JPH10119079A - 繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法及び軽量成形品 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法及び軽量成形品

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JPH10119079A
JPH10119079A JP8282215A JP28221596A JPH10119079A JP H10119079 A JPH10119079 A JP H10119079A JP 8282215 A JP8282215 A JP 8282215A JP 28221596 A JP28221596 A JP 28221596A JP H10119079 A JPH10119079 A JP H10119079A
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thermoplastic resin
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隆義 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面特性、強度、剛性に優れた、軽量の成形
品を発泡剤を多量に用いる必要もなく製造する方法及び
軽量成形品の提供 【解決手段】 ペレット中の繊維の長さが2〜100m
mである繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)、又は該
ペレット(A)と熱可塑性樹脂の混合物を成形原料と
し、該成形原料中の繊維含有量が5〜80重量%である
もの、又はこれら100重量部に対し、発泡剤を0.01
〜5重量部配合したものを溶融混練し、最終の成形品に
相等する金型容積よりも小さくなるように閉じた金型中
に溶融樹脂を射出し、樹脂の射出完了前若しくは完了後
に金型を最終成形品の容積まで開くことにより繊維強化
熱可塑性樹脂軽量成形品を製造する。また、かかる製造
方法により得られた繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化熱可塑性
樹脂軽量成形品の製造法及び軽量成形品に関し、詳しく
は特定の繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用いた射出成
形により、軽量で、良好な表面状態を有し、高強度、高
剛性である繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法及
び軽量成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】引張強度、剛性、耐熱性を向上させる目
的のため、樹脂に種々の繊維を配合することが広く行わ
れているが、繊維の配合量を増やした場合、高強度化は
達成されるものの、成形品の比重が高くなるという欠点
があった。一方、軽量な成形体を得る方法としては、成
形時に発泡剤を用いる発泡射出成形方法が知られている
(特開平7−247679号公報等)が、この場合、軽
量化を達成するためにはかなりの量の発泡剤を用いなけ
ればならないし、また発泡剤を多く用いたとしても発泡
倍率を高くすることもそれほど容易ではなく、十分な軽
量化がなされない。さらには、不均一な発泡のために成
形品表面外観が劣ったり、内部に大中空部が生じたりし
て、強度、剛性の点で満足のいく成形品を得ることがで
きなかった。
【0003】また、樹脂に繊維を配合しつつ、かつ発泡
剤を用いて射出成形を行う場合でも上記と同様に、射出
成形時、十分な発泡が得られなかったり、成形品表面に
シルバーマークのような不良現象が発生したり、強度の
点で問題が多く、実用化には至っていないのが現状であ
る。これらの現状に鑑み、先に本発明者らは、ガラス繊
維で強化した成形原料を用い、成形法として、最終の成
形品に相当する金型容積よりも小さくなるように閉じた
金型中に溶融樹脂を射出し、樹脂の射出完了前若しくは
完了後に金型を最終成形品の容積まで開く方法を採るこ
とにより、製品の剛性や耐衝撃性等の強度も大きく、か
つ外観も良好で軽量化が達成されたガラス繊維強化熱可
塑性樹脂軽量成形品の製造法を提案した(特願平8−2
77920号)。
【0004】しかし、かかる方法においては、成形品の
軽量化が達成され、表面状態も良好で、かつ剛性等の強
度も満足のいくものが得られたものの、繊維としてガラ
ス繊維を用いているため成形時に折れやすく、製品の強
