JPH10123342A - 波長分散補償器および波長分散補償器の製造方法 - Google Patents

波長分散補償器および波長分散補償器の製造方法

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JPH10123342A
JPH10123342A JP8282531A JP28253196A JPH10123342A JP H10123342 A JPH10123342 A JP H10123342A JP 8282531 A JP8282531 A JP 8282531A JP 28253196 A JP28253196 A JP 28253196A JP H10123342 A JPH10123342 A JP H10123342A
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JP
Japan
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optical fiber
coil
chromatic dispersion
winding
diameter
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Application number
JP8282531A
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English (en)
Inventor
Yasushi Koyano
裕史 小谷野
Hideyori Sasaoka
英資 笹岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低伝送損失であって、且つ高温環境でも伝送
損失増加を生じないように長尺の広帯域用DCFを収納
した小型の波長分散補償器を提供する。 【解決手段】 コイル胴に広帯域DCFを巻き回して光
ファイバコイル32を製作した後に、光ファイバコイル
をコイル胴から取り外して巻き歪みを解放した束状態の
光ファイバコイル32を製作する。巻き崩れ防止部材と
して樹脂42を用いて、光ファイバコイル32を収納箱
40に4箇所にて固定する。光ファイバコイル32の両
端は、ピグテールファイバに融着部分44でそれぞれ接
続される。光ファイバコイル32を収納箱40に樹脂4
2で固定した後に収納箱の蓋を閉めても、光ファイバコ
イル32の束内にも間隔があり、また光ファイバコイル
32と収納箱との間にも空間があるので、束状態の光フ
ァイバコイル32を収納箱40に収納しても伝送損失等
が増加しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長分散補償器お
よびその製造方法に関し、特に光ファイバ伝送路の波長
1.55μm帯の波長分散を低減する波長分散補償器お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類元素のエルビウム(Er)を添加
した光ファイバを利用して1.55μm帯で動作する光
増幅器を用いると、1.55μm帯での長距離大容量伝
送が可能である。しかし、零分散波長を1.3μm帯に
もつシングルモード光ファイバ(1.3SMF)を用い
て1.55μm帯で伝送を行う場合、零分散波長が一致
しないので、大きな波長分散が生じて光信号が歪むので
信号品質が劣化する。このため、1.3SMFを用いて
1.55μm帯で伝送を行う際には、波長分散を抑える
技術が必要である。その一つとして、1.3SMFとは
逆符号の大きな波長分散をもつ分散補償光ファイバ(D
CF)を用いて、1.55μm帯における波長分散を相
殺する方法がある。
【0003】このDCFには、大きく分けて二つの種類
がある。一つは、特定の波長での波長分散が1.3SM
Fと逆であるため、その波長での波長分散を補償できる
DCFである。この種のDCFの構造としては、クラッ
ド部の屈折率が一様なマッチドクラッド型(図18
(a))のDCFが知られている。他の一つは、波長分
散だけでなく波長分散の波長依存性(波長分散傾斜)も
が1.3SMFと逆であるため、広い帯域において波長
分散を補償できるDCFである。この種の広帯域用DC
Fの構造としては、コア部とクラッド部の間にディプレ
スト部を有する二重クラッド型(図18(b))と、ク
ラッド部とコア部との間にディプレスト部を有し更にデ
ィプレスト部とクラッド部の間に屈折率がクラッド部よ
りも高い部分を有する二重コア型(図18(c)と、ク
ラッド部の中に屈折率の高い部分を設けたセグメントコ
ア型(図18(d))とが知られている。このようなD
CFを用いれば、波長を僅かにシフトさせた複数の光で
信号を伝送できるので、ファイバ1本当たりの伝送容量
を増加できる波長多重伝送が容易に行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、広帯域用DC
Fに適した二重クラッド型、二重コア型およびセグメン
トコア型の光ファイバは、一般に曲げ損失特性が悪いの
で、小さなコイルに収納すると、伝送波長帯である1.
55μm帯で大きな伝送損失が生じる。この曲げ損失
は、コイルの直径を大きくして巻き層数を減少すれば低
減できる。しかし、コイルの直径を大きくすると、波長
分散補償器が大きくなり好ましくない。
【0005】また、波長分散補償器は、エルビウム添加
の光ファイバを用いた光増幅器を併設して用いられるこ
とが多い。この場合には、光増幅器内部の励起用レーザ
からの発熱により波長分散補償器の温度が上昇するた
め、コイルが熱膨張して広帯域用DCFに歪みを発生さ
せるので、伝送損失が増大する。このような高温環境下
での伝送損失は、コイル胴に熱膨張の小さい材料を用い
ると低減できる。ところが、熱膨張係数の小さい石英ガ
ラス、セラミックス、特殊な合金等の材料は、加工が困
難であったり、また材料が高価であったりする。
【0006】したがって、本発明の目的は、低伝送損失
であって、かつ高温環境でも伝送損失の増加を生じない
長尺の広帯域用DCFを効率よく収納した小型の波長分
散補償器およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、下記の点に着目
して本発明をするに至った。
【0008】長尺の広帯域用DCFを小型コイルに巻く
と、伝送波長帯である1.55μm帯で大きな伝送損失
が増加する。この波長依存性を調べると、長波長側ほど
