用に優れ、足の発汗など
による靴内部の湿気を極めて有効に軽減することができ
る靴の中敷および靴を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、靴の使用者に正しい姿勢をとらせること
ができ、特に傷害者や身体障害者が歩行を行う場合に、
歩行の補助となる構造を有し、かつ、緩衝作用を有する
手段を備えた靴の中敷および靴を提供することを目的と
する。さらに本発明は、靴の内部構造に適合させること
が容易な靴の中敷および靴を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に係る靴の中敷は、弾性を有す
る合成樹脂からなり、土踏まず相当部から踵部の後端に
向かって厚みを次第に増して形成され、土踏まず相当部
から踵部にわたる裏面に凹部が形成され、凹部と足裏が
接する上面とを連通する通気部が設けられ、つま先部に
通気部が設けられ、前記凹部内の空気を前記通気部が設
けられたつま先部の上面へと通気可能とする手段が設け
られ、前記凹部の側壁が鉛直線に対して傾斜するように
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項2に係る靴の中敷は、請求項1に記載の靴の中敷に
おいて、前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部の幅方向
の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように
形成されていることを特徴とするものである。
【0012】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項3に係る靴の中敷は、請求項1または2のいずれか
に記載の靴の中敷において、前記凹部と踵部後端縁との
間に緩衝部が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項4に係る靴の中敷は、請求項1乃至3のいずれかに
記載の靴の中敷において、前記凹部内の空気を前記通気
部が設けられたつま先部の上面へと通気可能とする手段
は、前記凹部と前記つま先部の通気部とにわたって裏面
に形成された溝であることを特徴とするものである。
【0014】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項5に係る靴の中敷は、請求項1乃至4のいずれかに
記載の靴の中敷において、少なくとも踵部の裏面周縁
に、靴の内周壁との間に空隙を構成する切欠きが形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0015】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項6に係る靴の中敷は、請求項1乃至5のいずれかに
記載の靴の中敷において、土踏まず相当部の裏面にエグ
リ部が形成されていることを特徴とするものである。
【0016】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項7に係る靴の中敷は、請求項1乃至6のいずれかに
記載の靴の中敷において、合成樹脂がエチレン酢酸ビニ
ルコポリマ−であることを特徴とするものである。
【0017】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項8に係る靴の中敷は、請求項7に記載の靴の中敷に
おいて、合成樹脂の硬度がゴム硬度45〜85度である
ことを特徴とするものである。
【0018】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項9に係る靴の中敷は、請求項1乃至8のいずれかに
記載の靴の中敷において、つま先部と踵部との上面の実
施的な高さの差が15〜35mmであることを特徴とす
るものである。
【0019】また、上記の目的を達成するために、本発
明の請求項10に係る靴は、靴底上に設けられる中底
が、弾性を有する合成樹脂からなり、土踏まず相当部か
ら踵部の後端に向かって厚みを次第に増して形成され、
土踏まず相当部から踵部にわたる裏面に凹部が形成さ
れ、凹部と足裏が接する上面とを連通する通気部が設け
られ、つま先部に通気部が設けられ、前記凹部内の空気
を前記通気部が設けられたつま先部の上面へと通気可能
とする手段が設けられ、前記凹部の側壁が鉛直線に対し
て傾斜するように形成されていることを特徴とするもの
である。
【0020】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項11に係る靴は、請求項10に記載の靴において、
前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部の左右方向の間隔
が上部底面の左右方向の間隔よりも広く形成されている
ことを特徴とするものである。
【0021】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項12に係る靴は、請求項10または11のいずれか
に記載の靴において、前記凹部と踵部後端縁との間に緩
衝部が形成されていることを特徴とするものである。
【0022】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項13に係る靴は、請求項10乃至12のいずれかに
記載の靴において、中底のつま先部に通気部を設け、該
