JPH1014572A - プローブライブラリーの製造方法、該製造方法により得られたプローブライブラリー、該プローブライブラリーから他のdnaまたはrnaとハイブリッドするプローブを精製する方法、及び該方法により精製したプローブ - Google Patents

プローブライブラリーの製造方法、該製造方法により得られたプローブライブラリー、該プローブライブラリーから他のdnaまたはrnaとハイブリッドするプローブを精製する方法、及び該方法により精製したプローブ

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JPH1014572A
JPH1014572A JP17627296A JP17627296A JPH1014572A JP H1014572 A JPH1014572 A JP H1014572A JP 17627296 A JP17627296 A JP 17627296A JP 17627296 A JP17627296 A JP 17627296A JP H1014572 A JPH1014572 A JP H1014572A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検出体であるウイルスが変異を起こした場
合でも充分対応できる多様性のあるDNAプローブライ
ブラリーを提供すること。 【解決手段】 鋳型及びプライマーの不存在下、セルモ
コッカス属に属する細菌のデオキシリボヌクレオチドポ
リメラーゼの存在下でフルオレセイン修飾デオキシウリ
ジン−5′−三燐酸、1,N−エセノデオキシアデノ
シン−5′−三燐酸などのデオキシリボヌクレオチド類
似体を含むデオキシリボヌクレオチドを、約20〜90
℃、中性〜弱アルカリ性の条件下で重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デオキシリボヌク
レオチド類似体を含むDNA(ポリデオキシリボヌクレ
オチド。以下同様。)プローブライブラリーの製造方
法、該方法によって得られたDNAプローブライブラリ
ー、該DNAプローブライブラリーから他のDNAまた
はRNAとハイブリッドを形成するDNAプローブの精
製方法、該方法によって得られたDNAプローブ、リボ
ヌクレオチド類似体を含むRNAプローブライブラリー
の製造方法、該方法によって得られたRNAプローブラ
イブラリー、該RNAプローブライブラリーから他のR
NAまたはDNAとハイブリッドを形成するRNAプロ
ーブの精製方法、及び該方法によって得られたRNAプ
ローブに関し、詳しくは蛋白質の存在下において、鋳型
および/またはプライマー非依存的にデオキシリボヌク
レオチドとその類似体とを重合することにより該類似体
を含むDNAを合成する方法に関する。
【0002】本発明により合成されたDNAまたはRN
A(以下の説明において、「DNAまたはRNA」を、
便宜上、「ポリヌクレオチド」と略称する。)は、医
学、薬学、発酵工学、農学、農芸化学、生化学などの分
野で有用な非放射性プローブを提供することを可能にす
る。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、遺
伝子工学はめざましい発展を遂げている。医学、農学、
発酵工学等の分野では、この遺伝子工学を用いる手法が
数多く開発されている。例えば、医学分野においての遺
伝子診断や遺伝子治療等がその代表例である。
【0004】ここで遺伝子診断について述べる。現在用
いられている手法として、次のような手法がある。すな
わち、(1)検出したい遺伝子の塩基配列の一部に相補
的な塩基配列を持つ短いポリヌクレオチドである「プロ
ーブ」に対して、例えばビオチン等による化学修飾やフ
ルオレッセイン等による蛍光標識を行ない、例えば、蛍
光発光イン・サイチュー・ハイブリッド形成法(FIS
H法、堀ら、ラボマニュアルヒトゲノムマッピング、丸
善、1991年発行)や、サザン・ブロット法(市野、
細胞工学実験プロトコール、秀潤社、1992年発行)
やノザン・ブロット法(市野、細胞工学実験プロトコー
ル、秀潤社、1992年発行)等により検出を行なう方
法。(2)検出したい遺伝子の上流側と下流側の塩基配
列に対してのプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応
法[PCR法、サイキら、サイエンス(Scienc
e)、第239巻、第487〜491頁(1988
年)]により該遺伝子の塩基配列を増幅し、電気泳動を
行うことにより検出を行なう方法。
【0005】これらの手法を用いる遺伝子診断は、塩基
配列が既に決定されているものにしか用いることができ
なかった。つまり、遺伝子診断する前に必ず、検出した
い遺伝子の塩基配列を決定し、作業者がそれを認識して
おく必要があった。
【0006】そのために、病原体遺伝子の変異が少ない
感染症の遺伝子診断についてはそれほど問題とはならな
いが、例えば、ヒト免疫不全ウィルス(以下、「HI
V」と略称)のような変異の多いウィルスによる感染症
の遺伝子診断については、当該ウイルスに一旦変異が起
これば、もはや変異前のプローブやプライマーは使えな
くなるという問題点があった。塩基配列の決定には、一
般的に、多くの時間と大きなコストが必要であることか
ら、開発したプローブやプライマーが使えなくなること
は、大きな損失を招いた。
【0007】従って、ハイブリッド形成能力に多様性の
あるプローブやプライマーを開発して遺伝子の変異にも
充分対応できるようにすることが熱望されてはいるもの
の、残念ながら、従来の技術で合成されるポリヌクレオ
チドの塩基配列は、共存させた鋳型により一義的に決定
されることから、さまざまな塩基配列を有するポリヌク
レオチドの分子団を同時に生産すること(すなわち、多
様性を持つDNAプローブライブラリー、RNAプロー
ブライブラリーを生産すること)は原理上、不可能であ
った。
【0008】以下、さらに説明を加える。すなわち、D
NAはいうまでもなく、D−デオキシリボースの糖成分
とアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、
