JPH1014579A - モノガラクトシルジアシルグリセロール合成酵素及びそれをコードする遺伝子 - Google Patents
モノガラクトシルジアシルグリセロール合成酵素及びそれをコードする遺伝子Info
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- JPH1014579A JPH1014579A JP8172337A JP17233796A JPH1014579A JP H1014579 A JPH1014579 A JP H1014579A JP 8172337 A JP8172337 A JP 8172337A JP 17233796 A JP17233796 A JP 17233796A JP H1014579 A JPH1014579 A JP H1014579A
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- JP
- Japan
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- mgdg
- amino acid
- acid sequence
- gene
- synthase
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 植物等に大量に含まれるガラクト脂質で
あるモノガラクトシルジアシルグリセロールを合成する
酵素、及びそれをコードする遺伝子。 【効果】 生物の脂質組成の改良、特にMGDGの量の
制御に有用な酵素、及びそれをコードする遺伝子を提供
する。
あるモノガラクトシルジアシルグリセロールを合成する
酵素、及びそれをコードする遺伝子。 【効果】 生物の脂質組成の改良、特にMGDGの量の
制御に有用な酵素、及びそれをコードする遺伝子を提供
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物及び一部の微
生物の主要な脂質であるモノガラクトシルジアシルグリ
セロール(MGDG)を合成する酵素、及びそれをコー
ドする遺伝子に関するものである。
生物の主要な脂質であるモノガラクトシルジアシルグリ
セロール(MGDG)を合成する酵素、及びそれをコー
ドする遺伝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体膜の基本成分は、脂質とタンパク質
であり、脂質の中にはリン脂質や糖脂質等の極性脂質と
色素、ステロール等の中性脂質が有る。植物の葉緑体及
び一部の光合成を営む微生物(ラン藻)の細胞膜には、
光合成と関連すると思われる幾つかの種類の脂質が存在
する。それらの膜にある脂質は、多いものはモノガラク
トシルジアシルグリセロール(MGDG)とジガラクト
シルジアシルグリセロール(DGDG)があり、より含
量の少ないものとしてフォスファチジルグリセロール
(PG)とスルフォキノボシルジアシルグリセロール
(SQDG)がある。主要な脂質であるMGDGの合成
は、植物では、葉緑体の包膜で起こる。即ち、1,2−
ジアシル−sn−グリセロールの3位へUDP−ガラク
トースからガラクトースを転移し、1,2−ジアシル−
3−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−sn−グリ
セロール(MGDG)を生成する(EC 2.4.1.
46)。ガラクト脂質(MGDG、DGDG)とSQD
Gはジアシルグリセロールを共通の基質として用いるの
で、ガラクト脂質とSQDGの比率がMGDG合成酵素
によって調節されると考えられる。実際には、ガラクト
脂質は、SQDG分子の5〜20倍量存在すると推定さ
れている。MGDGは光合成をする組織に多量にあり、
1g生葉重当たり0.6〜15μmol存在する。葉緑
体膜が細胞の膜系の中で最も多量に存在することを考慮
すると、MGDGが細胞の中で最も多量に存在する脂質
で有ることが推測される。また、ガラクト脂質には、多
価不飽和脂肪酸が多量に存在するが、その95%位はリ
ノレン酸である。従って、分子種としてはsn−1、2
共に18:3で占められたものが多いが、ホウレンソウ
のような、いわゆる「16:3植物」では、sn−1
は、18:3であるが、sn−2は、16:3で占めら
れている。一方、両ポジション共18:3で占められて
いる分子種は細胞質の小胞体で合成された後、葉緑体へ
移送される、いわゆる「真核型」脂質で有り、他方のs
n−2が、16:3に置き変わった物は、葉緑体内で全
合成される、いわゆる「原核型」脂質である。
であり、脂質の中にはリン脂質や糖脂質等の極性脂質と
色素、ステロール等の中性脂質が有る。植物の葉緑体及
び一部の光合成を営む微生物(ラン藻)の細胞膜には、
光合成と関連すると思われる幾つかの種類の脂質が存在
する。それらの膜にある脂質は、多いものはモノガラク
トシルジアシルグリセロール(MGDG)とジガラクト
シルジアシルグリセロール(DGDG)があり、より含
量の少ないものとしてフォスファチジルグリセロール
(PG)とスルフォキノボシルジアシルグリセロール
(SQDG)がある。主要な脂質であるMGDGの合成
は、植物では、葉緑体の包膜で起こる。即ち、1,2−
ジアシル−sn−グリセロールの3位へUDP−ガラク
トースからガラクトースを転移し、1,2−ジアシル−
3−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−sn−グリ
セロール(MGDG)を生成する(EC 2.4.1.
46)。ガラクト脂質(MGDG、DGDG)とSQD
Gはジアシルグリセロールを共通の基質として用いるの
で、ガラクト脂質とSQDGの比率がMGDG合成酵素
によって調節されると考えられる。実際には、ガラクト
脂質は、SQDG分子の5〜20倍量存在すると推定さ
れている。MGDGは光合成をする組織に多量にあり、
1g生葉重当たり0.6〜15μmol存在する。葉緑
体膜が細胞の膜系の中で最も多量に存在することを考慮
すると、MGDGが細胞の中で最も多量に存在する脂質
で有ることが推測される。また、ガラクト脂質には、多
価不飽和脂肪酸が多量に存在するが、その95%位はリ
ノレン酸である。従って、分子種としてはsn−1、2
共に18:3で占められたものが多いが、ホウレンソウ
のような、いわゆる「16:3植物」では、sn−1
は、18:3であるが、sn−2は、16:3で占めら
れている。一方、両ポジション共18:3で占められて
いる分子種は細胞質の小胞体で合成された後、葉緑体へ
移送される、いわゆる「真核型」脂質で有り、他方のs
n−2が、16:3に置き変わった物は、葉緑体内で全
合成される、いわゆる「原核型」脂質である。
【0003】MGDG合成酵素は葉緑体の包膜に存在す
る微量酵素であるため、MGDGの量が極めて多いにも
関わらず、その精製は極めて困難とされてきた。まず第
1に包膜は、細胞の全膜成分中では少ない成分である
し、そのタンパク質も葉緑体の全タンパク中の1〜2%
を占めるに過ぎない。第2に包膜はタンパク質に比べて
極めて脂質の量が多く、酵素の可溶化が容易でないこと
が困難な点である。MGDG合成酵素の含量としては、
包膜のタンパク質の0.1から0.5%と言われてい
る。この酵素の部分精製を報告しているグループが2つ
あり、いずれもホウレンソウの葉緑体包膜から酵素活性
を数百倍に濃縮することに成功しているが、完全精製に
は至っていない(C. R. Acad. Sci. Paris, 313: 521,
1991; Planta, 184,319, 1991)。また分子量は約20
kDaと報告されている。
る微量酵素であるため、MGDGの量が極めて多いにも
関わらず、その精製は極めて困難とされてきた。まず第
1に包膜は、細胞の全膜成分中では少ない成分である
し、そのタンパク質も葉緑体の全タンパク中の1〜2%
を占めるに過ぎない。第2に包膜はタンパク質に比べて
極めて脂質の量が多く、酵素の可溶化が容易でないこと
が困難な点である。MGDG合成酵素の含量としては、
包膜のタンパク質の0.1から0.5%と言われてい
る。この酵素の部分精製を報告しているグループが2つ
あり、いずれもホウレンソウの葉緑体包膜から酵素活性
を数百倍に濃縮することに成功しているが、完全精製に
は至っていない(C. R. Acad. Sci. Paris, 313: 521,
1991; Planta, 184,319, 1991)。また分子量は約20
kDaと報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】植物の脂質合成に関係
する突然変異体がシロイヌナズナから多数分離されてお
り、特に不飽和化反応を行なう酵素については詳細に分
析されている。ところが、MGDG合成酵素に関わるも
のは、MGDGの量が前述のように極めて多く、変異の
検出も容易と思われるにも関わらず一切報告されていな
い。MGDGは、葉緑体の膜系には広範囲に存在する脂
質であるが、チラコイド膜もさることながら、特に光化
学系IIの反応中心と強く結合した複合体を形成してい
ることが知られている(Biochim. Biophys. Acta, 101
9: 261, 1990)。また、特にMGDGはチラコイド膜の
湾曲部を安定化させ、疎水タンパクを折り畳む役割を果
たしているといわれている(FEBS LETT., 150: 19,198
