JPH10138436A - ポリカーボネート積層シート - Google Patents

ポリカーボネート積層シート

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JPH10138436A
JPH10138436A JP30016496A JP30016496A JPH10138436A JP H10138436 A JPH10138436 A JP H10138436A JP 30016496 A JP30016496 A JP 30016496A JP 30016496 A JP30016496 A JP 30016496A JP H10138436 A JPH10138436 A JP H10138436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆するポリカーボネート層の厚みが薄くて
も層間流動不安定現象がなく、積層界面が平滑で外観の
優れた耐候性ポリカーボネート積層シートを提供する。 【解決手段】 280℃で100cm-1のせん断速度に
おける溶融粘度が500〜3000Pa・sを有するポ
リカーボネートからなる基板の片面又は両面に、紫外線
吸収剤を2〜20重量%含有するポリカーボネート組成
物よりなる被覆層を厚み10〜200μmで設けたポリ
カーボネート積層シートであり、基板のポリカーボネー
トと被覆層組成物の該溶融粘度の差が10〜50Pa・
sであることを特徴とするポリカーボネート積層シート
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外観のよい耐候性ポ
リカーボネート積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートシートは耐衝撃性、透
明性、耐燃性などに優れ、窓材、カーポート屋根材、ベ
ランダの腰板等に代表される建築資材や、透明防音板な
どの道路資材、鉄道車輌資材等様々な分野で用いられて
おり、今後も用途の拡大が予想されている。
【0003】しかしながらポリカーボネートシートには
耐候性が悪く、特に屋外等紫外線にさらされる場所で使
用すると黄変や透失といった光学性能の低下、引張強
度、耐衝撃性等の機械的性質の低下がおこり問題であっ
た。耐候性を改良する方法として一般的には紫外線吸収
剤を配合することが行われるが、ポリカーボネートシー
トは、特有の技術として、紫外線吸収剤を大量に配合し
たポリカーボネートの薄皮をポリカーボネートシート表
面に被覆し、積層シートとする方法が近年多数提案され
ている。例えば特公平3−54626号公報、特公平6
−41162号公報、特開平6−312493号公報な
どを挙げられる。これら積層シートの製造方法としては
共押出法が多く用いられている。
【0004】この共押出法としては、特公昭50−68
60号公報、プラスチックス,24,9(Mar.19
73)、プラスチックス・エージ,21,71(Sep
t.1975)など多数の特許、文献中で開示されてい
る。積層シートを共押出で成形する際、通常のシート成
形同様シート表面状態をコントロールするとともに、積
層界面のコントロールが重要になる。
【0005】W.J.Schrenk,N.L.Bra
dley,T.Alfrey,H.Maack,Pol
ym.Eng.&Sci.,18,620(1978)
には共押出の際、層間で不安定現象が生じることが記載
されている。この現象を層間流動不安定現象といい、層
間流動不安定現象が生じたシートは、表面が平滑でも、
シートを透過して見ると不安定流模様がはっきりと視認
でき、特にポリカーボネートシートのように透明性が特
徴である場合、商品価値が低下する。
【0006】この積層界面で生じる層間流動不安定現象
を防ぐ方法は、前述の文献類に、積層させる樹脂どうし
の粘度を等しくする、外側に被覆させる樹脂の粘度を大
幅に高める、あるいは逆に外側に被覆させる樹脂の粘度
を大幅に低くすることによって理論的に積層界面の流動
を安定化することができると記載されている。しかし実
際には、同じ粘度のポリカーボネートどうしを共押出法
で積層成形しても、積層界面が平滑で外観の優れたシー
トを得ることは困難であった。
【0007】そこで特開平8−224848号公報では
外側層の粘度をベースシートの粘度より少なくとも50
Pa・s、好適には100〜2000Pa・s低くする
ことが好ましいと示されている。しかしながらこの方法
で実際に共押出積層成形すると、外側層が200μmを
越えると、該公報にあるような外観の優れたポリカーボ
ネートシートが得られたが、積層厚みが200μm以下
の場合、やはり粘度差によって積層界面の層間流動不安
定現象が生じ、外観の優れたシートを得ることは困難で
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被覆するポ
リカーボネート層の厚みが薄くても層間流動不安定現象
がなく、積層界面が平滑で外観の優れた耐候性ポリカー
ボネート積層シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者らは鋭意検討の結果、成形金型壁面近傍では樹
脂が流れにくく、あたかも粘度が上がったような流動性
を示し、その粘度差は280℃で100cm-1のせん断
速度における溶融粘度に換算すると10Pa・s以上5
0Pa・s未満であることを見いだした。かつ成形金型
