JPH10127714A - 関節拘縮用治療装置及びデータ収集方法 - Google Patents

関節拘縮用治療装置及びデータ収集方法

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JPH10127714A
JPH10127714A JP8300982A JP30098296A JPH10127714A JP H10127714 A JPH10127714 A JP H10127714A JP 8300982 A JP8300982 A JP 8300982A JP 30098296 A JP30098296 A JP 30098296A JP H10127714 A JPH10127714 A JP H10127714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 関節拘縮用の治療を自動化することができ、
特に、理学療法士が行なう治療動作を忠実に再現して治
療を行なうことができる関節拘縮用治療装置を提供す
る。 【解決手段】 本体装置A1の可動機構部20には固定
部40が設けられ、固定部40に脚を固定し、回動アー
ム26を初期位置からF方向に回動させて最大角度まで
加圧し、その後初期位置にまで戻して治療を行なう。マ
ニュアルモードにおいては、回動レバー24を持って治
療を行ない、このマニュアルモードで得た教示データに
従い自動モードにおいてモータを制御して治療の自動化
を行なう。1回の往復動に区間を移動領域と加圧領域と
戻り領域とに分け、移動領域と戻り領域とにおいては、
角度制御を行ない、加圧領域においてはトルク制御を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膝、肘等に発生す
る症状の1つである関節拘縮に使用する装置に関するも
のであり、特に、関節拘縮についてのデータを収集する
とともに、また、関節拘縮の治療を行うための装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、骨折等を原因とした関節拘縮とい
う症状が多くみられる。これは、関節を曲げたり延ばし
たりすることが困難になるという症状を呈するもので、
例えば、膝を骨折した場合にギブスで固めるわけである
が、2〜4週間の間ギブスで固めておくために、筋肉の
伸縮がなくなり、また、関節内の癒着が起こったりし
て、仮に膝を延ばした状態で固定しておくと膝を曲げる
のが困難となる。また、脳卒中後の麻痺側の四肢では屈
筋群が伸筋群よりも強力であるため屈曲位の関節拘縮が
生じる。この関節拘縮は、現代の高齢化社会において、
脳卒中後遺症としての麻痺、転倒による骨折等により増
加の傾向にあり、リハビリ治療においてもこの関節拘縮
が日常生活上の活動性を低下させることになり、問題と
なる。
【0003】この関節拘縮の予防ないしは治療について
は、従来から理学療法士がこれを行っている。すなわ
ち、膝を延ばした状態で関節拘縮を起こした患者に対し
ては、患者をうつぶせの状態でベッドに寝かせ、足の膝
から下の部分に手を当ててゆっくりと膝を中心として回
転させるようにして、強制的に膝を曲げる動作を行う。
その際に、患者の患部の回復状態を見るために、関節を
どの程度曲げることができるかをゴニオメータ等の角度
測定器で測定することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の理学療
法士による治療は、ゆっくりとしかも多数回行うのが望
ましいことから、理学療法士に対して過酷な労働を強い
ることになる。また、関節をどの程度曲げることができ
るようになったかを測定することはできても、どの程度
の力を加えてよいかは長年の勘と経験に基づく他なく、
科学的な分析、治療を行うことができなかった。そこ
で、本発明は、関節拘縮用の治療を自動化することがで
き、特に、理学療法士が行なう治療動作を忠実に再現し
て治療を行なうことができる関節拘縮用治療装置を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために創作されたものであって、第1には、関節
拘縮の治療を行なう関節拘縮用治療装置であって、脚を
含む人体の少なくとも一部を固定し、所定の中心軸を介
して回動する可動部を有し、該可動部が初期位置から回
動し所定の最大角度で折り返す往復動により治療動作が
行なわれ、該治療動作の往復動の区間における少なくと
も一部の区間では角度制御により動作制御を行ない、少
なくとも他の一部の区間ではトルク制御により動作制御
を行なうことを特徴とする。この第1の構成の関節拘縮
用治療装置においては、可動部に人体の少なくとも一部
を固定させる。そして、可動部を初期位置から回動させ
所定の最大角度で折り返す往復動を行なって治療動作を
行なう。この1回の往復動の区間においては、少なくと
