JPH10140372A - アルミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法Info
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- JPH10140372A JPH10140372A JP30035596A JP30035596A JPH10140372A JP H10140372 A JPH10140372 A JP H10140372A JP 30035596 A JP30035596 A JP 30035596A JP 30035596 A JP30035596 A JP 30035596A JP H10140372 A JPH10140372 A JP H10140372A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】使用環境がアルカリ性であっても耐食性が良好
であり、しかも設備やコストの面で有利なアルミニウム
系基地における耐食性皮膜及びその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】アルミニウム系基地1に、ベーマイト化し
たベーマイト皮膜3及び無機質皮膜5がこの順で積層さ
れている。無機質皮膜5は、ジルコニウム(Zr)、シ
リコン(Si)、カルシウム(Ca)のうち少なくとも
1種を含む金属アルコキシドのゾル溶液をベーマイト皮
膜に接触させ、ゾル溶液をゲル化して形成される。
であり、しかも設備やコストの面で有利なアルミニウム
系基地における耐食性皮膜及びその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】アルミニウム系基地1に、ベーマイト化し
たベーマイト皮膜3及び無機質皮膜5がこの順で積層さ
れている。無機質皮膜5は、ジルコニウム(Zr)、シ
リコン(Si)、カルシウム(Ca)のうち少なくとも
1種を含む金属アルコキシドのゾル溶液をベーマイト皮
膜に接触させ、ゾル溶液をゲル化して形成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム系基
地における耐食性皮膜及びその製造方法に関する。
地における耐食性皮膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開昭52−35358号公
報には、アルミニウムラジエータにおいて、アルミニウ
ムチューブにアルミニウムフィンを溶着し、その後に、
ベーマイト化処理する技術が開示されている。アルミニ
ウムラジエータは、従来の黄銅系ラジエータに代わり、
軽量化や鉛使用規制の点等から、近年注目されている。
報には、アルミニウムラジエータにおいて、アルミニウ
ムチューブにアルミニウムフィンを溶着し、その後に、
ベーマイト化処理する技術が開示されている。アルミニ
ウムラジエータは、従来の黄銅系ラジエータに代わり、
軽量化や鉛使用規制の点等から、近年注目されている。
【0003】また、特開昭62−13581号公報に
は、風呂釜用熱交換器において、アルミニウム製の吸熱
管の周壁内面に、陰極防食層、ベーマイト皮膜、有機質
皮膜をこの順に積層する技術が開示されている。この公
報技術では、有機質塗膜としては、シリコン変性フェノ
ール樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性シ
リコン樹脂が採用されている。
は、風呂釜用熱交換器において、アルミニウム製の吸熱
管の周壁内面に、陰極防食層、ベーマイト皮膜、有機質
皮膜をこの順に積層する技術が開示されている。この公
報技術では、有機質塗膜としては、シリコン変性フェノ
ール樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性シ
リコン樹脂が採用されている。
【0004】更に雑誌『まてりあ』(第34巻第10号
(1995年)、第1185頁〜1187頁、発行所:
社団法人日本金属学会)には、アルマイト処理によりア
ルミニウム陽極酸化膜を形成し、その後、Zrアルコキ
シドを含むゾル溶液を用い、ゾル・ゲル法によりアルミ
ニウム陽極酸化膜にZr酸化物を薄膜状に積層し、これ
により耐アルカリ腐食性を向上させる技術が開示されて
いる。
(1995年)、第1185頁〜1187頁、発行所:
社団法人日本金属学会)には、アルマイト処理によりア
ルミニウム陽極酸化膜を形成し、その後、Zrアルコキ
シドを含むゾル溶液を用い、ゾル・ゲル法によりアルミ
ニウム陽極酸化膜にZr酸化物を薄膜状に積層し、これ
により耐アルカリ腐食性を向上させる技術が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開昭52−
35358号公報に係る技術によれば、アルミニウム系
