JPH10127957A - 飲食用ナイフ及びその製造方法 - Google Patents
飲食用ナイフ及びその製造方法Info
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- JPH10127957A JPH10127957A JP8301296A JP30129696A JPH10127957A JP H10127957 A JPH10127957 A JP H10127957A JP 8301296 A JP8301296 A JP 8301296A JP 30129696 A JP30129696 A JP 30129696A JP H10127957 A JPH10127957 A JP H10127957A
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Abstract
れた耐食性を有するとともに、高級ナイフとして求めら
れる硬度値Hv=450以上、特にHv=500以上が
達成できる刀部材料を用いてなる飲食用ナイフを得る。 【解決手段】重量比で、C:0.15%以下、Si:
3.2〜4.5%、Mn:2.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Ni:6.0〜7.8
%、Cr:13.0〜17.0%、Mo:0.8〜2.
0%、N:0.1%以下、Fe:残部の組成を有し、且
つ、ビッカース硬度(Hv)が450以上のオーステナ
イト系ステンレス鋼からなる刀部と金属製の柄部とが一
体に溶接されてなることを特徴とする飲食用ナイフ及び
その製造方法。
Description
その製造方法に関し、より具体的には特に高い硬度と優
れた耐食性を有する材料からなる刀部を備えるととも
に、該刀部に対して金属製の柄部を溶接してなる飲食用
ナイフ及びその製造方法に関する。
包丁や切断用のナイフとは利用形態が異なり、食卓上で
しかも不特定の人や特に小児によっても常時使用される
ため、その切断機能、鋭利性(切れ味)に加え、これら
と同価値で安全性、審美性、耐食性、衛生性などの諸性
質が求められる。これらの諸要求をある程度満たすよう
にその刀部には従来からステンレス鋼が用いられてき
た。ステンレス鋼のうち切れ味(鋭利性)とキズ(傷)
がつかないという点からは13%クロムで代表される焼
入れ硬化可能なマルテンサイト系ステンレス鋼が用いら
れ、耐食性、審美性を重視する点からは18Crー8N
iオーステナイト系ステンレス鋼が使用されている。他
方、刀部に取り付ける柄部については、特に機能的な面
より審美的な面が重要視され、刀部に対して木質、プラ
スチック、セラミックス、或いは洋白やステンレス鋼な
どが各種ロウ付けや樹脂接着などの固着手段により係止
されている。
ルテンサイト系ステンレス鋼を使用し、その形状がダマ
(玉)刀である飲食用ナイフの製造工程は、概略、以下
のとおりである。材料としての13%クロムであるSU
S420鋼は一般には薄板状で得られる。この薄板状材
料をまず所定の寸法、例えば100mm(長さ)×15
mm(幅)×8mm(厚み)の短冊状に切断する。これ
を温度900〜1000℃に加熱し、熱間鍛造すること
によりダマ刀を有する刀部を形成する。次いで室温まで
冷却し、冷間打ち抜きにより所定の形状に成形し、刃先
を形成する研削と溶接準備のために、所要部が切削や研
削される。
の場合、冷間加工及び打ち抜き等により柄の半分が作ら
れ、その二つを合わせて一対とし、両者を溶接すること
により作製される。その後、そのように別々に準備され
た刀部と柄部とが溶接等で接合(接着)され、次いで刀
部、特に刃先部を硬化させるための処理、すなわち焼き
入れ硬化処理が、例えば非酸化性雰囲気下における温度
約1000℃での油焼入れ、温度約700℃での焼き戻
し条件で行われ、これにより充分に硬いHv=500以
上の硬度が得られる。この場合、その表面は加熱処理に
より変色しており、それを取り除くために研磨される。
サイト系ステンレス鋼を使用する場合、マルテンサイ
ト系ステンレス鋼は焼き入れにより硬くでき、その硬度
