JPH10132155A - 鋼製コイル補強可とう管およびその製造方法 - Google Patents

鋼製コイル補強可とう管およびその製造方法

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JPH10132155A
JPH10132155A JP8304117A JP30411796A JPH10132155A JP H10132155 A JPH10132155 A JP H10132155A JP 8304117 A JP8304117 A JP 8304117A JP 30411796 A JP30411796 A JP 30411796A JP H10132155 A JPH10132155 A JP H10132155A
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reinforcing wire
layer
steel
reinforcing
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Shizuo Yokobori
志津雄 横堀
Masami Tsujimoto
昌美 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通水管路、特に上下水道等の通水管路の地中
埋設管として用いられる耐震性可とう管、特に曲げ、伸
縮および偏心特性に優れた耐震性鋼製コイル補強可とう
管およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 内外ゴム層,鋼製補強線材および繊維
補強層から形成される円筒状胴壁が補強線材間で外周方
向に膨らんだ形状を有する鋼製コイル補強可とう管にお
いて、該円筒状胴壁の断面中央部に一定ピッチを有する
鋼製コイル状補強線材を配置し、該鋼製コイル状補強線
材の内側および外側に管軸に対しホースの釣合角度より
小さい成形角度で積層したゴムトッピング繊維コードか
らなる内外側ゴム被覆繊維補強層を設け、該内外側ゴム
被覆繊維補強層の間ならびに内側および外側に中間ゴム
層ならびに内外面ゴム層を設けて得られた積層成形体を
軸方向に圧縮して、前記鋼製コイル状補強線材のピッチ
を中央部から両端部にかけて漸減させたことを特徴とす
る鋼製コイル補強可とう管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通水管路、特に
上下水道等の通水管路の地中埋設管として用いられる耐
震性可とう管、特に曲げ、伸縮および偏心特性に優れた
耐震性鋼製コイル補強可とう管およびその製造方法の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から上下水道等の地中埋設管路に使
用される耐震性可とう管としては、図10(a)〜13
(a)に示すようなものが知られている。これらのう
ち、図10(a)に代表されるのものは、内層2と外層
3とからなるゴム層の内部に一定ピッチに配置された鋼
製リング7’および第1、第2補強層4、5が設けら
れ、これらからなる円筒状胴壁が外側に膨らんだ蛇腹状
山部を形成し、その両端部が端部リング8を介してフラ
ンジ10に固定されたものである。図11(a)は、蛇
腹状山部を形成しないで、外周面が平坦に形成されたも
のおよび図12(a)は、鋼製リング7’を胴壁の谷部
のみならず、山部にも配置して剛性を増したものであ
る。他方のタイプは図13(a)に示すもので、一定ピ
ッチを有する鋼製コイルばね7を内外ゴム層2、3の内
部に配置して、図10(a)と同じ構成に形成させ、管
軸方向の伸長、圧縮および管軸直角方向の曲げ強度を向
上させたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の、可とう部全長にわたって一定の変形反力を有す
る可とう管が、埋立地や埋立地と地山との境界部、また
は丘陵宅地の切土・盛土の境界部、あるいは、地盤急変
部、液状化地域などの地中に埋設されているとき、大き
な地震力を受けて、地盤の不等沈下、地盤の段差、縦ず
