JPH10143251A - 配水施設制御装置 - Google Patents

配水施設制御装置

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JPH10143251A
JPH10143251A JP9036897A JP9036897A JPH10143251A JP H10143251 A JPH10143251 A JP H10143251A JP 9036897 A JP9036897 A JP 9036897A JP 9036897 A JP9036897 A JP 9036897A JP H10143251 A JPH10143251 A JP H10143251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く配水制御を行うことが可能となり、
機器制御動作の頻度を極力低減して機器類の耐久性を向
上させたものである。 【解決手段】 配水池11には水位計12が設けられて
いて、浄水池に一時的に蓄えられた浄水は配水池11に
複数台からなる送水ポンプ13で送水する。配水池11
の水位は水位計12により電気信号に変換されてポンプ
台数制御部14に与えられる。前記配水池11から自然
流下によって配水区の需要水量に応じて浄水が配水区の
管網15に配水される。前記ポンプ台数制御部14に
は、水位計12からの電気信号の他に、送水ポンプ13
による送水量を計測する第1流量計16からの電気信号
と、配水池11からの配水量を計測する第2流量計17
からの電気信号とが与えられる。ポンプ台数制御部14
はこれら電気信号と短期需要予測データから送水ポンプ
13の起動停止を判断し、ポンプ起動停止指令として送
水ポンプ13を制御している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上水道の配水施
設において、配水池を制御する配水施設制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】配水池は、浄水場からの送水を受け、当
該配水区域の需要量に応じて配水を行うための貯留池
で、配水量の時間変動を調整する機能とともに、配水池
より上流側の事故発生時などにも、所定の水量、水圧を
維持できる機能を持つことが必要である(この配水池に
ついては、「水道施設設計・解説」:厚生省監修・19
90年度版参照)。一方、浄水施設は計画1日最大給水
量を基準としているので、毎時一定量の浄水が配水池に
送られる。配水池の制御としては、これら2つの条件を
バランス良く満たすことが要求される。この制御の代表
的な例として、水位一定制御や時間毎に設定した水位で
のレベル制御などがある。
【0003】図21は従来の配水池水位制御をポンプ台
数制御に適用した配水施設の概略構成図で、1は配水
池、2は配水池1の水位を計測する水位計である。3は
浄水池から配水池1に水を送水する複数台からなる送水
ポンプで、これら送水ポンプ3は、ポンプ台数制御部4
からのポンプ起動停止指令により制御される。ポンプ台
数制御部4は水位計2からの信号により運転ポンプ台数
が決定される。5は配水区の管網である。
【0004】上記のように構成された配水施設におい
て、配水池1の現在水位が設定された設定最高水位HW
L(ポンプ全台停止)より高くなった場合、ポンプは全
台停止とするが、水位が以下の場合にはポンプの運転台
数を次のように制御する。
【0005】現在水位がポンプ制御水位1(LT1)よ
り高くなった場合、次式からポンプは1台運転とする。
なお、LWLは設定最低水位である。
【0006】 LT1=((HWL−LWL)/5)×1−HWL 次に、現在水位がポンプ制御水位2(LT2)より高く
なった場合、次式からポンプは2台運転とする。
【0007】 LT2=((HWL−LWL)/5)×2−HWL 以下、現在水位がポンプ制御水位3(LT3)より高く
なった場合、 LT3=((HWL−LWL)/5)×3−HWL の式からポンプは3台運転とし、ポンプ制御水位4(L
T4)より高くなった場合、 LT4=((HWL−LWL)/5)×4−HWL の式からポンプは4台運転とする。なお、現在水位がL
T4より低くなった場合は、ポンプは5台運転とする。
【0008】図22は従来の配水池水位制御をバルブ開
度制御に適用した配水施設の概略構成図で、1は配水
池、2は配水池1の水位を計測する水位計である。6は
浄水池から配水池1に水を送水するときに開度制御され
る受水バルブで、この受水バルブ6の開度制御で浄水池
から配水池1に水が給水される。受水バルブ6は受水バ
ルブ制御部7からの受水バルブ開度変更指令により制御
される。受水バルブ制御部7は、水位計2からの信号に
よりバルブ開度が決定される。8は配水ポンプである。
【0009】上記のように構成された配水施設おいて、
現在水位が設定されたHWLより高くなった場合には、
受水バルブ6を閉じ、水位がLT1より高くなった場合
には受水バルブ6を50%開度とする。ただし、LT1
は次式により決定される。
【0010】 LT1=((HWL−LWL)/5)×1−HWL 以下同様に水位がLT2以上になったときには、受水バ
ルブ6を55%開度とし、LT3のときには、バルブを
60%開度、LT4のときには、バルブを65%開度と
する。そのときの式はそれぞれ次のようになる。
【0011】 LT2=((HWL−LWL)/5)×2−HWL LT3=((HWL−LWL)/5)×3−HWL LT4=((HWL−LWL)/5)×4−HWL なお、現在水位がLT4より低くなった場合、バルブは
70%開度とする。
【0012】図23は従来の配水池水位制御をポンプ台
数制御を用いて塩素混和池に適用した配水施設の概略構
成図で、1は配水池、2は配水池1の水位を計測する水
位計である。3は、塩素混和池9から配水池1に水を供
給する複数台からなる送水ポンプで、これら送水ポンプ
3は、ポンプ台数制御部4からのポンプ起動停止指令に
より制御される。ポンプ台数制御部4は水位計2からの
信号により運転ポンプ台数が決定される。5は配水区の
管網である。なお、ポンプ起動時、塩素注入装置10の
流量変更の時間に合わせてポンプ起動を30分遅らせ
る。また、ポンプ停止時、塩素注入装置10の流量変更
の時間に合わせてポンプ停止を30分遅らせる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】配水施設の配水池に
は、「配水量に時間変動」の緩衝機能が求められる。配
水池の水位の最も簡易な制御としては、水位一定制御が
上げられるが、水位一定制御ではほとんど緩衝機能が働
かない。配水の時間変動を考慮した、時間毎の目標水位
を設定する制御方法は、ある程度の運用の成果を上げて
