JPH10133123A - 透過照明型微分干渉顕微鏡 - Google Patents

透過照明型微分干渉顕微鏡

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JPH10133123A
JPH10133123A JP9208613A JP20861397A JPH10133123A JP H10133123 A JPH10133123 A JP H10133123A JP 9208613 A JP9208613 A JP 9208613A JP 20861397 A JP20861397 A JP 20861397A JP H10133123 A JPH10133123 A JP H10133123A
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light
lens
optical
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Tatsuro Otaki
達朗 大瀧
Kumiko Otaki
久美子 大瀧
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価な光学材料を含んで構成された偏光分離素
子を提供することにより、微分干渉顕微鏡のコスト低減
を図る。 【解決手段】所定の偏光状態の光を第1の複屈折光学部
材1によって2つの直線偏光成分L1,L2に分離し、
両偏光成分をコンデンサレンズ13によって平行光に変
換して被検物15を照明し、更に対物レンズ16によっ
て収束光に変換し、更に第2の複屈折光学部材2によっ
て1つの光に合成し、該合成された光の両偏光成分を偏
光干渉させ、該干渉した光により、被検物15の対物レ
ンズ16による拡大像18を結像する透過照明型微分干
渉顕微鏡において、両複屈折光学部材1,2を共に2枚
のみの楔形プリズムの接合によって形成し、両複屈折光
学部材1,2の少なくとも一方を、等方性光学材料より
なる1枚の等方性プリズム1g,2gと、複屈折光学材
料よりなる1枚の複屈折プリズム1a,2aとの接合に
よって形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過照明型の微分
干渉顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の透過照明型微分干渉顕微鏡の構成
の一例を図6に示す。光源10からの照明光は、コレク
タレンズ11によって集光された後、コンデンサレンズ
13を介してスライドガラス14上の試料15を照明す
る。照明された試料15からの光は、対物レンズ16に
よって集光され、拡大像18が形成される。観察者はこ
の拡大像18を接眼レンズ19を介して肉眼20で観察
する。コレクタレンズ11とコンデンサレンズ13の間
の光路中には、偏光子12と第1のウォラストンプリズ
ム5がその順に配置されており、また対物レンズ16と
拡大像18の間の光路中には、第2のウォラストンプリ
ズム6と検光子17がその順に配置されている。第1の
ウォラストンプリズム5は、コンデンサレンズ13の前
側焦点面すなわち光源側の焦点面に配置されており、ま
た第2のウォラストンプリズム6は、対物レンズ16の
後側焦点面すなわち像側焦点面に配置されている。
【0003】上記構成において微分干渉が行われる原理
の概略を、図6を用いて説明する。コレクタレンズ11
を介して集光された光源10からの照明光は、偏光子1
2によって、振動面が紙面に対して45°傾斜した直線
偏光となる。次いで第1のウォラストンプリズム5の複
屈折作用により、紙面に垂直な方向に振動する直線偏光
L1と、紙面に平行な方向に振動する直線偏光L2、す
なわちどちらも振動方向が光軸に垂直でかつ互いに直交
する2光線に分離される。両光線L1,L2は、第1の
ウォラストンプリズム5を通過後わずかな分離角をもっ
て進行し、コンデンサレンズ13の集光作用によって互
いにわずかに離れた平行光線となって試料15に到達す
る。その後両光線L1,L2は、試料15上のわずかに
離れた位置を通過した後、対物レンズ16の集光作用に
より第2のウォラストンプリズム6上に集光し、第2の
ウォラストンプリズム6の複屈折作用により再度同一光
路上を進行するようになる。そして検光子17により、
両光線L1,L2の互いに直交する直線偏光のうち、検
光子17の透過軸方向の振動成分だけが取り出されて干
渉し、試料15内で両光線L1,L2に付与された位相
差に応じた干渉縞が観察される。