伝送損失が大きくなるいわゆるマクロベンド損失である
ことを見いだした。マクロベンド損失は、光ファイバを
小さな曲率で曲げたときに発生するものである。広帯域
用DCFをコイルに巻くと、コイル胴の胴径に応じた曲
率で曲げられるために、マクロベンド損失が発生する可
能性がある。しかし、コイルを巻いた後にコイル胴を抜
き取ると、増加した伝送損失はほとんど消失した。この
ため、コイル巻きによって発生する伝送損失の主要因
は、多層に巻いたために隣合うファイバから受ける側圧
であることが明らかになった。したがって、マクロベン
ド損失は、側圧により光ファイバが屈曲して生じている
と考えられる。そこで、この側圧を解消すれば、低伝送
損失の光ファイバコイルを生産できるという結論に至っ
た。
【0009】また、広帯域用DCFを小型コイルに収納
した状態で温度を変化させても、1.55μm帯で大き
な伝送損失を生じる。また、広帯域用DCFをコイルに
巻き取る際に巻取り張力を増大させ、あるいは胴径の小
さいコイルに広帯域用DCFを巻き取ると、伝送損失の
温度変化量が増大する。これらの事実は、この伝送損失
変化と側圧の大きさとの深い関係を示している。したが
って、伝送損失の温度依存性を低減するためには、側圧
を解消すればよいことが判った。
【0010】したがって、本発明は次のような構成とし
た。
【0011】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、光ファイバ伝送路の光
ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイバ伝送路
の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有する波長分
散補償光ファイバが複数回巻き回された光ファイバコイ
ルと、波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解
放された状態で光ファイバコイルを収納する収納ケース
とを備えている。
【0012】このように、巻き歪みが実質的に解放され
た状態で光ファイバコイルを収納ケースに収納するの
で、広帯域用DCFを多層に巻き回したために発生した
側圧が緩和され、且つ高温環境下においてもコイル胴の
熱膨張による影響を受けないで光ファイバコイルが収納
される。
【0013】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、光ファイバ伝送路の光
ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイバ伝送路
の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有する波長分
散補償光ファイバが複数回巻き回された光ファイバコイ
ルと、波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解
放された状態で束にされた光ファイバコイルを収納する
収納ケースとを備えている。
【0014】このように、巻き歪みが実質的に解放され
た束状態で巻きほぐし光ファイバコイルを収納ケースに
収納するので、広帯域用DCFを多層に巻き回したため
に発生した側圧が緩和され、且つ高温環境下でもコイル
胴の熱膨張による影響を受けないで光ファイバコイルが
収納される。
【0015】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、胴の直径が第1の直径
から第2の直径に縮小可能なコイル胴と、光ファイバ伝
送路の光ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイ
バ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有す
る波長分散補償光ファイバが第1の直径においてコイル
胴に複数回巻き回された光ファイバコイルと、コイル胴
の直径が第2の直径に実質的に縮小されて波長分散補償
光ファイバの巻き歪みが実質的に解放された状態で光フ
ァイバコイルを収納する収納ケースとを備えている。
【0016】このように、光ファイバコイルを製作した
後に胴径を実質的に収縮して巻きほぐしてから、光ファ
イバコイルを収納ケースに収納するので、広帯域用DC
Fを多層に巻き回したために発生した側圧が緩和され、
且つ高温環境下に置かれてもコイル胴の熱膨張による影
響を受けないで光ファイバコイルが収納される。
【0017】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバコイルを収納ケースに固定することにより巻き崩れ
を防止する巻き崩れ防止部材を更に備えるものでもよ
い。
【0018】このように、巻き崩れ防止部材により光フ
ァイバコイルを収納ケースに固定すれば、巻き歪みが実
質的に解放された状態で収納しても、波長分散補償器の
運搬等における振動、衝撃による光ファイバの破断、光
ファイバコイルの巻き崩れおよび伝送損失の増加を防止
できる。
【0019】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き崩
れ防止部材が、光ファイバコイルを収納ケースに複数の
箇所で固定する樹脂で形成されていてもよい。
【0020】このように、巻き崩れ防止部材として樹脂
を用いて光ファイバコイルを収納ケースに固定すれば、
波長分散補償器の運搬等における振動、衝撃による光フ
ァイバの破断、光ファイバコイルの巻き崩れおよび伝送
損失の増加を簡易に防止できる。
【0021】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き崩
れ防止部材が、光ファイバコイルを収納ケースに固定す
るクッション材であってもよい。
【0022】このように、巻き崩れ防止部材としてクッ
ション材を用いて光ファイバコイルを収納ケースに固定
すれば、波長分散補償器の運搬等における振動、衝撃に
よる光ファイバの破断、光ファイバコイルの巻き崩れお
よび伝送損失の増加を簡易に防止できる。
【0023】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバコイルの直径が、最小部分で100mm以下である
ようにしてもよい。
【0024】このように、巻き歪みが実質的に解放され
た状態であって、且つ高温環境下に置かれてもコイル胴
の熱膨張の影響を受けない状態で、直径が100mm以
