JPH1012513A - 走査型投影露光装置 - Google Patents

走査型投影露光装置

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JPH1012513A
JPH1012513A JP15817296A JP15817296A JPH1012513A JP H1012513 A JPH1012513 A JP H1012513A JP 15817296 A JP15817296 A JP 15817296A JP 15817296 A JP15817296 A JP 15817296A JP H1012513 A JPH1012513 A JP H1012513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハステージとレチクルステージ間の同期
の乱れを素早く収束させて高精度なパターン露光を可能
にした走査型投影露光装置を提供する。 【解決手段】 ウエハステージ側をマスター、レチクル
ステージ側をスレーブとしてマスター・スレーブ制御
し、ウエハステージ内の微動ステージ8の運動に起因し
てウエハステージ内の粗動ステージ9に生じる外乱と1
対1に関係した運動モード偏差eg,eθx,eθyで、
粗動ステージ9の位置制御手段における目標値またはレ
チクルステージ4の位置制御手段における目標値を補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
あるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製
造する際に、スリット走査露光方式でマスクパターンを
逐次ウエハ上に転写露光する走査型投影露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子あるいは液晶表示素子等をフ
ォトリソグラフィ工程で製造する際には、レチクルに描
かれるパターンを感光材が塗布されるウエハ上に転写す
る投影露光装置が使用されている。
【0003】従来、投影露光装置としては、ウエハの各
露光領域(ショット領域)を順次投影露光光学系の露光
フィールド内に移動して、各ショット領域へ順次にレチ
クルのパターン像を一括露光していた。いわゆるステッ
プ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置が多くの
生産現場において稼動していた。しかし、半導体チップ
の大型化は近年の趨勢であり、投影露光装置に対しては
レチクル上のより大きな面積のパターンをウエハ上に転
写露光するための大面積化が求められている。同時に、
半導体素子のパターン微細化に応じて解像度の向上も要
求されている。しかし、解像力向上と露光面積大型化の
両条件を満たす投影露光装置の設計及び製造は技術的に
困難であるという問題がある。
【0004】このような問題解決のために、スリット状
の照明領域に対してレチクルを走査し、その照明領域と
共役な露光領域に対してレチクルと同期してウエハを走
査することにより、レチクル上に描画されたパターン像
を逐次ウエハ上に露光するという、いわゆる走査型投影
露光装置が開発されてきている。
【0005】図5は従来の走査型投影露光装置である。
図において、1は照明光学系、2は照明光学系1から射
出される露光光、3はレチクルステージ4の上に保持さ
れるレチクル、5は投影光学系、6はフォトレジストが
塗布されたウエハ、7はウエハステージである。レチク
ルステージ4とウエハステージ7はy軸方向で互いに逆
向きの定速走行を行いそれぞれvr,vwの速度で走査す
る。
【0006】さて、二つの位置決め物体を同期関係を保
ちながら一定速度で動かすための制御則としてマスタ・
スレイブ同期制御系が知られている。この原理をマスタ
・スレイブ同期制御系のブロック線図である図6に基づ
き簡単に説明する。まず、図示の記号を用いてxM
M,xS,dS,rMの関係は次式のように表現できる。
ただし、各記号の意味は次の通りであり、ここでは簡単
のためdM’=0とおく。