壁面に近いほどその見かけの粘度差の影響を強く受け、
その影響は約200μmの深さまで及ぼすことを見いだ
した。これらの結果、同じ粘度の樹脂を用いて共押出積
層成形しても層間流動不安定現象が生じることを見いだ
し本発明に至った。
【0010】すなわち本発明は、280℃で100cm
-1のせん断速度における溶融粘度が500〜3000P
a・sを有するポリカーボネートからなる基板の片面又
は両面に、紫外線吸収剤を2〜20重量%含有するポリ
カーボネート組成物よりなる被覆層を厚み10〜200
μmで設けたポリカーボネート積層シートであり、基板
のポリカーボネートと被覆層組成物の該溶融粘度の差が
10〜50Pa・sであることを特徴とするポリカーボ
ネート積層シートである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
基板及び被覆層に用いられるポリカーボネートは、下記
一般式で表される繰り返し単位からなる主鎖を有する。
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Arは二価の芳香族残基であり、
例えばフェニレン、ナフチレン、ビフィニレン、ピリジ
レンや、下記一般式で表されるものが挙げられる。)
【0014】
【化2】
【0015】(式中Ar1 及びAr2 はそれぞれアリレ
ーン基である。例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェ
ニレン、ピリジレン等の基を表し、Yは下記一般式で表
されるアルキレン基または置換アルキレン基または、−
O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−CO2 −、−
CON(R1 )−、(R1 は前記と同様)等の二価の基
である。)
【0016】
【化3】
【0017】(式中R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
れ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基であって、場合によりハロゲン原
子、アルコシ基で置換されていてもよく、kは3〜11
の整数であり、化4の水素原子は、低級アルキル基、ア
リール基、ハロゲン等で置換されてもよい。) これら二価の芳香族残基としては、下記一般式のもの等
が挙げられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】(式中R5 及びR6 はそれぞれ水素、ハロ
ゲン、C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アルコキシ
基、C1 〜C10シクロアルキル基またはフェニル基であ
る。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には
各R5 はそれぞれ同一でも異ってもよいし、nが2〜4
の場合は各R6 はそれぞれ同一でも異ってもよい。)中
でも、下記一般式で表されるものが好ましい。特に、こ
のものをArとする繰り返しユニットを85モル%以上
含むものが好ましい。
【0021】
【化6】
【0022】また、本発明におけるポリカーボネート
は、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有して
いてもよいし、脂肪族または芳香族のエステル成分を共
重合成分として含有してもよい。本発明におけるポリカ
ーボネートのー末端の分子構造としては、ヒドロキシ
基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基
から選ばれた1種以上の末端基を結合することができ
る。アリールカーボネート末端基、アルキルカーボネー
ト末端基としては、下記一般式のものが挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】(式中Ar3 は一価の芳香族残基であり、
芳香環は置換されていてもよい。または、炭素数1〜2
0の直鎖もしくは分岐アルキル基である。)具体例とし
ては、下記一般式のものが挙げられる。
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】これらの中で、フェニルカーボネート基、
p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフ
ェニルカーボネート基等が好ましい。またヒドロキシ基
末端と他の末端との比率は1/100以上が好ましく、
更には1/40以上が好ましい。本発明におけるポリカ
ーボネートに含有される加水分解可能な塩素は1ppm
以下、更には0.5ppm以下が好ましい。1ppmを
超える量と、成形加工時等長時間高温下にさらされ、着
色し、ポリカーボネートの特徴である透明感が失われて
しまう。
【0028】本発明におけるポリカーボネートの製造と
しては、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆
体とを反応せしめる方法、例えば芳香族ジヒドロキシ化
合物とホスゲンを水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチ
レン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(ホスゲン
