JPH10139552A - 結晶配向セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

結晶配向セラミックス及びその製造方法

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JPH10139552A
JPH10139552A JP9148566A JP14856697A JPH10139552A JP H10139552 A JPH10139552 A JP H10139552A JP 9148566 A JP9148566 A JP 9148566A JP 14856697 A JP14856697 A JP 14856697A JP H10139552 A JPH10139552 A JP H10139552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶の方位に依存する各種特性に優れた物質
であって,特に結晶格子の異方性が小さい物質よりなる
結晶配向セラミックス及び該結晶配向セラミックスを容
易かつ安価に製造することができ,更にはバルク体を製
造可能な,結晶配向セラミックスの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 ロットゲーリング法による結晶配向度が
10%以上であり,等方性ペロブスカイト型構造を有
し,更にBi,Sr,Caのうち少なくとも1種の元素
を含有する酸化物よりなる。これを製造するに当たって
は,ホスト材料Aと,ゲスト材料B,原料Qあるいはゲ
スト材料Bと原料Qとの混合物と,添加剤とを混合し,
圧延し,次いで加熱焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,等方性ペロブスカイト型構造を
有し,更にBi,Sr,Caを含有する酸化物よりなる
結晶配向セラミックス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】多結晶セラミックスの結晶面または結晶軸
を配向させる技術はこれまでいくつかの提案がなされて
きた。多結晶セラミックスの特定の結晶面または結晶軸
を配向させることにより,特定の結晶面または結晶軸に
依存する特性を大きく向上させ,単結晶に近い特性を有
する多結晶セラミックスを作製することができる。
【0003】特に極性を有する結晶軸に大きく特性が依
存する強誘電体の多結晶セラミックスでは結晶を配向さ
せることにより,結晶が配向していない無配向の多結晶
セラミックスと比較して残留分極量等の極性に由来する
特性が向上するとして,特許出願や技術報告がなされて
いる。また,磁性材料でも,結晶を配向させたフェライ
トセラミックスの使用により耐磨耗性が向上して磁気ヘ
ッドの寿命が延びることが報告されている(粉体および
粉末冶金,第26巻第4号,pp.123−130,1
979)。
【0004】多結晶セラミックスの結晶を配向させる手
段,方法等としては,従来各種の方法が開示されてい
る。そのいくつかを以下に例示する。例えば,チタン酸
ビスマス(Bi4 Ti3 12)に代表される層状ペロブ
スカイト型構造のように,特定の結晶面の表面エネルギ
ーが他の結晶面に比べて著しく小さい多結晶セラミック
スは,加熱しながら一軸圧力を加えるホットフォージン
グ法により結晶が一軸配向した緻密な結晶配向セラミッ
クスを得ることができる(Jpn.J.Appl.Ph
ys.,Vol.19,No.1,pp31−39,1
980)。
【0005】また,上述のチタン酸ビスマスのように結
晶異方性の強い物質は板状や針状等の異方性形状を有す
る粉末の合成が可能である。かかる異方性形状を有する
粉末をバインダーや液体と共にテープ成形や押出成形す
ることにより,これら異方性形状の粉末を配向させた
後,これを熱処理により焼結させて結晶配向セラミック
スを作製する手法も知られている(J.Am.Cera
m.Soc.,Vol.72,No.2,pp289−
93,1989)。
【0006】また,スピネル構造のフェライトのよう
に,骨格を形成する原料に板状粉末(代表的にはα型酸
化鉄)を用いて,結晶配向度(結晶の配向の程度)を高
める成形方法を採用し,合成時に原料の配向軸を生成物
が引き継ぐような,いわゆるトポキタシー法によって,
結晶配向セラミックスを作製することは可能であった
(エレクトロニク・セラミクス,’91年7月号,p
p.56−63,1991)。ただし,この手法は原料
としての酸化鉄,セラミックスとしてのフェライトのよ
うなトポタキシー反応が可能である立体的な格子整合性
を有する原料と生成物との組合わせが存在する時にのみ
有効である。
【0007】なお,本明細書において等方性ペロブスカ
イト型構造と表現した結晶構造は,通常ペロブスカイト
構造と表現されている結晶構造を指している。上記等方
性ペロブスカイト型構造は,立方晶あるいは僅かに歪ん
だ立方晶をとる。本明細書においては,層状ペロブスカ
イト構造と明確に区別するために,等方性ペロブスカイ
ト型構造という表現を採用した。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,結晶型が等方
性(立方晶系)あるいは擬等方性(僅かに歪んだ立方晶
系)の材料であって,トポタキシー反応が可能な3次元
的に格子整合性のある異方性原料を持たない物質よりな
る結晶配向セラミックスは,高価で生産性の劣る単結晶
育成に頼らない限り,作製が困難であった。
【0009】例えば,PZT(化合物名:ジルコン・チ
タン酸鉛)やチタン酸バリウムに代表されるように工学
的に重要な強誘電体の多くが取る結晶型であるペロブス
カイト型構造は,立方構造あるいは僅かに歪んだ立方構
造であり,その歪みの方向によって大きな特性の異方性
を示す。
【0010】しかしこれらの物質における結晶の異方性
は極めて小さく,従って,異方性形状の単結晶粉末を合
成することが極めて困難である。また,骨格を構成する
Ti,Zr,Nb等の酸化物に対して,ペロブスカイト
型における骨格構造と長周期構造が類似かつ異方性形状
を有する粉末を合成することができない。このため,ト
ポタキシー法による配向制御もできなかった。
【0011】これまでに,チタン酸カリウム繊維あるい
はその誘導体である繊維状酸化チタンまたは繊維状含水
酸化チタンを原料として,チタン酸鉛やチタン酸バリウ
ム等の配向セラミックスを作製する技術が特許公告され
ている(特公昭63−24949号,特公昭63−24
950号,特公昭63−43339号,特公昭63−4
3340号,特公昭63−43341号)。
【0012】しかし,ペロブスカイト構造とは異なるT
i−O結合骨格を持つチタン酸カリウム繊維やその誘導
体を用いて結晶配向セラミックスを作製することは原理
的に極めて困難である。なぜならば,仮にチタン酸カリ
ウム繊維やその誘導体の粉末を配向させることができた
としても,反応によってペロブスカイト構造の化合物を
生成する際にはTi−O結合骨格の再配列が伴わざるを
えず,このときに結晶配向を保持することが極めて困難
である。
【0013】結晶が配向したペロブスカイト型構造をと
る結晶配向セラミックスを得る別の方法としては,スパ
ッタリング,化学気相蒸着(CVD),ゾルゲル等の方
法で基板上に薄膜を作製することが挙げられる。この方
法としては,ペロブスカイト型構造の特定の結晶面と格
子整合性のよい基板表面を利用するエピタキシーと,基
板の結晶方位とは無関係に表面エネルギーの差違や元素
の供給量の差違等によって特定の結晶面が配向するセル
フ・テクスチャーが知られている。
【0014】しかしながら,このような方法は厚い膜を
作るためには製膜時間が長くなり,製造コストが高価に
なるばかりでなく,膜が基板に拘束されていることから
以下に示す問題が生じる。一つは,膜厚を厚くしようと
すれば熱処理の際に結晶化や緻密化に伴う応力が発生す
ることである。もう一つは,基板との熱膨張率の差によ
って膜において亀裂が生じることである。更に一つは膜
が基板より剥離するという問題である。以上により上記
方法においては膜の破壊が起こりやすい。従って,この
ような方法で5μmを超えるような厚みを持った結晶配
向セラミックスを得る事は極めて困難である。
【0015】ところで,ISAF’96予稿集,P22
3(1996)には,以下に示す焼結体の製造方法が示
されている。板状Bi4 Ti3 12粒子とBi4 Ti3
12微粒子とを,該板状Bi4 Ti3 12粒子が5〜1
5体積%となる割合で混合した。この混合粉末にテープ
成形を施し,板状粒子が配向したテープ成形体を得た。
上記テープ成形体を積層して900〜1100℃で焼結
する事により結晶配向したBi4 Ti3 12焼結体を作
製することができる。この技術を報告者はTGG(Te
mplated Grain Growth)と呼んで
いる。
【0016】上記技術は形状異方性を有する材料(板状
粒子)を配向させておき,加熱してこの形状異方性の材
料を粒成長させることによって,該形状異方性材料と共
に混合した同じ物質(ただし,こちらの物質は配向し難
い微小粉末よりなる)を上記形状異方性材料に吸収させ
るというメカニズムで配向バルク焼結体を作製してい
る。
【0017】このため,この技術で作製できる結晶配向
セラミックスは原料として形状異方性材料を準備できる
物質に限られる。つまり,上記従来技術においては,層
状ペロブスカイト構造を有するBi4 Ti3 12の板状
粒子を種結晶(シード)としたホモエピタキシャル成長
を利用して,微小粉末よりなるBi4 Ti3 12の配向
焼結体を作製している。
【0018】しかしながら,強誘電体・圧電体・焦電体
等として有用なペロブスカイト型構造を有する各種物質
は結晶格子の異方性が極めて小さく,形状異方性材料を
合成することが困難である。このため,ペロブスカイト
構造の物質に対し,上記従来技術を適用することはでき
ない。
【0019】以上に詳説したごとく,結晶格子の異方性
が極めて小さい物質よりなる結晶配向した多結晶物質を
得る技術については,これまでに信頼性のある報告はな
されていなかった。
【0020】本発明はかかる問題点に鑑み,強誘電性,
圧電性,焦電性,熱電性,磁性,イオン伝導性,電子伝
導性,巨大磁気抵抗効果等の結晶の方位に依存する各種
特性に優れた物質であって,特に結晶格子の異方性が小
さい物質よりなる結晶配向セラミックス及び該結晶配向
セラミックスを容易かつ安価に製造することができ,更
にはバルク体を製造可能な,結晶配向セラミックスの製
造方法を提供しようとするものである。
【0021】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,ロットゲーリン
グ(Lotgering)法による結晶配向度が10%
以上であり,等方性ペロブスカイト型構造を有し,更に
Bi,Sr,Caのうち少なくとも1種の元素を含有す
る酸化物よりなることを特徴とする結晶配向セラミック
スにある。
【0022】上記Lotgering法につき,以下に
説明する。即ち,Lotgering法により得られた
結晶配向セラミックスの結晶配向度Q(HKL)は,以
下の数1により定義される。
【0023】
【数1】
【0024】ここに,I(HKL)は結晶配向セラミッ
クスにおける着目している結晶面(HKL)からのX線
回折強度である。一方,I0 (HKL)は,上記結晶配
向セラミックスと同一組成の同一化合物であり,かつ無
配向の多結晶セラミックスにおける結晶面(HKL)か
らのX線回折強度である。
【0025】また,Σ´I(HKL)はI(100),
I(200),I(300)等,結晶配向セラミックス
における着目している各結晶配向面からのX線回折強度
の総和である。一方,ΣI0 (hkl)は,上記無配向
の多結晶セラミックスにおける全ての結晶面(hkl)
からのX線回折強度の総和である。なお,Q(HKL)
の値は無配向の場合に0%,全ての結晶粒子が配向して
いる場合に100%となるよう規格化してある。
【0026】なお,本発明にかかる結晶配向セラミック
スの結晶配向度が10%未満である場合には,本発明に
かかる効果を得ることができないおそれがある。
【0027】ところで,一般に等方性ペロブスカイト型
構造の化合物は,(ABO3 n という化学式にて表現
することができる。そして,本発明にかかる等方性ペロ
ブスカイト型構造のBi,Sr,Caの少なくとも一種