【0007】rM:マスタ制御系への目標値, rS:スレイブ制御系への目標値, eM:マスタ制御系の位置偏差, eS:スレイブ制御系の位置偏差, GMC(s):マスタ制御系の補償器, GSC(s):スレイブ制御系の補償器, GM(s):マスタ制御系の制御対象, GS(s):スレイブ制御系の制御対象, dM:マスタ制御系への力性の外乱, dM’:マスタ制御系への変位性の外乱, dS:スレイブ制御系への力性の外乱, xM:マスタ制御系の変位出力, xS:スレイブ制御系の変位出力, β:縮小比(例えば1/4)
【0008】
【外1】
【0009】ここで、図6の破線部は評価指標である同
期誤差esycを表現し、次式で定義される。
【0010】 esyc=xM−βxS …(3)
【0011】故に、(1)及び(2)式を(3)式に代
入して次式の関係が得られる。
【0012】
【外2】
【0013】(2)式の意味するところ、すなわちマス
タ・スレイブ同期制御系の等価ブロック線図を図7に示
す。同図より、マスタ制御系の出力xMを1/β倍した
ものがスレイブ制御系への目標入力になっている。ま
た、マスタ制御系に入力される外乱dMはスレイブ制御
系へも伝達され、結果として同期誤差esycを制御する
ように作用する。一方、スレイブ制御系に印加される外
乱dSは同系の閉ループが持つ外乱抑制能力のみに委ね
られることなどが分かる。
【0014】このようなマスタ・スレイブ同期制御系の
構成では、マスタ制御系の制御対象GM(s)に印加さ
れる外乱dMによってマスタ制御系の位置信号xMが揺動
を受けたとき、同期補正パス13を介したマスタ制御系
の偏差信号eMがスレイブ制御系に注入されるので、マ
スタ制御系の揺動に合わせてスレイブ制御系も揺動させ
られ、結果として同期関係を保持するような動作を行
う。ここで、同期関係を保持するとは、図6の破線内に
示す同期誤差esycを零にすることである。
【0015】上記説明から明らかなように、スレイブ制
御系の制御対象GS(s)に対して印加される外乱dS
対しては、同期補正の作用がない。スレイブ制御系から
マスタ制御系へ信号が流れる同期補正ループが存在しな
いためである。先にも述べたように、外乱抑止はスレイ
ブ制御系が持つ外乱抑制能力にのみ委ねられる。
【0016】ここで、図8(a)を参照し、微動ステー
ジ8と粗動ステージ9とからなるウエハステージ7が一
体となってy軸負方向に定速駆動されている場合を考え
る。
【0017】不図示のレーザ干渉計の光線10が反射ミ
ラー11を照射することにより位置信号が検出され、そ
の信号に基づいて定速駆動がなされる。しかしながら、
粗動ステージ9の上にはアクチュエータ12M,12
R,12L等によって駆動される微動ステージ8があ
り、これが粗動ステージ9の定速駆動中に動かされたと
き位置計測の反射ミラー11も動くので定速駆動に乱れ
を発生させてしまうことに注意せねばならない。
【0018】例えば、アクチュエータ12Mを伸張、1
2R,12Lを縮小させて微動ステージ8を図8(b)
の如く傾けたとき、y軸負方向に定速駆動されていた粗
動ステージ9は瞬時的に所望の走査速度に乱れを生じさ
せてしまう。この場合、所望の速度からの増大を示すよ
うに作用する。この外乱は、再び図6乃至図7を参照し
てマスタ制御系に印加される外乱dM’と等価であり、
マスタ・スレイブ同期制御系の同期補正作用によって同
期誤差を零と成すようには動作してくれる。
【0019】また、図8(c)の如くアクチュエータ1
2M,12R,12L等がΔZだけ伸張した場合を考え
てみる。光線10を受光する反射ミラー11の面がz軸
から傾きを持つと、同図(b)の場合と同様にy軸負方
向に駆動されている粗動ステージ9の定速性を乱すこと
になる。さらには、微動ステージ8が不図示のアクチュ
エータを使ってz軸回りの回転駆動がなされたときも粗
動ステージ9の定速性に影響を与えることは明らかであ
る。
【0020】前述したように、微動ステージ8のz軸方
向並進運動やx軸、y軸及びz軸回りの回転運動により
粗動ステージ9の定速性は乱されるが、図6 乃至図7
に示す構成するマスタ・スレイブ制御系構成によって同
