JPH1012904A - 薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体装置の製造方法

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JPH1012904A
JPH1012904A JP8166514A JP16651496A JPH1012904A JP H1012904 A JPH1012904 A JP H1012904A JP 8166514 A JP8166514 A JP 8166514A JP 16651496 A JP16651496 A JP 16651496A JP H1012904 A JPH1012904 A JP H1012904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁基板上に、複数の薄膜半導体素子からなる
薄膜半導体装置をマスクを用いて同時に形成する薄膜半
導体装置の製造方法において、樹脂基板にも対応でき、
高精度に精密なパターンを形成できる薄膜半導体装置の
製造方法を提供する。 【解決手段】絶縁基板1と同じ、若しくは同程度の熱変
形率を有するマスクフィルム2を、絶縁基板1の薄膜形
成面上に熱圧着し、薄膜半導体層20および電極層1
0、30を積層した後、マスクフィルム2を絶縁基板1
から引き剥がすことによって、絶縁基板1上の積層した
薄膜半導体層20および電極層10、30を互いに分離
し、複数の薄膜半導体素子からなる薄膜半導体装置とす
る。クを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池等の
絶縁基板上に形成された複数の薄膜半導体素子からなる
薄膜半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁表面を有する基板上に形成された薄
膜半導体装置の一つとして、薄膜太陽電池がある。薄膜
太陽電池は、絶縁基板上に第一電極層、光電変換層であ
る薄膜半導体層、第二電極層を積層した構造となってい
るが、特に第二電極層内での電圧降下による損失を避け
るため、複数のユニットセルに分割し、分割したユニッ
トセルを、隣接するユニットセルと電気的に直列に接続
する構造をとることが多い。複数のユニットセルに分割
し、直列接続構造を形成するためには、各電極層および
薄膜半導体層の形成時に、マスクを用いた選択形成した
り、全面に形成した後レーザ加工により分離する等の方
法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、選択的な形成の
ためのマスクとしては、金属薄板のマスクを用いていた
が、ポリイミド等の樹脂基板を使用すると、薄膜半導体
層の形成時に熱収縮が起き、マスクがずれたり、マスク
が基板に密着できずマスクぼけを生じたりした。また、
フォトレジストなどの剥がれやすい膜をマスクとして利
用するリフトオフ法では、マスクぼけは無くなるが、基
板の熱収縮により、マスク膜が剥がれてしまうという問
題が起きた。特に、ロールに巻いた長尺の基板を送り出
しながら連続的に太陽電池を形成し、ロールに巻き取る
いわゆるロールツーロール方式の成膜方法においては、
ロール巻き取り時に、マスク膜が剥がれる等の問題もあ
った。
【0004】薄膜半導体層や電極層を全面に形成した
後、レーザ加工により分離する方法では、透光性基板を
用い、その両面に電極層や薄膜半導体層を形成した薄膜
太陽電池の場合、レーザ光が基板を透過し、裏面の薄膜
層にダメージを与えるという問題があった。以上の問題
に鑑みて本発明の目的は、樹脂基板にも対応でき、高精
度に精密なパターンを形成できる薄膜半導体装置の製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため本
発明は、絶縁基板とほぼ同じ熱変形率を有するフィルム
をマスクとして用いる。すなわち、絶縁基板上に、複数
の薄膜半導体素子からなる薄膜半導体装置をマスクを用
いて同時に形成する薄膜半導体装置の製造方法におい
て、絶縁基板とほぼ同じ熱変形率を有するマスクフィル
ム、または、絶縁基板と同じ材質のマスクフィルムを絶
縁基板の薄膜形成面上に固定し、薄膜半導体層および電
