JPH1014580A - 耐熱性ホスホリラーゼ、およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性ホスホリラーゼ、およびその製造方法

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JPH1014580A
JPH1014580A JP8176231A JP17623196A JPH1014580A JP H1014580 A JPH1014580 A JP H1014580A JP 8176231 A JP8176231 A JP 8176231A JP 17623196 A JP17623196 A JP 17623196A JP H1014580 A JPH1014580 A JP H1014580A
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phosphorylase
leu
glu
ala
met
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Application number
JP8176231A
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English (en)
Inventor
Hiroki Takada
洋樹 高田
Takeshi Takaba
武史 鷹羽
Shigetaka Okada
茂孝 岡田
Tadayuki Imanaka
忠行 今中
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Ezaki Glico Co Ltd
Original Assignee
Ezaki Glico Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性ホスホリラーゼを提供すること、およ
びそれを利用したグルコース-1-リン酸またはα-グルカ
ンの製造方法の確立 【解決手段】 耐熱性ホスホリラーゼをコードする遺伝
子を単離し、高発現可能な発現ベクターに挿入し、大腸
菌で発現させることにより、耐熱性ホスホリラーゼを単
離する。単離は菌体抽出液を60℃で加熱処理し、遠心分
離することにより簡単に行われる。耐熱性ホスホリラー
ゼを用いて60℃以上の温度で反応させることにより老化
と雑菌汚染を伴わない、グルコース-1-リン酸およびα-
グルカンの製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、新規な耐熱性の
ホスホリラーゼ、このホスホリラーゼをコードする遺伝
子、このホスホリラーゼを発現する発現ベクター、この
ホスホリラーゼの製造方法、および耐熱性のホスホリラ
ーゼを用いるグルコース-1-リン酸ならびにα-グルカン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスホリラーゼ(EC.2.4.1.1)は、馬鈴薯
塊茎などの植物、ウサギ筋肉などの動物、酵母などの微
生物等に広く分布していることが知られている。そして
ホスホリラーゼは、医療用抗菌剤、抗腫瘍剤(白金錯
体)、心臓病の治療薬(アミン塩)、およびα-グルカン合
成の基質として有用であるグルコース-1-リン酸(「G-1-
P」とも略称される)を合成する際に有用な酵素である。
【0003】さらに、ホスホリラーゼは、アミロースな
どのα-グルカンを合成する際にも有用である。例え
ば、図1に記載のように、ホスホリラーゼをグルコース
-1-リン酸とマルトペンタオース等の糖類との混合物に
作用させることによって、逆合成反応によりα-グルカ
ンが合成される。得られたα-グルカンは、サイクロア
ミロースをはじめとする有用糖質の合成の基質として使
用されている。
【0004】グルコース-1-リン酸の製造、あるいはα-
グルカンの製造には、おもに馬鈴薯由来のホスホリラー
ゼが用いられている。これは、比較的大量の酵素が得易
いことによる。大腸菌(Escherichia coli)由来のホスホ
リラーゼも、その遺伝子が単離されていることから、大
量に製造されている。
【0005】α-グルカン加工において工業的に酵素を
使用する場合は、基質であるα-グルカンの老化を抑制
し、および雑菌汚染を防止するために、60℃以上で反応
を行うことが望ましいとされている。しかし、これらの
酵素は全て30℃〜45℃程度の中温域で高い活性を有する