期誤差はゼロに抑制可能とはなる。
【0021】しかしながら、走査露光性能のより一層の
向上を図るためには、微動ステージ8の駆動に原因した
粗動ステージ9の定速性の乱れにより生じる同期誤差を
即座に収束させねばならない、という課題が残されてい
た。
【0022】なお、本願に関わる公知技術として特開平
7−29801号と特開平3−282605号が知られ
ている。特開平7−29801号では、粗動ステージと
微動ステージとからなるハイブリッド構成のレチクルス
テージにおいて、その粗動ステージは速度制御系が構成
されてウエハステージと独立に目標走査速度に追従し、
位置制御系の組まれた微動ステージが同期補正動作を行
うようになっている。すなわち、基本的にはウエハステ
ージを速度制御系のマスタ、レチクルステージを位置制
御系のスレイブとしたマスタ・スレイブ同期制御系にな
っている。また、スレーブであるレチクルステージの応
答を速めるために、ウエハステージとレチクルステージ
の速度差をレチクル微動ステージへフィードフォワード
している。
【0023】また、特開平3−282605号では速度
フィードフォワード付きのマスタ・スレイブ同期制御方
式を開示している。しかし、上述の公知技術では何れも
変位性の外乱を積極的に制御するための方策は開示され
ていない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、ウエハステージとレチクルステージとが所定の速度
でしかも同期関係を保持しながら定速駆動させるべくマ
スタとスレイブの関係となっている系、所謂マスタ・ス
レイブ同期制御系においては、ウエハステージ内の微動
ステージのレベリング及びチルティングに原因してウエ
ハステージに変位性の外乱を与える。この外乱はマスタ
・スレイブ同期制御系というループ構造によって抑制可
能ではある。
【0025】しかし、dM,dSの如き力性の外乱はそれ
らが入力されたとき、それぞれGM(s),GS(s)と
いうメカニカルシステムによって応答が緩和されて変位
出力となる。一方、dm’の如き変位性の外乱は緩和さ
れることなく直に変位出力に現れるので、同期制御の性
能に及ぼす影響は深刻である。したがって、変位性の外
乱によって発生するウエハステージとレチクルステージ
間の同期の乱れを素早く収束させることが走査型投影露
光装置に対する課題として残されていた。
【0026】本発明の目的は、ウエハステージとレチク
ルステージ間の同期の乱れを素早く収束させることによ
り、高精度なパターン露光を可能とした走査型投影露光
装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、第1の発明に係る走査型露光装置ではレチクル上
の照明領域を照明する照明光学系と、レチクル面の回路
パターンをウエハ上に投影する投影光学系と、レチクル
を所定の方向に走査するレチクルステージと、照明領域
と共役な露光領域に対してレチクルステージと同期して
走査されるウエハステージとを備え、レチクルを走査す
るのと同期してウエハを走査することによってレチクル
上の回路パターンをウエハ上に投影する投影露光装置で
あって、ウエハステージ内の粗動ステージに対する粗動
ステージ位置制御手段と、レチクルステージに対するレ
チクルステージ位置制御手段と、前記粗動ステージ位置
制御手段内の位置偏差を前記投影光学系の投影倍率で定
まる比率で補正し、これを用いて前記レチクルステージ
位置制御手段の目標値を補正するための同期補正パス
と、前記ウエハステージ内に設けられてウエハを所与の
位置決め自由度で位置決めする微動ステージと、前記微
動ステージに対して施される運動モードに基づく非干渉
化制御のための微動ステージ位置制御手段と、前記微動
ステージ位置制御手段内の運動モード偏差信号で前記粗
動ステージ位置制御手段の目標値を補正する補正パスと
を具備している。
【0028】第2の発明は、粗動ステージ位置制御手段
の目標値の代りに、あるいはそれに加えて、微動ステー
ジ位置制御手段内の運動モード偏差でレチクルステージ
位置制御手段の目標値を補正している。