度が失われるというおそれもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維長の長
い特定の繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを用いて表面外
観、強度、剛性に優れた、軽量の成形品を発泡剤を多量
に用いる必要もなく製造する方法及び軽量成形品の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軽量化と
強度を満足する繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品を射出
成形によって得るべく、鋭意検討した結果、特定の成形
原料と成形法の組み合わせにより、上記目的が達成され
るのみならず、表面外観にも優れた軽量成形品が得られ
ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成
したものである。
【0007】すなわち、本発明は、ペレット中の繊維の
長さが2〜100mmである繊維含有熱可塑性樹脂ペレ
ット(A)、又は該ペレット(A)と熱可塑性樹脂の混
合物を成形原料とし、該成形原料中の繊維含有量が5〜
80重量%であるものを溶融混練し、最終の成形品に相
等する金型容積よりも小さくなるように閉じた金型中に
溶融樹脂を射出し、樹脂の射出完了前若しくは完了後に
金型を最終成形品の容積まで開くことを特徴とする繊維
強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法(1)を提供する
ものであり、ペレット中の繊維の長さが2〜100mm
である繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)、又は該ペ
レット(A)と熱可塑性樹脂の混合物を成形原料とし、
該成形原料中の繊維含有量が5〜80重量%であるもの
100重量部に対し、発泡剤を0.01〜5重量部配合し
たものを溶融混練し、上記製造法(1)と同様にして行
う繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法(2)を提
供するものであり、さらには、繊維の含有量が5〜80
重量%で、空隙率が30〜80%であり表面に空隙をも
たないスキン層を有することを特徴とする繊維強化熱可
塑性樹脂軽量成形品を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 1.繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A) 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法にお
いては、繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)が成形原
料として用いられる。 (1) 熱可塑性樹脂 ここで用いられる熱可塑性樹脂については特に制限はな
く、例えばポリオレフィン系樹脂,ポリスチレン系樹
脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂,ポリアセタール系樹脂,ポリカーボネー
ト系樹脂,ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹
脂,ポリ芳香族エステル系樹脂,ポリスルホン系樹脂,
アクリレート系樹脂などが挙げられる。
【0009】ここでポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル
ペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体やこれ
らの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽
和単量体との共重合体などが挙げられる。また、スチレ
ン系樹脂としては、例えば、スチレン,α−メチルスチ
レンなどの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこ
れらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が挙げら
れる。代表例としては、ポリスチレン,シンジオタクチ
ックポリスチレン,アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS),アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(AS)などが挙げられる。