れ、陥没などの発生により、図14および図15に示す
ように、曲げ、または偏心を起こした場合には、地震力
により最大応力の発生する固定端部胴壁において、この
最大応力によって胴壁内の繊維補強層繊維コードが破断
し、胴壁に亀裂または引裂きを発生したり、あるいは胴
壁が破壊するといったような問題があった。
【0004】すなわち、図14に示すように、地震力W
による軟弱地盤の陥没に伴って、地中に埋設された可と
う管端部Bが下方移動して、可とう管が曲げ(変位角度
θ)を生じ、安定地盤中の固定端部Aの引張側胴壁部a
および軟弱地盤中の固定端部Bの引張側胴壁fに亀裂、
または引裂きを生じたり、あるいは胴壁が破壊した。
【0005】また、図15に示すように、上記可とう管
が偏心(変位量δ)を生じた場合も、固定端部Aおよび
Bの引張側胴壁部aおよびf´のそれぞれに曲げの場合
と同じく亀裂、または引裂きを生じたり、あるいは胴壁
が破壊した。
【0006】他方、図16に示すように、断面形状が一
定のはりの左端部Aを固定し、自由端部Bに荷重Wを負
荷した場合には、(1)はりの各断面に作用する曲げモ
ーメントMによってはりの各断面に曲げ応力σが発生
し、各断面の最上部および最下部にそれぞれ引張りおよ
び圧縮ひずみ(伸びおよび縮み)を惹起してはりが曲が
ること、(2)曲げモーメントMは固定端部A断面(危
険断面)で最大となり、最大曲げ応力を発生すること、
(3)この最大曲げ応力、すなわち最大引張応力および
最大圧縮応力、特に引張側の最大引張応力が固定端部は
りAの許容引張応力と釣合うまではりの曲げが進行する
ことおよび(4)この最大引張応力が固定端部はりAの
許容引張応力を超えたとき、固定端部はりAは破壊する
ことが知られている。
【0007】このことは、図17に示す上記片持はりの
たわみ曲線 y=W/6EI(x3 −3l2 x+2l3 ) (式中、yはたわみ、Wは荷重、Eは縦弾性係数、Iは
断面二次モーメント、xは荷重の作用点からの距離、l
は長さを示す。)からも明らかである。すなわち、はり
は荷重Wによる曲げモーメントMの作用によって、スパ
ンの全長lにわたることなく、主として固定端部Aの近
傍、つまり、たわみ曲線の微分係数が著しく変化してい
る領域において最も大きく曲げられ、その他の領域では
殆んど曲げられず、緩い曲線、あるいは直線状を呈して
曲げを生じていることが観察される。
【0008】以上の知見から、従来の耐震性可とう管が
地中に埋設されて他端部Bに大きな地震力Wを受け、図
14、または図15に示すような曲げ(変位角度θ)、
または偏心(変位量δ)を生じた場合には、次のような
プロセスを経て損傷、または破壊するものと推測され
る。上記地震力Wによる曲げモーメントにより、可とう
管各断面の最上部および最下部にそれぞれ引張応力およ
び圧縮応力が発生し、それぞれ伸びおよび縮みを生じ
て、可とう管は曲がり始める。そして、最大曲げモーメ
ントが作用する固定端部Aの引張側胴壁部aにおいて最
大引張応力が発生し、この最も大きい引張応力によっ
て、胴壁部a内のゴム被覆繊維補強層の繊維コードがそ
の許容伸び率を超えて引き伸ばされて破断する。その結
果、胴壁部aに亀裂、または引裂きが生じたり、あるい
は胴壁自体が破壊したりする。
【0009】このことは、軟弱地盤側の可とう管固定端
部Bについても、相対的に全く同様であって、固定端部
Bの引張側胴壁部f、またはf’に亀裂、または引裂き
を生じ、あるいは破壊を起こすものと考えられる。
【0010】以上、述べてきたように、図10(a)〜
13(a)に示す、従来の可とう管は、地震力により曲
げ、または偏心を生じて、図10(b)〜図13(b)
に示すように、固定端部AおよびBの引張側胴壁部にお
いて、亀裂、または引裂きを生じるか、あるいは胴壁部
が破壊したりして使用不能となる場合が多かった。その
ため、さらに目標とする大きい地震力から想定されるよ
り大きい曲げ(変位角度θが大きいか、曲率半径ρが小
さいこと)、または偏心(変位量δが大きいこと)を実
現することは困難であった。
【0011】また、製造面からみても、図13(a)に
示すものは、鋼製コイル状補強線材間の円筒状胴壁を外