極層を積層した後、マスクフィルムを絶縁基板から引き
剥がすことにより、積層した絶縁基板上の薄膜半導体層
および電極層を互いに分離し、複数の薄膜半導体素子か
らなる薄膜半導体装置とするものとする。
【0006】そのようにすれば、絶縁基板とマスクフィ
ルムとの熱変形性の違いに起因するマスクフィルムの剥
がれや、マスクの浮き上がりが抑制される。絶縁基板と
ほぼ同じ熱変形率を有する薄膜半導体素子と同じパター
ンのマスクフィルムを絶縁基板の薄膜形成面上に固定
し、絶縁性基板との接着力の弱い薄膜をマスクフィルム
を含む絶縁性基板上に形成した後、マスクフィルムを絶
縁基板から引き剥がすことにより、絶縁性基板との接着
力の弱い薄膜マスクを形成し、薄膜半導体層および電極
層を積層した後、絶縁性基板との接着力の弱い薄膜マス
クを絶縁基板から引き剥がすことにより、積層した絶縁
基板上の薄膜半導体層および電極層を互いに分離し、複
数の薄膜半導体素子からなる薄膜半導体装置としてもよ
い。
【0007】特に、絶縁基板が透光性を有し、絶縁基板
の表面に複数個の薄膜半導体素子を形成し、裏面に前記
薄膜半導体素子を電気的に接続する複数の電極層を形成
するものでもよい。そのようにすれば、透光性の絶縁基
板での問題であったレーザー加工を用いる必要がない。
【0008】また、マスクフィルムが接着性樹脂フィル
ムからなり、薄膜半導体層の形成温度よりも高い温度
で、マスクフィルムと基板との間に圧力を加えることに
より、マスクフィルムを基板に固定するものとする。ま
たは、接着性樹脂を、スクリーン印刷法やインクジェッ
ト印刷法を用いて絶縁基板上に塗布し、焼成してマスク
フィルムを基板に固定してもよい。
【0009】そのようにすれば、薄膜半導体層の形成時
にも安定な固定がなされる。また、絶縁基板表面を粗面
化し、接着性樹脂フィルムからなるマスクフィルムと絶
縁基板とを密着させ、高圧を印加することにより、マス
クフィルムを基板に固定してもよい。そのようにすれ
ば、マスクフィルムと絶縁基板との接着強度を増すこと
ができる。
【0010】そして、マスクフィルムの開口部の角が曲
線状であるものとする。そのようにすれば、角部での応
力集中が抑制される。また、マスクフィルムの面積が基
板側の方が膜付着側よりも広いものとする。そのように
すれば、マスクフィルム近傍の電極層、薄膜半導体層の
成膜時に影響することが少ない。
【0011】マスクフィルムの剥離方法としては、粘着
性の表面をもつロールにより、マスクフィルムを除去す
るのがよい。そのようにすれば、均一な力で一様に剥離
される。ロールに巻かれた絶縁基板が連続的に送り出さ
れ、薄膜半導体装置を形成後、巻き取りロールに巻き取
るロールツーロール方式や、ロールに巻かれた絶縁基板
が間欠的に送り出され、薄膜半導体装置を形成後、巻き
取りロールに巻き取るステッピングロール方式でプロセ
スを行うものとする。
【0012】そのようにすれば、連続的に作業がおこな
え、前工程、後工程との連結が容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例の図を参照しながら説明する。本発明にかかる薄膜
半導体装置の製造方法においては、絶縁基板と同等の熱
変形率を有するマスクフィルムを用い、マスクフィルム
と基板とを高温下において、圧着し、マスクフィルムを
固定する。マスクフィルム上を含む絶縁基板上に第一電
極層、薄膜半導体層、第二電極層を積層形成した後、マ
スクフィルムを絶縁基板から引き剥がすことにより、マ
スクフィルム上の電極層、薄膜半導体層を同時に除去
し、所定のパターンの薄膜半導体装置を形成するもので
ある。 [実施例1]図2(a)は本発明により得られた薄膜太
陽電池の平面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線
に沿った断面図である。
【0014】図2(b)において、51、52、53は
分離された太陽電池のユニットセルである。各セルはポ
リイミド樹脂の樹脂基板1上に堆積された第一電極層1
0、薄膜半導体層20、第二電極層30からなる。第一
電極層10はスパッタ蒸着された厚さ0.2μmの銀
(Ag)である。薄膜半導体層20は、プラズマCVD
法で堆積された厚さ約1μmのアモルファスシリコン膜
である。第二電極層30はスパッタ蒸着された厚さ0.