いるが、日々の配水パターンが一定ではないため、うま
く運用されない日が頻繁に発生してしまう。配水池より
上流側に事故が発生した時には、配水池は、貯水配水能
力が求められる。この要求をより良く満たすため、配水
池の水位は、有効水深の範囲で、常に高めに設定され
る。しかし、上記緩衝機能の要求を満たすためには、水
位はある程度変動し、事故対応の要求を満たすために
は、水位は高く一定である必要がある。
【0014】つまり、これらは相反する要求であり、こ
れら要求をお互いうまく満たした制御をする必要がある
が、そのような理想的な制御は現状では行われていな
い。
【0015】特に上記のような制御ではポンプの起動、
停止回数の頻度が多くなるため、設備や機器に損傷を与
え、耐久性を低下させ易くなる問題がある。
【0016】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、短期需要予測を用いて配水施設制御を行うことに
より、効率良く配水制御を行うことが可能となり、機器
制御動作の頻度を極力低減して機器類の耐久性を向上さ
せた配水施設制御装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明から第3発明は、送水ポン
プと配水池とを結ぶ送水管路に設けられ、配水池に送水
される送水量を計測する第1流量計と、配水池から配水
区域に配水される配水管路に設けられ、配水区域に配水
される配水量を計測する第2流量計と、この第2流量計
で計測された配水量が与えられ、この配水量を単位時間
の積算データとして時系列的に蓄えて過去の配水量時系
列データをn次元、t時間遅れの状態空間に埋め込んだ
短期需要予測部とを有し、前記両流量計で計測された送
水と配水量および水位計で計測された水位をポンプ台数
制御部に与え、ポンプ台数制御部からの要求により短期
需要予測部からのデータをポンプ台数制御部に供給し、
ポンプ台数制御部は送配水量、水位および短期需要予測
データから送水ポンプの起動停止を判断してポンプ起動
停止指令を送水ポンプに与えて送水ポンプを制御するこ
とを特徴とするものである。
【0018】第4発明から第6発明は、受水バルブと配
水池とを結ぶ送水管路に設けられ、配水池に送水される
送水量を計測する第1流量計と、配水池から配水区域に
配水される配水管路に設けられ、配水区域に配水される
配水量を計測する第2流量計と、この第2流量計で計測
された配水量が与えられ、この配水量を単位時間の積算
データとして時系列的に蓄えて過去の配水量時系列デー
タをn次元、t時間遅れの状態空間に埋め込んだ短期需
要予測部とを有し、前記両流量計で計測された送水と配
水量および水位計で計測された水位を受水バルブ制御部
に与え、受水バルブ制御部からの要求により短期需要予
測部からのデータを受水バルブ制御部に供給し、受水バ
ルブ制御部は送配水量、水位および短期需要予測データ
からバルブの開度を判断してバルブ開閉指令を受水バル
ブに与えて受水バルブを制御することを特徴とするもの
である。
【0019】第7発明から第9発明は、送水ポンプと配
水池とを結ぶ送水管路に設けられ、配水池に送水される
送水量を計測する第1流量計と、配水池から配水区域に
配水される配水管路に設けられ、配水区域に配水される
配水量を計測する第2流量計と、この第2流量計で計測
された配水量が与えられ、この配水量を単位時間の積算
データとして時系列的に蓄えて過去の配水量時系列デー
タをn次元、t時間遅れの状態空間に埋め込んだ短期需
要予測部とを有し、前記両流量計で計測された送水と配
水量および水位計で計測された水位をポンプ台数制御部
に与え、ポンプ台数制御部からの要求により短期需要予
測部からのデータをポンプ台数制御部に供給し、ポンプ
台数制御部は送配水量、水位および短期需要予測データ
から送水ポンプの起動停止を判断してポンプ起動停止指
令を送水ポンプに与えて送水ポンプを制御するととも
に、送水ポンプの起動時あるいは停止時、前記塩素注入
装置の注入量変更の時間に合わせて送水ポンプの起動停
止を一定時間遅らせるようにしたことを特徴とするもの
である。
【0020】第10発明および第11発明は、前記ポン
プ台数制御部が、ポンプ台数可変速制御を行うととも
に、予測水位が設定最高水位より高くなったときには、
ポンプ回転数を減らし、設定最低水位より低くなったと
きにはポンプ回転数を増やすようにしたものである。
【0021】第12発明は、前記ポンプ台数可変速制御
における可変速操作量を、次式から得るようにしたもの
である。
【0022】可変速操作量(%)=Σ(ERROR)×
GAIN×100 ただし、ERROR:予測水位のエラー値、GAIN:
可変速の変化量ゲイン
【0023】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の第1形態
をポンプ台数制御に適用した配水施設制御装置の概略構
成図で、図1において、11は配水池で、この配水池1
1には水位計12が設けられている。13は、図示しな
い浄水池に一時的に蓄えられた浄水を配水池11に送水
する複数台からなる送水ポンプである。配水池11の水
位は水位計12により電気信号に変換されてポンプ台数
制御部14に与えられる。前記配水池11から自然流下
によって配水区の需要水量に応じ、浄水が配水区の管網
15に配水される。
【0024】前記ポンプ台数制御部14には、水位計1
2からの電気信号の他に、送水ポンプ13による送水量
を計測する第1流量計16からの電気信号と、配水池1
1からの配水量を計測する第2流量計17からの電気信
号とが与えられる。ポンプ台数制御部14はこれら電気
信号、すなわち配水池の水位、ポンプ送水量、配水量お
よび後述する短期需要予測データから送水ポンプ13の
起動停止を判断し、ポンプ起動停止指令として送水ポン
プ13を制御している。
【0025】18は詳細を後述する短期需要予測部で、
この短期需要予測部18には第2流量計17からの配水
量の電気信号が供給され、ポンプ台数制御部14からの
要求によって短期需要予測データがポンプ台数制御部1
4に出力される。
【0026】短期需要予測部18はカオス理論による短
期需要予測手法を採用したもので、以下その詳細を述べ
る。短期需要予測部18は配水量を単位時間の積算デー
タとして時系列的に蓄え、その過去の配水量の時系列デ
ータをn次元、t時間遅れの状態空間に埋め込むように
したものである。
【0027】まず,配水量の時系列データy(t)からベク
トル(y(t),y(t-τ),y(t-2τ),…y(t-(n-1)τ))をつくる
(τは遅れ時間)。このベクトルは、n次元再構成状態
空間「Rn」の1点を示すことになる。従って、時間t
を変化させると、このn次元再構成状態空間に軌道が描
ける。この様子を図2に示す。図2に示したように、い