2)。これらのことから、MGDGの光合成等への生理
的役割は極めて大きいものと推測される。しかしなが
ら、その量を調節することにより膜の安定化を操作する
技術は、突然変異体の利用を含めて、不可能であった。
する突然変異体がシロイヌナズナから多数分離されてお
り、特に不飽和化反応を行なう酵素については詳細に分
析されている。ところが、MGDG合成酵素に関わるも
のは、MGDGの量が前述のように極めて多く、変異の
検出も容易と思われるにも関わらず一切報告されていな
い。MGDGは、葉緑体の膜系には広範囲に存在する脂
質であるが、チラコイド膜もさることながら、特に光化
学系IIの反応中心と強く結合した複合体を形成してい
ることが知られている(Biochim. Biophys. Acta, 101
9: 261, 1990)。また、特にMGDGはチラコイド膜の
湾曲部を安定化させ、疎水タンパクを折り畳む役割を果
たしているといわれている(FEBS LETT., 150: 19,198
2)。これらのことから、MGDGの光合成等への生理
的役割は極めて大きいものと推測される。しかしなが
ら、その量を調節することにより膜の安定化を操作する
技術は、突然変異体の利用を含めて、不可能であった。
【0005】本発明の目的は、植物の生体内で重要な役
割を果たしているMGDGの合成に関与する酵素及びそ
れをコードする遺伝子を単離することにあり、更には、
当該遺伝子を導入してMGDG産生能を人為的に改変し
た植物等を作出することにある。
割を果たしているMGDGの合成に関与する酵素及びそ
れをコードする遺伝子を単離することにあり、更には、
当該遺伝子を導入してMGDG産生能を人為的に改変し
た植物等を作出することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、MGDG合成酵素
をコードする遺伝子を単離することに成功し、さらに当
該遺伝子を大腸菌に導入しMGDG生産能を付与するこ
とに成功し、本発明を完成した。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、MGDG合成酵素
をコードする遺伝子を単離することに成功し、さらに当
該遺伝子を大腸菌に導入しMGDG生産能を付与するこ
とに成功し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、配列番号3で表されるア
ミノ酸配列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一なアミノ酸配列を有するモノガラクトシル
ジアシルグリセロール合成酵素、及び該酵素と別のタン
パク質とからなる融合タンパク質である。
ミノ酸配列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一なアミノ酸配列を有するモノガラクトシル
ジアシルグリセロール合成酵素、及び該酵素と別のタン
パク質とからなる融合タンパク質である。
【0008】また、本発明は、配列番号3で表されるア
ミノ酸配列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一なアミノ酸配列をコードするモノガラクト
シルジアシルグリセロール合成酵素遺伝子である。更
に、本発明は、上記遺伝子を含む組換えベクター及び上
記遺伝子が導入された細胞である。
ミノ酸配列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一なアミノ酸配列をコードするモノガラクト
シルジアシルグリセロール合成酵素遺伝子である。更
に、本発明は、上記遺伝子を含む組換えベクター及び上
記遺伝子が導入された細胞である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
MGDG合成酵素は、配列番号3で表されるアミノ酸配
列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一なアミノ酸配列を有する。また、本発明のMGDG
合成酵素遺伝子は、配列番号3で表されるアミノ酸配
列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一なアミノ酸配列をコードする。ここで「配列番号3
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配
列」とは、配列番号3で表されるアミノ酸配列の幾つか
のアミノ酸残基について、置換、欠失、付加等の変化が
生じた配列であって、配列番号3で表されるアミノ酸配
列と同様にMGDG合成活性を有するアミノ酸配列をい
う。幾つかのアミノ酸残基について置換、欠失、付加等
の変化を起こさせることは、本願の出願時において常用
されている技術、例えば、部位特異的変異誘発法(Nucl
eic Acid Research, Vol.10, No.20, p6487-6500)によ
り行うことができる。なお、一般に、DNA鎖があるア
ミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする場合、一つ
のアミノ酸に対応する遺伝コード(コドン)が複数個存
在するが(縮重異性体)、本発明のMGDG合成酵素遺
伝子においても、配列番号3で表されるアミノ酸配列に
対応する任意の遺伝コードを用いることができることは
言うまでもない。
MGDG合成酵素は、配列番号3で表されるアミノ酸配
列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一なアミノ酸配列を有する。また、本発明のMGDG
合成酵素遺伝子は、配列番号3で表されるアミノ酸配
列、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一なアミノ酸配列をコードする。ここで「配列番号3
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配
列」とは、配列番号3で表されるアミノ酸配列の幾つか
のアミノ酸残基について、置換、欠失、付加等の変化が
生じた配列であって、配列番号3で表されるアミノ酸配
列と同様にMGDG合成活性を有するアミノ酸配列をい
う。幾つかのアミノ酸残基について置換、欠失、付加等
の変化を起こさせることは、本願の出願時において常用
されている技術、例えば、部位特異的変異誘発法(Nucl
eic Acid Research, Vol.10, No.20, p6487-6500)によ
り行うことができる。なお、一般に、DNA鎖があるア
ミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする場合、一つ
のアミノ酸に対応する遺伝コード(コドン)が複数個存
在するが(縮重異性体)、本発明のMGDG合成酵素遺
伝子においても、配列番号3で表されるアミノ酸配列に
対応する任意の遺伝コードを用いることができることは
言うまでもない。
【0010】本発明のMGDG合成酵素は、上記「従来
の技術」等に記載したごとく本来植物及び一部の微生物
(ラン藻)に存在する酵素である。MGDG合成酵素の
アミノ酸配列は枯草菌及び大腸菌のMurG遺伝子のコード
するタンパク質と局所的に類似しているが全体的には大
きく異なる(第6図)。また、他の既知の脂肪酸及び脂
質の合成に関わる酵素の化学構造とは全く類似していな
い。
の技術」等に記載したごとく本来植物及び一部の微生物
(ラン藻)に存在する酵素である。MGDG合成酵素の
アミノ酸配列は枯草菌及び大腸菌のMurG遺伝子のコード
するタンパク質と局所的に類似しているが全体的には大
きく異なる(第6図)。また、他の既知の脂肪酸及び脂
質の合成に関わる酵素の化学構造とは全く類似していな
い。
【0011】MGDG合成酵素は、植物及びラン藻に含
まれているので、これらから単離することができる。具
体的には、以下のような方法により行うことができる。
まず、植物又はラン藻の細胞を破砕し、遠心分離により
ミクロソーム画分を得る。次に、このミクロソーム画分
に界面活性剤を加え、膜に結合したMGDG合成酵素を
可溶化する。このとき用いる界面活性剤は特に限定され
ないが、LDAOを用いるのが好ましい。可溶化したM
GDG合成酵素は、その活性を指標として各種クロマト
グラフィーにより精製する。MGDG合成酵素の活性
は、Teucher とHeinz の方法(Planta 184,319,1991 )
により測定できる。また、上記のような天然素材を原料
とするほか、MGDG合成酵素遺伝子を導入した形質転
換細胞からMGDG合成酵素を単離することもできる。
まれているので、これらから単離することができる。具
体的には、以下のような方法により行うことができる。
まず、植物又はラン藻の細胞を破砕し、遠心分離により
ミクロソーム画分を得る。次に、このミクロソーム画分
に界面活性剤を加え、膜に結合したMGDG合成酵素を
可溶化する。このとき用いる界面活性剤は特に限定され
ないが、LDAOを用いるのが好ましい。可溶化したM
GDG合成酵素は、その活性を指標として各種クロマト
グラフィーにより精製する。MGDG合成酵素の活性
は、Teucher とHeinz の方法(Planta 184,319,1991 )
により測定できる。また、上記のような天然素材を原料
とするほか、MGDG合成酵素遺伝子を導入した形質転