1μmの酸化インジウム(In2 3 )である。
【0015】薄膜半導体層20は、図のBの範囲に堆積
されており、また11は第一電極層10の欠落部分であ
る。図の点線で囲んだ範囲では、第二電極30はその下
の第一電極層10と接続しており、三つのユニットセル
51、52、53が直列接続されていることになる。図
1(a)〜(d)は、本発明の製造方法を説明する製造
工程順の主な工程ごとの断面図である。
【0016】以下に、この図を参照しながら本発明の製
造方法を説明する。厚さ50μmのポリイミドフィルム
を絶縁基板1とする[図1(a)]。この絶縁基板1上
に、厚さ1μmのポリイミド樹脂からなる所定のパター
ンを形成したマスクフィルム2を、300℃の高温下で
圧着する[同図(b)]。次に、マスクフィルム2を固
定した樹脂基板1の上に、第一電極層10としてスパッ
タ法により、銀を0.2μm、薄膜半導体層20として
プラズマCVD法により、光電変換層となるアモルファ
スシリコン膜を1μm、第二電極層30としてスパッタ
法により、酸化インジウム膜を0.1μmのそれぞれの
厚さに形成する[同図(c)]。
【0017】その後に、マスクフィルム2を絶縁基板1
から引き剥がすことにより、マスクフィルム2上の電極
層と薄膜半導体層とが同時に除去され、第一電極層1
0、アモルファス半導体層20、第二電極層30が、三
つのユニットセル51、52、53に分断される。そし
て、ユニットセル51、52、53が図示されない断面
で直列接続された構造ができる[同図(d)]。
【0018】図7(a)は、絶縁基板1にマスクフィル
ム2を形成する装置の立面図、図7(b)は上方から見
た透視平面図である。ポリイミドの絶縁基板1は、送り
出しロール4と巻き取りロール5により、ロールツーロ
ール搬送される。絶縁基板1には、搬送用の位置決め孔
6が開けられており、位置決めセンサ7で、位置決め孔
6を認識し、搬送を停止することができる。
【0019】絶縁基板1とマスクフィルム2とを上下か
ら離型シート8で挟み、上下にあるヒータ板9を移動さ
せることにより、絶縁基板1とマスクフィルム2とを加
熱圧着する。離型シート8は例えば四フッ化エチレン樹
脂を含浸したガラスクロスである。上下にあるヒータ板
9を離し、離型シート8を除くことにより、マスクフィ
ルム2を固定した絶縁基板1ができる。これを巻き取り
ロール5に巻き取る。マスクフィルム2は図のようにマ
スクフィルムロール14から供給される。或いは紙面に
直角な方向からバッチ式に供給しても良い。
【0020】このマスクフィルム形成法は、一度に広い
面積にマスクフィルムを形成できるため、基板内のマス
ク形成の精度が高いという利点がある。マスクフィルム
の剥離方法としては、粘着性の表面をもつロールによ
り、マスクフィルムを除去する。そうすれば、均一な力
で一様に剥離される。図8(a)は、絶縁基板上に形成
されたマスクフィルム2の図であり、図8(b)はマス
クの一部の断面図である。図のように、基板に接する側
を広く、薄膜が付着する側を狭くしている。これは、薄
膜半導体層や電極層の形成時に、マスクフィルム2近傍
の膜厚が薄くなるのを防ぐためである。マスクフィルム
2が形成する薄膜半導体層や電極層よりも厚い場合に
は、このようにマスクフィルム2の形状を基板に接する
側を大きくしないと、薄膜の形成法によっては、マスク
フィルム2近傍の膜厚が異なり、不良の原因になってし
まうこともある。
【0021】また図8(c)はマスクフィルム2の角部
の拡大図である。開口部の角は半径0.3mmの弧状に
なっている。これは、開口部のかどを直角にすると、マ
スク作製や除去の際に応力集中によりマスクが裂け易く
なるので、それを防止するためである。本実施例では、
絶縁基板1にも、マスクフィルム2にもポリイミド樹脂