【0004】次に、上記従来例において複屈折部材とし
て使用する第1及び第2のウォラストンプリズム5,6
の構成について、図7を用いて説明する。ウォラストン
プリズムは複屈折性をもつ光学材料、たとえば水晶や方
解石の様な結晶等からなる一対の楔形プリズム5a,5
bのうち、一方のプリズム5bの光学軸5bxを、接合
面5sに平行で光軸zに直交するように配置し、他方の
プリズム5aの光学軸5axを、一方のプリズム5bの
光学軸5bxと光軸zとの双方に直交するように配置し
て2枚貼り合わせたものである。図7では、光線の入射
側の楔形プリズム5aの光学軸5axを紙面に平行(図
中矢印)に配し、射出側プリズム5bの光学軸5bxを
紙面に垂直(図中+印)に配し、かつどちらの光学軸5
ax,5bxもその方向が光軸zとは垂直をなすように
配している。但しこの光学軸の方向の組み合わせは入射
側と射出側とで逆、すなわち入射側プリズム5aの光学
軸5axが紙面に垂直で、射出側プリズム5bの光学軸
5bxが紙面に垂直にしても良い。
【0005】以上はコンデンサレンズ13および対物レ
ンズ16の各焦点面が、各レンズ13,16の外に存在
する場合の複屈折光学部材の構成例であるが、これらの
レンズ13,16が複数のレンズ群で構成される場合
等、焦点位置がレンズ中に存在することがある。その場
合レンズ中の焦点面にウォラストンプリズム5,6を配
置することは出来ないので、図8に示すようなノマルス
キィプリズム(変形ウォラストンプリズム)7を用いる
ことがある。これは、一方のプリズム7bの光学軸7b
xを、接合面7sに平行で光軸zに直交するように配置
し、他方のプリズム7aの光学軸7axを、一方のプリ
ズム7bの光学軸7bxと直交し、光軸zに対しては直
交状態から角度θだけ傾けて配置したものである。この
様な構成にすることにより、図7のウォラストンプリズ
ムにおいてプリズム内にあった2光線の分離点SPを、
プリズム外に配することが出来る。このプリズム外に配
された2光線の分離点SPを各レンズ13,16の焦点
面に配置することにより、ウォラストンプリズムが焦点
面に配置されたのと同様の作用を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例で複屈折光
学部材として用いたウォラストンプリズム5,6やノマ
ルスキィプリズム7は、水晶等の複屈折性を示す光学材
料からなる2枚の楔形プリズム5a,5b;7a,7b
を、図7、図8の如く互いの光学軸5ax,5bx;7
ax,7bxの方向が異なるように接合したものであ
る。しかし上記複屈折材料は一般に高価であることか
ら、これらの部材を必要とする微分干渉顕微鏡のコスト
低減は困難であった。また、これらの複屈折光学部材を
構成する複屈折材料には、異常光線(結晶の光学軸と波
面法線とで決まる平面に対して平行に振動する直線偏
光)に対する屈折率変化が光線の入射角度に依存して変
化する性質があり、また複屈折材料を通過する異常光線
の経路も、上記屈折率変化に応じて変化する。このた
め、従来例において複屈折光学部材1,2を通過する際
に生じる分離光線L1,L2間の位相差が入射光Lの複
屈折光学部材1,2に対する入射角度に応じて変化す
る。ここで、顕微鏡の観察視野内において、視野周辺部
へ達する光は複屈折部材1,2に対して斜入射となる光
に対応しており、視野中心部へ達する光は複屈折部材
1,2に対して垂直入射となる光に対応している。従っ
て、観察視野内では、視野周辺部の位相差と視野中心部
の位相差とが異なってしまい、観察視野内での明るさや
色づきのムラとして現れる問題がある。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、従来の複屈折材料のみで構成されていた複屈折
光学部材と同等の偏光分離機能を持ち、かつ従来よりも
安価な光学材料を含んで構成された偏光分離素子を提供
することにより、微分干渉顕微鏡のコスト低減を図るこ
とを第1の課題としている。また、上記第1の課題に加
えて、垂直入射光に対する斜入射光の内部通過時の位相
差変化量が従来のものよりも小さい偏光分離素子を提供
することにより、微分干渉顕微鏡の視野内におけるむら
を低減させることを第2の課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を達成
するために本発明は、従来技術において水晶等の複屈折
材料によって構成されていた一対のプリズムよりなる複
屈折部材に代えて、一方のプリズムに複屈折性をもたな
いガラス等の等方性材料を使用して構成した複屈折部材