下という小型の光ファイバコイルを収納ケースに収納で
きると、伝送損失および伝送損失の温度依存性が低減さ
れた小型の波長分散補償器が得られる。
【0025】本発明に係わる波長分散補償器の製造方法
は、光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯における波
長分散を低減する波長分散補償器の製造方法において、
光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分散お
よび光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
散傾斜を有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に複
数回巻き回して光ファイバコイルを製造するコイル製造
工程と、コイル胴から光ファイバコイルを取り外して波
長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解放された
状態で束にされた光ファイバコイルを形成するコイル取
り外し工程とを備えた。
【0026】このように、巻き歪みが実質的に解放され
た束状態の光ファイバコイルをコイル取り外し工程によ
り形成するので、広帯域用DCFを多層に巻き回したた
めに発生した側圧が巻きほぐされて緩和され、且つ高温
環境下に置かれてもコイル胴の熱膨張の影響を受けない
光ファイバコイルを製造できる。
【0027】本発明に係わる波長分散補償器の製造方法
は、コイル製造工程およびコイル取り外し工程のいずれ
か一方に先立ちコイル胴に滑材を塗布する滑材塗布工程
を更に備えてもよい。
【0028】このように滑材塗布工程を備えれば、コイ
ル胴と光ファイバコイルの摩擦を小さくできるので、光
ファイバコイルのコイル胴からの取り外しが容易にな
る。
【0029】本発明に係わる波長分散補償器の製造方法
は、コイル製造工程が、40g重以下の巻取り張力で波
長分散補償光ファイバをコイル胴に複数回巻き回して光
ファイバコイルを製造する工程であってもよい。
【0030】このように巻取り張力を40g重以下にす
れば、コイル胴と光ファイバコイルの摩擦を小さくでき
るので、光ファイバコイルのコイル胴からの抜き取りが
容易になる。
【0031】本発明に係わる波長分散補償器の製造方法
は、光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯における波
長分散を低減する波長分散補償器の製造方法において、
光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分散お
よび光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
散傾斜を有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に複
数回巻き回して光ファイバコイルを製造するコイル製造
工程と、コイル製造工程の後に、コイル製造工程でのコ
イル胴の直径に比べてコイル胴の直径を実質的に減少さ
せて巻き歪みが実質的に解放された状態にする胴径変更
工程とを備えた。
【0032】このように、胴径変更工程で胴径を実質的
に縮小して、広帯域DCFが巻きほぐされた束の状態の
光ファイバコイルを形成するので、多層に巻き回したた
めに発生した側圧が緩和され、且つ高温環境下に置かれ
てもコイル胴の熱膨張による影響を受けない光ファイバ
コイルを製造できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、広帯域用DCF(以下、単
にDCFと記す)を用いて光ファイバコイルを作製した
場合について、添付図面を参照しながら本発明を詳細に
説明する。
【0034】図1は、実施の形態で使用するDCFの断
面図であり、被覆層が2層の場合を示す。このDCF
は、ガラス製の光ファイバ11を中心に同心円柱殻状の
2層の被覆層13、15を光ファイバ11の側面に有す
る。被覆層は2層に限られない。DCFの被覆材には樹
脂を用いる。実施の形態において、光ファイバコイルの
製作には、ガラス径c=100μm、一次被覆層厚d=
20μm、二次被覆層厚e=20μm、ファイバ外径f
=180μmの二重クラッド型(図18(b))の屈折
率分布をもつDCF(ファイバA)を用いる。なお、2
0℃において、一次被覆層のヤンク率は0.06kg重
/mm2であり、二次被覆層のヤング率は65kg重/
mm2である。
【0035】図2は、DCFの巻き取り用のコイルの斜
視図であり、コイル胴径(以下、胴径という)をg,コ
イル鍔径をh、コイルの巻き幅をkとする。コイルは、
DCFを多層に巻き付ける円柱形のコイル胴20と2枚
の円板形のコイル鍔21とからなる。2枚のコイル鍔2
1はコイル胴20を挟み、且つこの両者は中心軸を一致
させて配置されている。図2によればコイル胴は円柱形
であるが、これに限られない。また、コイルはアルミ製
としたが、これに限られない。
【0036】図3は、実施の形態で使用するDCFの諸
元を一覧に示した諸元一覧図である。屈折率分布形状
は、図18(b)に対応し、また△+、△−、aおよび
bは、それぞれ図18中の記号に対応する。ガラス径
c、一次被覆厚d、二次被覆厚e、ファイバ外径fは、
それぞれ図1の符号に対応する。
【0037】また、以下の説明に際して、数値を分かり
易くするために、力およびヤング率の単位として重力単
位系を用いる。
【0038】(第1の実施の形態)本実施の形態では、
光ファイバコイルの巻き歪みを実質的に解放するために
光ファイバコイルを束状にする場合について説明する。
【0039】本実施の形態では、ファイバ長10kmの
ファイバAを、胴径がg=100mm、コイル鍔径がh
=200mm、巻き幅がk=18mmのアルミ製コイル
に、巻きピッチが0.4mm、巻き取り張力が40g重
の条件で巻いて光ファイバコイルを作製した。
【0040】図4は、この光ファイバコイルを作製した
後に測定した伝送損失値(コイル巻き後)と、図5に示
すヒートサイクルを光ファイバコイルに行った後に測定
した伝送損失値(ヒートサイクル後)とを示した特性図
であり、伝送損失値の損失変化量を縦軸に、波長を横軸
に示す。波長1.55μmで測定すると、コイル巻き後
の損失変化値は1.7dBであった。ヒートサイクル後
の損失変化値は、側圧が緩和されて小さくなり、0.2
5dBであった。また、この光ファイバコイルを70℃
