JPH10142169A - 誘電緩和測定用マルチプローブ - Google Patents

誘電緩和測定用マルチプローブ

Info

Publication number
JPH10142169A
JPH10142169A JP31313396A JP31313396A JPH10142169A JP H10142169 A JPH10142169 A JP H10142169A JP 31313396 A JP31313396 A JP 31313396A JP 31313396 A JP31313396 A JP 31313396A JP H10142169 A JPH10142169 A JP H10142169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
probe
electrodes
sample
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31313396A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Naito
智 内藤
Masato Hoshi
正人 星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP31313396A priority Critical patent/JPH10142169A/ja
Publication of JPH10142169A publication Critical patent/JPH10142169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間領域反射法(TDR法)などの誘電緩和
測定にしたがい、試料の水分濃度を非破壊的に測定する
にあたり、実用的な測定時間内で、精度よく、簡便に測
定できるようにする。 【解決手段】 芯線状の内部電極と、その内部電極に絶
縁体を介して同軸状に配された外部電極からなり、内部
電極の先端面と外部電極の先端面が使用に対する接触面
となる誘電緩和測定用電極2が、複数内蔵されているマ
ルチプローブ1Aを誘電緩和測定用プローブとする。こ
のマルチプローブ1A内に設けられている複数の電極の
電気長は、互いに異ならせるか、等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の誘電率を測
定することにより、試料中の深さ方向の水分の濃度分布
を求めることを可能とする誘電緩和測定用プローブに関
する。特に、測定効率を向上させるため、試料の誘電率
を測定する電極が一つのプローブ内に複数設けられてい
る誘電緩和測定用マルチプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、皮膚や食品等のように水を含む
試料の性質は、その水分含量に大きく影響される。した
がって、これら試料の水分含量の測定は、試料の性質や
状態を把握する上で有用であり、また、試料に適用した
薬品、化粧品等の性能を評価する上でも有用となる。
【0003】そこで、従来より種々の水分測定方法が提
案され、使用されている。例えば、皮膚等の試料表層の
水分の測定方法としては、一般に高周波インピーダンス
法が用いられている。しかし、高周波インピーダンス法
は、試料表層の水の挙動を直接的には観測していないた
め、試料表層の水分以外に測定値に影響を及ぼす因子が
多く、再現性に問題がある。また、高周波インピーダン
ス法により得られる情報は、試料表面からどの程度の深
さのものであるかがあいまいであるという問題もある。
さらに、この方法では、自由水であるか結合水であるか
という水の状態に関する情報を得ることもできない。
【0004】これに対し、試料表層の水分測定方法とし
ては、試料表層の誘電率を測定し、そこに存在する水の
誘電緩和を測定する方法が提案されている。誘電緩和の
測定方法としては、周波数領域測定法と時間領域反射法
(以下、TDR法(Time Domain Reflectometry method)
と略する)とがあるが、近年、後者の測定技術及びその
応用の研究が積極的に進められている。
【0005】このTDR法は、試料に特定波形の励起信
号(例えば、ステップパルス)を印加してその反射波を
観測し、反射波の各周波数成分の位相と強度の変化から
試料の複素誘電率を求め、それに基づいて試料の物性を
知る方法である。例えば、特開平2−110357号公
報には、TDR法により生体の水分測定を行った例が記
載されている(同公報第4頁上右欄10行〜第7頁下右
欄17行)。この方法によれば、試料中の水分含量を非
破壊的にかつ定量的に測定することができ、また、自由