基地に接触する溶液のPHが4〜9程度であれば、耐食
性を期待できる。しかしアルミニウムが酸にもアルカリ
にも溶ける両性金属であることを考慮すれば、酸性度が
高い溶液が接触する部位、アルカリ度が高い溶液が接触
する部位で使用される場合には、耐食性は必ずしも満足
できるものではない。
35358号公報に係る技術によれば、アルミニウム系
基地に接触する溶液のPHが4〜9程度であれば、耐食
性を期待できる。しかしアルミニウムが酸にもアルカリ
にも溶ける両性金属であることを考慮すれば、酸性度が
高い溶液が接触する部位、アルカリ度が高い溶液が接触
する部位で使用される場合には、耐食性は必ずしも満足
できるものではない。
【0006】特にラジエータ等のアルミニウム系の熱交
換器の場合には、劣化するとアルカリ性になり易い冷却
液が採用されることがあり、場合によっては、劣化した
冷却液はPH9以上のアルカリ性になることもある。こ
のように冷却液がアルカリ性になると、熱交換器を構成
するアルミニウム系基地における耐食性の確保には限界
がある。
換器の場合には、劣化するとアルカリ性になり易い冷却
液が採用されることがあり、場合によっては、劣化した
冷却液はPH9以上のアルカリ性になることもある。こ
のように冷却液がアルカリ性になると、熱交換器を構成
するアルミニウム系基地における耐食性の確保には限界
がある。
【0007】また特開昭62−13581号公報に係る
技術によれば、ベーマイト皮膜に有機質塗膜が積層され
ているものの、有機質塗膜は一般的にアルカリに弱い。
そのためアルカリ度が高い溶液が接触する部位で使用さ
れる場合には、耐食性は必ずしも満足できるものではな
い。また雑誌『まてりあ』に係る技術では、アルミニウ
ム陽極酸化膜を形成し、ゾル・ゲル法によりアルミニウ
ム陽極酸化膜にZr酸化物を積層しているため、耐食性
を期待できる。しかしアルマイト処理によりアルミニウ
ム陽極酸化膜を形成する場合には、処理液として、硫
酸、シュウ酸、クロム酸等の酸を用いる関係上、設備の
面、コストの面で不利となり易い。故にコストダウンが
強く要請される工業化の面では、必ずしも充分ではな
い。
技術によれば、ベーマイト皮膜に有機質塗膜が積層され
ているものの、有機質塗膜は一般的にアルカリに弱い。
そのためアルカリ度が高い溶液が接触する部位で使用さ
れる場合には、耐食性は必ずしも満足できるものではな
い。また雑誌『まてりあ』に係る技術では、アルミニウ
ム陽極酸化膜を形成し、ゾル・ゲル法によりアルミニウ
ム陽極酸化膜にZr酸化物を積層しているため、耐食性
を期待できる。しかしアルマイト処理によりアルミニウ
ム陽極酸化膜を形成する場合には、処理液として、硫
酸、シュウ酸、クロム酸等の酸を用いる関係上、設備の
面、コストの面で不利となり易い。故にコストダウンが
強く要請される工業化の面では、必ずしも充分ではな
い。
【0008】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、使用環境がアルカリ性である場合における耐食
性が良好であり、しかも設備やコストの面で有利なアル
ミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法を
提供することにある。
であり、使用環境がアルカリ性である場合における耐食
性が良好であり、しかも設備やコストの面で有利なアル
ミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るアルミニ
ウム系基地における耐食性皮膜は、アルミニウム系基地
に、ベーマイト化したベーマイト皮膜及び無機質皮膜が
この順で積層されていることを特徴とするものである。
請求項2に係るアルミニウム系基地における耐食性皮膜
は、請求項1において、アルミニウム系基地は、アルミ
ニウム系の熱交換器で構成されており、ベーマイト皮膜
及び無機質皮膜は、熱交換器内の冷却液と接触する側の
面に積層されていることを特徴とするものである。
ウム系基地における耐食性皮膜は、アルミニウム系基地
に、ベーマイト化したベーマイト皮膜及び無機質皮膜が
この順で積層されていることを特徴とするものである。
請求項2に係るアルミニウム系基地における耐食性皮膜
は、請求項1において、アルミニウム系基地は、アルミ
ニウム系の熱交換器で構成されており、ベーマイト皮膜
及び無機質皮膜は、熱交換器内の冷却液と接触する側の
面に積層されていることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係るアルミニウム系基地におけ
る耐食性皮膜は、請求項1において、無機質皮膜がジル
コニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム(C
a)のうち少なくとも1種を含む酸化物であることを特
徴とするものである。請求項4に係るアルミニウム系基