まで加熱して伝送損失値を測定すると、ヒートサイクル
後20℃での値に比べて、変化量は0.24dBであっ
た。再度20℃に冷却して伝送損失値を測定すると、ヒ
ートサイクル後の値に戻り伝送損失の変化は消滅した。
【0041】なお、図5に示したヒートサイクルでは、
被測定光ファイバコイルを温度20℃で1時間放置した
後に、80℃と−40℃を交互に2回繰り返してそれぞ
れ1時間放置して、最後に20℃にして2時間放置して
いる。各温度間の変化は、温度上昇変化率を1℃/分、
温度降下変化率を−1℃/分で行っている。
【0042】次に、側圧を解消するために、巻き取った
コイル胴から光ファイバコイルを外し伝送損失値の変化
を調べた。まず、先ほどと同じ条件で光ファイバコイル
を作製し、コイル胴に巻いた光ファイバコイルの伝送損
失値(コイル巻き後)を測定した。更に、両方のコイル
鍔を外して注意深くコイル胴を抜き取り、巻きほぐして
束状態にした光ファイバコイルの伝送損失値(コイル胴
抜き後)を測定した。
【0043】図6は、コイル巻き後の伝送損失値とコイ
ル胴抜き後の伝送損失値とを示した特性図であり、伝送
損失値の損失変化量を縦軸に、波長を横軸に示す。波長
1.55μmで、コイル巻き後に測定すると、損失変化
値は1.7dBであった。コイル胴抜き後に測定する
と、コイル巻きにより生じた伝送損失の変化は消滅し
た。また、コイル胴抜き後の光ファイバコイルを70℃
まで加熱し、波長1.55μmで伝送損失値を測定する
と、20℃での値に比べて0.06dB増加した。
【0044】この微小な伝送損失値の変化量は、文献
(Tanaka et.al.,”TEMPERATU
RE DEPENDENCE OF INTRINSI
C TRANSMISSION LOSS FOR H
IGH SILICA FIBER”,Europea
n Conference on Optical C
ommunication、pp193〜pp196,
1987)にて報告されている1.3SMFでの値と同
程度の値である。このため、この伝送損失は、側圧とは
無関係な値であって、光ファイバがもつ本質的な温度依
存性損失と考えられる。
【0045】このように、コイル胴にDCFを複数回巻
き回して製作した光ファイバコイルを、コイル胴から取
り外して巻きほぐした束状態にしたので、光ファイバコ
イルの巻き歪みが実質的に解放された状態となった。こ
のため、DCFを多層に巻き回したために発生した側圧
が緩和され、また高温環境下でコイル胴の熱膨張の影響
を受けなくなるので、光ファイバコイルの伝送損失およ
び伝送損失の温度依存性が低減できる。これを収納ケー
スに収納すれば、波長分散補償光ファイバの巻き歪みが
実質的に解放された状態で光ファイバコイルを収納でき
る。
【0046】光ファイバコイルをコイル胴から抜き取る
に際には、DCFを巻き回す前に予めコイル胴に微粉末
等の滑材を塗布しておくことが好ましい。滑材を塗布す
ると、光ファイバコイルとコイル胴表面との摩擦係数を
小さくできるので、光ファイバコイルの抜き取りが容易
になるからである。例えば、コイル胴に何も塗布せずに
本実施の形態と同一の条件でDCFを巻き回して作製し
た光ファイバコイルを、コイル胴から抜き取るために約
15分を要した。一方、粉末無機質充填材として用いら
れるタルク(理化学辞典、4版、pp239)をコイル
胴に塗布した後に、DCFを巻き回して光ファイバコイ
ルを作製すると、抜き取り時間は約4分であった。滑材
は、タルクのような微粉末に限られず、光ファイバコイ
ルをコイル胴から抜き取る際にDCFとコイル胴表面と
の摩擦係数を小さくできるものであれば、液体状のもの
でもよく、またコイル巻き後に塗布してもよい。
【0047】また、DCFをコイル胴に巻き取る時の張
力は、小さい方が好ましい。張力が小さいと、光ファイ
バコイルとコイル胴表面との摩擦を小さくできるので、
光ファイバコイルの抜き取りが容易になるからである。
例えば、コイル胴にタルクを塗布した後に、巻き取り張
力50g重でDCFを巻き回して光ファイバコイルを製
作したとき、抜き取り時間は約20分であった。一方、
巻き取り張力のみ40g重にして光ファイバコイルを製
作したとき、抜き取り時間は約4分であった。巻き取り
張力は、DCFが巻き状態が乱れない程度の低張力であ
るほどよく、実験等により経験から導き出された値とし
て、40g重程度以下が好ましい。
【0048】なお、束状の光ファイバコイルは、DCF
をコイル胴に巻き回して作製した後に、コイル胴から取
り外して作製したものに限られない。光ファイバコイル
の製造工程内でコイル胴に相当する部材にDCFを巻き
取って光ファイバコイルを製作した後に、この部材から
光ファイバコイルを外して作製してもよい。
【0049】(第2の実施の形態)本実施の形態では、
光ファイバコイルの巻き歪みを実質的に解放するため
に、DCFをコイル胴に巻き取った後に、胴径を実質的
に縮小する場合について説明する。
【0050】まず、DCFの巻き取り後に胴径を縮小で
きるコイルの構造を説明する。
【0051】図7(a)は、コイルの分解部品図であ
る。このコイルは、円柱形の芯部材22と、コイル鍔2
6と、支持部材28と、楔状部材24とを備える。コイ
ル鍔26は、芯部材22を挿入する開口部を中央部に持
つ薄い円板である。支持部材28は、芯部材22を挿入
する開口部を中央部に有する。楔状部材24は、図7
(b)の側面図に示すように、中心を含む線で円板を十
等分した形状であり、中央部の両側面に突起30を有
し、円周部にコイルの巻き幅と同じ寸法の肉厚部を持
つ。図7(c)は、これらの部品を組み立てたコイル
を、中心軸を含む面で切断した断面図である。2枚のコ
イル鍔26が支持部材28を両側から挟み、且つこれら
が同心軸上に配置されている。更に、これらの中央部に
ある開口部に芯部材22を挿入すると、コイル鍔26お
よび支持部材28は固定される。楔状部材24は、支持
部材28と両側からコイル鍔26とにより挟まれて固定
され、且つ楔部先端で芯部材22に接している。
【0052】図8(a)は、支持部材28の上面図であ
る。図8(b)は、図8(a)のA−A’線断面を切断
面側から見た断面図である。支持部材28は、円周側か
ら開口部の縁まで設けられた接続壁34により、2枚の
円板を貼り合わした構造を有する。接続壁34は、それ
ぞれの間に楔状部材24を挿入するため、楔形状に合わ
せて10個設けられている。また、それぞれの接続壁3
4間の中央部には、周辺側から中央側に向けて形成され