水であるか結合水であるかという水の状態に関する情報
も得ることができるので好ましい。
【0006】図7は、この誘電緩和の測定に使用するプ
ローブとシステムの概略図である。同図のように、誘電
緩和の測定に使用するプローブ1としては、単一の電極
2を筒状のプローブケース3内に設けたものが使用され
ている。プローブ1の電極2は、一端が試料Sに密着で
きるように開放されており、他端がケーブル4及びコネ
クター5を介して発振・受信装置6と接続している。こ
の発振・受信装置6には、励起信号を生成する発振器及
び試料Sからの反射波を受信する受信機が内蔵されてお
り、さらにそれぞれの波形を表示するオシロスコープが
接続している。また発振・受信装置6には、観測波形か
ら複素誘電率を求め、水分濃度を算出するコンピュータ
7が接続している。
【0007】図8は、プローブ1に使用される電極2の
断面図である。同図のように、電極2は、芯線状の内部
電極21と、その周囲に絶縁体22を介して同軸状に配
された外部電極23からなり、内部電極21の先端面と
外部電極23の先端面とが測定試料に対する接触面を構
成している。
【0008】図9もプローブ1に使用される電極の変形
例2xの断面図である。この電極2xも図8の電極2と
同様に、芯線状の内部電極21と、その周囲に絶縁体2
2を介して同軸状に配された外部電極23からなるが、
電極2xの中央部から先端面に向かって内部電極21及
び外部電極23の内径の比率を一定にしつつそれらの径
を狭めたものである。このように試料に接することとな
る内部電極21の先端面の径を狭め、その先端面の面積
を小さくすることにより電極の電気長を短くすることが
できる。また、内部電極21の先端面の径を狭めるに際
しては、このように電極の任意の位置において、内部電
極21と外部電極23の内径との比率を一定にすること
により電極内のインピーダンスを一定にすることが好ま
しい。これにより誘電緩和測定時の多重反射を防止する
ことが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
TDR法による水分測定では、単に試料表面からある深
さまでの試料表層の平均的な水分含量がわかるにすぎ
ず、試料の深さ方向の水の濃度分布を知ることはできな
い。そのため、試料の性質や状態の分析、あるいは試料
に適用した薬品、化粧品等の評価を詳細に行うことがで
きないという問題があった。
【0010】なお、試料の深さ方向の濃度分布を求める
方法としては、試料の表層を所定の深さごとに剥離しな
がら測定するテープストリッピング法が知られている。
しかしながら、このような方法は試料の破壊を伴うもの
であり、特に皮膚を試料とする場合には、被試験者の苦
痛を伴うという問題を有している。また、深さ方向の濃
度分布を十分な精度で求めることができないという問題
もある。
【0011】このような問題に対して、本発明者らは、
電気長γd の開放型電極を用いて試料の誘電率を測定す
ることにより、試料表面から深さ略γd の範囲の平均的
な水分含量を測定できることを見出した。さらに、試料
の同一部位に対し電気長が異なる複数の開放型電極を用
いて誘電率を測定した場合、各電極の電気長と誘電率の
測定値との間には一定の関係式が成立し、それに基づい
て試料の深さ方向の水の濃度分布を求められることを見
出し、これらの知見に基づいて水の濃度分布測定方法を
提案した(特願平7−150910号明細書)。
【0012】即ち、誘電率の測定値εobs (γd )は、
次式(1)で表されることが見出された。
【0013】
【数1】 式中、εobs (γd )は、電気長γd の電極を用いて測
定される誘電率の測定値を表す。
【0014】ε(z)は、表面からzの深さにおける誘
電率を表す。この誘電率は、誘電率測定における水の緩
和時間よりも十分に速い領域での誘電率εと水の緩和
強度Δεとの和を意味し、この水の緩和強度Δεは、試
料の含水量に比例する。
【0015】電極の電気長γd は、同軸ケーブル等の伝
送路の一端に複素誘電率ε(ω)の負荷を設け、他端
から角振動数ωの電磁波V(ω)を印加した場合の当該
電磁波V(ω)と、その反射波R(ω)と、負荷の複素
誘電率ε(ω)との関係式である次式(2)におい
て、パラメータγd として含まれるものである。
【0016】
【数2】 この電気長γd は、電極側面部を絶縁体で被覆せずに、
複素誘電率ε(ω)が知られている公知の標準試料
に、電極先端部を先端面から1cm以上浸漬して反射波
を測定することにより求めることができる。
【0017】また、電気長γd は、電極の形状と大きさ
によって定まる電極固有の物理量であり、測定方法には
依存しない。したがって、周波数領域測定法あるいは時
間領域反射法(TDR法)のいずれの誘電緩和の測定方