ま、最新の観測によって得られたデータベクトルz(T)を
n次元再構成状態空間にプロットし、その近傍のデータ
ベクトルをx(i)とし、x(i)のsステップ先の状態をx(i+
s)とする。そして、予測すべきsステップ先のデータベ
クトルz(T+s)の予測値(以下予測値には記号∧を付す)
を∧z(T+s)とする。この様子を図3に示す。状態x(i)の
sステップ後の状態x(i+s)への変化は、x(i),x(i+s)を
用いて次のように言語的表現で表すことができる。
【0028】 IF x(T) is x(i) THEN x(T+s) is x(i+s) ……(1) この(1)式において、x(T)はn次元再構成状態空間に
おけるz(T)の近傍のデータベクトルを表す集合、x(T+s)
はx(T)のsステップ後のデータベクトルを表す集合であ
り、x(i)は、z(T)の近傍のデータベクトルであるから、
状態z(T)から状態z(T+s)のダイナミクスを、状態x(i)か
ら状態x(i+s)のダイナミクスから推定することができ
る。
【0029】n次元再構成状態空間に埋め込まれたアト
ラクタは滑らかな多様体であり、z(T)からz(T+s)への軌
道はz(T)からx(i)へのユークリッド距離によって影響さ
れる。ところで、 x(i)=(y(i),y(i-τ),y(i-2τ),…y(i-(n-1)τ)) ……(2) x(i+s)=(y(i+s),y(i+s-τ),y(i+s-2τ),…y(i+s-(n-1)τ)) であるので、(2)式はn次元再構成状態空間における
j軸に注目すると、 IF aj(T) is yj(i) THEN aj(T+s) is
yj(i+s) (j=1〜n) …(3) ここで、aj(T)は、z(T)の近傍値x(i)のn次元再構成状
態空間におけるj軸成分、aj(T+s)は、x(i+s)のn次元
再構成状態空間におけるj軸成分、nは、埋め込み次元
数である。
【0030】また、z(T)から∧z(T+s)への軌道は、z(T)
からx(i)へのベクトル距離によって影響されるが、埋め
込まれたアトラクタが滑らかな多様体であり、これは非
線形な影響を受ける。よってx(T)からx(T+s)へのマッピ
ングを非線形化するために、(3)式をファジィ関数に
より表現すると、次の(4)式のようになる。
【0031】
【数1】
【0032】ところで、z(T)=(y(T),y(T-τ),y(T-2τ),
…y(T-(n-1)τ))であるので、z(T)のn次元再構成状態
空間におけるj軸成分はyj(T)となる。よって、データ
ベクトルz(T)のsステップ後のデータベクトルz(T+s)へ
の予測値[∧z(T+s)]のj軸成分は、(4)式のaj(T)
にファジィ値[〜yj(T)]を代入しファジィ推論をする
ことにより、aj(T+s)として求めることができる。
【0033】短期需要予測部18は上記のようにして求
めた需要量の予測データを、ポンプ台数制御部14の要
求に応じて渡す。
【0034】前記ポンプ台数制御部14は予測水位計算
部とポンプ起動・停止制御部からなり、これらは次のよ
うな動作を行う。まず、予測水位計算部の動作について
述べる。予測水位計算部は、短期需要予測部18で採用
した単位時間後の予測水位(L1)を次式で計算する。
【0035】L1=(Q0−Q1)/S+L0 すると、2単位時間後の予測水位(L2)は、次式のよ
うになる。
【0036】L2=(Q0−Q2)/S+L1 以下、3単位時間後、4単位時間後…12単位時間後の
予測水位(L12)まで求めると次のようになる。
【0037】 L3=(Q0−Q3)/S+L2 L4=(Q0−Q4)/S+L3 L5=(Q0−Q5)/S+L4 ・ ・ ・ L12=(Q0−Q12)/S+L11 なお、Sは配水池の底面積、L0は現在水位、L1は単位
時間後の水位、L2は単位時間×2後の水位、L3は単位
時間×3後の水位、L4は単位時間×4後の水位、L5は
単位時間×5後の水位、L6は単位時間×6後の水位、
L7は単位時間×7後の水位、L8は単位時間×8後の水
位、L9は単位時間×9後の水位、L10は単位時間×1
0後の水位、L11は単位時間×11後の水位、L12は単
位時間×12後の水位である。
【0038】また、Q0は単位時間あたりの送水ポンプ
送水量(現状の値の積算)、Q1は1番目の単位時間の
予測配水量(単位時間あたり)、Q2は2番目の単位時
間の予測配水量(単位時間あたり)、Q3は3番目の単
位時間の予測配水量(単位時間あたり)……Q10は10
番目の単位時間の予測配水量(単位時間あたり)、Q1
1は11番目の単位時間の予測配水量(単位時間あた
り)、Q12は12番目の単位時間の予測配水量(単位
時間あたり)である。
【0039】次にポンプ起動停止制御部について述べ
る。ポンプ起動停止制御部は、予め設定されたポンプ台
数制御に使用する予測有効数(ET)の範囲で、予測水
位がHWL(設定最高水位:ポンプ減台水位)より高く
なった場合、ポンプを1台減台し、また、予め設定され
た予測有効数(ET)の範囲で、予測水位がLWL(設
定最低水位:ポンプ増台水位)より低くなった場合、ポ
ンプを1台増台する制御を行う。このように、ポンプ台
数制御部14からのポンプ起動停止指令で送水ポンプ1
3は制御される。
【0040】ここで、この発明の実施の第1形態による
制御結果(図4)と従来例による制御結果(図5)とを
比較して見る。第1形態での設定値は、HWL:9m、
LWL:5m、単位時間:1時間、予測有効数(E
T):8、制御周期:1時間、配水池の有効水深:10
mとし、配水量予測のために、短期需要予測部18に制
御を行う前、1.5ヶ月の時間あたりの配水量を入力し
た。
【0041】図4(a),(b),(c)は第1形態に
おけるそれぞれのトレンドグラフ、図5は図21に示す
従来例の代表的な1日のトレンドグラフである。図4
(a)はポンプ起動が起こった日のデータで、グラフ中
の符号Bの時点で3台目のポンプが起動していることを
示すもので、符号Bの時点での水位は符号Aの時点での
水位よりも高いにもかかわらず、符号Aの時点では、将
来の予測水位に問題が無いためポンプは起動せず、符号
Bの時点では将来の水位が低くなると予測されたため、
ポンプの起動が起きていることを示すグラフである。
【0042】図4(b)はポンプ停止が起こった日のデ
ータで、グラフ中の符号Dの時点で3台目のポンプが停
止していることを示すもので、符号Cの時点での水位は
符号Dの時点での水位よりも高いにもかかわらず、符号
Cの時点では、将来の予測水位に問題が無いためポンプ
は停止せず、符号Dの時点では将来の水位が高くなると
予測されたため、ポンプの停止が生じていることを示す
グラフである。
【0043】図4(c)は一日中ポンプの起動停止が起
こらなかった日のデータで、配水量の変動に応じて水位
