JPH10138149A - 多孔質レジノイド砥石の製造方法 - Google Patents

多孔質レジノイド砥石の製造方法

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JPH10138149A
JPH10138149A JP29249196A JP29249196A JPH10138149A JP H10138149 A JPH10138149 A JP H10138149A JP 29249196 A JP29249196 A JP 29249196A JP 29249196 A JP29249196 A JP 29249196A JP H10138149 A JPH10138149 A JP H10138149A
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Tsugio Kusakabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い研削性と長い使用寿命とを有する多孔質レ
ジノイド砥石の製造方法を提供する。 【解決手段】多孔質レジノイド砥石は、攪拌工程におい
て内部に多数の気孔を創成されたアルミナ砥粒、液状エ
ポキシ樹脂、および界面活性剤から成る流動性混合物
が、流し込み工程において所定の型内に流し込まれ、硬
化工程において硬化させられることによって製造され
る。このとき、内部に多数の気泡を創成された流動性混
合物には界面活性剤が含まれていることから、その起泡
作用および整泡作用によって微小且つ均一な気泡が液状
樹脂内で一様に発生し、しかも、その状態が長時間に亘
って維持されるため、型内に流し込まれ、更に硬化させ
られる過程においても、その創成された気泡の殆どが維
持される。そのため、多孔質レジノイド砥石中には微小
で相互に独立し且つ均一に分布する気孔が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質レジノイド
砥石の製造方法に関し、特に、組織中に含まれる気孔の
大きさおよび分布状態を改良する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、刃物の厚み研削の場合等のよう
に研削砥石との接触面積が大きくなる被研削材やステン
レス等に代表される難削材等を研削するに際しては、加
工に伴って発生する研削熱によって被研削材の研削面に
焼けが発生し易い。そのため、このような加工に用いら
れる研削砥石は、その構成三要素(砥粒、結合剤、気
孔)の一つである気孔の割合(気孔率)を大きくする必
要がある。研削加工中に発生した切り粉は気孔内に捕捉
されることから、その割合が大きくされていると接触面
積が大きい場合や難削材の研削加工のように目詰まりが
生じ易い研削加工においてもその目詰まりが好適に防止
されるため、焼けが生じ難いのである。したがって、研
削砥石は研削焼けの生じ易い加工に用いられるもの程気
孔率を高める必要がある。
【0003】ところで、上記のような焼けが発生し易い
研削加工においては、上述のように気孔率を高くするこ
とが望まれるだけでなく、研削砥石と被研削材との間の
摩擦に起因する発熱量を低下させるために被研削材に柔
らかく作用する研削砥石を用いることが望まれることか
ら、例えば、結合剤が樹脂から構成されるレジノイド砥
石が用いられる。このレジノイド砥石は、砥粒と粉末状
樹脂とを混合して加圧成形する方法で製造される他、液
状樹脂中に砥粒を分散させた流動性混合物を所定の型内
に流し込んで硬化させる鋳込み法でも製造される。後者
の製造方法は、特に研削砥石寸法が大きくなる場合に好
適なものであるが、この場合には流動性を備えた液状樹
脂が砥粒間に形成される隙間に入り込んで組織が全体的
に緻密化するため、高い気孔率を得ることができないと
いう問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来、液状
樹脂を用いて多孔質レジノイド砥石を製造するに際して
は、無機化合物や樹脂等から成る中空の気孔材(バルー
ン或いはバブルと称されるもの)、或いは軟質な造粒フ
ィラーや発泡スチレンビーズのような気孔形成材を、流
動性混合物中に更に混合して気孔を形成していた。中空
の気孔材を用いる場合には、それらの内部空間によって
気孔が疑似的に形成され、軟質な造粒フィラーを用いる
場合には、研削時にその造粒フィラーが研削油によって
溶かされて流れ出すことにより気孔が形成される。すな
わち、この場合「軟質」とは研削油で容易に溶かされる