法においても、電極の電気長は一定である。
【0018】そこで、本発明者らの提案した測定方法に
したがい、上記の式(1)を用いて試料中の深さ方向の
水分濃度分布を求めるにあたっては、まず電気長の異な
る複数の電極を用いて試料の同一部位の誘電率を測定
し、電気長γd の異なる電極ごとに誘電率の測定値ε
obs (γd )を得る。そして次の方法a又は方法bのい
ずれかにより、試料の水の濃度分布として、深さxにお
ける誘電率ε(x)を求める。
【0019】方法a:水の濃度分布ε(x)に対して適
当な関数を仮定し、さらにその関数のパラメータを適宜
定め(例えば、水の濃度勾配、水の濃度が一定になる部
位での濃度や深さ等)、これらパラメータを変化させな
がら式(1)により誘電率εobs (γd )を計算し、そ
の計算値と実際の測定値とが一致する場合の関数とパラ
メータを求める。
【0020】方法b:式(1)の逆変換式である次式
(3)
【0021】
【数3】 (式中、L-1は、s=1/γd に対しての逆ラプラス変
換を表す。)により水の濃度分布ε(x)を求める。
【0022】このように、電気長γd の異なる複数の電
極を用いて試料の同一部位の誘電率を測定し、電気長γ
d の異なる電極ごとに誘電率の測定値εobs (γd )を
得ることにより試料の深さ方向の水の濃度分布を知るこ
とができる。
【0023】しかしながら、これまでの誘電緩和の測定
システムにおいて、電気長γd の異なる電極ごとに誘電
率を求めるためには、電気長の異なる電極で測定するた
びに、所定の電気長の電極を有するプローブを交換しな
くてはならず、測定操作が非常に繁雑になるという問題
があった。また、トータルの測定時間が長くなるため
に、試料中の水の濃度分布が経時的に変化する場合に
は、正確な濃度分布を得ることができないという問題も
あった。
【0024】また、或る特定の深さでの水分濃度を求め
るに場合において、測定精度を向上させるためには、同
一測定部位を同一電極で繰り返し測定することが望まれ
る。したがって、この場合にも測定時間が長くなるとい
う問題があり、さらに同一測定部位に繰り返し電極を当
てるために注意を払わなくてはならないという繁雑さも
あった。
【0025】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、試料の水分濃度分布を、実
用的な測定時間内で、精度よく、簡便に測定できるよう
にすることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者は、誘電緩和を
測定する一つのプローブ内に、電気長の異なる複数の電
極を設けることにより、一度の測定操作で試料の深さ方
向の水分濃度分布を効率よく測定できること、また、一
つのプローブ内に電気長の等しい複数の電極を設けるこ
とにより、試料の特定の深さの水分濃度を一度の測定操
作で正確かつ簡便に得られることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0027】即ち、本発明は、芯線状の内部電極と、そ
の内部電極に絶縁体を介して同軸状に配された外部電極
とからなり、内部電極の先端面と外部電極の先端面が試
料に対する接触面となる誘電緩和測定用電極が、一つの
プローブ内に複数設けられていることを特徴とする誘電
緩和測定用マルチプローブを提供する。
【0028】特に、一つのプローブ内に設けられている
複数の電極の電気長が互いに異なる態様、あるいは一つ
のプローブ内に設けられている複数の電極の電気長が互
いに等しい態様を提供する。
【0029】本発明によれば、一つのプローブ内に複数
の誘電緩和測定用電極が設けられているので、これまで
複数回必要とされていた測定操作を減らすことができ
る。特に、一つのプローブ内に電気長が互いに異なる複
数の誘電緩和測定用電極が設けられている本発明の態様
によれば、深さ方向の水分の濃度分布を測定するため
に、電気長の異なる電極ごとに誘電率を求めることが必
要とされる場合でも、プローブの交換を不要にするか、
あるいは交換回数を減らすことができる。したがって、
試料の誘電緩和の測定を短時間に簡便に行うことが可能
となる。
【0030】また、一つのプローブ内に電気長が互いに
等しい複数の誘電緩和測定用電極が設けられている本発
明の態様によれば、ある特定の深さでの水分濃度の測定
精度を向上させるために、特定の電気長の電極で複数回
繰り返し誘電率を測定することが必要となる場合でも、
一つのプローブによる測定で複数回分の測定を同時に行
うことができるので、トータルの測定時間を短縮させる
ことができ、また、測定ごとに試料の同一測定部位に電
極を合わせるという繁雑さも軽減することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等