を用いることにより、上記第1の課題を達成している。
すなわち本発明は、一定の偏光状態の光を第1の複屈折
光学部材によって振動面が互いに直交する2つの直線偏
光成分に分離し、分離した両偏光成分をコンデンサレン
ズによって平行光に変換し、平行光に変換された両偏光
成分によって被検物を照明し、被検物を透過した両偏光
成分を対物レンズによって収束光に変換し、収束光に変
換された両偏光成分を第2の複屈折光学部材によって1
つの光に合成し、該合成された光の両偏光成分を偏光干
渉させ、該干渉した光により、被検物の対物レンズによ
る拡大像を結像する透過照明型微分干渉顕微鏡におい
て、第1および第2の複屈折光学部材は、それぞれ2枚
のみの楔形プリズムの接合によって形成され、第1およ
び第2の複屈折光学部材のうちの少なくともいずれか一
方は、当該複屈折光学部材を構成する2枚の楔形プリズ
ムのうちの一方の楔形プリズムが等方性光学材料よりな
る等方性プリズムであり、他方の楔形プリズムが複屈折
光学材料よりなる複屈折プリズムであることを特徴とす
る透過照明型微分干渉顕微鏡である。
【0009】また、本発明の好ましい態様においては、
前記第1および第2の複屈折部材を共に、当該複屈折光
学部材を構成する前記2枚の楔形プリズムのうちの一方
の楔形プリズムが等方性光学材料からなる等方性プリズ
ムとし、他方の楔形プリズムが複屈折光学材料よりなる
複屈折プリズムとし、かつ第1の複屈折部材で生じる分
離された両偏光成分間の位相差が第2の複屈折部材にて
打ち消されるように、第1および第2の複屈折部材を位
置決めすることにより、上記第2の課題を達成してい
る。
【0010】このように本発明では、微分干渉顕微鏡に
用いる複屈折光学部材を、コンデンサレンズ側、対物レ
ンズ側ともにそれぞれ2枚の楔形プリズムを接合して構
成するが、これらの複屈折光学部材のうち、少なくとも
いずれか一方の複屈折光学部材は、ガラス等の等方性材
料よりなる等方性プリズムと水晶等の複屈折材料よりな
る複屈折プリズムとの接合で構成している。
【0011】例えば、コンデンサレンズの前側焦点面と
対物レンズの後側焦点面の双方が各レンズの外に配置さ
れている場合や、あるいはコンデンサレンズの前側焦点
面と対物レンズの後側焦点面のいずれか一方が各レンズ
の外に配置されている場合には、第1の複屈折部材を構
成する入射側と射出側の楔形プリズムのうち、いずれか
一方を等方性プリズムとし、いずれか他方を複屈折プリ
ズムとする。同様に第2の複屈折部材を構成する2枚の
楔形プリズムについても、一方を等方性プリズムとし他
方を複屈折プリズムとする。またコンデンサレンズの前
側焦点面と対物レンズの後側焦点面の双方が各レンズの
内部に存在する場合には、上記と同様に両複屈折部材と
も、等方性プリズムと複屈折プリズムとの接合によって
構成するか、あるいは両複屈折部材を構成する都合4枚
の楔形プリズムのうち、いずれか1枚のみを等方性プリ
ズムとする。
【0012】このように本発明においては、上記従来例
において使用していた複屈折性光学材料からなる都合4
枚の楔形プリズムのうち2枚ないし1枚を、複屈折性を
もたないガラス等の等方性材料に置き換えて複屈折部材
を構成している。一般に複屈折材料に比べてガラス等の
等方性材料は安価であることから、複屈折光学部材を必
要とする光学系、特に透過照明型微分干渉顕微鏡のコス
ト低減が可能となる。
【0013】また、本発明において、第1および第2の
複屈折部材を、当該複屈折光学部材を構成する前記2枚
の楔形プリズムのうちの一方の楔形プリズムが等方性光
学材料からなる等方性プリズムとし、他方の楔形プリズ
ムが複屈折光学材料よりなる複屈折プリズムとする場合
には、第1および第2の複屈折部材の光学的光路長を従
来のものに対して約1/2程度の短さにすることがで
き、第1の複屈折部材で分離される分離光線間の位相差
を第2の複屈折部材で合成するときにこの位相差を打ち
消す方向の位相差をつけることにより相殺できる。この
場合、第1および第2の複屈折光学材料へ斜入射する光
の垂直入射光に対する位相差が小さくなり、観察視野内
での明るさや色づきのむらを小さくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の概
略図である。本実施例は、図6に示した従来例における
第1及び第2のウォラストンプリズム5,6に代えて、
それぞれウォラストンプリズムと同等の光線分離作用を
もつ第1及び第2の複屈折光学部材1,2を用いたもの
である。したがって従来例と同一の部材についての説明
は省略し、以下にこれらの複屈折部材1,2の構成と作
