JPH10121168A - 銅基合金 - Google Patents

銅基合金

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JPH10121168A
JPH10121168A JP27269496A JP27269496A JPH10121168A JP H10121168 A JPH10121168 A JP H10121168A JP 27269496 A JP27269496 A JP 27269496A JP 27269496 A JP27269496 A JP 27269496A JP H10121168 A JPH10121168 A JP H10121168A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫製品に付属される金属ボタン,スナップ,
ホック等の金属付属品であって、検針器を誤作動させる
ことのない金属付属品の構成材料として好適する銅基合
金を提供する。 【解決手段】 銅基合金は、マンガン0.5〜6.0重
量%、ニッケル0.1〜4.0重量%、亜鉛10〜35
重量%含有し、且つ残部が銅及び不可避同伴不純物から
なる金属組成をなすものであり、深絞り加工性に優れ且
つ導電率の極めて低いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料等の縫製品に
付属される金属ボタン,スナップ,ホック,金属ファス
ナー(務歯)等の金属付属品の構成材料として好適する
銅基合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衣料等の縫製品にあっては、縫製作業時
に針の一部(主として針先)が折損してそのまま繊維組
織内に残留してしまうことがあり、かかる折損針以外に
も、種々の要因により、縫製作業時等において折損針に
類する微小な金属片が混入,付着することがある。この
ような縫製品に混入,付着した折損針や金属片(以下
「折損針等」という)は、微小なものであり、肉眼で発
見することが極めて困難であるから、これに気付かない
まま縫製品を出荷してしまう虞れがある。しかし、この
ような折損針等が残留した縫製品を使用することは甚だ
危険であり、直接身につける衣料にあっては、特に問題
である。このため、近時においては、縫製品に残留する
折損針等の多くが鉄等の磁性金属からなるものであるこ
とから、磁性金属探知機能を有する検針器を使用して、
縫製品に折損針等が残留していないかどうかを出荷前に
探知することが行われている。
【0003】他方、衣料等の縫製品には、金属ボタン,
スナップ,ホック,金属ファスナー(務歯)等の種々の
金属付属品が縫着,接着等の手法により取り付けられて
いるが、かかる金属付属品が磁性金属製のものである場
合には、これらにも検針器が反応して、つまり誤作動し
て、折損針等の探知を良好に行い得ない。したがって、
このような金属付属品の構成材としては、検針器に反応
しない非磁性金属を使用することが好ましい。さらに、
縫製品に付属される金属付属品の多くは、金属ボタン,
スナップ,ホック等のように深絞り加工によって製造さ
れるものであるから、その構成材としては、深絞り加工
性に優れた金属を使用することが好ましい。
【0004】そこで、従来にあっては、金属付属品の構
成材として、一般に、検針器に反応しない非磁性金属で
あり且つ深絞り加工性に優れたJIS−C2600,J
IS−C2680等のCu−Zn系合金つまり黄銅を使
用しているのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる黄銅は
磁性金属探知器の一種である検針器に反応しない非磁性
金属ではあるが、黄銅製の金属付属品の大きさ,形状,
配置等によっては、折損針等が存在していないにも拘わ
らず、検針器が反応して誤作動しまうことがあった。こ
のため、検出器が黄銅製の金属付属品に反応しない程度
にまで、検針器の感度や検針器による探知スピードを落