た溝36がある。図8(c)は、溝36部の拡大図であ
る。溝36は、直方体の形状の陥没部からなる。溝36
内には、支持部材28の周辺側に一端が固定された蔓巻
きばね38が配置されている。蔓巻きばねを用いたの
は、構造が簡単であり小型のものが製造できるからであ
る。なお、蔓巻きばね38は、弾性体として作用するも
のであれば、これに限られない。
【0053】次に、コイル胴にDCFを巻き取った後に
胴径を縮小する機構を図9を用いて説明する。なお、図
9では、縮小の機構が分かり易いように、コイル鍔26
は省略し、また支持部材28の内側に隠れて見えない楔
状部材24を破線で示した。
【0054】図9(a)と図9(b)は、それぞれ胴径
縮小前のコイルの側面図と上面図である。楔状部材24
は、支持部材24の接続壁34の間に楔部を中心に向け
て挿入されて、楔部先端で芯部材22に接している。両
側の突起30は、夫々蔓巻きばね38を押し縮めて対応
する溝36へはめ込まれる。このため、楔状部材24は
蔓巻きばね38により中心方向への力を受けるので、直
径10mmの芯部材22により固定される。このように
して、10枚の楔状部材24の円弧により、略円柱形の
コイル胴が形成される。DCF(図示せず)は、この面
に巻き回される。図9(a)において、胴径は100m
mであり、巻き幅は18mmである。図9(c)と図9
(d)は、それぞれ胴径縮小後のコイルの側面図と上面
図である。コイルから芯部材22を抜き取ると、楔状部
材24は蔓巻きばね38の力により中心方向に移動して
楔部分が揃うので、円柱状の縮小したコイル胴が形成さ
れる。図9(c)において、縮小後の胴径は90mmで
ある。
【0055】コイル胴が縮小できる構造は、以上説明し
たような構造に限られない。DCFを巻き回す時の胴径
に比べて、波長分散補償器に収納された状態での胴径が
実質的に縮小されていればよく、具体的な機構は問わな
い。楔状部材24の数、溝36の構造等は例示であり、
それぞれの機能を発揮できる構成であれば他の構成でも
よい。なお、実質的に縮小とは、巻き歪みが解放され
て、伝送損失および伝送損失の温度依存性が低減できる
程度の縮小ということができる。
【0056】以上の説明からわかるように胴径の縮小の
程度は、芯部材22の直径により変更できる。胴径の縮
小の割合は、胴径に対して数%であることが好ましい。
この程度あれば、巻き歪みが実質的に解放されるので、
側圧を緩和ができる。また、十分に側圧を緩和するため
に、5〜6%あれば更に好ましい。なお、縮小の程度は
多くても10%を越えることはない。
【0057】次に、このような構造を持ち、胴径がg=
100mm、コイル鍔径がh=200mm、巻き幅がk
=18mmのコイルに、長さ10kmの光ファイバAを
巻きピッチが0.4mm、巻き取り張力が40g重の条
件で巻いて光ファイバコイルを製作した。波長1.55
μmで伝送損失値を測定すると、1.7dBの損失増加
が見られた。
【0058】次に、胴径を90mmに縮小してから、光
ファイバの巻き外径には変化を与えずに巻きほぐして、
光ファイバ全体の巻き具合いあるいは粗密の状態を均等
にするためにコイルを揺動させた後に伝送損失値を測定
すると、コイル巻きによって生じた伝送損失値の増加は
消滅した。このコイルを70℃に加熱して伝送損失値を
測定すると、20℃に比べて損失増加は0.06dBで
あり、光ファイバに本質的に存在する損失増加以外は発
生しなかった。
【0059】このように、DCFを複数回巻き回して光
ファイバコイルを製作した後に、コイル胴を縮小する
と、光ファイバコイルの巻き歪みが実質的に解放された
状態となる。このため、DCFを多層に巻き回したため
に発生した側圧が緩和され、また高温環境下に置かれて
もコイル胴の熱膨張による影響を受けないので、光ファ
イバコイルの伝送損失および伝送損失の温度依存性が低
減できる。つまり、波長分散補償光ファイバの巻き歪み
が実質的に解放された状態で光ファイバコイルがコイル
に収納できる。
【0060】(第3の実施の形態)光ファイバコイルを
用いて波長分散補償器を製作するには、単に光ファイバ
コイルを収納ケースに収納して、ピグテールファイバを
接続するだけでは、波長分散補償器の運搬等の際の振
動、衝撃により、光ファイバコイルの破壊や特性変動を
生じる場合がある。そこで、振動や衝撃により光ファイ
バが部分的に飛び出したり、また巻き外径が増えたりす
る巻き崩れを防止する措置が必要である。
【0061】本実施の形態では、巻き崩れ防止部材とし
て樹脂を用いて、第1の実施の形態で説明した光ファイ
バコイルを、収納ケースに固定する場合について説明す
る。
【0062】図10は、束状の光ファイバコイル32を
収納ケースである収納箱40に収納するときの上面図で
ある。束状の光ファイバコイル32が、樹脂42により
4箇所にて収納箱40に固定されている。光ファイバコ
イル32の両端は、それぞれピグテールファイバに融着
部分44で接続されている。樹脂は、光ファイバコイル
の伝送損失値の増加および温度依存性を抑えるために、
熱膨張係数および塗布後の収縮率が小さい接着性を有す
るものが好ましい。本実施の形態では、シリコーン樹脂
を用いた。シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学
工業(株)製のKE45Tがある。このように、光ファ
イバコイル32は周囲から複数の箇所で固定される。樹
脂による固定部分は、ほぼ等間隔に4箇所以上が好まし
い。4箇所以上あれば、光ファイバコイルを収納箱に十
分に固定できるからである。固定部分は、ほぼ等間隔に
8箇所以上あれば、かなりの衝撃に対しても耐えられる
ので、更に好ましい。なお、樹脂の固定部分の幅は、5
mm程度が好ましい。この程度あれば、塗布具で塗布す
る時も無理がないからである。
【0063】図11は、光ファイバコイルを収納箱40
に収納するときの模式図である。光ファイバコイル32
を収納箱40に樹脂(図示せず)で固定した後に、収納
箱40の蓋46を閉めると、巻き崩れが防止された状態
でファイバコイル32が収納箱40に収納される。蓋4
6が閉められた状態でも光ファイバコイルのDCF束内
に間隔があり、またDCF束と収納箱40との間にも空
間があるので、高温環境下に置かれてもDCFは周囲の
熱膨張による影響を受けない。
【0064】このようにして収納された光ファイバコイ
ルに衝撃試験を行った。衝撃試験は、IEC68−2−
29Ebの規定に従い、加速度98m/sec2、衝撃