用・効果について説明する。図2(a),(b)はそれ
ぞれ第1及び第2の複屈折光学部材1,2の拡大図を示
す。第1の複屈折部材1は、入射側より順に、複屈折性
を持たず光学的に等方性を示すガラス等の光学材料によ
って楔形に形成された等方性プリズム1gと、複屈折性
を持つ光学材料によって楔形に形成された複屈折プリズ
ム1aとの接合によって構成されている。他方、第2の
複屈折部材2は、入射側より順に、複屈折性材料によっ
て形成された複屈折プリズム2aと、等方性材料によっ
て形成された等方性プリズム2gとの接合によって構成
されている。
【0015】各複屈折部材1,2の接合面1s,2s
は、いずれも光軸zに直交する平面を、光軸zに直交す
る回転軸の周りに楔角だけ回転した位置にあり、両回転
軸は互いに平行であり、楔角の回転方向は両接合面1
s,2sで同方向となっている。また第1の複屈折プリ
ズムの光学軸1axは、接合面1sに平行で光軸zに直
交する方向、すなわち紙面に垂直な方向(図中+印)に
配置されている。他方、第2の複屈折プリズムの光学軸
2axは、第1の複屈折プリズムの光学軸1axと光軸
zとの双方に直交する方向、すなわち紙面に平行な方向
(図中矢印)に配置されている。
【0016】第1の複屈折部材1に入射した光軸z上の
光線Lは、振動面が紙面と直交する直線偏光成分L1
と、振動面が紙面と平行な直線偏光成分L2とに分解す
ることができるが、最初に入射する等方性プリズム1g
は光学的に等方的であるから、両光線L1,L2は等方
性プリズム1g内を同一の光路で進んで接合面1sに至
る。
【0017】ここで、一般に複屈折材料においては、入
射光の振動方向が複屈折材料の光学軸に対してなす角度
によって屈折率が異なるという性質をもつ。このような
物体に光が入射すると、互いに振動方向が直交する2つ
の光線に分かれて進行する。本実施例においては光線L
1,L2がこれらに相当する。すなわち光線L1の振動
面は第1の複屈折プリズムの光学軸1axと平行であ
り、光線L2の振動面は第1の複屈折プリズムの光学軸
1axと直交しており、両光線L1,L2の複屈折プリ
ズム1a内での屈折率n1,n2は、互いに異なる。こ
の結果両光線L1,L2は、複屈折プリズム1aへの入
射時と射出時との双方において、互いに異なる角度の屈
折作用を受けるから、一定の分離角α1をもって第1の
複屈折部材1から射出する。同時に両光線L1,L2
は、複屈折プリズム1a内での屈折率n1,n2が互い
に異なるから、複屈折プリズム1aにおいて位相差δ1
を生じる。
【0018】分離角α1で第1の複屈折部材1を射出し
た両光線L1,L2は、コンデンサレンズ13によって
平行光に変換されて、試料15の互いに僅かに離れた位
置に入射する。試料15に入射した両光線L1,L2
は、僅かに離れた入射位置間dxでの試料15の厚さの
差dt、ないしは屈折率の差dnに起因する位相差Δを
受けて試料を透過する。その後両光線L1,L2は、対
物レンズ16によって収束光に変換され、収束角α2で
第2の複屈折部材2に入射する。
【0019】第1の複屈折部材1で生じた光線の分離作
用は、光線の進行方向を逆転しても成立するが、この逆
転した関係が第2の複屈折部材2において行われる。す
なわち光線収束角α2をもって第2の複屈折プリズム2
aに入射した両光線L1,L2は、複屈折プリズム2a
への入射時と射出時との双方において互いに異なる角度
の屈折作用を受け、この結果等方性プリズム2g内を同
一の光路で進み、光線L′となって第2の複屈折部材2
から射出する。同時に両光線L1,L2は、複屈折プリ
ズム2aにおいて位相差δ2を生じる。
【0020】その後両光線L1,L2は、検光子17に
よって偏光干渉される。したがって観察時の干渉縞に
は、第1の複屈折プリズム1aによる位相差δ1と、試
料15における位相差Δと、第2の複屈折プリズム2a
による位相差δ2とが寄与する。それ故試料15内にお
ける位相差Δのみを観察するためには、第1の複屈折プ
リズム1a内で生じた2光線L1,L2間の位相差δ1
を、第2の複屈折プリズム2a内で打ち消すように、す
なわちδ1+δ2=0となるように、両複屈折プリズム
1a,2aの厚さないしは光学軸の方位を定める必要が
ある。このように形成することにより初めて、観察者は
試料内における位相差Δのみを干渉縞として観察するこ
とが出来る。したがって第2の複屈折部材2は、収束角
α2で入射する2光線L1,L2を1つの光線L′に合
体させる作用と、第1の複屈折部材1内で生じた2光線
L1,L2間の位相差を打ち消す作用との双方を同時に