チシン(T)の塩基成分を持つヌクレオチドがホスホジ
エステル結合で一本の鎖状重合体を形成したポリヌクレ
オチドであり、このDNAの生合成は、dATP、dG
TP、dCTP、dTTPという4種類のヌクレオチド
三燐酸を基質として、DNAやRNAの鋳型依存的(鋳
型相補的)にDNAポリメラーゼや逆転写酵素(同順)
により行われていた。また、これらの反応には必ず前も
って鋳型の一部に相補的に結合したオリゴヌクレオチド
である「プライマー」が必要であった。そして、従来の
方法により合成されるDNAは、前述したように、用い
る鋳型により機械的にその塩基配列が決定されることに
なり、さまざまな塩基配列を持つ(多様性のある)DN
Aプローブライブラリーを一度に得ることは到底できな
かった。
【0009】RNAについても同様である。すなわち、
RNAは、D−リボースの糖成分とアデニン(A)、グ
アニン(G)、シトシン(C)及びウラシル(U)等の
塩基成分を持つヌクレオチドが、ホスホジエステル結合
で一本の鎖状重合体を形成したポリヌクレオチドであ
り、このRNAの生合成は、ATP、GTP、CTP、
UTP等のヌクレオチド三燐酸を基質としてDNAまた
はRNA依存的にRNAポリメラーゼにより行われる。
その反応産物はメッセンジャーRNA(mRNA)、ト
ランスファーRNA(tRNA)、リボゾームRNA
(rRNA)等であるが、いずれもDNAまたはRNA
の鋳型を前もって必要とし、その反応産物は鋳型に相補
的なRNAしか得られなかった。つまり、蛋白質のみの
情報に依存し、配列に多様性を持つRNAを合成するこ
とは不可能であった。従って、多様性のあるRNAプロ
ーブライブラリーを一度に得ることは、従来の技術では
不可能であった。
【0010】[発明の目的]本発明は上記の実情に鑑み
てなされたものであり、その目的は、例えば、被検出体
であるウイルスが変異を起こした場合でも充分対応でき
る多様性のあるポリヌクレオチドプローブライブラリ
ー、及びその製造方法を提供するところにあり、また、
前記ライブラリーから有用なポリヌクレオチドプローブ
を精製する方法、及び精製されたプローブを提供すると
ころにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のプローブ
ライブラリーの製造方法は、鋳型および/またはプライ
マーの不存在下、蛋白質の存在下で、デオキシリボヌク
レオチド類似体を含むデオキシリボヌクレオチドを重合
させることを特徴とする方法である。
【0012】請求項2記載のプローブライブラリーの製
造方法は、鋳型および/またはプライマーの不存在下、
蛋白質の存在下で、リボヌクレオチド類似体を含むリボ
ヌクレオチドを重合させることを特徴とする方法であ
る。
【0013】請求項3記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項1または2記載の方法において、前記
蛋白質が耐熱性DNAポリメラーゼであることを特徴と
する方法である。
【0014】請求項4記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項3記載の方法において、前記耐熱性D
NAポリメラーゼがセルモコッカス属、セルマス属に属
する細菌のDNAポリメラーゼよりなる群から選ばれた
少なくとも1種であることを特徴とする方法である。
【0015】請求項5記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法にお
いて、前記した重合を約20〜90℃の温度下で行なう
ことを特徴とする方法である。
【0016】請求項6記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法にお
いて、前記した重合を中性〜弱アルカリ性(pH約7〜
10)の条件下で行なうことを特徴とする方法である。
【0017】請求項7記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項1記載の方法において、前記デオキシ
リボヌクレオチド類似体が少なくともその塩基が異なる
類似体であることを特徴とする方法である。
【0018】請求項8記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項7記載の方法において、前記デオキシ
リボヌクレオチド類似体が、1,N−エセノデオキシ
アデノシン−5′−三燐酸、フルオレセイン修飾デオキ
シウリジン−5′−三燐酸、ビオチン修飾デオキシウリ
ジン−5′−三燐酸、ビオチン修飾デオキシアデノシン
−5′−三燐酸、ジゴキシゲニン修飾デオキシウリジン
−5′−三燐酸、及びジニトロフェニル修飾デオキシウ
リジン−5′−三燐酸からなる群より選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする方法である。
【0019】請求項9記載のプローブライブラリーの製
造方法は、請求項2記載の方法において、前記リボヌク
レオチド類似体が、少なくともその塩基が異なる類似体
であることを特徴とする方法である。
【0020】請求項10記載のプローブライブラリーの
製造方法は、請求項9記載の方法において、前記リボヌ
クレオチド類似体が1,N−エセノアデノシン−5′
−三燐酸、フルオレセイン修飾ウリジン−5′−三燐
酸、ビオチン修飾ウリジン−5′−三燐酸、ビオチン修
飾アデノシン−5′−三燐酸、ジゴキシゲニン修飾ウリ
ジン−5′−三燐酸、及びジニトロフェニル修飾ウリジ
ン−5′−三燐酸からなる群より選ばれた少なくとも1
種であることを特徴とする方法である。
【0021】請求項11記載のプローブライブラリー
は、請求項1〜10のいずれか1項記載の製造方法によ
り得られたものである。
【0022】請求項12記載のプローブの精製方法は、
請求項11記載のプローブライブラリーから他のDNA
またはRNAとハイブリッドを形成する能力を有するプ
ローブを精製する方法であって、前記した他のDNAま
たはRNAをリガンドとして共有結合したアフィニティ