通気部と凹部とにわたる溝が裏面に形成されていること
を特徴とするものである。
【0023】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項14に係る靴は、請求項10乃至13のいずれかに
記載の靴において、中底の少なくとも踵部の裏面周縁
に、靴の内周壁との間に空隙を構成する切欠きが形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0024】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項15に係る靴は、請求項10乃至14のいずれかに
記載の靴において、中底の合成樹脂がエチレン酢酸ビニ
ルコポリマ−であることを特徴とするものである。
【0025】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項16に係る靴は、請求項15に記載の靴において、
中底の合成樹脂の硬度がゴム硬度45〜85度であるこ
とを特徴とするものである。
【0026】上記の目的を達成するために、本発明の請
求項17に係る靴は、請求項10乃至16のいずれかに
記載の靴において、中底のつま先部と踵部との上面の実
施的な高さの差が15〜35mmであることを特徴とす
るものである。
【0027】本発明の請求項1に係る靴の中敷では、土
踏まず相当部から踵部が後端に向かって踵高となるよう
に厚みを次第に増して形成したことにより、完成品の靴
に挿入して中底上に敷いて使用した際に、つま先よりも
踵の位置が高くなるように前傾斜面が形成されるため、
使用者は背筋を伸ばすような姿勢をとらされる。また、
体全体が前傾することになり、その重心が前方に移動す
ることとなり、特に身体障害者の歩行の際に前進方向に
足の運びを促すこととなり、歩行を補助する。使用者が
歩行する際には、踏み出した足の踵が最初に接地するこ
とにより荷重が最大となって衝撃を発生するが、厚く形
成された弾性を有する合成樹脂からなる中敷の踵部が厚
さ方向に弾性変形することにより、この衝撃は緩衝され
る。このとき、足裏により凹部の通気部が塞がれた状態
で荷重を受けるため、凹部の容積が収縮してその内部の
空気がつま先部の通気部を介して上面に送られる。凹部
の側壁を鉛直線に対して傾斜するように形成したことに
より、凹部が形成された踵部が容易に変形することとな
り、したがって、中敷の硬度を軟化させることなく、靴
使用者の体重を支持し得る適度な固さを維持し、しかも
凹部の容積が収縮することによる空気のつま先部の上面
への送り効率が向上する。
【0028】本発明の請求項2に係る靴の中敷では、凹
部の側壁の鉛直線に対する傾斜を、裏面開口部の幅方向
の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように
形成したことにより、荷重を受けた際に裏面開口部が拡
がるように変形するため、凹部の容積が収縮しやすくな
る。
【0029】本発明の請求項3に係る靴の中敷では、凹
部と踵部後端縁との間に形成された緩衝部により、使用
者が歩行する際に足を踏み出して踵が接地したときに発
生する踵部の衝撃が緩衝される。
【0030】本発明の請求項4に係る靴の中敷では、靴
の中底上に敷かれることにより、裏面に形成された溝が
靴の中底との間で空気の通路を構成し、凹部内の空気が
通気部を介してつま先部の上面に通気される。
【0031】本発明の請求項5に係る靴の中敷では、靴
の中底上に敷かれることにより、靴の内周壁および靴の
中底との間に空隙が形成される。この空隙は、足からの
荷重を受けた際に、中敷の踵部の厚さ方向の弾性変形を
阻害することがなく、空隙内の空気が圧縮されることに
よって衝撃を緩衝することになり、踵、膝、腰等を保護
することができ、しかも、足裏の接する面積よりも靴の
中底に接する面積が小さくなるため、使用者の体重を分
散させることなく集中させることができ、歩行を楽に行
うことができて疲れにくい。
【0032】本発明の請求項6に係る靴の中敷では、土
踏まず相当部にエグリ部を形成したことにより、市販さ
れている完成品の靴に挿入して使用した際に、中敷の土
踏まず相当部がその靴の内壁に重合することなく適合し
て内部構造に不要な膨らみを形成することがなく、した
がって、使用者の足裏の土踏まずを圧迫することがな
い。
【0033】本発明の請求項7に係る靴の中敷では、材
料となる合成樹脂をエチレン酢酸ビニルコポリマ−とす
ることにより、適度な硬度の中敷が所望する形状に容易
に成形される。
【0034】本発明の請求項8に係る靴の中敷では、材
料としての合成樹脂の硬度をゴム硬度45〜85度の範
囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得る適度
な固さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力に優れ
ると共に、つま先部の上面に通気させるための凹部の容
積の適切な収縮を得ることができる。
【0035】また、本発明の請求項9に係る靴の中敷で
は、つま先部と踵部との上面の実施的な高さの差を15
〜35mmとすることにより、使用者が背筋を伸ばすよ
うな姿勢をとると共に体全体を前傾させて歩行の補助と
なるために適した踵の高さとなる。
【0036】また、本発明の請求項10に係る靴では、
土踏まず相当部から踵部が後端に向かって踵高となるよ
うに厚みを次第に増して形成したことにより、つま先よ
りも踵の位置が高くなるように前傾斜面が靴の中底に形
