JPH10139471A - 誘電体材料及びその製造方法 - Google Patents
誘電体材料及びその製造方法Info
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- JPH10139471A JPH10139471A JP31290896A JP31290896A JPH10139471A JP H10139471 A JPH10139471 A JP H10139471A JP 31290896 A JP31290896 A JP 31290896A JP 31290896 A JP31290896 A JP 31290896A JP H10139471 A JPH10139471 A JP H10139471A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 共振周波数の温度係数の絶対値が小さく、無
負荷品質係数が大きく、且つ抗折強度の高い誘電体材料
を提供する。 【解決手段】 ガラスフリット95〜70体積%と、共
振周波数の温度係数(τf )が正の大きな値であり、平
均粒径0.5〜5μmの粒子の少なくとも3個が連なっ
た粒子の連接体からなる無機フィラー5〜30体積%と
を混合し、成形した後、930℃程度の比較的低温で焼
成し、吸水率が0.1%未満の緻密度の高い誘電体材料
を得る。無機フィラーとしては、特に、組成式;(Sr
1-X BaX)(Ti1-y Zry )O3 で表される固溶体
からなるものなどが好適である。また、この誘電体材料
は、そのτf の絶対値が20ppm/℃以下であり、無
負荷品質係数と共振周波数との積が1800GHz以上
であって、優れた誘電特性を有し、且つ抗折強度が16
0MPa以上と高い強度をも併せ有する。
負荷品質係数が大きく、且つ抗折強度の高い誘電体材料
を提供する。 【解決手段】 ガラスフリット95〜70体積%と、共
振周波数の温度係数(τf )が正の大きな値であり、平
均粒径0.5〜5μmの粒子の少なくとも3個が連なっ
た粒子の連接体からなる無機フィラー5〜30体積%と
を混合し、成形した後、930℃程度の比較的低温で焼
成し、吸水率が0.1%未満の緻密度の高い誘電体材料
を得る。無機フィラーとしては、特に、組成式;(Sr
1-X BaX)(Ti1-y Zry )O3 で表される固溶体
からなるものなどが好適である。また、この誘電体材料
は、そのτf の絶対値が20ppm/℃以下であり、無
負荷品質係数と共振周波数との積が1800GHz以上
であって、優れた誘電特性を有し、且つ抗折強度が16
0MPa以上と高い強度をも併せ有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波領域で
の共振周波数(以下、f0 と表す。)の温度係数(以
下、τf と表す。)の絶対値が小さく、無負荷品質係数
(以下、Qu と表す。)が大きく、且つ抗折強度(以
下、σf と表す。)の高い、優れた品質の誘電体材料に
関する。本発明の誘電体材料は、ガラス成分等の絶縁材
料と金、銀及び銅等の導電率の高い導体材料とを低温に
おいて同時焼成して得ることができる。また、本発明の
誘電体材料は、多層回路基板、特にマイクロ波領域にお
いて使用される共振器、フィルタなどとして使用するこ
とができる。
の共振周波数(以下、f0 と表す。)の温度係数(以
下、τf と表す。)の絶対値が小さく、無負荷品質係数
(以下、Qu と表す。)が大きく、且つ抗折強度(以
下、σf と表す。)の高い、優れた品質の誘電体材料に
関する。本発明の誘電体材料は、ガラス成分等の絶縁材
料と金、銀及び銅等の導電率の高い導体材料とを低温に
おいて同時焼成して得ることができる。また、本発明の
誘電体材料は、多層回路基板、特にマイクロ波領域にお
いて使用される共振器、フィルタなどとして使用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】Al2 O3 、TiO2 等の無機フィラー
とガラス成分により構成される絶縁材料を、900℃前
後の低温において焼成することにより得られる誘電体材
料からなる基板を用いた多層回路基板が既に使用されて
いる。この多層回路基板は、絶縁材料からなる未焼成の
基板に金、銀及び銅等の導電率の高い導体材料を印刷
し、積層した後、低温において同時焼成することにより
得られ、導体を内部電極とした積層型の誘電体共振器或
いはフィルタ等として使用されている。
とガラス成分により構成される絶縁材料を、900℃前
後の低温において焼成することにより得られる誘電体材
料からなる基板を用いた多層回路基板が既に使用されて
いる。この多層回路基板は、絶縁材料からなる未焼成の
基板に金、銀及び銅等の導電率の高い導体材料を印刷
し、積層した後、低温において同時焼成することにより
得られ、導体を内部電極とした積層型の誘電体共振器或
いはフィルタ等として使用されている。
【0003】このような多層回路基板等を構成する誘電
体材料には、 τf の絶対値が小さいこと、及び マイクロ波領域でのQu が大きいこと、 を同時に満たすことが要求される。また、十分に高いσ
f を有することも必要とされている。
体材料には、 τf の絶対値が小さいこと、及び マイクロ波領域でのQu が大きいこと、 を同時に満たすことが要求される。また、十分に高いσ
f を有することも必要とされている。
【0004】上記の基板を形成することになるガラス成
分としては、硼珪酸塩系やアルミノ珪酸塩系のガラス等
が用いられる。しかし、これらのガラス成分及びこれら
のガラス成分に無機フィラーとしてAl2 O3 を添加し
てなる絶縁材料からなる誘電体材料は、τf が負であっ
て温度変化によって共振周波数が大きく変動してしま
う。そのため、共振器或いはフィルタを作製するための
誘電体材料としては好ましくない。そこで、このような