が穏やかに変化していることを示すグラフである。
【0044】図5は従来例における代表的な一日のデー
タで、この従来例においては、配水量の変動によって水
位が変化し、水位のレベル設定値(LT1等)を越える
ごとにポンプの起動・停止が起きていて、水位は制御範
囲内に収まっているが、ポンプの起動停止回数が多くな
る。なお、各設定値等は第1形態と同様にして制御を行
った。
【0045】上記第1形態の制御結果は連続14日間検
討した。その間のポンプの起動回数は5回であった。水
位はHWLとLWLの間で穏やかに変動し、HWLとL
WLを越えることは無かった。一方、従来例の場合も第
1形態と総配水量が同程度の時期に連続14日間のデー
タで検討した。その間のポンプ起動回数は52回であっ
た。水位はHWLとLWLを越えることは無かった。な
お、第1形態ではポンプは2台と3台のみの稼働状況で
あったのに対して、従来例ではポンプ1台から3台の間
で運転された。
【0046】次に第1形態と従来例とで検討したポンプ
5台の流量Q・水位圧力Hカーブを図6に示す。第1形
態における同一の配管で送水する並列運転のポンプは、
一般的な構成で、この構成では管路の抵抗の関係から稼
働台数が多くなるほど加速的に送水量は頭打ちとなる。
このことは言い換えればそれぞれのポンプの送水量が加
速的に減少し効率が悪くなることを意味する。従って、
省エネルギの点から考えるとポンプの運転は、あまり台
数が変化する事が無く、配水量の平均を挟む流量となる
台数で緩やかに交互に運転されることが望ましい。この
ような制御手段が第1形態のポンプ2台運転とポンプ3
台運転を緩やかに繰り返す状態で、このような状態がま
さに望ましい運転と言えるものである。
【0047】第1形態の配水施設は浄水場からの浄水を
受けて配水を行っている。ところで、浄水場はその構造
からほぼ一定量の浄水を安定して供給することが望まし
く、第1形態のポンプ2台運転とポンプ2台運転を緩や
かに繰り返す状態は、浄水場の安定運用の観点からも効
果が大きい。
【0048】次に第1形態の効果を述べる。第1形態で
はポンプ起動回数が14日間で5回のみであり、ポンプ
や関連装置の耐久性からも良い制御と言える。また、ポ
ンプ起動回数が14日間で5回のみであり、ポンプ起動
時の大きな電気量から考えると省エネルギな良い制御で
ある。さらに、ポンプ運転台数が2台と3台の状態のみ
であるから、最も効率が良く、かつ、浄水場からの受水
が安定していて、浄水配水施設の運用上良い利点があ
る。
【0049】図7はこの発明の実施の第2形態をバルブ
開度制御に適用した配水施設制御装置の概略構成図で、
第1形態と同一部分には同一符号を付して示す。一般
に、広域水道事業などの浄水場で作られた浄水は、各地
域の配水池に自然流下もしくは、ポンプにより圧力送水
される。配水池では、受水バルブをコントロールして、
必要な水の量に応じた受水を行える。しかし、浄水場の
浄水を作る能力はコンスタントであるため、全体のシス
テムの特性から配水池側により一定に近い受水を義務付
ける場合が多い。図7の第2形態においては、浄水場か
らの受水流量を受水バルブ21でコントロールしてい
る。配水池11からは配水ポンプ22によって配水区の
管網15の需要水量に応じて浄水が配水される。
【0050】配水池11の水位は水位計12によって受
水バルブ制御部23に与えられる。受水バルブ21の受
水量は第1流量計16によって受水バルブ制御部23に
供給される。また、配水池11からの配水量は第2流量
計17によって受水バルブ制御部23に供給される。1
8は短期需要予測部で、この短期需要予測部18は第2
流量計17から配水量を得て、受水バルブ制御部23か
らの要求によって、短期需要予測のデータを受水バルブ
制御部23に出力している。受水バルブ制御部23は配
水池水位、配水量、受水量、短期需要予測データから受
水バルブ21の開度を判断し、バルブ開閉指令として受
水バルブ21の開度を制御している。
【0051】前記短期需要予測部18は、局所ファジィ
再構成法の簡便法である重心法を用いて検討した。重心
法は局所ファジィ再構成法とn次元再構成状態空間への
埋め込みとz(T)の近傍のデータを抽出するまでは同様に
行う。予測はj軸成分を近傍のデータの値の重心を求
め、その値を予測値としたものである。短期需要予測部
18は上記のようにして求めた需要量の予測データを、
受水バルブ制御部23の要求に応じて供給する。
【0052】受水バルブ制御部23は第1形態で示した
予測水位計算部とバルブ制御部からなり、バルブ制御部
は次のような制御動作を行う。バルブ制御部は、予め設
定された予測有効数(ET)の範囲で、予測水位がHW
L1(バルブ漸閉時の設定最高水位)より高くなった場
合、バルブを規定量閉め、また、予め設定された予測有
効数(ET)の範囲で、予測水位がLWL1(バルブ漸
開時の設定最低水位)より低くなった場合、バルブを規
定量開ける制御を行う。このようにして、受水バルブ制
御部23からのバルブ制御指令で受水バルブ21は制御
される。
【0053】次に第2形態のバルブ開度制御と、従来例
によるバルブ開度制御との比較結果をトレンドグラフを
用いて示す。なお、第2形態での設定値は、HWL:9
m、LWL:6m、単位時間:1時間、予測有効数(E
T):8、制御周期:1時間、配水池の有効水深:10
mとし、配水量予測のために、短期需要予測部18に制
御を行う前、1.5ヶ月の時間あたりの配水量を入力し
た。
【0054】図8(a)は第2形態でのそれぞれ1日の
トレンドグラフであり、図8(b)は、図22に示す従
来例の代表的な1日のトレンドグラフである。図8
(a)において、バルブ制御を行った日のデータで、グ
ラフ中の符号Bの時点でバルブが開放し、この符号Bの
時点での水位は符号Aの時点における水位とほぼ同じに
もかかわらず、符号Aの時点では将来の予測水位に問題
が無いため、バルブ開度は変更せず、符号Bの時点では
将来の水位が低くなると予測されたため、バルブ漸開の
操作が起きている。一方、従来例の図8(b)において
は、配水量の変動によって水位が変化し、水位のレベル
設定値(LT1等)を越えるごとにバルブの漸開、漸閉
が起きている。水位は制御範囲内に収まっているが、バ
ルブの調整回数が多くなる欠点がある。
【0055】上記第2形態における制御結果は連続14
日間検討した。その間のバルブの開度操作回数は3回で
あった。このように操作回数が少ない理由として、第2
形態おいて、バルブの開度は水位の動きが制御水位幅を
生かすような開度に自然に落ち着いて、一度安定してし
まうとバルブはほとんど動かなかったためである。な
お、水位はHWL1とLWL1の間で穏やかに変動し、H
WL1とLWL1を越えることは無かった。また、従来例
も第2形態と総配水量が同程度の時期に連続14日間の