換細胞からMGDG合成酵素を単離することもできる。
【0012】本発明のMGDG合成酵素を別のタンパク
質と融合させ、融合タンパク質とすることができる。M
GDG合成酵素と融合させるタンパク質は、特に限定さ
れず、例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
β−ガラクトシダーゼ、マルトース結合性タンパク等を
使用することができる。このような融合タンパク質は、
MGDG合成酵素遺伝子とそのプロモーターとの間に当
該別のタンパク質をコードする塩基配列を挿入し、この
融合遺伝子を発現させることにより作成できる。MGD
G合成酵素を融合タンパク質とすることにより、発現量
が向上する、タンパク質の精製が容易になるなどの利点
がある。
質と融合させ、融合タンパク質とすることができる。M
GDG合成酵素と融合させるタンパク質は、特に限定さ
れず、例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
β−ガラクトシダーゼ、マルトース結合性タンパク等を
使用することができる。このような融合タンパク質は、
MGDG合成酵素遺伝子とそのプロモーターとの間に当
該別のタンパク質をコードする塩基配列を挿入し、この
融合遺伝子を発現させることにより作成できる。MGD
G合成酵素を融合タンパク質とすることにより、発現量
が向上する、タンパク質の精製が容易になるなどの利点
がある。
【0013】MGDG合成酵素遺伝子は、例えば、以下
のようにして得ることができる。まず、植物又はラン藻
よりMGDG合成酵素を単離し、これをペプチターゼに
より断片化し、その断片のアミノ酸配列を決定する。次
に、アミノ酸配列を決定した断片化ペプチドに対応する
オリゴヌクレオチドを合成する。これとは別に、植物又
はラン藻より全RNAを抽出し、それらの中からポリA
を有するRNAを分離し、このRNAに相補的なDNA
(cDNA)を合成する。このcDNAをファージλgt
11のような適当なベクターにつなぎ、cDNAライブラ
リーを作成する。ここで、上記で合成したオリゴヌクレ
オチドを用いてcDNAライブラリーのスクリーニング
を行う。スクリーニングは、ヌクレオチドプローブを用
いる方法のほか、抗体を用いる免疫学的方法によっても
行い得る。また、別の頻用される方法として、公知の塩
基配列を元に、目的とする配列の両端に位置する短いD
NA配列に対応するプライマーを設計し、全体の配列を
決定するのに使った材料から得たDNAを鋳型として、
PCRを行うことにより、目的とする配列を得ることも
できる。
のようにして得ることができる。まず、植物又はラン藻
よりMGDG合成酵素を単離し、これをペプチターゼに
より断片化し、その断片のアミノ酸配列を決定する。次
に、アミノ酸配列を決定した断片化ペプチドに対応する
オリゴヌクレオチドを合成する。これとは別に、植物又
はラン藻より全RNAを抽出し、それらの中からポリA
を有するRNAを分離し、このRNAに相補的なDNA
(cDNA)を合成する。このcDNAをファージλgt
11のような適当なベクターにつなぎ、cDNAライブラ
リーを作成する。ここで、上記で合成したオリゴヌクレ
オチドを用いてcDNAライブラリーのスクリーニング
を行う。スクリーニングは、ヌクレオチドプローブを用
いる方法のほか、抗体を用いる免疫学的方法によっても
行い得る。また、別の頻用される方法として、公知の塩
基配列を元に、目的とする配列の両端に位置する短いD
NA配列に対応するプライマーを設計し、全体の配列を
決定するのに使った材料から得たDNAを鋳型として、
PCRを行うことにより、目的とする配列を得ることも
できる。
【0014】このようにして選抜したクローンにおける
本発明遺伝子の塩基配列の決定及び確認は、通常公知の
方法を用いて行なうことができる。例えば、M13ファ
ージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Gene,
19: 269, 1982)により行なうことができる。また、上
記のような方法によらなくても、本発明の遺伝子は、配
列番号2に基づき、ホスファイト法を用いた市販のDN
Aシンセサイザーで合成する事もできる。
本発明遺伝子の塩基配列の決定及び確認は、通常公知の
方法を用いて行なうことができる。例えば、M13ファ
ージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Gene,
19: 269, 1982)により行なうことができる。また、上
記のような方法によらなくても、本発明の遺伝子は、配
列番号2に基づき、ホスファイト法を用いた市販のDN
Aシンセサイザーで合成する事もできる。
【0015】DNA鎖またはその断片を発現させてそれ
がコードするタンパク質もしくはポリペプチドを産生さ
せるためには、そのアミノ酸配列に対応するDNA配列
(コーディング領域)以外に、発現調節領域が必要であ
る。本発明のMGDG合成酵素遺伝子を発現させるため
にもそのような領域が必要であるが、それらは特別なも
のである必要はなく、MGDG合成酵素遺伝子本来の発
現調節領域をそのまま用いてもよく、他の生物由来の発
現調節領域を用いてもよい。
がコードするタンパク質もしくはポリペプチドを産生さ
せるためには、そのアミノ酸配列に対応するDNA配列
(コーディング領域)以外に、発現調節領域が必要であ
る。本発明のMGDG合成酵素遺伝子を発現させるため
にもそのような領域が必要であるが、それらは特別なも
のである必要はなく、MGDG合成酵素遺伝子本来の発
現調節領域をそのまま用いてもよく、他の生物由来の発
現調節領域を用いてもよい。
【0016】本発明の「MGDG合成酵素遺伝子を含む
組換えベクター」は、MGDG合成酵素遺伝子を単独
で、又は発現調節領域と共に、ベクターにつなげること
により作成できる。ベクターとしては、プラスミド、フ
ァージ等の公知のものを使用できる。
組換えベクター」は、MGDG合成酵素遺伝子を単独
で、又は発現調節領域と共に、ベクターにつなげること
により作成できる。ベクターとしては、プラスミド、フ
ァージ等の公知のものを使用できる。
【0017】本発明の「MGDG合成酵素遺伝子が導入
された細胞」は、MGDG合成酵素遺伝子を含むベクタ
ーを細胞に導入することにより作成することができる。
ここで用いるベクターは、MGDG合成酵素遺伝子を導
入細胞中で発現し得るものであることが好ましい。細胞
としては、微生物細胞、植物細胞、動物細胞のいずれで
もよく、生物の種類も問わない。細胞への導入方法は、
常法に従って行うことができ、植物細胞へ導入する場合
は、例えば「Plant Molecular Biology Manual, Second
Edition; S.G.Gelvin, and R.A. Schilperoort eds, K
luwer AcademicPublishers, 1995」記載の方法を用いて
行なうことができる。その例としては、生物的方法であ
るウイルスを用いる方法、アグロバクテリウムを用いる
方法等、物理化学的方法であるエレクトロポレーション
法、ポリエチレングリコール法、パーティクルガン法等
が挙げられる。
された細胞」は、MGDG合成酵素遺伝子を含むベクタ
ーを細胞に導入することにより作成することができる。
ここで用いるベクターは、MGDG合成酵素遺伝子を導
入細胞中で発現し得るものであることが好ましい。細胞
としては、微生物細胞、植物細胞、動物細胞のいずれで
もよく、生物の種類も問わない。細胞への導入方法は、
常法に従って行うことができ、植物細胞へ導入する場合
は、例えば「Plant Molecular Biology Manual, Second
Edition; S.G.Gelvin, and R.A. Schilperoort eds, K
luwer AcademicPublishers, 1995」記載の方法を用いて
行なうことができる。その例としては、生物的方法であ
るウイルスを用いる方法、アグロバクテリウムを用いる
方法等、物理化学的方法であるエレクトロポレーション
法、ポリエチレングリコール法、パーティクルガン法等
が挙げられる。
【0018】また、MGDG合成酵素は植物体では葉緑
体の包膜に存在するタンパクであることから、葉緑体へ
の転移ペプチドをコードするDNA鎖をMGDG合成酵
素の上流に付けておくことが好ましい。その例として
は、エンドウのリブロース−1、5−2リン酸カルボキ
シラーゼの小サブユニット遺伝子を当該転移ペプチドを
コードする遺伝子として用いることができる。
体の包膜に存在するタンパクであることから、葉緑体へ
の転移ペプチドをコードするDNA鎖をMGDG合成酵
素の上流に付けておくことが好ましい。その例として
は、エンドウのリブロース−1、5−2リン酸カルボキ
シラーゼの小サブユニット遺伝子を当該転移ペプチドを
コードする遺伝子として用いることができる。
【0019】
【0020】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。
説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0021】〔実施例1〕 キュウリ子葉からのMGD
G合成酵素の精製 キュウリ種子(Cucumis sativus L. cv. Aonagajibai/
サカタのタネより入手)を湿らせたバーミキュライトで