ことを意味する。また、発泡スチレンビーズを用いる場
合には、樹脂が硬化した後に施されるアフターキュアと
称される加熱処理の際に熱によって収縮させられること
から、その発泡スチレンビーズが占めていた部分が気孔
となる。
【0005】しかしながら、上記従来の気孔形成方法で
は、液状樹脂中に砥粒を分散させるための攪拌工程にお
いて、砥粒に加えて液状樹脂中に投入される気孔材(或
いは気孔形成材)は固形物である。そのため、砥粒の良
好な分散状態が得られるように流動性混合物を十分に攪
拌し得る固形物量の上限に基づいて気孔材の添加量が制
限される。したがって、上記方法では十分に気孔率を高
めることができず、特に研削焼けが発生し易い研削加工
において高い研削性を得ることができなかった。しか
も、この方法で気孔が形成された従来のレジノイド研削
砥石では、気孔材が相互に接触している部分では形成さ
れる気孔が相互に連通させられた連通気孔となるが、こ
のような連通気孔は気孔率を高めるために気孔材の添加
量を増大させる程多くなる。ところが、研削加工中にお
いてその連通気孔を介して研削砥石内部に研削液が浸透
すると、その研削液は通常アルカリ性を呈して結合剤を
劣化させて砥粒と樹脂との結合力を低下させることか
ら、気孔率を高くする程、研削砥石の使用寿命が短かく
なるという問題もあった。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、高い研削性
と長い使用寿命とを有する多孔質レジノイド砥石の製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、砥粒が樹脂結合剤に
よって相互に結合されて成る組織中に多数の気孔を有す
る多孔質レジノイド砥石の製造方法であって、(a) 砥
粒、液状樹脂、および界面活性剤から成る流動性混合物
を攪拌することにより、その流動性混合物中に多数の気
泡を創成させる攪拌工程と、(b) その多数の気泡が創成
された流動性混合物を所定の型内に流し込む流し込み工
程と、(c) その所定の型内で前記流動性混合物を硬化さ
せる硬化工程とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、攪拌工程において、
砥粒、液状樹脂、および界面活性剤から成る流動性混合
物を攪拌することにより、その流動性混合物中に多数の
気泡が創成され、続く流し込み工程において、所定の型
内にその流動性混合物が流し込まれ、更に、硬化工程に
おいて、その所定の型内で流動性混合物が硬化させられ
ることにより、多孔質レジノイド砥石が製造される。こ
のとき、流動性混合物は、攪拌工程において攪拌される
ことによって空気を巻き込まれて内部に多数の気泡が創
成されるが、その流動性混合物には界面活性剤が含まれ
ていることから、その起泡作用および整泡作用によって
微小且つ均一な気泡が液状樹脂内で一様に発生し、しか
も、その状態が長時間に亘って維持されるため、流し込
み工程において型内に流し込まれ、更に硬化工程におい
て硬化させられる過程においても、その創成された気泡
の殆どが維持される。そのため、多孔質レジノイド砥石
中には気泡に由来する多数の気孔が形成されるが、各々
の気孔は個々の独立した気泡に対応して形成されている
ことから、微小で相互に独立し且つ均一に分布するた
め、多孔質レジノイド砥石は高い気孔率に形成され且つ
連通する気孔を介する研削液の浸透が生じ難い。したが
って、高い気孔率を有して高い研削性を備え、且つ研削
液の浸透に起因する劣化が生じ難いことから長い使用寿
命を有する多孔質レジノイド砥石が得られる。
【0009】しかも、上記のように形成された気孔は多
孔質レジノイド砥石の組織中に均一に分散させられるこ
ととなるため、全面で均一な研削性が長時間に亘って維
持され、また、多孔質レジノイド砥石中に砥粒および樹
脂結合剤以外の異物が何ら存在しないことから、一層良
好な研削性が得られる。因みに、従来の多孔質レジノイ
ド砥石の製造方法、特に無機化合物或いは樹脂等で形成
された中空気孔材によって気孔を形成する製造方法にお
いては、多孔質レジノイド砥石中に存在する異物が研削
性を阻害することとなって、気孔率が高められているに
も拘わらず十分な研削性が得られなかったのである。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記液状樹脂が
エポキシ樹脂から構成される場合には、前記界面活性剤
としては、陽イオン性或いは非イオン性の界面活性剤が
用いられる。エポキシ樹脂は、陰イオン性界面活性剤と