データで検討した。その間のバルブの開度操作回数は5
5回にもなった。なお、水位は第2形態と同様に、HW
L1とLWL1を越えることは無かった。
【0056】次に第2形態の効果について述べる。第2
形態によれば、バルブにより受水する配水池の制御で
も、短期需要予測を用いた制御を行ったので、バルブの
制御回数を少なくできる。また、バルブにより受水する
配水池の制御では、時間とともに制御回数が最も少なく
なるようなバルブ開度に自然に落ち着いて行くので、よ
り一層安定な制御が可能となる。さらに、受水バルブの
制御回数が少なくでき、浄水場からの安定受水ができる
ため、浄水場の運用の安定に後見し、設計段階にも反映
させれば、貯留の貯水タンクの大きさを小さくできるた
め、よりコストの安い浄水を提供できるようになる。こ
のほか、受水バルブの制御回数が少ないために、特に長
い配管を通って送水される場合等の水撃作用の防止に有
効であり、カオス短期需要予測の重心法でもまずまずの
良い制御結果が得られることが分かった。
【0057】図9はこの発明の実施の第3形態をポンプ
台数制御を用いて塩素混和池に適用した配水施設制御装
置の概略構成図で、第1形態と同一部分には同一符号を
付して示す。図9において、図示しない浄水池に一時蓄
えられた浄水は、塩素注入施設である塩素混和池24を
通って送水ポンプ13によって配水池11に送水され
る。配水池11からは配水ポンプ22によって配水区の
管網15の需要水量に応じて浄水が配水される。配水池
11の水位は水位計12によってポンプ台数制御部14
に供給される。送水ポンプ13の送水量は第1流量計1
6によってポンプ台数制御部14に供給される。このポ
ンプ台数制御部14には、さらに、配水池11からの配
水量が第2流量計17から供給される。
【0058】第2流量計17の配水量は短期需要予測部
18にも供給され、短期需要予測部18はポンプ台数制
御部14からの要求によって、短期需要予測のデータを
ポンプ台数制御部14に出力している。ポンプ台数制御
部14は、配水池の水位、配水量、送水量、短期需要予
測データからポンプの起動停止を判断し、ポンプ起動停
止指令として、送水ポンプ13を制御している。ポンプ
13の起動時は塩素注入装置25の注入量変更の時間が
必要となるため、ポンプ起動の判断をした場合、塩素注
入装置25の注入量変更をして、30分後に実際のポンプ
起動を行うシーケンスとした。ポンプ停止時も同様にポ
ンプ停止判断の30分後に実際のポンプ停止を行った。
【0059】上記短期需要予測部18における短期需要
予測は次のように行う。まず、過去の配水量パタンを日
のタイプに分ける、 タイプ1:月曜日〜金曜日 タイプ2:土曜日 タイプ3:日曜日と祝祭日(祝祭日は曜日より優先)。
【0060】短期需要予測を行う日のタイプに合わせ
て、過去の同タイプの日のうちから、最も近い日を3日
選択して、その日の配水データから予測する時間のデー
タを抽出し、平均値を求め予測値を得た。例えば、ある
火曜日の11時の配水量を知りたいならば、タイプ1の最
も近い日を3日調べ、前日の月曜日、先週の金曜日、先
週の木曜日の11時の配水量(月曜日11時:540m3、金曜
日11時:600m3、木曜日11時:510m3)を平均
し、予測値550m3((540+600+510)/3=550)を得る。
【0061】次にポンプ台数制御部14について述べる
に、この制御部14は次に記述する部分を除いて第1形
態と同様の制御動作を行う。送水ポンプ13起動時、塩
素注入装置25の注入量変更の時間に合わせてポンプ起
動を30分遅らせる。また、ポンプ停止時、塩素注入装置
25の注入量変更の時間に合わせてポンプ停止を30分遅
らせる。
【0062】ここで、この発明の実施の第3形態による
制御結果と従来例による制御結果とを比較して見る。第
3形態での設定値は、HWL:9m、LWL:5m、単
位時間:1時間、予測有効数(ET):8、制御周期:
1時間、ポンプ起動判断後のポンプ起動までの待ち時
間:30分、配水池の有効水深:10mとし、配水量予測
のために、短期需要予測部18に制御を行う前、2ヶ月
の時間あたりの配水量を入力した。
【0063】図10(a)、(b)、(c)は第3形態
でのそれぞれ1日のトレンドグラフであり、図11は図
23に示す従来例の代表的な1日のトレンドグラフであ
る。図10(a)のトレンドグラフはポンプ起動が起こ
った日のデータで、実際にポンプが起動したのは、ポン
プ起動判断30分後である。図10(b)のトレンドグラ
フはポンプ停止が起こった日のデータで、実際にポンプ
が停止したのは、ポンプ停止判断30分後である。図10
(c)のトレンドグラフは一日中ポンプの起動停止が起
こらなかった日のデータで、ポンプ起動停止の必要の無
い日は、図のように水位が変化する。
【0064】図11は従来例の代表的な1日のデータ
で、配水量の変動によって水位が変化し、水位の変化に
応じて頻繁にポンプ起動停止が起きている。実際にポン
プが起動したのは、ポンプ起動判断30分後であり、ま
た、実際にポンプが停止したのは、ポンプ停止判断30分
後である。この日のポンプ停止回数は4回、ポンプ起動
回数は4回である。
【0065】なお、第3形態の制御結果は連続14日間
検討した。その間のポンプの起動回数は5回であった。
塩素注入装置25の流量変化の遅れがあっても、短期需
要予測による配水池制御は非常に良い制御を示した。ま
た、ポンプの起動・停止の頻度が図10(a),(b)
に示すように少ないため、塩素注入装置25の注入量変
化の回数が図12(a),(b)に示すように少なくな
るとともに、図10(c)に示すようにポンプの起動停
止が起こらなかった日には図12(c)に示すように塩
素注入装置25の注入量も図に示すような変化になり、
安定した塩素濃度で配水できた。一方、従来例も第3形
態と総配水量が同程度の時期に連続14日間のデータで
検討した。その間のポンプ起動回数は57回にもなっ
た。このようにポンプの起動・停止の頻度が図11に示
すように多いと、その度に塩素注入装置25の注入量を
変化させなければならず、配水の塩素濃度は図13に示
すように大きく上下動してしまった。
【0066】次に第3形態の効果について述べる。第3
形態によれば、ポンプ起動がすぐに行えない施設でも、
ポンプ起動回数が14日間で5回のみであり、第1形態
と同様に機器に優しい良い制御ができるとともに、省エ
ネルギな良い制御ができ、しかも、塩素注入装置の安定
運用ができる利点がある。また、第1形態と同様にポン
プ運転台数が2台と3台の状態のみで、最も効率がよく
なり、かつ浄水場からの受水が安定していて、浄水配水
施設の運用上好ましくなる。さらに、短期需要予測に過
去データからのパタン分け予測を利用していて、他の短
期予測に劣らず、配水施設の良い運用ができる等の利点