酵素であり、60℃以上の高温には用いられない。例え
ば、 大腸菌由来のホスホリラーゼ酵素の反応至適温度
は30℃であり(Weinhusel艪轣AEnzyme and Microbial Te
chnology 17, 140-146 (1994))、 馬鈴薯由来のホスホ
リラーゼ酵素の反応至適温度は40℃であり(喜多ら、特
開平2-231092)、およびウサギ筋肉由来のホスホリラー
ゼ酵素の反応至適温度は30℃である(Nakataniら、J. Ap
p. Biochem. 5, 371-374 (1983))。最も反応至適温度の
高いホスホリラーゼでも、その温度は高くとも45℃程度
である(Weinhusel艪轣AApp. Microbiol, Biotechnol (1
994) 41, 510-516)。
【0006】そのため、雑菌の汚染およびα-グルカン
の老化が生じ、グルコース-1-リン酸を効率よく製造で
きないという問題点は解決されていないままである。
【0007】また、ホスホリラーゼの逆反応を利用して
アミロースなどのα-グルカンを作る場合にも、雑菌汚
染や生産物であるα-グルカンの老化を防止するために6
0℃以上の温度で反応を行うことが望ましい。
【0008】そこで、60℃の反応温度においても、活性
を有する耐熱性の酵素の単離が必要とされてきた。
【0009】ところで、大腸菌(以下、E.coliというこ
ともある)は2種のホスホリラーゼを有し、それぞれ、
マルトデキストリンホスホリラーゼ(MalP)およびグリコ
ーゲンホスホリラーゼ(GlgP)と呼ばれている。細菌のGl
gPの比活性が他のホスホリラーゼに比べて極端に低いこ
とは特徴的である。これは、増殖に不適切な条件下で蓄
積したグリコーゲンを徐々に分解するため、細菌におい
ては比活性の低いGlgPが必要とされるからであると考え
られている(Yuら、J. Biol. Chem. 263, 13706-13711,
1988)。
【0010】バチルス属細菌においては、バチルス サ
チルス(Bacillus subtilis)からGlgP遺伝子と相同性を
有する遺伝子が単離されている(Kielら、Mol. Microbio
l. 11.203-218, 1994)。この遺伝子はグリコーゲン生合
成系遺伝子群の最後に存在していることが知られている
(図2(a)を参照)が、大腸菌のMalPに相当する遺伝子が
存在するかどうかは明らかでない。
【0011】他方、バチルス属の微生物においては好熱
性菌が存在する。しかし好熱菌において、図2(a)に示
されるようなバチルス サチルスと同様のグリコーゲン
生合成系遺伝子群が存在しているかどうかは不明であ
り、他属の好熱性細菌においても同様に、そのようなグ
リコーゲン生合成系遺伝子群が存在するかどうかについ
ては、全く不明であった。
【0012】例えば、バチルス ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus)CU21株の場合には、
そのグリコーゲン生合成系遺伝子群は挿入配列によって
分断されており、機能していない(Kielら、DNA Seq. -
J. DNA Seq. Map. 4. 1-9, 1993)。またバチルス ステ
アロサーモフィラス1503-4R var.4株では、グリコーゲ
ン生合成系に属する遺伝子であるブランチングエンザイ
ム遺伝子が単離されているが、その下流において意味の
ある塩基配列は現在のところ発見されていない(Kie1
ら、Mol. Gen. Genet., 230, 136-144, 1991)。さら
に、バチルス カルドリティカスではブランチングエン
ザイム遺伝子の下流に、図2(a)に示されるバチルス サ
チルスと同様なグリコーゲン生合成系遺伝子群と良く似
た遺伝子の1部が存在することが発見されたが、ホスホ
リラーゼ遺伝子が存在するかどうかは不明である(Kiel
ら、Seq. -J. DNA Seq. Map. 3, 1-9, 1992)。
【0013】そのさらに下流にホスホリラーゼ遺伝子が
存在したとしても、バチルス ステアロサーモフィラスC
U21株の例から考えられるように、ホスホリラーゼ遺伝
子が分断されている可能性がある。またブランチングエ
ンザイム自身に耐熱性がない(Kielら、Seq. -J DNA Se
q. Map. 3, 1-9, 1992)ため、ホスホリラーゼ遺伝子が
完全な形で存在したとしても、そのホスホリラーゼが耐