【0010】ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、
塩化ビニル単独重合体や塩化ビニルと共重合可能な不飽
和単量体との共重合体などが挙げられる。ポリアミド系
樹脂としては、例えば、6−ナイロン、12−ナイロ
ン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12
−ナイロン、11−ナイロンなどを挙げることができ
る。
【0011】ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
トなどがある。ポリアセタール系樹脂としては、例え
ば、単独重合体のポリオキシメチレン及びトリオキサン
とエチレンオキシドから得られるホルムアルデヒド−エ
チレンオキシド共重合体などが挙げられる。
【0012】ポリカーボネート系樹脂としては、4,
4’−ジヒドロキシジアリールアルカン系ポリカーボネ
ート、特にビスフェノールA系ポリカーボネートが好ま
しく用いられる。また、変性ビスフェノールA系ポリカ
ーボネートや難燃化ビスフェノールA系ポリカーボネー
トなども用いることができる。ポリ芳香族エーテル又は
チオエーテル系樹脂は、例えば、ポリフェニレンエーテ
ル,スチレンでグラフト化されたポリフェニレンエーテ
ル,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンサル
ファイドなどが挙げられる。
【0013】ポリ芳香族エステル系樹脂としては、例え
ば、ポリアリレートなどが挙げられる。ポリスルホン系
樹脂は、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリールスルホンなどを挙げることができる。
アクリレート系樹脂としては、例えば、メタクリル酸エ
ステル重合体やアクリル酸エステル重合体などが挙げら
れる。
【0014】本発明においては、上記熱可塑性樹脂は単
独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、上記の熱可塑性樹脂の中ではポリプロピレン
系樹脂が好ましい。また、不飽和カルボン酸またはその
誘導体で変性された酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有
するポリプロピレン系樹脂も好ましく用いられる。変性
に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,
フマル酸などの不飽和カルボン酸類、無水マレイン酸な
どの酸無水物を挙げることができる。これらの中で、特
に無水マレイン酸が好適である。
【0015】これらの不飽和カルボン酸やその誘導体
は、前記ポリオレフィン系樹脂を変性する場合、一種用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た変性方法については特に制限はなく、従来公知の種々
の方法を用いることができる。 (2) 繊維 本発明に用いる繊維はガラス繊維以外のものであれば特
に問わない。ボロン繊維,炭化ケイ素繊維,アルミナ繊
維,チッ化ケイ素繊維,ジルコニア繊維,ケイ酸カルシ
ウム繊維,ロックウール等のセラミック繊維;酸化マグ
ネシウム繊維,マグネシウムオキシサルフェート繊維,
水酸化マグネシウム繊維,石膏繊維等の無機繊維;銅繊
維,黄銅繊維,鋼繊維,ステンレス繊維,アルミニウム
繊維,アルミニウム合金繊維等の金属繊維;ポリエチレ
ン繊維,ポリプロピレン繊維,アラミド繊維,ポリアリ
レート繊維等の有機繊維;炭素繊維等が挙げられ、好ま
しくは、セラミック繊維,無機繊維,金属繊維,有機繊
維,炭素繊維から選ばれた少なくとも1種であり、2種
以上を併用しても構わない。
【0016】本発明において、繊維としては、その平均
繊維径が20μm以下のものが好ましく用いられる。さ
らに、好ましくは1〜17μm、より好ましくは3〜1
4μmのものである。1μm未満では、ペレット製造時
の樹脂の濡れ、含侵が困難となり、20μmを越えると
溶融混練時の繊維の欠損が起こりやすくなるとともに、
得られた製品の外観が低下する。 (3) 繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)の作製方法 繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)の作製について
は、特に制限されるものではないが、得られたペレット
(A)における繊維の長さが2〜100mm、好ましく
は3〜80mm、より好ましくは5〜50mmであるこ
とが必要である。繊維長が2mm未満では本発明の製造
法を採用しても、十分な膨張が行われないため成形品の