が得られる。
【0067】図14はこの発明の実施の第4形態をポン
プ台数可変速制御に適用した配水施設制御装置の概略構
成図で、第1形態と同一部分には同一符号を付して示
す。図14において、13は図示しない浄水池に一時的
に蓄えられた浄水を配水池11に送水する可変速運転さ
れる複数台の送水ポンプで、これら送水ポンプ13はポ
ンプ台数可変速制御部26からの出力により制御され
る。ポンプ台数可変速制御部26の出力は、ポンプ起動
停止指令と可変速運転指令である。
【0068】ポンプ台数可変速制御部26には、水位計
12からの電気信号の他に、送水ポンプ13による送水
量を計測する第1流量計16からの電気信号と、配水池
11からの配水量を計測する第2流量計17からの電気
信号とが与えられる。ポンプ台数可変速制御部26は、
これら電気信号、すなわち配水池の水位、ポンプ送水
量、配水量および前述した短期需要予測データから送水
ポンプ13の可変速運転と起動停止を判断して送水ポン
プ13の制御を行っている。なお、短期需要予測データ
は、第1形態で述べた短期需要予測部18から出力され
る。
【0069】短期需要予測部18は第1形態のようにし
て求めた需要量の予測データをポンプ台数可変速制御部
26の要求に応じて供給する。このポンプ台数可変速制
御部26は図示しない予測水位計算部とポンプ制御指令
値決定部からなり、これらは次のような動作を行うが、
前者の予測水位計算部は第1形態で述べた動作と同様で
あるので、ここでは説明を省略し、後者のポンプ制御指
令値決定部について述べる。
【0070】ポンプ制御指令値決定部は、予め設定され
たポンプ台数制御に使用する予測有効数の範囲で、予測
水位がHWLより高くなった場合、ポンプを1台少なく
し、予測水位がLWLより低くなった場合、ポンプを1
台増加する制御を行う。また、予め設定された可変速制
御に使用する予測有効数(VT)の範囲で、予測水位が
HWLより高くなった場合、ポンプ回転数を減らし、予
測水位がLWLより低くなった場合、ポンプ回転数を増
やす。なお、ポンプ回転数の可変速操作量は、(VT)
の範囲での予測水位のエラー値(ERROR:制御範囲
から外れた量)を積算し、次式から求める。
【0071】 操作量(%)=Σ(ERROR)×GAIN×100 なお、GAINは可変速の変化量ゲインである。
【0072】ここで、実施の第4形態と従来例による制
御との比較をするために、図21に示す配水施設の概略
構成図で使用しているポンプ台数制御部に代えてポンプ
台数可変速制御部を使用した場合を例に取って述べる。
図21のように構成された配水施設において、配水池1
の現在水位がポンプ制御水位1(LT1)より高くなっ
た場合、ポンプは1台運転とする。ただし、LT1=H
WL(設定最高水位)である。
【0073】次に、現在水位がポンプ制御水位2(LT
2)より高くなった場合、次式よりポンプは2台運転と
する。 LT2=((HWL−LWL)/3)×1−HWL 現在水位がポンプ制御水位2(LT2)以下でポンプ制
御水位3(LT3)以上の場合、次式よりポンプは3台
運転とする。 LT3=((HWL−LWL)/3)×2−HWL 同様に、現在水位がLT4以上でLT3未満より低くな
った場合、次式よりポンプは4台運転とする。LT4=
LWL(設定最低水位) 現在水位がLT4より低くなった場合、ポンプは5台運
転とする。
【0074】なお、ポンプの回転数変化量は次式で決定
する。 操作量(%)=ERROR(T)×GAIN(T)×1
00 ただし、 ERROR(T):水位のエラー値(設定水
位の中心から外れた量) GAIN(T):可変速の変化量ゲイン である。
【0075】ここで、この発明の実施の第4形態による
制御結果(図15)と、上述した従来例による制御結果
(図16)とを比較して見る。第4形態での設定値は、
HWL:9m、LWL:6m、単位時間:1時間、ポン
プ台数制御による予測有効数ET:3、可変速制御によ
る予測有効数VT:8、制御周期:1時間、GAIN:
0.05、配水池の有効水深:10mとし、配水量予測
のため、短期需要予測部18に制御を行う前、1.5ケ
月の時間あたりの配水量を入力した。
【0076】なお、従来例での設定値次の通りである。
HWL:9m、LWL:6m、設定水位の中心MWL:
7.5m、制御周期:1時間、GAIN(T):0.1。
【0077】次に第4形態の制御結果である図15につ
いて述べる。図15は第4形態のトレンドグラフを示す
もので、この図15からポンプの起動停止は生じていな
いで、22時の時点で可変速の指令が97%から95%
に変化したことを示している。水位は緩やかに変化し、
制御範囲内に収まっている。14日間の連続した運転で
はポンプ起動は0回、可変速の変更指令は30回であっ
た。
【0078】これに対して、従来例の制御結果である図
16(この図16は1日のデータである)においては、
配水量の変動によって水位が変化し、水位のレベル設定
値(LT3等)を越えるごとにポンプの起動停止が生じ
ている。水位は制御範囲内に収まっているが、ポンプ起
動停止回数と可変速指令の変化回数が多い。14日間の
連続した運転では、ポンプ起動は79回、可変速の変更
指令は160回であった。
【0079】図17は、第4形態と従来例で検討したポ
ンプ5台における全送水ポンプ可変速運転時におけるポ
ンプ吐出量を示すQHカーブで、この図17におけるQ
Hカーブは上から100%回転数、95%回転数、90
%回転数および85%回転数の場合のものである。第4
形態における同一の配管で送水する並列運転のポンプ
は、一般的な構成である。この構成では、図17から明
かのように、管路の抵抗の関係から稼働台数が多くなる
ほど、加速的に送水量は頭打ちとなる。これは言い換え
ればそれぞれのポンプの送水量が加速的に減少し効率が
悪くなることを意味する。
【0080】従って、省エネルギの点から考えると、ポ
ンプの運転は、あまり台数が変化することがなく、配水
量の平均が送水できる最低の台数で、微小な流量は可変
速運転によって調節されることが望ましい。上記第4形
態においては、ポンプ3台運転が続き、可変速運転で流
量が調節される状態がまさに、その望ましい運転であ
る。しかも、可変速運転はエネルギ効率が良いシステム
と称されているため、エネルギ効率をほとんど低下させ
ずに、制御の精度を向上させることができる。
【0081】上記第4形態の配水施設は、浄水場からの
浄水を受けて配水を行っている。ところで、浄水場はそ
の構造からほぼ一定量の浄水を安定して供給することが
望ましく、第4形態で述べたようにポンプ3台運転が続
き、可変速運転で流量が調節されるという状態は、浄水
場の安定運用の観点からも効果が大きい。
【0082】ここで、第4形態の効果について述べる。