熱性を有するかどうかは不明であった。
【0014】さらに、大腸菌において、GlgPはグリコー
ゲン合成自体には不要であるとされているため、グリコ
ーゲンを合成する好熱菌においてもバチルス サチルス
のようなホスホリラーゼを有するグリコーゲン生合成系
遺伝子群が存在するかどうかは不明であった。またホス
ホリラーゼが得られたとしても、大腸菌の場合のように
極端に比活性が低い可能性が考えられた。
【0015】従って、耐熱性のホスホリラーゼが産業的
にも必要とされていたのにもかかわらず、その存在は不
明であり、そしてこの耐熱性酵素の単離は、当業者の課
題であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記の問題
を解決するためのものであり、その目的とするところ
は: (1) 耐熱性ホスホリラーゼをコードする遺伝子を単離
すること; (2) 高発現可能な発現ベクターに挿入したものを、微
生物などの適切な宿主に導入することにより、上記ホス
ホリラーゼを生産する組換え体を得ること; (3) 本酵素遺伝子を大腸菌などの中温菌を宿主として
発現させることによって、耐熱性ホスホリラーゼを含む
得られた菌体抽出液を60℃で加熱処理することにより、
夾雑酵素を簡単に除き得、精製の面においても有利であ
るような、ホスホリラーゼ酵素の製造方法を確立するこ
と;あるいは (4) 耐熱性ホスホリラーゼを用い、高い温度で反応さ
せることにより従来の問題点を克服するグルコース-1-
リン酸あるいはα-グルカンの製造方法を確立するこ
と;にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明のホスホリラー
ゼは、基質特異性としてα-1,4-グルカンを分解してグ
ルコース-1-リン酸を生成する作用を有し、至適温度が5
0℃であり、60℃においても耐熱性であり、pH6.5〜11の
範囲で安定である性質を含む。
【0018】好ましい実施態様においては、配列表の配
列番号1の1位のMetから798位のMetまでのアミノ酸配
列を有する。
【0019】好ましい実施態様においては、配列表の配
列番号1の1位のMetから798位のMetまでのアミノ酸配
列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
いは付加による変異を有するホスホリラーゼであって、
該変異を含むホスホリラーゼが、該変異を含まないホス
ホリラーゼと同等またはそれ以上の比活性および耐熱性
を有する。
【0020】好ましい実施態様においては、前記ホスホ
リラーゼが、バチルス ステアロサーモフィラスTRBE14
株由来である。
【0021】好ましい実施態様においては、大腸菌ホス
ホリラーゼよりも高い比活性を有する。
【0022】好ましい実施態様においては、前記比活性
が大腸菌グリコーゲンホスホリラーゼの少なくとも9倍
である。
【0023】また、本願発明は、配列表の配列番号1の
1位のMetから798位のMetまでのアミノ酸配列をコード
するホスホリラーゼ遺伝子に関する。
【0024】好ましい実施態様においては、ホスホリラ
ーゼ遺伝子は配列表の配列番号4に記載のDNA配列であ
る。
【0025】好ましい実施態様においては、配列表の配
列番号1の1位のMetから798位のMetまでのアミノ酸配
列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
いは付加による変異を有するホスホリラーゼであって、
該変異を含むホスホリラーゼが、該変異を含まないホス
ホリラーゼと同等またはそれ以上の比活性および耐熱性
を有する、ホスホリラーゼ遺伝子である。
【0026】好ましい実施態様においては、本願発明の
ヌクレオチド配列は配列表の配列番号2および3のプラ
イマーのセットを用いてPCRにより増幅され得る。
【0027】さらに本願発明は、耐熱性ホスホリラーゼ
遺伝子を含有する発現ベクターに関する。
【0028】また、本願発明は、発現ベクターで形質転
換された微生物に関する。
【0029】好ましい実施態様においては、前記微生物
は中温菌である。
【0030】好ましい実施態様においては、前記微生物
が原核生物である。
【0031】好ましい実施態様においては、前記原核生
物はEscherichia coliである。
【0032】さらに本願発明は、形質転換された微生物
を培養する工程、60℃以上に加熱する工程、および該培
養により生産されるホスホリラーゼを回収、精製する工