誘電体材料のτf を正の側に補正するために、ガラス成
分に、例えばSrTiO3 、CaTiO3 及びTiO2
等の、大きな正のτf を有する無機フィラーを添加する
手法が提案されている。
分としては、硼珪酸塩系やアルミノ珪酸塩系のガラス等
が用いられる。しかし、これらのガラス成分及びこれら
のガラス成分に無機フィラーとしてAl2 O3 を添加し
てなる絶縁材料からなる誘電体材料は、τf が負であっ
て温度変化によって共振周波数が大きく変動してしま
う。そのため、共振器或いはフィルタを作製するための
誘電体材料としては好ましくない。そこで、このような
誘電体材料のτf を正の側に補正するために、ガラス成
分に、例えばSrTiO3 、CaTiO3 及びTiO2
等の、大きな正のτf を有する無機フィラーを添加する
手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の無機フィラーは、焼成時、ガラス成分或いはこれにA
l2 O3 を添加した絶縁材料及び配線パターン、厚膜抵
抗体皮膜等を形成するための材料と反応し易く、誘電体
材料からなる基板表面の厚膜抵抗体皮膜等の特性を変化
させてしまうことがある。また、反応によりガラス成分
と固溶し、無機フィラーの結晶構造が乱れ、期待される
τf の補正効果が得られないという問題もある。一方、
低温において焼成して得られる誘電体材料のQu の向上
については、有効な手段が提案されていないのが実状で
あり、現用品のQu とf0 との積は高々1000GHz
程度である。
の無機フィラーは、焼成時、ガラス成分或いはこれにA
l2 O3 を添加した絶縁材料及び配線パターン、厚膜抵
抗体皮膜等を形成するための材料と反応し易く、誘電体
材料からなる基板表面の厚膜抵抗体皮膜等の特性を変化
させてしまうことがある。また、反応によりガラス成分
と固溶し、無機フィラーの結晶構造が乱れ、期待される
τf の補正効果が得られないという問題もある。一方、
低温において焼成して得られる誘電体材料のQu の向上
については、有効な手段が提案されていないのが実状で
あり、現用品のQu とf0 との積は高々1000GHz
程度である。
【0006】また、無機フィラーとしてAl2 O3 を添
加することにより誘電体材料のσfを向上させることが
知られている。しかし、このことは誘電特性の向上のた
めに使用されるSrTiO3 等の無機フィラーをガラス
フリットに添加するのみでは、誘電体材料のσf が十分
ではないことを示唆しており、誘電特性に優れ、且つA
l2 O3 を使用しなくても十分に高いσf を有する誘電
体材料の開発が望まれている。
加することにより誘電体材料のσfを向上させることが
知られている。しかし、このことは誘電特性の向上のた
めに使用されるSrTiO3 等の無機フィラーをガラス
フリットに添加するのみでは、誘電体材料のσf が十分
ではないことを示唆しており、誘電特性に優れ、且つA
l2 O3 を使用しなくても十分に高いσf を有する誘電
体材料の開発が望まれている。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、特にτf の絶対値が20以下と小さく、Qu とf0
との積Qu ×f0 が1800GHz以上、特に2000
GHz以上と大きく、且つσf が160MPa以上、特
に170MPa以上と高い誘電体材料を提供することを
目的とする。また、上記の優れた誘電特性を有し、また
特に低温で焼成した場合であっても、均質で緻密な焼結
体を得ることができる誘電体材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
り、特にτf の絶対値が20以下と小さく、Qu とf0
との積Qu ×f0 が1800GHz以上、特に2000
GHz以上と大きく、且つσf が160MPa以上、特
に170MPa以上と高い誘電体材料を提供することを
目的とする。また、上記の優れた誘電特性を有し、また
特に低温で焼成した場合であっても、均質で緻密な焼結
体を得ることができる誘電体材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明の誘電体材料
は、結晶化ガラス95〜70体積%と、共振周波数の温
度係数が正である無機フィラー5〜30体積%とからな
り、該無機フィラーは、平均粒径0.5〜5μmの粒子
が少なくとも3個連なって形成される粒子の連接体から
なることを特徴とする。また、この誘電体材料は、第3
発明のように、τf が−20〜+20ppm/℃であっ
て、且つQu とf0 との積が1800GHz以上である
ことを特徴とする。更に、この誘電体材料は、第4発明
のように、JIS R1601の3点曲げ法によって測
定したσf が160MPa以上であることを特徴とす
る。
は、結晶化ガラス95〜70体積%と、共振周波数の温
度係数が正である無機フィラー5〜30体積%とからな
り、該無機フィラーは、平均粒径0.5〜5μmの粒子
が少なくとも3個連なって形成される粒子の連接体から
なることを特徴とする。また、この誘電体材料は、第3
発明のように、τf が−20〜+20ppm/℃であっ
て、且つQu とf0 との積が1800GHz以上である
ことを特徴とする。更に、この誘電体材料は、第4発明
のように、JIS R1601の3点曲げ法によって測
定したσf が160MPa以上であることを特徴とす
る。
【0009】上記「結晶化ガラス」はガラスフリットを
焼成し、結晶化させることにより生成する。結晶化ガラ
スの組成は特に限定されないが、その原料であるガラス
フリットを、比較的低い温度で、焼成し、結晶化させて
得られるものが好ましい。また、低温での焼成であって
も、得られる誘電体材料の吸水率が0.1%未満となる
まで緻密化させることができ、誘電体材料のQu が十分