を含有する酸化物とは,少なくとも上記化学式における
AがBi,Sr,Caを含有する化合物である。なお,
ここにA,Bは任意の金属原子,あるいは二種以上の金
属元素により構成された原子団である。
【0028】また,本発明にかかる等方性ペロブスカイ
ト型構造の酸化物であって,特にビスマス含有酸化物と
しては,A中にBiが2〜50mol%存在するもの,
即ち(Bi0.02A’0.98)BO3 〜(Bi
0.5 A’0.5 )BO3 という組成を有するものが好まし
い。なお『A’』とはAよりBiが抜けた残りの部分で
ある。これにより,圧電性,焦電性等に優れた結晶配向
セラミックスを提供することができる。
【0029】なお,上記ビスマス含有酸化物(A中にB
iが2〜50mol%存在するもの)としては,具体的
には,Bi0.5 Na0.5 TiO3 ,Bi0.5 0.5 Ti
3,Bi0.5 (Na,K)0.5 TiO3 ,(Pb,B
i)(Fe,Ti)O3 ,Pb0.5 Bi0.5 Ni0.25
0.753 ,(Bi,Pb)(Zr,Ti)O3 ,(B
i,Pb)(Zr,Ti,Nb)O3 ,(Bi,Pb)
(Zr,Ti,Fe)O3 ,(Bi,Pb)(Zr,T
i,Mn)O3 というものを挙げることができる。
【0030】また,ビスマス含有酸化物としては,上述
したA中にBiが2〜50mol%存在するものに止ま
らず,Biを含有するペロブスカイト構造の酸化物材
料,これら酸化物材料間の固溶体のいずれについても,
本発明にかかる結晶配向セラミックスとなることができ
る。勿論,本発明にかかる効果が最大に発揮されるの
は,結晶配向に依存する特性を有する物質である。
【0031】また,等方性ペロブスカイト型構造のSr
またはCa含有酸化物としては,PbTiO3 ,Pb
(Zr,Ti)O3 ,BaTiO3 及びこれらのリラク
サー物質との固溶体におけるPbまたはBaの一部また
は全部をSrまたはCaで置換した材料,及びSrTi
3 ,CaTiO3 ,Sr(Zr,Ti)O3 ,Ca
(Zr,Ti)O3 ,(Ba,Sr)TiO3 ,(B
a,Ca)TiO3 等を挙げることができる。以上の物
質は結晶軸が配向することにより,無配向の材料よりも
高い電気機械結合定数,圧電定数,低い誘電損失を得る
ことができる。
【0032】そして,上記SrTiO3 ,(Ba,S
r)TiO3 は常誘電体であり,これよりなる結晶配向
セラミックスは優れた電子デバイス用テンプレート基板
の材料として利用することができる。また,これ以外に
も,Srを含む結晶配向セラミックスは高い誘電定数と
低い誘電損失を持つ優れたキャパシタ用材料,電子デバ
イス用テンプレート基板等に,また,Sr,Caを含む
結晶配向セラミックスは,高い品質係数を持つマイクロ
波用共振体等への利用が可能である。
【0033】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかる結晶配向セラミックスは,結晶配向度が1
0%以上であり,等方性ペロブスカイト型構造を有し,
Bi,Sr,Caのうち少なくとも一種の元素を含有す
る酸化物よりなる。
【0034】このような酸化物が結晶配向セラミックス
となることにより,該酸化物の結晶方位に依存する各種
特性を単なる多結晶の状態にある無配向のセラミックス
と比較して大いに高めることができる。また,上記結晶
配向セラミックスは特性的に単結晶に近いが,多結晶で
ある。このため,単結晶を作製するよりも安価に作製す
ることができる。更に単結晶よりも機械的強度が高いと
いう利点を有する。
【0035】なお,上記特性としては,強誘電性,圧電
性,焦電性,熱電性,磁性,イオン伝導性,電子伝導
性,巨大磁気抵抗効果等を挙げることができる。また,
これらの性質を利用することにより,優れた加速度セン
サ,焦電センサ,超音波センサ,磁性センサ,電解セン
サ,温度センサ,ガスセンサ等のセンサ類,熱電転換,
圧電トランス等のエネルギー転換素子,圧電アクチュエ
ータ,超音波モータ,レゾネータ等の低損失アクチュエ
ータ,低損失レゾネータ,キャパシタ,イオン伝導体等
を,本発明にかかる結晶配向セラミックスは作製するこ
とができる。これ以外にも広い範囲の優れた機能性セラ
ミックス材料として,本発明にかかる結晶配向セラミッ
クスを用いることができる。
【0036】以上のように,本発明によれば,強誘電
性,圧電性,焦電性,熱電性,磁性,イオン伝導性,電
子伝導性,巨大磁気抵抗効果等の結晶の方位に依存する
各種特性に優れた結晶配向セラミックスを提供すること
ができる。
【0037】次に,請求項2の発明は,形状異方性を有
し,層状ペロブスカイト構造を有するホスト材料Aを準
備し,一方,等方性ペロブスカイト型構造を有するゲス
ト材料Bまたはゲスト材料Bを生成可能な原料Qを準備
し,更に,上記ホスト材料Aを,ゲスト材料Bまたは等
方性ペロブスカイト型構造を有するゲスト材料Cの少な
くとも一方に転換するための添加剤を準備し,上記ホス
ト材料Aと,上記ゲスト材料B,原料Qあるいはゲスト
材料Bと原料Qとの混合物と,添加剤とを混合し,押出
および/または圧延し,次いで加熱焼結することを特徴
とする結晶配向セラミックスの製造方法にある。
【0038】本発明の作用効果につき説明する。本発明
の製造方法においては,ホスト材料A,ゲスト材料B等
を混合,圧延し,次いで加熱焼結する。上記圧延におい
て,形状異方性を有し,かつ層状ぺロブスカイト構造と
いう配向しやすい結晶構造を有するホスト材料Aが配向
する。
【0039】その後の加熱焼結によって,ゲスト材料B
はホスト材料Aを種結晶として,該ホスト材料Aの表面
および/または内部で上記ホスト材料Aの結晶格子をテ
ンプレートとする形でエピタキシャル生成する。また
は,原料Qより生成したゲスト材料Bがホスト材料Aの
表面および/または内部でエピタキシャル生成する。な
お,上記「表面および/または内部」という表現は表面
と内部との双方で,あるいはいずれか一方でということ
を示している。
【0040】ところで,上記エピタキシャル生成は以下
の理由により発生する。上記ホスト材料Aの表面におい
て上記ゲスト材料Bの結晶が生成する際には,上記ホス
ト材料Aの表面の結晶格子と格子整合性を持つ結晶の方
が,持たない結晶よりも安定に存在することができる。
【0041】また,上記ホスト材料Aの内部で,例えば
上記ホスト材料Aが層状ペロブスカイト型化合物である
場合にはその層間のような結合の弱い部分で,上記ゲス
ト材料Bが生成する際にも,上記ホスト材料Aの結晶格
子と格子整合性を持つ結晶の方が,持たない結晶よりも
安定に存在することができる。言い換えれば,格子整合
性を持つ結晶の方が界面エネルギーが小さいため,持た
ない結晶よりもエネルギー利得が大きいため,安定に存
在できる。
【0042】このため,上記ゲスト材料Bはホスト材料
Aの結晶の配向を引き継ぐような状態で結晶となって生
成する。そして,上述したごとくホスト材料Aは加熱焼
結に先立つ押出および/または圧延において,配向され
た状態にある。以上により,本発明によれば,上記ゲス
ト材料Bの結晶そのものが配向し易いか,配向し難いか
にかかわらず,結晶配向したゲスト材料Bを得ることが
できる。なお,上記「押出および/または圧延」という
表現は,押出と圧延とを共に行うこと,またはいずれか
一方を行うことを示している。
【0043】また,上記エピタキシャル生成するゲスト
材料Bは全部であっても一部であってもよい。一部の場
合には,ホスト材料Aの表面および/または内部以外で
無配向に生成したゲスト材料Bが存在する。
【0044】また,本発明においては添加剤を使用す
る。このため,ホスト材料Aは上記添加剤と反応して,
製造プロセス中にゲスト材料Bまたはゲスト材料Cに転
換される。よって,本発明によれば,全体として単相の
ゲスト材料Bからなる結晶配向セラミックスを得ること
ができる。または,等方性ペロブスカイト型構造単相で
あり,かつゲスト材料Bとゲスト材料Cとからなる結晶
配向セラミックスを得ることができる。なお,ゲスト材
料Bとゲスト材料Cとが異なる化合物である場合,通常
は等方性ペロブスカイト構造の固溶体Eが生成すること
が多い。
【0045】なお,原料Qよりゲスト材料Bが生成する
過程とホスト材料Aが添加剤によりゲスト材料B,ゲス
ト材料Cに転換される過程とは必ずしも時間的または温
度的に明確に区別できるものではなく,一部は並行して
進行するものと考えられる。
【0046】以上により,本請求項によれば,上記ゲス
ト材料B,上記ゲスト材料C,または上記固溶体Eその
ものが配向し易いか,配向し難いかにかかわらず,上記
ホスト材料Aの結晶配向を引き継いで結晶配向セラミッ
クスとなることができる。よって,本請求項によれば,
押出および/または圧延,加熱焼結等の安価で容易な操
作により,また特別なプロセス,特別な装置等を使用す
ることなく,等方性ペロブスカイト構造という配向結晶
を作製し難い物質より結晶配向セラミックスを得ること
ができる。
【0047】また,本発明において,ホスト材料Aは形
状異方性を有することから,上記ホスト材料Aを製造工
程中にバルク体となすことは大変容易である。そして,
ゲスト材料Bはホスト材料Aの表面および/または内部
において生成し,また添加剤の使用によりホスト材料A
はゲスト材料B,ゲスト材料C,固溶体Eに転換でき
る。このことから,本発明においてはバルク体の結晶配
向セラミックスを容易に作製することができる。
【0048】以上のごとく,本発明によれば,容易かつ
安価に製造することができ,更にはバルク体を製造可能
な,結晶配向セラミックスの製造方法を提供することが
できる。
【0049】なお,上記圧延に先立って上記ホスト材料
A,ゲスト材料B,原料Q,添加剤等よりなる混合物を
予め配向成形にて成形し,得られた成形体を圧延するこ
とが好ましい。圧延は冷間でも温間でも良いが,成形体
中のバインダーが軟化する温間(例えば80〜200
℃)で行うことが,少ない圧延回数で高い圧下率を得ら
れるため,より望ましい。これにより,更に結晶配向度
が高く,かつバルク体の結晶配向セラミックスを容易に
作製することができる。なお,上記配向成形としては,
ドクターブレード,押出成形,湿式または乾式の一軸プ
レス成形等を挙げることができる。
【0050】また,配向成形の方法を適宜選択すること
により一軸配向または二軸配向した結晶配向セラミック
スを得ることができる。押出成形を選択した場合には圧
延を行わなくとも十分な配向が得られることがある。な
お,上記配向成形に当たって得られた成形体を円筒の周
りに巻きながら積層し,これを加熱,焼結させ,円筒状
の結晶配向セラミックスを作製することもできる。
【0051】ところで,本請求項における圧延は圧下率
10%以上にて行うことが好ましい。これにより,一層
結晶配向度の高い結晶配向セラミックスを得ることがで
きる。上記圧下率が10%未満である場合には,結晶配
向度の低い結晶配向セラミックスしか得ることができな
いおそれがある。また,上記圧下率は一度の圧延操作で
達成する必要はない。何度か圧延を施し,最終的な圧下
率が10%以上となればよい。
【0052】なお,上記圧下率とは,後述の図5に示す
ごとく,圧延を施す前の成形体の厚みをH0 ,圧延を終
えた成形体の厚みをH1 とした場合,(H0 −H1 )/
0にて定義される値である。
【0053】次に,上記ホスト材料Aについて説明す
る。上記ホスト材料Aは形状異方性を有するが,その形
状異方性の程度は大きいことが好ましい。具体的に表現
すると,例えば板状,柱状,針状,鱗状の粉末のよう
に,長軸寸法と短軸寸法との比(アスペクト比)の大き
い粒子状の材料を用いることが好ましい。
【0054】そして,上記ホスト材料Aはアスペクト比
において5以上であることが好ましい。これにより,結
晶配向度のより高い結晶配向セラミックスを得ることが
できる。なお,上記アスペクト比が10以上であること
は更に好ましい。
【0055】また,上記長軸寸法は0.5μm以上であ
ることが好ましい。これにより,前述した界面エネルギ
ーの利得を大きくすることができ,上記ホスト材料Aの
表面および/または内部でのゲスト材料Bのエピタキシ
ャル生成を一層容易とすることができる。また,上記ゲ
スト材料Bの生成量を多くすることができる。また,配
向したゲスト材料Bが粒成長により配向していないゲス
ト材料Bを粒内に取り込んでいくことが容易となる。な
お,上記長軸寸法は5μm以上であることが更に好まし