も一部の区間では角度制御により動作制御を行ない、少
なくとも他の一部の区間ではトルク制御により動作制御
を行なう。よって、治療動作を自動化することができ、
角度制御とトルク制御とを適宜用いることによりより理
学療法士の治療動作に近い治療を行なうことができる。
【0006】また、第2には、上記第1の構成の関節拘
縮用治療装置において、可動部が、脚を固定する固定部
と、該固定部を支持し、所定の中心軸を中心に回動する
回動アームとを有し、上記固定部が上記回動アームに対
してスライドすることを特徴とする。よって、この第2
の構成の関節拘縮用治療装置によれば、固定部が回動ア
ームに対してスライドするので、患者に対する危険を回
避するとともに、患者の患部をセットし直すことができ
る。
【0007】また、第3には、上記第1又は第2の構成
において、往復動の区間において、初期位置から加圧を
開始する角度までの移動領域と、加圧を開始する角度か
ら最大角度までの加圧領域と、最大角度から初期位置ま
での戻り領域とが設けられ、上記移動領域と戻り領域で
は角度制御が行なわれ、上記加圧領域ではトルク制御が
行なわれることを特徴とする。また、第4には、上記第
1又は第2の構成において、往復動の区間において、初
期位置での初期角度から最大角度より小さい移動領域終
了角度までの移動領域と、該移動領域終了角度以上で、
かつ、最大角度未満である加圧領域開始角度から最大角
度までの加圧領域と、該最大角度以下で、かつ、初期角
度以上である戻り角度開始角度から初期角度までの戻り
領域とが設けられ、上記移動領域と戻り領域では角度制
御が行なわれ、上記加圧領域ではトルク制御が行なわれ
ることを特徴とする。この第3又は第4の構成の関節拘
縮用治療装置によれば、移動領域と戻り領域では角度制
御が行なわれ、上記加圧領域ではトルク制御が行なわれ
るので、理学療法士等の専門の治療者が行なう治療によ
り近い治療を行なうことができる。
【0008】また、第5には、上記第3又は第4の構成
において、上記移動領域と加圧領域間の境界において
は、角度制御からトルク制御に徐々に切換えを行ない、
上記加圧領域と戻り領域間の境界においては、トルク制
御から角度制御に徐々に切換えを行なうことを特徴とす
る。よって、各領域の境界においては、急激に切換えを
行なうことによるショックを防止することができる。ま
た、第6には、上記第5の構成において、角度制御とト
ルク制御間の切換えを、角度制御の切換え常数Sと、ト
ルク制御の切換え常数S−1を設け、該切換え常数Sの
値を変化させることにより行なうことを特徴とする。こ
れにより制御の切換えを徐々に行なうことができる。
【0009】また、第7には、上記第1から第6までの
いずれかの構成において、治療者が、手動動作により、
可動部を初期位置から回動させ所定の最大角度で折り返
す往復動を行うことにより教示データが生成され、該教
示データに基づき自動治療動作が行われることを特徴と
する。よって、マニュアルの治療動作により得た教示デ
ータ従い動作させるので、治療者が行なった治療動作に
より近い治療を行なうことができる。また、第8には、
上記第7の構成において、教示データが、角度の時間的
変化を示す角度曲線とトルクの時間的変化を示すトルク
曲線とを有することを特徴とする。つまり、上記角度曲
線とトルク曲線とに従い装置が動作されることになる。
【0010】また、第9には、上記第7又は第8の構成
において、関節拘縮用治療装置が、上記可動部の回動角
度を検出する角度検出器と、上記可動部に掛かるトルク
を検出するトルク検出器と、上記可動部を回動させる駆
動部と、治療者が行なった手動動作において角度検出器
及びトルク検出器から得られたデータに基づき教示デー
タを生成するとともに、自動モードにおいて、上記教示
データと上記角度検出器及びトルク検出器からのデータ
とに基づき上記駆動部のフィードバック制御を行なう制
御部と、を有することを特徴とする。この第9の構成の
関節拘縮用治療装置においては、角度検出器とトルク検
出器とが設けられているので、マニュアルモードにおい
てマニュアルで動作させた場合の角度とトルクの各デー
タを取り、制御部により教示データを生成する。そし
て、制御部は生成された教示データと上記角度検出器及
びトルク検出器からのデータとに基づき駆動部を制御し
て可動部を自動的に動作させる。また、第10には、上
記第7から第9までのいずれかの構成において、関節拘
縮用治療装置が、さらに、上記可動部が回動する中心軸
を共通にし、該可動部に機構的に接続された回動レバー
を有し、該回動レバーを回動させることにより上記可動
部が回動することを特徴とする。よって、治療者がマニ
ュアルにより治療を行なう場合には、上記回動レバーを
手に持って該回動レバーを回動させることにより可動部
が回動して治療を行なうことができる。
【0011】また、第11には、上記第1から第6まで