に大きく、更に、そのσf が十分に高く、実用的な強度
を有する優れた品質の製品を得ることができる組成のも
のが好ましい。
焼成し、結晶化させることにより生成する。結晶化ガラ
スの組成は特に限定されないが、その原料であるガラス
フリットを、比較的低い温度で、焼成し、結晶化させて
得られるものが好ましい。また、低温での焼成であって
も、得られる誘電体材料の吸水率が0.1%未満となる
まで緻密化させることができ、誘電体材料のQu が十分
に大きく、更に、そのσf が十分に高く、実用的な強度
を有する優れた品質の製品を得ることができる組成のも
のが好ましい。
【0010】ガラスを主成分とする絶縁材料からなる誘
電体材料の負のτf を正の側へ補正するために使用され
る無機フィラーとしては、SrTiO3 、CaTiO3
及びSrSnO3 などの大きな正のτf を有するものが
好適である。しかし、これらの無機フィラーを球形等の
個々の粒子のまま添加した場合、焼成過程においてガラ
ス成分と反応してしまって、焼成後の誘電体材料には残
留しない或いは少量しか残留しないことになる。その結
果、τf が、特に第3発明の下限である「−20ppm
/℃」以上にまで正の側に補正されず、好ましくない。
電体材料の負のτf を正の側へ補正するために使用され
る無機フィラーとしては、SrTiO3 、CaTiO3
及びSrSnO3 などの大きな正のτf を有するものが
好適である。しかし、これらの無機フィラーを球形等の
個々の粒子のまま添加した場合、焼成過程においてガラ
ス成分と反応してしまって、焼成後の誘電体材料には残
留しない或いは少量しか残留しないことになる。その結
果、τf が、特に第3発明の下限である「−20ppm
/℃」以上にまで正の側に補正されず、好ましくない。
【0011】本発明においては、上記「無機フィラー」
は、「平均粒径0.5〜5μmの粒子が少なくとも3個
連なって形成される粒子の連接体」からなる。この無機
フィラーとしては、特に第2発明の、「(Sr,Ba)
(Ti,Zr)O3 で表される固溶体からなるもの」が
好適である。上記の粒子の連接体からなる無機フィラー
は、通常の球形等の粒子からなる無機フィラーの原料粉
末を、特定の条件で熱処理するなどして3個以上の粒子
が連接された連接体とし、これを焼成することにより生
成させることができる。
は、「平均粒径0.5〜5μmの粒子が少なくとも3個
連なって形成される粒子の連接体」からなる。この無機
フィラーとしては、特に第2発明の、「(Sr,Ba)
(Ti,Zr)O3 で表される固溶体からなるもの」が
好適である。上記の粒子の連接体からなる無機フィラー
は、通常の球形等の粒子からなる無機フィラーの原料粉
末を、特定の条件で熱処理するなどして3個以上の粒子
が連接された連接体とし、これを焼成することにより生
成させることができる。
【0012】上記の特定の形状の連接体を使用すれば、
焼成時、ガラスフリットと反応せず或いは反応が抑えら
れる。その結果、焼成後もその特定の形状が維持され、
粒子の連接体からなる無機フィラーとして誘電体材料中
に残留する。これによって無機フィラーが本来有するτ
f を正の側へ補正する効果が十分に奏される。また、こ
の無機フィラーが誘電体材料中に三次元的に分散するこ
とで補強材としても機能し、実用上、十分なσf を有す
る誘電体材料を得ることができる。
焼成時、ガラスフリットと反応せず或いは反応が抑えら
れる。その結果、焼成後もその特定の形状が維持され、
粒子の連接体からなる無機フィラーとして誘電体材料中
に残留する。これによって無機フィラーが本来有するτ
f を正の側へ補正する効果が十分に奏される。また、こ
の無機フィラーが誘電体材料中に三次元的に分散するこ
とで補強材としても機能し、実用上、十分なσf を有す
る誘電体材料を得ることができる。
【0013】上記の粒子の連接体を構成する原料粉末の
平均粒径が0.5μm未満では、これら粒子を熱処理す
るなどして連接させる場合に、個々の粒子の多くが複数
の隣接する粒子と連なってしまい、凝集した大径の粒子
となってしまう。このような大径の粒子となった場合
は、焼成後もそれらが大径のまま残留し、均質な誘電体
材料を得ることが難しく、且つ低温において焼成した場
合に、焼結体の緻密化が困難となる。一方、原料粉末の
平均粒径が5μmを越える場合は、連接される個数が3
個と下限であっても、その大きさは相当なものとなり、
上記と同様の問題を生ずることになる。この原料粉末の
平均粒径は0.8〜4μm、特に1〜3μm、更には1
〜2μmであることが好ましく、このような原料粉末を
使用すれば、低温における焼成であっても緻密化が容易
であって、均質な誘電体材料を得ることができる。
平均粒径が0.5μm未満では、これら粒子を熱処理す
るなどして連接させる場合に、個々の粒子の多くが複数
の隣接する粒子と連なってしまい、凝集した大径の粒子
となってしまう。このような大径の粒子となった場合
は、焼成後もそれらが大径のまま残留し、均質な誘電体
材料を得ることが難しく、且つ低温において焼成した場
合に、焼結体の緻密化が困難となる。一方、原料粉末の
平均粒径が5μmを越える場合は、連接される個数が3
個と下限であっても、その大きさは相当なものとなり、
上記と同様の問題を生ずることになる。この原料粉末の
平均粒径は0.8〜4μm、特に1〜3μm、更には1
〜2μmであることが好ましく、このような原料粉末を
使用すれば、低温における焼成であっても緻密化が容易
であって、均質な誘電体材料を得ることができる。
【0014】また、連接体を構成する粒子の数が2個以
下では、ガラスフリットとの反応が十分に抑えられず、
得られる誘電体材料中に無機フィラーが残留せず或いは
少量しか残留せず、誘電体材料のτf が十分に正の側へ
補正されない。粒子の連接体を構成する粒子は3〜10
個であり、特に3〜5個が好ましい。更に、この粒子の