暗所27℃の下で発芽させた。4日後から29時間蛍光
燈(5W/m2)で光照射し、胚軸を除いた緑化子葉を
収穫し、使用するまで−80℃の冷凍庫で保管した。集
めた約3.2kgの子葉に、等量のTSPB緩衝液(50
mM Tris-HCl, pH 7.8, 10 mM dithiothreitol, 0.8 M
sodium acetate, 1 mM phenylmethylsulfonyl fluorid
e, 20 % glycerol, 0.02 %sodium azide, 1 μM leup
eptin)を加えてワーリングブレンダーで破砕後、ガー
ゼで濾過した。濾液を4℃、15,000×gで15分
間遠心し、その上清を更に165,000×gで1.5
時間遠心してミクロソーム画分を沈殿として得、これを
−30℃で冷凍保存した。なお、MGDG合成酵素は葉
緑体包膜に存在する酵素であるが、包膜の大量調製は困
難なので、包膜を多く含むミクロソーム画分を出発材料
とした。
G合成酵素の精製 キュウリ種子(Cucumis sativus L. cv. Aonagajibai/
サカタのタネより入手)を湿らせたバーミキュライトで
暗所27℃の下で発芽させた。4日後から29時間蛍光
燈(5W/m2)で光照射し、胚軸を除いた緑化子葉を
収穫し、使用するまで−80℃の冷凍庫で保管した。集
めた約3.2kgの子葉に、等量のTSPB緩衝液(50
mM Tris-HCl, pH 7.8, 10 mM dithiothreitol, 0.8 M
sodium acetate, 1 mM phenylmethylsulfonyl fluorid
e, 20 % glycerol, 0.02 %sodium azide, 1 μM leup
eptin)を加えてワーリングブレンダーで破砕後、ガー
ゼで濾過した。濾液を4℃、15,000×gで15分
間遠心し、その上清を更に165,000×gで1.5
時間遠心してミクロソーム画分を沈殿として得、これを
−30℃で冷凍保存した。なお、MGDG合成酵素は葉
緑体包膜に存在する酵素であるが、包膜の大量調製は困
難なので、包膜を多く含むミクロソーム画分を出発材料
とした。
【0022】酵素の界面活性剤による可溶化については
sodium cholate, Brij-35, TritonX-100,CHAPS,
LDAO(lauryldimethylamine oxide), octylglucosid
e等の幾つかの薬剤を用いて比較検討したが、この中で
はCHAPS、LDAO、 octylglucosideによる可溶
化率が高かった。その3つの中から、非イオン性のため
精製の際にイオン交換クロマトグラフィーを利用できる
こと、低コストで大量精製に向いていることが利点にな
る、LDAOを可溶化剤に選定した。先に調製したミク
ロソーム画分へ12mMのLDAOを加えた後、16
5,000×gで1.5時間遠心して、上清を可溶化酵
素とした。この可溶化酵素を亜鉛を用いた金属キレート
アフィニティークロマトグラフィー(ファルマシア社
製)、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー(和
光純薬製)、Toyopearl HW-55によるゲル濾過(東洋ソ
ーダ社製)、陽イオン交換クロマトグラフィー(2種
類:CM-Toyopearl、東洋ソーダ社製; MonoS、ファル
マシア社製)、UDP-hexanolamine agaroseを用いたアフ
ィニティークロマトグラフィー(シグマ社製)を順次行
ない精製した。この結果、最終的にMGDG合成酵素
は、可溶化直後の粗画分と比較して、11,000倍以上に精
製された。精製効果の高かったステップの1つは、陽イ
オン交換クロマトグラフィーであり、このステップをリ
ガンドの種類を変えて2度繰り返すことによって、併せ
て10倍以上濃縮することが出来、最終的な比活性は6
00nmol/min mg タンパクになった。また、SDS−P
AGEの結果から、MGDG合成酵素の分子量は45k
Daと推定された。これは、報告されているホウレンソ
ウ葉緑体包膜の酵素の分子量約20kDa(Marechal ら
(1991)、及びTeucherとHeinz(1991))の報告とは明らか
に異なっていた。
sodium cholate, Brij-35, TritonX-100,CHAPS,
LDAO(lauryldimethylamine oxide), octylglucosid
e等の幾つかの薬剤を用いて比較検討したが、この中で
はCHAPS、LDAO、 octylglucosideによる可溶
化率が高かった。その3つの中から、非イオン性のため
精製の際にイオン交換クロマトグラフィーを利用できる
こと、低コストで大量精製に向いていることが利点にな
る、LDAOを可溶化剤に選定した。先に調製したミク
ロソーム画分へ12mMのLDAOを加えた後、16
5,000×gで1.5時間遠心して、上清を可溶化酵
素とした。この可溶化酵素を亜鉛を用いた金属キレート
アフィニティークロマトグラフィー(ファルマシア社
製)、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー(和
光純薬製)、Toyopearl HW-55によるゲル濾過(東洋ソ
ーダ社製)、陽イオン交換クロマトグラフィー(2種
類:CM-Toyopearl、東洋ソーダ社製; MonoS、ファル
マシア社製)、UDP-hexanolamine agaroseを用いたアフ
ィニティークロマトグラフィー(シグマ社製)を順次行
ない精製した。この結果、最終的にMGDG合成酵素
は、可溶化直後の粗画分と比較して、11,000倍以上に精
製された。精製効果の高かったステップの1つは、陽イ
オン交換クロマトグラフィーであり、このステップをリ
ガンドの種類を変えて2度繰り返すことによって、併せ
て10倍以上濃縮することが出来、最終的な比活性は6
00nmol/min mg タンパクになった。また、SDS−P
AGEの結果から、MGDG合成酵素の分子量は45k
Daと推定された。これは、報告されているホウレンソ
ウ葉緑体包膜の酵素の分子量約20kDa(Marechal ら
(1991)、及びTeucherとHeinz(1991))の報告とは明らか
に異なっていた。
【0023】次に、精製酵素をプロテアーゼ消化によっ
てペプチド断片化して、岩松の方法(生化学、 63:139,
1991; Electrophoresis 13: 142、1992)によって
断片化ペプチドのアミノ酸配列を決定した。上述の方法
で精製したタンパク質の溶液に、2倍量のアセトンを加
えタンパク質をアセトン沈殿とし、沈殿を乾燥後150
μlの電気泳動用バッファーに溶解した後、12%のア
クリルアミド濃度のSDS電気泳動を行ない、タンパク
質をPVDF膜(アプライド バイオシステム社製)へ
エレクトロブロットティング装置(アトー社製)により
転写した。タンパク質が転写されたPVDF膜を0.1
% Ponceau S(シグマ社製)/1%酢酸で染色し、分子
量約45kDaのバンドを切り取り、0.5mM Na
OHで脱色した。これを還元S−カルボキシメチル化
し、リジルエンドペプチダーゼ(Achromobacter protea
se 1)を酵素:基質(mol:mol)比で1:100になる
ように加え、30℃で16時間反応させた。生成した断
片化ペプチドを溶媒A(98%)と溶媒B(2%)で平
衡化したμ-Bondashere 5μC8-300A (2.1×150 mm,Wate
rs社製)カラムにアプライし、溶媒Bに関し2−50%
のリニアグラジエントで30分間、流速0.25ml/
分で溶出した (溶媒A:0.05%TFA水溶液、溶媒B:2-プロ
パノール:アセトニトリル=7:3(v/v)中の0.02 % TF
A)。溶出されたペプチドを214nmにおける吸収で
検出し、それぞれのピーク画分をマニュアルで集めた。
得られたそれぞれのピーク画分は、気相プロテインシー
ケンサー(Applied Biosystems社、 Model 470A)を用い
て分析した。総ての得られたピーク画分を分析した結
果、断片化ペプチドのアミノ酸配列が明確に決定され
た。以下はその一部を示している。
てペプチド断片化して、岩松の方法(生化学、 63:139,
1991; Electrophoresis 13: 142、1992)によって
断片化ペプチドのアミノ酸配列を決定した。上述の方法
で精製したタンパク質の溶液に、2倍量のアセトンを加
えタンパク質をアセトン沈殿とし、沈殿を乾燥後150
μlの電気泳動用バッファーに溶解した後、12%のア
クリルアミド濃度のSDS電気泳動を行ない、タンパク
質をPVDF膜(アプライド バイオシステム社製)へ
エレクトロブロットティング装置(アトー社製)により
転写した。タンパク質が転写されたPVDF膜を0.1
% Ponceau S(シグマ社製)/1%酢酸で染色し、分子
量約45kDaのバンドを切り取り、0.5mM Na
OHで脱色した。これを還元S−カルボキシメチル化
し、リジルエンドペプチダーゼ(Achromobacter protea
se 1)を酵素:基質(mol:mol)比で1:100になる
ように加え、30℃で16時間反応させた。生成した断
片化ペプチドを溶媒A(98%)と溶媒B(2%)で平
衡化したμ-Bondashere 5μC8-300A (2.1×150 mm,Wate