のいずれかの構成において、関節拘縮用治療装置を動作
させるために予め作成された基本データに基づき治療動
作が行われることを特徴とする。この第11の構成の関
節拘縮用治療装置によれば、予め作成された基本データ
に基づき動作させるので、治療者の操作が必要なく人手
を必要としない。また、この基本データにより動作させ
ることにより得たデータは患者の患部の特性のみを示す
データであるので、このデータを分析することにより治
療のための有効な資料とすることができる。また、第1
2には、上記第11の構成において、基本データが、角
度の時間的変化を示す角度曲線とトルクの時間的変化を
示すトルク曲線とを有することを特徴とする。つまり、
上記角度曲線とトルク曲線とに従い装置が動作されるこ
とになる。また、第13には、上記第11又は第12の
構成において、関節拘縮用治療装置が、上記可動部の回
動角度を検出する角度検出器と、上記可動部に掛かるト
ルクを検出するトルク検出器と、上記可動部を回動させ
る駆動部と、上記基本データと上記角度検出器及びトル
ク検出器からのデータとに基づき上記駆動部のフィード
バック制御を行なう制御部と、を有することを特徴とす
る。この第13の構成の関節拘縮用治療装置において
は、制御部は予め作成された基本データと上記角度検出
器及びトルク検出器からのデータとに基づき駆動部を制
御して可動部を自動的に動作させる。
【0012】また、第14には、関節拘縮の患部の特性
についてデータを収集するデータ収集方法であって、上
記第11から第13までのいずれかの構成の関節拘縮用
治療装置を用いてデータを収集することを特徴とする。
この基本データにより動作させることにより得たデータ
は患者の患部の特性のみを示すデータであるので、この
データを分析することにより治療のための有効な資料と
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としての実施
例を図面を利用して説明する。本発明に基づく関節拘縮
用治療装置(以下、「治療装置」とする)Aは、図1に
示されるように、本体装置A1と、制御装置A2とを有
している。ここで、上記本体装置A1は、基部10と可
動機構部20とを有している。上記基部10は、略板状
に形成され、脚を置くための略長方形状の載置スペース
11が設けられている。また、該載置スペース11の両
側には、載置された脚を固定するための立設板部12が
設けられている。
【0014】また、上記可動機構部20は、上記基部1
0上に設けられ、ケース部22、回動レバー24、回動
アーム26、クラッチ28、モータ30、支持部32等
を有している。つまり、上記基部10上にケース部22
が設けられ、このケース部22には、上記回動レバー2
4が回動自在に設けられている。このケース部22には
回動軸部23が設けられ、この回動レバー24はこの回
動軸部23に取り付けられている。このケース部22に
は、トルク検出器34(図3参照)や角度検出器36
(図3参照)が設けられている。このトルク検出器34
は、上記回動軸部23の外周に抵抗体を有し、この回動
軸部23がねじれることによる抵抗体の抵抗値の変化を
検出してこれをトルク情報として出力する。また、角度
検出器36は、回動アーム26の回転角度を測定するも
のであり、該角度検出器36内の抵抗値変化を角度情報
として出力するものである。この角度検出器36として
は、ポテンショメータやロータリーエンコーダの使用が
可能である。
【0015】また、該ケース部22における回動レバー
24が取り付けられている側と反対の側には、回動アー
ム26が回動自在に取り付けられている。この回動アー
ム26は、ケース部22内に設けられた上記回動軸部2
3に取り付けられ、回動レバー24を回動させると、回
動アーム26も同期して回動するようになっている。こ
の回動アーム26は、略四角柱状に形成され、この上部
には表裏に一対の溝部26aが設けられ、横断面が略H
字状に形成されている。また、回動アーム26の溝部2
6aには、長穴26cが設けられている。また、支持部
32は、基部10上に設けられ、回動アーム26に取り
付けられた回動軸部23を軸支している。
【0016】また、上記ケース部22には、駆動部とし
てのモータ30が設けられ、このモータ30は、上記回
動軸部23に取り付けられている。つまり、モータ30
は、上記回動レバー24と回動アーム26に取り付けら
れた回動軸部23に取り付けられ、モータ30が回転す
ることによりこの回動軸部23が回転するようになって
いる。なお、回動レバー24の基端部24aには、上記
モータ30と回動軸部23間を連結及び解除するための
クラッチ28が設けられている。
【0017】また、上記回動アーム26には、固定部4
0が着脱自在に取り付けられている。つまり、この固定
部40は、パッド42と枠部44とを有し、枠部44
は、パッドを取り付けるパッド取付部45と、該パッド