軽量化の達成は困難であり、機械的強度も充分でなく、
反り変形も大きくなる場合がある。また、100mmを
超えると射出成形が困難となるとともに、繊維の分散性
が悪くなり、成形品の表面特性が低下する場合がある。
【0017】ペレット(A)の作製については、例え
ば、以下に述べる方法が好ましく用いられる。 集束された繊維束に熱可塑性樹脂を含浸・付着させる
方法 用いる繊維を集束し、そこへ熱可塑性樹脂を含浸させ、
溶融樹脂の付着した繊維束(ストランド)を引き抜き、
切断することによりペレットを作製する方法であり、例
えば、無機繊維や炭素繊維のように比較的折損し易い繊
維を用いる場合に好ましく採られる方法である。繊維を
適当な収束剤を用いて、好ましくは100〜10000
本の範囲で集束した繊維束が用いられる。
【0018】集束剤としては、例えば、ウレタン系,オ
レフィン系、アクリル系,ブタジエン系,エポキシ系な
どがあり、いずれも用いることができるが、これらの中
でウレタン系、オレフィン系が好ましい。ウレタン系集
束剤は、通常ジイソシアネート化合物と多価アルコール
との重付加反応により得られるポリイソシアネートを5
0重量%以上の割合で含有するものが好ましく用いられ
る。また、オレフィン系としては、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体で変性された変性ポリオレフィン系樹脂
を用いることができる。
【0019】このようにして集束された繊維束に熱可塑
性樹脂を含浸させることによって繊維含有熱可塑性樹脂
ペレット(A)を作製する。繊維束に樹脂を付着、含浸
させる方法としては、例えば、溶融樹脂に繊維束を浸漬
して通す方法,コーティング用ダイに繊維束を通す方
法,ダイを用いて繊維束の周りに溶融樹脂を押し出す方
法などを採用することができる。繊維束中への溶融樹脂
の含浸、濡れ性をさらに向上させるために、ダイ内に凹
凸部を設け、張力下に溶融樹脂の付着した繊維束(スト
ランド)を引き抜き、さらに加圧ロールでプレスする工
程を組み込む引抜成形法も採用することができる。な
お、繊維への熱可塑性樹脂の含浸性、ペレットの製造性
が満足されれば集束剤の使用は必ずしも必要としない。
このようにして得られたストランド状の長繊維含有熱可
塑性樹脂を冷却後、適切な長さのペレットに切断するこ
とにより、繊維が互いに平行に配列され、繊維長とペレ
ット長とが等しい繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)
を得ることができる。ペレットとして(A)を2〜10
0mmの長さに切断したものを用いると、繊維の長さは
ペレット長と等しい2〜100mmとなる。
【0020】熱可塑性樹脂として、例えば、ポリプロピ
レン系樹脂が好ましく用いられるが、その場合、メルト
インデックス(230℃、2.16kgf)が、10〜
1000g/10分の範囲のものが、含侵性、成形性な
どの点で好ましい。なお、前記ペレットとしては、スト
ランド状のものを切断したものに限らず、シート状、テ
ープ状、バンド状に成形したものを繊維長さが実質的に
2〜100mmになるように切断したものであってもよ
い。
【0021】該方法による場合、ペレット(A)中にお
ける繊維含有量が20〜80重量%になるように樹脂と
繊維を配合するのが好ましい。20重量%未満では、ペ
レット作製時連続してストランドを引き出せないおそれ
があり、80重量%を超えると、繊維束中への樹脂の含
浸が悪くなるおそれがある。 バンバリーミキサー等を用いて熱可塑性樹脂と繊維と
を混練する方法 バンバリーミキサー等の中に熱可塑性樹脂と繊維を加
え、加熱することにより樹脂を溶融させ、しかる後に押
出機から押出し、ストランドを切断することによりペレ
ットを作製する方法である。例えば、有機繊維のように
比較的折損しにくい繊維を用いる場合に好ましく採られ
る方法である。
【0022】該方法における繊維の量は、熱可塑性樹脂
と繊維からなる全体に対し5〜80重量%になるように
適宜選べばよい。該方法による場合、(A)中の繊維は
ペレット中において互いに平行に配列しているとは必ず
しも限らない。 2.繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品の製造法は、
前記の繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)単独、ある
いは(A)と熱可塑性樹脂との混合物を成形原料とし、
必要に応じて少量の発泡剤を配合したものを、特定条件
の射出成形により成形する。 (1) 成形原料 繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)については前記の