は飲食用として十分に満足でき、キズ等に対しても耐久
性がある。しかし耐食性にどうしても問題が残り、使用
後完全に水切り乾燥して保存しないと表面に錆が発生す
る。刀部と柄部とを溶接した後、上記のとおり焼き入
れ硬化処理されるが、この焼き入れには温度約1000
℃、焼き戻しには約700℃という高温を必要とし、し
かも好ましくは非酸化性雰囲気が要求され、このため専
用の炉が必要とされる。また、ここでの柄部は空胴
(最中状=モナカ状)となっているため、溶接時におい
て内部に閉じ込められた空気(気体)が急激に膨張し、
破裂やピンホールの発生を引き起こし、さらには、その
ような高温度で熱処理されるため、柄部として洋白等の
低〜中融点の金属は使用できないなどの諸問題がある。
後、この刀部とは別に準備した柄部とを固着させる。こ
の固着には信頼性の観点からは溶接により接合すること
が考えられるが、この場合には溶接時の極(局)部加熱
や不均一加熱等により種々の問題が発生する。このため
セメントや樹脂、或いは半田付けなど通常の接着方法が
適用されるが、ナイフとしての長期使用に対する安定性
という面では満足できない。これに対して18Crー
8Niの組成で代表されるオーステナイト系ステンレス
鋼は、上記マルテンサイト系ステンレス鋼に比べて格段
に優れた耐食性を有する。しかし、オーステナイト系ス
テンレス鋼の場合、本質的に硬化処理ができないため、
軟らかく(Hv:200〜230)、高級ナイフとして
の用途、例えばステーキ用としてはどうしても不満が残
るだけでなく、キズがつき易いという欠点があり、十分
ではなかった。
事情に鑑み、飲食用ナイフにつき鋭意研究、検討を重ね
ていたところ、特定組成のオーステナイト系ステンレス
鋼が優れた耐食性を有するとともに、高い硬度を付与す
ることができ、しかも柄部を構成する金属との溶接にも
優れていることを見い出し、本発明に到達するに至った
ものである。すなわち本発明は、飲食用ナイフの刀部と
して、十分な硬度とともに十分な耐食性を有し、しかも
溶接性に優れた特定組成のオーステナイト系ステンレス
鋼を用い、柄部としてオーステナイト系ステンレス鋼、
フェライト系ステンレス鋼、或いは洋白等の金属を用い
て一体に溶接してなる飲食用ナイフ及びその製造方法を
提供することを目的とする。
C:0.15%以下、Si:3.2〜4.5%、Mn:
2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.03%以
下、Ni:6.0〜7.8%、Cr:13.0〜17.
0%、Mo:0.8〜2.0%、N:0.1%以下、F
e:残部の組成を有し、且つ、ビッカース硬度(Hv)
が450以上のオーステナイト系ステンレス鋼からなる
刀部と金属製の柄部とが一体に溶接されてなることを特
徴とする飲食用ナイフを提供する。
以下、Si:3.2〜4.5%、Mn:2.0%以下、
P:0.04%以下、S:0.03%以下、Ni:6.
0〜7.8%、Cr:13.0〜17.0%、Mo:
0.8〜2.0%、N:0.1%以下、Fe:残部の組
成を有し、且つ、ビッカース硬度(Hv)が450以上
のオーステナイト系ステンレス鋼からなる刀部と金属製
の柄部とが一体に溶接されてなる飲食用ナイフの製造方
法において、該刀部を、該オーステナイト系ステンレス
鋼からなる素材に対して順次(1)熱間鍛造工程、
(2)冷間圧延工程及び(3)バリ切り工程を含む工程
により成形し、次いで(4)得られた刀部を金属製の柄
部と溶接することを特徴とする飲食用ナイフの製造方法
を提供する。
%以下、Si:3.2〜4.5%、Mn:2.0%以
下、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Ni:
6.0〜7.8%、Cr:13.0〜17.0%、M
o:0.8〜2.0%、N:0.1%以下、Fe:残部
の組成を有し、且つ、ビッカース硬度(Hv)が450
以上のオーステナイト系ステンレス鋼からなる刀部と金
属製の柄部とが一体に溶接されてなる飲食用ナイフの製
造方法において、該オーステナイト系ステンレス鋼から