を使用しているので、加熱時の熱収縮はあるもののその
程度が同じであり、絶縁基板1の熱変形によるリフトオ
フ用のマスクフィルム2の剥がれやマスクぼけは無くな
った。更に、マスク幅を100μm程度まで細くできる
ようになった。
【0022】このように、薄膜形成時の高温による熱変
形の大きい耐熱樹脂基板上で面積効率が高く、不良の少
ない直列接続型太陽電池の製造が可能となった。図6で
は、マスクフィルム2を圧着した絶縁基板1を巻き取り
ロール5に巻き取る装置を示したが、巻き取らずに、直
接成膜装置に送り込み、電極層や、薄膜半導体層を形成
することもできる。 [実施例2]絶縁基板1とマスクフィルム2との接着強
度を高めるための工夫として、基板1面とマスクフィル
ム面を凹凸化する方法も考えられる。表面の凹凸化の方
法の一例としてプラズマ処理法が上げられる。
【0023】図9は、窒素プラズマを照射して表面を粗
面にした場合の接合面の拡大断面図である。この方法
は、特に200℃以上の高温では使用できないポリエー
テルナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレ
ート(PET)を絶縁基板1やマスクフィルム2として
使用する際に有効である。 [実施例3]図3(a)は、本発明の製造方法を適用し
た別の実施例の薄膜太陽電池の平面図、図3(b)は、
絶縁基板の裏面側の平面図である。
【0024】この例では、絶縁基板に貫通孔を開け、そ
の貫通孔を利用して光電変換層の両側にある第一、第二
電極層を基板裏面の第三電極層と接続し、直列接続構造
を構成しているものである。10は厚さ50μmの透光
性のアラミドフィルム基板1上にスパッタ蒸着された厚
さ0.2μmの銀(Ag)の第一電極層、20はプラズ
マCVD法で堆積された厚さ約1μmのアモルファスシ
リコン膜の薄膜半導体層、30は、スパッタ蒸着された
厚さ0.1μmの酸化インジウム(In2 3 )の第二
電極層30である。61〜66は第一電極10と、基板
裏面に形成された第三電極層とを接続するための第一貫
通孔であり、71〜76は第二電極30と、第三電極層
とを接続するための第二貫通孔である。各セル54〜5
6は基板上では完全に分離されている。
【0025】図3(b)に見られるように絶縁基板1の
裏面の第三電極40も分離されている。ただし、その分
離帯13の位置は、基板上面のユニットセル54〜56
の分離帯12の位置とはずらされている。図4(a)は
図3(a)のC−C’線に沿った断面図、図4(b)は
図3(a)のD−D’線に沿った断面図である。
【0026】図4(a)に見られるように第三電極層4
0は第三電極内層40aと第三電極外層40bの二層か
らなっており、第二貫通孔71〜73(図示されないが
74〜76も同じ)内で、第二電極層30と第三電極外
層40bとが接続されていて、第二電極層30の電位が
絶縁基板1の裏面の第三電極層40に持ち来たらされて
いる。絶縁基板上の電極層等の分離帯12と、下側の分
離帯13との位置関係がわかる。
【0027】一方、図4(b)に見られるように、第一
貫通孔61〜63(図示されないが64〜66も同じ)
内で、第一電極層10と第三電極内層40aとが接続さ
れていて、第一電極層10の電位も絶縁基板1の裏面の
第三電極層40に持ち来たらされている。図3(a)に
見られるように、この第一貫通孔61〜66のある部分
では、薄膜半導体層20および第二電極層30は形成さ
れていないので、この孔を介して第二電極層と第三電極
層とが短絡されることはない。
【0028】図4(a)、(b)からユニットセル5
4、55、56が直列接続され、絶縁基板1の下面の図
では左端の第三電極層41と、右端の第三電極層42と
の間に直列出力が出力されることがわかる。図5(a)