第4形態では、ポンプ起動回数が、14日間で0回であ
り、ポンプや関連装置の耐久性を考慮すると良い制御と
言える。また、ポンプ起動回数が14日間で0回であ
り、ポンプ起動時の大きな電気量を考慮すると省エネル
ギな良い制御となる。さらに、ポンプの可変速変更の回
数が14日間で30回のみであり、送水量が安定してい
るとともに、ポンプ運転台数が3台の状態のみで、流量
調節はポンプの可変速運転によるため最も効率が良い。
この他、ポンプ運転台数が3台の状態のみで、浄水場か
らの受水が安定していて、浄水配水施設の運用上良い。
【0083】次に、この発明の実施の第5形態について
述べる。この第5形態は第4形態におけるポンプ送水シ
ステムを変更して可変速運転するポンプを1台として運
転したものである。このときのポンプによる送水量のグ
ラフを図18に示す。この第5形態においても、短期需
要予測部18およびポンプ台数可変速制御部26の動作
は第4形態と同様であるが、ポンプ1台だけ可変速制御
されるように構成されている。
【0084】この第5形態と従来例の制御結果を図19
と図20に示す。図19は第4形態でのトレンドグラフ
で、この図19では、ポンプの起動停止は生じていな
く、14時の時点で可変速の指令が90%から92%に
変わった場合を示している。水位は緩やかに変化し、制
御範囲内に収まっている。14日間の連続した運転では
ポンプ起動は0回、可変速の変更指令は25回であっ
た。
【0085】図20は従来例の代表的な1日のデータ
で、配水量の変動によって水位が変化し、水位のレベル
設定値(LT3等)を越えるごとにポンプの起動停止が
生じている。水位は制御範囲内に収まっているが、ポン
プの起動停止回数と可変速指令の変化回数が多い。例え
ば、14日間の連続した運転においては、ポンプ起動が
58回、可変速の変更指令が188回と多かった。
【0086】上記の結果から第5形態においても、第4
形態と同様に、省エネルギで、かつ安定な運転ができる
ことが判明した。これにより、浄水場の安定運用にも適
している。
【0087】なお、第4形態と第5形態におけるポンプ
台数可変制御は第3形態のポンプ台数制御部にも適用可
能である。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
短期需要予測を用いた配水施設制御を行うことにより、
配水施設の機能を生かした自動制御ができるとともに、
ポンプの起動停止回数やポンプ可変速運転の変更回数を
少なくして設備や機器の耐久性を向上させ、しかも、省
エネルギな運転が可能となる利点がある。また、ポンプ
を安定して稼働できるため、省エネルギな運転ができる
とともに、浄水場からの送水を安定して受けることがで
きる利点もあり、さらに、ポンプの起動停止がすぐに行
えない配水施設の運用においても、ポンプを安定して稼
働できるとともに、塩素注入装置が関係した配水施設の
運用においても、ポンプの起動停止回数を少なくするこ
とができるために、塩素注入装置を安定に運用すること
ができる利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態をポンプ台数制御に
適用した配水施設制御装置の概略構成図。
【図2】時系列配水量データのn次元再構成空間への埋
め込みを示す説明図。
【図3】x(T)からx(T+S)へのダイナミクス説
明図。
【図4】(a),(b),(c)は第1形態におけるト
レンドグラフ。
【図5】従来例におけるトレンドグラフ。
【図6】ポンプシステムの流量Q−水位圧力Hカーブ特
性図。
【図7】この発明の実施の第2形態をバルブ開度制御に
適用した配水施設制御装置の概略構成図。
【図8】(a)は第2形態におけるトレンドグラフ、
(b)は従来例におけるトレンドグラフ。
【図9】この発明の実施の第3形態をポンプ台数制御を
用いて塩素混和池に適用した配水施設制御装置の概略構
成図。
【図10】(a)〜(c)は第3形態におけるトレンド
グラフ。
【図11】従来例におけるトレンドグラフ。
【図12】(a)〜(c)は第3形態における塩素濃度
グラフ。
【図13】従来例における塩素濃度グラフ。
【図14】この発明の実施の第4形態をポンプ台数可変
速制御に適用した配水施設制御装置の概略構成図。
【図15】第4形態におけるトレンドグラフ。
【図16】従来例におけるトレンドグラフ。
【図17】全ポンプ可変速運転のQHカーブ特性図。
【図18】ポンプ1台可変速運転のQHカーブ特性図。
【図19】第5形態におけるトレンドグラフ。
【図20】従来例におけるトレンドグラフ。
【図21】従来の配水池水位制御をポンプ台数制御に適
用した配水施設の概略構成図。
【図22】従来の配水池水位制御をバルブ開度制御に適
用した配水施設の概略構成図。
【図23】従来の配水池水位制御をポンプ台数制御を用
いて塩素混和池に適用した配水施設の概略構成図。
【符号の説明】
11…配水池 12…水位計 13…送水ポンプ 14…ポンプ台数制御部 15…配水区の管網 16…第1流量計 17…第2流量計 18…短期需要予測部 21…受水バルブ 22…配水ポンプ 23…受水バルブ制御部 24…塩素混和池 25…塩素注入装置 26…ポンプ台数可変速制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05B 13/04 G05B 13/04 // G05D 7/06 G05D 7/06 A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送水ポンプと、これら送水ポンプ
    により浄水場から送水を受け、当該配水区域に配水を行
    う配水池と、この配水池に設置され、配水池の水位を計
    測する水位計と、この水位計で計測した水位に応じて制
    御され、前記複数の送水ポンプの起動停止指令を送出す
    るポンプ台数制御部とを備えた配水施設制御装置におい
    て、 前記送水ポンプと配水池とを結ぶ送水管路に設けられ、
    配水池に送水される送水量を計測する第1流量計と、配
    水池から配水区域に配水される配水管路に設けられ、配
    水区域に配水される配水量を計測する第2流量計と、こ
    の第2流量計で計測された配水量が与えられ、この配水
    量を単位時間の積算データとして時系列的に蓄えて過去
    の配水量時系列データをn次元、t時間遅れの状態空間
    に埋め込んだ短期需要予測部とを有し、前記両流量計で
    計測された送水と配水量および水位計で計測された水位
    をポンプ台数制御部に与え、ポンプ台数制御部からの要
    求により短期需要予測部からのデータをポンプ台数制御
    部に供給し、ポンプ台数制御部は送配水量、水位および
    短期需要予測データから送水ポンプの起動停止を判断し