なる素材に対して熱間鍛造を行った後、(1)冷間圧延
処理をした後、打ち抜きをし、次いで得られた刀部を金
属製の柄部に対して溶接するか、又は(2)打ち抜きを
した後、冷間圧延処理をし、次いで得られた刀部を金属
製の柄部に対して溶接する、これら(1)又は(2)の
工程のうち少なくとも一方を含んでなることを特徴とす
る飲食用ナイフの製造方法を提供する。
を構成するオーステナイト系ステンレス鋼の組成は上記
のとおりであるが、各成分の限定理由は下記のとおりで
ある。C:Cは強力なオーステナイト相形成元素であ
り、この成分が多く含まれるほどオーステナイト相の増
加と安定化に寄与する。またC成分が多いほど鋼の硬度
が上昇するので、逆に加工性は急速に低下する。さらに
0.15%(重量%:以下各成分について同じ)以上の
含有量では不用意な熱処理により、結晶粒界に炭化物を
析出させ、この鋼の耐食性を大幅に減じさせるため、C
の含有量は0.15%以下とする。
鋼の特性を改善するが、本発明の鋼でも同様の目的で含
有させる。Siは耐食性や硬度の向上に必要な成分であ
り、その下限は3.2%であるが、過剰に含有させると
オーステナイト相の安定化に関して不利に作用し、また
熱間での加工性も損なうことになるので4.5%以下と
する。Mn:Mnはオーステナイト相の安定化成分であ
り、また高価なNiの一部をこの成分で置換できるが、
Mn量が過剰であるとこの鋼の最も重要な性質である耐
食性を減じるので、2.0%以下とする。
ほど好ましいが、事実上0.04%以下であれば問題は
ない。S:SもPと同様有害成分であり、少ない方が好
ましいが、一般に鋼中で硫化物として偏析、固定されて
いる。しかし本発明のオーステナイト系ステンレス鋼で
は0.03%以下であれば加工性、耐食性に関して問題
はない。Ni:Niはオーステナイト相の安定性を向上
させる代表的成分であり、良好な熱間加工(鍛造)性、
冷間加工性に有効であるため、6.0%以上必要である
が、資源的、価格的(コスト的)な面から7.8%以下
とした。
須の成分であり、少なくとも13.0%以上の含有量を
必要とするが、この成分はフェライト相の形成成分であ
るため、多量含有させるとオーステナイト相の安定性を
あやうくする。このためその上限は17.0%である。
N:Nは強力なオーステナイト相形成元素であり、加工
誘起マルテンサイト相の生成を抑制するが、この含有量
が0.1%を超えると変形抵抗の増大による加工性の劣
化やブローホール等が生起する。Mo:Moは耐食性の
向上に有効な成分であり、0.8%以上が必要である。
しかし2.0%以上含有させるとオーステナイト相を不
安定にしてフェライト相を生成する。
料(金属)としては、好ましくは、少なくともCr:1
7重量%以上、炭素:0.2重量%以下のオーステナイ
ト系ステンレス鋼、或いは洋白(CuーNiーZn合
金)などが用いられる。
説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるもの
ではないことはもちろんである。本実施例では、まずダ
マ刀形の刀部及び板刀形の刀部を持つ飲食用ナイフの製
造工程の態様について記載し、次いで得られた供試製品
について行った硬度試験及び耐腐食試験の結果を記載し
ている。ここでダマ刀とは刀部と柄部の間に位置し、刀
部に一体に連なり、柄部付近で大きく外側に膨らんだ鍔
部を指し、また板刀形刀部とは、このような膨らみがな
く、平坦なものを意味している。なお、以下の各図面に
おける相互間の相対的なスケール(大きさ、寸法等)に
ついては、図示、説明等の都合上、任意としている。
の製造工程の態様例を、特に刀部がダマ(玉)刀を有す
るダマ刀形刀部について示したものである。本発明にお
いては、刃部の材料には前述特定組成を有するオーステ
ナイト系ステンレス鋼を使用するが、この材料は、製造
法自体常法により、例えば1000mm×5000mm
×28mmの板材として得られ、その硬度(Hv)は2
30程度である。本実施例中に記載した刀部の材料とし
てはC:0.1%(重量%:以下同じ)、Si:3.7
%、Mn:1.03%以下、P:0.02%、S:0.