rs社製)カラムにアプライし、溶媒Bに関し2−50%
のリニアグラジエントで30分間、流速0.25ml/
分で溶出した (溶媒A:0.05%TFA水溶液、溶媒B:2-プロ
パノール:アセトニトリル=7:3(v/v)中の0.02 % TF
A)。溶出されたペプチドを214nmにおける吸収で
検出し、それぞれのピーク画分をマニュアルで集めた。
得られたそれぞれのピーク画分は、気相プロテインシー
ケンサー(Applied Biosystems社、 Model 470A)を用い
て分析した。総ての得られたピーク画分を分析した結
果、断片化ペプチドのアミノ酸配列が明確に決定され
た。以下はその一部を示している。
【0024】 #1:GVSDE (N-末端; AP-10) #2:LVTRCYCPSTEVAK (AP-5) #3:GFVTK (AP-1) #4:IVFTTVVTD (AP-13) #5:RVLILMSDTGG (AP-9) なお、MGDG合成酵素の活性は、後に詳細に述べる
が、3HラベルしたUDP-galactoseと1, 2-dioleoyl-sn-gl
ycerolを基質とし、脂質画分への[3H]-galactoseの取り
込みを指標として測定した。
が、3HラベルしたUDP-galactoseと1, 2-dioleoyl-sn-gl
ycerolを基質とし、脂質画分への[3H]-galactoseの取り
込みを指標として測定した。
【0025】〔実施例2〕 キュウリ子葉由来のcDNAラ
イブラリーの作製 キュウリの種子を30℃暗黒下で湿ったバーミキュライ
トで5日間発芽させた後、蛍光灯下に6時間おいて緑化
させた子葉を材料に用いた。10gの子葉よりChirgwin
らの方法(Biochemistry, 18: 5294-5299, 1979)に従
って全RNAを得た。この全RNAをもとにAvivらの方
法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 69:1408, 1972)に
従ってポリAを有するRNAを分離した。上記のポリA
を有するRNAにたいして相補的なDNAをGublerらの
方法(Gene, 25: 263, 1983)に従って合成した。この
際、プライマーとしてオリゴ(dT)及びランダムオリ
ゴヌクレオチドを使用した。合成した二本鎖からなるD
NAの両末端にEcoRI / NotI アダプター(ファルマシ
ア社製)を付けた後、末端をリン酸化した。次に余分な
アダプターをゲル濾過法でcDNA画分から除き、cD
NAとEcoRIであらかじめ切断し脱リン酸化したファー
ジλgt11のアームを連結した。このDNAを試験管内パ
ッケイジング法(Gigapack GoldII; Stratagene社)でλ
ファージ粒子にパッケイジングし、λgt11のライブラリ
ーを得た。
イブラリーの作製 キュウリの種子を30℃暗黒下で湿ったバーミキュライ
トで5日間発芽させた後、蛍光灯下に6時間おいて緑化
させた子葉を材料に用いた。10gの子葉よりChirgwin
らの方法(Biochemistry, 18: 5294-5299, 1979)に従
って全RNAを得た。この全RNAをもとにAvivらの方
法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 69:1408, 1972)に
従ってポリAを有するRNAを分離した。上記のポリA
を有するRNAにたいして相補的なDNAをGublerらの
方法(Gene, 25: 263, 1983)に従って合成した。この
際、プライマーとしてオリゴ(dT)及びランダムオリ
ゴヌクレオチドを使用した。合成した二本鎖からなるD
NAの両末端にEcoRI / NotI アダプター(ファルマシ
ア社製)を付けた後、末端をリン酸化した。次に余分な
アダプターをゲル濾過法でcDNA画分から除き、cD
NAとEcoRIであらかじめ切断し脱リン酸化したファー
ジλgt11のアームを連結した。このDNAを試験管内パ
ッケイジング法(Gigapack GoldII; Stratagene社)でλ
ファージ粒子にパッケイジングし、λgt11のライブラリ
ーを得た。
【0026】〔実施例3〕 MGDG合成酵素遺伝子保
持株のスクリーニング 精製酵素から推定された部分ペプチド配列#2の一部(C
YCPSTEVAK)を元にDNAプローブを合成した(Applied Bio
syste社;モデル394)。 5’−TGYTAYTGYCCIWSIACIGARGTIGCIAAR (IUBコード)
(配列番号1)
持株のスクリーニング 精製酵素から推定された部分ペプチド配列#2の一部(C
YCPSTEVAK)を元にDNAプローブを合成した(Applied Bio
syste社;モデル394)。 5’−TGYTAYTGYCCIWSIACIGARGTIGCIAAR (IUBコード)
(配列番号1)
【0027】この5’末端を32P-dCTPで標識した後、サ
ンブルック(Sambrook)らの著書(Molecular Cloning; S
econd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, 1989)に従って、ハイブリダイゼーションを行なっ
た。その条件は5×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、15m
M クエン酸ナトリウム),10mM EDTA,10×De
nhardtの液( 50×Denhardtの液はFicoll(Type400, Pha
rmacia社), polyvinylpyrrolidone, bovine serum albu
min (fraction V, Sigma社) を各10g/l),及び2
50μg/mlサケ精子DNAから成る液中で60℃、
16時間とした。その後、メンブレンを5×SSC,
0.1%SDS液中45℃、15分2回洗い、オートラ
ジオグラフィーを取った。陽性クローンを純化後、cD
NAをpBluescript II SK+にサブク
ローニングし、常法に従って、塩基配列を決定した。そ
のDNA配列(1647bp)及び予想されるアミノ酸配列を
第1図〜第3図に示す(それぞれ配列番号2で表されD
NA配列及び配列番号3で表されるアミノ酸配列を含
む)。図中の矢印は葉緑体へのトランジット配列の予想
される切断点、細い下線部は精製酵素の限定分解ペプチ
ドのシーケンスから推定した配列と一致した部分を、太
い下線部は大腸菌で発現させる際にPCRに用いたプラ
イマーの位置を示す。このアミノ酸配列をデータベース
中の他のタンパク質のアミノ酸配列と比較した(解析ソ
フトGENETYX )。結果を図6に示す。図6中の*印は3
種の遺伝子で一致したアミノ酸の位置を示す。図6が示
すように、このアミノ酸配列は、Bacillus subtilis と
E. coliのMurG遺伝子(ペプチドグリカンの合成に関係
する遺伝子)と約20%の有為な相同性を示した(クロ
ーン名;pBSMGDG1)。
ンブルック(Sambrook)らの著書(Molecular Cloning; S
econd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, 1989)に従って、ハイブリダイゼーションを行なっ
た。その条件は5×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、15m
M クエン酸ナトリウム),10mM EDTA,10×De
nhardtの液( 50×Denhardtの液はFicoll(Type400, Pha
rmacia社), polyvinylpyrrolidone, bovine serum albu
min (fraction V, Sigma社) を各10g/l),及び2
50μg/mlサケ精子DNAから成る液中で60℃、
16時間とした。その後、メンブレンを5×SSC,
0.1%SDS液中45℃、15分2回洗い、オートラ
ジオグラフィーを取った。陽性クローンを純化後、cD
NAをpBluescript II SK+にサブク
ローニングし、常法に従って、塩基配列を決定した。そ
のDNA配列(1647bp)及び予想されるアミノ酸配列を
第1図〜第3図に示す(それぞれ配列番号2で表されD
NA配列及び配列番号3で表されるアミノ酸配列を含
む)。図中の矢印は葉緑体へのトランジット配列の予想
される切断点、細い下線部は精製酵素の限定分解ペプチ
ドのシーケンスから推定した配列と一致した部分を、太
い下線部は大腸菌で発現させる際にPCRに用いたプラ
イマーの位置を示す。このアミノ酸配列をデータベース
中の他のタンパク質のアミノ酸配列と比較した(解析ソ
フトGENETYX )。結果を図6に示す。図6中の*印は3
種の遺伝子で一致したアミノ酸の位置を示す。図6が示
すように、このアミノ酸配列は、Bacillus subtilis と
E. coliのMurG遺伝子(ペプチドグリカンの合成に関係
する遺伝子)と約20%の有為な相同性を示した(クロ
ーン名;pBSMGDG1)。
【0028】〔実施例4〕 MGDG合成酵素候補遺伝
子(pBSMGDG1)の大腸菌での発現による活性測定 MGDG合成酵素候補遺伝子がどのような酵素活性を有
しているか確認するため、この遺伝子を大腸菌で発現さ
せ、活性測定することを試みた。MGDG合成酵素候補