とおりであるが、繊維含有量は5〜80重量%、好まし
くは5〜60重量%、さらに好ましくは15〜55重量
%であることが必要である。繊維含有量の異なるペレッ
トや繊維長の異なるペレットを必要に応じて混合して用
いることもできる。繊維含有量の異なるペレットを必要
に応じて混合して用いる場合であっても、繊維含有量は
全体に対し5〜80重量%、好ましくは5〜60重量
%、さらに好ましくは15〜55重量%であることが必
要である。
【0023】また、繊維含有熱可塑性樹脂ペレット
(A)と熱可塑性樹脂との混合物を成形原料として用い
る場合、該熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、市
販されている一般グレードのペレット、粒状体、粉体な
どその形状には制限はないが、ペレットを用いることが
好ましい。この場合においても、(A)と熱可塑性樹脂
との混合は制限はないが、(A)と熱可塑性樹脂との混
合物からなる成形原料全体に対し、繊維含有量が5〜8
0重量%、好ましくは5〜60重量%、さら好ましくは
15〜55重量%であることが必要である。5重量%未
満では、製品の剛性や耐衝撃性が不十分になるおそれが
ある。また、80重量%以上では、成形品中に未解繊の
繊維が残ったり、製品の外観が悪くなる場合がある。
【0024】またタルク、マイカ、炭酸カルシウムなど
の強化剤、充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、
顔料、分散剤などを含有していてもよい。さらに、本発
明の軽量成形品の製造法(2)においては、繊維含有熱
可塑性樹脂ペレット(A)100重量部、又は繊維含有
熱可塑性樹脂ペレット(A)及び熱可塑性樹脂からなる
混合物100重量部に対し、発泡剤を0.01〜5重量部
配合した配合物が射出成形に供される。0.01重量部よ
り少ない場合、十分な量のガスが発生せず、金型を後退
させキャビティを拡大したときに、キャビティ内が負圧
状態になり、安定した膨張が行われず、成形品の表面に
うねりが生じ平滑性が悪くなったりするおそれがある。
5重量部を超える場合、キャビティ内にガスが多くなり
すぎ、成形品に空隙部の偏在等が生じ、機械的強度が低
下するおそれがある。発泡剤の種類は特に問わないが、
熱により分解しガスが発生するものであることが必要で
ある。好ましい発泡剤の量は、発泡剤の種類及び成形に
供される原料に含有されている繊維の種類又は量によっ
ても異なるが、一般に、繊維量が30〜80重量%の場
合、成形に供される原料100重量部に対し0.01〜
0.8重量部であり、繊維量が20〜30重量%の場合、
同様に0.05〜1.5重量部であり、繊維量が10〜20
重量%の場合、同様に0.1〜5重量部である範囲から選
ばれる。
【0025】発泡剤としては、具体的には、シュウ酸誘
導体,アゾ化合物,ヒドラジン誘導体,セミカルバジ
ド,アジ化合物,ニトロソ化合物,トリアゾール,尿素
及びその関連化合物,亜硝酸塩,水素化物,炭酸塩及び
重炭酸塩等が用いられる。 (2) 成形方法 成形原料の射出成形法としては、成形機の加熱筒内
に、成形原料を投入し、加熱溶融させた後、繊維等を分
散させ、その後射出成形機の先端に送り込み、プランジ
ャー等で射出する方法、加熱筒内に、成形原料を投入
し、加熱溶融させた後、プランジャー等で射出成形機の
スクリュー部に送り込み、繊維等を分散させた後、射出
する方法、深溝で圧縮比の小さいスクリューを用い、
且つシリンダー温度等を著しく高く保ち、繊維破断を防
止しつつ射出成形機の先端部分に樹脂を送り込み、プラ
ンジャー等で射出成形する方法などがある。ここで、射
出成形方法としては、一般の射出成形方法、射出圧縮成
形方法を含むものである。本発明の製造法は、上記成形
原料を溶融し、最終成形品の容積よりも小さくなるよう
に閉じた金型中に溶融樹脂を射出し、射出完了前若しく
は完了後に金型を目的とする最終成形品の容積まで開く
ことにより行う方法である。
【0026】この場合の最初の金型の閉じ具合、最終の
金型の開き具合は、成形原料の繊維の含有量、繊維長さ
あるいは目的とする成形品の空隙率(成形体の比重)な
どをもとに適宜設定することができる。また、金型を開
くタイミングは金型の温度、成形品表面のスキン層の厚
み、成形品の厚みなどを考慮して適宜決定すればよい。
【0027】さらには、固定金型,可動金型及び可動金
型の移動方向と同方向に独立に前進又は後退しうるよう
に可動金型の内側に配設された動作コアとからなり、キ
ャビティ部が該固定金型,可動金型及び動作コアから形
成され、動作コアを前進又は後退させることによりキャ
ビティ部の容積を可変とし得る金型を用いて、最終の成