い。
【0056】また,上記ホスト材料Aは,結晶配向性を
有し,層状ペロブスカイト型構造を有する物質を液相ま
たは気相中で合成することにより容易に得ることができ
る。特にアスペクト比の大きなホスト材料Aを得るため
には,高温の融液中で合成するフラックス法,水熱法,
または過飽和溶液中で析出させる方法を採用することが
好ましい。これらの場合,液相は合成時に微量存在する
だけで十分効果を発揮する。また,予めゲスト材料B,
ゲスト材料C,固溶体E,添加剤等をその表面にエピタ
キシャル成長させた複合粉末をホスト材料Aとして用い
ることもできる。また,上記ホスト材料Aとしては,金
属酸化物,金属水酸化物,金属塩,金属等を使用するこ
とができる。
【0057】次に,等方性ペロブスカイト型構造のゲス
ト材料Bを得るに当たり,ホスト材料Aとして使用可能
な物質について説明する。上記ホスト材料Aは,該ホス
ト材料Aの結晶における少なくとも一つの結晶面の二次
元結晶格子が,ゲスト材料Bの結晶における少なくとも
一つの結晶面の二次元結晶格子と格子整合性があること
が必要である。この条件を満たす物質であればいかなる
ものでもホスト材料Aとして使用することができる。
【0058】更に,あるゲスト材料Bに対してより好ま
しいホスト材料Aとは,該ホスト材料Aを構成する粒子
の最も面積の広い面を構成する結晶面(例えば,柱状の
粉末であれば,柱の側面を与える結晶面)において,上
記ゲスト材料Bの少なくとも一つの結晶面との間に格子
整合性を有する物質である。
【0059】即ち,ホスト材料Aにおける結晶格子をテ
ンプレートとしてゲスト材料Bの結晶がエピタキシャル
生成するためには,両者は少なくとも各々一つの結晶面
の二次元格子が格子整合性を有していなくてはならな
い。そして,最も面積の広い面において格子整合性を得
ることができれば,ゲスト材料Bの生成が効率よく行な
われる。
【0060】なお,上記格子整合性の例を挙げる。例え
ば,上記ホスト材料Aが金属酸化物である場合には,該
ホスト材料Aの結晶格子において,酸素が存在する格子
点の少なくともひとつ,または金属元素が存在する格子
点の少なくともひとつが,上記ゲスト材料Bのある結晶
面の二次元結晶格子における相似の格子点に当たるとい
うことである。
【0061】ここに格子整合性とは,ホスト材料Aとゲ
スト材料Bの相似位置における格子寸法の差を基準とな
るホスト材料Aの格子寸法で割った値である。この格子
整合性の値が20%以下となるゲスト材料Bとホスト材
料Aの組み合わせが好ましい。これにより,ホスト材料
Aとゲスト材料Bの間に低い界面エネルギーが実現し易
くなり,エピタキシャル合成を一層容易とすることがで
きる。なお,上記格子整合性の値が10%以下となる場
合はより好ましい。
【0062】更に,あるゲスト材料Bに対して最も好ま
しいホスト材料Aとは,ゲスト材料Bの結晶構造におい
て最も強い化学結合と相似の化学結合を有するホスト材
料Aである。このようなホスト材料Aを使用することに
より,ホスト材料Aの特定の面とゲスト材料Bの特定の
面の間の界面エネルギーを更に小さくすることができ
る。このため,一層ゲスト材料Bのエピタキシー生成を
容易とすることができる。
【0063】ところで上記ゲスト材料Bは等方性ペロブ
スカイト型構造である。一般的に等方性ペロブスカイト
型構造における最も強い化学結合とは,酸素八面体の中
心に位置するTi,Zr,Sn,Nb,Ta ,Mn,F
e,Sb,Mg,Zn等の金属元素と酸素とが交互に結
合した結合鎖である。なお,上記結合鎖は三方向に延び
ている。
【0064】従って,三方向に連結する上記結合鎖のう
ち二方向を含む面,即ち,等方性ペロブスカイト型構造
を擬立方晶とみなした場合,{100}面と相似の結晶
面を有するホスト材料Aを用いることが最も好ましい。
なお,擬立方晶とは,立方晶より僅かに歪んだ結晶格子
をさしている。等方性ペロブスカイト型構造は正確には
立方晶でない物質を多数含んでいるが,本明細書ではこ
れを立方晶と近似し,擬立方晶として議論をすすめる。
【0065】より具体的に述べると,上記ゲスト材料B
が等方性ペロブスカイト型構造であることから,Ti,
Zr,Sn,Nb,Ta ,Mn,Fe,Sb,Mg,Z
n等の金属元素と酸素とが交互にならぶ結合鎖が直角ま
たは直角に近い角度で二本交差した結晶面を持つ物質を
ホスト材料Aとして用いることが好ましい。上述の条件
に適合する金属酸化物としては,いわゆる層状ペロブス
カイト型構造を有する物質を挙げることができる。即
ち,上記層状ペロブスカイト型構造は層間の結合が比較
的弱いために結晶異方性を有する。また,上記層状ペロ
ブスカイト型構造は等方性ペロブスカイト型構造と共通
の金属元素−酸素結合骨格面を有する。従って,本発明
においては,ホスト材料Aとして層状ペロブスカイト型
構造の物質を採用したのである。
【0066】上記層状ペロブスカイト型構造を有する物
質の中で最も一般的な物質は,Bi2 2 層が数層のペ
ロブスカイト層を挿んだ構造を有する,いわゆるビスマ
ス層状化合物である。上記ビスマス層状化合物の具体例
としては,Bi4 Ti3 12(チタン酸ビスマス),B
iVO5.5 ,Bi2 WO6 等の化合物が挙げられる。
【0067】なお,一般的に(Bi2 2 2+(Am-1
m 3 m+1 2-で表される物質を挙げることもでき
る。この場合の,AはNa,Sr,Pb,Bi,希土類
元素等1〜3価の金属元素,BはTi,Nb,Ta等の
金属元素である。また,上述のカテゴリーに含まれる物
質としては,SrBi2 Nb2 9 ,SrBi2 Ta2
9 ,BaBi2 Nb2 9 ,BaBi2 Ta2 9
BaBi3 Ti2 NbO12,PbBi2 Nb2 9 ,P
bBi2 Ta2 9 ,SrBi4Ti4 15,BaBi
4 Ti4 15,PbBi4 Ti4 15,Sr2 Bi4
5 18,Pb2 Bi4 Ti5 18等の多くの化合物を
挙げることができる。また,高温超電導材料として知ら
れる銅を含む一連の層状ペロブスカイト型構造の化合物
も上記カテゴリーに含まれる。これら一連の化合物はい
ずれも本発明にかかるホスト材料Aとして利用すること
ができる。
【0068】また,Biを含まない層状ペロブスカイト
型構造を有する物質で,上記ホスト材料Aとして使用で
きる物質は,Sr2 TiO4 ,Sr3 Ti2 7 ,Sr
4 Ti3 10,Ca3 Ti2 7 ,Ca4 Ti3 10
Sr2 RuO4 ,(La,Sr)2 MnO4 ,(La,
Sr)2 CrO4 ,K2 NiF4 等の,いわゆるRud
dlesden−Popper型化合物が挙げられる。
【0069】なお,以上に示したホスト材料Aは融液ま
たは溶液の存在下で合成することにより容易に板状形状
を呈することができるため,より好ましい。このような
ホスト材料Aからはより結晶配向度の高い結晶配向セラ
ミックスを得ることができる。
【0070】例えば,Bi4 Ti3 12の原料である酸
化ビスマスと酸化チタンを溶融塩中で加熱することによ
り,本発明のホスト材料Aとして使用することができる
板状の粒子よりなる粉末を得ることができる。また,酸
化ビスマスの量を化学量論比以上として酸化チタンと混
合し,酸化ビスマスの融点以上の温度で熱処理してもよ
い。また,酸化ビスマスと酸化チタンを溶解した水溶液
またはゾルをオートクレーブ中で加熱してもよい。
【0071】次に,ゲスト材料Bについて説明する。上
記ゲスト材料Bとしては,SrTiO3 等の誘電体,B
aTiO3 ,PbTiO3 ,Pb(Zr,Ti)O3
KNbO3 ,Bi0.5 Na0.5 TiO3 ,Bi0.5
0.5 TiO3 ,Pb0.5 Bi0.5 Ni0.25Ti0.753
等の強誘電体,PbZrO3 ,NaNbO3 等の反強誘
電体,PbMg1/3 Nb2/3 3 ,PbZn1/3 Nb
2/3 3 ,(Pb,La)(Zr,Ti)O3 等の緩和
型強誘電体,(La,Ca)MnO3 等の磁性体,Ba
2 LnIrO6 (Ln=La,Ce,Pr,Eu,H
o,Er,Yb,Lu)等の半導体を挙げることができ
る。
【0072】また,これ以外にも,SrTiO3 ,Ca
TiO3 ,Ca(Ti,Al,Ta)O3 ,(Pb,S
r)TiO3 ,(Pb,Ca)TiO3 ,(Pb,S
r,Ca)TiO3 ,(Pb,Sr)(Zr,Ti)O
3 ,(Pb,Ca)(Zr,Ti)O3 ,(Pb,S
r,Ca)(Zr,Ti)O3 ,(Ba,Sr)TiO
3,(Ba,Ca)TiO3 ,(Ba,Sr,Ca)T
iO3 ,(Sr,Ln)TiO3 ,(Ca,Ln)Ti
3 (ただし,Lnは希土類元素である。)およびこれ
らと他のペロブスカイト系化合物との固溶体を挙げるこ
とができる。なお,原料Qではなくゲスト材料Bをホス
ト材料Aと混合して結晶配向セラミックスを作製する場
合には,該ゲスト材料Bとして,ホスト材料Aの長軸方
向よりも小さい粉末を使用することが好ましい。
【0073】勿論,これらの化学式で挙げた材料に留ま
らず,ほとんど全ての等方性ペロブスカイト型構造を有
する物質に対し,本発明にかかる製造方法を利用して結
晶配向セラミックスを製造することができる。また,こ
れらの物質の間の固溶体についても同様に適用すること
ができる。
【0074】ただし,本発明の効果を最大に活かすため
には,通常の製造方法では結晶配向セラミックスを得難
い物質を選択することが好ましい。例えば,共にペロブ
スカイト型構造であるPbTiO3 とBiFeO3 の固
溶体はキュリー温度での相転移に伴う歪みが大きいた
め,焼結後の冷却過程で破壊が生じやすく,従来方法に
おいては通常の多結晶セラミックスさえ得ることが困難
であった。しかしながら,本発明の製造方法によれば,
PbTiO3 とBiFeO3 の固溶体よりなる結晶配向
セラミックスを得ることが可能となる。
【0075】次に,上記原料Qとしては,ゲスト材料B
の原料となる単純酸化物,水酸化物,炭酸塩,硝酸塩,
硫酸塩,有機酸塩,アルコキシド等,いかなるものでも
使用することができる。
【0076】例えば,上記ゲスト材料Bとして,BaT
iO3 ,PbTiO3 ,Pb(Zr,Ti)O3 ,Bi
0.5 Na0.5 TiO3 ,Bi0.5 (Na,K)0.5 Ti
3等を選択した場合には,TiO2 ,PbO,ZrO
2 ,Bi2 3 等の酸化物,Na2 TiO3 ,K2 Ti
3 等の複合酸化物,BaCO3 ,Na2 CO3 ,K2
CO3 等の炭酸塩を用いることができる。
【0077】次に,上記添加剤について説明する。上記
添加剤の添加は特に以下示すケースにおいて有効であ
る。即ち,上記原料Qをゲスト材料Bが生成する化学量
論比と同じ組成とした場合,例えば,ホスト材料Aとし
てチタン酸ビスマス,ゲスト材料Bとしてチタン酸ナト
リウムビスマスを選び,原料Qとしてモル比でBi:N
a:Ti=1:1:2となる元素を含む,Bi2 3
Na2 CO3 ,TiO2 よりなる混合物を使用した場合
を仮定する。
【0078】この場合には,層状ペロブスカイト型構造
のチタン酸ビスマスまたはチタン酸ビスマスとチタン酸
ナトリウムビスマスとが反応して生成した層状チタン酸
ナトリウムビスマスと,ペロブスカイト化合物のチタン
酸ナトリウムビスマスであるゲスト材料Bとの複合物質
が生成する。
【0079】しかし,例えば,ホスト材料Aのチタン酸
ビスマスに対し,Bi2 3 ,Na2 CO3 ,TiO2
よりなる混合物であり,上記と同一の混合比を有する原
料Qを用いた場合,添加剤として,例えばNa2 CO3
とTiO2 との混合物を,Bi4 Ti3 12:Na2
3 :TiO2 =1:2:5になる比で添加すると仮定
する。
【0080】これにより,上記添加剤はホスト材料Aの
チタン酸ビスマスと反応し,これを消失せしめ,かわり
にゲスト材料Bであるチタン酸ナトリウムビスマスを生
成する。このため,添加剤を使用することにより,単相
の結晶配向セラミックスを得ることができる。
【0081】このように上記添加剤の種類はホスト材料
A,ゲスト材料B,原料Qの種類に大きく依存するた
め,特に例示することはしない。なお,例えば後述の実
施形態例5のように原料Qの成分と共通の物質を利用す
ることができる。
【0082】また,上記添加剤を加えることにより,ゲ
スト材料B以外に,ゲスト材料Cを生成することもでき
る。この場合,得られた結晶配向セラミックスはゲスト
材料Bとゲスト材料Cとが組成的に混在した状態とな