周方向に膨らませて蛇腹状胴壁を形成するとき、円筒状
胴壁とマンドレルとの間に適度に制御した空気圧、また
は水圧を加えながら、圧縮装置により軸方向に圧縮しな
ければならないので、多くの設備、工程および時間を要
するという不具合があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した点
に鑑みてなされたものであって、大きな地震力による地
盤ひずみ、すなわち地盤の縦ずれおよび横ずれに自在に
追随して、きわめて短い可とう部間で大きな曲げ(変位
角度が大きいか曲率半径が小さいこと)および偏心(変
位量が大きいこと)をすることができる可とう管および
鋼製コイル状補強線材を順次ピッチを漸減させるという
簡略にして、精度高く、かつ経済的に、安定した性能を
有する可とう管を製造する方法を提供しようとするもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の可とう管によれば、繊
維コードをホースの釣合角度より小さい一定の成形角度
で積層して可とう管成形体を作り、可とう管の円筒状胴
壁の断面中央部に配置された鋼製コイル状補強線材のピ
ッチを圧縮により中央部から両端部にかけて漸減させる
とともに、その鋼製コイル状補強線材のピッチ間の円筒
状胴壁を外周方向に円弧状に膨らませた蛇腹状山部を形
成した構造にすることにより、可とう管の両端部へかけ
て断面二次モーメントIならびに断面係数Zを増加し
て、その変形反力、すなわち曲げ剛性EIおよび抵抗モ
ーメントσZを増大させることができる。その結果、可
とう管が、地震力による地盤の縦ずれ、横ずれなどによ
り管軸直角方向の曲げ、または管軸直角方向への変位
(偏心)を起こしてその固定両端部に最大曲げ応力が発
生しても、両端部にかけてピッチが漸減した鋼製コイル
状補強線材およびそれと一体化された伸縮自在な蛇腹状
胴壁とがこの応力に追随して管軸直角方向に自在に変形
して曲がり、あるいは自在に管軸直角方向への変位(偏
心)をすることができる。
【0014】このように、大きな地震力を受けても、中
央部から両端部にかけてピッチが漸減した鋼製コイル状
補強線材およびこれと一体化された蛇腹状胴壁とが、大
きな曲げおよび偏心の作用を奏することがこの発明の特
徴である。
【0015】また、この発明の製造方法によれば、鋼製
コイル状補強線材間の円筒状胴壁を外周方向に膨らませ
て蛇腹状山部を形成するとき、円筒状胴壁内面を加圧し
ながら軸方向に圧縮すれば、コイル状補強線材のピッチ
を中央部から端部にかけて漸減させるとともに、これと
一体的にコイル状補強線材間の円筒状胴壁を外側に膨ら
ませて蛇腹状山部を形成することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の一実施例を
具体的に説明する。図1は本発明の可とう管1の構成を
示す部分破断側面図である。すなわち、この可とう管1
は、内外ゴム層2、3からなる円筒状胴壁の断面中央部
に鋼製コイル状補強線材7が配置され、このコイル状補
強線材7の内側および外側にゴム被覆繊維補強層4、5
が設けられ、前記コイル状補強線材7のピッチPが中央
部から両端部にかけて漸減するとともに、このコイル状
補強線材7間の円筒状胴壁が外周方向へ膨らんだ蛇腹状
山部に形成されて可とう部が構成され、その両端部がフ
ランジ10に固定されたものである。
【0017】内外面ゴム層2、3は、天然ゴム、または
合成ゴムからなる公知の、ゴム管に準じたゴム配合物を
予めシートに成形し、これを積層して形成される。
【0018】ゴム被覆繊維補強層4、5は、繊維からな
るすだれ織布に未加硫ゴム組成物をトッピング処理した
繊維コードを、内面ゴム層2の表面およびコイル状補強
線材7ならびに中間ゴム層6の表面に、可とう管の軸線
に対し、ホースの釣合角度より小さい成形角度45°〜
50°で繊維方向が交差するように交互に2プライ、合
計4プライ巻付け、積層して形成される。このゴム被覆
繊維補強層4、5に使用する繊維としては、ナイロン、
ポリエステル、アラミド、カーボンなどの有機繊維およ
びガラス、スチールなどの無機、金属繊維などがあげら