形品における端部形成部を除いた部分を拡大することに
より成形をおこなってもよい。即ち、閉じた金型中に溶
融樹脂を射出し、樹脂の射出が完了し閉じた金型内へ樹
脂が充満される直前、又は樹脂が充満し最終の成形品の
端部を形成した後に、キャビティ部分が最終成形品に相
等する状態になるように動作コアを後退させることによ
り成形をおこなってもよい。また、閉じた金型中に溶融
樹脂を射出し、樹脂の射出が完了する前に又は完了と同
時に、金型内に樹脂が充満するように一旦動作コアを前
進させ、樹脂を充満させると同時に又は樹脂を充満させ
最終の成形品の端部を形成した後に、キャビティ部分が
最終成形品に相等する状態になるように動作コアを後退
させてもよい。この方法による場合、低い射出圧力で樹
脂の射出を行うことができるため、射出充填時に生じや
すい繊維の折損や配向を効果的に防ぐことが可能にな
る。金型内に樹脂が充満するように一旦動作コアを前進
させるが、この場合の前進させる距離を、通常、0.1〜
50mmの範囲にするのがよい。特に、成形品表面での
エアーの巻き込みによるフローマーク等の外観不良発生
防止の点から、0.1〜10mmの範囲が好ましく用いら
れる。前進させる速度は、通常、0.5〜30mm/秒の
範囲から適宜選ばれる。
【0028】ここでいう端部とは、最終成形品におい
て、動作コアの後退によって形成される部分以外の部分
をさすのであるが、かかる端部を動作コアの後退に先立
って形成させることにより、動作コアの後退を開始して
もかかる端部の形状はすでに形成されており、動作コア
の後退に何ら影響されることなく、端面外観の良好で金
型形状に忠実な形状をもつ最終成形品が得ることが可能
となる。動作コアを後退させる速度は、用いた樹脂等の
成形原料或いは最終成形品の形状等によっても異なる
が、通常、0.1〜10mm/秒の範囲で選ばれる。さら
には、速度は必ずしも一定にする必要はなく、後退初期
から徐々に速度を速めていってもよい。
【0029】また、動作コアの後退を目的とする最終成
形品に相当する位置で停止させるのではなく、一旦最終
成形品相当容積よりも大きい位置まで後退させ、しかる
後に、最終成形品相当容積にまで動作コアを逆に前進さ
せて圧縮するという方法を採ってもよい。金型に射出す
る樹脂の溶融混練物は、繊維が互いに絡み合った状態で
あることが好ましく、この絡み合いによって射出された
溶融樹脂は金型中で膨張性を有する溶融樹脂状態にな
る。ついで最終成形品の容積になるように金型を開き、
冷却することによって最終の軽量成形品が得られる。
【0030】なお、本発明製造法にあっては目的を阻害
しない範囲において、安定剤、帯電防止剤、耐候剤、着
色剤などの添加剤を加えることもできる。さらに、本発
明の軽量成形品の製造法にあっては、成形金型の少なく
とも一面に、全面または部分的に発泡材料、不織布など
の繊維材料、印刷樹脂フイルムなどの表皮材料を予め装
着して成形することもできる。 4.繊維強化熱可塑性樹脂軽量成形品 本発明の製造法によって得られる繊維強化熱可塑性樹脂
軽量成形品は、繊維含有量は5〜80重量%、好ましく
は5〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%で
ある。また、その空隙率は30〜80%、好ましくは4
0〜75%であり、より好ましくは50〜70%であ
る。30%未満では軽量化の効果がなく、80%を越え
ると空隙を有さないスキン層を確実に形成することが困
難になるとともに、強度が十分でなくなる場合がある。
なお、ここで空隙率とは、成形品中の繊維や樹脂などの
占める容積を除いた容積の比率である。
【0031】本発明の製造法においては、各種軽量成形
品の製造が可能である。本発明にかかる繊維強化熱可塑
性樹脂軽量成形品は、特に形状や大きさに制限はない
が、好適には板状成形品、特に30mm以下の板状系の
成形品、型物成形品が含まれる。具体的には、自動車部
品(例えば、インパネコア,バンパービーム,ドアステ
ップ,ルーフラック,リアクォーターパネル,エアクリ
ーナーケース,サンシェードなど)、自動二輪車等に搭
載されるヘルメット収納用ボックスのように軽量でかつ
耐衝撃性,強度が要求されるところに用いられる各種箱
状物、家電部品、建築部材(例えば、コンクリートパネ
ル(コンクリート型枠),ケーブルトラフ,壁材,床材
など)、ユニットバスの床材、ウォーターパンなどが挙
げられる。
【0032】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれによって制限される
ものではない。下記の実施例及び比較例において、成形
品の評価及び成形品より切り出した試験片の試験は下記