印加時間16msec、衝撃印加回数1000回の条件
で実施した。衝撃印加方向は、図11に示すように、巻
き回した光ファイバコイルを含む面に垂直な方向であ
る。この衝撃試験の後でも、光ファイバコイルに巻き崩
れは生じなかった。波長1.55μmで伝送損失値を測
定しても伝送損失の増加はなく、また温度70℃で測定
しても光ファイバに本質的に存在する損失増加以外はな
かった。
【0065】以上、説明したように、束状態の光ファイ
バコイル32を収納箱40に樹脂42で固定すれば、巻
き崩れを起こすこともなく、また光ファイバコイルの巻
き歪みが実質的に解放された状態で、収納箱に収納でき
る。したがって、振動、衝撃等による光ファイバコイル
の破壊や特性変動が防止され、また伝送損失値および伝
送損失の温度依存性が低減された小型の波長分散補償器
を得ることができる。
【0066】(第4の実施の形態)本実施の形態では、
巻き崩れ防止部材として樹脂を用いて、第2の実施の形
態で説明した光ファイバコイルを、コイルに固定する場
合について説明する。
【0067】図12は、第2の実施の形態で使用したコ
イルの側面図である。本実施の形態の場合は、4箇所の
樹脂塗布部分52に塗布された樹脂によりコイル鍔26
に光ファイバコイルが固定され、DCF50が光ファイ
バコイルから引き出されている。樹脂を塗布する部分
は、側面図である図12では見えないが、説明のために
明示的に図示した。
【0068】図13は、図12のB−B’線断面図であ
る。樹脂54は、2枚のコイル鍔26の内側に光ファイ
バコイル48をコイル鍔26に固定するように塗布す
る。樹脂としての特性は、第3の実施の形態と同じであ
るので詳細は省略する。このように、光ファイバコイル
48は周囲から複数の箇所で固定される。樹脂による固
定部分は、ほぼ等間隔に4箇所以上が好ましい。固定部
分が4箇所以上あれば、光ファイバコイルをコイル鍔に
十分に固定できるからである。固定部分は8箇所以上ほ
ぼ等間隔にあれば、かなりの衝撃に対しても耐えられる
ので、更に好ましい。なお、樹脂54の幅は、5mm程
度が好ましい。この程度あれば、塗布具で塗布する時も
無理がないからである。
【0069】収納した光ファイバコイルに、第3の実施
の形態と同じ条件で、衝撃試験を行った。衝撃印加方向
は、図13に示すように、光ファイバコイル48を含む
面に垂直な方向である。衝撃試験後でも光ファイバコイ
ルに巻き崩れは生じなかった。波長1.55μmで伝送
損失値を測定しても伝送損失の増加はなく、また70℃
で測定しても光ファイバに本質的に存在する損失の増加
以外はなかった。
【0070】以上、説明したように、DCFを巻き回し
た後に胴径を縮小し、更に光ファイバコイル48をコイ
ル鍔26に樹脂42で固定すれば、巻き崩れを起こすこ
となく、また光ファイバコイルの巻き歪みが実質的に解
放された状態で、収納ケースであるコイルに光ファイバ
コイル48を収納できる。したがって、振動、衝撃等に
よる光ファイバコイルの破壊や特性変動が防止され、ま
た伝送損失値および伝送損失の温度依存性が低減された
小型の波長分散補償器を得ることができる。
【0071】(第5の実施の形態)本実施の形態では、
巻き崩れ防止部材であるクッション材を配置して、第1
の実施の形態で説明した束状の光ファイバコイルを、収
納箱に固定する場合について説明する。
【0072】図14(a)は、光ファイバコイルを収納
するクッション材の斜視図である。光ファイバコイルを
収納するために、収納箱62の大きさに合わせてクッシ
ョン材60を切り出し、クッション材60の上面に光フ
ァイバコイル収納部を形成する。光ファイバコイル収納
部は、光ファイバコイル32の形状である円柱殻の領域
と光ファイバコイルの引き出し領域とを含んだ部分のク
ッション材60をくり貫いて形成する。深さは、光ファ
イバコイルを収納して、上部にクッション材の蓋ができ
る程度が好ましい。このようにすれば、光ファイバコイ
ルの周囲をクッション材で囲むことができる。底部の形
状は、図14(a)では、断面がU字型または半円状と
したが、この形状に限られない。また、クッション材の
形状は、図14に示した形状に限られない。図15に示
すクッション材67のように、クッション材60から一
部を切り取った形状でもよい。このような形状にする
と、光ファイバコイルがクッション材により複数の箇所
で支持される。
【0073】図14(b)は、クッション材60を用い
て光ファイバコイル32を収納するときの模式図であ
る。クッション材60を収納箱62に入れて、光ファイ
バコイル32を光ファイバ収納部に収納し、引き出され
たDCFをピグテールファイバに融着部分44で接続す
る。この後に、クッション材の蓋66を光ファイバ収納
部に合わせて置き、収納箱の蓋64を閉じると、光ファ
イバコイル32が固定される。蓋66の形状は、光ファ
イバ収納部の開口領域を覆う形状が好ましい。光ファイ
バコイル32上をクッション材で覆えるからである。光
ファイバコイル収納部の形状と略同一であれば更に好ま
しい。光ファイバコイル収納部に合わせて光ファイバコ
イル32上をクッション材で覆えるからである。
【0074】クッション材としては、加工が容易なこ
と、光ファイバを傷つけない程度に柔らかいこと、ヤン
グ率が小さく収納した時に僅かな押しつけ力で光ファイ
バを包むように弾性変形することが要求される。このよ
うなクッション材として、軟質ポリウレタン、発泡ポリ
エチレンが好ましいが、特に、加工が容易なので実用上
は、発泡ポリエチレンが好ましい。上記要求を満たすも
のであれば、これに限られない。なお、本実施の形態に
おいては、発泡ポリエチレンとして、イノアックコーポ
レーション(株)製の品番PEライト、B4を使用し
た。この発泡ポリエチレンの密度は、0.027g/c
3である。
【0075】収納した光ファイバコイルに、第3の実施
の形態と同じ条件で、衝撃試験を行った。衝撃印加方向
は、図14に示すように、光ファイバコイル32を含む
面に垂直な方向である。衝撃試験後でも光ファイバコイ
ルに巻き崩れは生じなかった。波長1.55μmでの伝
送損失値を測定しても伝送損失の増加はなく、また70
℃で測定しても光ファイバに本質的に存在する損失の増
加以外はなかった。
【0076】以上、説明したように、クッション材60
をくり貫いて形成した光ファイバコイル収納部に光ファ
イバコイル32を収納すれば、巻き崩れを起こすことな
く、また光ファイバコイル32の巻き歪みが実質的に解
放された束の状態で、収納箱62に収納できる。したが
