JPH10119067A - 防眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムの製造方法 - Google Patents

防眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムの製造方法

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JPH10119067A
JPH10119067A JP29794696A JP29794696A JPH10119067A JP H10119067 A JPH10119067 A JP H10119067A JP 29794696 A JP29794696 A JP 29794696A JP 29794696 A JP29794696 A JP 29794696A JP H10119067 A JPH10119067 A JP H10119067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光板の保護膜等として使用されるトリアセ
チルセルロースフィルムに、耐熱性の優れた防眩性を持
たせたる。 【解決手段】 溶媒中にトリアセチルセルロースを溶解
したドープを、支持体上に流延し、溶媒が蒸発固化して
得られたフィルムを支持体から剥離する、溶液流延法で
製造する際に、ドープを流延する支持体面を凹凸面とし
て、成膜されるフィルム面に凹凸を成膜と同時に形成し
て、その表面粗さが十点平均粗さRzで0.3〜10μ
mの範囲の、防眩性を有するトリアセチルセルロースフ
ィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
などに用いられる偏光板の保護フィルムの製造方法に関
する。特に、防眩性能を有するトリアセチルセルロース
からなる保護フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光板を用いる液晶ディスプレイ等が各
種用途で使用されているが、偏光板には、その表面反射
光で表示が見づらくならない様に防眩性を備えることが
好ましい。そこで、従来は、表面をマット状等とした防
眩性フィルムを、更に偏光板上に積層、或いは貼り合わ
せる等していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、偏光板は、
一般に、ヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアル
コールフィルム等からなる偏光フィルムの表裏両側を、
透明な樹脂層で積層した構成である。そして、透明な樹
脂層としては、トリアセチルセルロースフィルムの保護
フィルムが良く使われる。従って、偏光板の上に、更に
表面マットの防眩性フィルムを使用することなく、偏光
板の構成材料である、トリアセチルセルロースフィルム
自身の表面をマット状としたものを用いれば、別途、防
眩性フィルムを用いる必要は無くなるはずである。しか
しながら、トリアセチルセルロースフィルムは、ジアセ
チルセルロースフィルム等にくらべて、融点が高く耐熱
性に優れる反面、熱エンボス加工によりフィルム表面を
マット状に加工できたとしても、高温環境下で表面の凹
凸形状が鈍り、防眩性が低下するものしか得られなかっ
た。また、シリカ等の充填剤を含有させた樹脂塗液を塗
工して、表面をマット状にする方法もあるが、塗工工程
が新たに必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、溶媒に
トリアセチルセルロースを溶解したドープ(溶液)を、
支持体上に流延し、溶媒が蒸発固化して得られたフィル
ムを支持体から剥離する、いわゆる溶液流延法によるト
リアセチルセルロースフィルムの製造方法において、ド
ープが流延される支持体面を凹凸面として、その凹凸面
により、成膜されるフィルム面に凹凸を成膜と同時に形
成し、表面粗さが十点平均粗さRzで0.3μm≦Rz
≦10μmの凹凸面をフィルム片面に有する、防眩性を
有するトリアセチルセルロースフィルムを製造する様に
した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の防眩性を有するト
リアセチルセルロースの製造方法を、図面を参照しなが
ら詳述する。先ず、図1は本発明による製造方法の一形
態を示す概念図、図2は本発明の製造方法で得られる防
眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムの一形態
を示す断面図、図3は本発明の製造方法の他の形態とし
て、耐擦傷性を向上させる為に、凹凸面上に更に硬化膜
を設ける方法で得られる、防眩性を有するトリアセチル
セルロースフィルムの断面図である。
【0006】本発明では、図2に示す如く、トリアセチ
ルセルロースフィルム10自身が、所望の粗さの凹凸面
1を片面に有する。凹凸面1の表面粗さは、十点平均粗
さRzで、0.3μm≦Rz≦10μmの範囲とするこ
とが好ましい。十点平均粗さRzが0.3μm未満の表
面粗さでは、平面に近くなりすぎて充分な防眩性能が得
られず、逆に、十点平均粗さRzが10μmを越える表
面粗さでは、防眩性能は得られるが、ヘイズ値が高くな
り、偏光板とした際にディスプレイの画質を低下させて
しまい好ましくない。なお、偏光フィルムを保護する為
の、防眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムの
厚さは、用途により適宜選択されるが、通常は10〜5
00μm、好ましくは20〜200μm程度である。
【0007】そして、本発明の製造方法では、トリアセ
チルセルロースフィルム表面に形成する所望の粗さの表
面凹凸は、溶液流延法でドープを流延する支持体面を凹
凸面とし、成膜と同時に形成してしまう。ところで、溶
液流延法には、従来より、ドープを流延する支持体とし
て回転するエンドレスベルト(成膜バンド)を用いるベ
ルト方式と、支持体として回転するドラムを用いるドラ
ム方式があるが、本発明ではどちらの方式でも構わな
い。どちらの方式でも、支持体表面を凹凸面とすること
で、成膜して得るトリアセチルセルロースフィルム表面
に凹凸面を形成することができる。図1は、このうち、
ベルト方式の溶液流延法による製造方法を示す概念図で
ある。同図に示すベルト方式で、本発明の製造方法を説