    てポンプ起動停止指令を送水ポンプに与えて送水ポンプ
    を制御することを特徴とする配水施設制御装置。
  2. 【請求項2】 前記短期需要予測部は、カオス短期需要
    予測を用いたことを特徴とする請求項1記載の配水施設
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンプ台数制御部は、短期需要予測
    部からのデータにより単位時間後の予測水位を計算する
    予測水位計算部と、予め設定された予測有効数の範囲で
    予測水位が設定最高水位より高くなったとき、ポンプを
    1台減らし、設定最低水位より低くなったとき、ポンプ
    を1台増やすような制御を行うポンプ起動停止制御部と
    からなることを特徴とする請求項1記載の配水施設制御
    装置。
  4. 【請求項4】 送水ポンプ等による浄水場から送水を受
    け、当該配水区域に配水を行う配水池と、この配水池と
    浄水場とを結ぶ送水管路に設けられ、浄水場からの送水
    量を制御する受水バルブと、前記配水池に設置され、配
    水池の水位を計測する水位計と、この水位計で計測した
    水位に応じて制御され、前記受水バルブの開度変更指令
    を送出する受水バルブ制御部とを備えた配水施設制御装
    置において、 前記受水バルブと配水池とを結ぶ送水管路に設けられ、
    配水池に送水される送水量を計測する第1流量計と、配
    水池から配水区域に配水される配水管路に設けられ、配
    水区域に配水される配水量を計測する第2流量計と、こ
    の第2流量計で計測された配水量が与えられ、この配水
    量を単位時間の積算データとして時系列的に蓄えて過去
    の配水量時系列データをn次元、t時間遅れの状態空間
    に埋め込んだ短期需要予測部とを有し、前記両流量計で
    計測された送水と配水量および水位計で計測された水位
    を受水バルブ制御部に与え、受水バルブ制御部からの要
    求により短期需要予測部からのデータを受水バルブ制御
    部に供給し、受水バルブ制御部は送配水量、水位および
    短期需要予測データからバルブの開度を判断してバルブ
    開閉指令を受水バルブに与えて受水バルブを制御するこ
    とを特徴とする配水施設制御装置。
  5. 【請求項5】 前記短期需要予測部は、カオス短期需要
    予測を用いたことを特徴とする請求項4記載の配水施設
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記受水バルブ制御部は、短期需要予測
    部からのデータにより単位時間後の予測水位を計算する
    予測水位計算部と、予め設定された予測有効数の範囲で
    予測水位が設定最高水位より高くなったとき、バルブを
    規定量閉め、設定最低水位より低くなったとき、バルブ
    を規定量あけるバルブ制御部とからなることを特徴とす
    る請求項4記載の配水施設制御装置。
  7. 【請求項7】 浄水場からの浄水が供給される塩素混和
    池と、この塩素混和池からの水を送水する複数の送水ポ
    ンプと、これら送水ポンプからの送水を受け、当該配水
    区域に配水を行う配水池と、この配水池に設置され、配
    水池の水位を計測する水位計と、この水位計で計測した
    水位に応じて制御され、前記複数の送水ポンプの起動停
    止指令を送出するポンプ台数制御部と、このポンプ台数
    制御部から送出される送水ポンプ起動停止指令でポンプ
    が起動あるいは停止されるとき、前記塩素混和池に塩素
    を流入させる塩素注入装置とを備えた配水施設制御装置
    において、 前記送水ポンプと配水池とを結ぶ送水管路に設けられ、
    配水池に送水される送水量を計測する第1流量計と、配
    水池から配水区域に配水される配水管路に設けられ、配
    水区域に配水される配水量を計測する第2流量計と、こ
    の第2流量計で計測された配水量が与えられ、この配水
    量を単位時間の積算データとして時系列的に蓄えて過去
    の配水量時系列データをn次元、t時間遅れの状態空間
    に埋め込んだ短期需要予測部とを有し、前記両流量計で
    計測された送水と配水量および水位計で計測された水位
    をポンプ台数制御部に与え、ポンプ台数制御部からの要
    求により短期需要予測部からのデータをポンプ台数制御
    部に供給し、ポンプ台数制御部は送配水量、水位および
    短期需要予測データから送水ポンプの起動停止を判断し
    てポンプ起動停止指令を送水ポンプに与えて送水ポンプ
    を制御するとともに、送水ポンプの起動時あるいは停止
    時、前記塩素注入装置の注入量変更の時間に合わせて送
    水ポンプの起動停止を一定時間遅らせるようにしたこと
    を特徴とする配水施設制御装置。
  8. 【請求項8】 前記短期需要予測部は、カオス短期需要
    予測を用いたことを特徴とする請求項7記載の配水施設
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記ポンプ台数制御部は、短期需要予測
    部からのデータにより単位時間後の予測水位を計算する
    予測水位計算部と、予め設定された予測有効数の範囲で
    予測水位が設定最高水位より高くなったとき、ポンプを
    1台減らし、設定最低水位より低くなったとき、ポンプ
    を1台増やすような制御を行うとともに、ポンプ起動停
    止時、塩素注入装置の注入量変更の時間に合わせてポン
    プ起動停止を数十分遅らせる制御を行うポンプ起動停止
    制御部とからなることを特徴とする請求項7記載の配水
    施設制御装置。
  10. 【請求項10】 前記ポンプ台数制御部は、ポンプ台数
    可変速制御を行うことを含む請求項1〜3および請求項
    7〜9記載の配水施設制御装置。
  11. 【請求項11】 前記ポンプ台数可変速制御は、予測水
    位が設定最高水位より高くなったときには、ポンプ回転
    数を減らし、設定最低水位より低くなったときにはポン
    プ回転数を増やすようにしたことを含む請求項10記載
    の配水施設制御装置。
  12. 【請求項12】 前記ポンプ台数可変速制御における可
    変速操作量は、次式から得るようにした請求項11記載
    の配水施設制御装置。 可変速操作量(%)=Σ(ERROR)×GAIN×1
    00 ただし、ERROR:予測水位のエラー値、GAIN:
    可変速の変化量ゲイン
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