満たす必要がある。
【0021】両複屈折プリズム1a,2aとして同一の
複屈折材料を用いる場合には、本実施例(図2)のよう
に両複屈折プリズム1a,2aの光学軸1ax,2ax
の方向が、どちらも光軸zに対して垂直で、なおかつ互
いに直交する配置にした場合、以下によりδ1+δ2=
0を実現できる。このとき第2の複屈折プリズム2a内
での光線L1の屈折率は、第1の複屈折プリズム1a内
での光線L2の屈折率n2に等しくなり、第2の複屈折
プリズム2a内での光線L2の屈折率は、第1の複屈折
プリズム1a内での光線L1の屈折率n1に等しくな
る。この結果、光軸上での両複屈折プリズム1a,2a
の厚さをほぼ同一に形成すると、光軸上での光線Lの2
つの直線偏光成分L1,L2が第1の複屈折プリズム1
a内で受ける位相差δ1と、第2の複屈折プリズム2a
内で受ける位相差δ2とは、逆転してδ1=−δ2とな
る。したがって両複屈折プリズム1a,2a内で受ける
2光線L1,L2の位相差の合計はδ1+δ2=0とな
り、試料内における位相差Δのみを観察することができ
る。
【0022】実際の干渉顕微鏡において上記両複屈折部
材1,2に入射する光は、光軸z上の光線Lのみに限ら
れるものではなく、コンデンサレンズ13と対物レンズ
16の開口数に応じて、光軸zから離れた位置にも入射
する。そのため、前述のように図2における光軸z上の
光線L、すなわち両複屈折部材1,2の中央を通過する
光線Lについてのみ位相差を打ち消すだけでは不十分で
あり、所定範囲内に入射する光線全てについて、両複屈
折プリズム1a,2a内における位相差が完全に打ち消
される必要がある。
【0023】いま図2(a)において、第1の複屈折部
材1の中心から距離d1だけ離れた位置に入射する光線
Lhについて考える。第1の複屈折部材1に入射した光
線Lhは、複屈折部材1の中心を通る光線Lと同様、互
いに垂直な方向に振動しかつ分離角αlをもつ2光線L
h1,Lh2に分離して、複屈折部材1から射出する。
このとき光線Lhは、光軸上の光線Lの場合よりも第1
の複屈折プリズム1a内を通過する距離が短いため、分
離した2光線Lhl,Lh2の複屈折プリズム1a内に
おける位相差は、光線L1,L2の場合よりも小さくな
る。一方第2の複屈折部材2側では、2光線Lh1,L
h2が複屈折部材2の中心から距離d2だけ離れた位置
に入射する。このとき第2の複屈折プリズム2aの楔方
向は、図2(b)の如く位置d2における厚さがプリズ
ム2a中心に比べて薄くなる様に配置されているから、
第1の複屈折部材1の中心から距離d1だけ離れた位置
における第1の複屈折プリズム1aの厚さと、第2の複
屈折部材2の中心から距離d2だけ離れた位置における
第2の複屈折プリズム2aの厚さとは等しくなる。した
がって第1の複屈折プリズム1aで光線Lh1,Lh2
間に生じた位相差を、第2の複屈折プリズム2aで完全
に打ち消すことができる。
【0024】以上のように本実施例においては、第1の
複屈折部材1の中心に入射する光線Lのみならず、そこ
から離れた位置に入射する光線Lhについても、第1の
複屈折部材1で分離した光線を第2の複屈折部材2で完
全に合体させることができ、しかも第1の複屈折部材1
で分離した両光線に生じる位相差を、第2の複屈折部材
2で完全に打ち消すことができる構成となっている。し
たがって試料15内での位相差Δのみに対応する干渉縞
を拡大像18で観察することができる。
【0025】なお本実施例では、第1の複屈折プリズム
1aの光学軸1axを紙面に垂直に配置し、第2の複屈
折プリズム2aの光学軸2axを紙面に平行に配置した
が、この組み合わせを反対にし、第1の複屈折プリズム
1aの光学軸1axを紙面に平行に配置し、第2の複屈
折プリズム2aの光学軸2axを紙面に垂直に配置する
こともできる。また本実施例では、第1の複屈折部材1
では複屈折プリズム1aを光線の射出側に配置し、第2
の複屈折部材2では複屈折プリズム2aを光線の入射側
に配置したが、両複屈折部材1,2について各1枚ずつ
複屈折プリズムが使われて偏光分離が行われ、かつ両複
屈折部材1,2による位相差が打ち消されれば良い。し
たがって両複屈折部材1,2ともに、複屈折プリズム1
a,2aを入射側と射出側とのいずれに配置しても良
い。さらに、上記実施例は両複屈折プリズム1a,2a
に同一の複屈折材料を用いた場合の配置であるが、両複
屈折プリズム1a,2aでそれぞれ異なる複屈折材料、
例えば正結晶と負結晶を組み合わせることにより、上記
配置に依らずに2光線間の光路長差を打ち消すことも可
能である。