地における耐食性皮膜の製造方法は、アルミニウム系基
地の表出面をベーマイト化処理し、少なくとも表出面が
ベーマイト化したベーマイト皮膜を設ける工程と、ジル
コニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム(C
a)のうち少なくとも1種を含む金属アルコキシドのゾ
ル溶液をベーマイト皮膜に接触させ、ゾル溶液をゲル化
して無機質皮膜を形成することを特徴とするものであ
る。
る耐食性皮膜は、請求項1において、無機質皮膜がジル
コニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム(C
a)のうち少なくとも1種を含む酸化物であることを特
徴とするものである。請求項4に係るアルミニウム系基
地における耐食性皮膜の製造方法は、アルミニウム系基
地の表出面をベーマイト化処理し、少なくとも表出面が
ベーマイト化したベーマイト皮膜を設ける工程と、ジル
コニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム(C
a)のうち少なくとも1種を含む金属アルコキシドのゾ
ル溶液をベーマイト皮膜に接触させ、ゾル溶液をゲル化
して無機質皮膜を形成することを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】アルミニウム系基地は、アルミニ
ウム金属からなる基地、アルミニウム合金からなる基地
を含む。ベーマイト皮膜は、ベーマイトからなる皮膜、
またはベーマイトを主体とする皮膜を意味する。ベーマ
イトは、アルミナ水和物(Al2 O3・H2 O)であ
る。ベーマイトは、一般的には、熱水及び加熱水蒸気の
少なくとも1種とアルミニウム系基地とを接触させる処
理により形成される。
ウム金属からなる基地、アルミニウム合金からなる基地
を含む。ベーマイト皮膜は、ベーマイトからなる皮膜、
またはベーマイトを主体とする皮膜を意味する。ベーマ
イトは、アルミナ水和物(Al2 O3・H2 O)であ
る。ベーマイトは、一般的には、熱水及び加熱水蒸気の
少なくとも1種とアルミニウム系基地とを接触させる処
理により形成される。
【0012】アルミニウム系基地は、アルミニウム系機
器、例えばアルミニウム系の熱交換器で構成できる。代
表的な熱交換器としてはラジエータ、ヒータコアを採用
できる。無機質皮膜はジルコニウム(Zr)、シリコン
(Si)、カルシウム(Ca)のうち少なくとも1種を
含む酸化物で構成できる。この場合には、アルカリに対
する耐食性の確保に有利である。
器、例えばアルミニウム系の熱交換器で構成できる。代
表的な熱交換器としてはラジエータ、ヒータコアを採用
できる。無機質皮膜はジルコニウム(Zr)、シリコン
(Si)、カルシウム(Ca)のうち少なくとも1種を
含む酸化物で構成できる。この場合には、アルカリに対
する耐食性の確保に有利である。
【0013】ベーマイト皮膜や無機質皮膜の厚みは、ア
ルミニウム系基地の種類、無機質皮膜の材質等に応じて
適宜選択されるが、例えば、ベーマイト皮膜の厚みは
0.2〜100μm、0.5〜50μm程度にできる。
無機質皮膜の厚みは、0.01〜10μm、0.05〜
10μm程度、特に0.5〜2μm程度にできる。請求
項4に示すように、無機質皮膜はゾル・ゲル法で形成で
きる。ゾル・ゲル法では、一般的に、金属アルコキシド
(M(OR)n、Mは金属元素、Rはアルキル基、nは
金属元素の酸化数)を含む溶液が出発溶液として採用さ
れ、溶液の加水分解、重縮合反応により、金属酸化物の
微粒子が分散または溶解したゾル化が進行し、更に反応
に伴いゲル化が進行し、皮膜またはバルクが形成され
る。出発溶液には、目的とする酸化物を形成する金属化
合物、均質溶液調整用の溶媒、加水分解用の水の他に、
必要に応じて、触媒作用を奏する酸またはアンモニアを
含むことができる。溶媒としては例えばエタノール、メ
タノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチ
レンオキシド、キシレン、トリエタノールアミン等の少
なくとも1種を必要に応じて採用できる。酸としては例
えば塩酸、硫酸、酢酸、フッ酸等の少なくとも1種を採
用できる。
ルミニウム系基地の種類、無機質皮膜の材質等に応じて
適宜選択されるが、例えば、ベーマイト皮膜の厚みは
0.2〜100μm、0.5〜50μm程度にできる。
無機質皮膜の厚みは、0.01〜10μm、0.05〜
10μm程度、特に0.5〜2μm程度にできる。請求
項4に示すように、無機質皮膜はゾル・ゲル法で形成で
きる。ゾル・ゲル法では、一般的に、金属アルコキシド
(M(OR)n、Mは金属元素、Rはアルキル基、nは
金属元素の酸化数)を含む溶液が出発溶液として採用さ
れ、溶液の加水分解、重縮合反応により、金属酸化物の
微粒子が分散または溶解したゾル化が進行し、更に反応