明すれば、溶媒にトリアセチルセルロースを溶解したド
ープ(溶液)が、流延ダイ3から、回転ドラム4によっ
て回転するエンドレスベルトである支持体5の凹凸面6
上に流延され、支持体4上で溶媒の一部が蒸発し固化し
て得られたフィルム7が、剥離ロール8で剥離されて、
乾燥室9で更に残りの溶媒が乾燥されて、所望の凹凸を
片面に有する防眩性を有するトリアセチルセルロースフ
ィルムとなる。なお、支持体表面は、ケミカルエッチン
グ法、フロスト加工法、サンドブラスト法等により凹凸
面とする。
【0008】支持体5上に流延するドープは、溶媒にト
リアセチルセルロースを溶解した溶液であるが、この溶
媒としては、メチレンクロライド等の低級脂肪族炭化水
素塩化物の他、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、n−ブチルアルコール等の低級脂肪族アル
コール、シクロヘキサノン、ジオキサン、トルエン、酢
酸エチル、メチルセロソルブ等が適宜用いられる。メチ
レンクロライドはトリアセチルセルロースに対する良溶
媒であるが、良溶媒と共に、上記低級脂肪族アルコール
等の貧溶媒を適宜用いることで、支持体上に流延したド
ープが冷却された時に、固化を促進することができる。
【0009】また、ドープには、乾燥後にフィルム中に
含有される成分として、適宜、可塑剤、剥離促進剤、紫
外線吸収剤等の添加剤を加えることができる。可塑剤と
しては、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフ
ェート等のリン酸エステル系可塑剤、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑
剤、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリ
ルエチルグリコレート等のグリコール酸エステル系可塑
剤、或いは高分子可塑剤等を用いることができる。剥離
促進剤は、ドープが固化して得られるフィルムを支持体
から剥離し易くするものであり、例えば金属せっけん等
が用いられる。また、紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
或いは、紫外線吸収ポリマー等を適宜使用する。
【0010】なお、トリアセチルセルロース(三酢酸セ
ルロース)とは、1セルロース単位当たり3個有する水
酸基のうちの、約3個がアセチル基に置換されたもので
あるが、3個の水酸基の全てが置換された酢化度62.
5%のものから、酢化度56%程度のものまでが通常使
用される。
【0011】そして、上記製造方法によって得られた防
眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムは耐熱性
に優れ、100℃500時間の耐熱試験においても、そ
の表面凹凸の凹凸形状が変化せず、従って、防眩性能も
低下しない、優れた耐熱性を示す。
【0012】以上の様な本発明の製造方法によって、防
眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムが得られ
るが、フィルムの凹凸面の耐擦傷性を向上させる為に、
図3に例示する防眩性を有するトリアセチルセルロース
フィルム10aの如く、該凹凸面1上に更に、熱硬化性
樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を、グラビアコート、ロ
ールコート、リバースロールコート等の従来公知の塗工
法により塗工し、硬化させて、硬化膜2を設けても良
い。硬化膜の厚みは、下地面の凹凸が埋没し防眩性能が
消失しない程度とし、下地の表面粗さにもよるが、通常
3〜10μm程度とする。
【0013】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリ
ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリルメラ
ミン等を用いることができる。また、上記書記電離放射
線硬化性樹脂としては、紫外線または電子線等の電離放
射線で硬化する、従来公知の電離放射線硬化性樹脂を用
いることができる。具体的には、分子中にラジカル重合
性不飽和基又はカチオン重合性官能基を有するプレポリ
マー(オリゴマーも含む)やモノマー等の化合物からな
る組成物が用いられる。また、ポリエンとポリチオール
との組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリ
マーも用いられる。なお、電離放射線とは、電磁波又は
荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネル
ギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)
又は電子線(EB)が用いられる。ラジカル重合性不飽
和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート等が使用できる〔なお、(メタ)アク
リレートとはアクリレート又はメタクリレートの意味で
ある〕。また、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマ
ーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーや、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多
官能モノマーが用いられる。多官能モノマーの配合は、
硬化膜の耐擦傷性向上に効果的である。また、カチオン
重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、
ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、
芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプ
レポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、ト
リメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエ
リスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール
が挙げられ、ポリエンは、ジオールとジイソシアネート
によるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加し
たもの等が挙げられる。
【0014】なお、電離放射線硬化性樹脂を紫外線で硬
化させる場合には、さらに光重合開始剤を添加する。光
重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する
樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル類を単独又は混合使用することができる。ま
た、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合の光重
合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合使
用することができる。なお、これら光重合開始剤の添加
量は、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、
0.1〜10重量部程度である。
【0015】また、上記電離放射線硬化性樹脂は、更に
必要に応じて、各種添加剤を添加することもできる。添
加剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹
脂等の熱可塑性樹脂、シリカ、アルミナ等の微粉末から
なる体質顔料等である。また、希釈溶剤を適宜添加する
こともある。
【0016】また、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀
灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライト、メ
タルハライドランプ等の光源が使用できる。また、電子
線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラ
フ型、共振変圧型、絶縁コア変圧型、直線型、ダイナミ
トロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、10
0〜1000keV、好ましくは100〜300keV
程度のエネルギーの電子線を照射するものが使用でき
る。
【0017】
【実施例】
(実施例1)トリアセチルセルロース、トリフェニルホ
スフェート、メチレンクロライド、メタノール、n−ブ
タノールからなるドープを、表面を凹凸面としたエンド
レスベルト上に、流延した。エンドレスベルト上で溶媒
成分を蒸発させ、固化させて、フィルムとした後、剥離
し、更に乾燥室で残りの溶媒成分を蒸発乾燥させること
により、本発明の防眩性を有するトリアセチルセルロー
スフィルムを得た。得られたフィルムの表面粗さは、十
点平均粗さRzで3μmであり、防眩性を60°の鏡面
光沢度(JIS Z 8741)によって評価したとこ
ろ、鏡面光沢度Gs(60°) =23%と、優れた防眩性
を示した。
【0018】(実施例2)実施例1で得た、トリアセチ
ルセルロースフィルムの凹凸面上に、更に、ポリエステ
ルアクリレート系紫外線硬化型樹脂を塗工し、紫外線照
射により硬化させて、三次元架橋した厚さ3μmの硬化
膜を形成することで、本発明の防眩性を有するトリアセ
チルセルロースフィルムを得た。得られたフィルムの表
面粗さは、十点平均粗さRzで2μmであり、防眩性を
実施例1同様に60°の鏡面光沢度によって評価したと
ころ、鏡面光沢度Gs(60°) =47%と、優れた防眩
性を示した。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、防眩性を有するトリア
セチルセルロースフィルムが、フィルム成膜後の後処理
等を必要とせずに、フィルムの成膜と同時に、フィルム
面の表面凹凸として、容易に得ることができる。また、
表面凹凸の凹凸形状は、熱プレス等の熱・機械的な外部
応力によって形成されたものでは無い為に、残留応力に
よる戻りが本質的に発生せず、従って耐熱性に優れ、高
温環境下でも凹凸形状が鈍らず、防眩性の低下が起きな
い。また、凹凸表面に熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化
性樹脂による硬化膜を設けた構成のフィルムとすれば、
凹凸面の耐擦傷性が向上し、長期使用時での防眩性の低
下を防ぎ、また、傷付によって、表示が見辛くなること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防眩性を有するトリアセチルセルロー
スフィルムの製造方法の一形態を示す概念図。
【図2】本発明の製造方法で得られる、防眩性を有する
トリアセチルセルロースフィルムの一形態を示す断面
図。
【図3】本発明の製造方法の他の形態で得られる、防眩
性を有するトリアセチルセルロースフィルムの他の形態
(硬化膜付)を示す断面図。
【符号の説明】
1 フィルムの凹凸面 2 硬化膜 3 流延ダイ 4 回転ドラム 5 支持体(エンドレスベルト) 6 支持体の凹凸面 7 フィルム 8 剥離ロール 9 乾燥室 10、10a 防眩性を有するトリアセチルセルロース
フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒にトリアセチルセルロースを溶解し
    たドープを、支持体上に流延し、溶媒が蒸発し固化して
    得られたフィルムを支持体から剥離する、トリアセチル
    セルロースフィルムの製造方法において、 ドープが流延される支持体面を凹凸面として、表面粗さ
    が十点平均粗さRzで0.3μm≦Rz≦10μmの凹
    凸面を片面に持つフィルムを製造する、防眩性を有する
    トリアセチルセルロースフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られたフィルムの凹凸面
    に、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を塗工し、
    硬化させて硬化膜を設ける、防眩性を有するトリアセチ
    ルセルロースフィルムの製造方法。
JP29794696A 1996-10-22 1996-10-22 防眩性を有するトリアセチルセルロースフィルムの製造方法 Pending JPH10119067A (ja)

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