の構成要素を表している。
【0032】図1は、本発明の一実施例のマルチプロー
ブ1Aの概略図である。このマルチプローブ1Aは、プ
ローブケース3内に電気長の互いに異なる4つの電極2
a、2b、2c、2dを隣接させて設けたものである。
【0033】各電極2a、2b、2c、2dの基本構成
は、図8又は図9に示した従来のプローブ1に使用する
電極2と同様であり、芯線状の内部電極21と、その周
囲に絶縁体22を介して同軸状に配された外部電極23
からなっている。
【0034】また、各電極2a、2b、2c、2dの電
気長は上述のようにそれぞれ異なるが、各電極の電気長
を設定するに際しては、いずれも電気長1〜2000μ
mの範囲内とすることが好ましく、より好ましくは5〜
100μmとする。電気長が1μm未満であると反射波
の波形変化が小さすぎて正確な測定が困難となる。一
方、電気長が2000μmを超えるとGHz領域の信号
の減衰が大きくなって測定精度が低下する。
【0035】また、各電極2a、2b、2c、2dの電
気長は、上述の範囲内で試料の種類、水分濃度を測定す
る深さ、目的とする深さ方向の空間分解能等に応じて適
宜選択する。例えば、角質層領域の水分濃度分布の測定
には5〜100μmの電気長の電極を使用する。
【0036】ここで、各電極2a、2b、2c、2dの
電気長を異ならせる方法としては、例えば、内部電極が
試料に接触する電極の先端面の面積を適宜変えればよ
く、また、内部電極と外部電極との先端面における間隔
を適宜変えてもよい。例えば、内部電極の先端面を径1
0μm〜270μmの円形とし、内部電極と外部電極と
の間隔を10μm〜310μmとすることにより、電気
長100μm以下の電極を、誘電率の測定時に電極と接
続することとなる同軸ケーブルとのインピーダンスの整
合性よく得ることができる。
【0037】複数の電極2a、2b、2c、2dからな
るプローブ1Aを使用し、各電極で誘電緩和を求める方
法自体は、周波数領域測定法あるいは時間領域反射法
(TDR法)のいずれによってもよく、それぞれ公知の
方法によることができる。例えば、TDR法による測定
自体は、特開平2−110357号公報等に記載されて
いる公知の方法によることができる。
【0038】また、誘電緩和の測定に際しては、図7に
示したように、電極2に発振・受信装置6を接続するこ
とにより、各電極に誘電緩和測定のための発振器と受信
機とを接続するが、オシロスコープは各電極に対応させ
て接続してもよく、複数の電極に対応させてもよい。し
たがって、誘電緩和測定により水分濃度を測定するシス
テム構成としては、例えば図2に示したように、マルチ
プローブ1A内の各電極2a、2b、2c、2dに、オ
シロスコープを有する発振・受信装置6を接続し、これ
らをコンピュータ7に接続してもよく、また図3に示し
たように、2つの電極に対応する2チャンネルの発振器
及び受信機を1つのオシロスコープに接続してもよい。
【0039】図1には、マルチプローブ1Aが4つの電
極2a、2b、2c、2dを有する例を示したが、本発
明においてマルチプローブ内に設ける電極の数には特に
制限はない。測定する試料の種類、目的とする深さ領
域、深さ方向の水分濃度分布の所定の空間分解能等に応
じて適宜定めることができる。原理的には用いる電極の
数が多いほど空間分解能が向上するので好ましいが、例
えば、ふくらはぎの水分濃度分布を測定する場合、装置
の製造コスト、計算に要する時間、実用的なマルチプロ
ーブの太さの点から、2〜30個とすることが好まし
い。
【0040】なお、マルチプローブ1Aには、必要に応
じて各電極2a、2b、2c、2dを試料表面に密着さ
せるためのガイド、各電極2a、2b、2c、2dを所
定の圧力で試料表面に押しつけるスプリングなどの押圧
手段、水分以外の情報を同時に取得するためのセンサー
類、例えば、温度センサー、pHセンサー、ドップラー
血流計、色調計、圧力センサー、粘弾性測定用振動子、
断層撮影用超音波プローブ、マイクロホン、光ファイバ
ー、1kHz〜100MHzの電磁波受信装置等を設け
ることができる。
【0041】このマルチプローブ1Aを使用することに
より、4つの異なる電気長での誘電率を同時に測定する
ことができるので、試料の深さの方向の水分の濃度分布
を短時間に簡便に測定することが可能となる。
【0042】以上、一つのマルチプローブ1A内に、電
気長が互いに異なる4つの電極2a、2b、2c、2d
を設けた本発明の態様を示したが、本発明のマルチプロ
ーブとしては、マルチプローブが有する複数の電極の電
気長を互いに等しくしてもよい。この場合には、マルチ
プローブを使用した一度の測定操作で、その電気長の電