程を含む、耐熱性ホスホリラーゼの製造方法に関する。
【0033】好ましい実施態様においては、前記形質転
換された微生物は中温菌である。
【0034】好ましい実施態様においては、前記形質転
換された微生物はEscherichia coliである。
【0035】本願発明は、回収、精製されたホスホリラ
ーゼに関する。
【0036】好ましい実施態様においては、回収、精製
された耐熱性ホスホリラーゼは、至適温度が50℃であ
り、60℃においても耐熱性であり、pH6.5〜11の範囲で
安定である性質を含む。
【0037】また本願発明は、無機リン酸またはグルコ
ース-1-リン酸で安定化される、ホスホリラーゼに関す
る。
【0038】好ましい実施態様においては、本願発明の
ホスホリラーゼは、60mMのグルコース-1-リン酸の存在
下では70℃で30分間加熱した後も約50%活性が残存す
る。
【0039】好ましい実施態様においては、1Mリン酸
存在下において60℃でα-グルカン分解反応を行った場
合、1時間後も反応速度の低下が見られない。
【0040】好ましい実施態様においては、前記ホスホ
リラーゼは大腸菌ホスホリラーゼよりも高い比活性を有
する。
【0041】好ましい実施態様においては、本願発明の
ホスホリラーゼの前記比活性は大腸菌のグリコーゲンホ
スホリラーゼの少なくとも9倍である。
【0042】本願発明は、また耐熱性ホスホリラーゼを
用いてα-グルカンを加リン酸分解することにより、グ
ルコース-1-リン酸を製造する方法に関する。
【0043】また、本願発明は、糖類およびグルコース
-1-リン酸を基質として、請求項1ないし3に記載のホ
スホリラーゼを作用させる工程を含む、α-グルカンの
合成方法に関する。
【0044】好ましい実施態様においては、前記ホスホ
リラーゼを、60℃より高い温度で反応させることにより
生成するα-グルカンの沈澱、および雑菌汚染を防止し
て生成物であるα-グルカンの老化を防止する。
【0045】好ましい実施態様においては、前記α-グ
ルカンはアミロースである。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を詳しく説明す
る。
【0047】本願発明において「好熱性菌」とは、生育至
適温度が50℃〜105℃で、30℃以下ではほとんど増殖し
ない微生物を意味し、このうち90℃以上の至適温度を持
つ微生物を超好熱性菌と定義する。
【0048】本願発明において、「中温菌」とは、生育温
度が通常の温度環境にある微生物のことであり、特に最
適生育温度が20℃〜40℃である微生物をいう。
【0049】本願発明において、「60℃においても耐熱
性がある」とは、0.1M 3-モルホリノプロパンスルホン酸
(MOPS)の緩衝液(pH7.0)中で60mMのグルコース-1-リン酸
が存在する条件下、60℃で30分処理したときに80%以上
の活性が残存することをいう。
【0050】本願発明において「pH6.5〜11の範囲で安定
である」とは、図5に記載のそれぞれの緩衝液(50mM)中
における各pHで40℃の条件下、40分間処理したときに95
%以上の活性が残存することをいう。
【0051】本願発明において「ホスホリラーゼ活性」
は、100mM MOPS(pH7.0)、45mMグルコース-1-リン酸、1
%(w/v)可溶性からなるα-グルカン組成液中で、ホスホ
リラーゼを、40℃で30分間、作用させたときに生じる無
機リン酸を定量することによって、測定される。1分間
に1μモルの無機リン酸を生じる活性を1ユニットとす
る。
【0052】本願発明において「α-グルカン」とは、α-
1,4-グルカンのことであり、デンプン、アミロース、グ
リコーゲンなどを含む。
【0053】本願発明は、配列表の配列番号1で示され
るアミノ酸配列、あるいは配列表の配列番号1で示され
るアミノ酸配列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠
失、置換、あるいは付加により変異を含むホスホリラー
ゼであって、この変異を含むホスホリラーゼが変異を含
まないホスホリラーゼと同等またはそれ以上の活性およ
び耐熱性を有するホスホリラーゼである。このような変
異は、天然に生じるか、あるいは変異原物質の作用また
は人為的に部位特異的突然変異導入を用いて生じさせ得
る。また変異の導入の結果、変異を含まないホスホリラ
ーゼと同等またはそれ以上の活性および耐熱性を有し得
る。