の方法で行った。 〔テスト用円板の評価〕 (a)反り率: 円板(250mm,肉厚tmm)を定
盤上に設置し、第一図に示すように左右の両端が定盤か
ら反り上がった距離を求め、次式により反り率を求め
た。
【0033】反り率=(h1 +h2 )/2×250
【0034】
【図1】(b)曲げ弾性率: JIS K−7203に
準拠して測定した。 比曲げ弾性率=曲げ弾性率/比重 (c)成形品の膨張状況: 成形品を目視により評価 〔テスト用矩形板の評価〕700mm×450mm×肉
厚tmmからなるテスト用矩形板について、以下に述べ
る評価を行った。 (a)熱垂下性: テスト用矩形板の長手部を固定し、
120℃のオーブンに24時間放置後取り出し、23℃
で1時間放置した後、最も垂下の大きい部分の垂下量を
測定した。 (b)反り量: テスト用矩形板の長手部を固定し、固
定部を基準に三次元の各方向の変位を測定し、その変位
の内、最も大きな値を反り量とした。 (c)衝撃強さ: テスト用矩形板の長手部を固定した
後、1kgの鉄球をある高さから落下させたとき、製品
が破壊する高さを測定した。 (d)曲げ弾性率: JIS K−7203に準拠して
測定した。
【0035】比曲げ弾性率=曲げ弾性率/比重 (e)膨張状況: 製品を切断し、厚み方向から観察し
た。 〔実施例1〕MI=30のポリプロピレン(出光石油化
学(株)製,商品名J−3054HP)50重量%に、
長さ20mmに切断したアラミド繊維(デュポン・東レ
・ケプラー社製,商品名ケプラー)50重量%をバンバ
リーミキサーにて溶融混練した後、押出機にてストラン
ドを製造し、冷却後、切断し長さ10mmのペレットを
得た。ペレット中の繊維の長さはほぼ10mmであっ
た。
【0036】このペレットを、射出成形機(三菱重工業
株式会社製:850MGW、出光圧縮ユニット装着)に
て、樹脂温度:250℃、金型温度:80℃で、金型(
直径250mm×tmm厚みの円板)を用いて射出成形
した。予め金型開度が2mmの状態で、2mm厚みに相
当する容量の樹脂を射出し、射出が完了した2秒後、金
型を4mmになるまで開き、冷却後、肉厚4mmの軽量
成形品を得た。成形品の表面にはしっかりしたスキン層
が形成され、シルバー等のない良好な軽量成形品であっ
た。評価結果を第1表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】〔実施例2〕実施例1で用いたペレット1
00重量部に対し、発泡剤マスターバッチペレット〔ポ
リスレンEV−306G(永和化成工業株式会社製):
発泡剤含有量=30重量%〕を0.2重量部ブレンドし
た後、実施例1で用いた射出成形機を用いて、樹脂温
度:200℃、金型温度:80℃で、金型( 直径250
mm×tmm厚みの円板)を用いて射出成形した。予め
金型開度が2mmの状態で、2mm厚みに相当する容量
の樹脂を射出し、射出が完了した2秒後、金型を5mm
になるまで開き、冷却後、肉厚5mmの軽量成形品を得
た。成形品の表面にはしっかりしたスキン層が形成さ
れ、シルバー等のない良好な軽量成形品であった。評価
結果を第1表に示す。 〔比較例1〕実施例2において、発泡剤を4.0重量部
に変更し、金型開度が2mmの状態で、2mm厚みに相
当する容量の樹脂を射出し、射出完了後に金型を開かな
かった以外は実施例2と同様に行った。評価結果を第1
表に示す。 〔比較例2〕実施例2において、予め金型開度が2mm
の状態で、2mm厚みに相当する容量の樹脂を射出し、
射出が完了した2秒後、金型を2.5mmになるまで開
き、冷却後、肉厚2.5mmの軽量成形品を得た以外は実
施例2と同様に行った。評価結果を第1表に示す。 〔比較例3〕実施例1において、予め金型開度が2mm
の状態で、2mm厚みに相当する容量の樹脂を射出し、
射出が完了した2秒後、金型を10mmになるまで開
き、冷却後、肉厚10mmの軽量成形品を得た以外は実
施例1と同様に行った。評価結果を第1表に示す。 〔実施例3〕MI=60のポリプロピレン(出光石油化
学(株)製,商品名J−6083H)をダイスの中に押
し出す一方、ポリアリレート繊維(クラレ社製,商品名
ベクトラン)のロービングをダイスに引き入れ、繊維束
へ樹脂を含浸させた後、繊維を引き抜き、冷却後ペレッ
トの長さが12mmになるように切断した。得られたペ
レット中の繊維量は42重量%であった。
【0039】このペレット100重量部に対し、発泡剤
マスターバッチペレット〔ポリスレンEV−306G
(永和化成工業株式会社製):発泡剤含有量=30重量
%〕を0.3重量部添加した後、射出成形機(三菱重工業
株式会社製:850MGW、出光圧縮ユニット装着)に
て、樹脂温度:200℃、金型温度:80℃で、金型