成されるため、使用者は背筋を伸ばすような姿勢をとら
される。また、体全体が前傾することになり、その重心
が前方に移動することとなり、特に身体障害者の歩行の
際に前進方向に足の運びを促すこととなり、歩行を補助
する。使用者が歩行する際には、踏み出した足の踵が最
初に接地することにより荷重が最大となって衝撃を発生
するが、厚く形成された弾性を有する合成樹脂からなる
中底の踵部が厚さ方向に弾性変形することにより、この
衝撃は緩衝される。このとき、足裏により凹部の通気部
が塞がれた状態で荷重を受けるため、凹部の容積が収縮
してその内部の空気がつま先部の通気部を介して上面に
送られる。凹部の側壁を鉛直線に対して傾斜するように
形成したことにより、凹部が形成された踵部が容易に変
形することとなり、したがって、中底の硬度を軟化させ
ることなく、靴使用者の体重を支持し得る適度な固さを
維持し、しかも凹部の容積が収縮することによる空気の
つま先部の上面への送り効率が向上する。
【0037】本発明の請求項11に係る靴では、凹部の
側壁の鉛直線に対する傾斜を、裏面開口部の幅方向の間
隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように形成
したことにより、荷重を受けた際に裏面開口部が拡がる
ように変形するため、凹部の容積が収縮しやすくなる。
【0038】本発明の請求項12に係る靴では、凹部と
踵部後端縁との間に形成された緩衝部により、使用者が
歩行する際に足を踏み出して踵が接地したときに発生す
る踵部の衝撃が緩衝される。
【0039】本発明の請求項13に係る靴では、靴の製
造工程において靴底の上面に接着等により設けられるこ
とにより、裏面に形成された溝が靴底との間で空気の通
路を構成し、凹部内の空気が通気部を介してつま先部の
上面に通気される。
【0040】本発明の請求項14に係る靴では、靴の製
造工程において靴底の上面に接着等により設けられるこ
とにより、靴の内周壁および靴底との間に空隙が形成さ
れる。この空隙は、足からの荷重を受けた際に、中底の
踵部の厚さ方向の弾性変形を阻害することがなく、空隙
内の空気が圧縮されることによって衝撃を緩衝すること
になり、踵、膝、腰等を保護することができ、しかも、
足裏の接する面積よりも靴の中底の靴底に接する面積が
小さくなるため、使用者の体重を分散させることなく集
中させることができ、歩行を楽に行うことができて疲れ
にくい。
【0041】本発明の請求項15に係る靴では、中底の
材料となる合成樹脂をエチレン酢酸ビニルコポリマ−と
することにより、適度な硬度の中底が所望する形状に容
易に成形される。
【0042】本発明の請求項16に係る靴では、中底の
材料としての合成樹脂の硬度をゴム硬度45〜85度の
範囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得る適
度な固さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力に優
れると共に、つま先部の上面に通気させるための凹部の
容積の適切な収縮を得ることができる。
【0043】本発明の請求項17に係る靴では、中底の
つま先部と踵部との上面の実施的な高さの差を15〜3
5mmとすることにより、使用者が背筋を伸ばすような
姿勢をとると共に体全体を前傾させて歩行の補助となる
ために適した踵の高さとなる。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明に係る靴の中敷の一実施の
形態を図1乃至図7に基づいて説明する。なお、図にお
いて同一符号は同一部分または相当部分を表す。
【0045】本発明に係る靴の中敷1は、概略、弾性を
有する合成樹脂からなり、土踏まず相当部5bから踵部
5cの後端に向かって厚みを次第に増して形成され、土
踏まず相当部5bから踵部5cにわたる裏面に凹部9が
形成され、凹部9と足裏が接する上面とを連通する通気
部10が設けられ、つま先部5aに通気部11が設けら
れ、前記凹部9内の空気を前記通気部11が設けられた
つま先部5aの上面へと通気可能とする手段が設けら
れ、前記凹部9の側壁9aが鉛直線に対して傾斜するよ
うに形成されたものである。
【0046】図1は本発明に係る中敷を靴に挿入した状
態の長手方向の断面を示した図であって、靴1は、胛被
2と靴底3とを備え、靴底3の上面に扁平な板状の中底
4を接着剤等によって固定して構成された一般に市販さ
れているもので、本発明に係る中敷5は、靴1の中に挿
入して中底4の上に敷いた状態で用いられるものであ
る。中敷5は、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー
(以下、EVAという)等の弾性を有する合成樹脂の内
部に微細径気泡を有する成形体6と、この成形体6の上
面の全面に亘って貼着された通気性を有する布等からな
る表皮7とから構成されてなるものある。
【0047】図2は本発明に係る中敷5の裏面を示した
図であって、中敷5を前方から後方に向かってつま先部
5aと、中間に位置する土踏まず相当部5bと、後方に
位置する踵部5cとに区分すると、つま先部5aは薄い
板状に形成され、土踏まず相当部5bから踵部5cにわ
たる部分は、この実施の形態においてはつま先部5aと
土踏まず相当部5bとの境界から踵部5cの後端に向か
って、図1に示すように徐々に厚みを増し、踵高となる
ように傾斜面8が形成されている。つま先部と踵部との
上面の実質的な高さh(図1参照)は、15mm〜35mm