って、振動、衝撃等による光ファイバコイルの破壊や特
性変動が防止され、また伝送損失値および伝送損失の温
度依存性が低減でされた小型の波長分散補償器を得るこ
とができる。
【0077】(第6の実施の形態)本実施の形態では、
巻き崩れ防止部材であるクッション材を配置して、第2
の実施の形態で説明した光ファイバコイルを、収納ケー
スであるコイルに固定する場合について説明する。
【0078】図16は、クッション材68を用いて光フ
ァイバコイル48をコイルに収納するときの模式図であ
る。コイル胴の両側にあるコイル鍔26間にクッション
材68を挟み、且つコイル鍔26の外周に合わせて全周
にわたって巻き回すことにより、光ファイバコイル48
がコイル鍔に固定される。クッション材68は、樹脂に
よりコイル鍔26に固定される。樹脂は、光ファイバコ
イル48に付着しないように塗布されることが好まし
い。クッション材の寸法は、使用するコイル鍔26の大
きさおよびDCFの巻き数等により異なる。本実施の形
態では、厚さは3mm、幅はコイルの巻き幅に合わせて
18mm、長さはコイル鍔26の外周長に合わせて約6
28mmの直方体が好適である。クッション材の形状
は、図16に示した形状に限られない。図17のよう
に、複数の薄い直方体のクッション材72を複数箇所に
配置して、光ファイバコイル48をコイル鍔に固定して
もよい。また、クッション材68には、コイルに巻き回
したDCFの引き出し口を設けることが好ましい。図1
6では、引き出し場所に相当する部分にクッション材6
8の厚さ方向に貫く孔70を引き出し口として設けてい
る。
【0079】なお、クッション材の特性は第5の実施の
形態と同じなので詳細は省略する。樹脂としてはシリコ
ーン樹脂が好ましい。ただし、使用環境として想定され
る0℃〜70℃程度の範囲で熱履歴を加えても剥離しな
い樹脂であれば、これに限られない。
【0080】収納した光ファイバコイルに、第3の実施
の形態と同じ条件で、衝撃試験を行った。衝撃印加方向
は、図16に示すように、光ファイバコイル48を含む
面に垂直な方向である。衝撃試験後でも光ファイバコイ
ルに巻き崩れは生じなかった。波長1.55μmで伝送
損失値を測定しても伝送損失の増加はなく、また70℃
で測定しても光ファイバに本質的に存在する損失の増加
以外はなかった。
【0081】以上、説明したように、束状態の光ファイ
バコイル48をクッション材68で固定すれば、巻き崩
れを起こすことなく、また光ファイバコイル48の巻き
歪みが実質的に解放された状態で、コイルに収納でき
る。したがって、振動、衝撃等による光ファイバコイル
の破壊や特性変動が防止され、また伝送損失値および伝
送損失の温度依存性が低減された小型の波長分散補償器
を得ることができる。
【0082】第1の実施の形態および第2の実施の形態
では、巻き歪みが実質的に解放された状態として、光フ
ァイバコイルを束状態にする場合及び光ファイバコイル
のコイル胴を巻き取り後に実質的に縮小する場合につい
て説明した。巻き歪みを実質的に解放する手段は、これ
らに限られない。
【0083】また、第1の実施の形態から第6の実施の
形態では、二重クラッド型のDCFを用いて波長分散補
償器を製作する場合を説明した。本発明はこれに限定さ
れず、二重コア型およびセグメントコア型のDCFにも
同様に適用できる。
【0084】従来の技術では、直径100mm以下の小
型コイルは、実用レベルの波長分散補償器を作製するの
が不可能であった。しかし、第1の実施の形態から第6
の実施の形態で説明したように、本発明によれば、巻き
歪みが実質的に解放された状態で収納ケースに収納でき
るので、伝送損失および伝送損失の温度依存性の低減さ
れた小型の波長分散補償器を実現できる。
【0085】なお、特開昭62−91810号公報に
は、光ファイバと光学素子との光学的結合部を含む光学
系の隙間および周囲に、樹脂を充填し固化して、樹脂内
に光学系を埋め込んだ発明が開示されているが、光ファ
イバジャイロの分野のものであり、波長分散補償器に関
する記載はない。また、特開平8−75477号公報に
は、振動特性の優れた光ファイバコイルの発明が開示さ
れているが、光ファイバジャイロの分野のものであり、
波長分散補償器に関する記載はない。
【0086】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、小型コイ
ルに広帯域用DCFを巻き回して波長分散補償器を製作
するに際して、広帯域用DCFの巻き歪みが実質的に解
放された状態で収納ケースに収納するようにした。これ
により、伝送損失が低減された小型の波長分散補償器を
製作することができると共に、光増幅器と併設して使用
する等により高温下にさらされる場合においても、伝送
損失が増加しない波長分散補償器を製作することが可能
である。
【0087】また、巻き崩れ防止部材により収納ケース
に光ファイバコイルを固定するようにしたので、振動、
衝撃等による光ファイバコイルの破壊や特性変動を防止
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2層からなる被覆層をもつ波長分散補
償光ファイバの断面図である。
【図2】図2は、波長分散補償光ファイバの巻き取り用
のコイルの斜視図である。
【図3】図3は、波長分散補償光ファイバの諸元を一覧
に示した諸元一覧図である。
【図4】図4は、光ファイバAの伝送損失値の波長依存
性を示した特性図である。
【図5】図5は、巻き取り後にコイルにかけるヒートサ
イクルの温度変化図である。
【図6】図6は、コイルの胴抜き後の伝送損失値の波長
依存性を示した特性図である。
【図7】図7(a)は、胴径を縮小できるコイルの分解
部品図である。図7(b)は、楔状部材の側面図であ
る。図7(c)は、胴径を縮小できるコイルの組み立て
後の断面図である。
【図8】図8(a)は、コイル支持部材の上面図であ
る。図8(b)は、図8(a)のA−A’線断面図であ
る。図8(c)は、溝の拡大図である。
【図9】図9(a)と図9(b)は、それぞれコイル胴
を縮小する前のコイルの側面図と上面図である。図9
(c)と図9(d)は、それぞれコイル胴を縮小した後
のコイルの側面図と上面図である。
【図10】図10は、光ファイバコイルを収納箱に樹脂
で固定したときの模式図である。
【図11】図11は、光ファイバコイルを収納箱に収納
するときの模式図である。
【図12】図12は、光ファイバコイルを樹脂で固定し
た後のコイルの側面図である。