り,これは特に二種類の物質の固溶体Eよりなる結晶配
向セラミックスを得る方法として利用することができ
る。
【0083】なお,ホスト材料Aと原料Qと添加剤とを
用いて,ゲスト材料Bとゲスト材料Cとからなる結晶配
向セラミックスが生成された例を以下に示す。ホスト材
料Aとしてチタン酸ビスマス,原料QとしてBi
2 3 ,Na2 CO3 ,TiO2 ,添加剤として,K2
CO3 ,TiO2 を用いる。この場合,ホスト材料Aが
添加剤との反応により消失した。従って,結晶配向セラ
ミックスはゲスト材料BのBi0.5 Na0.5 TiO
3 と,ゲスト材料CのBi0.5 0.5 TiO3 との固溶
体EであるBi0.5 (Na,K)0.5 TiO3 よりな
る。
【0084】上記ホスト材料A,上記原料Q,ゲスト材
料B,ゲスト材料Bと原料Qとの混合物の混合について
説明する。上記混合は乾式で行うことができる。また,
水または有機溶媒中でボールミルや攪拌機を用いて混合
することもできる。なお,Na2 CO3 のように水溶性
のホスト材料Aを用いる場合には有機溶媒中での混合が
望ましい。また,圧延が容易にできるように,混合段階
で結合剤および可塑剤を添加することが望ましい。
【0085】乾式で混合を行う場合には,混合後上記ホ
スト材料Aおよび原料Qが偏析し難い条件にて液体成分
の除去を行う必要がある。この液体成分除去の手段とし
て吸引濾過,蒸発乾燥を採用する場合には,これをすみ
やかに行う必要がある。また,上記液体成分除去手段と
してはスプレードライヤーを用いることが好ましい。。
また,上記混合において,分散剤,結合剤,可塑剤等を
同時に添加,混合することができる。
【0086】上記ホスト材料Aの体積は最終的に得られ
る結晶配向セラミックス100%に対し,5%以上とす
ることが好ましい。これにより,結晶配向セラミックス
の結晶面または結晶軸に依存する特性を実用上,意味あ
る程度にまで高めることができる。
【0087】上記ホスト材料Aの体積を5%以上とした
場合には,結晶配向セラミックスのLotgering
法による結晶配向度を10%以上とすることができる。
更に,上記ホスト材料Aの体積を20%以上とした場合
には,結晶配向セラミックスの結晶配向度を30%以上
とすることができる。
【0088】上記ホスト材料Aの体積が多いほど,該ホ
スト材料Aを構成する粉末間の間隙が小さくなることか
ら,結晶配向度を高めることができる。しかしながら,
ホスト材料Aの体積が増大した分,ゲスト材料Bそのも
のの体積が減少するため,上記ホスト材料Aの体積の上
限は80%とすることが好ましい。
【0089】次に,上記加熱焼結は二工程に分けて行な
うことが好ましい。この場合,一工程目で結合剤・可塑
剤等の燃焼除去と,ゲスト材料B,ゲスト材料C,固溶
体Eの少なくとも一部を生成させる。そして,上記一工
程目終了後に静水圧成形処理を行う。更に,二工程目で
焼結緻密化と粒成長を行う。
【0090】原料の一部に上記ゲスト材料Bの原料Qを
用いた場合には一工程目において得られた熱処理体の密
度が低いため,上記静水圧成形処理により,一工程目に
おいて得られた熱処理体の密度が高まり,その後の二工
程目のプロセスでより高密度の結晶配向セラミックスを
得ることができる。一工程目において得られた熱処理体
の密度が十分高い場合には,上記静水圧成形処理は必ず
しも必要としない。
【0091】なお,上記加熱焼結は通常の電気炉,ガス
炉,マイクロ波加熱炉,パルス通電焼結炉,ミリ波加熱
炉等,いずれを用いてもよい。特にホスト材料A等が酸
化物よりなる場合は酸素を含む雰囲気中(大気雰囲気)
での熱処理が望ましく,更に好ましいのは酸素雰囲気中
での加熱焼結である。
【0092】また,上記加熱焼結の後に,上記ゲスト材
料Bの粒成長を行う粒成長工程を行うことが好ましい。
これにより,ホスト材料Aの表面以外の部分において生
成した無配向のゲスト材料Bを,エピタキシー生成によ
り配向した状態にあるゲスト材料Bが粒成長の過程にお
いて取り込むことができる(オストワルド粒成長)。よ
って,結晶配向セラミックスの結晶配向度をより高める
ことができる。
【0093】次に,請求項3の発明は,形状異方性を有
し,層状ペロブスカイト構造を有するホスト材料Aを準
備し,一方,上記ホスト材料Aを,等方性ペロブスカイ
ト構造を有する材料Dに転換するための添加剤を準備
し,上記ホスト材料Aと上記添加剤とを混合し,押出お
よび/または圧延し,次いで加熱焼結することを特徴と
する結晶配向セラミックスの製造方法にある。
【0094】本請求項において,添加剤の作用によりホ
スト材料Aは材料Dへと転換される。そして,ホスト材
料Aは形状異方性を有することから容易に結晶方向を配
向させることができる。従って,上記材料Dの結晶その
ものが配向し易いか,配向し難いかにかかわらず,上記
材料Dはホスト材料Aの結晶の配向を引き継いで配向し
た状態となる。
【0095】よって,本請求項によれば,請求項2と同
様に,押出および/または圧延,加熱焼結等の安価で容
易な操作により,また特別なプロセス,特別な装置等を
使用することなく,等方性ペロブスカイト構造という配
向結晶を作製し難い物質より結晶配向セラミックスを得
ることができる。
【0096】なお,上記添加剤としては,請求項2と同
様の物質を使用することができ,材料Dとしても請求項
2に挙げたゲスト材料B,材料Cと同様の物質を挙げる
ことができる。なお,製造工程の種々の条件等について
も請求項2と同様である。
【0097】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる結晶配向セラミックスにつ
き,図1〜図3を用いて説明する。本例にかかる結晶配
向セラミックスは,Lotgering法による結晶配
向度が10%以上であり,等方性ペロブスカイト型構造
を有し,更にBiを含有する酸化物よりなる。
【0098】本例にかかる結晶配向セラミックスの製造
方法につき説明する。本例にかかる製造方法において
は,ホスト材料Aとしてチタン酸ビスマス(Bi4 Ti
3 12)を使用した。原料Qとして,Bi2 3 ,Na
2 CO3 ,TiO2 の3種類の物質をモル比にてBi:
Na:Ti=1:1:2となるよう混合した混合物を使
用した。また,上記原料Qより生成するゲスト材料Bは
チタン酸ナトリウムビスマス(Bi0.5 Na0.5 TiO
3 )である。
【0099】酸化ビスマス,酸化チタンの粉末を塩化ナ
トリウム,塩化カリウムの粉末と混合し,1050℃に
加熱し,図1に示すごとく,チタン酸ビスマスの板状粒
子よりなる粉末を合成した。これがホスト材料Aであ
る。なお,図1は走査型電子顕微鏡(SEM)により撮
影された写真である。
【0100】一方,ホスト材料Aと原料Qとを,上記ホ
スト材料Aと上記原料Qより生じると仮定されるゲスト
材料Bとの間においてTiの比が1:4となるように秤
量した。次に,上記ホスト材料Aと原料Qとをエタノー
ル中でボールミル混合した。次に,得られた混合物を乾
燥させ粉末とした。上記粉末を一軸加圧成形により成形
体とした。上記成形体の中において上記ホスト材料Aは
配向した状態にある。その後,上記成形体に対し更に静
水圧変形を加えた。
【0101】次に,上記成形体を酸素雰囲気中,800
℃で2時間加熱した。更に,1100℃,2時間で加熱
して,焼結体とした。その後,上記焼結体の表面を研削
し,本例にかかる結晶配向セラミックスを得た。
【0102】次に,上記結晶配向セラミックスについて
X線回折で調べた。この結果につき図2に示した。な
お,図中のPer( )は擬立方晶として表記した
ペロブスカイト相のミラー指数であり,例えばPer
(100)とはペロブスカイト相の(100)面を意味
する。また,比較対照のため,上記結晶配向セラミック
スと同成分であり,無配向の状態にあるチタン酸ナトリ
ウムビスマスについてX線回折で調べ,この結果につき
図3に示した。
【0103】図2,図3によれば,本例にかかる結晶配
向セラミックスの(110)面および(200)面にお
ける回折強度のピークαの(110)面における回折強
度のピークβに対する比,即ちα/βが比較対照のため
に用いた上記無配向のチタン酸ナトリウムビスマスにお
けるα/βと比較して大きな値となったことが分かっ
た。なお,上記結晶面はチタン酸ナトリウムビスマスを
擬立方晶とみなして記述した。また,上記結晶配向セラ
ミックスにおける{100}面の結晶配向度をLotg
ering法に基づいて計算したところ34%であっ
た。
【0104】これにより,本例の製造方法により{10
0}面の配向した等方性ペロブスカイト型構造を有する
結晶配向セラミックスが得られたことが分かった。な
お,上記結晶配向セラミックス中のホスト材料AのX線
回折ピークがチタン酸ビスマスの回折ピークとは異なっ
ているが,これは,ホスト材料Aとゲスト材料Bとの反
応により層状ペロブスカイト化合物であるNa0.5 Bi
4.5 Ti4 15が生じたためである。
【0105】実施形態例2 本例は,ドクターブレード法を利用して作製したチタン
酸ナトリウムビスマスよりなる結晶配向セラミックスで
ある。本例においては,ホスト材料Aとしてチタン酸ビ
スマス(Bi4 Ti3 12)を使用した。原料Qとし
て,Bi2 3 ,Na2 CO3 ,TiO2 の3種類の物
質を,モル比にてBi:Na:Ti=1:1:2となる
よう混合した混合物を使用した。また,上記原料Qより
生成するゲスト材料Bはチタン酸ナトリウムビスマス
(Bi0.5 Na0.5 TiO3 )である。
【0106】上記ホスト材料Aと上記原料Qとを,上記
ホスト材料Aと上記原料Qより生じると仮定される上記
ゲスト材料Bとの間においてTiの比が1:4となるよ
うに秤量した。次に,上記ホスト材料Aと上記原料Qと
に対し,エタノールとトルエンとを加えてボールミル混
合し,更にバインダーとしてポリビニルブチラール,可
塑剤としてジブチルフタレートを添加して混合し,混合
物である均一なスラリーを得た。
【0107】上記スラリーをドクターブレード装置によ
りテープ成形し,テープ成形体を得た。上記テープ成形
体の乾燥後の厚さは約0.1mmであった。次に,上記
テープ成形体を大気雰囲気中,600℃まで12時間昇
温後,600℃で2時間保持し,更に酸素雰囲気中,1
100℃で2時間加熱して,本例にかかる結晶配向セラ
ミックスを得た。
【0108】上記結晶配向セラミックスについてX線回
折で調べた。この結果につき図4に示した。同図によれ
ば,上記結晶配向セラミックスにおける(100)面お
よび(200)面のX線回折強度のピークは,実施形態
例1の図3に示した無配向のチタン酸ナトリウムビスマ
スと比較して,著しく大きくなっていることが分かっ
た。また,上記結晶配向セラミックスにおける{10
0}面の結晶配向度は66%であった。以上により,本
例に示した製造方法により結晶配向度の高い結晶配向セ
ラミックスが作製されたことが分かった。
【0109】実施形態例3 本例はドクターブレード法を利用して作製したチタン酸
ストロンチウムよりなる結晶配向セラミックスである。
本例において,ホスト材料Aとしてチタン酸ビスマス
(Bi4 Ti3 12,層状ペロブスカイト型構造)を使
用した。原料Qとしてフラックス法で合成した板状チタ
ン酸ビスマス粉末,チタンイソプロポキシド,硝酸スト
ロンチウムを使用した。そして,上記原料Qより生じる
ゲスト材料Bはチタン酸ストロンチウム(SrTi
3 ,等方性ペロブスカイト型構造)である。
【0110】まず,チタンイソプロポキシドのイソプロ
ピルアルコール溶液に板状チタン酸ビスマス粉末を分散
させ,攪拌しながら蒸留水を滴下して,チタンイソプロ
ポキシドの加水分解を行なった。
【0111】更に,大過剰の水を加えた後,加熱してイ
ソプロピルアルコールを除いた。次いで,水酸化カリウ
ムと硝酸ストロンチウムの水溶液を加え,密閉容器中で
180℃に加熱したところ,水熱合成反応によってチタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3 )の少なくとも一部
がチタン酸ビスマスを被覆する形態で合成された。
【0112】この粉末をドクターブレード成形によって
配向させ,1100℃で焼成を行なったところ,等方性
ペロブスカイト型構造の{100}面の結晶配向度が4
2%となる結晶配向セラミックスが得られたことが確認
できた。以上により,本例の製造方法によって,高い結