反応して硬化が促進されるため、攪拌工程において十分
な量の気泡が形成され難いことから、それ以外の界面活
性剤すなわち陽イオン性或いは非イオン性の界面活性剤
が好ましいのである。すなわち、本発明に用いられる界
面活性剤の種類は特に限定されないが、液状樹脂の種類
を考慮して、それとの反応性が可及的に低いものを用い
ることが望ましいのである。
【0011】また、好適には、前記攪拌工程は、40〜80
(wt%) の砥粒および60〜20 (wt%) の液状樹脂と、そ
れらの合計に対する割合で1 〜10 (wt%) の界面活性剤
とを混合し、攪拌するものである。このようにすれば、
所望の砥粒率で40〜60(vol%) 程度の高い気孔率を有す
る多孔質レジノイド砥石が得られる。なお、このとき、
多孔質レジノイド砥石の比重は、0.8 〜1.8 程度とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において各
部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0013】図1は、本発明の一実施例の製造方法によ
って製造された多孔質レジノイド砥石10の外観形状を
示す斜視図である。多孔質レジノイド砥石10は、例え
ばナイフの厚み研磨加工等の両頭平面研削に用いられる
ものであって、研削面となる端面12を図における上側
位置に備えると共に、その反対側の端面に小さな幅で僅
かに大径とされた保持部14を備えて厚肉略円筒状を成
し、例えば、外径φ355 (mm)程度、内径φ250 (mm)程
度、厚さ120 (mm)程度の寸法に形成されている。この多
孔質レジノイド砥石10は、図2に表面の一部を拡大し
て示すように、#100程度のアルミナ砥粒16がエポキシ
樹脂18によって結合されて構成されており、その組織
中に略均一に分布する直径0.1 〜1 (mm)程度の球形の多
数の独立した気孔20を備えている。そのため、この多
孔質レジノイド砥石10は、例えば、砥粒率がVg =25
(%) 、結合剤率がVb =30 (%) 程度、気孔率がVp
=45(%) 程度に形成されており、比重は1.2 程度であ
る。
【0014】上記の多孔質レジノイド砥石10は、例え
ば、図3に示される工程に従って製造される。先ず、工
程1の攪拌工程において、#100程度の粒度のアルミナ砥
粒60(wt%) 程度、液状のエポキシ樹脂40 (wt%) 程
度、および界面活性剤2(wt%)程度を攪拌機中に投入
し、例えば3分間程度の所定時間攪拌・混合する。これ
により、液状樹脂中に砥粒および界面活性剤が混合され
た流動性混合物中に空気が巻き込まれて多数の気泡が発
生し、流動性混合物は固体(砥粒)、液体(樹脂および
界面活性剤)、気体によって気泡が形成された三相状態
となる。上記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ールA等の主剤とポリアミド系樹脂等の硬化剤とから成
る二液性エポキシ樹脂が用いられ、界面活性剤として
は、例えばノニオンタイプ(非イオン性)である濃度70
(%) 程度のポリオキシエチレンスチリルフェニルエー
テル等が用いられる。なお、エポキシ樹脂としてこのよ
うな二液性のものが用いられる場合には、攪拌工程に先
立って主剤および硬化剤が攪拌機中で混合され、その
後、界面活性剤および砥粒が順次投入される。但し、界
面活性剤と砥粒の投入順序は何れが先でもよい。なお、
上記の攪拌時間は、砥粒16が均一に分散し、且つ所望
の泡立ち状態が得られるように設定されたものである。
【0015】続く工程2の流し込み工程においては、前
記多孔質レジノイド砥石10の形状に対応する内面形状
を備えた型内に流動性混合物を流し込み、工程3の硬化
工程において、そのまま常温で12時間程度放置すること
によって樹脂を硬化させる。このとき、攪拌工程におい
て発泡させられた流動性混合物は、界面活性剤を含んで
いることから、流し込みおよび硬化の過程においても気
泡が消失せず、攪拌終了時の発泡状態を保っている。そ
のため、硬化終了時において、多孔質レジノイド砥石1
0の組織中(更に厳密にはエポキシ樹脂18中)には、
前記図2に示されるように気泡に由来する多数の気孔2
0が形成されるのである。なお、流動性混合物には、流
し込みから硬化の過程において何ら圧力が加えられない
ことから、気孔20は、上記の攪拌工程において発生さ
せられた気泡そのままの形状に形成されている。上記の
ように硬化が終了した後、工程4の熱処理工程において
例えば150(℃) 程度の温度で加熱処理(アフタキュア)