ークロマトグラフィーを用いることにより行なわれる方
法である。
【0023】請求項13記載のプローブの精製方法は、
請求項12記載の方法において、他のDNAまたはRN
Aがウイルス由来であることを特徴とする方法である。
【0024】請求項14記載のプローブの精製方法は、
請求項13記載の方法において、前記ウィルスがヒト免
疫不全ウィルスであることを特徴とする方法である。
【0025】請求項15記載のプローブは、請求項12
〜14のいずれか1項記載の方法により精製されてな
る、他のDNAまたはRNAとハイブリッドを形成する
能力を有するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明者等は、核酸塩基類似体を
含むポリヌクレオチド合成の研究において種々の発見を
した。すなわち、鋳型およびプライマーが存在しない反
応系において、蛋白質、例えば耐熱性DNAポリメラー
ゼ、具体的には、セルモコッカス・リトラリス(The
rmococcus litralis)のDNAポリ
メラーゼ(商品名:Vent(ベント) DNAポリメ
ラーゼ、ニューイングランド・バイオレイブス、以下、
Tli DNA ポリメラーゼ」と略称)をpH約7
または10以下の弱アルカリ性条件下で、DNA合成の
場合にはデオキシリボヌクレオチド三燐酸(dATP、
dCTP、dGTP、dTTP)と核酸類似体とを基質
として、またRNA合成の場合にはリボヌクレオチド三
燐酸(ATP、CTP、GTP、UTP)と核酸類似体
とを基質として、ポリメラーゼが失活しない約20℃以
上の昇温下で1時間以上反応させることにより、鋳型お
よびプライマーが存在しない反応系でも核酸類似体を含
むDNA(以下、「NTPA−DNA」と略称)あるい
はRNA(以下、「NTPA−RNA」と略称)を合成
することができることを見い出した。
【0027】本発明により合成された「NTPA−DN
A、又はNTPA−RNA」、すなわち「NTPA−ポ
リヌクレオチド」には、様々な塩基配列を持つポリヌク
レオチドが多数含まれている。これにより、前記NTP
A−ポリヌクレオチドは、そのハイブリダイズ形成能力
に富んでいるといえる。つまり、ハイブリダイズに多様
性を有しているといえる。このようなNTPA−ポリヌ
クレオチドを用いることにより、例えばある種のウイル
スの検出を行なう場合、その操作を簡便にし得、所要時
間を飛躍的に短くすることができる。すなわち、従来、
あるウイルス感染細胞から、疑いのあるウイルスを検出
する場合は、まずそのウイルスのDNAまたはRNAの
塩基配列を決定するところから始まった。この塩基配列
の決定には、煩雑な作業と多くのコストが掛かるが、め
でたく塩基配列が決定されると、次にこれにハイブリダ
イズするDNAプローブを作成し、そして、このDNA
プローブを用いたウイルスの検出が行なわれた。
【0028】しかし、本発明のNTPA−ポリヌクレオ
チドを用いることにより、疑いのあるウイルスのRNA
の塩基配列を予め決定しておく必要はなくなる。例え
ば、アフィニティークロマトグラフィーを用いる場合、
担体として当該ウイルスRNAをリガンドとして共有結
合させたアフィニティークロマトグラフィー担体を使用
し、これに対してNTPA−ポリヌクレオチドを流す。
NTPA−ポリヌクレオチド中に、前記ウイルスRNA
とハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブが含ま
れていれば、この時点で両者は結合する(ハイブリダイ
ズする)。その後、二次的にポリヌクレオチド溶出緩衝
液を流すことにより、それまでハイブリダイズしていた
ポリヌクレオチドプローブが溶出され回収できる。そし
て、この回収されたポリヌクレオチドプローブは、当然
のことながら当該ウイルスRNAまたはDNA及びウイ
ルスに感染した細胞の染色体に導入されたウイルス由来
のDNAとハイブリダイズする筈であるから、前記ウイ
ルス検出用プローブとして使用可能となるわけである。
【0029】このように、本発明によれば、従来のよう
に検出すべきウイルスRNAまたはDNAの塩基配列を
予め決定し作業者がそれを認識しておく必要はないの
で、その分、当該ウイルスの検出が簡便になり、しかも
処理時間が飛躍的に短縮化される。
【0030】ウイルス検出の所要時間の短縮化は、他の
生化学物質(例えば、酵素やホルモンなど)検出の処理
時間の短縮化と比べ、その意義において大きく異なり、
その効果は絶大である。というのは、ウイルスの場合、
“突然変異”、すなわちその塩基配列が変化する現象が
多々みられ、そのことからすれば、ウイルスの検出は1
分でも速い方がよく、むやみに時間をかけることが許さ
れないからである。
【0031】本発明で使用し得る核酸類似体(特定のD
NAあるいはRNAの検出や定量、あるいは各種DNA
間、各種RNA間の類縁性などを判断するために用いら
れるDNAプローブやRNAプローブを提供するため、
DNAあるいはRNAに標識性を付与する目的で用いら
れる核酸の類似体)としては特に限定はなく、DNAプ
ローブライブラリー製造の場合には、例えば、1,N
−エセノデオキシアデノシン−5′−三燐酸、蛍光標識
デオキシリボヌクレオチド三燐酸、化学修飾デオキシリ
ボヌクレオチド三燐酸等(より具体的には、1,N
エセノデオキシアデノシン−5′−三燐酸、フルオレセ
イン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸、ビオチン修
飾デオキシウリジン−5′−三燐酸、ビオチン修飾デオ
キシアデノシン−5′−三燐酸、ジゴキシゲニン修飾デ
オキシウリジン−5′−三燐酸、及びジニトロフェニル
修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸等)が挙げられ
る。また、RNAプローブライブラリー製造の場合に
は、例えば、1,N−エセノアデノシン−5′−三燐
酸、蛍光標識リボヌクレオチド三燐酸、化学修飾リボヌ
クレオチド三燐酸等(より具体的には、1,N−エセ
ノアデノシン−5′−三燐酸、フルオレセイン修飾ウリ