極での測定を複数回繰り返したのと同様に、精度の高い
測定結果を得ることができる。
【0043】また、図1のマルチプローブ1Aでは、4
つの電極2a、2b、2c、2dがそれぞれ芯線状の内
部電極とその周囲に絶縁体を介して同軸状に配された外
部電極とを有する独立的な電極であり、これらがプロー
ブケース3内で束ねられているが、本発明のマルチプロ
ーブにおいて、複数の独立的電極の束ね方としては、先
端面が同一平面上に配置されていることが好ましい。各
独立的電極の外部電極間の空隙は何も充填しなくてもよ
いし、あるいは絶縁体、導電体で充填してもよい。
【0044】例えば、本発明のマルチプローブの態様と
しては、一本の導電体(例えば、銅製)の内部に円筒状
の構造を複数くり抜いた構造の外部電極と、それぞれの
円筒状の空隙の内部に配置された円筒状の絶縁体と、絶
縁体のさらに内部に配置された円柱状の導電体(内部電
極)によって構成されるマルチプローブとしてもよい。
このように外部電極を複数の電極に共通したものとする
と、マルチプローブ全体の直径が単純に同じ本数の電極
を束ねた場合よりもより細くできるので、操作性が向上
する。
【0045】一方、本発明のマルチプローブの態様とし
て、一つの芯線状の内部電極の周囲に、絶縁体を介して
同軸状に円筒状の電極を多重に設けてもよい。この態様
において多重に設けられている同軸状態の電極の一つを
外部電極として使用する場合、それよりも内側にある同
軸状電極又は芯線状電極を内部電極として使用すること
ができる。例えば、図4に示したように、芯線状電極2
1と2つの同軸状電極23A 、23B を用いたマルチプ
ローブの場合、内部電極−外部電極の組み合わせとし
て、21−23A 、21−23B 、23A −23B の3
通りの独立的電極として使用することができる。これに
より単純に電極を束ねた構造のマルチプローブよりもよ
り細いマルチプローブを作製することができる。
【0046】本発明のマルチプローブが測定対象とする
試料については特に制限はない。試料表面付近に水分濃
度を有するもの、特に皮膚、食品等のように試料表面か
らの深さに応じて水の濃度分布が変化するものを広く測
定対象とすることができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0048】実施例1 (1) 電極の作製 マルチプローブに内蔵する電極として、図8に示す形状
を有し、電気長が各々60、115又は290μmの電
極E2〜E4、及び図9に示す形状を有し、電気長が15μ
mの電極E1を作製した。この場合、電極素材としては、
内部電極21と外部電極23とを共に銅とし、この表面
に腐食防止のために金メッキを施した。また、これら電
極間の絶縁体22をテフロンとした。
【0049】なお、形成した電極の電気長は次のように
して求めた。即ち、誘電スペクトルが既に知られている
アセトンを標準試料とし、電極の外部電極側面を絶縁体
で被覆することなしに、電極の先端をアセトンに深さ1
cm以上浸し、励起信号としてステップパルスを用いて
TDR法で反射波を測定した。そして、励起信号と測定
された反射波とを用い、電気長γd をパラメータとし
て、式(2)から誘電スペクトルを算出した。この場
合、電気長γd の値を変えながら誘電スペクトルを算出
し、その算出した誘電スペクトルの値がアセトンの既知
の誘電スペクトルと最も一致した場合の電気長γd を当
該電極の電気長γd とした。
【0050】(2) マルチプローブ及び測定システムの作
製 上記4本の電極を筒状のマルチプローブケース内に取り
付け、4つの電極を内蔵するマルチプローブを作製し
た。
【0051】また、4本の電極にはそれぞれ同軸ケーブ
ルを接続し、その終端にSMAコネクター端子を設け
た。一方、20GHzのTDR測定用チャンネルを2個
内蔵したデジタルオシロスコープ(ヒューレットパッカ
ード社製、HP54750A)を2台用意し、各コネク
ター端子をこのデジタルオシロスコープのチャンネルに
接続した。また、各オシロスコープは一台のパーソナル
コンピュータに接続し、制御した。
【0052】(3) 誘電率の測定 人の前腕内側部を測定部位とし、予め25℃、80%
R.H.の環境に30分間馴化した後、前腕内側部の皮
膚にマルチプローブを当て、誘電率を測定した。その
後、前腕内側部に送風しながら、2分間隔で測定を行っ
た。各電極E1〜E4で観測された自由水の緩和強度を表1
に示す。
【0053】
【表1】 自由水の緩和強度 電極 E1 E2 E3 E4 電気長γd 15 60 115 290 送風前 33.4 39.2 42.1 45.4 送風2分 20.1 28.6 33.6 39.8 送風4分 14.9 23.7 29.2 36.6 送風6分 9.9 18.8 24.62 23.9