【0026】なお上記実施例においては、光線L1,L
2の偏光干渉を検光子17により行ったが、その代わり
にビームスプリッタおよび1/2波長板等の移相部材の
組み合わせで行っても良い。このときには、ビームスプ
リッタで光路を2つに分割し、一方の分割光路中に1/
2波長板を入れてこの分割光路を進行する光線の偏光状
態を変えた後に、再びビームスプリッタで合成する構成
となる。
【0027】次に本発明の第2実施例を説明する。この
第2実施例は、図1に示すコンデンサレンズ13の前側
焦点面と対物レンズ16の後側焦点面とのうち、どちら
か一方がレンズ内部にあり、他方はレンズの外に存在す
る場合の実施例であり、このときに用いる複屈折部材
1,2の構成を図3(a)、(b)にそれぞれ示す。同
図では、対物レンズの後側焦点面がレンズ内部にあるも
のとしている。この場合、対物レンズ16と拡大像18
の間に配置する第2の複屈折部材2の光線分離位置は、
同部材2の外部に存在しなければならない。そのため図
3(b)に示す如く、第2の複屈折部材2を構成する2
枚の楔形プリズム2a,2gのうち、1枚2gをガラス
等の等方性材料で構成し、他方2aを複屈折性材料で構
成し、複屈折プリズム2aの光学軸2axの方向(図中
矢印)を、紙面に対して平行でかつプリズム入射面に対
して角度θをとるように配置している。この構成によ
り、第2の複屈折部材2の光線分離位置を、複屈折部材
2の外に配置することが出来る。もう一方の第1の複屈
折部材1についても、第2の複屈折部材2と同様に、2
枚の楔形プリズムのうち1枚1gをガラス等の等方性材
料で構成し、他方1aを複屈折性を持つ光学材料で構成
する。
【0028】ここで両複屈折部材1,2で同じ複屈折性
材料を用いる場合には、第1の複屈折プリズム1aの光
学軸1axが光軸zに垂直な平面内にあり、しかも第2
の複屈折プリズム2aの光学軸2axと垂直(図中+
印)になるように、すなわち紙面に対して垂直に配置す
ると良い。これは、第1実施例と同じく、第1の複屈折
プリズム1a内で生じた2光線L1,L2間の位相差δ
1を、第2の複屈折プリズム2a内で打ち消すためであ
る。このときプリズムの楔方向は、プリズム端に入射し
た光線に対しても位相差を完全に打ち消すことが出来る
ように、第1実施例と同じ方向に配置すると良い。
【0029】また本実施例では対物レンズ16の後側焦
点面がレンズ内部にあるものとしたが、コンデンサレン
ズ13の前側焦点面がレンズ内部にある場合には、両複
屈折部材1,2を試料15に関して逆転して配置すれば
よい。また本実施例では、両複屈折部材1,2を構成す
る2枚の楔形プリズムのうち、それぞれ試料15側に配
置されたプリズム1a,2aを複屈折プリズムとした
が、第1実施例と同様必ずしもこの配置に限定されるも
のではない。また両複屈折部材1,2それぞれについて
各1枚ずつ複屈折材料のプリズム1a,2aが使われて
偏光分離が行われ、かつ両複屈折部材1,2を通過後の
位相差が打ち消されれば良いため、両複屈折部材1,2
ともに複屈折プリズム1a,2aを入射側、射出側のい
ずれに配置しても良い。さらに第1実施例と同様、両複
屈折部材1,2で互いに異なる複屈折性をもつ材料を用
いることにより、2光線間の位相差を打ち消すことも可
能である。
【0030】次に本発明の第3実施例を説明する。この
第3実施例は、コンデンサレンズ13の前側焦点面と対
物レンズ16の後側焦点面の両方がレンズ内部にある場
合の実施例であり、このとき用いる複屈折部材1,2の
構成を図4(a)、(b)にそれぞれ示す。この場合、
複屈折部材1,2の光線分離位置をともにプリズムの外
に配置する必要がある。その際、複屈折部材1,2のう
ちの少なくともいずれか一方を、等方性光学材料よりな
る等方性プリズムと、複屈折光学材料よりなる複屈折プ
リズムとの接合によって形成する。複屈折部材1,2を
同一の複屈折材料のみで構成したい場合には、図4の如
く4枚の楔形プリズムのうち、いずれか1枚2gのみを
ガラス等の等方性材料で、残3枚1a,1b,2aを複
屈折材料で構成すると良い。
【0031】図4においては、複屈折材料のみで構成さ
れる第lの複屈折部材1は、一方の楔形プリズム1aの
光学軸1axを紙面に対して垂直に、また他方1bの光
学軸1bxを紙面に対して平行でかつプリズム射出面に
対して角度θ1をとるように配置する。一方複屈折プリ
ズム2aと等方性プリズム2gとから構成される第2の
複屈折部材2は、複屈折プリズム2aの光学軸2axを
紙面に対して平行でかつプリズム入射面に対して角度θ
2をとるように配置する。また第2の複屈折部材の複屈