取付部45から連設された接続部46とを有している。
該パッド取付部45は、彎曲した形状の彎曲部45a、
45bと該彎曲部45a、45b間を連結する四角柱状
の連結部45c、45d、45eを有している。また、
上記接続部46は、略U字状の挟持部46a、46bと
該挟持部46a、46b間に設けられた一対の棒状部4
6c、46dを有している。この棒状部46c、46d
は、回動アーム26の溝部26aを摺動するようになっ
ている。つまり、上記固定部40は、回動アーム26の
長手方向にスライドするようになっている。また、棒状
部46cには穴部が設けられ、この穴部にはネジ49が
挿通され、このネジ49は長穴26cにも挿通されてい
る。また、この穴部に対応する棒状部46dの位置には
ネジ穴が設けられ、ネジ49が螺着されるようになって
いる。よって、固定部40が可動アーム26から脱落す
るのを防止し、このネジ49の締付け具合を調整するこ
とにより固定部40がスライドする際の滑り具合を調整
することができる。なお、少なくとも上記可動アーム2
6と固定部40とで可動部が構成される。
【0018】また、上記制御装置A2は、制御本体部5
0とユニット60とを有している。ここで、上記制御本
体部50は、入力部52と、表示部54と、記憶部56
と、CPU58とを有している。各部の構成については
以下で説明する。また、上記ユニット60は、下記の図
2に説明する電圧変換器62、A/D変換器64、D/
A変換器66、サーボアンプ68を収納するものであ
る。
【0019】次に、上記治療装置Aの機能的なブロック
図を示すと図2に示すように構成され、上記トルク検出
器34と上記角度検出器36とは、上記電圧変換器62
に接続され、電圧変換器62はA/D変換器64に接続
される。また、A/D変換器64はCPU58に接続さ
れ、入力部52、表示部54はCPU58に接続されて
いる。また、このCPU58には、D/A変換器66が
接続され、このD/A変換器66にはサーボアンプ68
が接続され、さらに、サーボアンプ68にはモータ30
が接続されている。
【0020】ここで、上記電圧変換器62は、トルク検
出器34と角度検出器36とにおいて検出されたトルク
情報及び角度情報としての抵抗値の値を電圧の値に変換
するものであり、また、A/D変換器64は、電圧値に
変換されたアナログ情報としてのトルク情報と角度情報
の各データをデジタル情報に変換するものである。
【0021】また、入力部52は、操作を行なうための
キーボードで構成され、表示部54は、所定の情報が表
示されるように構成される。記憶部56は各種情報を記
憶するためのものであり、例えば、理学療法士等の治療
者(以下単に「治療者」とする)がマニュアルで行なっ
た動作の教示データを格納しておく。また、CPU58
は、デジタル変換された電圧値からトルクと角度とを演
算処理し、トルクと角度の時間的な推移等のデータを生
成する。特に、このCPU58は、治療者がマニュアル
により行なった動作におけるトルクと角度の情報を教示
データとして記憶部56に記憶させ、この教示データに
従ってモータ30の動作を制御する機能を有する。詳し
くは後述する。
【0022】また、D/A変換器66は、デジタル情報
としてのトルク情報と角度情報とをアナログ情報に変換
する。また、サーボアンプ68は、D/A変換器66か
らのアナログ情報に従いモータ30の回転角度を制御す
るものである。
【0023】次に上記構成の治療装置Aの動作について
説明する。治療装置Aの固定部40には患者の脚や腕等
の人体の少なくとも一部を配置するが、ここでは、図4
に示すように、患者の脚の下腿部Jを配置して、膝に発
生した関節拘縮の治療を行なう場合について説明する。
つまり、俯せの状態で下腿部Jをセットし、図示しない
紐等の固定手段により固定する。正確なデータを得るた
めには、回動レバー24と回動アーム26の回転中心と
なる回動軸部23の軸線と膝の関節部分の位置が一致す
るように配置することが必要である。
【0024】以上のようにして患部のセットが完了した
ら治療動作に入るが、本治療装置Aにおいては、まず、
治療者がマニュアル操作で治療を行なうマニュアルモー
ドと、該マニュアルモードにおいて得られた教示データ
に基づき自動的に回動アーム26を回動させて治療を行
なう自動モードとがある。
【0025】まず、マニュアルモードにおける動作につ
いて説明する。マニュアルモードでは、手動作により動
作が行なわれる。このマニュアルモードにおいては、ク
ラッチ28によりモータの動力を切断しておく。治療者
が回動レバー24の端部を持って図4中Fの方向に回動
させる。すると、回動アーム26も同時にFの方向に回
動し膝を強制的に曲げるようにする。ここで、初期位置
(操作開始点)から脚の屈曲動作を開始し、ある位置で
拘縮による抵抗が発生し加圧していくことになるが、こ