ジン−5′−三燐酸、ビオチン修飾ウリジン−5′−三
燐酸、ビオチン修飾アデノシン−5′−三燐酸、ジゴキ
シゲニン修飾ウリジン−5′−三燐酸、及びジニトロフ
ェニル修飾ウリジン−5′−三燐酸等)が挙げられる。
これら核酸類似体は塩基の部分に指標物質が結合して標
識性を獲得してさえいれば充分であるが(プローブとし
て充分機能するが)、塩基が異なっていることのみなら
ず、これに加え、さらにペントースも相違している類似
体(例えば、下記[化1]に示すように、リボース(a
参照)の代わりにアラビノース(b参照)やキシロース
(c参照)等を含むヌクレオチド類似体、あるいは5員
環を構成するO(酸素)がS(硫黄)に入れ換わったも
の(d参照)等の類似体)および/または燐酸基も相違
している類似体(例えば、下記[化2]に示すように、
P(燐)と結合するO(酸素)がS(硫黄)あるいはそ
の他の原子に入れ換わった類似体)の使用も本発明を妨
げるものではない(なお、[化2]では塩基としてアデ
ノシンを例示したがこれに限らず、グアニン、シトシン
の場合も有効)。
【0032】
【化1】
【化2】
【0033】これらの類似体は、1種を単独で使用して
も良いし、2種以上を併用することもできる。類似体の
配合割合には特に限定はないが、デオキシリボヌクレオ
チドあるいはリボヌクレオチド全量100に対し、1以
上(モル比)であることが好ましい。(デオキシ)リボ
ヌクレオチド全量100に対する類似体の配合割合が1
未満の場合には、NTPA−ポリヌクレオチドの標識効
率の低下によりプローブとして使用できなくなるという
問題が生じる可能性がある。
【0034】なお、デオキシリボヌクレオチド類似体を
含有するデオキシリボヌクレオチドの重合時に、1−
(2′−デオキシリボフラノシル)−3−ニトロピロー
ル、1−(2′−デオキシリボフラノシル)−ニトロイ
ンドールを配合すること、及びリボヌクレオチド類似体
を含有するリボヌクレオチドの重合時に、1−(2′−
リボフラノシル)−3−ニトロピロール、1−(2′−
リボフラノシル)−ニトロインドールを配合することも
本発明の範疇である。プローブ合成時において、上記し
た化合物(以下、「多様化剤」という)を(デオキシ)
リボヌクレオチド類似体および(デオキシ)リボヌクレ
オチドと一緒に反応系中に配合することにより、合成さ
れるプローブ分子内に前記多様化剤が導入される(つま
り、NTPA−ポリヌクレオチド分子内に前記多様化剤
が取り込まれる)。多様化剤が取り込まれると、NTP
A−ポリヌクレオチドは配列特異性が低下し、これによ
り、プローブの多様性が通常より増加する。ある遺
伝子に対してスクリーニングしたプローブが該遺伝子の
変異型に付いてもそのまま利用できる(例えば、あるH
IV−1についてスクリーニングしたプローブが、変異
したHIV−1についてもそのまま利用できる)。この
ことより、通常以上に多様性を持ったプローブライブラ
リーを提供できることに加え、特定遺伝子以外の変異型
についても利用できるプローブを提供することができ
る。
【0035】なお、前記した多様化剤を用いる場合のそ
の添加量としては、デオキシリボヌクレオチドあるいは
リボヌクレオチド全量100に対し、5〜80(モル
比)であることが好ましい。多様化剤の添加量が80を
超える場合は、プローブ自身の特異性が低下し過ぎてノ
イズが増え、偽陽性となる可能性がアップし、また5未
満の場合は、配列特異性がそれほど低下せず、上記した
及びの効果が得られにくくなる。
【0036】DNAポリメラーゼは約20℃以上、好ま
しくは約60℃以上、さらに好ましくは約70℃以上の
温度でも失活しないものが好ましい。その例としては、
上掲したセルモコッカス・リトラリス(Thermoc
occus litoralis)等のセルモコッカス
属以外に、セルマス・アクアティクス(Thermus
aquaticus)、同セルモフィルス(th
ermophilus)などのセルマス属に属する細菌
のDNAポリメラーゼが挙げられる。
【0037】上記DNAポリメラーゼは1種を単独で使
用してもよいし、2種以上(2種、3種、……)を併用
した混合系として用いることもできる。DNAポリメラ
ーゼを2種以上併用してデオキシリボヌクレオチド、あ
るいはリボヌクレオチドを重合する場合は、1種単独で
重合する場合と比べ、一度に合成されるポリヌクレオチ
ドがさらに多様化し(すなわち、塩基配列がより様々な
ポリヌクレオチドライブラリーが得られ)、ポリヌクレ
オチドプローブとなり得るポリヌクレオチドの含有率が
高くなる。この場合、同属の異なる細菌のDNAポリメ
ラーゼの併用でもよいし、異なる属の細菌のDNAポリ
メラーゼでもよい。
【0038】デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌク
レオチド(いずれも類似体を含む)とDNAポリメラー
ゼとの反応における反応温度と時間は、DNAポリメラ
ーゼが失活しない範囲で選ぶことができ、約20℃以上
でポリメラーゼ活性を示す範囲の温度条件下で反応させ
ることにより、反応を速やかに進行させることができ
る。たとえば、74℃で数時間反応させてもよく、また
通常のPCR反応の条件、たとえば、(1)95℃で1
分間保持、(2)45℃で2分間保持、(3)74℃で
3分間保持のサイクルを反復してもよい。反応は初期に
若干の遅延時間を経たのち開始され、やがて最大速度に
達する。本発明の方法により合成されるポリヌクレオチ
ドは鋳型やプライマーとなるべきDNAやRNAに依存
せず、反応系に存在するDNAポリメラーゼの情報に依
存して合成されると考えられる。
【0039】なお、DNAポリメラーゼを用いた(デオ
キシ)リボヌクレオチドの重合において、反応温度が2
0℃未満の場合には反応速度が低下し、また90℃を超
える場合には酵素の安定性が低下するので好ましくな
い。また、pH約7または10以下の弱アルカリ性条件
から外れる条件、すなわち酸性下条件及び強アルカリ性
条件下でも反応速度が低下するのでやはり好ましくな
い。上記の反応温度、及び反応系の液性(pH)に関し
ては、蛋白質の反応特性に依存する(Kong,H.