法)、芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネ
ートを反応させるエステル交換法(溶融法)、結晶化カ
ーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1
−158033、特開平1−271426、特開平3−
68627)等が挙げられる。
【0029】基板に用いるポリカーボネートの粘度は、
280℃で100cm-1のせん断速度における溶融粘度
で500〜3000Pa・sであり、好ましくは700
〜2800Pa・s、更に好ましいは1000〜250
0Pa・sである。該溶融粘度が500Pa・s以下で
はシート形状での引き取りが困難になり、逆に3000
Pa・sを超える粘度では成形機に過度な負荷がかかる
ため押出成形困難に陥る。
【0030】被覆層に用いるポリカーボネートの粘度
は、基板ポリカーボネートの粘度と同じであることが層
間流動不安定現象を防止し、外観のよい積層シートを得
るのに重要であると先行技術では示されている。しかし
実際の共押出積層成形においては、同一のポリカーボネ
ートどうしを共押出積層成形しても層間流動不安定現象
は発生する。これは成形金型壁面近傍では樹脂が流れに
くく、あたかも粘度が上がったような流動性を示し、こ
の見かけの粘度差が同じ粘度の樹脂を共押出積層成形し
ても層間流動不安定現象が現れる原因であることを本発
明者らは見いだした。更に検討の結果、前述の見かけの
粘度差が280℃で100cm-1のせん断速度における
溶融粘度で10〜50Pa・sであることを見いだし、
あらかじめ被覆層ポリカーボネートの粘度をこの粘度差
分だけ下げておくことで層間流動不安定現象を防止する
ことができることを見いだした。つまり、被覆層に用い
るポリカーボネートの粘度は、基材層ポリカーボネート
の粘度に対して、280℃で100cm-1のせん断速度
における溶融粘度で10〜50Pa・s、好ましくは2
0〜40Pa・sの範囲で低いことが層間流動不安定を
防止し積層界面を平滑にし、外観のよい積層シートを得
るのに重要である。
【0031】その差が10Pa・s未満の場合、前述の
理由から、層間流動不安定現象が生じ、積層界面が乱れ
るため外観不良になり商品価値がなくなる。また逆に粘
度差が50Pa・sを超えると被覆層が200μmを越
えるような積層厚みになる場合は、特開平8−2248
48号公報などに示されているように外観の優れたポリ
カーボネートシートが得ることができるが、積層厚みが
200μm以下の場合、やはり基材層、被覆層樹脂間の
粘度差から先行技術にあるような積層界面の層間流動不
安定現象が生じ、積層界面が平滑で外観の優れたシート
を得ることは困難である。
【0032】本発明におけるポリカーボネートには必要
に応じて各種添加剤を配合してよく、例えば耐熱安定
剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑
剤、帯電防止剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔
料、染料、充填剤、強化剤、難燃剤等を挙げることがで
きる。これら添加剤等は、重合終了後のポリカーボネー
トが溶融状態の間に添加してもよく、ポリカーボネート
を一旦ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混練して
もよいし、シート成形時にポリカーボネートと同時にも
しくは成形の途中で添加してもよい。
【0033】被覆層ポリカーボネートには特に耐候性を
改良するため紫外線吸収剤が2〜20重量%、好ましく
は3〜10重量%、より好ましくは3〜5重量%であ
る。2重量%未満では、耐候性改良効果がなく、積層シ
ートが紫外線等さらされると黄変してしまう。20重量
%を越えると耐候性には効果が大きいが紫外線吸収剤に
よる着色が目立ち商品価値がなくなる。
【0034】被覆層ポリカーボネートに配合される紫外
線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベン
ゾフェノン系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系
化合物、サリチル酸フェニルエステル系化合物などが挙
げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレ
ンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチレンブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、などが挙げられ、ベンゾフェノン系化合物
としては2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、
2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフ
ェノン等が挙げられる。
【0035】またヒドロキシフェニルトリアジン系化合
物からなる紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジフ
ェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−