晶配向度を有する結晶配向セラミックスが得られたこと
が分かった。
【0113】実施形態例4 本例は,ホスト材料Aが製造工程中に消失し,殆ど残留
していない結晶配向セラミックスである。ホスト材料A
としてチタン酸ビスマス(Bi4 Ti3 12)を使用し
た。原料Qとして,Bi2 3 ,Na2 CO3 ,TiO
2 の3種類の物質を,モル比にてBi:Na:Ti=
1:1:2となるよう混合した混合物を使用した。ま
た,上記原料Qより生成するゲスト材料Bは,チタン酸
ナトリウムビスマス(Bi0.5 Na0.5 TiO3 )であ
る。
【0114】また,ホスト材料Aを消失せしめ,ゲスト
材料Cとなすための添加剤は2種類使用した。添加剤a
は,Bi2 3 ,K2 CO3 ,TiO2 の3種類の物質
を,モル比にてBi:K:Ti=1:1:2となるよう
混合した混合物である。添加剤bは,Na2 CO3 とT
iO2 との混合物である。また,上記ホスト材料Aが転
換したゲスト材料Cは,Bi0.5 (Na,K)0.5 Ti
3 である。
【0115】上記ホスト材料Aと上記原料Qとを,上記
ホスト材料Aと上記原料Qより生じると仮定される上記
ゲスト材料Bとの間において,Tiの比が1:1となる
ように秤量した。次に,上記ホスト材料Aと原料Qとに
対しエタノールとトルエンとを加えてボールミル混合
し,更にバインダーとしてポリビニルブチラール,可塑
剤としてジブチルフタレートを添加して混合し,混合物
である均一なスラリーを得た。
【0116】上記スラリーをドクターブレード装置によ
りテープ成形し,テープ成形体を得た。次に,上記テー
プ成形体を,大気雰囲気中,600℃まで12時間昇温
後,600℃で2時間保持し,熱処理体を得た。次に,
テープ形状をしている熱処理体を乳鉢で軽く粉砕した。
【0117】次に,上記粉砕した熱処理体と上記添加剤
aとを,上記熱処理体に対し最初に添加したホスト材料
Aと上記添加剤とがTiに換算した比で1:1となるよ
うに秤量した。更に,上記熱処理体を作製する際,最初
に添加したチタン酸ビスマスが反応し,チタン酸ナトリ
ウムビスマスを生じるに必要な量の添加剤b,Na2
3 とTiO2 とを添加した(即ち,Bi4 Ti
3 12:Na2 CO3 :TiO2 =1:2:5のモル
比)。以上により添加剤aと添加剤bと粉砕した熱処理
体とよりなる粉末を得た。
【0118】上記粉末に対し,エタノールとトルエンと
を加えてボールミル混合し,更にバインダとしてポリビ
ニルブチラール,可塑剤としてジブチルフタレートを添
加,混合し,混合物である均一なスラリーを得た。
【0119】上記スラリーをドクターブレード装置によ
りテープ成形し,テープ成形体を得た。上記テープ成形
体を乾燥し,次いでこれを20枚重ねて圧着し,大気雰
囲気中600℃まで12時間かけて昇温後,600℃,
2時間にて加熱し,焼結体とした。上記焼結体を酸化マ
グネシウムの粉末中に埋め,酸素雰囲気中で1100
℃,2時間ホットプレスした。以上により本例にかかる
結晶配向セラミックスを得た。
【0120】次に,上記結晶配向セラミックスをX線回
折で調べた。これにより,上記結晶配向セラミックス
は,チタン酸ビスマスに由来するX線回折強度のピーク
を持たない等方性ペロブスカイト型構造のBi0.5 (N
a,K)0.5 TiO3 のみより構成されていることが分
かった。また,上記結晶配向セラミックスにおける{1
00}面の結晶配向度は23%であった。以上により,
添加剤を用いることにより,ほぼゲスト材料Bよりなる
結晶配向セラミックスを得られることが分かった。ま
た,得られた結晶配向セラミックスはホスト材料Aを殆
ど含んでいないことが分かった。
【0121】実施形態例5 本例は,本発明にかかる結晶配向セラミックスの製造方
法とこれにより得られた結晶配向セラミックスにつき,
図5を用いて,説明するものである。本例にかかる結晶
配向セラミックスの製造方法とは,結晶配向性を有し,
層状ペロブスカイト型構造を有する粒子状のホスト材料
Aを準備する。一方,等方性ペロブスカイト型構造を有
するゲスト材料Bを生成可能な原料Qを準備する。
【0122】更に,上記ホスト材料Aをゲスト材料Bに
転換するための添加剤を準備する。次いで,上記ホスト
材料Aと原料Qと添加剤とを混合し,圧延し,次いで加
熱焼結する。以上により結晶配向セラミックスを得た。
【0123】本例においては,上記ホスト材料Aとして
はチタン酸ビスマス(Bi4 Ti312)を使用した。
原料Qとしては,Bi2 3 ,Na2 CO3 ,TiO2
を混合した混合物を使用した。添加剤としては,Na2
CO3 ,TiO2 を使用した。また,上記原料Qより生
成するゲスト材料Bは,チタン酸ナトリウムビスマス
(Bi0.5 Na0.5 TiO3 )である。なお,上記ホス
ト材料Aとして使用したチタン酸ビスマスは実施形態例
1と同様の方法にて製造されたものである。
【0124】以下,製造方法につき詳細に説明する。上
記ホスト材料A,原料Q,添加剤を混合し,混合物とし
た。この時,それぞれの物質は,Bi4 Ti3 12:B
2 3 :Na2 CO3 :TiO2 =4:7:15:4
8のモル比となるように秤量した。なお,この比率は,
元素のモル比に換算するとBi:Na:Ti=1:1:
2となり,ゲスト材料Bに含まれるこれらの元素のモル
比と一致する。
【0125】上記混合物にエタノールとトルエンを加え
てボールミル混合し,さらにバインダーとしてポリビニ
ルブチラール,可塑剤としてジブチルフタレートを添加
して混合し,得られた均一なスラリーをドクターブレー
ド装置によりテープ成形を施し,テープ成形体とした。
【0126】次に,上記テープ成形体を5枚重ね,10
0kg/cm2 の圧力で80℃×10分の条件にて積層
圧着を行った。得られた圧着体を,図5に示すごとく,
隙間を徐々に小さくした双ローラー20を用いて圧着体
10の厚みが当初の50%となるように圧延を施し,一
次圧延体11とした。
【0127】更に,上記一次圧延体を4枚積層して,前
と同じ条件で圧着,積層圧着体とした。その後,上記積
層圧着体を酸素雰囲気中で600℃まで12時間かけて
昇温後,600℃にて2時間保持し,脱脂体とした。こ
の脱脂体をさらに酸素雰囲気中で1100℃で10時間
保持した。以上により結晶配向セラミックスを得た。
【0128】上記結晶配向セラミックスについてX線回
折で調べたところ,チタン酸ビスマスのピークは存在せ
ず,代わりに等方性ペロブスカイト型構造の単相よりな
るBi0.5 Na0.5 TiO3 のピークが存在することが
分かった。また,上記焼結体の{100}面の結晶配向
度を計算したところ,表面は80%,内部は64%であ
った。なお,この焼結体の密度は,理論密度の80%で
あった。以上により,本例の製造方法によれば,高い結
晶配向度を有し,ほぼゲスト材料B単相からなる結晶配
向セラミックスを得られることが分かった。更に,上記
結晶配向セラミックスは表面も内部も共に高い結晶配向
度を有していることが分かった。
【0129】ところで,上記脱脂体を酸素雰囲気で11
00℃まで2時間加熱した。この焼結体をX線回折で調
べたところ,チタン酸ビスマスのピークは存在せず,代
わりに等方性ペロブスカイト型構造の単相よりなるBi
0.5 Na0.5 TiO3 のピークが存在することが分かっ
た。また,上記焼結体の{100}面の結晶配向度を計
算したところ,表面は23%,内部で16%あった。以
上により,ある程度加熱焼結の時間の長いほうが,より
配向度の高い結晶配向セラミックスを得られることが分
かった。
【0130】実施形態例6 本例は,実施形態例5において得られた積層圧着体に対
して更に圧延を施し,二次圧延体となし,これを焼結し
て結晶配向セラミックスを作製する方法について説明す
る。上記二次圧延体を得る際の圧延は,一次圧延体を得
る際に使用したものと同じ双ローラーを用い,上記積層
圧着体の厚みが更に2分の1となるまで行った。その
後,酸素雰囲気中で600℃まで12時間かけて昇温
後,600℃にて2時間保持後,1100℃で10時間
保持し,結晶配向セラミックスを得た。
【0131】上記結晶配向セラミックスをX線回折で調
べたところ,図6に示すごとく,チタン酸ビスマスのピ
ークは存在せず,代わりに等方性ペロブスカイト型構造
の単相よりなるBi0.5 Na0.5 TiO3 のピークが存
在することが分かった。また,上記結晶配向セラミック
スの{100}面の結晶配向度を計算したところ,表面
は80%,内部は69%であった。以上により,2度圧
延を加えることで,内部の結晶配向度がより高い結晶配
向セラミックスを得ることができることが分かった。
【0132】実施形態例7 本例は,実施形態例5において得られた脱脂体に対し静
水圧加圧処理を施し,これを加熱焼結して結晶配向セラ
ミックスを作製する。実施形態例5にて作製した脱脂体
に3000kg/cm2 の静水圧加圧処理を行い,密度
を約25%増加させた。この静水圧処理体を酸素雰囲気
中1100℃または1150℃で10時間保持し,結晶
配向セラミックスを得た。
【0133】上記結晶配向セラミックスについてX線回
折で調べた。なお,1150℃で焼成することにより得
られた結晶配向セラミックスのX線回折強度の回折パタ
ーンを図7に示した。いずれの焼結体にもチタン酸ビス
マスのピークは存在せず(図7参照),代わりに等方性
ペロブスカイト型構造の単相よりなるBi0.5 Na0.5
TiO3 のピークが存在した。
【0134】また,上記結晶配向セラミックスの{10
0}面の結晶配向度を計算したところ,1100℃およ
び1150℃で焼結したセラミックスの内部でそれぞれ
56%,80%であった。また,焼結体密度はそれぞれ
理論値の90%,96%であった。以上により,静水圧
加圧処理を施すことで,一層密度の高い結晶配向セラミ
ックスを得られることが分かった。
【0135】実施形態例8 本例はゲスト材料B,原料Qとして異なる物質を用い,
実施形態例7と同様にして作製した結晶配向セラミック
スである。本例においてホスト材料AとしてはBi4
3 12を使用した。原料QはBi2 3 ,TiO2
Na2 CO3 ,K2 CO3 を使用した。これより生成す
るゲスト材料BはBi0.5 (Na0.850.150.5 Ti
3 である。 また,加熱焼結の条件は1150℃,1
0時間である。その他は実施形態例7と同様にして結晶
配向セラミックスを製造した。
【0136】得られた結晶配向セラミックスについてX
線回折で調べたところ,等方性ペロブスカイト型構造よ
りなるBi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 のピー
クのみが観察された。また,上記結晶配向セラミックス
の{100}面の結晶配向度を計算したところ,焼結し
たセラミックスの内部で70%であった。また,焼結体
密度は理論値の96%であった。以上により,本例によ
れば,原料Qに応じたゲスト材料Bよりなる結晶配向セ
ラミックスが得られることが分かった。
【0137】実施形態例9 本例はゲスト材料B,原料Qとして異なる物質を用い,
実施形態例8と同様にして作製した結晶配向セラミック
スである。本例においてホスト材料Aとしては,Bi4
Ti3 12を使用した。原料QはBi2 3 ,Ti
2 ,Na2 TiO3 ,K2 TiO3 を使用した。これ
より生成するゲスト材料BはBi0.5 (Na
0.850.150.5 TiO3 である。上記の物質を用い,
実施形態例8と同様にして結晶配向セラミックスを製造
した。
【0138】得られた結晶配向セラミックスについてX
線回折で調べたところ,等方性ペロブスカイト型構造よ
りなるBi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 のピー
クのみが観察された。また,上記結晶配向セラミックス
の{100}面の結晶配向度を計算したところ,焼結し
たセラミックスの内部で58%であった。また,焼結体
密度は理論値の92%であった。
【0139】以上により,本例の製造方法によれば,あ
るゲスト材料Bに対応する原料Qの組み合わせは複数組
存在することが分かった。つまり,本例と実施形態例8
は共にBi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 よりな
る結晶配向セラミックスを得たが,本例は実施形態例8
において使用したNa2 CO3 及びK2 CO3 に代えて