連接体は、原料粉末の粒子が概ね直線状に連なって形成
されることが好ましく、連接体が線状であれば、均質な
誘電体材料を得ること及び緻密化などが妨げられること
がない。同じ個数の粒子が連なった場合であっても、こ
れら粒子が相互に複数箇所で連接されたりして凝集状態
となった場合は、上記の均質な誘電体材料が得られない
等の問題を生ずることになる。
下では、ガラスフリットとの反応が十分に抑えられず、
得られる誘電体材料中に無機フィラーが残留せず或いは
少量しか残留せず、誘電体材料のτf が十分に正の側へ
補正されない。粒子の連接体を構成する粒子は3〜10
個であり、特に3〜5個が好ましい。更に、この粒子の
連接体は、原料粉末の粒子が概ね直線状に連なって形成
されることが好ましく、連接体が線状であれば、均質な
誘電体材料を得ること及び緻密化などが妨げられること
がない。同じ個数の粒子が連なった場合であっても、こ
れら粒子が相互に複数箇所で連接されたりして凝集状態
となった場合は、上記の均質な誘電体材料が得られない
等の問題を生ずることになる。
【0015】尚、本発明における無機フィラーは、その
全量が3個以上の粒子の連接体からなるものである必要
はない。個々の粒子のままのもの或いは2個の粒子が連
接されたものが混在していてもよい。無機フィラー全量
中の3個以上の粒子からなる連接体の量比は、少なくと
も50重量%以上、特に60重量%、更には70重量%
であることが好ましい。また、この量比は誘電体材料中
の無機フィラーの含有量によっても調整する必要があ
る。無機フィラーの含有量が少ない場合は、連接体の量
比が70重量%以上、特に80重量%であることが好ま
しい。また、無機フィラーの含有量が多い場合は、連接
体の量比は50重量%程度でも十分であり、特に無機フ
ィラーの含有量が上限値に近ければ、この連接体の量比
は30重量%以上、特に40重量%以上程度であっても
よい。
全量が3個以上の粒子の連接体からなるものである必要
はない。個々の粒子のままのもの或いは2個の粒子が連
接されたものが混在していてもよい。無機フィラー全量
中の3個以上の粒子からなる連接体の量比は、少なくと
も50重量%以上、特に60重量%、更には70重量%
であることが好ましい。また、この量比は誘電体材料中
の無機フィラーの含有量によっても調整する必要があ
る。無機フィラーの含有量が少ない場合は、連接体の量
比が70重量%以上、特に80重量%であることが好ま
しい。また、無機フィラーの含有量が多い場合は、連接
体の量比は50重量%程度でも十分であり、特に無機フ
ィラーの含有量が上限値に近ければ、この連接体の量比
は30重量%以上、特に40重量%以上程度であっても
よい。
【0016】この特定の形状の粒子の連接体からなる無
機フィラーの含有量が5体積%未満では、誘電体材料の
τf を十分に正の側へ補正することができない。一方、
無機フィラーの含有量が30体積%を越える場合は、τ
f が正の側に大きくなりすぎてしまうため好ましくな
い。この無機フィラーの含有量は、特に10〜25体積
%、更には10〜20体積%とすることが好ましい。無
機フィラーの含有量がこの範囲であれば、そのτf 及び
Qu ×f0 が第3発明の範囲内である誘電体材料を安定
して得ることができる。また、緻密化も十分に進んで、
誘電体材料の吸水率は0.1%未満となり、σf も第4
発明の範囲内のものとなる。尚、本発明の誘電体材料で
は、Qu ×f0 は1800〜3000GHz、σf は1
60〜200MPaとすることができる。
機フィラーの含有量が5体積%未満では、誘電体材料の
τf を十分に正の側へ補正することができない。一方、
無機フィラーの含有量が30体積%を越える場合は、τ
f が正の側に大きくなりすぎてしまうため好ましくな
い。この無機フィラーの含有量は、特に10〜25体積
%、更には10〜20体積%とすることが好ましい。無
機フィラーの含有量がこの範囲であれば、そのτf 及び
Qu ×f0 が第3発明の範囲内である誘電体材料を安定
して得ることができる。また、緻密化も十分に進んで、
誘電体材料の吸水率は0.1%未満となり、σf も第4
発明の範囲内のものとなる。尚、本発明の誘電体材料で
は、Qu ×f0 は1800〜3000GHz、σf は1
60〜200MPaとすることができる。
【0017】第5発明の誘電体材料の製造方法は、平均
粒径0.5〜5μmの無機フィラー原料粉末を、その合
成温度より150℃以上高い温度で熱処理して、上記無
機フィラー原料粉末を構成する粒子の少なくとも3個が
連なって形成される粒子の連接体からなる無機フィラー
粉末とし、その後、ガラスフリット95〜70体積%と
該無機フィラー粉末5〜30体積%とを混合し、成形し
た後、850〜1000℃の温度で焼成することを特徴
とする。
粒径0.5〜5μmの無機フィラー原料粉末を、その合
成温度より150℃以上高い温度で熱処理して、上記無
機フィラー原料粉末を構成する粒子の少なくとも3個が
連なって形成される粒子の連接体からなる無機フィラー
粉末とし、その後、ガラスフリット95〜70体積%と
該無機フィラー粉末5〜30体積%とを混合し、成形し
た後、850〜1000℃の温度で焼成することを特徴
とする。
【0018】上記「無機フィラー原料粉末」は、その平
均粒径が0.5〜5μmであって、高温で熱処理するこ
とにより個々の粒子を3個以上連接させることができる
ものであればよく、特に限定はされない。この無機フィ
ラー原料粉末としては、特に第6発明のように、「S
r、Ba、Ti及びZrの酸化物又は加熱によって酸化
物となるSr、Ba、Ti及びZrの化合物を混合し、
反応させて得られる固溶体からなるもの」が好ましい。
この固溶体は、Sr、Ba、Ti及びZrの酸化物或い
は炭酸塩などの粉末を所定の量比で混合し、アルミナ坩
堝等の耐熱容器中で、例えば1100〜1400℃の温
度で反応させて合成することができる。この固溶体を使