6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−
ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−
トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキ
シ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−
ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オク
チルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフ
ェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブトキシエ
トキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−メト
キシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p
−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−
トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トル
イル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−ト
ルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−
トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p
−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−
p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヘキ
シルオキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリア
ジン等が挙げられ、またサリチル酸フェニルエステル系
紫外線吸収剤としてはパラ−t−ブチルフェニルサリチ
ル酸エステル、パラ−オクチルフェニルサリチル酸エス
テル等が挙げられる。
【0036】このうちより揮発しにくいベンゾトリアゾ
ール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物
からなる紫外線吸収剤がより好ましい。被覆層ポリカー
ボネート層の厚みは10〜200μm、好ましくは20
〜100μm、更に好ましくは30〜50μmが好まし
い。積層厚みが10μm未満では、均一な厚みで被覆す
ることが困難になり、耐候性改良効果が小さり、耐候性
を改良するためには多量の紫外線吸収剤を配合する必要
があるため、紫外線吸収剤による着色が目立ち商品価値
がなくなる。積層厚みが200μmを越えると、紫外線
吸収剤の影響で着色が目立つようになり商品価値がなく
なる。
【0037】本発明のポリカーボネート積層シートの製
造方法は共押出法が好ましい。またポリカーボネート積
層シート全体の厚みについては特に制限はなく、押出成
形機の能力によって0.5〜20mmの厚みで自由に設
計できる。
【0038】
【発明の実施の形態】各項目の評価は以下の方法で測定
した。 (1)外観は、作製したポリカーボネート積層シートの
目視で検査した。 (2)初期着色は、積層シート成形直後の黄色度をJI
S K 7105に準拠して測定した。黄色度が4を超
えると着色が目視で明らかにわかる。
【0039】黄色度が4未満の場合を初期着色◎、つま
り初期着色が小さいとし、逆に黄色度が4以上の場合を
初期着色×、つまり初期着色が大きいとして評価した。 (3)耐候性は、スガ試験機製のサンシャインウエザー
メーターでサンシャインスーパーロングライフカーボン
を使用し、温度63℃一定下、降雨無し2時間と降雨1
8分のサイクルを繰り返す条件で試験片を3000時間
暴露した。
【0040】暴露前後の黄色度及びヘイズ(曇価)の変
化をJISK 7103に準拠して測定した。 黄変度(ΔYI)=(暴露前の黄色度)−(暴露前の黄
色度) 黄変度の値が大きいと初期値に比べて、黄色味が濃くな
った(着色した)ことを意味し、この黄変度が4を超え
ると着色したことが目視で明らかにわかる。
【0041】ヘイズ差(ΔH%)=(暴露後のヘイズ)
−(暴露前のヘイズ) ヘイズ差の値が大きいと初期値に比べて、曇りが大きく
なったことを意味し、このヘイズ差が2を超えると透明
感の喪失が目視で明らかにわかる。黄変度が4未満でか
つヘイズ差が2未満、つまり黄変も曇りもしない場合を
耐候性◎とし、黄変度が4以上もしくはヘイズ差(ΔH
%)が2以上の場合、つまり黄変するまたは曇る場合を
耐候性×として評価した。
【0042】
【実施例1】基板用ポリカーボネートとして280℃で
100cm-1のせん断速度における溶融粘度が1650
Pa・sを有するポリカーボネートを用い、また被覆層
用ポリカーボネートとして280℃で100cm-1のせ
ん断速度における溶融粘度が1590Pa・sのポリカ
ーボネートを用い、共押出シート試作機にて板厚8mm
の2種3層のポリカーボネート積層シートを作成した。