の初期位置から拘縮が発生する加圧開始点までの区間を
移動領域とする。
【0026】そして、患者が痛がる最大角度にまで他動
的に膝を曲げていく。つまり、拘縮による抵抗が発生し
たら移動速度を落とし、患者の疼痛状態を見ながら徐々
に力を増加させていく。この加圧を開始する加圧開始点
から角度が最大になる最大到達角度点までの区間を加圧
領域とする。最大角度にまで曲げが行われたら、レバー
をゆっくりと図4中Bの方向に戻して最初の初期位置に
戻す。この最大角度の位置から操作終了点としての初期
位置までの区間を戻り領域とする。
【0027】以上のようにして1回の治療動作としての
他動屈曲曲げ動作が行なわれる。この1回の他動屈曲曲
げ動作に掛かる時間は通常約20秒である。
【0028】ここで、患者の膝は関節拘縮に罹患してい
るわけであるから、膝を中心として足を曲げようとして
も容易には曲がらず、回動レバー24の回動方向に反対
の方向、すなわち、図4におけるBの方向に回動アーム
26を押そうとする。すると、下腿部JがBの方向に押
そうとする力により回動軸部23がねじれることにな
り、トルク検出器34は回動軸部23がねじれることに
よる抵抗体の抵抗値の変化のデータを電圧変換器62に
出力することになる。つまり、回動アーム26に掛かる
トルクを抵抗値の変化のデータとして出力する。一方、
回動アーム26が回転する角度については、角度検出器
36がその角度変化を内部の抵抗体の抵抗値の変化とし
て電圧変換器62に出力する。この角度変化の情報が、
関節の曲げ角度の情報となる。
【0029】すると、電圧変換器62は、上記トルク検
出器34と角度検出器36の抵抗値変化のデータを電圧
の値に変換し、A/D変換器64は、電圧変換器62に
おいて電圧値に変換された値はアナログデータであるの
で、これをデジタルデータに変換する。そして、CPU
58はそのデジタル変換されたデータに基づき、トルク
と角度の値を演算算出処理し、教示データを生成する。
さらに、表示部54は、CPU58で算出されたトルク
と角度を表示部54に表示する。
【0030】表示部54への表示の一例を示すと、図
5、図6に示すようになる。この図5に示す表示例は、
トルクを横軸に角度を縦軸に取って1回の他動屈曲曲げ
動作の状態を示すものである。この図5において、点S
Pから点TPまでが移動領域であり、点TPから点EP
までが加圧領域であり、点EPから点FPまでを戻り領
域である。
【0031】また、図6に示す表示例は、横軸に時間を
取り、トルク曲線と角度曲線をそれぞれ示すものであ
る。この図6において、点線に示す曲線が教示データで
ある。つまり、マニュアルモードでの動作の場合に、図
6に示す表示例の場合には、表示部54には図6の点線
に示すような教示データとしての角度曲線とトルク曲線
とが表示される。この表示は動作の開始時点から表示部
54に表示される。
【0032】次に、自動モードおける動作について説明
する。自動モードでは、自動治療動作が行なわれる。自
動モードではクラッチ28を接続しておく。自動モード
では、マニュアルモードで得られた教示データに基づき
動作させるが、この図5によれば、移動領域において
は、トルクは定トルク特性を示すので、角度制御のみを
行なえばよいことが分かる。また、加圧領域では、極め
て低速となり、角度がほとんど変化せずにトルクが上昇
するので、この加圧領域においてはトルク制御を行なえ
ばよいことが分かる。戻り領域においては、トルクが急
速に低下するので定速度の角度制御を行えばよい。つま
り、移動領域と戻り領域においては、教示データにおけ
る角度データに従いモータを回転させ、加圧領域におい
ては、教示データにおけるトルクデータに従いモータを
回転させる。これを自動モードにおける基本動作原理と
する。
【0033】さらに、教示データにおける角度やトルク
の値とフィードバックされた実際の値とは必ずしも同一
ではないため、上記各領域の境界においてモードを即座
に切り換えるとショックを発生する。つまり、例えば、
移動領域から加圧領域に移行する際に、角度制御からト
ルク制御にいきなり切り換えると、急激に力が脚に掛か
ることがある。そこで、各領域の境界領域においては、
モードの切換えを徐々に行なうこととした。つまり、切
換え係数Sの値をサンプリングタイムに連動させて徐々
に変化させることとした。
【0034】なお、仮に角度制御のみにより制御を行な
おうとすると、トルクは考慮されないので必要以上のト
ルクが掛かる可能性があり危険であるとともに、他動屈
曲曲げ動作を繰り返して治療を行なうわけであるが、該
動作を繰り返すごとに最大到達角度は増大していくはず
であり、単に角度制御とすると動作を繰り返すに従い必
要なトルクを掛けることができないことになる。一方、
トルク制御のみにより制御を行なおうとすると、外乱に
弱く、脚を拘縮点にまで移動させるのが困難であるとい
う問題がある。
【0035】上記治療装置Aの動作について、図8に示