【0029】第1の発明の変形は、微動ステージ位置制
御手段は各軸独立の制御ループであり、各軸の位置偏差
信号を運動モード抽出演算手段に導き、その出力を補正
パスを介して粗動ステージ位置制御手段の目標値に加算
した走査型投影露光装置を構成する。
【0030】第2の発明の変形は、微動ステージ位置制
御手段は各軸独立の制御ループであり、各軸の位置偏差
信号を運動モード抽出演算手段に導き、その出力を補正
パスを介してレチクルステージ位置制御手段の目標値に
加算した走査型投影露光装置を構成する。
【0031】ここで、補正パスは、定数ゲイン、フィル
タ機能を併せ持つ定数ゲイン、ウエハステージの走査位
置に応じて滑らかに変化する可変ゲイン乃至フィルタ機
能を併せ持つ可変ゲイン、あるいはウエハステージの走
査位置に応じて切り替えられる可変ゲイン乃至フィルタ
機能を併せ持つ可変ゲインである。
【0032】(作用)本発明の第1の実施例では、微動
ステージの運動に起因してウエハ側粗動ステージに生じ
る外乱と1対1に関係した運動モード偏差で、マスタ制
御系であるウエハ側粗動ステージの位置制御手段におけ
る目標値を補正するので、ウエハとレチクルの同期誤差
を素早く抑制するように作用する。
【0033】本発明の第2の実施例では、微動ステージ
の運動に起因してウエハ側粗動ステージに発生する外乱
と1対1に関係した運動モード偏差で、スレイブ制御系
であるレチクルステージの位置制御手段における目標値
を補正するので、ウエハとレチクルの同期誤差を素早く
抑制するように作用する。
【0034】なお、本発明の第1の実施例の変形では第
1の実施例と同様な作用がある。また本発明の第2の実
施例の変形では第2の実施例と同様な作用がもたらされ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】具体的な説明に入る前準備とし
て、発明内容を定性的に把握するため再び図7を参照す
る。同図において、dM’の加算点はxMの部位である。
Mの次元は変位であり、したがって外乱dM’は変位性
のものである。微動ステージ8の上には粗動ステージ9
を駆動制御するための位置信号計測用の反射ミラー11
が備えられており、微動ステージ8の駆動により粗動ス
テージ9が受ける外乱は変位性のものであり、これはd
M’に相当する。
【0036】ここで、外乱には予測できないものと、原
因と結果の対応がつけられる予測可能なものとに分類で
きることに注意したい。本発明の対象とする外乱は変位
性のそれであり、更には微動ステージが駆動されること
によって発生する、という因果関係が明白な外乱でもあ
る。
【0037】従って、原因の明確な外乱については、外
乱を引き起こす信号を検出して補正が掛けられるのであ
る。ここで、dM’印加の原因となる信号を検出してマ
スタ制御系に補正を掛けた場合が図1あるいは図3の構
成、スレイブ制御系に補正を掛けた場合が図2あるいは
図4の構成である。
【0038】以下、本発明に係る走査型投影露光装置の
一実施例について図1から図4を参照しながら説明す
る。
【0039】図1は本発明の第1の実施例に係る走査型
投影露光装置を示す。図において、不図示の照明光学系
からの露光光2によるスリット状の照明領域によりレチ
クル3の上の回路パターンが照明され、そのパターン像
は投影光学系5を介しウエハ6上に投影露光される。こ
の際、レチクル3とウエハ6の走査方向は互いに逆向き
y軸方向とする。
【0040】まず、微動ステージ8に対する運動モード
に基づく非干渉化制御の構成、すなわち微動ステージ8
に対する位置制御手段から説明する。この位置制御手段
の構成については本願出願人の先の出願に係わる特開平
7−319549号公報に詳しい。
【0041】図1において、14は運動モード抽出演算
手段である。粗動ステージ9を基準にした微動ステージ
8のz軸方向変位を計測する不図示の変位検出手段から
の信号を入力してz軸方向並進運動、x軸回りの回転運
動、及びy軸回りの回転運動という運動モード信号を抽
出する。その出力は指令値発生手段15の出力信号と比