遺伝子と大腸菌での発現ベクターpGEX-3X(Pharmacia社
製)を用い、Glutathione S- transferase(GST)のC末端
へのフュージョンタンパクとして発現させるために、Ba
mHI及びEcoRIサイトをMGDG合成酵素候補遺伝子の両
端にPCRにより付けた。
子(pBSMGDG1)の大腸菌での発現による活性測定 MGDG合成酵素候補遺伝子がどのような酵素活性を有
しているか確認するため、この遺伝子を大腸菌で発現さ
せ、活性測定することを試みた。MGDG合成酵素候補
遺伝子と大腸菌での発現ベクターpGEX-3X(Pharmacia社
製)を用い、Glutathione S- transferase(GST)のC末端
へのフュージョンタンパクとして発現させるために、Ba
mHI及びEcoRIサイトをMGDG合成酵素候補遺伝子の両
端にPCRにより付けた。
【0029】センスプラーマー; 5'-GGGGATCCCTGGTGTT
TCAGATGAAACCAATG(下線はBamHIサイト)(配列番号
4) アンチセンスプライマー; 5'-CCGAATTCCCGCCGGAATATTG
TGGTACAAAAC(下線はEcoRIサイト)(配列番号5)
TCAGATGAAACCAATG(下線はBamHIサイト)(配列番号
4) アンチセンスプライマー; 5'-CCGAATTCCCGCCGGAATATTG
TGGTACAAAAC(下線はEcoRIサイト)(配列番号5)
【0030】上記の2種のプライマーを用いてpBSMGDG1
を鋳型としたPCRを行なうと約1.3kbpの産物が
得られた。なお、反応条件は、パーキンエルマー社のマ
ニュアルに従い、94℃(1.5分)、60℃(2
分)、72℃(3分)を1サイクルとする反応を30回
繰り返した。この反応産物をBamHI及びEcoRIで切断した
後、同じ制限酵素のセットで予め切断したpGEX-3Xにク
ローニングした(pGEX-GTとする)。このプラスミド
を、常法(Molecular cloning pp.1.76-1.84; 1989)に
従って調整した大腸菌XL1-Blue株のコンピテントセルに
導入し、アンピシリン耐性による選別により形質転換株
を得た(1b-2とする)。なお、元のプラスミドpGEX-3X
を導入した大腸菌株をGEX-3Xと名付けた。
を鋳型としたPCRを行なうと約1.3kbpの産物が
得られた。なお、反応条件は、パーキンエルマー社のマ
ニュアルに従い、94℃(1.5分)、60℃(2
分)、72℃(3分)を1サイクルとする反応を30回
繰り返した。この反応産物をBamHI及びEcoRIで切断した
後、同じ制限酵素のセットで予め切断したpGEX-3Xにク
ローニングした(pGEX-GTとする)。このプラスミド
を、常法(Molecular cloning pp.1.76-1.84; 1989)に
従って調整した大腸菌XL1-Blue株のコンピテントセルに
導入し、アンピシリン耐性による選別により形質転換株
を得た(1b-2とする)。なお、元のプラスミドpGEX-3X
を導入した大腸菌株をGEX-3Xと名付けた。
【0031】GEX-3X及び1b-2をアンピシリン50μg/
mlを含む50mlのLB培地で、37℃で3時間培養
し、最終濃度0.1mMのイソプロピルチオガラクトシ
ド(IPTG)を加え、更に2時間培養した。3000回転
5分間の遠心分離により集菌し、菌体を5mlのMOD
緩衝液(50 mM MOPS-NaOH (pH7.9), 10mM dithiothreito
l)に懸濁し、超音波により(Output2, duty60, 30秒を
2回;トミー社製)破砕した。
mlを含む50mlのLB培地で、37℃で3時間培養
し、最終濃度0.1mMのイソプロピルチオガラクトシ
ド(IPTG)を加え、更に2時間培養した。3000回転
5分間の遠心分離により集菌し、菌体を5mlのMOD
緩衝液(50 mM MOPS-NaOH (pH7.9), 10mM dithiothreito
l)に懸濁し、超音波により(Output2, duty60, 30秒を
2回;トミー社製)破砕した。
【0032】この破砕液を用いてMGDG合成酵素の活
性をTeucherとHeinzの方法(Planta184, 319, 1991)に従
って測定した。この際、基質として400μMのUDP
-galactoseを加えた。30μlの酵素液に50μlの1,
2-dioleoyl-sn-glycerol (これは予め0.01%のTween 20
を含む TSPB緩衝液に溶かし濃度4mg/mlに調整済
み)と110μlのMOD緩衝液を加え30℃で5分間
プレインキュベーションした。反応は10μlのUDP
−[4,5-3H] galactose (92.5 Bq nmol-1)を加えて開始
し、30℃で10分間行なった。次に、1mlの酢酸エ
チルを加えて反応を止めた。ボルテックスで良く攪拌し
た後、0.5mlの0.45%(W/V)のNaCl水溶液
を加え500×g、5分間遠心分離した。下層を捨て、
再び0.45%のNaCl水溶液を加え攪拌し、遠心分
離した上層の放射能の値を液体シンチレーションカウン
ターで測定した( LS6500CE、 Beckman-RIIC社
製)。この際、4mlのシンチレーションカクテル(ACS
-II)と0.5mlのメタノールを加えた。
性をTeucherとHeinzの方法(Planta184, 319, 1991)に従
って測定した。この際、基質として400μMのUDP
-galactoseを加えた。30μlの酵素液に50μlの1,
2-dioleoyl-sn-glycerol (これは予め0.01%のTween 20
を含む TSPB緩衝液に溶かし濃度4mg/mlに調整済
み)と110μlのMOD緩衝液を加え30℃で5分間
プレインキュベーションした。反応は10μlのUDP
−[4,5-3H] galactose (92.5 Bq nmol-1)を加えて開始
し、30℃で10分間行なった。次に、1mlの酢酸エ
チルを加えて反応を止めた。ボルテックスで良く攪拌し
た後、0.5mlの0.45%(W/V)のNaCl水溶液
を加え500×g、5分間遠心分離した。下層を捨て、
再び0.45%のNaCl水溶液を加え攪拌し、遠心分
離した上層の放射能の値を液体シンチレーションカウン
ターで測定した( LS6500CE、 Beckman-RIIC社
製)。この際、4mlのシンチレーションカクテル(ACS
-II)と0.5mlのメタノールを加えた。
【0033】
【表1】
【0034】ここでタンパク量はBensadounとWeinstein
の方法(Anal. Biochem.,70, 241,1976)で測定した。
MGDG合成酵素候補遺伝子を発現している大腸菌株
(1b-2)でのみgalactoseの取り込みがあり、しかもそ
の量はIPTGにより大幅に誘導された。
の方法(Anal. Biochem.,70, 241,1976)で測定した。
MGDG合成酵素候補遺伝子を発現している大腸菌株
(1b-2)でのみgalactoseの取り込みがあり、しかもそ
の量はIPTGにより大幅に誘導された。
【0035】次に、形質転換した大腸菌でgalactoseが
取り込まれて生成する脂質がMGDGであるかどうかを
TLCにより調べた。まず、上記のようにIPTGによ
り誘導をかけた大腸菌の破砕物を調整し、酵素活性の測
定時に50μMのUDP−[14C] galactose (493Bq n
mol-1)を加えた。その理由は、3H標識したgalactoseで
は、後述のTLCによる分画後の反応産物をイメージア
ナライザー(BAS2000,フジフィルム社製)で検出するこ
とが困難な為である。30℃で10分反応を行なった
後、上記と同様の方法で1mlの酢酸エチルの添加によ
り反応を止め、0、45%NaClで2度洗浄した後、得ら
れた酢酸エチル層のうち500μlを乾燥し、再び10
0μlのクロロホルム:メタノール(1:1)混液に溶
解して、全量をTLCに供し展開溶媒1(クロロホル
ム:メタノール:水=65:15:2、V/V)により
分画した。その際、脂質の対照として、ホウレンソウ葉
の抽出物を同時に展開し、糖脂質をアンスロン試薬を噴
霧することにより発色させて移動度を比較した。この結
果を図5に示す。図5において、レーン1は、ホウレン
ソウ葉から抽出した脂質であり、レーン2から5は大腸
菌抽出物により合成された脂質である。レーン2、3は
GEX-3X由来、レーン4、5は1b-2由来であり、その内レ
ーン2、4は、IPTG誘導前、レーン3、5は誘導後
の菌体からの抽出物を用いた。また、レーン6はキュウ
リ子葉から精製した酵素を用いた反応による生成物を示
す。図5が示すように、GEX-3XではIPTGによる誘導
の有無に関わらず放射性のMGDGは検出されなかった
が、1b-2では、上記の第1表に示した脂質画分への取り
込みと軌を一つにして、MGDGの位置に明らかな放射
能によるバンドが検出され、しかもIPTGによる誘導
が有った。以上のことから、この遺伝子がMGDG合成
酵素遺伝子をコードしていることが明らかになった。
取り込まれて生成する脂質がMGDGであるかどうかを
TLCにより調べた。まず、上記のようにIPTGによ
り誘導をかけた大腸菌の破砕物を調整し、酵素活性の測
定時に50μMのUDP−[14C] galactose (493Bq n
mol-1)を加えた。その理由は、3H標識したgalactoseで