す制御用ブロック線図を使用して説明すると、本体装置
A1における角度検出器36において検出された角度が
フィードバックされ、教示データにおける角度との差分
が取られてサーボアンプ68に入力される。また、トル
クについても同様に、本体装置A1におけるトルク検出
器34において検出されたトルクがフィードバックさ
れ、教示データにおけるトルクとの差分が取られてサー
ボアンプ68に入力される。そして、各領域の境界領域
においては、切換え係数Sの値を徐々に変化させてモー
ドの切換えを徐々に行なう。このSの値はモード選択コ
マンドにより調整する。なお、図8における本体装置
は、厳密には本体装置A1からトルク検出器34、角度
検出器36を除いた構成である。
【0036】自動モードにおける動作を、図7、図8等
を使用してより詳細に説明する。なお、ここでは、移動
領域と加圧領域の間の境界領域を第1境界領域、加圧領
域と戻り領域の間の境界領域を第2境界領域とする。
【0037】図7において、まず、移動領域において
は、角度制御により動作させる。つまり、移動領域の時
間においては、図7における教示データの角度曲線に従
い制御を行ない、初期位置から角度曲線に従い回動アー
ム26を回動させる。この移動領域では、図8における
切換え係数Sは0になっている。ここで、移動領域の決
定の仕方としては、最大到達角度点EPから所定角度α
を減算した角度になる点を移動領域の終点とする。
【0038】次に、第1境界領域においては、上記のよ
うに角度制御からトルク制御に徐々に変化させる。つま
り、図8において、Sの値を0から1に徐々に変化させ
ていき、角度制御とトルク制御の重み付けを変化させて
いく。ここで、第1境界領域の決定の仕方としては、移
動領域と第1境界領域の境界点から所定数のサンプリン
グ点を取った時間とする。なお、移動領域と第1境界領
域の境界点から所定時間を第1境界領域とするようにし
てよい。
【0039】次に、加圧領域においては、トルク制御に
より動作させる。つまり、加圧領域の時間においては、
図7における教示データのトルク曲線に従い制御を行な
う。この加圧領域では、図8における切換え係数Sは1
になっている。この加圧領域は、上記第1境界領域の終
点から最大到達角度点までである。
【0040】次に、第2境界領域においては、上記のよ
うに今度はトルク制御から角度制御へと徐々に変化させ
る。つまり、図8において、Sの値を1から0に徐々に
変化させていき、角度制御とトルク制御の重み付けを変
化させていく。ここで、第2境界領域は、第2境界領域
から所定角度戻った点までとする。
【0041】また、戻り領域においては、角度制御によ
り動作させる。つまり、図7における教示データの角度
曲線に従い制御を行なう。図8における切換え係数Sは
0になっている。この戻り領域は、上記第2境界領域の
終点から初期位置までである。
【0042】この自動モードでの動作の場合には、図6
に示す表示例の場合には、表示部54には図6の実線に
示すような現実データとしての角度曲線とトルク曲線と
が表示される。この表示は動作の開始時点から表示部5
4に表示される。
【0043】なお、本実施例の治療装置Aにおける固定
部40は、回動アーム26の長手方向にスライドするよ
うになっているので、患者に対する危険を回避するとと
もに、患者の患部をセットし直すことができる。つま
り、患者の関節軸と回動アーム26の回転中心が一致し
ていない場合には、加圧方向と垂直の方向に力が掛かる
ことになり、患者にとっては危険である。そこで、固定
部40が回動アーム26の長手方向に移動するようにし
て、その危険を回避する。また、例えば、1回のマニュ
アル動作において、固定部40が回動アーム26に対し
て移動するようであれば、関節軸と回転中心とが一致し
ていないことを意味するので、もう一度患部をセットし
直すことにより患者への危険を回避することができる。
【0044】なお、図2に示すように、回動アーム26
には取付部26bが設けられ、固定部40の枠部44の
棒状部46cには、取付部47が設けられているので、
この取付部26b、47に、固定部40の移動量を計測
する計測器を取り付けて、その移動量を考慮して動作さ
せることが考えられる。
【0045】自動モードでの動作が1回行なわれたら、
次は、上記の教示データに基づいた制御を繰り返す。つ
まり、自動モードでは、マニュアルモードで得た教示デ
ータに基づく動作を繰り返すことになる。なお、自動モ
ードにおける動作で得られたデータにより教示データを
更新して、該更新された教示データに基づき次の自動モ
ードの動作を行なうようにしてもよい。つまり、この場
合には、自動モードによる動作が行なわれるたびに教示
データが更新されることになる。
【0046】以上のように、本実施例の治療装置Aによ
れば、マニュアルモードにおいて得られた教示データに