【0054】組換えによる生産能力の向上は、目的遺伝
子のクローン化およびクローン化された遺伝子の発現に
より達成される。
【0055】耐熱性のあるホスホリラーゼ遺伝子はバチ
ルス ステアロサーモフィラスTRBE14株のブランチング
エンザイム遺伝子の配列(Takataら、Appl. Environ. Mi
crobiol. 60, 3096-3104, 1994)をもとに、染色体DNAか
らIPCR法(「細胞工学別冊植物細胞工学シリーズ2植物の
PCR実験プロトコール、秀瀾社」を参照のこと)を用いて
順次下流側に存在するDNAフラグメントを取得すること
により、得られ得る。さらに、このDNAフラグメントの
塩基配列を基に合成されたプライマーを用い、バチルス
ステアロサーモフィラスTRBE14株の染色体DNAなどを鋳
型に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて直接ホスホ
リラーゼ遺伝子を増幅し得る。
【0056】なお、バチルス ステアロサーモフィラスT
RBE14株は工業技術院に受託番号FERM P-13916として寄
託されている。
【0057】クローン化された遺伝子の配列は、クロー
ン化DNAを挿入した適切なベクターの構築、発現ベクタ
ーの微生物への導入、ならびに組換え微生物の培養およ
び生産物の回収により達成される。これらの方法は、当
業者に周知である。
【0058】本願発明に用いられる宿主微生物には、原
核生物および真核生物が含まれ、中温菌が好ましい。特
に好ましい微生物としては、例えば大腸菌などが挙げら
れるが、これに限定されない。
【0059】発現ベクターは、目的の遺伝子が転写およ
び翻訳されるように作動可能に連結されており、さらに
必要に応じて微生物内での複製および組換え体の選択に
必要な因子を備えた媒体をいう。また、発現産物の分泌
生産が意図される場合は、分泌シグナルペプチドをコー
ドする塩基配列が、目的のタンパク質をコードするDNA
の上流に正しいリーディングフレームで結合される。発
現ベクターの種類が使用する微生物宿主に応じて代わり
得ることは、当業者に周知である。
【0060】好ましい発現ベクターとしては、大腸菌中
でも発現可能なpTrc99A(ファルマシア製)などが挙げら
れる。
【0061】上記発現ベクター内の転写および翻訳に必
要な因子に作動可能に連結するために、目的のホスホリ
ラーゼ遺伝子を加工しなければならない場合がある。こ
れらは例えばプロモーターとコード領域との間が長すぎ
て転写効率の低下が予想される場合、またはリボゾーム
結合部位と翻訳開始コドンとの間隔が適切でない場合な
どである。加工の手段としては、制限酵素による消化、
Bal31、ExoIIIなどのエキソヌクレアーゼによる消化、
あるいはM13などの一本鎖DNAまたはPCRを使用した部位
特異的突然変異の導入が挙げられる。
【0062】発現ベクターを導入してホスホリラーゼ生
産能力を獲得した形質転換株による目的遺伝子の生産
は、使用する宿主微生物および発現ベクター内の発現を
調節する因子の種類、ならびに発現される物質に応じて
適切な条件が選択される。例えば、通常の振とう培養方
法が用いられ得る。
【0063】用いる培地は、使用される宿主微生物が生
育するものであれば特に限定されない。
【0064】培地には炭素源、窒素源の他、無機塩、例
えば、リン酸、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Zn2+
Co2+、Ni2+、Na+、K+等の塩が必要に応じて、適宜混合
して、または単独で用いられ得る。また、必要に応じて
形質転換体の生育、酵素の生産に必要な各種無機物、有
機物が添加され得る。
【0065】培養の温度は用いる形質転換体の生育に適
した温度を選択し得る。通常15℃〜60℃である。本願発
明の好ましい実施態様において中温菌を使用する場合、
25℃〜40℃での培養が好ましい。また、形質転換株の培
養は、ホスホリラーゼの生産のために十分な時間続行さ
れるが、本願発明の好ましい実施態様では、培養時間は
24時間程度である。
【0066】誘導性のプロモーターを有する発現ベクタ
ーを使用する場合は、誘導物質の添加、培養温度の変
更、培地成分の調整などにより発現が制御され得る。例
えば、ラクトース誘導性プロモーターを有する発現ベク
ターを使用する場合は、イソプロピル-β-D-チオガラク
トピラノシド(IPTG)を添加することにより発現が誘導さ
れ得る。