は、後述のTLCによる分画後の反応産物をイメージア
ナライザー(BAS2000,フジフィルム社製)で検出するこ
とが困難な為である。30℃で10分反応を行なった
後、上記と同様の方法で1mlの酢酸エチルの添加によ
り反応を止め、0、45%NaClで2度洗浄した後、得ら
れた酢酸エチル層のうち500μlを乾燥し、再び10
0μlのクロロホルム:メタノール(1:1)混液に溶
解して、全量をTLCに供し展開溶媒1(クロロホル
ム:メタノール:水=65:15:2、V/V)により
分画した。その際、脂質の対照として、ホウレンソウ葉
の抽出物を同時に展開し、糖脂質をアンスロン試薬を噴
霧することにより発色させて移動度を比較した。この結
果を図5に示す。図5において、レーン1は、ホウレン
ソウ葉から抽出した脂質であり、レーン2から5は大腸
菌抽出物により合成された脂質である。レーン2、3は
GEX-3X由来、レーン4、5は1b-2由来であり、その内レ
ーン2、4は、IPTG誘導前、レーン3、5は誘導後
の菌体からの抽出物を用いた。また、レーン6はキュウ
リ子葉から精製した酵素を用いた反応による生成物を示
す。図5が示すように、GEX-3XではIPTGによる誘導
の有無に関わらず放射性のMGDGは検出されなかった
が、1b-2では、上記の第1表に示した脂質画分への取り
込みと軌を一つにして、MGDGの位置に明らかな放射
能によるバンドが検出され、しかもIPTGによる誘導
が有った。以上のことから、この遺伝子がMGDG合成
酵素遺伝子をコードしていることが明らかになった。
【0036】〔実施例5〕 MGDG合成酵素遺伝子(p
BSUDGT1)を発現している大腸菌の脂質組成 上記の活性測定に使用した大腸菌株GEX-3X及び1b-2を用
いて、脂質組成を調べた。脂質はBlighとDyerの方法(Ca
n. J. Biochem. Physiol., 37: 911, 1959)によって、
IPTGによる誘導をかけた菌体から抽出し、MGDG
の場合は展開溶媒1で、リン脂質の場合は展開溶媒2
(クロロホルム:メタノール:酢酸=65:20:1
0、V/V)で分離した。Phosphatidylglycerol(PG),
cardiolipin(CL), Phosphatidylethanolamine(PE)はDit
tmer試薬(J. Lipid Res., 5: 126, 1964)と反応さ
せ、また、MGDGはアンスロン試薬と反応させて、そ
れぞれの標準脂質と比較して検出した。なお、脂質の定
量に当たっては、リン脂質は、Fiske-Subbarowの方法
(J. Biol. Chem., 66:375, 1925)でガラクト脂質はga
lactoseを標準品としてRadinらの方法(J. Biol. Che
m., 217: 789, 1955)を用いた。
BSUDGT1)を発現している大腸菌の脂質組成 上記の活性測定に使用した大腸菌株GEX-3X及び1b-2を用
いて、脂質組成を調べた。脂質はBlighとDyerの方法(Ca
n. J. Biochem. Physiol., 37: 911, 1959)によって、
IPTGによる誘導をかけた菌体から抽出し、MGDG
の場合は展開溶媒1で、リン脂質の場合は展開溶媒2
(クロロホルム:メタノール:酢酸=65:20:1
0、V/V)で分離した。Phosphatidylglycerol(PG),
cardiolipin(CL), Phosphatidylethanolamine(PE)はDit
tmer試薬(J. Lipid Res., 5: 126, 1964)と反応さ
せ、また、MGDGはアンスロン試薬と反応させて、そ
れぞれの標準脂質と比較して検出した。なお、脂質の定
量に当たっては、リン脂質は、Fiske-Subbarowの方法
(J. Biol. Chem., 66:375, 1925)でガラクト脂質はga
lactoseを標準品としてRadinらの方法(J. Biol. Che
m., 217: 789, 1955)を用いた。
【0037】
【表2】
【0038】脂質組成の分析結果から、本来大腸菌には
存在しないMGDGが、驚くべきことに17%以上も生
成していることが判明した。また、相対的に他の脂質も
全般に減少した。
存在しないMGDGが、驚くべきことに17%以上も生
成していることが判明した。また、相対的に他の脂質も
全般に減少した。
【0039】
【発明の効果】本発明のMGDG合成酵素をコードする
遺伝子は、形質転換による動物、植物、微生物の脂質組
成の改良、特にMGDGの量の制御に有用である。
遺伝子は、形質転換による動物、植物、微生物の脂質組
成の改良、特にMGDGの量の制御に有用である。
【0040】
配列番号1: 配列の長さ:30 配列の型:核酸(DNA) トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: TGYTAYTGYC CIWSIACIGA RGTIGCIAAR
【0041】配列番号2: 配列の長さ:1266 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:キュウリ (Cucumis sativus) 株名:青長地這 配列: GGT GTT TCA GAT GAA ACC AAT GGG ATT AGA GAC GAT GGA TTT GGT GTT TCG CAA GAT GGG GCA CTG CCA TTG AAT AAA ATC GAG GCT GAG AAC CCC AAA CGG GTT CTT ATT TTA ATG AGT GAC ACT GGT GGA GGT CAT CGG GCT TCT GCT GAG GCA ATC AAG GCA GCC TTT AAT GAA GAA TTT GGG AAC AAT TAT CAG GTG TTT ATA ACT GAT TTG TGG ACG GAC CAC ACT CCT TGG CCT TTC AAT CAA TTA CCA AGA AGC TAC AAC TTC TTG GTG AAA CAT GGC ACA TTG TGG AAG ATG ACT TAC TAT GTG ACT GCT CCA AAA GTG ATT CAT CAG TCA AAT TTT GCT GCA ACT TCA ACA TTC ATA GCT CGA GAA GTA GCA AAA GGA CTG ATG AAA TAT AGG CCA GAT ATT ATT ATC AGT GTT CAT CCT CTG ATG CAG CAT GTT CCC ATT CGT ATT TTG AGG TCG AAG GGC CTC TTG AAT AAG ATT GTT TTC ACC ACA GTA GTC ACA GAT TTG AGC ACC TGC CAC CCA ACA TGG TTT CAC AAG CTT GTT ACA AGA TGC TAC TGC CCA TCT ACG GAG GTA GCA AAG AGG GCT TTG AAA GCT GGA CTC CAG CCT TCC AAA CTA AAG GTT TTT GGC CTT CCT GTG CGG CCT TCC TTT GTT AAG CCT ATT CGT CCG AAG ATT GAG TTA AGA AAA GAA TTG GGC ATG GAT GAA AAT CTT CCT GCC GTG TTG CTT ATG GGA GGG GGG GAA GGC ATG GGT CCC ATT GAG GCT ACT GCA AAG GCG CTA AGT AAG GCA TTG TAT GAT GAA AAT CAT GGA GAG CCA ATA GGC CAA GTT CTT GTG ATC TGT GGC CAC AAC AAA AAA CTA GCT GGC AGG TTG CGT TCA ATT GAT TGG AAG GTT CCT GTC CAG GTG AAG GGG TTT GTC ACA AAA ATG GAG GAA TGC ATG GGA GCT TGT GAT TGC ATT ATA ACA AAG GCG GGC CCT GGA ACG ATT GCT GAA GCC ATG ATA AGA GGT CTT CCT ATA ATT CTG AAT GAC TAC ATT GCT GGA CAG GAA GCT GGA AAT GTG CCA TAT GTC GTC GAA AAC GGA TGT GGG AAG TTT TCA AAA TCT CCT AAA GAG ATA GCG AAC ATT GTA GCA AAA TGG TTT GGG CCA AAA GCA GAT GAG TTG CTG ATC ATG TCA CAG AAT GCC TTG AGG CTT GCT AGA CCT GAT GCT GTA TTT AAG ATT GTT CAT GAT CTC CAT GAG CTT GTT AAA CAA AGA AGT TTT GTA CCA CAA TAT TCC GGC