〜(e)は、実施例3の薄膜半導体装置の製造方法を説
明する製造工程順の主な工程ごとの断面図である。ただ
し、図3(a)のC−C’線に沿った断面図である。
【0029】以下に、この図を参照しながら本発明の製
造方法を説明する。厚さ50μmのアラミドフィルムを
絶縁基板1の両面に、厚さ1μmのポリイミド樹脂から
なるマスクフィルム2を、300℃の高温下で圧着する
[同図(a)]。パンチで図の断面には現れないが第一
貫通孔を形成した後、両面にマスクフィルム2を固定し
た絶縁基板1に、スパッタ法により、銀を0.2μm蒸
着し、第一電極層10とする。また絶縁基板1の裏面に
もスパッタ法により、銀を0.2μm蒸着し、第三電極
内層40aとする[同図(b)]。このとき、銀膜はマ
スクフィルム2上にも形成される。第一電極層10と第
三電極内層40aとは、第一貫通孔の内面にも形成さ
れ、第一貫通孔の内部で電気的に接続される。
【0030】次に、パンチで絶縁基板1に第二貫通孔7
1〜76を開ける[同図(b)]。プラズマCVD法に
よりアモルファスシリコン膜を1μm堆積して、光電変
換層となる薄膜半導体層20とする。続いて、第二電極
層30としてスパッタ法により、酸化インジウム膜を
0.1μm形成する。更に、基板裏面側にスパッタ法に
より、銀を0.1μm蒸着し、第三電極外層40bとす
る[同図(c)]。このとき、第二貫通孔71、72、
73内で第二電極層30と第三電極外層40bとが接続
される。また、アモルファスシリコン膜、酸化インジウ
ム膜および銀膜は、マスクフィルム2上にも形成され
る。
【0031】その後に、両面のマスクフィルム2を絶縁
基板1から引き剥がすことにより、マスクフィルム2上
の薄膜が同時に除去され、絶縁基板1の上面での分離帯
12が形成され、第一電極層10、アモルファス半導体
層20、第二電極層30が、三つのユニットセル54、
55、56に分断される。同時に絶縁基板1の下面での
分離帯13が形成され、第二貫通孔71、72、73と
図示されない第一貫通孔の作用で、ユニットセル54、
55、56が直列接続された構造ができる[同図
(d)]。
【0032】本実施例では、絶縁基板1にアラミド樹脂
を、マスクフィルム2にポリイミド樹脂を使用したが、
マスクフィルムの剥がれ等は生じなかった。アラミド樹
脂、ポリイミド樹脂の熱収縮率はそれぞれ約0.2%、
0.4%であり、それほど違わないためと考えられる。
従って、絶縁基板と同じ材質のマスクフィルム2でなく
ても、例えば1%以内の熱変形率の差をもつマスクフィ
ルムであれば、マスクフィルムの剥がれ、マスクぼけは
防止できると思われる。また、本実施例では、従来のレ
ーザ加工法では困難であった透光性基板の両面に薄膜を
形成した太陽電池の分離加工が精度良く行えるようにな
った。 [実施例4]図6(a)〜(e)は、本発明の製造方法
を適用した更に別の実施例の薄膜太陽電池の製造方法を
説明する製造工程順の主な工程ごとの断面図である。
【0033】この例では、固い絶縁基板上に薄膜太陽電
池を形成した例を示している。以下に、この図を参照し
ながら本発明の製造方法を説明する。厚さ1mmのガラ
ス基板1上に、厚さ1μmのPENからなるマスクフィ
ルム2を300℃の高温下で熱圧着する[図5
(a)]。このガラス基板1上にスパッタ法により低温
で銀膜3’を0.2μm形成する[同図(b)]。
【0034】次に、ガラス基板1上のマスクフィルム2
を剥がし、銀からなる薄膜マスク3を形成する[同図
(c)]。その上に高温でアルミニウム膜をスパッタ形
成し、アルミニウム表面を凹凸化した。その後、高反射
率の銀をスパッタ成膜し、第一電極層10を形成し、次
に、発電層であるアモルファス半導体層20を形成し、
最後に、第二電極層30となる酸化インジウム膜を0.