【0043】該被覆層用ポリカーボネートにはあらかじ
め2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘ
キシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンから
なる紫外線吸収剤を3重量%練り込んでおいた。また該
ポリカーボネート積層シートの被覆層の厚みは、被覆層
用押出機からの吐出量を調整することによって両面とも
に30μmにした。
【0044】このようにして得られたポリカーボネート
積層シートは外観がよく、不安定流による積層界面の乱
れ模様等は全く見られなかった。結果を表1に示す。
【0045】
【実施例2〜4】被覆層用ポリカーボネートの粘度を表
1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られたポリカーボネート積層シートはいづれも外
観良好であった。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例1〜3】被覆用ポリカーボネートの粘度を表1
に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られたポリカーボネート積層シートの外観は、い
づれも不安定流による積層界面の乱れ模様、特に押出方
向に沿って縦筋模様が発生していた。結果を表1に示
す。
【0047】
【比較例4】被覆層用ポリカーボネートとして280℃
で100cm-1のせん断速度における溶融粘度が150
0Pa・sのポリカーボネートを用い、かつ被覆層用押
出機からの吐出量を調整することによって被覆層の積層
厚みを両面ともに300μmにした以外は実施例1と同
様に行った。得られたポリカーボネート積層シートの外
観は特開平8−224848号公報にあるように不安定
流による積層界面の乱れもなくきれいなものであった
が、被覆層に多量に配合された紫外線吸収剤によって初
期着色が大きく問題である。結果を表1に示す。
【0048】
【比較例5】基板及び被覆層に用いるポリカーボネート
の粘度を、表1に示す通り極端に低いものを用いて実施
例1と同様に行った。粘度が低すぎて、シーティングが
全くできなかった。
【0049】
【比較例6】基板及び被覆層に用いるポリカーボネート
の粘度を、表1に示す通り極端に高いものを用いて実施
例1と同様に行った。粘度が高すぎるため押出機内で溶
融できず押出不可能であった。
【0050】
【比較例7〜8】被覆層用押出機からの吐出量を調整す
ることによって被覆層の積層厚みを両面ともに5μmま
たは300μmにした以外は実施例1と同様に行った。
被覆層積層厚みが5μmにしようとすると、均一な被覆
層の形成が困難で外観不良になるばかりか、被覆層での
紫外線吸収効果が小さく基材層ポリカーボネートが紫外
線に曝されてしまい、耐候変色が発生した。また被覆層
積層厚みが300μmの場合、外観は良好であったが、
被覆層に多量に配合された紫外線吸収剤によって初期着
色が大きく問題である。結果を表1に示す。
【0051】
【比較例9〜10】被覆層ポリカーボネートにあらかじ
め配合する2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ
−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジンからなる紫外線吸収剤の量を1重量%、もしくは3
0重量%にした以外は実施例1と同様に行った。いづれ
の場合も外観は良好であったが、紫外線吸収剤が1重量
%では被覆層での紫外線吸収効果が小さく基材層ポリカ
ーボネートが紫外線に曝されてしまい、耐候変色が発生
した。また30重量%の場合、耐候変色は確かにないも
のの、初期着色が大きく問題である。結果を表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によって、被覆するポリカーボネ
ート層の厚みが薄くても層間流動不安定現象がなく、積
層界面が平滑で外観の優れた耐候性ポリカーボネート積
層シートを提供することができ、ポリカーボネートシー
トの更なる用途拡大が期待できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 280℃で100cm-1のせん断速度に
    おける溶融粘度が500〜3000Pa・sを有するポ
    リカーボネートからなる基板の片面又は両面に、紫外線
    吸収剤を2〜20重量%含有するポリカーボネート組成
    物よりなる被覆層を厚み10〜200μmで設けたポリ
    カーボネート積層シートであり、基板のポリカーボネー
    トと被覆層組成物の該溶融粘度の差が10〜50Pa・
    sであることを特徴とするポリカーボネート積層シー
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010506772A (ja) * 2006-10-16 2010-03-04 ヴァルスパー・ソーシング・インコーポレーテッド 多層熱可塑性フィルム
JP2010052213A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Sumitomo Dow Ltd 抗菌性を有する積層シート
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