用して得られる誘電体材料では、τf は十分に正の側へ
補正され、且つ補強効果によりσf も大きく向上する。
均粒径が0.5〜5μmであって、高温で熱処理するこ
とにより個々の粒子を3個以上連接させることができる
ものであればよく、特に限定はされない。この無機フィ
ラー原料粉末としては、特に第6発明のように、「S
r、Ba、Ti及びZrの酸化物又は加熱によって酸化
物となるSr、Ba、Ti及びZrの化合物を混合し、
反応させて得られる固溶体からなるもの」が好ましい。
この固溶体は、Sr、Ba、Ti及びZrの酸化物或い
は炭酸塩などの粉末を所定の量比で混合し、アルミナ坩
堝等の耐熱容器中で、例えば1100〜1400℃の温
度で反応させて合成することができる。この固溶体を使
用して得られる誘電体材料では、τf は十分に正の側へ
補正され、且つ補強効果によりσf も大きく向上する。
【0019】上記「熱処理」の温度は固溶体の合成温度
より「150℃以上」高い温度とし、特に150〜25
0℃高い温度とすることが好ましい。熱処理の温度が低
い場合は、無機フィラー原料粉末の粒子が3個以上連接
しなかったり、3個以上連接した粒子の割合が低かった
りして、上記「無機フィラー粉末」とガラスフリットと
の反応を十分に抑えられない。そのため、得られる誘電
体材料のτf は十分に正の側へ補正されない。
より「150℃以上」高い温度とし、特に150〜25
0℃高い温度とすることが好ましい。熱処理の温度が低
い場合は、無機フィラー原料粉末の粒子が3個以上連接
しなかったり、3個以上連接した粒子の割合が低かった
りして、上記「無機フィラー粉末」とガラスフリットと
の反応を十分に抑えられない。そのため、得られる誘電
体材料のτf は十分に正の側へ補正されない。
【0020】上記「ガラスフリット」としては、誘電体
材料において一般に用いられるものを特に制限されるこ
となく使用することができる。このガラスフリットとし
ては、第7発明のように、「SiO2 を40〜52重量
%、Al2 O3 を27〜37重量%、MgOを11〜1
3重量%、B2 O3 を2〜8重量%、CaOを2〜8重
量%及びZrO2 を0.1〜3重量%」含有するものが
好ましい。このような組成のガラスフリットを使用すれ
ば、金、銀、銅等の導体材料と低温において同時焼成す
ることができる。また、低温における焼成ではあって
も、緻密化が容易であって、吸水率が0.1%未満であ
り、且つそのσf が160MPa以上の優れた品質の誘
電体材料を得ることができる。
材料において一般に用いられるものを特に制限されるこ
となく使用することができる。このガラスフリットとし
ては、第7発明のように、「SiO2 を40〜52重量
%、Al2 O3 を27〜37重量%、MgOを11〜1
3重量%、B2 O3 を2〜8重量%、CaOを2〜8重
量%及びZrO2 を0.1〜3重量%」含有するものが
好ましい。このような組成のガラスフリットを使用すれ
ば、金、銀、銅等の導体材料と低温において同時焼成す
ることができる。また、低温における焼成ではあって
も、緻密化が容易であって、吸水率が0.1%未満であ
り、且つそのσf が160MPa以上の優れた品質の誘
電体材料を得ることができる。
【0021】第5発明において、その焼成温度が850
℃未満では、誘電体材料の吸水率が0.1%以下となる
まで緻密化することができず、Qu が十分に向上しない
ため好ましくない。一方、焼成温度が1000℃を越え
ると、導体材料と同時焼成する場合に、絶縁材料と導体
材料との反応、絶縁材料への導体材料の固溶、或いは導
体材料の融解、拡散及び揮発等を生ずることがある。そ
のため、配線パターンを作製する上で問題となる場合が
ある。
℃未満では、誘電体材料の吸水率が0.1%以下となる
まで緻密化することができず、Qu が十分に向上しない
ため好ましくない。一方、焼成温度が1000℃を越え
ると、導体材料と同時焼成する場合に、絶縁材料と導体
材料との反応、絶縁材料への導体材料の固溶、或いは導
体材料の融解、拡散及び揮発等を生ずることがある。そ
のため、配線パターンを作製する上で問題となる場合が
ある。
【0022】上記の焼成温度は880℃以上、特に90
0℃以上、更には930℃以上とすることが好ましい。
焼成温度が900℃未満、特に880℃未満では、緻密
化が十分に進まず、Qu もそれほどに向上しないことが
ある。また、930℃以上の焼成温度では、τf 及びQ
u にはそれほど大きな変化はみられず、焼成温度は93
0〜950℃とするのが最も効果的であると考えられ
る。本発明の誘電体材料は、上記のように、絶縁材料を
比較的低温において焼成して生成させることができる。
そのため、絶縁材料と金、銀、銅等の導体材料からなる
配線パターン等とを同時焼成することにより、誘電体材
料を基板とする多層回路基板を作製することができる。
0℃以上、更には930℃以上とすることが好ましい。
焼成温度が900℃未満、特に880℃未満では、緻密
化が十分に進まず、Qu もそれほどに向上しないことが
ある。また、930℃以上の焼成温度では、τf 及びQ
u にはそれほど大きな変化はみられず、焼成温度は93
0〜950℃とするのが最も効果的であると考えられ
る。本発明の誘電体材料は、上記のように、絶縁材料を
比較的低温において焼成して生成させることができる。
そのため、絶縁材料と金、銀、銅等の導体材料からなる
配線パターン等とを同時焼成することにより、誘電体材
料を基板とする多層回路基板を作製することができる。
【0023】本発明の誘電体材料は、この誘電体材料か
らなる基板の表面に導体材料からなる配線パターンを形
成して回路基板とすることができる。また、この誘電体
材料からなる絶縁層を複数積層し、少なくともこの積層
された絶縁層の間に導体材料からなる内部配線パターン
を形成して多層回路基板とすることもできる。これら回