に伴いゲル化が進行し、皮膜またはバルクが形成され
る。出発溶液には、目的とする酸化物を形成する金属化
合物、均質溶液調整用の溶媒、加水分解用の水の他に、
必要に応じて、触媒作用を奏する酸またはアンモニアを
含むことができる。溶媒としては例えばエタノール、メ
タノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチ
レンオキシド、キシレン、トリエタノールアミン等の少
なくとも1種を必要に応じて採用できる。酸としては例
えば塩酸、硫酸、酢酸、フッ酸等の少なくとも1種を採
用できる。
【0014】ゾル・ゲル法によれば、金属酸化物等の無
機質皮膜の低温合成が可能であること、分子レベルや原
子レベルで混合可能であるため、金属酸化物等の無機質
皮膜の均質性が向上すること、薄膜化が容易であるこ
と、皮膜構成粒子の微粒子化が容易であること等の利点
を期待できる。
機質皮膜の低温合成が可能であること、分子レベルや原
子レベルで混合可能であるため、金属酸化物等の無機質
皮膜の均質性が向上すること、薄膜化が容易であるこ
と、皮膜構成粒子の微粒子化が容易であること等の利点
を期待できる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を説明する。図1は皮膜構造
を模式的に表した構成図である。本実施例では、図1に
例示したように、アルミニウム系基地1に、ベーマイト
化したベーマイト皮膜3、無機質皮膜5がこの順で厚み
方向に積層されている。アルミニウム系基地1はアルミ
ニウム−亜鉛−マグネシウム系であり、その基本組成は
Al−(0.5〜1.0)%Zn−(0.5〜1.0)
%Mgである。
を模式的に表した構成図である。本実施例では、図1に
例示したように、アルミニウム系基地1に、ベーマイト
化したベーマイト皮膜3、無機質皮膜5がこの順で厚み
方向に積層されている。アルミニウム系基地1はアルミ
ニウム−亜鉛−マグネシウム系であり、その基本組成は
Al−(0.5〜1.0)%Zn−(0.5〜1.0)
%Mgである。
【0016】ベーマイト皮膜3の厚みは1μm程度であ
る。なお本発明者によれば、無機質皮膜5を積層する前
の状態のベーマイト皮膜3を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、本実施例に係るベーマイト皮膜3は、下駄歯状の多
数の突部が立設した構造であり、突部間が空孔とされて
いることが確認された。なお空孔サイズは平均で10〜
40nm程度であった。
る。なお本発明者によれば、無機質皮膜5を積層する前
の状態のベーマイト皮膜3を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、本実施例に係るベーマイト皮膜3は、下駄歯状の多
数の突部が立設した構造であり、突部間が空孔とされて
いることが確認された。なお空孔サイズは平均で10〜
40nm程度であった。
【0017】無機質皮膜5はZr酸化物で薄膜状に形成
されている。無機質皮膜5の厚みは1〜3μm程度であ
る。本実施例では、ベーマイト皮膜3の形成は、アルミ
ニウム系基地1を備えたアルミ部材を用い、そのアルミ
部材を熱水の浴に所定時間浸漬して行った。条件は次の
ようである。
されている。無機質皮膜5の厚みは1〜3μm程度であ
る。本実施例では、ベーマイト皮膜3の形成は、アルミ
ニウム系基地1を備えたアルミ部材を用い、そのアルミ
部材を熱水の浴に所定時間浸漬して行った。条件は次の
ようである。
【0018】浴組成:添加剤としてトリエタノールア
ミンを0.1〜0.5wt%添加して、PHを7〜12
に調整した熱水(希釈水は蒸留水) 浴温度:90〜100°C 時間:20〜30分間 本実施例では、無機質皮膜5の形成はゾル・ゲル法にて
行った。即ち、上記したベーマイト皮膜3を形成したア
ルミ部材を、出発溶液であるゾル溶液に所定時間浸漬し
た後、引き上げ、乾燥処理、加熱処理を複数回(5〜1
0回)繰り返すディップコーティング法により行った。
これによりベーマイト皮膜3の上に、無機質皮膜5とし
て機能する金属酸化膜であるZr酸化膜が積層された。
条件は次のようである。
ミンを0.1〜0.5wt%添加して、PHを7〜12
に調整した熱水(希釈水は蒸留水) 浴温度:90〜100°C 時間:20〜30分間 本実施例では、無機質皮膜5の形成はゾル・ゲル法にて
行った。即ち、上記したベーマイト皮膜3を形成したア
ルミ部材を、出発溶液であるゾル溶液に所定時間浸漬し
た後、引き上げ、乾燥処理、加熱処理を複数回(5〜1
0回)繰り返すディップコーティング法により行った。
これによりベーマイト皮膜3の上に、無機質皮膜5とし
て機能する金属酸化膜であるZr酸化膜が積層された。
条件は次のようである。
【0019】ゾル溶液は次のモル比で調整した ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド:ジエチレングリ