al.,BiolChem.268,196
5−1975(1993)参照)。
【0040】合成されたNTPA−ポリヌクレオチド
は、前述したように、遺伝子診断用のプローブライブラ
リーを提供する。遺伝子診断の例としてHIV感染を検
出するプローブを該プローブライブラリーよりスクリー
ニングし、該プローブを用いてHIV感染の診断を行な
う。スクリーニングの手法としては、親和性(アフィニ
ティー)クロマトグラフィーを用いる。まず、HIV
RNAを適当なクロマトグラフィー担体、例えば、CN
Br−活性化セファロース4B(ファルマシア社製)等
の担体に共有結合し、HIV RNAアフィニティーカ
ラムを作製し、液体クロマトグラフィーを行う。クロマ
トグラフィーの条件としては、中性から弱アルカリ性p
H約6〜約9までの高塩濃度の緩衝液にてカラムを平衡
化し、これにNTPA−ポリヌクレオチドを供し、HI
V RNAとハイブリッド形成させる。次に、HIV
RNAとハイブリッド形成したNTPA−ポリヌクレオ
チドを溶出、回収するために、緩衝液を高濃度ホルムア
ミドを含む中性から弱アルカリ性(pH約6〜約9ま
で)にする。このとき溶出されてくるポリヌクレオチド
を検出するためには一般的にポリヌクレオチドの検出に
用いられる波長約260nmの紫外線吸収の測定を行
う。かくして、NTPA−ポリヌクレオチドよりHIV
感染を検出できるプローブを分離することができ、この
アフィニティークロマトグラフィーに用いるRNAやD
NAを変えることにより、多様なプローブをスクリーニ
ングすることができる。例えば、インフルエンザウイル
スやC型肝炎ウィルス(以下、「HCV」と略称)やD
型肝炎ウィルス(以下、「HDV」と略称)等のウイル
スRNAやcDNA、あるいは細胞の腫瘍化に深く関与
している癌遺伝子や成長因子のmRNAやcDNA等や
セントロメア等に存在している繰返し配列を持つDNA
等のアフィニティーカラムを用いればそれぞれに対応す
るプローブをスクリーニングすることができる。
【0041】プローブのスクリーニングが終了すると、
次に実際の遺伝子診断の例として、FISH法を用いて
HIV感染の検出を行なう。まず、CD4発現HeL
a細胞(以下、「HeLa CD4細胞」と略称)に
HIV−1を感染させたものと感染させないものを公知
の方法により染色体標本(スライド標本)を作製する。
このスライド標本にHIV−1検出プローブとして、前
述の蛍光標識したプローブかまたは化学標識したプロー
ブを加え標本のDNAと公知の手法によりハイブリッド
を形成させる。蛍光標識したプローブとハイブリッド形
成させた標本はそのまま蛍光顕微鏡で観察する。また、
化学標識したプローブとハイブリッドを形成させた標本
は、例えば、ビオチン標識ならばアビジン−FITCや
アビジン−ローダミン等のビオチンに結合できる物質に
前もって蛍光色素を共有結合したもの、フルオレセイン
標識ならば抗フルオレセイン−FITCや抗フルオレセ
イン−ローダミン等のフルオレセインに結合できる物質
に前もって蛍光色素を共有結合したもの、ジゴキシゲニ
ン標識ならば抗ジゴキシゲニン−FITCや抗ジゴキシ
ゲニン−ローダミン等のジゴキシゲニンに結合できる物
質に前もって蛍光色素を共有結合したもの、ジニトロフ
ェニル標識ならば抗ジニトロフェニル−FITCや抗ジ
ニトロフェニル−ローダミン等のジニトロフェニルに結
合できる物質に前もって蛍光色素を共有結合したもの
や、それぞれの標識化合物に特異的な抗体に前もって蛍
光色素を共有結合したものを用いて蛍光顕微鏡で観察す
る。その結果、HIV−1が感染していない標本では蛍
光シグナルは観察できず、HIV感染細胞からの標本で
は蛍光シグナルが観察できる。なお、ここで用いた方法
は、各種培養細胞はもとよりHIV感染患者の末消血に
も利用できる。
【0042】これらの結果より、NTPA−ポリヌクレ
オチドは遺伝子診断用のプローブを提供できることが確
認される。また、この遺伝子診断はHIVの他、例えば
インフルエンザウイルス、HCV、HDV等のウイルス
感染の検出や細胞の腫瘍化に深く関与している癌遺伝子
の検出にも利用できることから、今回合成された蛍光性
核酸類似体や化学修飾核酸類似体を含む本発明のNTP
A−ポリヌクレオチドは、遺伝子診断用のプローブライ
ブラリーとして機能する。
【0043】なお、遺伝子診断の方法としては、FIS
H法の他に公知の手法、例えば、サザン・ブロット法や
ノザン・ブロット法等を用いることができる。
【0044】本発明で用いる耐熱性DNAポリメラーゼ
の製法、あるいはこれをコードする遺伝子の製法として
は今日において公知であり、当業者であれば容易に行う
ことができる。なお、以下に関連公報を列挙する(これ
らによっても得ることができる)。特開平2−6058
5号公報、特公平8−24570号公報(特開平2−4
34号公報)、特開平5−68547号公報、特公平7
−59195号公報(特開平5−130871号公
報)、特開平5−328969号公報、特開平7−51
061号公報、特開平6−339373号公報、特開平
6−7160号公報
【0045】
【実施例】以下に実施例の形で本発明をさらに説明する
が、これによって本発明が限定されるものではない。
【0046】実施例1 (NTPA−DNAの合成(DNAプローブライブラリ
ーの製造))緩衝液A[10mM KCl、10mM
(NHSO、20mM トリス/HCl(pH
8.8)、6mM MgCl、0.1% オクトキシ
ノール(トリトン X−100)(全て最終濃度)]、
及びデオキシリボヌクレオチド三燐酸[dATP、dC
TP、dGTP、dTTP(全て最終濃度200μ
M)]と下記〜のデオキシリボヌクレオチド三燐酸
類似体(:シグマ社製、及び:ベーリンガー・
マンハイム社製、:ギブコ社製、:フナコシ社製)
から各々1つずつを選択したもの(各々最終濃度200
μM)、20単位/ml Tli DNAポリメラーゼ
から構成される反応液100μlを、74℃で3時間反