としたり、黄銅製の金属付属品をこれに検針器が反応し
ないような配置等にしておくことが試みられているが、
検針器の誤作動を回避するための解決策としては甚だ不
充分であった。すなわち、感度を落とすのみでは微小な
折損針等の探知が極めて不確実なものとなり、感度及び
探知スピードを落とすと、折損針等の探知作業効率が大
幅に低下してコスト的に問題がある。また、金属ボタ
ン,スナップ等の配置等は、縫製品における機能上から
必然的に決定されることが多く、一般には自由に変更で
きないことが多い。したがって、金属付属品の配置等を
検針器の誤作動を招来しないようにしておくことは、実
際には極めて困難であり、多くの縫製品においては実現
不能である。
【0006】ところで、本発明者は、非磁性金属である
黄銅製の金属付属品が磁性金属探知機能を有する検針器
に反応する原因を究明すべく、種々の実験,研究を行っ
た。その結果、黄銅は非磁性金属であるが導電率の極め
て高いものであるから、黄銅製の金属付属品を有する縫
製品を検針器にかけた場合、金属付属品の配置等によっ
ては、金属付属品の周辺に渦磁界が生じ、これに起因し
て検針器が誤作動することが判明した。
【0007】本発明は、このような点に着目して、黄銅
と同等ないしそれ以上に深絞り加工性に優れていて、金
属ボタン等の金属付属品を良好に深絞り加工することが
でき、しかも導電率が黄銅に比して極めて低く、検針器
に反応しない金属付属品を得ることができ、縫製品に付
属される金属付属品の構成材料として極めて好適する銅
基合金を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明の服飾材料用銅基合金は、マンガン0.5〜6.0重
量%、ニッケル0.1〜4.0重量%、亜鉛10〜35
重量%含有し、且つ残部が銅及び不可避同伴不純物から
なる金属組成をなすことを特徴とするものである。
【0009】Mnは黄銅に固溶して導電性を低下させる
と共に、絞り加工性を向上させるために添加するもので
ある。しかし、0・5重量%未満の添加では、導電性を
十分に低下させることができず、検針器の感度を余程下
げない限り、その誤作動を招来する虞れがある。逆に、
添加量が6・0重量%を超えると、絞り加工性が悪くな
り、ボタン等を良好に深絞り加工することができなくな
る。かかる理由から、Mnの添加量は0.5〜6.0重
量%とした.
【0010】Niは、それ自体は磁性を有するものであ
るが、黄銅によく固溶し、絞り性を向上させ、導電性を
低下させる。Niの添加による導電性低下の効果は、M
nに比してさほど大きくはないが、Niの添加はCu−
Zn−Mn系合金の導電性を安定化させ、且つCu−Z
n−Mn系合金の深絞り加工時に生じる異方性を軽減
し、良好な深絞り加工を可能ならしめる。しかし、0・
1重量%未満では導電性,導電率の安定化及び異方性の
効果が少なく、逆に4・0重量%を超えて添加しても、
添加量に見合う上記効果の向上が認められないし、Ni
は高価であるため、経済上の問題もある。かかる理由か
ら、ニッケルの添加量は0.1〜4.0重量%とした。
【0011】Znは深絞り性を向上させ且つ導電性を低
下させるために添加するものである。しかし、10重量
%未満ではかかる効果が少なく、逆に35重量%を超え
て添加すると、深絞り性が却って悪くなる。かかる理由
から、亜鉛の添加量は、10〜35重量%とした。
【0012】
【実施例】実施例として、表1に示す金属組成をなす本
発明に係る銅基合金No.1〜6を、高周波溶解炉によ
り木炭被覆下において大気溶解,鋳造して、厚さ35m
m,幅90mm,長さ250mmの鋳塊を得た。そし
て、各鋳塊を800℃の温度条件下で熱間圧延して、厚
み5mmの板状素材を得た。この各板状素材を、その表
面を酸洗処理した上で冷間圧延して、厚み1.0mmの
中間圧延板材を得た。さらに、各中間圧延板材を、焼鈍
した上で冷間圧延して、厚み0.5mmの最終圧延板材
を得た。最後に、各最終圧延板材を、その結晶粒度が
0.025mmとなるように焼鈍して、縫製品における