【0054】ところで、皮膚表層における水は、深部か
らの水の供給と、表面からの水の蒸発との動的な平衡に
よって、深さ方向に濃度分布をもっていると考えられ
る。また、皮膚表層には血管がないため深部からの水の
供給は、Fick型の拡散によって支配されていると考
えられる。そこで、近似的に、皮膚表層には深部から表
面に向かって直線的に水分濃度が増加する濃度勾配があ
ると考えられる。ここで、最表面での水分濃度をa、濃
度勾配が終了して一定の水分濃度領域に移行する深さを
b、水分濃度一定の領域での水分濃度をcとおくと、皮
膚表層から深部の水分濃度は図5に示したように表すこ
とができる。
【0055】一方、皮膚は水とタンパク質から構成され
ていると近似することができる。純粋な水の緩和強度は
73であり、水の緩和よりも十分に速い周波数領域での
水の誘電率は5.3である。また、タンパク質は水より
も遥かに大きな分子であるので、水の誘電緩和が生じる
周波数領域では緩和を起こさない。水の緩和よりも十分
に速い周波数領域での誘電率はタンパク質の種類によっ
て若干異なるが、代表的なポリアミドであるナイロンの
誘電率3.3で近似することができる。そこで、水の緩
和過程が終了する周波数領域の誘電率(ε)は、水の濃
度(Cw )の関数として次式(4)のように表現するこ
とができる。
【0056】
【数4】 ε=73・Cw +(5.3−3.3)・Cw +3.3 (4) この式(4)を図5の水分濃度分布(表層からの深さx
vs. 水分濃度)に適用すると、皮膚表面における誘電
率の深さ方向分布を得ることができる。すなわち、図5
から
【0057】
【数5】 であるから、式(4)は次式(4´)のように表せる。
【0058】
【数6】 ε=73・[(c−a)・x/b +a] +(5.3−3.3)・[(c−a)・x/b +a] +3.3 (4´) そこで、この誘電率分布を前述の式(1)に適用する
と、以下の式(5)を得ることができる。
【0059】
【数7】 この式(5)と表1の観測結果とから、表1の電気長γ
d と誘電緩和強度との値を式(5)で使用し、式(5)
中のa,b,cの値の組み合わせをシンプレックス法に
よって最小二乗誤差が最も小さくなるように決定し、水
の濃度分布を求めることができる。
【0060】こうして求めた水の濃度分布を図6に示
す。図6から、送風により表面が乾燥し、かつその乾燥
による水分濃度の勾配が深部にまで到達する様子が確認
できる。
【0061】以上のように、マルチプローブを用いて試
料を測定すると、試料表面における水の濃度分布を、電
気長の異なる電極での測定ごとにプローブを取り替える
必要がなく、マルチプローブを用いた一度の測定で、簡
便に精度よく求めることが可能となる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、時間領域反射法(TD
R法)などの誘電緩和測定にしたがい、試料の水分濃度
を非破壊的に測定するにあたり、試料の水分濃度分布
を、実用的な測定時間内で、精度よく、簡便に測定する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチプローブの概略図である。
【図2】本発明のマルチプローブを用いた誘電緩和測定
により水分濃度を測定するシステム概略図である。
【図3】本発明のマルチプローブを用いた誘電緩和測定
により水分濃度を測定するシステム概略図である。
【図4】本発明のマルチプローブの他の態様の斜視図で
ある。
【図5】皮膚を測定試料とした場合に、表面からの深さ
と水分濃度とに想定される関係図である。
【図6】皮膚を測定試料とした場合に、実施例の方法に
より求められた測定深さと水分濃度との関係図である。
【図7】従来の誘電緩和測定用プローブ、及びそのプロ
ーブを用いた誘電緩和測定により水分濃度を測定するシ
ステム概略図である。
【図8】誘電緩和測定用電極の断面図である。
【図9】誘電緩和測定用電極の断面図である。
【符号の説明】
1A マルチプローブ 2 誘電緩和測定用電極 3 プローブケース 4 同軸ケーブル 5 コネクター 6 発振・受信装置 21 内部電極 22 絶縁体 23 外部電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯線状の内部電極と、その内部電極に絶
    縁体を介して同軸状に配された外部電極とからなり、内
    部電極の先端面と外部電極の先端面が試料に対する接触
    面となる誘電緩和測定用電極が、一つのプローブ内に複
    数設けられていることを特徴とする誘電緩和測定用マル
    チプローブ。
  2. 【請求項2】 一つのプローブ内に設けられている複数