することにより、前記多孔質レジノイド砥石10が得ら
れる。
【0016】図4は、上記多孔質レジノイド砥石10を
両頭平面研削盤に取り付けて使用する状態を説明する図
である。図において、両頭平面研削盤には一対の回転軸
22a、22b(以下、特に区別しないときは単に回転
軸22という)が設けられており、それぞれの対向する
先端部側には多孔質レジノイド砥石10を取り付けるた
めのホルダ24a、24b(以下、特に区別しないとき
は単にホルダ24という)が備えられている。一対のホ
ルダ24a、24bには、それぞれ多孔質レジノイド砥
石10、10が保持部14、14(図1参照)において
その端面12、12が所定の間隔を以て互いに向かい合
った状態で取り付けられており、多孔質レジノイド砥石
10は、それぞれその端面12に垂直な回転軸22の軸
心回りに回転可能に支持されている。そして、多孔質レ
ジノイド砥石10、10が回転させられた状態で、例え
ばナイフ等の被研削材26が回転軸22の軸心よりも下
側位置において端面12、12間を通過させられること
により、その被研削材26の厚さ方向の両面が研磨加工
される。
【0017】下記の表1は、上記のような両頭平面研削
の研削条件の一例を示すものである。なお、図4から明
らかなように、上記両頭平面研削においては円筒状の端
面12の周方向の一部が順次研削に寄与することから、
研削面の幅は実質的に(外径−内径)/2 =50(mm)程度
となる。このような条件下で研削を施したところ、頻繁
なドレッシングを施さなくとも、被研削材26を全く焼
けを発生させることなく研削可能であった。しかも、組
織中に備えられている多数の気孔20が相互に独立させ
られていることに基づいて、研削液がその気孔20を介
して砥石内部まで浸透することが抑制されるため、それ
に起因するエポキシ樹脂18の劣化が生じ難い。したが
って、多孔質レジノイド砥石10は、頻繁なドレッシン
グが不要であることと相俟って長い使用寿命を有するの
である。因みに、例えば中空の気孔形成材(アルミナバ
ルーン等)を用いた従来の多孔質砥石では、頻繁なドレ
ッシングが必要であると共に結合剤の劣化が生じ易いこ
とから、下記の条件で砥石1個当たり2000本(すなわち
2000本/石)程度の研削加工しかできなかったのに対
し、本実施例の多孔質レジノイド砥石10によれば焼け
を発生させることなく、4600本/石程度、すなわち2.3
倍もの本数の研削加工が可能である。
【0018】
【表1】[研削条件] 砥石寸法 φ355 ×φ250 ×120 (mm) 回転数 1200(rpm) (周速 1340[m/min] ) 切り込み量 0.7 (mm/pas) 被研削材材質 SUS304 被研削材寸法 長さ100 (mm)×幅20(mm)
【0019】ここで、本実施例においては、多孔質レジ
ノイド砥石10は、工程1の攪拌工程において、アルミ
ナ砥粒、液状エポキシ樹脂、および界面活性剤から成る
流動性混合物を攪拌することにより、その流動性混合物
中に多数の気泡が創成され、続く工程2の流し込み工程
において、所定の型内にその流動性混合物が流し込ま
れ、更に、工程3の硬化工程において、その所定の型内
で流動性混合物が硬化させられることによって製造され
る。このとき、流動性混合物は、攪拌工程において攪拌
されることによって空気を巻き込まれて内部に多数の気
泡が創成されるが、その流動性混合物には界面活性剤が
含まれていることから、その起泡作用および整泡作用に
よって微小且つ均一な気泡が液状樹脂内で一様に発生
し、しかも、その状態が長時間に亘って維持されるた
め、流し込み工程において型内に流し込まれ、更に硬化
工程において硬化させられる過程においても、その創成
された気泡の殆どが維持される。そのため、多孔質レジ
ノイド砥石10中には気泡に由来する多数の気孔20が
形成されるが、各々の気孔20は個々の独立した気泡に
対応して形成されていることから、微小で相互に独立し
且つ均一に分布するため、多孔質レジノイド砥石10は
高い気孔率に形成され且つ連通する気孔を介する研削液
の浸透が生じ難い。したがって、高い気孔率を有して高
い研削性を備え、且つ研削液の浸透に起因する劣化が生
じ難いことから長い使用寿命を有する多孔質レジノイド
砥石10が得られるのである。
【0020】また、本実施例においては、気孔20が気
泡に起因して多孔質レジノイド砥石10の組織中に均一
に分散させられているため、研削面(端面12)全面で
均一な研削性が長時間に亘って維持され、また、多孔質
レジノイド砥石10中にアルミナ砥粒16およびエポキ