Na2 TiO3 ,K2 TiO3 を使用した。
【0140】実施形態例10 本例はホスト材料A,ゲスト材料B,添加剤とを用いて
ゲスト材料B単相からなる結晶配向セラミックスを製造
するものである。Bi2 3 ,Na2 CO3 ,K2 CO
3 ,TiO2 を,Bi:Na:K:Ti=1:0.8
5:0.15:2となる比に秤量した混合物を,850
℃,2時間で熱処理した。これにより,チタン酸ナトリ
ウムカリウムビスマス(Bi0.5 (Na0.850.15
0.5 TiO3 )の粉末を合成した。
【0141】上記合成粉末を直径3mmのジルコニアボ
ールを用いてエタノール中で微粉砕し,チタン酸ナトリ
ウムカリウムビスマスBi0.5 (Na0.850.150.5
TiO3 の等軸形状微粉末を得た。
【0142】次に,実施形態例1で合成したチタン酸ビ
スマス(Bi4 Ti3 12)の板状粉末と,上記チタン
酸ナトリウムカリウムビスマス(Bi0.5 (Na0.85
0.150.5 TiO3 )の等軸形状微粉末と,Na2 CO
3 ,K2 CO3 ,TiO2 とが,Bi4 Ti3 12:B
0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 :Na2
3 :K2 CO3 :TiO2 =1:7:1.7:0.
3:5のモル比となるように秤量した。
【0143】これは,元素のモル比ではBi:Na:
K:Ti=1:0.85:0.15:2であり,この総
てが反応すれば,ペロブスカイト化合物Bi0.5 (Na
0.850.150.5 TiO3 となる組成比にあたる。
【0144】即ち,チタン酸ナトリウムカリウムビスマ
ス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の等軸
形状微粉末がゲスト材料B,チタン酸ビスマス(Bi4
Ti3 12)の板状粉末がホスト材料A,Na2 CO3
とK2 CO3 とTiO2 がホスト材料Aをゲスト材料B
に転換する添加剤にあたる。また,上記ホスト材料A,
ゲスト材料B,添加剤の他に炭酸マンガンを絶縁破壊防
止剤として加えた。上記絶縁破壊防止剤は,結果として
得られるペロブスカイト化合物(結晶配向セラミック
ス)1モルに対し,0.0005モルの割合で添加す
る。
【0145】これらの原料にエタノールとトルエンとを
加えてボールミル混合し,さらにバインダーとしてポリ
ビニルブチラールと,可塑剤としてジブチルフタレート
とを添加して混合した。得られた均一なスラリーをドク
ターブレード装置によりテープ成形し,テープ成形体を
得た。次いで,上記テープ成形体を室温で乾燥した。こ
れにより,上記テープ成形体は厚さが約100μmとな
った。
【0146】上記テープ成形体を22枚重ねて80℃,
100kg/cm2 の条件で圧着し,2軸ロールで厚み
が約2分の1になるまで圧延し,成形体とした。上記成
形体を酸素雰囲気中600℃または700℃で2時間加
熱して脱脂した。その後,酸素雰囲気中1200℃で5
時間常圧焼結した。以上により,本例にかかる結晶配向
セラミックスを得た。
【0147】また,上記脱脂された成形体に4000k
g/cm2 の静水圧成形処理を加えた。その後,酸素雰
囲気中1200℃で5時間常圧焼結した。以上により,
本例にかかる結晶配向セラミックスを得た。
【0148】得られた各結晶配向セラミックスの表面を
X線回折にて調べたところ,図8に示すように,ペロブ
スカイト型の単相回折ピークが観察された。そして,ペ
ロブスカイト型であるチタン酸ナトリウムカリウムビス
マス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の
(100)面および(200)面の回折ピークαの(1
10)面の回折ピークβ(いずれも擬立方晶として結晶
面を記述した)に対する比,即ちα/βが後述する無配
向のチタン酸ナトリウムカリウムビスマス(Bi
0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )粉末の回折ピー
ク比α/β(後述の図9参照)に比べて,著しく大きな
値となった。
【0149】また,得られた結晶配向セラミックスの
{100}面にかかる結晶配向度をLotgering
法に基づいて計算したところ,いずれの試料についても
95%以上であった。また,得られた各結晶配向セラミ
ックスの表面層を研削により削除した後,X線回折で調
べた結果についても,図10に示すごとく,Lotge
ring法による{100}面の結晶配向度が85%以
上であった。
【0150】以上により,原料Qに代えてゲスト材料B
をホスト材料Aに添加することによっても配向したゲス
ト材料Bよりなる結晶配向セラミックスを作製できるこ
とが分かった。また,本例においても添加剤を使用して
いるため,ほぼゲスト材料B単相よりなる結晶配向セラ
ミックスを得られたことが分かった。
【0151】また,上記結晶配向セラミックスの中で表
面の結晶配向度は98%である(相対密度は98.1
%)セラミックスを厚み0.5mm×直径11mmのペ
レットに加工した。そして,共振反共振法にて上記ペレ
ットの圧電特性を測定した。その結果はKp(面効果電
気機械結合係数)=0.403,Kt(厚み効果電気機
械結合係数)=0.444,d31(横効果圧電d定
数)=59.1pC/Nとなった。
【0152】つまり,後述する同じ条件で焼結した成分
がほぼ同じで無配向のセラミックスに比べて,上記結晶
配向セラミックスはKpで約4割,d31で約6割高い
特性を示した。以上により本例によれば,結晶配向度が
高く,ほぼゲスト材料Bのみよりなる結晶配向セラミッ
クスを作製することができ,また得られた結晶配向セラ
ミックスは各種圧電特性,誘電特性等に優れていること
が分かった。
【0153】次に,上記結晶配向セラミックスと比較対
照する無配向のセラミックスについて説明する。Bi2
3 ,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,TiO2 を,Bi:
Na:K:Ti=1:0.85:0.15:2となる比
に秤量した。これに,結果として得られるペロブスカイ
ト化合物1モルに対して0.0005モルとなるよう
に,炭酸マンガンを絶縁破壊防止剤として加えた。以上
の混合物をエタノール中でボールミルで混合した。
【0154】上記混合粉末を乾燥させた後,850℃,
2時間で熱処理し,チタン酸ナトリウムカリウムビスマ
ス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の粉末
を合成した。そして,上記合成粉末を直径3mmのジル
コニアボールを用いてエタノール中で微粉砕した。以上
により,チタン酸ナトリウムカリウムビスマス(Bi
0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の等軸形状微粉
末を得た。
【0155】上記粉末を圧力200MPaで一軸加圧し
て成形体とした。更に,上記成形体に4000kg/c
2 の静水圧成形処理を加えた。上記成形体を酸素雰囲
気中1200℃で5時間常圧焼結した。得られた常圧焼
結体の表面を研削し,X線回折で調べたところ,図9に
示すような回折パターンが観察され,上記常圧焼結体が
無配向のセラミックスであることが明らかとなった。ま
た,上記常圧焼結体は相対密度99.0%であることが
分かった。
【0156】この無配向の常圧焼結体を厚み0.5mm
×直径11mmのペレットに加工し,共振反共振法にて
圧電特性を測定したところ,Kp=0.289,Kt=
0.398,d31=37.1pC/Nであった。これ
により,原料を混合し,配向成形を施したとしても,そ
れだけでは結晶配向セラミックスを得られないことが分
かった。そして,このような無配向のセラミックスの圧
電特性,誘電特性は結晶配向セラミックスと比較して劣
っていることが分かった。
【0157】実施形態例11 本例はホスト材料A,ゲスト材料B,原料Q,添加剤と
を用いてゲスト材料B単相からなる結晶配向セラミック
スを製造するものである。実施形態例1で合成したチタ
ン酸ビスマス(Bi4 Ti3 12)の板状粉末,実施形
態例10で合成したチタン酸ナトリウムカリウムビスマ
ス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の等軸
形状微粉末,Bi2 3 ,Na2 CO3 ,K2 CO3
よびTiO2 とが,Bi4 Ti3 12:Bi0.5 (Na
0.850.150.5 TiO3 :Bi2 3 :Na2
3 :K2 CO3 :TiO2 =1:3:1:2.55:
0.45:9のモル比となるように秤量した。これは,
元素のモル比ではBi:Na:K:Ti=1:0.8
5:0.15:2であり,この総てが反応すれば,ペロ
ブスカイト化合物(Bi0.5 (Na0.850.150.5
iO3 )となる組成比にあたる。
【0158】即ち,チタン酸ナトリウムカリウムビスマ
ス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )の等軸
形状微粉末がゲスト材料B,Bi2 3 とNa2 CO3
とK2 CO3 とTiO2 がゲスト材料Bの原料Q,チタ
ン酸ビスマス(Bi4 Ti312)の板状粉末がホスト
材料A,Na2 CO3 とK2 CO3 とTiO2 がホスト
材料Aをゲスト材料Bに転換する添加剤にあたる。
【0159】これらの原料粉末にエタノールとトルエン
とを加えてボールミル混合し,さらにバインダーとして
ポリビニルブチラール,可塑剤としてジブチルフタレー
トを添加して混合し,得られた均一なスラリーをドクタ
ーブレード装置によりテープ成形し,テープ成形体を得
た。その後,上記テープ成形体を室温で乾燥し,厚さ約
100μmとした。
【0160】上記テープ成形体を22枚重ねて80℃,
100kg/cm2 の条件で圧着し,2軸ロールで厚み
が約2分の1になるまで圧延し,成形体とした。上記成
形体を酸素雰囲気中600℃または700℃で2時間加
熱して脱脂した。その後,酸素雰囲気中1150℃で1
0時間常圧焼結した。以上により,本例にかかる結晶配
向セラミックスを得た。
【0161】また,上記脱脂された成形体を3000k
g/cm2 または4000kg/cm2 の静水圧成形処
理を加えた。その後,酸素雰囲気中1150℃で10時
間常圧焼結した。以上により,本例にかかる結晶配向セ
ラミックスを得た。
【0162】得られた結晶配向セラミックスの表面をX
線回折にて調べたところ,ペロブスカイト型の単相回折
ピークが観察された。そして,ペロブスカイト型である
チタン酸ナトリウムカリウムビスマス(Bi0.5 (Na
0.850.150.5 TiO3 )の(100)面および(2
00)面の回折ピークαの(110)面の回折ピークβ
(いずれも擬立方晶として結晶面を記述した)に対する
比α/βが,無配向のチタン酸ナトリウムカリウムビス
マス(Bi0.5 (Na0.850.150.5 TiO3 )粉末
の回折ピーク比α/βに比ベ,著しく大きな値となっ
た。
【0163】また,上記結晶配向セラミックスの{10
0}面の結晶配向度をLotgering法により計算
したところ,いずれの条件で作製した結晶配向セラミッ
クスについても90%以上であった。なお,上記結晶配
向セラミックスの表面層を研削により削除した後,X線
回折で調べたところ,Lotgering法による{1
00}面の結晶配向度は80%以上であった。
【0164】以上により,原料Q及びゲスト材料Bの混
合物をホスト材料Aに添加することによっても配向した
ゲスト材料Bよりなる結晶配向セラミックスを作製でき
ることが分かった。また,本例においても添加剤を使用
しているため,ほぼゲスト材料B単相よりなる結晶配向
セラミックスを得られたことが分かった。
【0165】また,原料Qの成分の一部をゲスト材料B
を生成するに必要な量よりも多く添加して,これをもっ
てホスト材料Aを転換させることができることが分かっ
た。つまり,添加剤として原料Qの一部よりなるものを
選択できることが分かった。
【0166】また,上記結晶配向セラミックスの中で表
面の結晶配向度が93%(相対密度96.0%)である
ものを厚み0.5mm×直径11mmのペレットに加工
し,共振反共振法にて圧電特性を測定した。その結果
は,Kp=0.404,Kt=0.472,d31=5
7.7pC/N,g31(横効果圧電g定数)=11.