較して運動モード偏差信号(eg,eθx,eθy)を生
成する。ここで、egはz軸方向並進運動を表す運動モ
ード偏差信号,eθxはx軸回りの回転運動を表す運動
モード偏差信号,eθyはy軸回りの回転運動を表す運
動モード偏差信号である。
【0042】これら運動モード偏差信号は運動モードご
とに最適な補償を施すための補償器16G,16X,1
6Yに導かれ、運動モード分配演算手段17への入力と
なる。運動モード分配演算手段17の出力は微動ステー
ジ8を駆動するアクチュエータ12M,12R,12L
を励磁する電力アンプ18M,18R,18Lへの入力
となる。ここで指令値発生手段15への入力は、投影光
学系5を基準にしてウエハ6の露光面までのフォーカス
距離を計測する不図示の位置計測手段からの信号であ
る。なお、上述の特開平7−319549号公報ではア
クチュエータ12M,12R,12Lが変位拡大機構を
含めたピエゾ素子であった。本発明ではそのようなアク
チュエータに限定されるものではなく電磁アクチュエー
タでも構わない。
【0043】次に、マスタ制御系、すなわちウエハステ
ージ7における粗動ステージ9に対する位置制御手段に
ついて説明する。図1から図4では、粗動ステージ9は
Xステージ9XとYステージ9Yとから構成されており
走査方向をy軸にとるのでYステージ9Yに対する位置
制御手段の構成を説明することになる。19は位置計測
用のレーザ干渉計、20は目標プロファイル32とレー
ザ干渉計19とを比較した偏差信号を入力とする補償
器、21はYステージ9Yを駆動するアクチュエータを
励磁するドライバ、22は目標プロファイル32に対す
る応答性向上のための目標値フィードフォワード手段、
23はYステージ9Yの急加減速で生じる反力を検出す
るための加速度センサなどの振動検出手段、24は加速
度フォードバック手段である。
【0044】最後に、スレイブ制御系、すなわちレチク
ルステージ4に対する位置制御手段について説明する。
25はレチクルステージ4の位置を計測するためのレー
ザ干渉計、26は目標プロファイル32の信号を1/β
倍した信号からレーザ干渉計25の信号を差し引いた偏
差信号を入力とし閉ループ系の性能を確保するための補
償器、27はレチクルステージ4を駆動するアクチュエ
ータを励磁するドライバ、28はレチクルステージの応
答性改善のための目標値フィードフォワード手段、29
は加速度センサなどの振動検出手段、30は加速度フィ
ードバック手段である。目標プロファイル32の信号を
1/β倍する要素はウエハステージ9とレチクルステー
ジ4を所定の速度比で駆動するための定数要素33であ
る。この速度比は投影光学系の投影倍率で定まる。
【0045】さて、上述した微動ステージ8に対する位
置制御手段、微動ステージ8を載せる粗動ステージの中
で走査を担うYステージ9Yの位置制御手段、レチクル
ステージ4に対する位置制御手段を備える走査型露光装
置において、従来のマスタ・スレイブ制御方式では同期
補正パス13を設けていた。13の機能については既に
説明済みである。ウエハステージ側に印加された外乱に
対するウエハ側制御系内の偏差信号をレチクルステージ
制御系への目標値から減じることにより外乱によるウエ
ハステージの動きにあわせてレチクルステージを駆動
し、結果として同期誤差をゼロと成す機能を有する。
【0046】図示の場合、定数ゲインI/βとおいてい
るが必要に応じこれにフィルタ機能を併せ持たせてもか
まわない。また、ウエハステージとレチクルステージの
加減速動作に応じて定数ゲインを滑らかに、あるいは瞬
時に切り替えることも許容され得る。
【0047】図1に示す本発明では、上述した微動ステ
ージ8に対する位置制御手段、微動ステージ8を載せる
ウエハ側粗動ステージの中で走査を担うYステージ9Y
の位置制御手段、レチクルステージ4に対する位置制御
手段を備え、且つウエハ側粗動ステージの位置偏差信号
を同期補正パス13を介してレチクルステージの位置制
御手段の目標値に減算した所謂マスタ・スレイブ同期制
御方式を採る走査型露光装置において、微動ステージ8
の位置制御手段内の運動モード偏差信号(eg,eθx