    の電極の電気長が互いに異なる請求項1記載の誘電緩和
    測定用マルチプローブ。
  3. 【請求項3】 一つのプローブ内に設けられている複数
    の電極の電気長が互いに等しい請求項1記載の誘電緩和
    測定用マルチプローブ。
JP31313396A 1996-11-07 1996-11-07 誘電緩和測定用マルチプローブ Pending JPH10142169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31313396A JPH10142169A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 誘電緩和測定用マルチプローブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31313396A JPH10142169A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 誘電緩和測定用マルチプローブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10142169A true JPH10142169A (ja) 1998-05-29

Family

ID=18037509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31313396A Pending JPH10142169A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 誘電緩和測定用マルチプローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10142169A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040282A1 (ja) * 2002-10-30 2004-05-13 Nichirei Corporation 物性測定用プローブ
JP2010538295A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 リンカーン・ヴェンチャーズ・リミテッド 時間領域反射率測定システム及びその使用方法
WO2019203110A1 (ja) * 2018-04-20 2019-10-24 日本電信電話株式会社 成分濃度測定装置および成分濃度測定方法
CN114599964A (zh) * 2019-10-28 2022-06-07 索尼集团公司 传感器装置和水分含量测量装置
WO2023132034A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13 日本電信電話株式会社 誘電分光センサ
JPWO2023132027A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040282A1 (ja) * 2002-10-30 2004-05-13 Nichirei Corporation 物性測定用プローブ
JP2010538295A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 リンカーン・ヴェンチャーズ・リミテッド 時間領域反射率測定システム及びその使用方法
WO2019203110A1 (ja) * 2018-04-20 2019-10-24 日本電信電話株式会社 成分濃度測定装置および成分濃度測定方法
JP2019190895A (ja) * 2018-04-20 2019-10-31 日本電信電話株式会社 成分濃度測定装置および成分濃度測定方法
CN114599964A (zh) * 2019-10-28 2022-06-07 索尼集团公司 传感器装置和水分含量测量装置
EP4012388A4 (en) * 2019-10-28 2022-09-14 Sony Group Corporation Sensor device and moisture content measurement device
US12306115B2 (en) 2019-10-28 2025-05-20 Sony Group Corporation Sensor apparatus and water amount measurement apparatus
CN114599964B (zh) * 2019-10-28 2026-01-09 索尼集团公司 传感器装置和水分含量测量装置
WO2023132034A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13 日本電信電話株式会社 誘電分光センサ