れる。なお、ホースの釣合角度とは、管軸に対し、所定
の角度で巻付けられた繊維コードが、それにより形成さ
れた未加硫積層成形管体が軸方向に圧縮されたり、また
は管体内周面が外周方向に加圧されたとき、径方向およ
び軸方向に変位して、力学的に釣合って静止する角度を
いい、通常、軸線に対し54°44′である。
【0019】中間ゴム層6は、公知のゴム配合物からな
るものであって、コイル状補強線材7ならびに内、外側
ゴム被覆繊維補強層4,5を一体化するとともに外周方
向に膨らんだ蛇腹状胴壁の伸縮・湾曲作用を容易にす
る。
【0020】鋼製コイル状補強線材7は、単線材が所定
ピッチで連続的に螺旋状に巻かれた円筒コイルばねであ
って、小さいばね定数を有していて、可とう管円筒状胴
壁の蛇腹状山部の伸び、縮みに追随して管軸方向ならび
に管軸直角方向に容易に変位するものである。このコイ
ル状補強線材7は、地震時の地盤ひずみから可とう管の
変位角度ならびに変位量を予測し、埋設管径に応じて、
好ましい横弾性係数その他の機械的特性を有する線材を
適宜に選択し、線径、巻数などを決定し、所定のばね定
数が得られるように設計し、製作される。そして、この
鋼製コイル状補強線材7を形成する線材としては、弾性
限界が高い金属線材料、たとえば、ばね鋼線、ピアノ線
などのばね用炭素鋼線、ステンレス鋼線などのばね用合
金鋼線、またはりん青銅線などのばね用銅合金線などの
単線を用いることができる。このコイル状補強線材7
は、製造時には形成された内側ゴム被覆繊維補強層4の
外周面上にその端部から軸方向に嵌め通されて長手方向
全体にわたって配置される。なお、コイル状補強線材7
は、上記のように単独に使用するほか、予めその両端部
にフランジ10をニップル9を介して溶接などにより固
定し、一体構造部品として使用することもできる。
【0021】端部リング8は、図6に示すように、フラ
ンジ10の締結面上の開口周縁部に設けられ、内側ゴム
被覆繊維補強層4の端縁部4aを巻き上げ、折り返して
フランジ10の締結面との間に挟み込んで固定するとと
もに、内面ゴム層2の端縁部2aも巻き上げてフランジ
10の締結面に固定させることにより、可とう部を強固
にフランジ10に結合させる役割を担うものである。こ
の端部リング8としては機械的強度を有する、断面矩形
の環状鋼製部材が望ましい。
【0022】ニップル9は、予めフランジ10に溶接な
どにより固定されていて、継手の製造時には、フランジ
と一体となった単一部品となるものである。
【0023】フランジ10は、予めニップル9を溶接な
どで取り付け、製造時には単一部品として扱うことがで
きる。そして、配管施工時には埋設管フランジにボルト
締結などにより接続される。また、このフランジ10
は、コイル状補強線材7の両端部にニップル9の端部を
溶接などして固定することにより、コイル状補強線材7
と一体構造部品として使用することができる。
【0024】マンドレル11は、可とう管積層成形体の
芯型であって、通常使用される構造のもののほか、その
中央部胴壁に水または空気の流通孔などを設けたものな
ど適宜に使用できる。
【0025】この可とう継手1の製造方法としては、図
2に示すように、まず、マンドレル11の表面に、所定
の幅のゴムシートを巻き付け、突き合わせ部を接着剤な
どで接合して円筒状の内面ゴム層2をつくる。また、ゴ
ムシートの代わりにゴムチューブを用いてもよくこの場
合は接合作業を省くことができる。
【0026】次に、図3に示すように、この内面ゴム層
2の外周面上に、予め所定の幅に裁断された帯状のトッ
ピング処理繊維コード14を管の軸線に対し、ホースの
釣合角度より小さい成形角度φで繊維方向15が交叉す
るように、交互に2プライ巻き付けて積層し、内側ゴム
被覆繊維補強層4を形成する。この成形角度φは45°
〜50°の範囲で設定される。この成形角度がホースの
釣合角度より小さい場合は、図19〜20に示すよう
に、巻付け円筒状成形体の径方向および軸方向に外力を
加えると、繊維コードがその2方向に変位し、両方向の
力が釣合う54°44′で静止する。その結果、図9に
示すように、外径が増すとともに円筒状胴壁の厚みが増
加し、曲げ剛性(変形反力)が大きくなる。