4mVm/Nであった。
【0167】つまり,後述する同じ条件で焼結した成分
がほぼ同じで無配向のセラミックスに比べて,本例の結
晶配向セラミックスはKpで約4割,d31とg31で
約6割高い特性を示した。また,誘電損失も,約4割低
い値を示した。以上により,本例によれば,結晶配向度
が高く,ほぼゲスト材料Bのみよりなる結晶配向セラミ
ックスを作製することができ,また得られた結晶配向セ
ラミックスは各種圧電特性,誘電特性等に優れることが
分かった。
【0168】次に,本例にかかる結晶配向セラミックス
と比較対照する無配向のセラミックスについて説明す
る。Bi2 3 ,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,TiO2
とを,Bi:Na:K:Ti=1:0.85:0.1
5:2となる比に秤量し,エタノール中でボールミル混
合した。混合後の乾燥粉末を,850℃,2時間で熱処
理し,チタン酸ナトリウムカリウムビスマス(Bi0.5
(Na0.850.150.5 TiO3 )の粉末を合成した。
【0169】そして,上記合成粉末を直径3mmのジル
コニアボールを用いてエタノール中で微粉砕し,等軸形
状微粉末を得た。このチタン酸ナトリウムカリウムビス
マス(Bi0.5 (Na0.850.150.5TiO3 )の等
軸形状微粉末を200MPaで一軸加圧し,さらに40
00kg/cm2 の静水圧成形処理を加え,成形体とし
た。この成形体を実施形態例11と同様に酸素雰囲気中
1150℃で10時間常圧焼結した。
【0170】得られた常圧焼結体の表面を研削し,X線
回折で調べたところ,相対密度は99.2%であった
が,無配向の焼結体であることが分かった。上記常圧焼
結体を厚み0.5mm×直径11mmのペレットに加工
し,共振反共振法にて圧電特性を測定したところ,Kp
=0.295,Kt=0.427,d31=36.7p
C/N,g31=7.0mVm/Nであった。これによ
り,原料を混合し,配向成形を施したとしても,それだ
けでは結晶配向セラミックスを得られないことが分かっ
た。そして,このようなセラミックスの圧電特性,誘電
特性は結晶配向セラミックスと比較して劣っていること
が分かった。
【0171】実施形態例12 本例はホスト材料A,原料Q,添加剤とを用いてゲスト
材料B単相からなる結晶配向セラミックスを製造するも
のである。
【0172】実施形態例1で合成したチタン酸ビスマス
(Bi4 Ti3 12)の板状粉末と,PbO,Bi2
3 ,NiO,TiO2 とが,Bi4 Ti3 12:Pb
O:Bi2 3 :NiO:TiO2 =4:30:7:1
5:33のモル比となるように秤量した。これは,元素
のモル比ではBi:Pb:Ni:Ti=2:2:1:3
であり,この総てが反応すれば,ペロブスカイト化合物
(Pb0.5 Bi0.5 Ni0.25Ti0.753 )となる組成
比にあたる。
【0173】即ち,Pb0.5 Bi0.5 Ni0.25Ti0.75
3 がゲスト材料Bであり,これをPBNTと呼ぶこと
にする。また,チタン酸ビスマス(Bi4 Ti3 12
の板状粉末がホスト材料A,PbO,Bi2 3 ,Ni
OおよびTiO2 がゲスト材料Bの原料Q,PbO,N
iOおよびTiO2 がホスト材料Aをゲスト材料Bに転
換する添加剤にあたる。また,この他に,結果として得
られるペロブスカイト化合物1モルに対し,0.000
5モルの炭酸マンガンを絶縁破壊防止剤として加えた。
【0174】これらの原料にエタノールとトルエンを加
えてボールミル混合し,さらにバインダーとしてポリビ
ニルブチラール,可塑剤としてジブチルフタレートを添
加して混合し,得られた均一なスラリーをドクターブレ
ード装置によりテープ成形し,テープ成形体を得た。そ
の後,上記テープ成形体を室温で乾燥し,厚さ約100
μmとした。
【0175】上記テープ成形体を20枚重ねて80℃,
100kg/cm2 の条件で圧着し,2軸ロールで厚み
が約2分の1になるまで圧延し,成形体とした。上記成
形体を酸素雰囲気中,600℃で2時間加熱し,脱脂を
行った。その後,酸素雰囲気中1100℃で5時間常圧
焼結した。以上により結晶配向セラミックスを得た。
【0176】得られた結晶配向セラミックスの表面を研
磨し,得られた研磨面をX線回折にて調べたところ,正
方晶ペロブスカイト型の単相回折ピークが観察された。
また,(100)面,(001)面および(200)
面,(200)面の回折ピーク(いずれも擬立方晶表示
の{100}面に由来する回折である)が大きく,上記
結晶配向セラミックスのLotgering法による結
晶配向度は14%であった。
【0177】本例においても,原料Qの成分の一部をゲ
スト材料Bを生成するに必要な量よりも多く添加して,
これをもってホスト材料Aを転換させることができるこ
とが分かった。つまり,添加剤として原料Qの一部より
なるものを選択できることが分かった。
【0178】実施形態例13 本例は,ホスト材料Aと添加剤とを用いて,Srを含む
結晶配向セラミックスを作製するものである。
【0179】まず,水酸化ストロンチウム,酸化チタン
の粉末を塩化ナトリウム,塩化カリウムの粉末と混合し
て1200℃に加熱し,層状チタン酸ストロンチウム
(Sr3 Ti2 7 )の板状粉末を合成した。この層状
チタン酸ストロンチウム(Sr3 Ti2 7 )板状粉末
とTiO2 をモル比でSr3 Ti2 7 :TiO2
1:1となるように秤量した。ここに,上記層状チタン
酸ストロンチウムがホスト材料A,上記TiO2 が上記
ホスト材料Aを材料Dに転換する添加剤である。
【0180】これらの原料粉末にトルエンとエタノール
とを加えて20時間ボールミル混合し,さらにバインダ
ーとしてポリビニルブチラール,可塑剤としてジブチル
フタレートを添加して混合し,得られた均一なスラリー
をドクターブレード装置によりテープ成形し,テープ成
形体を得た。その後,上記テープ成形体を室温で乾燥
し,厚さ約100μmとした。
【0181】上記テープ成形体を20枚重ねて,80
℃,100kg/cm2 の条件で圧着し,2軸ロールで
厚みが約2分の1になるまで圧延し,成形体とした。上
記成形体を酸素雰囲気中,600℃で2時間加熱し,脱
脂を行った。そして,酸素雰囲気中,1350℃で10
時間常圧焼結した。以上により結晶配向セラミックスを
得た。
【0182】得られた結晶配向セラミックスの表面をX
線回折にて調べたところ,{100}面の結晶配向度が
85%である単相SrTiO3 であることが分かった。
また,上記結晶配向セラミックスを表面研磨したとこ
ろ,研磨面の結晶配向度は80%となった。これによ
り,本例に示す製造方法においても高い結晶配向度を有
する結晶配向セラミックスを製造できることが分かっ
た。また,ホスト材料Aは添加剤により転換され,製造
された結晶配向セラミックス中には殆ど残留しないこと
が分かった。
【0183】実施形態例14 本例もSrを含む結晶配向セラミックスである。まず,
炭酸ストロンチウム,酸化チタンの粉末をSr:Ti=
1:1の比で秤量し,エタノール中でボールミル混合
し,乾燥した。得られた混合粉末を,1200℃,2時
間で熱処理し,チタン酸ストロンチウム(SrTi
3 )の粉末を合成した。上記合成粉末を直径3mmの
ジルコニアボールを用いてエタノール中で微粉砕した。
【0184】次に,実施形態例13において作製した層
状チタン酸ストロンチウム(Sr3Ti2 7 )板状粉
末と,上記チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )微
粉末と,TiO2 とを,モル比でSr3 Ti2 7 :S
rTiO3 :TiO2 =3:11:3となるよう秤量し
た。ここに,ホスト材料Aは層状チタン酸ストロンチウ
ム,添加剤はチタン酸ストロンチウムである。
【0185】これらの原料を実施形態例13と同様の工
程にて混合,テープ成形,圧着・圧延し,成形体とし
た。上記成形体を酸素雰囲気中,600℃で2時間加熱
し,脱脂を行った。そして,酸素雰囲気中,1350℃
で10時間常圧焼結した。以上により結晶配向セラミッ
クスを得た。
【0186】得られた結晶配向セラミックスの表面をX
線回折で調べたところ,{100}面の結晶配向度が6
2%の単相SrTiO3 であることが分かった。これに
より,本例に示す製造方法においても高い結晶配向度を
有する結晶配向セラミックスを製造できることが分かっ
た。また,ホスト材料Aは添加剤により転換され,製造
された結晶配向セラミックス中には殆ど残留しないこと
が分かった。
【0187】また,実施形態例13で作製した層状チタ
ン酸ストロンチウム(Sr3 Ti27 )板状粉末と,
上述した工程で作製したチタン酸ストロンチウム(Sr
TiO3 )微粉末と,SrCO3 と,TiO2 とを,モ
ル比で,Sr3 Ti2 7 :SrTiO3 :SrC
3 :TiO2 =1:3:4:5となるよう秤量した。
ここにホスト材料Aは層状チタン酸ストロンチウム,添
加剤はSrCO3 ,TiO2 である。
【0188】これらの原料を用いて,上述した工程と同
様の方法で混合,テープ成形,圧着・圧延し,成形体と
した。上記成形体を酸素雰囲気中,600℃で2時間加
熱し,脱脂を行った。そして,酸素雰囲気中,1350
℃で10時間常圧焼結した。以上により結晶配向セラミ
ックスを得た。
【0189】得られた結晶配向セラミックスの表面をX
線回折で調べたところ,{100}面の結晶配向度が5
3%の単相SrTiO3 であることが分かった。これに
より,添加剤として混合物を使用することもできること
が分かった。
【0190】また,上述した二つの単相SrTiO3
りなる結晶配向セラミックスに対する比較試料について
説明する。まず,炭酸ストロンチウム,酸化チタンの粉
末をSr:Ti=1:1の比で秤量し,エタノール中で
ボールミル混合し,乾燥した。得られた混合粉末を,1
200℃,2時間で熱処理し,チタン酸ストロンチウム
(SrTiO3 )の粉末を合成した。
【0191】上記合成粉末を直径3mmのジルコニアボ
ールを用いてエタノール中で微粉砕した。このチタン酸
ストロンチウム(SrTiO3 )の等軸形状微粉末を2
00MPaで一軸加圧し,さらに3000kg/cm2
の静水圧成形処理を加えて成形体とした。上記成形体を
酸素雰囲気中,1350℃で10時間常圧焼結した。得
られた常圧焼結体をX線回折にて調べたところ,無配向
のセラミックスであることが分かった。これにより,原
料を混合し,配向成形を施したとしても,それだけでは
結晶配向セラミックスを得られないことが分かった。
【0192】実施形態例15 本例はCaを含む結晶配向セラミックスである。まず,
炭酸カルシウム,酸化チタンの粉末を塩化ナトリウム,