路基板はマイクロ波領域における共振器或いはフィルタ
などとして使用することができる。
らなる基板の表面に導体材料からなる配線パターンを形
成して回路基板とすることができる。また、この誘電体
材料からなる絶縁層を複数積層し、少なくともこの積層
された絶縁層の間に導体材料からなる内部配線パターン
を形成して多層回路基板とすることもできる。これら回
路基板はマイクロ波領域における共振器或いはフィルタ
などとして使用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 実験例1〜11 (1) ガラス粉末の調製 表1に示す量比のガラス成分の各粉末を混合した後、1
500℃の温度で2時間溶融し、その後、水中に投入し
てガラスを得た。次いで、このガラスを湿式粉砕した
後、乾燥し、平均粒径約1μmの粉末状のガラスフリッ
トを得た。
的に説明する。 実験例1〜11 (1) ガラス粉末の調製 表1に示す量比のガラス成分の各粉末を混合した後、1
500℃の温度で2時間溶融し、その後、水中に投入し
てガラスを得た。次いで、このガラスを湿式粉砕した
後、乾燥し、平均粒径約1μmの粉末状のガラスフリッ
トを得た。
【0025】(2) 粒子の連接体からなる無機フィラーの
調製(実験例1〜7) 表1に示す組成の固溶体となるような量比のSrC
O3 、BaCO3 、TiO2 及びZrO2 を乾式で混合
し、混合粉末をアルミナ坩堝中に投入して、表1に示す
温度で反応させ固溶体を合成した後、冷却して固溶体の
粉末を得た。この固溶体の粉末の粒径をレーザー回折法
によって測定し、また、走査型電子顕微鏡によって直接
観察して、その平均粒径が1〜2μmの範囲内であるこ
とを確認した。その後、この固溶体の粉末をアルミナ坩
堝中に投入し、合成時の温度よりそれぞれ200℃高い
温度で熱処理した後、冷却して無機フィラーの粉末を得
た。この無機フィラーの粉末を走査型電子顕微鏡によっ
て直接観察したところ、3個以上の固溶体の粒子が連な
った形状の粒子の連接体が観察された。
調製(実験例1〜7) 表1に示す組成の固溶体となるような量比のSrC
O3 、BaCO3 、TiO2 及びZrO2 を乾式で混合
し、混合粉末をアルミナ坩堝中に投入して、表1に示す
温度で反応させ固溶体を合成した後、冷却して固溶体の
粉末を得た。この固溶体の粉末の粒径をレーザー回折法
によって測定し、また、走査型電子顕微鏡によって直接
観察して、その平均粒径が1〜2μmの範囲内であるこ
とを確認した。その後、この固溶体の粉末をアルミナ坩
堝中に投入し、合成時の温度よりそれぞれ200℃高い
温度で熱処理した後、冷却して無機フィラーの粉末を得
た。この無機フィラーの粉末を走査型電子顕微鏡によっ
て直接観察したところ、3個以上の固溶体の粒子が連な
った形状の粒子の連接体が観察された。
【0026】尚、図1は、熱処理後の無機フィラーの粉
末の走査型電子顕微鏡写真をトレースした説明図であ
る。この説明図によれば、この無機フィラーの粉末は、
1μm前後の径を有する粒子が3個以上ほぼ線状に連な
った連接体となったものであることがよく分かる。
末の走査型電子顕微鏡写真をトレースした説明図であ
る。この説明図によれば、この無機フィラーの粉末は、
1μm前後の径を有する粒子が3個以上ほぼ線状に連な
った連接体となったものであることがよく分かる。
【0027】(3) 誘電体材料の製造 エタノール中において上記のガラスフリットに、表1に
示す組み合わせ及び量比で、それぞれ表1に示す無機フ
ィラーを加えた。その後、攪拌、混合し、乾燥した後、
成形助剤として樹脂成分を加えて造粒し、この造粒粉を
8GPaの圧力下、直径23mm、厚さ12mmの円柱
状に成形した。次いで、上記の円柱状の成形体を15G
Paの圧力下、等方静水圧プレス(CIP)処理を行
い、その後、このCIP処理後の成形体を大気雰囲気
下、930℃と比較的低温において0.5時間焼成し
た。尚、実験例5〜7は、同一の組成のガラスフリット
及び無機フィラーを用い、無機フィラーの量比を第1発
明の範囲内で変化させた例である。また、実験例8〜1
1の比較品では、市販の無機フィラーを、特に粒子を連
接させる処理をすることなくそのまま用いた。
示す組み合わせ及び量比で、それぞれ表1に示す無機フ
ィラーを加えた。その後、攪拌、混合し、乾燥した後、
成形助剤として樹脂成分を加えて造粒し、この造粒粉を
8GPaの圧力下、直径23mm、厚さ12mmの円柱
状に成形した。次いで、上記の円柱状の成形体を15G
Paの圧力下、等方静水圧プレス(CIP)処理を行
い、その後、このCIP処理後の成形体を大気雰囲気
下、930℃と比較的低温において0.5時間焼成し
た。尚、実験例5〜7は、同一の組成のガラスフリット
及び無機フィラーを用い、無機フィラーの量比を第1発
明の範囲内で変化させた例である。また、実験例8〜1
1の比較品では、市販の無機フィラーを、特に粒子を連
接させる処理をすることなくそのまま用いた。
【0028】
【表1】
【0029】(4) 誘電特性及び強度の評価 上記のようにして得られた誘電体材料を研磨した後、平
行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数5〜8G
Hzにおいてεr 、Qu 及びτf (温度範囲:25〜8
0℃)を測定した。その結果を表2に示す。尚、表2に
おいて誘電損失に関する特性の結果はQu ×f0 で表し
た。f0 はQu を測定する際の共振周波数であるが、Q
u の測定毎に多少の変動がある。そのため、このQu と
f0 との積による表現がより正確に誘電損失を表すもの
である。また、σf はJIS R1601に従って3点
曲げ法によって求めた。結果を表2に併記する。尚、J
IS C2141に準じて得られた誘電体材料の吸水率
を測定したところ、実験例1〜9いずれも0.1%未満
であった。