程度の範囲で設定されている。成形体6の硬度は、ゴム
硬度で45〜85度の範囲に、好ましくは60〜70度
程度に設定されている。ここで、ゴム硬度の測定は、先
端が直径5.08mmの球形状に形成された押針をスプ
リングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料
の抵抗力とスプリングの力がバランスした状態での押針
の押し込み深さをもとに硬度を測定するゴム硬度計によ
り測定される。押針最大高さ=2.54mmのときを0
度、押し込み深さ=0mmのとき硬度100として、こ
の間を等間隔で目盛り、押し込み深さを測定するもので
ある。そして、このゴム硬度計は、スプリング荷重が5
5gのときにゴム硬度0度、855gのときにゴム硬度
100度となる。なお、厚みを増し始める部分は、つま
先部5aと土踏まず相当部5bとの境界に限らず、土踏
まず相当部5bの中央や、土踏まず相当部5bと踵部5
cとの境界とすることもできる。そして、厚みを増し始
める部分およびつま先部からの踵部の実質的な高さh
は、靴の使用目的や大きさ、あるいは必要な緩衝性能や
成形体6の硬度等に応じて任意に選択される。また、傾
斜面8の形状は、図3に示すように、足裏の形状に合う
ように曲面状に形成されている。
【0048】図2に示すように、中敷5の中間に位置す
る土踏まず相当部5bと後方に位置する踵部5cとにわ
たる傾斜面8の裏面には、靴の長手方向に延びる凹部9
が設けられ、この実施の形態においては、図1および図
3に示すように、凹部9と傾斜面8とにわたって貫通す
る通気孔10が通気部として形成されている。凹部9の
側壁9aは、図3に示すように、中敷裏面開口部の幅方
向の間隔が上部底面(天井面)の幅方向の間隔よりも広
くなるように形成されている。なお、図1に示したこの
実施の形態においては、均一の深さを有する1つの凹部
9に4か所の通気孔10を形成した場合によって説明し
たが、これに限定されることなく、凹部の深さや、凹部
9および通気孔10を形成する数は必要に応じて設定す
ることができ、また、凹部の深さを次第に変化させる等
とすることもできる。さらに、通気部として、通気孔1
0の代わりに切れ目を設ける等、凹部9と足裏が接する
上面とを連通して通気の目的を達することができるもの
とすることもできる。
【0049】図1および図2に示すように、中敷5のつ
ま先部5aには、通気部として、その上面と裏面とを貫
通する通気孔11が設けられている。凹部9とつま先部
5aの通気孔11とを通気可能に連通する手段として、
この実施の形態の場合、線条状の溝12が、凹部9と通
気孔11との間に形成されている。中敷5を靴1に挿入
しての中底4の上面に敷くと、靴1の中底4の上面によ
って凹部9が空間部13を形成し、また、溝12が空気
の通路14(図1を参照)を構成することとなる。空間
部13内の空気は、通気孔10、および空気の通路14
を介して連通された通気孔11によって、靴1の内部と
通気可能となる。
【0050】図2および図3に示されるように、土踏ま
ず相当部5bから踵部5cにかけての中敷5の底面周縁
(断面下方の角部)は、上面から裏面に向かって徐々に
幅が狭くなるように、側壁から裏面にかけて切り欠き1
5が形成されている。その結果、靴1の胛被2の内壁と
中底4と中敷5との間に空隙16が踵部の周囲に略U字
状に形成されることになる(図1および図3参照)。切
り欠き15の形状は、踵部の周囲に空隙16を形成する
ことができるものであれば、直線状、円弧等任意の形状
で良い。空隙16が形成されることによって、使用者の
歩行による荷重を受けた際に、中敷5の弾性変形を妨げ
られることがなく、かつ空隙16内の空気が圧縮される
ため、衝撃の緩衝作用が優れている。また、切り欠き1
5を形成することによって、足裏が接する傾斜面8の幅
よりも靴1の中底4に接する幅が狭くなるため、使用者
の体重が分散されることなく靴に集中し、歩行を楽に行
うことがでる。なお、切り欠き15は、成形体6を成形
した後にその底面周縁を切除することができ、あるい
は、予めその底面周縁を切り欠いた状態となるように成
形体6を成形することもできる。
【0051】さらにまた、本発明に係る靴の中敷5は、
図2に示すように、土踏まず相当部5bの裏面に切欠き
15よりもさらに大きく切欠いたエグリ部17が切欠き
15から連続するように形成されている。一般に市販さ
れている靴1は、使用者の足裏に密着するように、土踏
まず相当部における靴底の幅を狭く形成し、胛被2が足
裏の土踏まずを包むように構成されている。本発明に係
る靴の中敷5は、靴1に挿入した際に、図に示すよう
に、足裏の土踏まずを包むように構成された胛被2に中
敷5の土踏まず相当部5bが重合することとなるが、エ
グリ部17が形成されていることによって、中敷5が不
要に膨出して使用者の足裏の土踏まずを圧迫することが
なく、市販されている大抵の靴1に適合させることがで
きる。
【0052】このように構成された中敷5が挿入された
靴を使用して歩行する際には、靴使用者が足を踏み出し
て最初に踵が接地したときに、靴使用者の荷重とその反
力による衝撃で、中敷5の実質的につま先部5aよりも
厚く形成された成形体6の踵部5cが厚さ方向に弾性変
形する。また、成形体6の踵部5cの厚さ方向の弾性変
形に加えて、凹部9と踵部後端の切り欠き15の縁との
間に形成された凹み18が拡がるように変形することに
より、靴使用者の踵が本来受ける衝撃を緩衝する。そし
て、凹部9の側壁9aを、中敷裏面開口部の幅方向の間
隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように鉛直
線に対して傾斜させて形成したことにより、踵部5cが
衝撃を受けると、図5に矢印Xで示すように、凹部9の
開口部が拡がるように変形するため、たとえばEVAに
より成形された成形体9自体の硬度を軟化させることな
く、靴使用者の体重を支持し得る適度な硬さを維持しつ
つ、空間部13の容積を容易に収縮させることができ
る。このとき、凹部9の通気孔10が靴使用者の足裏の
踵により塞がれた状態となっている。この状態で凹部9
および靴1の中底4の上面によって形成された空間部1
3の容積が収縮すると、空間部13内の空気は、溝12
および靴1の中底4の上面によって形成された空気の通
路14、つま先部5aの通気孔11を介してつま先部5
aの上面へと通気される。
【0053】また、空隙16が形成されることによっ
て、使用者の歩行による荷重を受けた際に、図5に矢印
Yで示すように、中敷5の踵部5cが弾性変形するとき
に空隙16に膨出するため、弾性変形を妨げられること
なく、かつ空隙16内の空気が圧縮されるため、衝撃の
緩衝作用が優れている。また、切り欠き15を形成する
ことによって、足裏が接する傾斜面8の幅よりも靴1の
中底4に接する幅が狭くなるため、使用者の体重が分散
されることなく靴に集中し、歩行を楽に行うことがで
る。
【0054】一方、靴使用者の足裏全体が接地し、次い
で踵が浮くと共に接地しているつま先で後方に蹴る際に
は、靴使用者の足裏のつま先が通気孔11を閉塞し、靴
使用者の足裏の踵が凹部9の通気孔10から離れて開放
し、図3に示すように、凹部9の開口部が元に戻って踵
部5cが元の状態まで厚さ方向に弾性膨張し、空間部1
3の容積が復帰する。そのため、通気孔10を介して空
間部13に次の足運の際につま先部5aの上面に通気さ
せるための空気が流入することとなる。以上の呼吸作用
のような通気により、使用者の発汗等による靴1内の湿
気が軽減され、蒸れることがなくなる。
【0055】さらに、本発明に係る靴の中敷5が挿入さ
れた靴を使用した場合には、土踏まず相当部から踵部が
後端に向かって踵高となるように厚みを次第に増して形
成したことにより、完成品の靴に挿入して中底上に敷い
て使用した際に、つま先よりも踵の位置が高くなるよう
に前傾斜面が形成されるため、使用者は背筋を伸ばすよ
うな姿勢をとらされる。また、体全体が前傾することに
なり、その重心が前方に移動することとなり、特に身体
障害者の歩行の際に前進方向に足の運びを促すこととな
り、歩行の補助となる。
【0056】なお、溝12は、この実施の形態において
は凹部9と別に線条状に形成した例によって説明した
が、これに限定されることなく、図6に示すように、溝
12を中敷5のつま先部5aの形状に合わせた形状に形
成し、凹部9から連続するように形成することもでき
る。この場合においては、使用者の荷重によって空気の
通路14が閉塞しないように、溝12内にリブ等の支持
部12aを成形体6の裏面と面一になるように、且つ、
歩行の際の中敷5の屈曲を妨げないように形成すること
が好ましい。
【0057】さらに、中敷5裏面の凹部9と踵部後端の
切り欠き15の縁との間には、図6および図7に示すよ
うに、緩衝部として、凹部9よりも浅い溝状の凹み18
を形成してもよい。凹み18の側壁は、凹部9の側壁9
aと同様に裏面に向かって暫時幅が拡がるように、鉛直
線に対して傾斜させて形成することが望ましい。この場
合にあっては、靴使用者が足を踏み出して踵が接地して
踵部5cが弾性変形するときに、凹み18が中底4に完
全に密着することなく拡がるように変形するため、衝撃
をより緩衝することができる。そして、空間部13の容
積の収縮による通気に加えて、切り欠き15により靴1
の胛被2の内壁と中底4と中敷5との間に形成された空
隙16内の空気が凹み18を介してつま先部5cに通気
されるため、通気の効率がより向上することとなる。
【0058】次に、本発明に係る靴の一実施の形態を図
8および図9に基づいて説明する。なお、上述した靴の
中敷に係る発明の実施の形態と同様の部分については同
じ符号を付し、その説明を省略する。
【0059】本発明に係る靴21は、概略、靴底23上
に設けられる中底25が、弾性を有する合成樹脂からな
り、土踏まず相当部25bから踵部25cの後端に向か
って厚みを次第に増して形成され、土踏まず相当部25
bから踵部25cにわたる裏面に凹部9が形成され、凹
部9と足裏が接する上面とを連通する通気部10が設け
られ、つま先部25aに通気部11が設けられ、前記凹
部9内の空気を前記通気部11が設けられたつま先部2
5cの上面へと通気可能とする手段が設けられ、前記凹
部9の側壁9aを鉛直線に対して傾斜するように形成し
たものである。なお、この実施の形態における靴21
は、使用者の足裏に密着するように、中底25の土踏ま
ず相当部25bの幅が狭く形成され、胛被2が足裏の土
踏まずを包むように構成されている。
【0060】中底25は、例えば、弾性を有する合成樹
脂の内部に微細径気泡を有するEVA等からなる成形体
6と、この成形体6の上面の全面に亘って貼着された通
気性を有する表皮7とから構成されている。中底25
は、土踏まず相当部25bから踵部25cの後端に向か
って徐々に厚みを増し、踵高となるように傾斜面8が形
成され、土踏まず相当部5bと踵部5cとにわたる傾斜
面8の裏面には、靴の長手方向に延びる凹部9が設けら
れ、凹部9と傾斜面8とにわたって貫通する通気孔10
が形成されている。