応させた。
【0047】1,N−エセノデオキシアデノシン−
5′−三燐酸([化3]参照。以下、「ε−dATP」
と略称) フルオレセイン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸
([化4]参照。以下、「Flu−dUTP」と略称) ビオチン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸([化
5]参照。以下「Bio−dUTP」と略称) ビオチン修飾デオキシアデノシン−5′−三燐酸(以
下「Bio−dATP」と略称) ジゴキシゲニン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸
([化6]参照、以下、「Dig−dUTP」と略称) ジニトロフェニル修飾デオキシウリジン−5′−三燐
酸(以下「Dnp−dUTP」と略称)
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0048】ε−dATP(上記)を含む反応液を
0.8%アガロースゲルにて電気泳動後そのまま紫外線
照射下で観察した。その結果、50−10,000塩基
対(以下、「bp」と略称)のところに発光するバンド
が確認された。
【0049】次に、他のデオキシリボヌクレオチド三燐
酸(上記〜)を含む反応液については同様に0.8
%アガロースゲルにて電気泳動し、その後ニトロセルロ
ースフィルター(シュライヒャー&シュエル社製)にD
NAをトランスファーした。このフィルターを80℃で
2時間乾燥させ、プレハイブリッド形成緩衝液[50%
ホルムアミド、4×SSC(600mM NaCl、6
0mM クエン酸3ナトリウム2水和物)、50mM
ヘペス(HEPES)(ナカライテクス社製)/NaO
H(pH7.0)、0.5% ポリビニルピロリドン、
0.5% フィコール400(シグマ社製)、0.5%
仔牛血清アルブミン、10mg/ml変性サケ精子D
NA(シグマ社製)]10mlに浸し、42℃、2時間
プレハイブリッド形成をさせた。その後、フィルターを
緩衝液T[50mM トリス/HCl(pH7.5)、
150mM NaCl]50mlに浸し、室温で5分間
放置し、続けてフィルターを緩衝液T 10mlに移し
替え浸した。このなかに、類似体を含む反応液につい
ては下記(1)を、また、類似体、を含む反応液に
ついては下記(2)を、類似体を含む反応液について
は下記(3)を、類似体を含む反応液については下記
(4)を、それぞれ50μg加え、室温で1時間反応さ
せた。
【0050】(1)抗フルオレセイン−アルカリホスフ
ァターゼ標識抗体(抗Flu−AP抗体、フナコシ社
製) (2)アルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジ
ン(以下「SA−AP」と略称、フナコシ社製) (3)抗ジゴキシゲニン−アルカリフォスファターゼ標
識抗体(抗Dig−AP抗体、ベーリンガー・マンハイ
ム社製)。
【0051】(4)抗ジニトロフェノールアルカリフォ
スファターゼ標識抗体(抗Dnp−AP抗体、フナコシ
社製)。
【0052】フィルターを緩衝液T 50mlにて3回
洗浄し、これらフィルターを発色液[100mM トリ
ス/HCl(pH8.0)、50mM MgCl、1
00mM NaCl、250μg/ml 2−(4−イ
オドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フ
ェニル−テトラゾリウムクロライド(シグマ社製、以下
「INT」と略称)、250μg/ml 5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリルフォスフェード(シグマ社
製、以下「X−フォスフェート」と略称)]10mlに
浸し、室温で30分間反応させ、発色完了後、水洗し乾
燥させた。この結果、全ての反応液で50−10,00
0bpに分布する青色を呈するバンドが確認された。
【0053】これらの結果より全ての核酸類似体がNT
PA−DNA中に取込まれたことが確認された。すなわ
ち、鋳型・プライマー非依存的DNAを化学修飾および
蛍光標識できることが確認された。
【0054】実施例2 (HIV−1 RNAアフィニティークロマトグラフィ
ーを用いたNTPA−DNA中のHIV−RNA特異的
プローブの精製)HIV−1 RNAアフィニティーク
ロマトカラムの調整を行った。
【0055】まず、CNBr−活性化セファロース4B
(ファルマシア社製)を1mM HClにて洗浄し、ゲ
ルを膨潤させた。次いで、ゲルをカップリング緩衝液
[0.1M NaHCO(pH8.3)、0.5M
NaCl]で洗浄した。HIV−1 RNA10μgを
このカップリング緩衝液に溶解し、ゲル懸濁液と混ぜ、
室温で2時間混合した。残りの活性基をブロックするた
めにゲルをブロッキング試薬(0.2M グリシン、p
H8.0)に移し、室温で2時間混合した。カップリン
グ緩衝液で一回洗浄後、洗浄液[0.1M 酢酸緩衝液
(pH4.0)、0.5M NaCl]にて洗浄し、再
びカップリング緩衝液にて洗浄した。
【0056】次に、該HIV−1 RNAアフィニティ
ークロマトグラフィー担体を用いてNTPA−DNA中
のHIV−RNA特異的なプローブの精製を行った。
【0057】まず、開始緩衝液[0.7M NaCl、
50mM トリス/HCl(pH7.5)、25%ホル
ムアミド、20mM EDTA]にてカラムを平衡化
し、このカラムにジゴキシゲニン修飾NTPA−DNA
(以下、「Dig−DNA」と略称)10μgを供し
た。開始緩衝液でカラムを洗浄後、DNA溶出緩衝液
[10mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)、1
0mM EDTA、0.2%ラウロイル−サルコシン、
90% ホルムアミド]にてHIV−1 RNA特異的
なDig−DNAの溶出を行い、260nmの吸収をモ