行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数5〜8G
Hzにおいてεr 、Qu 及びτf (温度範囲:25〜8
0℃)を測定した。その結果を表2に示す。尚、表2に
おいて誘電損失に関する特性の結果はQu ×f0 で表し
た。f0 はQu を測定する際の共振周波数であるが、Q
u の測定毎に多少の変動がある。そのため、このQu と
f0 との積による表現がより正確に誘電損失を表すもの
である。また、σf はJIS R1601に従って3点
曲げ法によって求めた。結果を表2に併記する。尚、J
IS C2141に準じて得られた誘電体材料の吸水率
を測定したところ、実験例1〜9いずれも0.1%未満
であった。
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果によれば、3個以上の粒子の連
接体からなる無機フィラーを10体積%以上添加した実
験例1〜4及び6〜7では、Qu ×f0 はいずれも20
00GHz以上である。また、実験例1〜4及び6では
τf も第3発明の範囲内であり、優れた性能の誘電体材
料が得られていることが分かる。尚、実験例1〜7にお
いて、Qu ×f0 にも差があるが、τf にはより大きな
差がある。このQu ×f0 及びτf と無機フィラーの添
加量には必ずしも相関はなく、Qu ×f0 、τf ともに
無機フィラーの種類によっても影響を受けていることが
分かる。
接体からなる無機フィラーを10体積%以上添加した実
験例1〜4及び6〜7では、Qu ×f0 はいずれも20
00GHz以上である。また、実験例1〜4及び6では
τf も第3発明の範囲内であり、優れた性能の誘電体材
料が得られていることが分かる。尚、実験例1〜7にお
いて、Qu ×f0 にも差があるが、τf にはより大きな
差がある。このQu ×f0 及びτf と無機フィラーの添
加量には必ずしも相関はなく、Qu ×f0 、τf ともに
無機フィラーの種類によっても影響を受けていることが
分かる。
【0032】また、無機フィラーの添加量が5.0体積
%と第1発明の下限である実験例5では、Qu ×f0 は
第3発明の範囲内であるが、τf は十分に正の側へ補正
されておらず、−20.7ppm/℃となっていること
が分かる。更に、無機フィラーの添加量が30.0体積
%と第1発明の上限である実験例7では、Qu ×f0は
第3発明の範囲内であるが、τf は第3発明の上限を越
えて+22.4ppm/℃となっており、また、吸水率
は0.1%未満であるが、緻密化がやや不十分であり、
σf も第4発明の範囲外となっていることが分かる。し
かし、それでも比較品に比べれば総体的な性能は優れて
いる。
%と第1発明の下限である実験例5では、Qu ×f0 は
第3発明の範囲内であるが、τf は十分に正の側へ補正
されておらず、−20.7ppm/℃となっていること
が分かる。更に、無機フィラーの添加量が30.0体積
%と第1発明の上限である実験例7では、Qu ×f0は
第3発明の範囲内であるが、τf は第3発明の上限を越
えて+22.4ppm/℃となっており、また、吸水率
は0.1%未満であるが、緻密化がやや不十分であり、
σf も第4発明の範囲外となっていることが分かる。し
かし、それでも比較品に比べれば総体的な性能は優れて
いる。
【0033】一方、市販の無機フィラーをそのまま使用
した実験例8〜11では、添加量が多ければQu ×f0
は十分に高くなる。しかし、τf はSrTiO3 を2
0.0体積%添加した実験例8でも、正の側へ十分に補
正されず、−31.6ppm/℃と負の側に大きな値と
なっていることが分かる。また、そのσf も実験例11
を除いていずれも不十分で第4発明の範囲外となってい
る。更に、Al2 O3 を使用した実験例11では、添加
量が23.0体積%と多量であり、σf は非常に高くな
っている。しかし、Qu ×f0 は小さく、τf は負の側
に非常に大きな値となっていることが分かる。
した実験例8〜11では、添加量が多ければQu ×f0
は十分に高くなる。しかし、τf はSrTiO3 を2
0.0体積%添加した実験例8でも、正の側へ十分に補
正されず、−31.6ppm/℃と負の側に大きな値と
なっていることが分かる。また、そのσf も実験例11
を除いていずれも不十分で第4発明の範囲外となってい
る。更に、Al2 O3 を使用した実験例11では、添加
量が23.0体積%と多量であり、σf は非常に高くな
っている。しかし、Qu ×f0 は小さく、τf は負の側
に非常に大きな値となっていることが分かる。
【0034】これらの実験例の結果から明らかなよう
に、比較品においてもQu ×f0 は2000GHzを越
える場合もある。しかし、τf は負の側に非常に大きな
ものしか得られず、その絶対値が小さいものでも30p
pm/℃以上、特に性能の劣るものでは60ppm/℃
を越えている。このように本発明の誘電体材料は、従来
のこの種の誘電体材料では実現し得なかった、大きなQ
u と小さなτf の絶対値とを同時に兼ね備えるものであ
る。
に、比較品においてもQu ×f0 は2000GHzを越
える場合もある。しかし、τf は負の側に非常に大きな
ものしか得られず、その絶対値が小さいものでも30p
pm/℃以上、特に性能の劣るものでは60ppm/℃
を越えている。このように本発明の誘電体材料は、従来
のこの種の誘電体材料では実現し得なかった、大きなQ
u と小さなτf の絶対値とを同時に兼ね備えるものであ
る。
【0035】
【発明の効果】第1発明の特定の組成を有する誘電体材
料は、τf の絶対値が小さく、Qu ×fO が大きく、且
つ高いσf を有する。また、特に低温において焼成して
得ることができるため、金、銀、銅等の導体材料からな
る配線パターンを形成した後、同時焼成することができ
る。特に第2発明の無機フィラーを使用すれば、τf の