金属付属品の被加工板材を得た。
【0013】また、比較例として、表1に示す金属組成
をなす銅基合金No.7〜No.12を鋳造して厚さ3
5mm,幅90mm,長さ250mmの鋳塊を得た上、
各鋳塊を厚み5mmの板状素材に熱間圧延し、各板状素
材を厚み1.0mmの中間圧延板材に冷間圧延し、各中
間板材を厚み0.5mmの最終圧延板材に冷間圧延し、
各最終圧延板材をその結晶粒度が0.025mmとなる
ように焼鈍して被加工板材を得た。銅基合金No.7
は、金属ボタン等の金属付属品の構成材料として一般に
使用されている黄銅である。なお、比較例における、鋳
塊を得るための鋳造工程並びに鋳塊から被加工板材を得
るための各圧延工程(酸洗表面処理工程及び焼鈍工程を
含む)は、上記した実施例におけると全く同一条件で行
なった。
【0014】
【表1】
【0015】そして、以上のようにして得た銅基合金N
o.1〜No.6からなる各被加工板材及び銅基合金N
o.7〜No.12からなる各被加工板材について、各
々、深絞り試験及びエリクセン試験並びに検針器反応試
験を行った。
【0016】すなわち、深絞り試験にあっては、実施例
合金No.1〜No.6又は比較例合金No.7〜N
o.12からなる各被加工板材を、ブランク径78mm
とした上で、径40mm,肩部アール8mmのポンチを
使用して、カップ状(有底円筒状)に深絞り加工し、そ
の加工品における耳率R(%)を求めた。その結果は、
表2に示す通りであった。
【0017】ところで、被加工板材は圧延加工によって
得られたものであるから、当然に、その性質に方向性が
生じている。そのため、カップ状に深絞り加工された加
工品の開口端縁には所謂耳付き現象が生じており、開口
端縁が一直線とならず波打った形状となる(開口端縁に
は山部と谷部とが形成されることになる)。
【0018】耳率Rは、このような形状の開口端縁にお
ける山部(4箇所)の高さl1 ,l 2 ,l3 ,l4 の平
均値L1 (=(l1 +l2 +l3 +l4 )/4)と谷部
(4箇所)の高さl5 ,l6 ,l7 ,l8 の平均値L2
(=(l5 +l6 +l7 +l 8 )/4)との差をこれら
の平均値L0 (=(l1 +l2 +l3 +l4 +l5 +l
6 +l7 +l8 )/8)に対する100分率で表したも
のである(R=((L 1 −L2 )/L0 )×100)。
なお、山部ないし谷部の高さとは、カップ状加工品の軸
線方向における基準面(例えば加工品の底面)から山部
ないし谷部までの軸線方向距離をいう。耳率Rは被加工
板材の方向性(異方性)を表すものであり、例えば耳率
Rが大きいことは、0°,45°,90°の強度延性が
異なることを示す。
【0019】したがって、耳率Rが一定以上に大きくな
ると、深絞り材料の歩留りが悪くなることは勿論、深絞
り精度が低下することになり、耳率Rにより深絞り加工
性の良否を判断することができる。一般に、耳率Rが
1.0%以下であれば、金属ボタン等の各種金属付属品
を良好に深絞り加工することができるが、1.0%を超
える場合には良品質の金属付属品を得ることが困難であ
る。
【0020】而して、表2から明らかなように、実施例
合金No.1〜No.6については、すべて耳率Rが
1.0%以下であり、比較例合金のうち最も耳率Rの低
いNo.7(金属付属品の構成材として一般に使用され
ている黄銅)よりも低くなっており、金属付属品の構成
材として必要な深絞り加工性に優れたものであることが
理解される。また、比較例合金No.9〜No.11に
ついては、耳率Rが1.0%を大きく超えており、金属
ボタン等の深絞り加工品の構成材としては到底使用する
ことができないものであることが理解される。
【0021】また、エリクセン試験にあっては、実施例
合金No.1〜No.6ないし比較例合金No.7〜N
o.12からなる各被加工板材に、これをリング状台に
支持させた状態で、球形のポンチにより変形を与えて、
割れが生じたときにおける変形深さ(mm)を測定し
た。その結果は、表2に示す通りであった。