【0061】中底25のつま先部25aには、上面と裏
面とを貫通する通気孔11が設けられ、凹部9と通気孔
11との間には線条状の溝12が形成されている。中底
25を靴底23の上面に設けると、靴底23の上面によ
って凹部9が空間部13を形成し、また、溝12が空気
の通路14を構成することとなる。空間部13は、通気
孔10、および空気の通路14を介して連通された通気
孔11によって、靴21の内部と通気可能となる。さら
に、中底25裏面の凹部9と踵部後端の切り欠き15の
縁との間には、緩衝部として、凹部9よりも浅い溝状の
凹み18が形成されている。
【0062】このように構成された靴21を使用して歩
行する際には、靴使用者が足を踏み出して最初に踵が接
地したときに、靴使用者の荷重とその反力による衝撃
で、中底25の実質的につま先部5aよりも厚く形成さ
れた成形体6の踵部25cが厚さ方向に弾性変形すると
共に、凹み18が靴底23に完全に密着することなく拡
がるように変形するため、衝撃を効率よく緩衝すること
ができる。そして、凹部9の側壁9aを、中底裏面開口
部の幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広く
なるように鉛直線に対して傾斜させて形成したことによ
り(図3参照)、踵部5cが衝撃を受けると、凹部9の
開口部が容易に拡がるように変形するため(図5参
照)、たとえばEVAにより成形された成形体9自体の
硬度を軟化させることなく、靴使用者の体重を支持し得
る適度な固さを維持しつつ、空間部13の容積を容易に
収縮させることができる。このとき、凹部9の通気孔1
0が靴使用者の足裏の踵により塞がれた状態となってい
るため、空間部13内の空気は、溝12および靴底23
の上面によって形成された空気の通路14、つま先部5
aの通気孔11を介してつま先部5aの上面へと効率よ
く通気される。
【0063】また、空隙16が形成されることによっ
て、使用者の歩行による荷重を受けた際に、中底25の
踵部25cが弾性変形するときに空隙16に膨出するた
め、弾性変形を妨げられることなく、かつ、凹み18を
形成しない場合であっても空隙16内の空気が圧縮され
るために、衝撃の緩衝作用が優れている。また、切り欠
き15を形成することによって、足裏が接する傾斜面8
の幅よりも靴底23に接する幅が狭くなるため、使用者
の体重が分散されることなく靴に集中し、歩行を楽に行
うことがでる。
【0064】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る靴の中敷によれ
ば、土踏まず相当部から踵部が後端に向かって踵高とな
るように厚みを次第に増して形成したことにより、完成
品の靴に挿入して中底上に敷いて使用した際に、つま先
よりも踵の位置が高くなるように前傾斜面が形成される
ため、使用者に背筋を伸ばすような姿勢を取らせること
ができる。また、体全体が前傾するので、重心が前方に
移動し、特に身体障害者の歩行の際に前進方向に足の運
びを促すこととなり、歩行を補助することができ、疲労
を少なくすることができる。使用者が歩行する際に、踏
み出した足の踵が接地するときには、踏み出した足の踵
が最初に接地することにより荷重が最大となって衝撃が
発生するが、厚く形成された弾性を有する合成樹脂から
なる中敷の踵部が厚さ方向に弾性変形することにより、
この衝撃を緩衝することができる。このとき、足裏によ
り凹部の通気部が塞がれた状態で荷重を受けるため、凹
部の容積が収縮してその内部の空気をつま先部の通気部
を介して上面に送ることができる。凹部の側壁を鉛直線
に対して傾斜するように形成したことにより、凹部が形
成された踵部が容易に変形することとなり、したがっ
て、中敷の硬度を軟化させることなく、靴使用者の体重
を支持し得る適度な固さを維持することができ、しかも
凹部の容積が収縮することによる空気のつま先部の上面
への送り効率を向上させることができる。
【0065】本発明の請求項2に係る靴の中敷によれ
ば、凹部の側壁の鉛直線に対する傾斜を、裏面開口部の
幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなる
ように形成したことにより、荷重を受けた際に凹部の容
積が収縮しやすくなるため、空気のつま先部の上面への
送り効率をより向上させることができる。
【0066】本発明の請求項3に係る靴の中敷によれ
ば、凹部と踵部後端縁との間に緩衝部を形成することに
より、使用者が歩行する際に足を踏み出して踵が接地し
たときに、踵部の弾性変形に加えて衝撃をさらに効率的
に緩衝することができる。
【0067】本発明の請求項4に係る靴の中敷によれ
ば、靴の中底上に敷かれることにより、裏面に形成され
た溝が靴の中底との間で空気の通路を構成するため、簡
単な構造で凹部内の空気をつま先部の上面に通気させる
ことができる。
【0068】本発明の請求項5に係る靴の中敷によれ
ば、靴の中底上に敷かれることにより、靴の内周壁およ
び靴底との間に空隙が形成されるため、足からの荷重を
受けた際に、中敷の踵部の厚さ方向の弾性変形を阻害す
ることがなく、空隙内の空気が圧縮されることによって
衝撃を緩衝することになり、踵、膝、腰等を保護するこ
とができ、しかも、足裏の接する面積よりも中敷の中底
に接する面積が小さくなるため、使用者の体重を分散さ
せることなく集中させることができ、歩行を楽に行うこ
とができて疲れにくい。
【0069】本発明の請求項6に係る靴の中敷によれ
ば、土踏まず相当部にエグリ部を形成したことにより、