eθy)を検出し、その信号を補正パス34を介してウ
エハステージ制御系の目標プロファイル32に印加(加
算)する。
【0048】同期補正パス13と同様に、補正パス34
は一定の定数ゲイン、時変のゲイン、テーブル参照ゲイ
ン、あるいはフィルタ機能を併せ持つ定数ゲイン、時変
ゲイン、テーブル参照型ゲインである。なお、例えば、
ステージのYステージ9Yの走査中に微動ステージ8を
x軸回りに駆動しない場合、もちろん微動ステージ8の
x軸回りの回転駆動が引き起こす粗動ステージ9への変
位性の外乱は存在しないので補正パス34も不必要とな
り、ゲインを零にセットすればよい。
【0049】第2の実施例を図2に基づき説明する。図
1では、微動ステージ制御系の運動モード偏差信号(e
g,eθx,eθy)を検出し、それを補正パス34を介
してウエハ側粗動ステージ(具体的にはYステージ9
Y)の位置制御手段の目標プロファイル32に加算し
た。この操作は、微動ステージ8の駆動に原因してウエ
ハ側粗動ステージに与える変位性の外乱を同ステージに
対する位置制御手段自身で補正しよう、という立場の装
置構成である。第2の実施例では、この変位性の外乱の
影響をレチクルステージに対する位置制御手段で吸収す
る立場のものである。より具体的には、図2を参照し
て、微動ステージ制御系の運動モード偏差信号(eg
eθx,eθy)を検出し、この信号を補正パス34を介
してレチクルステージ制御系の目標値に加算する構成に
なる。
【0050】次に、第1の実施例の変形として、微動ス
テージ8に対して、z軸方向並進運動やx軸及びy軸回
りの回転運動に着目した運動モード別非干渉化制御以外
の1軸ごとに独立したループを有する制御が施される場
合を考える。このとき、例えば微動ステージ8のz軸上
方並進運動とy軸回り正方向回転運動とを位置偏差信号
Lのみの観察によって区別することはできない。した
がって、各軸独立に位置制御される微動ステージ8の位
置偏差信号を1軸分だけ取り出しても、それ自身とウエ
ハ側粗動ステージが受ける定速性の乱れとの間に1対1
の対応はつけられない。しかし、制御構造が各軸独立で
あっても微動ステージ8の駆動状態を運動モード偏差信
号(eg,eθx,eθy)で観察すればその対応はとれ
る。
【0051】そこで、本発明の第1の実施例の変形は図
3のようになる。ここでは、図1あるいは図2と異な
り、z軸並進運動とx軸及びy軸回りの回転運動を行わ
せるための制御ループは3軸各独立である。この制御ル
ープから各軸の位置偏差信号(eM,eR,eL)を取り
込み、さらにそれを運動モード抽出演算14手段に導い
て得られる信号は、微動ステージ8の運動が粗動ステー
ジ9へ変位性の外乱を与える量と1対1の関係がとれる
運動モード偏差信号(eg,eθx,eθy)である。故
に、対応がとれた信号を補正パス34を介して目標プロ
ファイル32の目標値に加算することにより、図1で説
明した内容と等価な作用が得られる。
【0052】同様に、第2の実施例の変形として、微動
ステージ8に対して3軸独立の制御ループが構成されて
いる場合であって図4のように位置偏差信号(eM
R,eL)を取り出し、これを運動モード抽出演算手段
14に導き微動ステージ8の運動モード偏差信号
(eg,eθx,eθy)を演算出力する。
【0053】第2の実施例の変形ではこの信号を補正パ
ス34を介してレチクルステージ制御系の目標値に印加
する。図2の場合と同様に、微動ステージ8の駆動に原
因して生じる変位性の外乱をレチクルステージ制御系で
補正する立場の制御系構成である。
【0054】なお、図1から図4に示す走査型投影露光
装置における補正パス34は、理論的あるいは実験的に
定められる定数ゲイン、フィルタ機能を併せ持つ定数ゲ
イン、ウエハステージの走査位置に応じ滑らかに変化す
る可変ゲイン乃至フィルタ機能を併せ持つ可変ゲイン、
あるいはウエハステージの走査位置に応じて切り替えら
れる可変ゲイン乃至フィルタ機能を併せ持つ可変ゲイン
の何れかである。例えば、露光性能の観点からウエハス
テージのy軸方向への走査中であって微動ステージ8に