001%、Ni:6.96%、Cr:14.10%、M
o:1.00%、N:0.05%、Fe:残部の組成を
有し、且つ、ビッカース硬度(Hv)が230のオース
テナイト系ステンレス鋼を用いたが、前述特定組成を有
するオーステナイト系ステンレス鋼であれば何れも以下
に述べる場合と同様の結果が得られる。
ス鋼を、図1(a)に示すように、所定形状、例えば1
20mm(長さ)×15mm(幅)×7mm(厚み)の
短冊状に切断する。これを炉中において温度800〜1
150℃、好ましくは900〜1000℃の範囲に加熱
する。次いで、加熱された上記部片を熱間鍛造型に入
れ、大気中(室内雰囲気)においてプレス又はドロップ
ハンマーなどにより一次成形し(荒地とも称される)、
ダマ(鍔)の形成はこの熱間鍛造での据えこみにより行
われる。図1(b)はその形成後の状態を示している。
の左端部はほぼ初期の厚み(上記寸法例の場合:7m
m)のままであるが、ダマ(鍔)部2の形成はこの熱間
鍛造での据え込みにより初期厚み7mmよりも厚く、例
えば11〜12mm程度に形成される。符号3として示
す部分は熱間鍛造時に必要に応じて形成する杆部分(凸
状部)、4は熱間鍛造時に形成されるバリ部分である。
上記一次成形体(荒地)は室温まで自然冷却された後、
ロール等によりダマ(鍔)から刀部の長手方向に及び短
手方向に圧延され、この圧延は冷間で最終の所定の板厚
と硬度に達するまで行われる。図1(c)はその圧延状
態を示す図である。この場合このロール圧延工程を荒地
が赤熱状態(〜900℃)である間に行ってもよく(熱
間圧延)、この方が抵抗等が少なく容易に且つ楽に圧延
できる。このため最終の圧延のみを冷間で実施し、これ
により所望の硬度を達成するようにするのが好ましい。
イト系ステンレス鋼の場合、最終の冷間による圧下率は
最大50〜60%まで可能であり、圧下率が大きいほど
加工硬化が高くなる。圧下率を大きくするには圧延ロー
ル等に対する負担が大きくなるが、冷間圧延は所要圧下
率に応じて実施することができる。高級ナイフとして必
要な刀部の硬度は通常Hv=450〜520前後である
が、本発明におけるオーステナイト系ステンレス鋼の特
性からして圧下率は15〜55%、好ましくは20〜4
0%であるので、この範囲の圧下率を選べばHvで45
0〜550の硬度を有する刀部が容易に得られる。
で、図中符号5はバリ部分を示している。こうして得ら
れた所定厚み、所定硬度の二次成形体すなわち仕上げ地
は、次のバリ切り工程に移され、刀部形状のトリミング
型に入れられ、ダイとポンチによりトリミングすなわち
バリ切りがなされる。図1(e)はそのバリ切り後の状
態を示す図である。この時点での刀部はほぼ均一で厚い
が(この段階では刀部の峰部及び刃先となる部分の厚み
はほぼ同じである)、ナイフとしての刃先を形成するた
め余剰部分が研削され、また柄部との溶接予定箇所が研
削される。図1(f)はそれらの加工後の状態を示し、
図中符号6は刃部、7はダマ部であり、ダマ部7の端部
で以下に述べるような柄部と溶接される。
としては、特には限定はなが、審美性や耐食性、また加
工性等の点からステンレス鋼、特に18Crー8Ni
鋼、18Crー10Ni鋼、18Crー12Ni鋼等の
高クロム量でニッケルを含有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼、或いは洋白(JIS H3 701 NSP
ー2)などが使用されるが、ここではSUS304鋼を
例として述べる。柄部については特に硬化処理が求めら
れないため、殆んど冷間によって加工することができ
る。この作業工程は、材料入手→小口切断→冷間プレス
→バリ切りの順に行い、こうして作製した2個の部片を
合わせて溶接する。
の作業工程を示す図である。図2(a)は素材、本説明
例ではSUS304であり、寸法例:110mm(長
さ)×40mm(幅)×1.5mm(厚さ)の薄板であ
る。これを所望形状にするため冷間プレス加工を行う。
図2(b)ー1〜(b)ー2はこの加工工程終了時の状
態を示し、このうち(b)ー1は板刀モナカ(最中)形
式のもの、(b)ー2は玉刀モナカ(最中)形式のもの