コール:水:エタノール=1:2:2:53 乾燥処理の時間:300秒 加熱処理:300°Cで1800秒間、酸素雰囲気に
おいて行った。
コール:水:エタノール=1:2:2:53 乾燥処理の時間:300秒 加熱処理:300°Cで1800秒間、酸素雰囲気に
おいて行った。
【0020】(試験例)上記した実施例について耐食試
験を行った。耐食試験では、NaOH等でPH10に調
整し且つヒータで88〜105°Cに保持したアルカリ
試験液を用い、まず、その試験液に試験片を8時間浸漬
した。その後、試験片を試験液に浸漬したまま、ヒータ
をオフとし試験液を室温に冷やした。そして室温の試験
液に試験片を16時間を浸漬した。上記操作を1サイク
ルとし、60サイクル継続して繰り返した。
験を行った。耐食試験では、NaOH等でPH10に調
整し且つヒータで88〜105°Cに保持したアルカリ
試験液を用い、まず、その試験液に試験片を8時間浸漬
した。その後、試験片を試験液に浸漬したまま、ヒータ
をオフとし試験液を室温に冷やした。そして室温の試験
液に試験片を16時間を浸漬した。上記操作を1サイク
ルとし、60サイクル継続して繰り返した。
【0021】実施例に係る試験片では、アルミニウム系
基地1まで腐食が進行しておらず、使用環境がアルカリ
性であっても、耐食性は良好であった。比較例1とし
て、アルミニウム系基地にベーマイト処理によりベーマ
イト皮膜を形成し、無機質皮膜を積層しない試験片を形
成した。更に比較例2として、アルミニウム系基地にベ
ーマイト皮膜を形成し、更に有機質皮膜(厚み:20μ
m)を積層した試験片を形成した。有機質皮膜は、希釈
した変性エポキシ樹脂に試験片を所定時間浸漬した後に
取出し、150°Cで15分間焼付処理して形成した。
基地1まで腐食が進行しておらず、使用環境がアルカリ
性であっても、耐食性は良好であった。比較例1とし
て、アルミニウム系基地にベーマイト処理によりベーマ
イト皮膜を形成し、無機質皮膜を積層しない試験片を形
成した。更に比較例2として、アルミニウム系基地にベ
ーマイト皮膜を形成し、更に有機質皮膜(厚み:20μ
m)を積層した試験片を形成した。有機質皮膜は、希釈
した変性エポキシ樹脂に試験片を所定時間浸漬した後に
取出し、150°Cで15分間焼付処理して形成した。
【0022】なお比較例1〜3に係るアルミニウム系基
地は実施例と同種のものとした。更に比較例1、2に係
るベーマイト皮膜は、実施例と同様な条件で形成した。
更に比較例3として、アルミニウム系基地にアルマイト
処理により陽極酸化膜を形成し、更に実施例と同様な無
機質皮膜であるZr酸化膜(厚み:3μm)を積層した
試験片を形成した。
地は実施例と同種のものとした。更に比較例1、2に係
るベーマイト皮膜は、実施例と同様な条件で形成した。
更に比較例3として、アルミニウム系基地にアルマイト
処理により陽極酸化膜を形成し、更に実施例と同様な無
機質皮膜であるZr酸化膜(厚み:3μm)を積層した
試験片を形成した。
【0023】アルマイト処理の条件は次のようにして行
った。 電解液組成:硫酸溶液(H2 SO4 10〜20wt
%) 電流密度:直流(DC)0.5〜2〔A/dm2 〕 電圧:10〜20V 温度:15〜25°C 時間:30〜60分間 上記した比較例1〜3に係る試験片についても、同様に
耐食試験を行った。比較例1に係る試験片では、アルミ
ニウム系基地まで腐食が進行しており、アルカリ試験液
に対する耐食性は充分ではなかった。特に腐食は、目標
厚み300μmのアルミニウム系基地を貫通していた。
また、有機質皮膜が積層されている比較例2に係る試験
片では、アルミニウム系基地まで腐食はみられた。無機
質皮膜が積層されている比較例3に係る試験片では、ア
ルミニウム系基地まで腐食が進行していなかった。
った。 電解液組成:硫酸溶液(H2 SO4 10〜20wt
%) 電流密度:直流(DC)0.5〜2〔A/dm2 〕 電圧:10〜20V 温度:15〜25°C 時間:30〜60分間 上記した比較例1〜3に係る試験片についても、同様に
耐食試験を行った。比較例1に係る試験片では、アルミ
ニウム系基地まで腐食が進行しており、アルカリ試験液
に対する耐食性は充分ではなかった。特に腐食は、目標
厚み300μmのアルミニウム系基地を貫通していた。
また、有機質皮膜が積層されている比較例2に係る試験
片では、アルミニウム系基地まで腐食はみられた。無機
質皮膜が積層されている比較例3に係る試験片では、ア
ルミニウム系基地まで腐食が進行していなかった。
【0024】(他の実施例)無機質皮膜としてSi酸化
物をゾル・ゲル法で形成する場合には、出発溶液に含ま
れる金属アルコキシドとして例えばテトラエトキシシラ
ン〔Si(OC2 H 5 )4 〕、テトラメトキシシラン
〔(Si(OCH3 )4 〕を採用できる。無機質皮膜と