市販されている完成品の靴に挿入して使用した際に、中
敷の土踏まず相当部がその靴の内壁に重合することなく
適合して内部構造に不要な膨らみを形成することがな
く、したがって、使用者の足裏の土踏まずを圧迫するこ
とがない。
【0070】本発明の請求項7に係る靴の中敷によれ
ば、材料となる合成樹脂をエチレン酢酸ビニルコポリマ
−とすることにより、適度な硬度の中敷が所望する形状
に容易に成形することができる。
【0071】本発明の請求項8に係る靴の中敷によれ
ば、材料としての合成樹脂の硬度をゴム硬度45〜85
度の範囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得
る適度な固さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力
に優れると共に、つま先部の上面に通気させるための凹
部の容積の適切な収縮を得ることができる。
【0072】本発明の請求項9に係る靴の中敷によれ
ば、つま先部と踵部との上面の実施的な高さの差を15
〜35mmとすることにより、使用者が背筋を伸ばすよ
うな姿勢をとると共に体全体を前傾させて歩行の補助に
適した踵の高さとすることができる。
【0073】本発明の請求項10に係る靴によれば、土
踏まず相当部から踵部が後端に向かって踵高となるよう
に厚みを次第に増して形成したことにより、つま先より
も踵の位置が高くなるように前傾斜面が靴の中底に形成
されるため、使用者に背筋を伸ばすような姿勢をとらせ
ることができる。また、体全体が前傾することになり、
その重心が前方に移動することとなり、特に身体障害者
の歩行の際に前進方向に足の運びを促すこととなり、歩
行を補助することができる。使用者が歩行する際に、踏
み出した足の踵が接地するときには、厚く形成された弾
性を有する合成樹脂からなる中底の踵部が厚さ方向に弾
性変形することにより、この衝撃を緩衝することができ
る。このとき、足裏により凹部の通気部が塞がれた状態
で荷重を受け凹部の容積が収縮するため、その内部の空
気をつま先部の通気部を介して上面に送ることができ
る。凹部の側壁を鉛直線に対して傾斜するように形成し
たことにより、凹部が形成された踵部を容易に変形させ
ることができ、したがって、中底の硬度を軟化させるこ
となく、靴使用者の体重を支持し得る適度な固さを維持
することができ、しかも凹部の容積が収縮することによ
る空気のつま先部の上面への送り効率を向上させること
ができる。
【0074】本発明の請求項11に係る靴によれば、凹
部の側壁の鉛直線に対する傾斜を、裏面開口部の幅方向
の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように
形成したことにより、荷重を受けた際に裏面開口部が拡
がるように変形するため、凹部の容積が収縮しやすくな
り、空気のつま先部の上面への送り効率をより向上させ
ることができる。
【0075】本発明の請求項12に係る靴によれば、凹
部と踵部後端縁との間に緩衝部を形成したことにより、
使用者が歩行する際に足を踏み出して踵が接地したとき
に発生する踵部の衝撃をさらに効率的に緩衝することが
できる。
【0076】本発明の請求項13に係る靴によれば、靴
の製造工程において靴底の上面に中底を設けることによ
り、中底の裏面に形成された溝が靴底との間で空気の通
路を構成するため、簡単な構造で凹部内の空気をつま先
部の上面に通気させることができる。
【0077】本発明の請求項14に係る靴によれば、靴
の製造工程において靴底の上面に中底を設けることによ
り、靴の内周壁および靴底との間に空隙を形成されるた
め、足からの荷重を受けた際に、中底の踵部の厚さ方向
の弾性変形を阻害することがなく、空隙内の空気が圧縮
されることによって衝撃を緩衝することになり、踵、
膝、腰等を保護することができ、しかも、足裏の接する
面積よりも靴の中底の靴底に接する面積が小さくなるた
め、使用者の体重を分散させることなく集中させること
ができ、歩行を楽に行うことができて疲れにくい。
【0078】本発明の請求項15に係る靴によれば、中
底の材料となる合成樹脂をエチレン酢酸ビニルコポリマ
−とすることにより、適度な硬度の中底を所望する形状
に容易に成形することができる。
【0079】本発明の請求項16に係る靴によれば、中
底の材料としての合成樹脂の硬度をゴム硬度45〜85
度の範囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得
る適度な固さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力
に優れると共に、つま先部の上面に通気させるための凹
部の容積の適切な収縮を得ることができる。
【0080】本発明の請求項17に係る靴によれば、中
底のつま先部と踵部との上面の実施的な高さの差を15
〜35mmとすることにより、使用者が背筋を伸ばすよ
うな姿勢をとると共に体全体を前傾させて歩行の補助と
なるために適した踵の高さとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靴の中敷の長手方向縦断側面図で
ある。
【図2】本発明に係る靴の中敷の裏面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】図3の状態から荷重を受けて弾性変形した状態
を示す断面図である。
【図6】本発明に係る靴の中敷の別の実施の形態を示す
裏面図である。
【図7】図6に示した靴の中敷の長手方向縦断側面図で
ある。