対してx軸回りの回転駆動を要求しない場合には、もち
ろんx軸回りの運動モード偏差信号eθxに関する補正
パス34のゲインは零となる。
【0055】また、微動ステージ8をz軸回りに回転し
たときにもウエハ側の粗動ステージに変位性の外乱は与
えられる。図1から図4では微動ステージ8をz軸回り
に回転する位置制御手段は不図示であり、その外乱に対
処する同期補正手段を明示していない。しかし、微動ス
テージ8の運動モード偏差信号(eg,eθx,eθy
にz軸回りの運動モード偏差信号eθZも加えて、図1
から図4に示す補正パス34を構成すれば良いことは言
うまでもない。
【0056】
【発明の効果】本発明の走査型露光装置の効果は以下の
ようにまとめられる。 (1)微動ステージの並進運動や回転運動に起因してウ
エハ側粗動ステージの定速性が乱され、以ってレチクル
ステージとの同期性も阻害される。本発明の走査型投影
露光装置によれば、微動ステージ制御系内の信号でウエ
ハ側粗動ステージあるいはレチクルステージ制御系の目
標値を補正する新たな補正パスを付加しており微動ステ
ージの運動に起因したウエハとレチクルステージ間の同
期誤差の変動を迅速に抑制できる、という効果がある。 (2)上記新たな補正パスへ導く微動ステージ制御系内
の信号は運動モード偏差信号であり、微動ステージの駆
動に原因してウエハ側粗動ステージが被る速度変動と1
対1に対応している。したがって微動ステージ制御系か
らウエハステージあるいはレチクルステージに対して新
たに付加する補正パスの構成が簡単になるという効果が
ある。 (3)図1から図4の走査型投影露光装置では、ウエハ
ステージをマスタに、レチクルステージをスレイブにし
た所謂マスタ・スレイブ同期制御系の構成を基本にして
微動ステージの駆動に原因する因果関係の明白な変位性
の外乱を積極的に抑制する補正パスを新たに設けている
ので同期誤差の抑制が迅速にはかれる、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る走査型投影露光装
置である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る走査型投影露光装
置である。
【図3】第1の実施例の変形に係る走査型投影露光装置
である。
【図4】第2の実施例の変形に係る走査型投影露光装置
である。
【図5】従来の走査型投影露光装置である。
【図6】マスタ・スレイブ制御系のブロック線図であ
る。
【図7】マスタ・スレイブ制御系の等価ブロック線図で
ある。
【図8】ウエハステージの低速駆動状態を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1 照明光学系 2 露光光 3 レチクル 4 レチクルステージ 5 投影光学系 6 ウエハ 7 ウエハステージ 8 微動ステージ 9 粗動ステージ 9X Xステージ 9Y Yステージ 10 光線10 11 反射ミラー 12R,12L等 アクチュエータ 13 同期補正パス 14 運動モード抽出演算手段 15 指令値発生手段 16G,16X,16Y 補償器 17 運動モード分配演算手段 18M,18R,18L 電力アンプ 19 レーザ干渉計 20 補償器 21 ドライバ 22 目標値フィードフォワード手段 23 振動検出手段 24 加速度フィードバック手段 25 レーザ干渉計 26 補償器 27 ドライバ 28 目標値フィードフォワード手段 29 振動検出手段 30 加速度フィードバック手段 31 反射ミラー 32 目標プロファイル 33 定数要素 34 補正パス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 503A 525E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レチクル上の照明領域を照明する照明光
    学系と、前記レチクル面の回路パターンをウエハ上に投
    影する投影光学系と、前記レチクルを所定の方向に走査
    するレチクルステージと、前記照明領域と共役な露光領