ニタリングすることによりDig−DNAの検出、及び
回収を行った。
【0058】実施例3 (Dig−DNAプローブを用いてのHIV感染細胞の
検出)まず、HIV−1感染細胞の調整を行った。He
La CD4細胞を培養補助液[10%牛胎児血清、
10μg/ml 臭化ヘキサジメトリン(商品名:Po
lybrene)]を含むダルベッコ変法イーグル培地
(以下、「DMEM」と略称、ギブコ社製)にて37℃
で12穴培養プレートにて培養した。
【0059】その後、細胞を培養補助液を含むDMEM
で2回洗浄後、200μlの同培地に懸濁し、HIV−
1を20μl加え、37℃2時間ウィルスを吸着させ
た。その後細胞を2回DMEMにて洗浄し、のち10%
牛胎児血清を含むDMEM 1mlに懸濁し、37℃で
5日間培養した。その後0.1μM メソトレキセート
(Methotrexate、日本レダリー社製)を加
え、DNAのデ・ノボ合成経路を止めS期への進行をブ
ロックし、さらに1日培養し、DMEMにて2回洗浄し
た。
【0060】10%牛胎児血清、10μMチミジンを含
むDMEM 1mlにて懸濁し、6時間培養した。サン
プリング開始30分前に5μg/mlアクチノマイシン
Dを加え、G2期の染色体凝縮を抑制し、さらに10分
前に20μg/mlコルセミドを加えた。遠沈して細胞
を集め、75mM KCl 7mlに懸濁し、15分後
固定液(メタノール:酢酸=3:1)を等量加えてピペ
ッティングし、細胞を遠沈させた。細胞を固定液14m
lにて洗浄する作業を3回繰返し、スライドガラス上に
滴下した。1日間乾燥させ、70、80、100%アル
コールシリーズを通して脱水した。62℃で3時間ベー
キングし、72℃に加温した変性液(70%ホルムアミ
ド、2×SSC)に標本を入れ2分間放置する。冷70
%エタノールにて変性を止め、脱水後乾燥させた。
【0061】次にプローブ溶液を調整した。まず、25
0ngのDig−DNAに2μgのCot−1 DNA
(ギブコ社製)および2μgのサケ精子DNAを加えた
全量50μl溶液を10分間煮沸し、その後氷中に5分
静置した。ハイブリッド形成液(50%ホルムアミド、
10%デキストラン硫酸、2×SSC)を全量の70%
となるように混和し、37℃で30分間プレアニーリン
グして反復配列を抑制した。この溶液を標本上に乗せ、
カバーガラスを被せて液体のりにてシールしてから37
℃で一晩培養した。2×SSCに標本を移し、10分間
振とう後カバーガラスを剥し、50%ホルムアミド、1
×SSCにて42℃15分間を2回、1×SSCで室温
15分間、2×SSCで室温10分間振とうし、4×S
SCで5分間静置した。染色液A(200μg/ml抗
ジゴキシゲニン−ローダミン、4×SSC、1%牛血清
アルブミン)40μlを乗せ、37℃、30分間反応さ
せ、4×SSC 10分間、4×SSC+0.01%
トリトンX−100(上掲) 10分間、4×SSC
10分間の洗浄を行なった。続いて標本中の染色体を染
色液B(0.5μg/mlプロピデウムアイオダイド、
1μg/ml 4′,6′−ディアミディノ−2−フェ
ニルインドール)20μlにて10分間染色した。その
後、596nmの励起波長にて蛍光顕微鏡で観察した。
【0062】その結果、HIV−1が感染した細胞から
の染色体標本中にのみ濃赤色を呈する部分が見られた。
これにより、HIV−1 RNAに対するプローブが、
実際に、染色体に組み込まれたHIV由来のDNAを検
出できることが確認された。実施例4 (NTPA−RNAの合成(RNAプローブライブラリ
ーの製造))緩衝液R[10mM KCl,10mM
(NHSO,20mM トリス/HCl(pH
8.8),15mM MnCl,0.1% トリトン
X−100(全て最終濃度)]及びリボヌクレオチド三
燐酸[ATP、CTP、GTP、UTP(全て最終濃
度)500mM)]と、下記(A)〜(D)のリボヌク
レオチド三燐酸類似体(A:シグマ社製、B〜D:ベー
リンガー・マンハイム社製)から各々1つずつを選択し
たもの(各々最終濃度200μM)、20単位/ml
Tli DNAポリメラーゼから構成される反応液10
0μlを、74℃で3時間反応させた。
【0063】(A)1,N−エセノアデノシン−5′
−三燐酸(ε−ATP) (B)フルオレセイン修飾ウリジン−5′−三燐酸(F
lu−UTP) (C)ビオチン修飾ウリジン−5′−三燐酸(Bio−
UTP) (D)ジゴキシゲニン修飾ウリジン−5′−三燐酸(D
ig−UTP)。
【0064】その後、実施例1と同様にして、合成され
たRNAの検出を行なった。その結果、全ての合成され
たRNAにおいて、上記したリボヌクレオチド類似体が
含まれていることが分かった。
【0065】実施例5 (HIV−1 RNAアフィニティークロマトグラフィ
ーを用いてのNTPA−RNA中のHIV−RNA特異
的プローブの精製、及び精製されたプローブによるHI
V感染細胞の検出)HIV−1 RNAアフィニティー
クロマトカラムの調整を行った。まず、CNBr−活性
化 セファロース 4B(ファルマシア社製)を1mM
HClにて洗浄し、ゲルを膨潤させた。
【0066】次に、ゲルをカップリング緩衝液[0.1
M NaHCO(pH8.3)、0.5M NaC
l]で洗浄した。HIV−1 RNA10μgをこのカ
ップリングバッファーに溶解し、ゲル懸濁液と混ぜ、室
温で2時間混合した。残りの活性基をブロックするため
に、ゲルをブロッキング試薬(0.2M グリシン、p
H8.0)に移し、室温で2時間混合した。カップリン
グ緩衝液で1回洗浄後、洗浄液[0.1M 酢酸緩衝液
(pH4.0)、0.5M NaCl]にて洗浄後、再
びカップリング緩衝液にて洗浄した。
【0067】次に、このHIV−1 RNAアフィニテ
ィークロマトグラフィー担体を用いて、NTPA−RN
A中のHIV−1 RNA特異的プローブの精製を行っ
た。まず、開始緩衝液[0.7M NaCl 50mM
トリス/HCl(pH7.5)、25% ホルムアミ