【0027】続いて、図4に示すように、この内側ゴム
被覆繊維補強層4の左端部外周面上に端部リング8を嵌
め込み、次いでニップル9付きフランジ10、コイル状
補強線材7およびニップル9´付きフランジ10´を補
強層4の他端からその表面を滑らすように嵌め込んで行
き、長手方向全体にわたって嵌入、配置したのち、端部
リング8´を嵌入する。
【0028】図5に示すように、両端の端部リング8、
8´を芯にして、内側ゴム被覆繊維補強層4の端縁部4
a、4a´で巻き、折り返し重ね、その後に内面ゴム層
2の端縁部2a、2a´も巻き上げる。
【0029】次いで、図6に示すように、フランジ1
0、10´およびコイル状補強線材7を両側へ引き伸ば
し、フランジ10、10´を端部リング8、8´に密着
させるとともに、コイル状補強線材7の両端部をフラン
ジニップル9、9´に近接させる。なお、コイル状補強
線材7の両端部にフランジ10を固定した一体構造部品
を使用する場合には、図4に示すように、内側ゴム被覆
繊維補強層上中央部へ嵌入、配置するだけでよい。その
後、図7に示すように、この内側ゴム被覆繊維補強層4
の表面に、ゴムシート6をコイル状補強線材7のピッチ
間を埋めるように巻付け、中間ゴム層6をつくる。
【0030】次に、中間ゴム層6の表面に、外側ゴム被
覆繊維補強層5を内側ゴム被覆繊維補強層4と同じ構成
と方法で形成し、その外側ゴム被覆繊維補強層5の端縁
部をフランジニップル9の外周面に貼りつける。さら
に、この外側ゴム被覆繊維補強層5の表面にゴムシート
を巻き、接合して外面ゴム層3をつくる。
【0031】このようにして得られた、図7に示すフラ
ンジ付き円筒成形体を、図8(a)の示すように、その
両端部から押し金具12により軸方向に所定距離Lだけ
圧縮して、図9に示すように、コイル状補強線材7のピ
ッチを円筒成形体の中央部のP0から端部のPまで漸次
減少させるとともに、コイル状補強線材間の円筒状胴壁
を外周方向に膨らませて蛇腹状山部を形成させる。この
とき、コイル状補強線材7の巻き径D0 およびコイル状
補強線材間の円筒状胴壁の厚みt0 はともに中央部から
端部にかけて漸増し、それぞれtおよびDとなる。な
お、円筒成形体を軸方向に圧縮するとき、円筒成形体の
圧縮を容易にするために、マンドレル11の表面にワッ
クスを塗布したり、パイプの一部に水が流通する穴をあ
けたマンドレルを用いて、成形体とそのマンドレルとの
間に空気圧、または水圧を加えたり、あるいはこれらの
マンドレルにゴム製バックを設け、成形後圧縮空気を封
入して成形体を浮上させるなどの手段が好ましく用いら
れる。通常これらの圧力は1〜20kgf/cm2 の範
囲で適用される。
【0032】続いて、この蛇腹状山形胴壁の外周面を布
ラッピングで締め付けてから、加硫を行った後、マンド
レル11と押し金具12を外して図1の製品を得る。
【0033】比較例1 直径200mmのゴム製バッグ付きマンドレルに天然ゴ
ムシートを巻き付け接合して内面ゴム層(硬度60°、
厚さ8mm)を形成し、その外周面上に天然ゴムでトッ
ピング処理した1260デニールポリエステルすだれ織
コード(糸径0.7mm、25本/25mm巾)を製品
の軸線に対し、成形角度54°44′で交互に2プライ
積層して内側ゴム被覆繊維補強層(2層、厚さ1mm)
を得た。次にこの外周面上の左端部に端部リング(SS
400、外径240mm、内径220mm、厚さ10m
m)を嵌入し、他方の右端部からニップル(STK、外
径220mm、厚さ5mm)付フランジ(200A J
IS 10K)、次にみがき棒鋼リング(SS400、
線径8mm、内径220mm)6個をピッチ90mmで
中央領域に、続いてもう1個の上記と同じ端部リングを
右端部に順次嵌入して配置した。両端の端部リングを芯
にして、まず、内側ゴム被覆繊維補強層を巻付け、折り
返した後、その上にさらに内面ゴムも巻付け、折り上げ
た。次いで、みがき棒鋼リングの両端部を両端のフラン
ジニップルに密着させた。そしてみがき棒鋼リング間に
中間ゴム層(天然ゴム、幅31mm、厚さ8mm)を巻
き込んで埋め、さらにその上に内側ゴム被覆繊維補強層
のときと同じ要領で外側ゴム被覆繊維補強層(天然ゴム