JPWO2023132027A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13
JPWO2023132034A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13
WO2023132027A1 (ja) * 2022-01-06 2023-07-13 日本電信電話株式会社 誘電分光センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4765179A (en) Radio frequency spectroscopy apparatus and method using multiple frequency waveforms
JPH10137193A (ja) むくみ評価方法
US5872447A (en) Method and apparatus for in-situ measurement of polymer cure status
JP2005514996A5 (ja)
CN102508042A (zh) 测量生物组织介电谱特性的终端开路同轴探头及方法
WO2009152624A1 (en) Device and method for determining at least one characterizing parameter of multilayer body tissue
Gabriel et al. Use of time domain spectroscopy for measuring dielectric properties with a coaxial probe
US6819121B1 (en) Method and apparatus for measurement of concrete cure status
JP3367279B2 (ja) 水の濃度分布測定方法
JPH10142169A (ja) 誘電緩和測定用マルチプローブ
Naito et al. In VivoDielectric Analysis of Free Water Content of Biomaterials by Time Domain Reflectometry
Ball Characteristic impedance of unbalanced TDR probes
Chen et al. Investigation of the sensing volume of open-ended coaxial probe for heterogeneous tissue dielectric properties measurement at microwave frequencies
Liporace et al. Use of the open-ended probe technique for the dielectric characterization of biological tissues at low frequencies
JP3369829B2 (ja) 水分測定装置
JP2740528B2 (ja) 物性測定装置
JPH10142170A (ja) 誘電緩和測定用プローブ
JP3109065B2 (ja) 誘電緩和測定用電極
JP7487208B2 (ja) 生体内誘電分光装置
Clark et al. Multiple reflection time domain spectroscopy. Application to dielectric relaxation properties of aqueous systems in the time range to 10–10 to 10–4 s
Dou et al. Resonant measurement of coaxial probe based on tunable impedance matching network
Blackham et al. Finite element analysis of open-ended coaxial lines
JPH10137268A (ja) 歯茎評価方法
Bose et al. Development of a dipole probe for the study of dielectric properties of biological substances in radiofrequency and microwave region with time-domain reflectometry
Lee et al. Development of microwave reflectometer for glucose content measurements