【図8】本発明に係る靴の長手方向縦断側面図である。
【図9】図8に示した靴の中底の裏面図である。
【符号の説明】
1 靴 3 靴底 4 中底 5 中敷 5a つま先部 5b 土踏まず相当部 5c 踵部 8 傾斜面 9 凹部 9a 側壁 10、11 通気孔 12 溝 13 空間部 14 空気の通路 15 切り欠き 16 空隙 17 エグリ部 18 凹み(緩衝部) 21 靴 23 靴底 25 中底 25a つま先部 25b 土踏まず相当部 25c 踵部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性を有する合成樹脂からなり、土踏ま
    ず相当部から踵部の後端に向かって厚みを次第に増して
    形成され、土踏まず相当部から踵部にわたる裏面に凹部
    が形成され、凹部と足裏が接する上面とを連通する通気
    部が設けられ、つま先部に通気部が設けられ、前記凹部
    内の空気を前記通気部が設けられたつま先部の上面へと
    通気可能とする手段が設けられ、前記凹部の側壁が鉛直
    線に対して傾斜するように形成されていることを特徴と
    する靴の中敷。
  2. 【請求項2】 前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部の
    幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなる
    ように形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の靴の中敷。
  3. 【請求項3】 前記凹部と踵部後端縁との間に緩衝部が
    形成されていることを特徴とする請求項1または2のい
    ずれかに記載の靴の中敷。
  4. 【請求項4】 前記凹部内の空気を前記通気部が設けら
    れたつま先部の上面へと通気可能とする手段は、前記凹
    部と前記つま先部の通気部とにわたって裏面に形成され
    た溝であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の靴の中敷。
  5. 【請求項5】 少なくとも踵部の裏面周縁に、靴の内周
    壁との間に空隙を構成する切欠きが形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の靴の中
    敷。
  6. 【請求項6】 土踏まず相当部の裏面にエグリ部が形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の靴の中敷。
  7. 【請求項7】 合成樹脂がエチレン酢酸ビニルコポリマ
    −であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の靴の中敷。
  8. 【請求項8】 合成樹脂の硬度がゴム硬度45〜85度
    であることを特徴とする請求項7に記載の靴の中敷。
  9. 【請求項9】 つま先部と踵部との上面の実施的な高さ
    の差が15〜35mmであることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれかに記載の靴の中敷。
  10. 【請求項10】 靴底上に設けられる中底が、弾性を有
    する合成樹脂からなり、土踏まず相当部から踵部の後端
    に向かって厚みを次第に増して形成され、土踏まず相当
    部から踵部にわたる裏面に凹部が形成され、凹部と足裏
    が接する上面とを連通する通気部が設けられ、つま先部
    に通気部が設けられ、前記凹部内の空気を前記通気部が
    設けられたつま先部の上面へと通気可能とする手段が設
    けられ、前記凹部の側壁が鉛直線に対して傾斜するよう
    に形成されていることを特徴とする靴。
  11. 【請求項11】 前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部
    の左右方向の間隔が上部底面の左右方向の間隔よりも広
    く形成されていることを特徴とする請求項10に記載の
    靴。
  12. 【請求項12】 前記凹部と踵部後端縁との間に緩衝部
    が形成されていることを特徴とする請求項10または1
    1のいずれかに記載の靴。
  13. 【請求項13】 中底のつま先部に通気部を設け、該通
    気部と凹部とにわたる溝が裏面に形成されたことを特徴
    とする請求項10乃至12のいずれかのいずれかに記載
    の靴。
  14. 【請求項14】 中底の少なくとも踵部の裏面周縁に、
    靴の内周壁との間に空隙を構成する切欠きが形成されて
    いることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに
    記載の靴。
  15. 【請求項15】 中底の合成樹脂がエチレン酢酸ビニル
    コポリマ−であることを特徴とする請求項10乃至14
    のいずれかに記載の靴。
  16. 【請求項16】 中底の合成樹脂の硬度がゴム硬度45
    〜85度であることを特徴とする請求項15に記載の
    靴。
  17. 【請求項17】 中底のつま先部と踵部との上面の実施
    的な高さの差が15〜35mmであることを特徴とする
    請求項10乃至16のいずれかに記載の靴。
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