トッピング処理1260デニールポリエステルすだれ織
コード、2プライ、厚さ1mm)を形成した。次にその
上に外面ゴム層(天然ゴム、硬度60°、厚さ4mm)
を巻き付けた後、マンドレル表面に付設したゴム製バッ
グに4kgf/cm2 の加圧水を封入して、得られた積
層成形管内壁を外周方向に加圧しながら、長さ540m
mの積層成形管の両端を押し金具でそれぞれ60mmだ
け内側へ圧縮して、ピッチ70mm、山数6、長さ42
0mmの未加硫成形品を得た。そして、この未加硫成形
品を全長420mmにセットした状態で、加熱加硫(1
45℃×60分)を行なった後、冷却してマンドレルと
押し金具を外して、長さ420mm、内径200mmの
可とう管サンプルを得た。
【0034】実施例1 直径200mmのゴム製バッグ付マンドレルに内面ゴム
層(天然ゴム、硬度60°、厚さ8mm)を形成し、そ
の上に天然ゴムでトッピング処理した1260デニール
ポリエステルすだれ織コード(糸径0.7mm、25本
/25mm巾)を製品の軸線に対し、成形角度50°で
交互に2プライ積層して内側ゴム被覆繊維補強層(2
層、厚さ1mm)を得た。次にこの外周面上の左端部に
端部リング(SS400、外径240mm、内径220
mm、厚さ10mm)を嵌入し、他方の右端部からニッ
プル(STK、外径220mm、厚さ5mm)付フラン
ジ(200A JIS 10K)とピッチ90mmを有
するみがき棒鋼コイル(SS400、線径8mm、内径
220mm、有効巻数6)との一体構造部品を中央部領
域に、続いてもう1個の上記と同じ端部リングを右端部
に順次嵌入して配置した。次に、両端の端部リングを芯
にして、まず、内側ゴム被覆繊維補強層を巻付け、折り
返した後、その上に、さらに内面ゴムも巻付け、折り上
げた。次いでみがき棒鋼コイル両端のフランジを両端の
端部リングへ押し、密着させた。そしてみがき棒鋼コイ
ルのピッチ間に中間ゴム層(天然ゴム、幅31mm、厚
さ8mm)を巻き込んで埋め、さらにその上に外側ゴム
被覆繊維補強層(天然ゴムトッピング処理1260デニ
ールポリエステルすだれ織コード、2プライ、厚さ1m
m)を内側ゴム被覆繊維補強層のときと同じ要領で形成
した。次にその上に外面ゴム層(天然ゴム、硬度60
°、厚さ4mm)を巻き付けた後、マンドレル表面に付
設したゴム製バッグに4kgf/cm2 の水を封入し
て、得られた積層成形管内壁を外周方向に加圧しなが
ら、長さ540mmの積層成形管の両端を押し金具でそ
れぞれ60mmだけ内側へ圧縮し、ピッチが中央部から
端部へかけて80mm、70mmおよび60mm、山数
6、長さ420mmの未加硫成形品を得た。そしてこの
未加硫成形品を全長420mmにセットした状態で、加
熱加硫(145℃×60分)を行なった後、冷却してマ
ンドレルと押し金具を外して、長さ420mm、内径2
00mmの可とう管サンプルを得た。
【0035】本発明の実施例1で得られた可とう管サン
プルを最も許容偏心量が大きいとされた比較例1の従来
品とともに、変位(偏心)特性テストを行なった。その
結果、本発明の実施例1の可とう管サンプルの変位量δ
は480mmであり、これに対し比較例1の従来品サン
プルは260mmであった。変位特性テストにおける変
位量δはサンプルを偏心させ、荷重Wで最大曲げ応力
(最大引張応力)の発生する固定端断面におけるゴム被
覆繊維補強層の繊維コードの切断時の変位量を表わす。
また、この繊維コードの切断時における曲げ変位角度は
それぞれ70°および32°であった。
【0036】上記の測定結果から明らかなように、本発
明により得られる可とう管は比較例として選んだ従来の
可とう管と比較して、特に偏心(変位量)、曲げ(変位
角度)など材料力学的特性に大きな改良がみられた。す
なわち、本発明の構造による可とう管は従来のものに比
べて、約2倍の偏心および曲げを生じ、同一量の変位に
要する偏心反力および曲げ反力は1/2と小さい。これ
は、本発明の可とう管の構造が管の中央部から両端部に
かけて曲げ剛性(変形反力)および抵抗モーメントを漸
増し、両端部で最大となって、地震力による最大曲げ応
力に耐えることができるようになった結果の証左であ