従い自動モードにおいて自動的に他動屈曲曲げ動作を行
なうことができるので、理学療法士等が行なう専門的な
治療を自動的に行なうことができる。
【0047】なお、上記の説明においては、理学療法士
等の治療者が行なう治療動作によって得た教示データに
従い回動アーム26を自動的に動作させるものとして説
明したが、予め作成されたデータに基づき動作させるよ
うにしてもよい。つまり、治療者が行なう治療動作から
得た複数の教示データや実際に自動モードで治療動作を
行なった場合の複数の現実データ等から治療装置Aを自
動モードで動作させるための基本データを作成してお
き、この基本データに基づき自動モードにおいて動作さ
せるのである。すなわち、この基本データは、教示デー
タ等の種々の要因から算出され、例えば、図7に示すよ
うな角度曲線、トルク曲線として示される。
【0048】このように基本データに基づき動作させる
ことにより、治療者によるマニュアル動作が必要なく、
教示データを作成するために一々治療者が動作させる必
要がない。また、上記の説明のように教示データに基づ
き自動モードで動作させる場合には、得られた現実デー
タが、患者の患部の特性によるものか、治療者の動作の
特性を原因とするものかが不明であり、得られた現実デ
ータの分析が困難であるが、上記のように基本データに
基づき動作させて得た現実データは治療者の動作の特性
の要因が排除されるので、患者の患部の特性のみを示す
現実データを得ることができ、このデータを分析するこ
とにより治療のための有効な資料とすることができる。
【0049】なお、上記の説明では、他動屈曲曲げ動作
を行なう場合について説明したが、逆に伸縮動作を行な
う場合でもよい。この場合には、脚を折り曲げた状態か
ら脚を伸ばす方向に回動アーム26を回動させ、その
後、最大角度に達したら元に戻すことになる。つまり、
図4においては、Bの方向に回動させ、脚が最も伸びた
点を最大角度点としてその後Fの方向に戻すことにな
る。よって、Bの方向に回動している区間に移動領域と
加圧領域があり、Fの方向に回動している区間に戻り領
域があることになる。
【0050】
【発明の効果】本発明に基づく関節拘縮用治療装置によ
れば、治療動作を自動化することができ、特に、角度制
御とトルク制御とを適宜用いることによりより理学療法
士の治療動作に近い治療を行なうことができる。特に、
移動領域と戻り領域では角度制御を行ない、上記加圧領
域ではトルク制御を行なう場合には、理学療法士等の専
門の治療者が行なう治療により近い治療を行なうことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】関節拘縮用治療装置の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】関節拘縮用治療装置の回動アームと固定部の構
成を示す斜視図である。
【図3】関節拘縮用治療装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】関節拘縮用治療装置の使用状態を示す斜視図で
ある。
【図5】表示部への表示の一例を示す説明図である。
【図6】表示部への表示の一例を示す説明図である。
【図7】関節拘縮用治療装置の動作を説明する説明図で
ある。
【図8】関節拘縮用治療装置の動作を説明する制御用ブ
ロック線図である。
【符号の説明】
A 関節拘縮用治療装置 A1 本体装置 A2 制御装置 10 基部 20 可動機構部 22 ケース部 23 回動軸部 24 回動レバー 26 回動アーム 28 クラッチ 30 モータ 32 支持部 34 トルク検出器 36 角度検出器 40 固定部 42 パッド 44 枠部 50 制御本体部 52 入力部 54 表示部 56 記憶部 58 CPU 62 電圧変換器 64 A/D変換器 66 D/A変換器 68 サーボアンプ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 関節拘縮の治療を行なう関節拘縮用治療
    装置であって、 脚を含む人体の少なくとも一部を固定し、所定の中心軸
    を介して回動する可動部を有し、 該可動部が初期位置から回動し所定の最大角度で折り返
    す往復動により自動治療動作が行なわれ、該自動治療動
    作の往復動の区間における少なくとも一部の区間では角
    度制御により動作制御を行ない、少なくとも他の一部の
    区間ではトルク制御により動作制御を行なうことを特徴
    とする関節拘縮用治療装置。
  2. 【請求項2】 可動部が、脚を固定する固定部と、該固
    定部を支持し、所定の中心軸を中心に回動する回動アー
    ムとを有し、上記固定部が上記回動アームに対してスラ
    イドすることを特徴とする請求項1に記載の関節拘縮用
    治療装置。
  3. 【請求項3】 自動治療動作における往復動の区間にお