である。図2(b)ー1及び(b)ー2の各図中におけ
る上の図は側面図、下の図は平面図であり、図2(b)
中符号8はバリ部分である。次いで冷間打ち抜きにより
バリ切りを行い、柄部の半片を作製する。こうして得ら
れた2個の半片を重ね合わせて溶接する。図2(c)ー
1〜(c)ー2は、板刀モナカ形式及び玉刀モナカ形式
のそれぞれについて、両者を重ね合わせ、溶接を終了し
た状態を横方向から見た図であり、(c)ー1及び
(c)ー2の各図中左側には、その側面図(左方向から
見た図)を記載している。図2(c)中、符号9はこう
して形成された柄部、符号10はその合わせ目、溶接部
分を示し、11は孔部分である。
要厚みに加工された刀部と上記のようにして作製した柄
部とが溶接により接合、一体化される。この溶接法には
特に限定はないが、好ましくはティグ(TIG)溶接が
用いられ、また溶加材としてはECuNi種などが用い
られる。図3(a)〜(c)はその接合一体化の態様を
示す図であり、図3(a)で示す刀部と(b)として示
す柄部とを組み付け、溶接する。この組み付け、溶接
は、まず刀部の杆(凸部)3を柄部の孔部分11に挿入
し、次いで刀部と柄部との当接面を溶接して行う。図3
(c)は溶接終了時の状態を示した図であり、符号12
はその溶接部分である。この溶接後、溶接過剰分を除去
し、バフ研磨等によって光沢を出し、検査をして製品と
する。
食用ナイフの製造態様であるが、これとは異なり、板刀
形の刀部として構成する場合には、ダマ刀形のように盛
り上がった箇所がなく、刀部全体を一様の厚みで作り、
刀部と柄部とを溶接した後、刃先を所要厚みに研削す
る。図4はこの場合の工程の概略を示す図である。まず
図4(a)に示すような前述特定組成のオーステナイト
系ステンレス鋼を冷間圧延により所要厚みとし〔板材=
素材、寸法例:1000mm(長さ)110mm(幅)
×2.3mm(厚さ)〕、同時に加工硬化によりHv=
450〜530程度の硬度とする。次いで打ち抜き工程
によりナイフの形状を切り出す。
示す図である。図4(c)中の上の図は投視図、下の図
は、該投視図を下から見た図(下面図)であるが、上か
ら見ても同じである。この段階では刀部の峰部及び刃先
となる部分の厚みはほぼ同じであり、図中符号13は刀
部となる部分、14は柄部に対して溶接される部分であ
る。なおこの場合、その切り出し後、所定厚さに冷間圧
延し、加工硬化してもよい。図4(c)の状態のものに
ついて、柄部との溶接予定箇所14及び刀部の刃先とな
る部分を研削する。図4(d)はそれらの研削後の状態
を示し、図中符号15はそのようにして形成された刀部
である。
(b)ー1及び(c)ー1のような工程で作製した柄部
との組み付け、溶接後の状態を示し、符号16はその溶
接部分である。板刀形の飲食用ナイフの場合には熱間鍛
造工程が省略でき、以上で述べた態様は(1)熱間圧延
と冷間圧延とにより所定厚み及び硬度にした後、打ち抜
き加工をする方法であるが、(2)焼鈍されたオーステ
ナイト系ステンレス鋼(板状等)を切断し、冷間で打ち
抜き、次いで所定厚みに再度冷間圧延(硬化)する方法
もとることができる。このうち何れの方法をとるかは適
宜使い分けることができる。これ以降の研削、研磨等の
工程は前記刀部がダマ(玉)刀形を有する場合と同一工
程で処理することができる。
は飲食用ナイフとして充分な硬度を有する。ところが、
さらに本発明における利点の一つとして、前記冷間圧延
硬化後の刃先部(刀部)に対して、温度400〜450
℃程度と比較的低く、酸化スケールの発生しにくい温度
で30〜60分間程度の低温アニール処理を行うことに
より、硬度をさらにHvで50〜100も向上させるこ
とができ、最大硬度Hv=700程度まで上げることが
できる。このため、飲食用ナイフとしてそのような硬度
が要請される場合には、その利点を利用して直ちに対応
することができる。
種飲食用ナイフについて硬度試験及び耐食性試験を実施
した。硬度試験は、刃先部のビッカース硬度(Hv)に
ついて、JISB7725(1976)に準拠して測定
した。表1はその結果である。表1のとおり、刃先部硬