(サンシェードの製品型)を用いて射出成形した。予め
金型開度が2mmの状態で、2mm厚みに相当する容量
の樹脂を射出し、射出が完了した3秒後、金型を6mm
になるまで開き、冷却後、肉厚6mmの製品を得た。得
られたサンシェードの製品の評価結果を第2表に示す。
【0040】
【表2】
【0041】〔実施例4〕実施例3において、ポリアリ
レート繊維の代わりにカーボン繊維(東レ社製,商品名
トレカ)を用いた以外は同様にしてペレットを得た。ペ
レット中の繊維量は37重量%であった。予め金型開度
が3mmの状態で、3mm厚みに相当する容量の樹脂を
射出し、射出が完了した1秒後、金型を6mmになるま
で開き、冷却後、肉厚6mmの製品を得た以外は実施例
3と同様にした。得られた製品の評価結果を第2表に示
す。 〔実施例5〕実施例4において、予め金型開度が3mm
の状態で、3mm厚みに相当する容量の樹脂を射出し、
射出が完了した3秒後、金型を9mmになるまで開き、
冷却後、肉厚9mmの製品を得た以外は実施例4と同様
にした。得られた製品の評価結果を第2表に示す。 〔比較例4〕実施例4において、発泡剤を4重量部に
し、予め金型開度が3mmの状態で、3mm厚みに相当
する容量の樹脂を射出し、射出が完了した1秒後、金型
を10mmになるまで開き、冷却後、肉厚10mmの製
品を得た以外は実施例4と同様にした。得られた製品の
評価結果を第2表に示す。 〔比較例5〕二軸押出機を用い、ホッパー口よりMI=
60のポリプロピレン(出光石油化学(株)製,商品名
J−6083H)を63重量%になるように供給し、樹
脂が溶融した後、サイドフィード口より繊維長3mmの
カーボン繊維のチョップトストランドを37重量%にに
るよう供給し、押出混練することによりペレットを得
た。得られたペレットに発泡剤は添加せずに、実施例4
と同様に射出成形した。得られた製品の評価結果を第2
表に示す。 〔比較例6〕比較例5で得られたペレット100重量部
に発泡剤を2重量部添加した以外は実施例5と同様に射
出成形した。得られた製品の評価結果を第2表に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明による繊維強化軽量熱可塑性樹脂
軽量成形品の製造法は、発泡剤を多量に用いることなく
製造することができ、得られた成形体は、軽量であると
ともに、表面状態等の外観に優れ、しかも表面にスキン
層が形成されるため、繊維の補強と相まって高強度、高
剛性である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】反り率テスト用円板の概略平面図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペレット中の繊維の長さが2〜100m
    mである繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)、又は該
    ペレット(A)と熱可塑性樹脂の混合物を成形原料と
    し、該成形原料中の繊維含有量が5〜80重量%である
    ものを溶融混練し、最終の成形品に相等する金型容積よ
    りも小さくなるように閉じた金型中に溶融樹脂を射出
    し、樹脂の射出完了前若しくは完了後に金型を最終成形
    品の容積まで開くことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹
    脂軽量成形品の製造法。
  2. 【請求項2】 ペレット中の繊維の長さが2〜100m
    mである繊維含有熱可塑性樹脂ペレット(A)、又は該
    ペレット(A)と熱可塑性樹脂の混合物を成形原料と
    し、該成形原料中の繊維含有量が5〜80重量%である
    もの100重量部に対し、発泡剤を0.01〜5重量部配
    合したものを溶融混練し、最終の成形品に相等する金型
    容積よりも小さくなるように閉じた金型中に溶融樹脂を
    射出し、樹脂の射出完了前若しくは完了後に金型を最終
    成形品の容積まで開くことを特徴とする繊維強化熱可塑
    性樹脂軽量成形品の製造法。
  3. 【請求項3】 軽量成形品の空隙率が、30〜80%で
    ある請求項1又は2記載の繊維強化熱可塑性樹脂軽量成
    形品の製造法。
  4. 【請求項4】 繊維の含有量が5〜80重量%で、空隙
    率が30〜80%であり表面に空隙をもたないスキン層
    を有することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂軽量成
    形品。
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