る。これは、従来よりさらに大きい地震時の地盤の管軸
直角方向への変位にも十分追随が可能であることを示唆
するものである。これは、本発明可とう管の端部へかけ
ての漸減ピッチを有する鋼製コイル状補強線材と漸増厚
みを有する蛇腹状胴壁との構成が大きく寄与しているも
のと推測される。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の可と
う管によれば、両端部で鋼製コイルピッチを最小にする
とともに、その間の蛇腹状山部胴壁の高さを最大にした
ので、可とう管が曲げ、または偏心を起こしても、この
部分のコイルピッチおよび胴壁が最大に真直ぐに伸ばさ
れ、最大引張応力による伸長に追随できる結果、従来み
られた端部胴壁の破損が防止できるようになった。
【0038】また、中央部から両端部にかけて胴壁およ
びコイルの直径ならびに胴壁厚さを漸増させたので、曲
げ剛性(変形反力)も漸増して曲率半径が増大した結
果、従来品にみられた端部におけるきわめて小さな曲率
半径の形成による局部的、破壊的変形を防止した。そし
て、中央部に向って漸次増加する曲率半径の形成による
緩慢な変形を可とう部全体に行わせて、きわめて短い可
とう部、例えば6山部をもつ可とう管で従来品に比べ、
約2倍という大きな曲げおよび偏心を行わせることがで
きるようになった。
【0039】さらに、この発明の製造方法によれば、繊
維コードをホースの釣合角度より小さい一定の成形角度
で積層して円筒状成形体を作り、これを単に圧縮するだ
けで、その中央部から両端部にかけて鋼製コイルピッチ
およびそのピッチ間の蛇腹状胴壁幅を漸減させた構造を
有する可とう管を多くの設備および時間を要することな
く経済的に製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可とう管の構成を示す部分破断側面図
である。
【図2】マンドレルに内面ゴム層を形成した状態を示す
部分破断側面図である。
【図3】内面ゴム層に内側ゴム被覆繊維補強シートを巻
回、積層する状態を示す部分破断側面図である。
【図4】内側ゴム被覆繊維補強層に端部リング、ニップ
ル付フランジとコイル状補強線材を配置した状態を示す
部分破断側面図である。
【図5】内側ゴム被覆繊維層および内面ゴム層を端部リ
ングに巻き上げて固定した状態を示す部分破断側面図で
ある。
【図6】フランジと端部リングを内側ゴム被覆繊維補強
層と内面ゴム層で固定した状態を示す要部断面図であ
る。
【図7】コイル状補強線材間に中間ゴム層、その上に外
側ゴム被覆繊維補強層、外面ゴム層を形成し、ニップル
に固定した要部断面図である。
【図8】(a)通常のマンドレルで成形した積層成形体
を圧縮して胴壁を膨らませた状態を示す胴壁要部断面図
である。 (b)流通孔を有するマンドレルで胴壁を膨らませた1
例を示す部分破断要部側面図である。
【図9】本発明の製造方法で得られた可とう管の要部拡
大側面図である。
【図10】(a)従来の可とう管の構成を示す部分破断
側面図である。 (b)上記可とう管が偏心したときの状態を示す側面図
である。
【図11】(a)別の従来の可とう管の構成を示す部分
破断側面図である。 (b)上記可とう管の偏心の状態を示す側面図である。
【図12】(a)別の従来の可とう管の構成を示す部分
破断側面図である。 (b)上記可とう管の偏心の状態を示す側面図である。
【図13】(a)別の従来の可とう管の構成を示す部分
破断側面図である。 (b)上記可とう管の偏心の状態を示す側面図である。
【図14】従来の可とう管が地震による地盤ひずみで曲
げを生じたときの状態を示す側面図である。
【図15】従来の可とう管が地震による地盤ひずみで偏
心したときの状態を示す側面図である。
【図16】片持はりの自由端に荷重が働いたときのはり
の曲り(たわみ)の状態を示す説明図である。
【図17】図17に示す片持はりのたわみ曲線を示した
ものである。
【図18】本発明の可とう管が偏心したときの中心軸線
の曲率半径を従来品と比較した模示図である。
【図19】円筒状成形体を圧縮して、繊維コード群が軸
方向に変位し、さらに径方向に変位する寸前の状態の模