度(Hv)は、最終冷間圧下率(%)を上げるに伴い、
急激に上昇し、最終冷間圧下率30%においてHv=4
50を示し、最終冷間圧下率55%ではHv=550も
の硬度が得られたことを示している。
で実施し、NaCl濃度5%(重量%)、温度354
℃、1サイクル24時間として該塩水を連続噴霧して実
施した。表2は耐食性試験の結果である。
v=450、実施例7はナイフの刃先部硬度Hv=48
0、実施例8はナイフの刃先部硬度Hv=520、実施
例9はナイフの刃先部硬度Hv=550のものであり、
比較例1はSUS420(Hv=530)、比較例2は
SUS650(Hv=650)を用いたものである。腐
食の有無又は程度は目視により観察し判定した。表2の
とおり、本発明に係るナイフ刀部を用いた場合には、1
サイクル終了時(24時間)はもちろん、3サイクル終
了時(72時間)でも腐食は全く認められなかった。こ
れに対して比較例1、比較例2では、既に1サイクル終
了時でも錆の発生が観察され、3サイクル終了時では全
面に錆が発生していた。なお表2中、「変化なし」とは
各サイクル終了時の表面に何らの変化も認められなかっ
たことを示し、また例えば「1/2面錆発生」とは、刀
部の全面中の1/2の部分すなわち半分に錆の発生が観
察されたことを意味している。
(錆)を除去するのは、なかなかやっかいで容易ではな
く、特に高級品の場合にはナイフ柄部に繊細で立体的な
模様(凹凸)が施されているため、このような凹凸部に
発生した錆を除去するには特に多大の労力を必要とす
る。この問題を回避するため、刀部を先に焼き入れ硬化
した後、柄部と溶接一体化した商品もあるが、この場合
には溶接による部分的熱履歴により、使用中に錆の発生
が頻繁にみられる。またステンレス鋼でも溶接性に問題
がある材料を用いた刀部と柄部との固着にはハンダ付け
や樹脂やセメントによる接着等が適用されているが、こ
れらは強度に問題があるだけでなく、耐久性、信頼性に
も問題がある。本発明によれば、刀部の構成材料として
前述特定組成のオーステナイト系ステンレス鋼を用いる
ことにより、金属製柄部との溶接性を解決しただけでな
く、耐食性や耐久性、また信頼性上も充分である。
イフは刀部として前述特定組成のオーステナイト系ステ
ンレス鋼を使用することにより、金属製の柄部と一体に
溶接することができる。また同じオーステナイト系ステ
ンレス鋼、SUS304やSUS316などでは不可能
であったが、本発明によれば充分に高い硬度が得られ、
特に高級ナイフとして通常求められる硬度値(Hv)4
50〜520の範囲、さらにはそれら範囲以上の硬度が
達成できる。
本的に耐食性に劣り、また高い硬度を発現させるには硬
化用の熱処理(焼入れ、焼戻し)が必須であり、これに
伴う設置や工程が要求され、さらに柄部との溶接後、熱
処理されるため、柄部の爆発破壊や溶接箇所でのピンホ
ールの発生や熱処理に伴う表面の酸化スケール発生があ
り、研磨洗浄工程の増加がある。これに対して本発明に
よれば、前述特定組成のオーステナイト系ステンレス鋼
を使用することにより、刀部の形状と硬度の確保は冷間
加工によって行うことができるため、熱処理工程が全く
不要であり、マルテンサイト系ステンレス鋼では生じる
上記諸問題を解決することができる。
の圧下率を50〜60%とし、温度400〜450℃と
比較的低く、酸化スケールの発生しにくい温度で30〜
60分間程度の低温アニール処理を行うことにより、硬
度をさらにHvで50〜100も向上させることがで
き、最大硬度Hv=700程度まで上げることができる
ため、飲食用ナイフとしてそのような硬度が要請される
場合には、その利点を利用して直ちに対応することがで
きる。
程の一態様を示す図。
程の一態様を示す図。
程の一態様を示す図。
一態様を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】重量比で、C:0.15%以下、Si:
3.2〜4.5%、Mn:2.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Ni:6.0〜7.8
%、Cr:13.0〜17.0%、Mo:0.8〜2.