シ樹脂18以外の異物が何ら存在しないことから、一層
良好な研削性が得られる。因みに、無機化合物或いは樹
脂等で形成された中空気孔材によって気孔を形成された
従来の多孔質レジノイド砥石は、前記図3に示される攪
拌工程における中空気孔材の分散性が悪いことから、気
孔分布が不均一となって砥石の厚さ方向(すなわち研削
面の磨耗方向)に均一な研削性が得られず、しかも、図
5に砥石組織の構造を模式的に示すように、組織中に中
空気孔材(例えばアルミナバルーン)28が存在するこ
とから、その中空気孔材28の殻部分が研削性を阻害す
ることとなる。そのため、気孔率が高められているにも
拘わらず十分な研削性が得られず、例えば上記表1にし
めされるような条件で研削加工を行った場合には、例え
ば20個程度の加工数に達すると研削焼けが生じて、被研
削材26の送り速度を低下させ、或いは多孔質レジノイ
ド砥石の回転数を低下させるといった加工条件の変更が
必要となると共に、頻繁に研削面のドレッシングが必要
となるという問題があった。
【0021】また、本実施例においては、攪拌工程にお
いて気孔20を形成するための固形の気孔材が何ら添加
されないことから、そのような気孔材に起因する攪拌性
の低下が生じ得ない。そのため、高い気孔率を得る場合
にも何ら攪拌性すなわち砥粒16の分散性を低下させる
ことなく気孔20を形成し得ることから、一層高い気孔
率を容易に得ることができる。
【0022】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0023】例えば、実施例においては、液状樹脂とし
て二液性のエポキシ樹脂が用いられていたが、液状樹脂
の種類は特に限定されない。例えば、一液性のエポキシ
樹脂が用いられてもよく、或いは液状のフェノールレゾ
ールやウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等の種々の
樹脂を液状樹脂として用い得る。
【0024】また、攪拌工程において添加される界面活
性剤は、実施例のようなノニオン系のポリオキシエチレ
ンスチリルフェニルエーテル等に限られず、脂肪酸系、
非脂肪酸系、アミド系等の他のノニオン系の界面活性剤
や、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン(陰イ
オン)系、カチオン(陽イオン)系、両性イオン系等の
何れの界面活性剤をも用いられ得る。但し、界面活性剤
は液状樹脂との反応性に乏しい方が望ましいことから、
用いられる樹脂に応じて適宜決定されることが好まし
い。
【0025】また、実施例においては、砥粒としてアル
ミナ砥粒16が用いられていたが、その他の炭化珪素砥
粒やダイヤモンド砥粒、CBN砥粒等を用いた多孔質レ
ジノイド砥石にも本発明は同様に適用される。
【0026】また、多孔質であることが望まれる研削加
工に用いられる砥石であれば、実施例に示されるような
両頭平面研削加工に限られず、他の平面研削加工や、円
筒研削等の面および外周加工等に用いられる多孔質レジ
ノイド砥石にも本発明は同様に適用される。
【0027】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法によって製造され
た多孔質レジノイド砥石を示す図である。
【図2】図1の多孔質レジノイド砥石の組織を拡大して
示す図である。
【図3】図1の多孔質レジノイド砥石の製造工程を示す
工程図である。
【図4】図1の多孔質レジノイド砥石の使用状態を説明
する図である。
【図5】従来の多孔質レジノイド砥石の組織を示す図2
に対応する図である。
【符号の説明】
10:多孔質レジノイド砥石 16:アルミナ砥粒(砥粒) 18:エポキシ樹脂(液状樹脂) 20:気孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒が樹脂結合剤によって相互に結合さ
    れて成る組織中に多数の気孔を有する多孔質レジノイド
    砥石の製造方法であって、 砥粒、液状樹脂、および界面活性剤から成る流動性混合
    物を攪拌することにより、該流動性混合物中に多数の気
    泡を創成させる攪拌工程と、 該多数の気泡が創成された流動性混合物を所定の型内に
    流し込む流し込み工程と、 該所定の型内で前記流動性混合物を硬化させる硬化工程
    とを、含むことを特徴とする多孔質レジノイド砥石の製
    造方法。
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