    域に対して前記レチクルステージと同期して走査される
    ウエハステージとを備え、前記レチクルを走査するのと
    同期して前記ウエハを走査することによって前記レチク
    ル上の回路パターンを前記ウエハ上に投影する投影露光
    装置であって、 前記ウエハステージ内の粗動ステージに対する粗動ステ
    ージ位置制御手段と、 前記レチクルステージに対するレチクルステージ位置制
    御手段と、 前記粗動ステージ位置制御手段内の位置偏差を前記投影
    光学系の投影倍率で定まる比率で補正し、これを用いて
    前記レチクルステージ位置制御手段の目標値を補正する
    ための同期補正パスと、 前記ウエハステージ内に設けられて前記ウエハを所与の
    位置決め自由度で位置決めする微動ステージと、 前記微動ステージに対して施される運動モードに基づく
    非干渉化制御のための微動ステージ位置制御手段と、 前記微動ステージ位置制御手段内の運動モード偏差で前
    記粗動ステージ位置制御手段の目標値を補正する補正パ
    スと、 を備えたことを特徴とする走査型投影露光装置。
  2. 【請求項2】 レチクル上の照明領域を照明する照明光
    学系と、前記レチクル面の回路パターンをウエハ上に投
    影する投影光学系と、前記レチクルを所定の方向に走査
    するレチクルステージと、前記照明領域と共役な露光領
    域に対して前記レチクルステージと同期して走査される
    ウエハステージとを備え、前記レチクルを走査するのと
    同期して前記ウエハを走査することによって前記レチク
    ル上の回路パターンを前記ウエハ上に投影する投影露光
    装置であって、 前記ウエハステージ内の粗動ステージに対する粗動ステ
    ージ位置制御手段と、 前記レチクルステージに対するレチクルステージ位置制
    御手段と、 前記粗動ステージ位置制御手段内の位置偏差を前記投影
    光学系の投影倍率で定まる比率で補正し、これを用いて
    前記レチクルステージ位置制御手段の目標値を補正する
    ための同期補正パスと、 前記ウエハステージ内に設けられて前記ウエハを所与の
    位置決め自由度で位置決めする微動ステージと、 前記微動ステージに対して施される運動モードに基づく
    非干渉化制御のための微動ステージ位置制御手段と、 前記微動ステージ位置制御手段内の運動モード偏差信号
    で前記レチクルステージ位置制御手段の目標値を補正す
    る補正パスと、 を備えたことを特徴とする走査型投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記微動ステージ位置制御手段は各軸独
    立の制御ループであり、各軸の位置偏差信号を運動モー
    ド抽出演算手段に導き、 前記運動モード抽出演算手段の出力を前記補正パスを介
    して前記粗動ステージ位置制御手段の目標値に加算した
    ことを特徴とする請求項1記載の走査型投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記微動ステージ位置制御手段は各軸独
    立の制御ループであり、各軸の位置偏差信号を運動モー
    ド抽出演算手段に導き、前記補正パスを介した信号を前
    記レチクルステージ位置制御手段の目標値に加算したこ
    とを特徴とする請求項2記載の走査型投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記補正パスは、定数ゲイン、フィルタ
    機能を併せ持つ定数ゲイン、前記ウエハステージの走査
    位置に応じて滑らかに変化する可変ゲイン乃至フィルタ
    機能を併せ持つ可変ゲイン、あるいは前記ウエハステー
    ジの走査位置に応じて切り替えられる可変ゲイン乃至フ
    ィルタ機能を併せ持つ可変ゲイン、であることを特徴と
    する請求項1から請求項4記載の走査型投影露光装置。
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