示側面図である。
【図20】図19の繊維コード群の変位力が釣り合って
静止し、端部にかけて漸減した幅の蛇腹状山部を形成し
たときの、軸線に対する繊維コード成形角度を示す要部
側面図である。
【符号の説明】
1 本発明の可とう管 2 内面ゴム層 2a,2a´ 内面ゴム層の端縁部 3 外面ゴム層 4 内側ゴム被覆繊維補強層 4a,4a´ 内側ゴム被覆繊維補強層の端縁部 5 外側ゴム被覆繊維補強層 6 中間ゴム層 7 鋼製コイル状補強線材 7´ 鋼製リング 8,8´ 端部リング 9,9´ ニップル 10,10´ フランジ 11 マンドレル 12 押し金具 13 流通孔 14 繊維コード 15 繊維方向 I 本発明の可とう管 II 従来の可とう管 A,B 固定端部 D0 ,D コイル状補強線材の中央部、両端部の内
径 E 縦弾性係数 I 断面二次モーメント L 圧縮長さ M 曲げモーメント P0,P コイル状補強線材の中央部、両端部のピッチ W 地震力 Z 断面係数 a,b,c,d,e,f 可とう管の引張側胴壁山部 a´,b´,c´,d´,e´,f´ 可とう管の圧縮
側胴壁山部 l はりの長さ 0,t 可とう管胴壁の中央部、両端部の厚さ x 荷重作用点からの距離 y たわみ α 静止角度 δ 変位量 θ 変位角度 φ 成形角度 ρ,ρ,ρ 可とう管中心軸線の両端部か
ら中央部にかけての曲率半径 σ 曲げ応力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16L 23/024 23/028

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外ゴム層,鋼製補強線材および繊維補
    強層から形成される円筒状胴壁が補強線材間で外周方向
    に膨らんだ形状を有する鋼製コイル補強可とう管におい
    て、該円筒状胴壁の断面中央部に一定ピッチを有する鋼
    製コイル状補強線材を配置し、該鋼製コイル状補強線材
    の内側および外側に管軸に対しホースの釣合角度より小
    さい成形角度で積層したゴムトッピング繊維コードから
    なる内外側ゴム被覆繊維補強層を設け、該内外側ゴム被
    覆繊維補強層の間ならびに内側および外側に中間ゴム層
    ならびに内外面ゴム層を設けて得られた積層成形体を軸
    方向に圧縮して、前記鋼製コイル状補強線材のピッチを
    中央部から両端部にかけて漸減させたことを特徴とする
    鋼製コイル補強可とう管。
  2. 【請求項2】 フランジが鋼製コイル状補強線材と接合
    されている請求項1記載の鋼製コイル補強可とう管。
  3. 【請求項3】 マンドレルに内面ゴム層を形成し、該内
    面ゴム層の外周面にゴムトッピング繊維コードを管軸に
    対しホースの釣合角度より小さい成形角度で積層して内
    側ゴム被覆繊維補強層を形成し、該内側ゴム被覆繊維補
    強層の外周面中央部に一定ピッチを有する鋼製コイル状
    補強線材を管軸方向に嵌入・配置し、該鋼製コイル状補
    強線材の両端部にフランジおよび端部リングを設け、該
    フランジおよび端部リングに内側ゴム被覆繊維補強層と
    内面ゴム層の端縁部を一体的に成形・固定し、該内側ゴ
    ム被覆繊維補強層の外周面に鋼製コイル状補強線材のピ
    ッチ間を埋める中間ゴム層、外側ゴム被覆繊維補強層お
    よび外面ゴム層を設けて円筒状積層成形体を形成したの
    ち、該成形体を押し金具により両端部から管軸方向に圧
    縮して、前記鋼製コイル状補強線材のピッチを中央部か
    ら両端部にかけて漸減させるとともに、該鋼製コイル状
    補強線材間の円筒状胴壁を外周方向に膨らませ、さらに
    加硫することを特徴とする鋼製コイル補強可とう管の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 フランジを鋼製コイル状補強線材に接合
    する請求項3記載の鋼製コイル補強可とう管の製造方
    法。
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