1μm形成する[同図(d)]。
【0035】粘着ロールを用いて、薄膜マスク3と薄膜
マスク3の上部に積層した膜を除去する。第一電極層1
0、アモルファス半導体層20、第二電極層30が、三
つのユニットセル57、58、59に分断される[同図
(e)]。そして、ユニットセル57、58、59が直
列接続された構造ができる直列接続構造を形成した。本
実施例では、絶縁基板1にガラス板を用い、マスクフィ
ルム2にポリイミド樹脂を使用して先ず銀膜の薄膜マス
ク3を形成し、その薄膜マスク3を使用してリフトオフ
をおこなった。薄膜フィルム3の剥がれ等は生じなかっ
た。しかも薄い薄膜フィルム3をマスクとしたので、従
来のマスク形成法で問題となっていた、マスクずれやマ
スクぼけが無くなり、50μm程度の細いマスク幅の薄
膜マスクを容易に形成できるようになった。
【0036】この実施例3で、特に実施例2のような互
いに完全に分離したユニットセルを形成しようとする場
合には、絶縁基板に圧着する前のマスクフィルムの保持
方法が問題になる。そのような場合は、支持フィルムに
マスクフィルムを貼りつけておき、その支持フィルムか
ら絶縁基板にマスクフィルムを転写すればよい。 [実施例5]図10(a)はスクリーン印刷法を用いた
マスクフィルム形成装置の立面図、図10(b)は上方
から見た透視平面図である。
【0037】ポリイミドの絶縁基板1は、送り出しロー
ル4と巻き取りロール5により、ロールツーロール搬送
される。絶縁基板1には、搬送位置決め孔6が開いてお
り、位置決めセンサ7で、位置決め孔6を認識し、搬送
を停止することができる。ポリイミド樹脂を主成分とす
るペースト81をスクリーン印刷機82により塗布し、
加熱炉83により焼成して、マスクフィルム2を絶縁基
板1上に形成する。
【0038】スクリーン印刷法を用いると、マスク形成
精度を高くできるだけでなく、複雑な形状のマスクや、
或いは互いに分離したマスクなども容易に形成できる。
しかも、マスクフィルム2を数μm程度に薄膜化するこ
とができる。また印刷法としては、インクジェット法で
もよく、その場合はマスクフィルムの形成時に、絶縁基
板を停止させる必要がなく、連続的にできる利点があ
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、絶縁基板
上に形成された複数の薄膜半導体素子からなる薄膜半導
体装置の製造方法において、基板と同程度の熱変形率を
有するマスクフィルムを絶縁基板の薄膜形成面上に固定
し、薄膜半導体層および電極層を積層した後、マスクフ
ィルムを絶縁基板から引き剥がし、積層した絶縁基板上
の薄膜半導体層および電極層を互いに分離するものであ
る。
【0040】基板と同じように熱変形するために、樹脂
基板にも対応でき、成膜プロセス中の熱応力等によるマ
スク剥がれや、マスクぼけがなく、高精度のパターン形
成が可能になったばかりでなく、パターン自体の細密化
ができるようになった。また、マスクフィルム自体が基
板と同じ程度の可撓性を有しているのでロールツーロー
ル搬送方式にも適用でき、生産性の向上にも寄与するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(d)は本発明の製造方法による
第一の実施例の太陽電池の製造工程順に示した断面図
【図2】(a)は本発明の製造方法による第一の実施例
の太陽電池の平面図、(b)は断面図
【図3】(a)は本発明の製造方法による第三の実施例
の太陽電池の平面図、(b)は裏面の平面図
【図4】(a)、(b)は本発明の製造方法による第三
の実施例の太陽電池の断面図
【図5】(a)ないし(e)は本発明の製造方法による
第三の実施例の太陽電池の製造工程順に示した断面図
【図6】(a)ないし(e)は本発明の製造方法による
第四の実施例の太陽電池の製造工程順に示した断面図
【図7】(a)は本発明の製造方法による第一の実施例
の太陽電池の製造装置の立面図、(b)はその透視平面
【図8】(a)は本発明の製造方法による第一の実施例
の太陽電池のマスクフィルムの図、(b)はその部分断
面図、(c)は角部の拡大図
【図9】本発明の製造方法による第二の実施例の絶縁基
板とマスクフィルムとの接合部の拡大断面図
【図10】(a)は本発明の製造方法による第五の実施
例の太陽電池の製造装置の立面図、(b)はその透視平
面図
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 マスクフィルム 3 薄膜マスク 4 送り出しロール 5 巻き取りロール 6 位置決め孔 7 位置決め孔センサ 8 離型シート 9 ヒーター 10 第一電極層 11 第一電極層の欠落部 12 分離帯 13 分離帯 14 マスクフィルムロール 20 薄膜半導体層 30 第二電極層 40 第三電極層 40a 第三電極内層 40b 第三電極外層 51、52、53 ユニットセル 54、55、56 ユニットセル 57、58、59 ユニットセル 61〜66 第一貫通孔 71〜76 第二貫通孔 81 ペースト 82 スクリーン印刷機 83 加熱炉
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に、複数の薄膜半導体素子から
    なる薄膜半導体装置をマスクを用いて同時に形成する薄
    膜半導体装置の製造方法において、基板とほぼ同じ熱変
    形率を有するマスクフィルムを絶縁基板の薄膜形成面上
    に固定し、薄膜半導体層および電極層を積層した後、マ