してCa酸化物をゾル・ゲル法で形成する場合には、金
属アルコキシドとして例えばCa(OCH3 )2 を採用
できる。
物をゾル・ゲル法で形成する場合には、出発溶液に含ま
れる金属アルコキシドとして例えばテトラエトキシシラ
ン〔Si(OC2 H 5 )4 〕、テトラメトキシシラン
〔(Si(OCH3 )4 〕を採用できる。無機質皮膜と
してCa酸化物をゾル・ゲル法で形成する場合には、金
属アルコキシドとして例えばCa(OCH3 )2 を採用
できる。
【0025】(適用例)上記した実施例を車両のアルミ
ニウム系のラジエータに適用した適用例を図2に示す。
図2に示すようにラジエータは、冷却液が収容されるタ
ンク80、81と、冷却液が流れるコア84及びプレー
ト82、83とを備えている。コア84は、冷却液が流
れる多数のチューブからなるチューブ群と、各チューブ
に突設され熱交換のために放熱面積が増大したフィンか
らなるフィン群とを備えている。この適用例では、上記
した耐食性皮膜は、チューブ群とプレート82、83の
冷却液側(内面)のアルミニウム系基地に積層されてい
る。車両のラジエータに使用する冷却液では添加物が添
加され易く、そのため使用が長期にわたり冷却液が劣化
するとアルカリ性になり易い。
ニウム系のラジエータに適用した適用例を図2に示す。
図2に示すようにラジエータは、冷却液が収容されるタ
ンク80、81と、冷却液が流れるコア84及びプレー
ト82、83とを備えている。コア84は、冷却液が流
れる多数のチューブからなるチューブ群と、各チューブ
に突設され熱交換のために放熱面積が増大したフィンか
らなるフィン群とを備えている。この適用例では、上記
した耐食性皮膜は、チューブ群とプレート82、83の
冷却液側(内面)のアルミニウム系基地に積層されてい
る。車両のラジエータに使用する冷却液では添加物が添
加され易く、そのため使用が長期にわたり冷却液が劣化
するとアルカリ性になり易い。
【0026】(付記)上記した各実施例から次の技術的
思想も把握できる。 ・各請求項に係る耐食性皮膜を備えた熱交換器(ラジエ
ータ)。
思想も把握できる。 ・各請求項に係る耐食性皮膜を備えた熱交換器(ラジエ
ータ)。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るアルミニウム系基地におけ
る耐食性皮膜によれば、使用環境がアルカリ性であって
も耐食性が良好である。特にベーマイト皮膜の空孔を無
機質皮膜が覆う形で被覆されるため、アルカリに対する
耐食性が向上する。特にPHが9以上の環境でアルミニ
ウム系基地が使用される場合であっても、耐食性を確保
し易い。
る耐食性皮膜によれば、使用環境がアルカリ性であって
も耐食性が良好である。特にベーマイト皮膜の空孔を無
機質皮膜が覆う形で被覆されるため、アルカリに対する
耐食性が向上する。特にPHが9以上の環境でアルミニ
ウム系基地が使用される場合であっても、耐食性を確保
し易い。
【0028】しかもベーマイト皮膜は熱水や加熱水蒸気
を利用して得られるため、硫酸等を用いるアルマイト処
理で形成した陽極酸化膜に比較して、設備やコストの面
で有利である。本発明方法によれば、使用環境がアルカ
リ性である場合における耐食性が良好な耐食性皮膜を提
供できる。しかもベーマイト化処理は熱水や加熱水蒸気
を利用して実行できるため、硫酸等を用いるアルマイト
処理の場合に比較して、設備やコストの面で有利であ
る。
を利用して得られるため、硫酸等を用いるアルマイト処
理で形成した陽極酸化膜に比較して、設備やコストの面
で有利である。本発明方法によれば、使用環境がアルカ
リ性である場合における耐食性が良好な耐食性皮膜を提
供できる。しかもベーマイト化処理は熱水や加熱水蒸気
を利用して実行できるため、硫酸等を用いるアルマイト
処理の場合に比較して、設備やコストの面で有利であ
る。
【図1】耐食性皮膜の構造を模式的に示す構成図であ
る。
る。
【図2】ラジエータに適用した斜視図である。
図中、1はアルミニウム系基地、3はベーマイト皮膜、
5は無機質皮膜を示す。
5は無機質皮膜を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】アルミニウム系基地に、ベーマイト化した
ベーマイト皮膜及び無機質皮膜がこの順で積層されてい
ることを特徴とするアルミニウム系基地における耐食性
皮膜。 - 【請求項2】請求項1において、前記アルミニウム系基
地は、アルミニウム系の熱交換器で構成されており、前
記ベーマイト皮膜及び前記無機質皮膜は、前記熱交換器
内の冷却液と接触する側の面に積層されていることを特
徴とするアルミニウム系基地における耐食性皮膜。 - 【請求項3】請求項1において、前記無機質皮膜は、ジ
ルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム
(Ca)のうち少なくとも1種を含む酸化物であること
を特徴とするアルミニウム系基地における耐食性皮膜。 - 【請求項4】アルミニウム系基地の表出面をベーマイト
化処理し、少なくとも表出面がベーマイト化したベーマ
イト皮膜を設ける工程と、 ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、カルシウム
(Ca)のうち少なくとも1種を含む金属アルコキシド
のゾル溶液を前記ベーマイト皮膜に接触させ、前記ゾル
溶液をゲル化して無機質皮膜を形成することを特徴とす
るアルミニウム系基地における耐食性皮膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30035596A JPH10140372A (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | アルミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30035596A JPH10140372A (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | アルミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10140372A true JPH10140372A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17883794
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30035596A Pending JPH10140372A (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | アルミニウム系基地における耐食性皮膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10140372A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006291026A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Denso Corp | ポリアニリン類の水分散体の製造方法およびそれによって製造されるポリアニリン類の水分散体 |
| JP2008104936A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超撥水性アルミ箔及びその製造方法 |
| JP2012062522A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Inex:Kk | 遠赤外線高放射皮膜により冷却効果を高めたアルミニウム基材及びその製造法 |
| JP2013036733A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-02-21 | Denso Corp | 撥水性基材、熱交換器、及び撥水性基材の製造方法 |
| WO2016047454A1 (ja) * | 2014-09-26 | 2016-03-31 | 日本軽金属株式会社 | 熱交換器 |
-
1996
- 1996-11-12 JP JP30035596A patent/JPH10140372A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006291026A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Denso Corp | ポリアニリン類の水分散体の製造方法およびそれによって製造されるポリアニリン類の水分散体 |
| JP2008104936A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超撥水性アルミ箔及びその製造方法 |
| JP2012062522A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Inex:Kk | 遠赤外線高放射皮膜により冷却効果を高めたアルミニウム基材及びその製造法 |
| JP2013036733A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-02-21 | Denso Corp | 撥水性基材、熱交換器、及び撥水性基材の製造方法 |
| WO2016047454A1 (ja) * | 2014-09-26 | 2016-03-31 | 日本軽金属株式会社 | 熱交換器 |
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