絶対値がより小さく、Qu ×f0 がより大きく、且つσ
f の高い誘電体材料を得ることができる。また、第5〜
7発明の誘電体材料の製造方法によれば、第3発明の優
れた誘電特性及び第4発明の高いσf を有する誘電体材
料を容易に製造することができる。
料は、τf の絶対値が小さく、Qu ×fO が大きく、且
つ高いσf を有する。また、特に低温において焼成して
得ることができるため、金、銀、銅等の導体材料からな
る配線パターンを形成した後、同時焼成することができ
る。特に第2発明の無機フィラーを使用すれば、τf の
絶対値がより小さく、Qu ×f0 がより大きく、且つσ
f の高い誘電体材料を得ることができる。また、第5〜
7発明の誘電体材料の製造方法によれば、第3発明の優
れた誘電特性及び第4発明の高いσf を有する誘電体材
料を容易に製造することができる。
【図1】3個以上の粒子が連なって連接体となっている
無機フィラーの粉末の走査型電子顕微鏡写真をトレース
した説明図である。
無機フィラーの粉末の走査型電子顕微鏡写真をトレース
した説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/46 H05K 3/46 T (72)発明者 大林 和重 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 結晶化ガラス95〜70体積%と、共振
周波数の温度係数が正である無機フィラー5〜30体積
%とからなり、該無機フィラーは、平均粒径0.5〜5
μmの粒子が少なくとも3個連なって形成される粒子の
連接体からなることを特徴とする誘電体材料。 - 【請求項2】 上記無機フィラーは、組成式;(Sr
1-x Bax )(Ti1-y Zry )O3 (但し、0<x<
1、0<y<1である。)で表される固溶体からなるも
のである請求項1記載の誘電体材料。 - 【請求項3】 共振周波数の温度係数が−20〜+20
ppm/℃であって、且つ無負荷品質係数と共振周波数
との積が1800GHz以上である請求項1又は2記載
の誘電体材料。 - 【請求項4】 JIS R1601の3点曲げ法によっ
て測定した抗折強度が160MPa以上である請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の誘電体材料。 - 【請求項5】 平均粒径0.5〜5μmの無機フィラー
原料粉末を、その合成温度より少なくとも150℃高い
温度で熱処理して、上記無機フィラー原料粉末を構成す
る粒子の少なくとも3個が連なって形成される粒子の連
接体からなる無機フィラー粉末とし、その後、ガラスフ
リット95〜70体積%と上記無機フィラー粉末5〜3
0体積%とを混合し、成形した後、850〜1000℃
の温度で焼成することを特徴とする誘電体材料の製造方
法。 - 【請求項6】 上記無機フィラー原料粉末は、Sr、B
a、Ti又はZrの酸化物若しくは加熱によって酸化物
となるSr、Ba、Ti又はZrの化合物を混合し、反
応させて得られる固溶体からなるものである請求項5記
載の誘電体材料の製造方法。 - 【請求項7】 上記ガラスフリットを100重量%とし
た場合に、該ガラスフリットはSiO2 を40〜52重
量%、Al2 O3 を27〜37重量%、MgOを11〜
13重量%、B2 O3 を2〜8重量%、CaOを2〜8
重量%及びZrO2 を0.1〜3重量%含有する請求項
5又は6記載の誘電体材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31290896A JPH10139471A (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 誘電体材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31290896A JPH10139471A (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 誘電体材料及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10139471A true JPH10139471A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=18034911
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31290896A Pending JPH10139471A (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 誘電体材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10139471A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100478049B1 (ko) * | 2002-06-14 | 2005-03-23 | 삼화콘덴서공업주식회사 | 고유전율계 자기 조성물 |
-
1996
- 1996-11-08 JP JP31290896A patent/JPH10139471A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100478049B1 (ko) * | 2002-06-14 | 2005-03-23 | 삼화콘덴서공업주식회사 | 고유전율계 자기 조성물 |
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|---|---|---|---|
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