ド、20mM EDTA]にてカラムを平衡化し、この
カラムにジゴキシゲニン修飾NTPA−RNA(以下、
「Dig−RNA」と略称)10μgを供した。開始緩
衝液でカラムを洗浄後、RNA溶出緩衝液[10mM
リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)、10mM ED
TA、0.2% ラウロイル−サルコシン、90% ホ
ルムアミド]にてHIV−1 RNA特異的なDig−
RNAの溶出を行い、260nmの吸収をモニタリング
することによりDig−RNAの検出、及び回収を行っ
た。
【0068】回収されたDig−RNAプローブを用い
て、実施例3と同様にしてHIV−1感染細胞の検出を
試みたところ、実際に、染色体に組み込まれたHIV由
来のDNAを検出できることが確認された。
【0069】
【発明の効果】本発明により、容易にプローブライブラ
リーを得ることができた。このプローブライブラリー
は、鋳型及びプライマーが存在しない反応系において合
成されたものであり、その中には、さまざまな塩基配列
を持つDNAあるいはRNAが含まれている。これによ
り、本発明のポリヌクレオチドプローブライブラリー
は、そのハイブリッド形成能力に多様性があり、被検出
体であるウイルスが仮に変異を起こした場合でも、前記
多様性の範疇であれば、充分プローブとしての役割を担
う。
フロントページの続き (54)【発明の名称】 プローブライブラリーの製造方法、該製造方法により得られたプローブライブラリー、該プロー ブライブラリーから他のDNAまたはRNAとハイブリッドするプローブを精製する方法、及び 該方法により精製したプローブ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型および/またはプライマーの不存在
    下、蛋白質の存在下で、デオキシリボヌクレオチド類似
    体を含むデオキシリボヌクレオチドを重合させることを
    特徴とするプローブライブラリーの製造方法。
  2. 【請求項2】鋳型および/またはプライマーの不存在
    下、蛋白質の存在下で、リボヌクレオチド類似体を含む
    リボヌクレオチドを重合させることを特徴とするプロー
    ブライブラリーの製造方法。
  3. 【請求項3】前記蛋白質が、耐熱性DNAポリメラーゼ
    である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記耐熱性DNAポリメラーゼがセルモコ
    ッカス属、セルマス属に属する細菌のDNAポリメラー
    ゼよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記した重合を、約20〜90℃の温度下
    で行なう請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記した重合を、中性〜弱アルカリ性の条
    件下で行なう請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記デオキシリボヌクレオチド類似体が、
    少なくともその塩基が異なる類似体である請求項1記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記デオキシリボヌクレオチド類似体が、
    1,N−エセノデオキシアデノシン−5′−三燐酸、
    フルオレセイン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸、
    ビオチン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸、ビオチ
    ン修飾デオキシアデノシン−5′−三燐酸、ジゴキシゲ
    ニン修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸、及びジニト
    ロフェニル修飾デオキシウリジン−5′−三燐酸からな
    る群より選ばれた少なくとも1種である請求項7記載の
    製造方法。
  9. 【請求項9】前記リボヌクレオチド類似体が、少なくと
    もその塩基が異なる類似体である請求項2記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記リボヌクレオチド類似体が1,N
    −エセノアデノシン−5′−三燐酸、フルオレセイン修
    飾ウリジン−5′−三燐酸、ビオチン修飾ウリジン−
    5′−三燐酸、ビオチン修飾アデノシン−5′−三燐
    酸、ジゴキシゲニン修飾ウリジン−5′−三燐酸、及び
    ジニトロフェニル修飾ウリジン−5′−三燐酸からなる
    群より選ばれた少なくとも1種である請求項9記載の製
    造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項記載の製
    造方法により得られたプローブライブラリー。
  12. 【請求項12】請求項11記載のプローブライブラリー
    から他のDNAまたはRNAとハイブリッドを形成する
    能力を有するプローブを精製する方法であって、前記し
    た他のDNAまたはRNAをリガンドとして共有結合し
    たアフィニティークロマトグラフィーを用いることによ
    り行なわれるプローブの精製方法。
  13. 【請求項13】他のDNAまたはRNAが、ウイルス由
    来である請求項12記載の精製方法。
  14. 【請求項14】前記ウィルスが、ヒト免疫不全ウィルス
    である請求項13記載の精製方法。
  15. 【請求項15】請求項12〜14のいずれか1項記載の
    方法により精製されてなる、他のDNAまたはRNAと
    ハイブリッドを形成する能力を有するプローブ。
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