【0042】配列番号:3 配列の長さ:422 配列の型:タンパク質 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ホウレンソウ (Cucumis sativus) 株名:青長地這 配列の特徴: 特徴を現す記号:CDS 存在位置:130..1395 特徴を決定した方法:P 配列: Gly Val Ser Asp Glu Thr Asn Gly Ile Arg Asp Asp Gly Phe Gly Val 16 Ser Gln Asp Gly Ala Leu Pro Leu Asn Lys Ile Glu Ala Glu Asn Pro 32 Lys Arg Val Leu Ile Leu Met Ser Asp Thr Gly Gly Gly His Arg Ala 48 Ser Ala Glu Ala Ile Lys Ala Ala Phe Asn Glu Glu Phe Gly Asn Asn 64 Tyr Gln Val Phe Ile Thr Asp Leu Trp Thr Asp His Thr Pro Trp Pro 80 Phe Asn Gln Leu Pro Arg Ser Tyr Asn Phe Leu Val Lys His Gly Thr 96 Leu Trp Lys Met Thr Tyr Tyr Val Thr Ala Pro Lys Val Ile His Gln 112 Ser Asn Phe Ala Ala Thr Ser Thr Phe Ile Ala Arg Glu Val Ala Lys 128 Gly Leu Met Lys Tyr Arg Pro Asp Ile Ile Ile Ser Val His Pro Leu 144 Met Gln His Val Pro Ile Arg Ile Leu Arg Ser Lys Gly Leu Leu Asn 160 Lys Ile Val Phe Thr Thr Val Val Thr Asp Leu Ser Thr Cys His Pro 176 Thr Trp Phe His Lys Leu Val Thr Arg Cys Tyr Cys Pro Ser Thr Glu 192 Val Ala Lys Arg Ala Leu Lys Ala Gly Leu Gln Pro Ser Lys Leu Lys 208 Val Phe Gly Leu Pro Val Arg Pro Ser Phe Val Lys Pro Ile Arg Pro 224 Lys Ile Glu Leu Arg Lys Glu Leu Gly Met Asp Glu Asn Leu Pro Ala 240 Val Leu Leu Met Gly Gly Gly Glu Gly Met Gly Pro Ile Glu Ala Thr 256 Ala Lys Ala Leu Ser Lys Ala Leu Tyr Asp Glu Asn His Gly Glu Pro 272 Ile Gly Gln Val Leu Val Ile Cys Gly His Asn Lys Lys Leu Ala Gly 288 Arg Leu Arg Ser Ile Asp Trp Lys Val Pro Val Gln Val Lys Gly Phe 304 Val Thr Lys Met Glu Glu Cys Met Gly Ala Cys Asp Cys Ile Ile Thr 320 Lys Ala Gly Pro Gly Thr Ile Ala Glu Ala Met Ile Arg Gly Leu Pro 336 Ile Ile Leu Asn Asp Tyr Ile Ala Gly Gln Glu Ala Gly Asn Val Pro 352 Tyr Val Val Glu Asn Gly Cys Gly Lys Phe Ser Lys Ser Pro Lys Glu 368 Ile Ala Asn Ile Val Ala Lys Trp Phe Gly Pro Lys Ala Asp Glu Leu 384 Leu Ile Met Ser Gln Asn Ala Leu Arg Leu Ala Arg Pro Asp Ala Val 400 Phe Lys Ile Val His Asp Leu His Glu Leu Val Lys Gln Arg Ser Phe 416 Val Pro Gln Tyr Ser Gly 422
【0043】配列番号4: 配列の長さ:32 配列の型:核酸(DNA) トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: GGGGATCCCTGGTGTTTCAGATGAAACCAATG
【0044】配列番号5: 配列の長さ:33 配列の型:核酸(DNA) トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CCGAATTCCCGCCGGAATATTGTGGTACAAAAC
【図1】キュウリのMGDG合成酵素遺伝子の塩基配列
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す(図2に続
く)。
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す(図2に続
く)。
【図2】キュウリのMGDG合成酵素遺伝子の塩基配列
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す(図3に続
く)。
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す(図3に続
く)。
【図3】キュウリのMGDG合成酵素遺伝子の塩基配列
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す。
及びそれに対応するアミノ酸配列を示す。
【図4】MGDG合成酵素遺伝子を大腸菌で発現させる
プラスミドの作成の仕方を示す概略図である。
プラスミドの作成の仕方を示す概略図である。
【図5】MGDG合成酵素を発現している大腸菌抽出物
での脂質合成産物のクロマトグラムを示す写真である。
での脂質合成産物のクロマトグラムを示す写真である。
【図6】MGDG合成酵素と枯草菌、大腸菌のMurG
遺伝子とのアミノ酸配列の相同性を示す図である。
遺伝子とのアミノ酸配列の相同性を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/10 C12N 9/10 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:19) (72)発明者 高宮 建一郎 神奈川県横浜市緑区長津田4259 東京工業 大学 生命理工学部内
Claims (5)
- 【請求項1】 配列番号3で表されるアミノ酸配列、又
は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に同一な
アミノ酸配列を有するモノガラクトシルジアシルグリセ
ロール合成酵素。 - 【請求項2】 請求項1記載のモノガラクトシルジアシ
ルグリセロール合成酵素と別のタンパク質とからなる融
合タンパク質。 - 【請求項3】 配列番号3で表されるアミノ酸配列、又
は配列番号3で表されるアミノ酸配列と実質的に同一な
アミノ酸配列をコードするモノガラクトシルジアシルグ
リセロール合成酵素遺伝子。 - 【請求項4】 請求項3記載のモノガラクトシルジアシ
ルグリセロール合成酵素遺伝子を含む組換えベクター。 - 【請求項5】 請求項3記載のモノガラクトシルジアシ
ルグリセロール合成酵素遺伝子が導入された細胞。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8172337A JPH1014579A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | モノガラクトシルジアシルグリセロール合成酵素及びそれをコードする遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8172337A JPH1014579A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | モノガラクトシルジアシルグリセロール合成酵素及びそれをコードする遺伝子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1014579A true JPH1014579A (ja) | 1998-01-20 |
Family
ID=15940041
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8172337A Pending JPH1014579A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | モノガラクトシルジアシルグリセロール合成酵素及びそれをコードする遺伝子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1014579A (ja) |
-
1996
- 1996-07-02 JP JP8172337A patent/JPH1014579A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050726 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050922 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051122 |