    いて、初期位置から加圧を開始する角度までの移動領域
    と、加圧を開始する角度から最大角度までの加圧領域
    と、最大角度から初期位置までの戻り領域とが設けら
    れ、上記移動領域と戻り領域では角度制御が行なわれ、
    上記加圧領域ではトルク制御が行なわれることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の関節拘縮用治療装
    置。
  4. 【請求項4】 自動治療動作における往復動の区間にお
    いて、初期位置での初期角度から最大角度より小さい移
    動領域終了角度までの移動領域と、該移動領域終了角度
    以上で、かつ、最大角度未満である加圧領域開始角度か
    ら最大角度までの加圧領域と、該最大角度以下で、か
    つ、初期角度以上である戻り角度開始角度から初期角度
    までの戻り領域とが設けられ、上記移動領域と戻り領域
    では角度制御が行なわれ、上記加圧領域ではトルク制御
    が行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の関節拘縮用治療装置。
  5. 【請求項5】 上記移動領域と加圧領域間の境界におい
    ては、角度制御からトルク制御に徐々に切換えを行な
    い、上記加圧領域と戻り領域間の境界においては、トル
    ク制御から角度制御に徐々に切換えを行なうことを特徴
    とする請求項3又は請求項4に記載の関節拘縮用治療装
    置。
  6. 【請求項6】 角度制御とトルク制御間の切換えを、角
    度制御の切換え常数Sと、トルク制御の切換え常数S−
    1を設け、該切換え常数Sの値を変化させることにより
    行なうことを特徴とする請求項5に記載の関節拘縮用治
    療装置。
  7. 【請求項7】 治療者が、手動動作により、可動部を初
    期位置から回動させ所定の最大角度で折り返す往復動を
    行うことにより教示データが生成され、該教示データに
    基づき自動治療動作が行われることを特徴とする請求項
    1から請求項6までのいずれかに記載の関節拘縮用治療
    装置。
  8. 【請求項8】 教示データが、角度の時間的変化を示す
    角度曲線とトルクの時間的変化を示すトルク曲線とを有
    することを特徴とする請求項7に記載の関節拘縮用治療
    装置。
  9. 【請求項9】 関節拘縮用治療装置が、 上記可動部の回動角度を検出する角度検出器と、 上記可動部に掛かるトルクを検出するトルク検出器と、 上記可動部を回動させる駆動部と、 治療者が行なった手動動作において角度検出器及びトル
    ク検出器から得られたデータに基づき教示データを生成
    するとともに、自動治療動作において、上記教示データ
    と上記角度検出器及びトルク検出器からのデータとに基
    づき上記駆動部のフィードバック制御を行なう制御部
    と、を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に
    記載の関節拘縮用治療装置。
  10. 【請求項10】 関節拘縮用治療装置が、さらに、上記
    可動部が回動する中心軸を共通にし、該可動部に機構的
    に接続された回動レバーを有し、該回動レバーを回動さ
    せることにより上記可動部が回動することを特徴とする
    請求項7から請求項9までのいずれかに記載の関節拘縮
    用治療装置。
  11. 【請求項11】 関節拘縮用治療装置を動作させるため
    に予め作成された基本データに基づき自動治療動作が行
    われることを特徴とする請求項1から請求項6までのい
    ずれかに記載の関節拘縮用治療装置。
  12. 【請求項12】 基本データが、角度の時間的変化を示
    す角度曲線とトルクの時間的変化を示すトルク曲線とを
    有することを特徴とする請求項11に記載の関節拘縮用
    治療装置。
  13. 【請求項13】 関節拘縮用治療装置が、 上記可動部の回動角度を検出する角度検出器と、 上記可動部に掛かるトルクを検出するトルク検出器と、 上記可動部を回動させる駆動部と、 上記基本データと上記角度検出器及びトルク検出器から
    のデータとに基づき上記駆動部のフィードバック制御を
    行なう制御部と、を有することを特徴とする請求項11
    又は請求項12に記載の関節拘縮用治療装置。
  14. 【請求項14】 関節拘縮の患部の特性についてデータ
    を収集するデータ収集方法であって、 請求項11から請求項13までのいずれかに記載の関節
    拘縮用治療装置を用いてデータを収集することを特徴と
    するデータ収集方法。
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