塩化カリウムの粉末と混合して1400℃に加熱し,層
状チタン酸カルシウム(Ca3 Ti2 7 )の板状粉末
を合成した。
【0193】この層状チタン酸カルシウム(Ca3 Ti
2 7 )板状粉末と,固相法で合成したチタン酸カルシ
ウム(CaTiO3 )微粉末と,TiO2 とを,モル比
で,Ca3 Ti2 7 :CaTiO3 :TiO2 =1:
7:1となるように秤量した。ここにホスト材料Aは層
状チタン酸カルシウム,添加剤はチタン酸カルシウム及
びTiO2 である。
【0194】これら3種の原料粉末をエタノールとトル
エンとの混合溶媒中でボールミル混合し,更にバインダ
ーと可塑剤とを加えてボールミル混合を続けた後,ドク
ターブレード装置を用いてテープ成形を行い,厚さ約1
00μmのテープ成形体を作製した。
【0195】得られたテープ成形体を20枚重ねて圧着
後,双ローラーで圧延して厚さ約1mmの成形体を作製
した。上記成形体を酸素雰囲気中,600℃で1時間脱
脂し,さらに1400℃で10時間加熱した。以上によ
り結晶配向セラミックスを得た。
【0196】得られた結晶配向セラミックスの表面を研
削除去し,X線回折で調べたところ,Ca3 Ti2 7
の回折ピークは消失し,斜方晶CaTiO3 単相の回折
パターンが観察された。また,後述するCaTiO3
末のX線回折パターンを基準として,上記常圧焼結体の
擬立方晶表示で{100}面となる結晶面の結晶配向度
を計算したところ,60%となった。
【0197】これにより,本例に示す製造方法において
も高い結晶配向度を有する結晶配向セラミックスを製造
できることが分かった。また,ホスト材料Aは添加剤に
より転換され,製造された結晶配向セラミックス中には
殆ど残留しないことが分かった。
【0198】また,上述の斜方晶CaTiO3 よりなる
結晶配向セラミックスに対する比較試料について説明す
る。まず,炭酸カルシウム,酸化チタンの粉末をCaC
3 :TiO2 =1:1となるように秤量し,エタノー
ル中でボールミル混合し,1200℃に加熱した。これ
により得られた合成粉末を直径3mmのジルコニアボー
ルを用いてエタノール中で微粉砕した。得られた粉末を
200MPaで一軸加圧し,さらに3000kg/cm
2 の静水圧成形処理を加え,成形体とした。上記成形体
を酸素雰囲気中,1400℃で5時間焼結した。
【0199】得られた常圧焼結体の表面を研削し,X線
回折で調べたところ,斜方晶CaTiO3 単相の回折パ
ターンが得られたが,結晶配向は観察されなかった。こ
れにより,原料を混合し,配向成形を施したとしても,
それだけでは結晶配向セラミックスを得られないことが
分かった。
【0200】実施形態例16 本例もCaを含む結晶配向セラミックスである。実施形
態例15と同様の方法で合成した層状チタン酸カルシウ
ム(Ca3 Ti2 7 )板状粉末と,固相法で合成した
アルミニウムタンタル酸酸カルシウム(Ca(Al0.5
Ta0.5 )O3 )微粉末と,TiO2 とを,モル比で,
Ca3 Ti2 7 :Ca(Al0.5 Ta0.5 )O3 :T
iO2 =1:3:1となるように秤量した。ここにホス
ト材料Aは層状チタン酸カルシウム,添加剤はアルミニ
ウムタンタル酸酸カルシウム及びTiO2 である。
【0201】これら3種の原料をエタノールとトルエン
との混合溶媒中でボールミル混合し,更にバインダーと
可塑剤を加えてボールミル混合を続けた後,ドクターブ
レード装置を用いてテープ成形を行い,厚さ約100μ
mのテープ成形体を作製した。
【0202】上記テープ成形体を20枚重ねて圧着後,
双ローラーで圧延して厚さ約1mmの成形体を作製し
た。上記成形体を酸素雰囲気中,690℃で1時間脱脂
し,3000kg/cm2 で静水圧成形した後,さらに
1500℃で10時間加熱した。以上により結晶配向セ
ラミックスを得た。
【0203】得られた結晶配向セラミックスの表面を研
削除去し,X線回折で調べたところ,Ca3 Ti2 7
の回折ピークは消失し,斜方晶CaTi0.5 (Al0.5
Ta0.5 0.5 3 単相の回折パターンが得られた。ま
た,CaTi0.5 (Al0.5 Ta0.5 0.5 3 粉末の
X線回折パターンを基準として,上記常圧焼結体の擬立
方晶表示で{100}面となる結晶面の結晶配向度を計
算したところ,36%であった。これにより,添加剤と
して混合物を使用することもできることが分かった。
【0204】実施形態例17 本例は押出成形法を利用して作製したチタン酸ストロン
チウムよりなる結晶配向セラミックスである。本例にお
いては,実施形態例13と同じく,ホスト材料Aとして
層状チタン酸ストロンチウム(Sr3 Ti2 7 ),添
加剤としてTiO2 を使用した。そして,最終的にチタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3 )単相よりなる結晶
配向セラミックスを得た。
【0205】実施形態例13と同様に,ホスト材料Aと
添加剤とをモル比で1:1となるように秤量した。更
に,アクリル系バインダーであるセランダー(ユケン工
業製)と水とを加えて充分に混練し,スラリーを得た。
その後,上記スラリーに押出成形を施し,厚さ1mm,
幅40mmのテープ成形体とした。
【0206】上記テープ成形体を乾燥した後,酸素雰囲
気中,600℃,2時間加熱した。その後,脱脂を行
い,更に酸素雰囲気中,1350℃,10時間で常圧焼
結した。以上により結晶配向セラミックスを得た。
【0207】得られた結晶配向セラミックスの表面をX
線回折にて調べたところ,{100}面の結晶配向度が
90%である単相のSrTiO3 であることが分かっ
た。以上により,押出,加熱焼結というプロセスを利用
して高い配向度を有する結晶配向セラミックスを作製で
きることが分かった。
【0208】また,上記テープ成形体に更に圧延を加え
て厚さ0.8mmのテープ成形体とした。その後,上記
と同様に乾燥,脱脂,焼結を施して結晶配向セラミック
スとした。この結晶配向セラミックスの{100}面の
結晶配向度は92%であった。以上により,成形の後,
圧延を施すことによって,より高い配向度を有する結晶
配向セラミックスを作製できることが分かった。
【0209】実施形態例18 本例は温間圧延を利用して作製したチタン酸ナトリウム
ビスマス(Bi0.5 Na0.5 TiO3 )よりなる結晶配
向セラミックスである。本例においては実施形態例5と
同様に,ホスト材料Aとしてチタン酸ビスマス(Bi4
Ti3 12),原料QとしてBi2 3 ,Na2
3 ,TiO2 ,添加剤としてNa2 CO3 ,TiO2
を使用した。
【0210】そして,実施形態例5と同様に上記各種材
料をスラリーとし,このスラリーからテープ成形体を作
製した。上記テープ成形体を5枚重ねて,150℃に加
熱した双ローラーに通した。これにより厚みが当初の5
0%となるような圧延を施すことができた。以上のよう
にして得られた温間圧延体を実施形態例5と同様の条件
で脱脂,焼結した。以上により結晶配向セラミックスを
得た。
【0211】上記結晶配向セラミックスは表面の{10
0}面配向度が95%である単相のBi0.5 Na0.5
iO3 が得られた。これにより圧延を温間で行うことに
より,より高い配向度を有する結晶配向セラミックスを
作製できることが分かった。
【0212】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,強誘電
性,圧電性,焦電性,熱電性,磁性,イオン伝導性,電
子伝導性,巨大磁気抵抗効果等の結晶の方位に依存する
各種特性に優れた物質であって,特に結晶格子の異方性
が小さい物質よりなる結晶配向セラミックス及び該結晶
配向セラミックスを容易かつ安価に製造することがで
き,更にはバルク体を製造可能な,結晶配向セラミック
スの製造方法を提供しようとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ホスト材料Aの粒子構
造を示す図面代用写真(倍率1500倍)。
【図2】実施形態例1における,結晶配向セラミックス
のX線回折強度の回折パターンを示す説明図。
【図3】実施形態例1における,無配向の酸化物多結晶
セラミックスのX線回折強度の回折パターンを示す説明
図。
【図4】実施形態例2における,結晶配向セラミックス
のX線回折強度の回折パターンを示す説明図。
【図5】実施形態例5における,圧延において使用され
た双ローラーの説明図。
【図6】実施形態例6における,本発明にかかる製造方
法により製造された結晶配向セラミックスのX線回折強
度の回折パターンを示す説明図。
【図7】実施形態例7における,結晶配向セラミックス
のX線回折強度の回折パターンを示す説明図。
【図8】実施形態例10における,結晶配向セラミック
スのX線回折強度の回折パターンを示す説明図。
【図9】実施形態例10における,無配向の酸化物多結
晶セラミックスのX線回折強度の回折パターンを示す説
明図。
【図10】実施形態例10における,表面を研削した結
晶配向セラミックスのX線回折強度の回折パターンを示
す説明図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロットゲーリング(Lotgerin
    g)法による結晶配向度が10%以上であり,等方性ペ
    ロブスカイト型構造を有し,更にBi,Sr,Caのう
    ち少なくとも1種の元素を含有する酸化物よりなること
    を特徴とする結晶配向セラミックス。
  2. 【請求項2】 形状異方性を有し,層状ペロブスカイト
    構造を有するホスト材料Aを準備し,一方,等方性ペロ
    ブスカイト型構造を有するゲスト材料Bまたはゲスト材
    料Bを生成可能な原料Qを準備し,更に,上記ホスト材
    料Aを,ゲスト材料Bまたは等方性ペロブスカイト型構
    造を有するゲスト材料Cの少なくとも一方に転換するた
    めの添加剤を準備し,上記ホスト材料Aと,上記ゲスト
    材料B,原料Qあるいはゲスト材料Bと原料Qとの混合
    物と,添加剤とを混合し,押出および/または圧延し,
    次いで加熱焼結することを特徴とする結晶配向セラミッ
    クスの製造方法。
  3. 【請求項3】 形状異方性を有し,層状ペロブスカイト
    構造を有するホスト材料Aを準備し,一方,上記ホスト
    材料Aを,等方性ペロブスカイト構造を有する材料Dに
    転換するための添加剤を準備し,上記ホスト材料Aと上
    記添加剤とを混合し,押出および/または圧延し,次い
    で加熱焼結することを特徴とする結晶配向セラミックス
    の製造方法。
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