    スクフィルムを絶縁基板から引き剥がすことにより、積
    層した絶縁基板上の薄膜半導体層および電極層を互いに
    分離し、複数の薄膜半導体素子からなる薄膜半導体装置
    とすることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁基板が透光性を有し、絶縁基板の表面
    に複数個の薄膜半導体素子を形成し、裏面に前記薄膜半
    導体素子を電気的に接続する複数の電極層を形成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】絶縁基板上に、複数の薄膜半導体素子から
    なる薄膜半導体装置をマスクを用いて同時に形成する薄
    膜半導体装置の製造方法において、基板とほぼ同じ熱変
    形率を有する薄膜半導体素子と同じパターンのマスクフ
    ィルムを絶縁基板の薄膜形成面上に固定し、絶縁性基板
    との接着力の弱い薄膜をマスクフィルムを含む絶縁性基
    板上に形成した後、マスクフィルムを絶縁基板から引き
    剥がすことにより、絶縁性基板との接着力の弱い薄膜マ
    スクを形成し、薄膜半導体層および電極層を積層した
    後、絶縁性基板との接着力の弱い薄膜マスクを絶縁基板
    から引き剥がすことにより、積層した絶縁基板上の薄膜
    半導体層および電極層を互いに分離し、複数の薄膜半導
    体素子からなる薄膜半導体装置とすることを特徴とする
    薄膜半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】絶縁基板と同じ材質のマスクフィルムを用
    いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の薄膜半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】マスクフィルムが接着性樹脂フィルムから
    なり、薄膜半導体層の形成温度よりも高い温度で、マス
    クフィルムと基板との間に圧力を加えることにより、マ
    スクフィルムを基板に固定することを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載薄膜半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】接着性樹脂を印刷法を用いて基板上に塗布
    し、焼成してマスクフィルムを絶縁基板に固定すること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載薄膜半
    導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】接着性樹脂をスクリーン印刷法を用いて基
    板上に塗布し、焼成してマスクフィルムを基板に固定す
    ることを特徴とする請求項6記載薄膜半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】接着性樹脂をインクジェット印刷法を用い
    て基板上に塗布し、焼成してマスクフィルムを基板に固
    定することを特徴とする請求項6記載薄膜半導体装置の
    製造方法。
  9. 【請求項9】絶縁基板表面を粗面化し、接着性樹脂から
    なるマスクフィルムと絶縁基板とを密着させ、高圧を印
    加することにより、マスクフィルムを基板に固定するこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載薄膜
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】マスクフィルムの開口部の角が曲線状で
    あることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記
    載薄膜半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】マスクフィルムの面積が基板側の方が膜
    付着側よりも広いことを特徴とする請求項1ないし10
    のいずれかに記載薄膜半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】粘着性の表面をもつロールにより、マス
    クフィルムを除去することを特徴とする請求項1ないし
    11のいずれかに記載薄膜半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】ロールに巻かれた絶縁基板が連続的に送
    り出され、薄膜半導体装置を形成後、巻き取りロールに
    巻き取るロールツーロール方式でプロセスを行うことを
    特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の薄膜
    半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】ロールに巻かれた絶縁基板が間欠的に送
    り出され、薄膜半導体装置を形成後、巻き取りロールに
    巻き取るステッピングロール方式でプロセスを行うこと
    を特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の薄
    膜半導体装置の製造方法。
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