【0022】而して、エリクセン試験は板材の延性を測
定して深絞り加工への適正を判定するためのものであ
り、測定値(変形深さ)が大きい程、深絞り加工性が良
いが、表2から理解されるように、実施例合金No.1
〜No.6は、何れも、比較例合金のうち最高値を示す
No.10と同等又はそれ以上の値を示しており、特
に、金属付属品の構成材として一般に使用されている黄
銅(銅基合金No.7)よりも高い数値を示している。
【0023】このような深絞り試験及びエリクセン試験
の結果から明らかなように、実施例合金No.1〜N
o.6は、黄銅を含む比較例合金No.7〜No.12
に比して深絞り加工性に優れたものであり、本発明に係
る銅基合金が金属付属品の製造(深絞り加工)上の面か
ら金属付属品の構成材として極めて好適するものである
ことが確認された。
【0024】
【表2】
【0025】また、検針器反応試験においては、実施例
合金No.1〜No.6ないし比較例合金No.7〜N
o.12からなる各被加工板材を、ブランク径35mm
とした上で、径20mmのダイスを使用してボタン形状
に深絞り加工した。そして、その加工品を取り付けた繊
維製品を検針器にかけて、検針器が反応するかどうかを
確認した。その結果は、表2に示す通りであり、検針器
が反応したものについては「×」とし、検針器が反応し
なかったものについては「○」とした。なお、検針器と
しては縫製品メーカにおいて一般的に使用されているも
のを使用し、その感度及び探知スピードは縫製品メーカ
において一般に行なわれている折損針等の探知作業と同
等とした。
【0026】さらに、この検針器反応試験においては、
事前に各被加工板材の導電率(%IACS)を測定し
た。その結果は、表2に示す通りであった。
【0027】表2から明らかなように、比較例合金につ
いては、No.9〜No.11を除いて検針器に反応し
たが、実施例合金No.1〜No.6については、何れ
も検針器が反応せず、縫製品に折損針等が残留,混入し
ていないかどうかの探知を検針器の誤作動を招くことな
く良好に行なうことができる金属付属品を提供できるこ
とが理解される。かかる結果は、表2から明らかなよう
に、導電率に対応したものとなっており、導電率が一定
以下である銅基合金を金属付属品の構成材として使用す
れば、検針器の誤作動を確実に回避して、縫製品に折損
針等が残留しているかどうかの探知作業を効率よく確実
に行ないうることが理解される。
【0028】以上の各試験結果から、黄銅を含む比較例
合金No.7〜No.12は、深絞り加工性及び検針器
に反応しない検針器適性の何れか一方に欠けるものであ
り、検針器による折損針等の探知を必要とする縫製品の
金属付属品構成材としては不適当なものであるが、本発
明に係る銅基合金No.1〜No.6は、深絞り加工性
及び検針器適性の何れをも具備するものであり、縫製品
に付属される金属ボタン等の金属付属品の構成材として
極めて好適するものであることが確認された。
【0029】
【発明の効果】以上の説明からも容易に理解されるよう
に、本発明の銅基合金は、黄銅と同等ないしそれ以上の
深絞り加工性を有するものであり且つ黄銅に比して導電
率が極めて低いものであるから、金属付属品の製造上及
び折損針等の検針器による探知上の何れにおいても、縫
製品に付属される金属付属品の構成材として極めて好適
するものである。すなわち、本発明の銅基合金を使用す
れば、金属ボタン,スナップ等の金属付属品を深絞り加
工により良好に製造することができ、検針器の誤作動を
招くことなく、縫製品に残留する折損針等の探知を効率
よく確実に行なうことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン0.5〜6.0重量%、ニッケ
    ル0.1〜4.0重量%、亜鉛10〜35重量%含有
    し、且つ残部が銅及び不可避同伴不純物からなる金属組
    成をなすことを特徴とする銅基合金。
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