折プリズム2aの厚さを、第1の複屈折部材1によって
分離した2光線L1,L2間に生じた位相差を打ち消す
厚さに形成する。またこのときプリズム端に入射した光
線に対しても位相差を打ち消すように、図4の如く両複
屈折部材1,2の楔の方向が試料に関して鏡面対称とな
るように、楔角の方向を反対方向にすると良い。
【0032】また本実施例では第1の複屈折部材1で2
枚と、第2の複屈折部材2で1枚の都合3枚のプリズム
1a,1b,2aを複屈折材料で構成したが、両複屈折
部材1,2で都合3枚の複屈折材料のプリズムが使われ
て偏光分離位置がそれぞれのプリズムの外に配置され、
かつ両複屈折部材1,2通過後の位相差が打ち消される
構成であれば、別の構成とすることもできる。すなわち
紙面に垂直な光学軸方向を持つプリズム1aを両複屈折
部材1,2のいずれに配置しても良く、また紙面に平行
な光学軸方向を持つプリズム1b,2aを第1及び第2
の複屈折部材1,2のそれぞれの入射側、射出側いずれ
に配置しても良い。
【0033】さらに両複屈折部材1,2で、例えば第1
の複屈折部材1に正結晶、第2の複屈折部材2に負結晶
というように、複屈折性の異なる光学材料を組み合わせ
る場合には、図4において紙面に垂直な光学軸1axを
もつように配置されたプリズム1aを、図5の第4実施
例に示すように、等方性プリズム1gに置き換えること
も可能である。
【0034】さて、上述の第1および第2の実施例で
は、複屈折部材1,2を通過する際の光学的光路長が第
3の実施例に比べて約1/2程度に短くなっている。こ
のため、複屈折部材1へ斜入射する光線による分離光線
間の位相差と、垂直入射する光線による分離光線間の位
相差との差を小さくすることができ、観察視野内での明
るさのむらや色づきのむらを極めて小さくすることがで
きる。なお、従来のものでも複屈折部材5〜7の厚さを
できるだけ薄くすることにより、光線が複屈折部材を通
過する距離を短くして、垂直入射時の分離光線間の位相
差と斜入射時の分離光線間の位相差との差を小さくする
こともできるが、製造的な限界(例えば研磨など)とし
て複屈折部材を構成する複屈折部材の中心厚を0.4m
mよりも小さくすることができず、それ以上に複屈折部
材を薄くして観察視野内のむらを低減させることはでき
なかった。
【0035】これに対して、上記第1および第2実施例
のものでは、複屈折材料よりなる複屈折プリズムの中心
厚を製造的な限界である0.4〜0.6mmとし、等方
性材料よりなる等方性プリズムの中心厚を製造し易い1
mm以上としても、従来のものよりも、光線が複屈折部
材を通過する距離を短くでき、観察視野内のむらを低減
させることができる。なお、等方性プリズムでは、光線
の角度によらず屈折率は一定であるので、その厚さにか
かわらず上記の効果を妨げない。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、微分干渉顕微鏡
における複屈折部材を、複屈折結晶と、安価で加工の容
易な等方性材料とで構成したものであるから、コスト低
減を図ることができる。また、本発明において、微分干
渉顕微鏡における2つの複屈折部材をともに複屈折結晶
と等方性材料とで構成し、これら2つの複屈折部材で生
じる位相差を互いに打ち消すように配置すれば、観察視
野内での明るさのむらや色づきのむらを低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に用いる複屈折光学部材を
示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施例に用いる複屈折光学部材を
示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施例に用いる複屈折光学部材を
示す構成図である。
【図5】本発明の第4実施例に用いる複屈折光学部材を
示す構成図である。
【図6】従来の透過照明型微分干渉顕微鏡を示す構成図
である。
【図7】従来例におけるウォラストンプリズムの構成図
である。
【図8】従来例におけるノマルスキィプリズムの構成図
である。
【符号の説明】
1,2…複屈折光学部材 1a,1b,2a…
複屈折プリズム 1ax,1bx,2ax…光学軸 1g,2g…等方性
プリズム 1s,2s…接合面 10…光源 11…コレクタレン
ズ 12…偏光子 13…コンデンサレ
ンズ 14…スライドガラス 15…試料 16…対物レンズ 17…検光子 18…拡大像 19…接眼レンズ 20…肉眼