【図13】図13は、図12のB−B’線断面図であ
る。
【図14】図14(a)は、光ファイバコイルを収納す
るクッション材の斜視図である。図14(b)は、クッ
ション材を用いて光ファイバコイルを収納するときの模
式図である。
【図15】図15は、光ファイバコイルを収納するクッ
ション材の斜視図である。
【図16】図16は、光ファイバコイルをクッション材
で固定するときの模式図である。
【図17】図17は、光ファイバコイルをクッション材
で固定するときの模式図である。
【図18】図18(a)〜(d)は、波長分散補償光フ
ァイバの断面方向の屈折率分布を示した模式図である。
【符号の説明】
11…光ファイバ、13…一次被覆層、15…二次被覆
層、20…コイル胴、21…コイル鍔、22…芯部材、
24…楔状部材、26…コイル鍔、28…支持部材、3
0…突起、32…光ファイバコイル、34…左右支持部
材の接続壁、36…支持部材の溝、38…蔓巻きばね、
40…収納箱、42…樹脂、44…融着部分、46…収
納箱の蓋、48…光ファイバコイル、50…DCF、5
2…樹脂塗布部分、54…樹脂、60、67…収納用ク
ッション材、62…収納箱、64…収納箱の蓋、66…
蓋用クッション材、68、72…コイル用クッション材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバが複数
    回巻き回された光ファイバコイルと、 前記波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解放
    された状態で前記光ファイバコイルを収納する収納ケー
    スと、を備えていることを特徴とする波長分散補償器。
  2. 【請求項2】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバが複数
    回巻き回された光ファイバコイルと、 前記波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解放
    された状態で束にされた前記光ファイバコイルを収納す
    る収納ケースと、を備えていることを特徴とする波長分
    散補償器。
  3. 【請求項3】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 胴の直径が第1の直径から第2の直径に縮小可能なコイ
    ル胴と、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバが前記
    第1の直径において前記コイル胴に複数回巻き回された
    光ファイバコイルと、 前記コイル胴の直径が前記第2の直径に実質的に縮小さ
    れて前記波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に
    解放された状態で前記光ファイバコイルを収納する収納
    ケースと、を備えていることを特徴とする波長分散補償
    器。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバコイルを前記収納ケース
    に固定することにより巻き崩れを防止する巻き崩れ防止
    部材を更に備えることを特徴とする請求項2または請求
    項3に記載の波長分散補償器。
  5. 【請求項5】 前記巻き崩れ防止部材は、前記光ファイ
    バコイルを前記収納ケースに複数の箇所で固定する樹脂
    で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の波
    長分散補償器。
  6. 【請求項6】 前記巻き崩れ防止部材は、前記光ファイ
    バコイルを前記収納ケースに固定するクッション材であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の波長分散補償器。
  7. 【請求項7】 前記光ファイバコイルの直径は、最小部
    分で100mm以下であることを特徴とする請求項1、
    請求項2または請求項3に記載の波長分散補償器。
  8. 【請求項8】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器の製造方法
    において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバをコイ
    ル胴に複数回巻き回して光ファイバコイルを製造するコ
    イル製造工程と、 前記コイル胴から前記光ファイバコイルを取り外して前
    記波長分散補償光ファイバの巻き歪みが実質的に解放さ
    れた状態で束にされた前記光ファイバコイルを形成する
    コイル取り外し工程と、を備えたことを特徴とする波長
    分散補償器の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記コイル製造工程および前記コイル取
    り外し工程の少なくとも一方に先立ち、前記コイル胴に
    滑材を塗布する滑材塗布工程を更に備えることを特徴と
    する請求項8に記載の波長分散補償器の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記コイル製造工程は、40g重以下
    の巻取り張力で前記波長分散補償光ファイバを前記コイ
    ル胴に複数回巻き回して光ファイバコイルを製造する工
    程であることを特徴とする請求項8または請求項9に記
    載の波長分散補償器の製造方法。
  11. 【請求項11】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm
    帯における波長分散を低減する波長分散補償器の製造方
    法において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバをコイ
    ル胴に複数回巻き回して光ファイバコイルを製造するコ
    イル製造工程と、 前記コイル製造工程の後に、前記コイル製造工程での前
    記コイル胴の直径に比べて前記コイル胴の直径を実質的
    に減少させて巻き歪みが実質的に解放された状態にする
    胴径変更工程と、を備えたことを特徴とする波長分散補
    償器の製造方法。
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