0%、N:0.1%以下、Fe:残部の組成を有し、且
つ、ビッカース硬度(Hv)が450以上のオーステナ
イト系ステンレス鋼からなる刀部と金属製の柄部とが一
体に溶接されてなることを特徴とする飲食用ナイフ。 - 【請求項2】上記金属製の柄部の材料が、少なくともC
r:17重量%以上、炭素:0.2重量%以下のオース
テナイト系ステンレス鋼又は洋白である請求項1記載の
飲食用ナイフ。 - 【請求項3】重量比で、C:0.15%以下、Si:
3.2〜4.5%、Mn:2.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Ni:6.0〜7.8
%、Cr:13.0〜17.0%、Mo:0.8〜2.
0%、N:0.1%以下、Fe:残部の組成を有し、且
つ、ビッカース硬度(Hv)が450以上のオーステナ
イト系ステンレス鋼からなる刀部と金属製の柄部とが一
体に溶接されてなる飲食用ナイフの製造方法において、
該刀部を、該オーステナイト系ステンレス鋼からなる素
材に対して順次(1)熱間鍛造工程、(2)冷間圧延工
程及び(3)バリ切り工程を含む工程により成形し、次
いで(4)得られた刀部を金属製の柄部と溶接すること
を特徴とする飲食用ナイフの製造方法。 - 【請求項4】重量比で、C:0.15%以下、Si:
3.2〜4.5%、Mn:2.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Ni:6.0〜7.8
%、Cr:13.0〜17.0%、Mo:0.8〜2.
0%、N:0.1%以下、Fe:残部の組成を有し、且
つ、ビッカース硬度(Hv)が450以上のオーステナ
イト系ステンレス鋼からなる刀部と金属製の柄部とが一
体に溶接されてなる飲食用ナイフの製造方法において、
該オーステナイト系ステンレス鋼からなる素材に対して
熱間鍛造を行った後、(1)冷間圧延処理をした後、打
ち抜きをし、次いで得られた刀部を金属製の柄部に対し
て溶接するか、または(2)打ち抜きをした後、冷間圧
延処理をし、次いで得られた刀部を金属製の柄部に対し
て溶接する、これら(1)又は(2)の工程のうち少な
くとも一方を含んでなることを特徴とする飲食用ナイフ
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8301296A JPH10127957A (ja) | 1996-10-26 | 1996-10-26 | 飲食用ナイフ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8301296A JPH10127957A (ja) | 1996-10-26 | 1996-10-26 | 飲食用ナイフ及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10127957A true JPH10127957A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17895139
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8301296A Pending JPH10127957A (ja) | 1996-10-26 | 1996-10-26 | 飲食用ナイフ及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10127957A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7682474B2 (en) | 2002-05-15 | 2010-03-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Cutter composed of Ni-Cr-Al Alloy |
| JP2018203581A (ja) * | 2017-06-07 | 2018-12-27 | 日本特殊陶業株式会社 | セラミックス構造体 |
| KR20190003275A (ko) * | 2017-06-30 | 2019-01-09 | 주식회사 나훔안성유기 | 백동유기칼의 제조방법 |
| KR20190003276A (ko) * | 2017-06-30 | 2019-01-09 | 주식회사 나훔안성유기 | 백동유기칼의 제조방법 |
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| JP2023133630A (ja) * | 2022-03-12 | 2023-09-25 | エルカミーノ株式会社 | ナイフ |
-
1996
- 1996-10-26 JP JP8301296A patent/JPH10127957A/ja active Pending
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| CN114559045B (zh) * | 2022-03-01 | 2022-10-14 | 广东凯利德科技有限公司 | 奥氏体不锈钢厨用刀具的生产方法及低碳高铬马氏体合金粉末 |
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