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の偏光状態の光を第1の複屈折光学部
    材によって振動面が互いに直交する2つの直線偏光成分
    に分離し、分離した前記両偏光成分をコンデンサレンズ
    によって平行光に変換し、平行光に変換された前記両偏
    光成分によって披検物を照明し、披検物を透過した前記
    両偏光成分を対物レンズによって収束光に変換し、収束
    光に変換された前記両偏光成分を第2の複屈折光学部材
    によって1つの光に合成し、該合成された光の前記両偏
    光成分を偏光干渉させ、該干渉した光により、前記披検
    物の前記対物レンズによる拡大像を結像する透過照明型
    微分干渉顕微鏡において、 前記第1および第2の複屈折部材は、それぞれ2枚のみ
    の楔形プリズムの接合によって形成され、 該第1および第2の複屈折光学部材のうちの少なくとも
    いずれか一方は、当該複屈折部材を構成する前記2枚の
    楔形プリズムのうちの一方の楔形プリズムが等方性光学
    材料よりなる等方性プリズムであり、他方の楔形プリズ
    ムが複屈折光学材料からなる複屈折プリズムであること
    を特徴とする透過照明形微分干渉顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記第1および第2の複屈折部材は共に、
    当該複屈折光学部材を構成する前記2枚の楔形プリズム
    のうちの一方の楔形プリズムが等方性光学材料からなる
    等方性プリズムであり、他方の楔形プリズムが複屈折光
    学材料よりなる複屈折プリズムであり、 前記第1の複屈折部材で生じる分離された前記両偏光成
    分間の位相差が前記第2の複屈折部材にて打ち消される
    ように、前記第1および第2の複屈折部材が位置決めさ
    れることを特徴とする請求項1記載の透過照明形微分干
    渉顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記コンデンサレンズの前側焦点面と前記
    対物レンズの後側焦点面は、共に当該レンズの外部に配
    置され、 前記第1および第2の複屈折光学部材は、共に等方性プ
    リズムと複屈折プリズムとの接合によって形成されてい
    る、請求項1又は2記載の透過照明型微分干渉顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記コンデンサレンズの前側焦点面と前記
    対物レンズの後側焦点面とのうち、いずれか一方は当該
    レンズの外部に配置され、いずれか他方は当該レンズの
    内部に配置され、 前記第1および第2の複屈折光学部材は、共に等方性プ
    リズムと複屈折プリズムとの接合によって形成されてい
    る、請求項1又は2記載の透過照明型微分干渉顕微鏡。
  5. 【請求項5】前記第1および第2の複屈折光学部材の少
    なくとも何れか一方は、前記第1および第2の複屈折光
    学部材の少なくとも何れか一方中の前記複屈折プリズム
    内の光学軸が光軸に垂直であり、かつ当該レンズの外部
    に配置された前記焦点面近傍に配置されたことを特徴と
    する請求項4記載の透過照明形微分干渉顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記コンデンサレンズの前側焦点面と前記
    対物レンズの後側焦点面は、共に当該レンズの内部に配
    置され、 前記第1および第2の複屈折光学部材のうち、いずれか
    一方は共に等方性プリズムと複屈折プリズムとの接合に
    よって形成され、いずれか他方は複屈折プリズム同士の
    接合によって形成され、 都合3枚の前記複屈折プリズムは、共に正結晶又は共に
    負結晶の複屈折光学材料からなる、請求項1記載の透過
    照明型微分干渉顕微鏡。
  7. 【請求項7】前記コンデンサレンズの前側焦点面と前記
    対物レンズの後側焦点面は、共に当該レンズの内部に配
    置され、 前記第1および第2の複屈折光学部材は、共に等方性プ
    リズムと複屈折プリズムとの接合によって形成され、 都合2枚の前記複屈折プリズムのうち、一方は正結晶の
    複屈折光学材料からなり、他方は負結晶の複屈折光学材
    料からなる、請求項1又は2記載の透過照明型微分干渉
    顕微鏡。
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