【0067】このようにして培養した後、例えば培養物
を遠心分離または濾過することによって形質転換体を分
離して上清を得る。次に、このホスホリラーゼを含む上
清を通常の手段(例えば、塩析法、溶媒沈澱、限外濾過)
を用いて濃縮し、ホスホリラーゼを含む画分を得る。こ
の画分を濾過、あるいは遠心分離、脱塩処理などの処理
を行い粗酵素液を得る。さらにこの粗酵素液を、凍結乾
燥、等電点電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、
晶出などの通常の酵素の精製手段を適宜組み合わせるこ
とによって、比活性の向上した粗酵素あるいは精製酵素
が得られる。α-アミラーゼ等のα-グルカンを分解する
酵素、およびホスファターゼ等のグルコース-1-リン酸
を分解する酵素が含まれていなければ、その粗酵素がそ
のまま以後の反応に用いられ得る。
【0068】本願発明の耐熱性ホスホリラーゼ遺伝子を
大腸菌などの中温菌で発現させた場合、ホスホリラーゼ
は簡便に精製され得る。簡単に述べると、ホスホリラー
ゼを含む菌体抽出液を60℃で加熱処理することにより、
夾雑酵素が不溶化する。この不溶化物を遠心分離などで
除去して透析処理を行えばよい。
【0069】精製された耐熱性ホスホリラーゼを用いて
α-グルカンを分解しグルコース-1-リン酸を生産し得
る。この際、ホスホリラーゼを、固定化酵素としても使
用し得る。
【0070】反応温度は40℃以上、好ましくは50℃〜70
℃、特に好ましくは60℃であり、このことにより、基質
であるα-グルカンの老化および雑菌汚染が防止され得
る。
【0071】グルコース-1-リン酸の生産は、無機リン
酸溶液を含むα-グルカン容液中で、本願発明のホスホ
リラーゼを作用させることにより行い得る。
【0072】ホスホリラーゼは、α-グルカンの非還元
末端からグルカンを加リン酸分解してグルコース-1-リ
ン酸を生成するが、α-1,6-グルコシル結合が基質に存
在する場合、その4残基手前で過リン酸分解反応が停止
する。従って、α-グルカンから効率よくグルコース-1-
リン酸の生産を行う場合、予めα-1,6-結合を切断して
おくか、またはホスホリラーゼ反応と同時にα-1,6-結
合を切断する酵素を添加し得る。例えば、コーンスター
チのα-1,6-結合を切断した短鎖長アミロースが用られ
得る。短鎖長アミロースを使用する場合、ホスホリラー
ゼによる加リン酸分解は、マルトテトラオースを残して
停止するため、グルコース-1-リン酸の理論的限界収率
は78%である。
【0073】本願発明のホスホリラーゼは、α-グルカ
ンの分解のみならず、生成にも用いられ得る。この際、
ホスホリラーゼを、固定化酵素としても使用し得る。
【0074】反応温度は40℃以上、好ましくは50℃〜70
℃、特に好ましくは60〜70℃であり、このことにより、
雑菌汚染が防止され得る。
【0075】本願発明のホスホリラーゼの基質として使
用され得る糖類は、非還元末端を有する重合度4以上の
α-グルカンである。
【0076】糖類を基質として反応させる場合、生じる
α-グルカンの分子量は、例えば下記の反応式と式(1)と
を用いて算出し得る。
【0077】 反応式: nG-1-P + G(5) → nPi + G(5+n) ここで、G-1-Pはグルコース-1-リン酸であり、G(5)はマ
ルトペンタオース(5は重合度を表す)であり、 G(5+n)
は生じるアミロース(5+nは重合度を表す)である。
【0078】式(1):生成物の平均重合度=(生じるリン
酸のモル数/初発マルトペンタオロースのモル数) +
5 α-グルカンの生産は、例えば終濃度0.1mMのマルトペン
タオースを反応プライマーとして含むクエン酸緩衝液(p
H7.0)中で、グルコース-1-リン酸にホスホリラーゼを作
用させることにより行い得る。本願発明のホスホリラー
ゼを用いた場合、長時間十分に反応が進行し、また生成
物の沈澱も生じない。
【0079】反応液中のpHにより、またはホスホリラー
ゼの起源により若干変動があるが、反応の平衡に達する
場合、グルコース-1-リン酸とリン酸との濃度比が1:
3.6〜4.5の濃度比になる(Fletterick,R.J.,Ann.Rev.Bio
chem.1980 49, 31-61:およびWeinhauselら、Enzyme an
d Microbial Technology 1994 17,140-146)。本願発明
のホスホリラーゼにおいても、この比はほぼ上述のよう
である。従って、グルコース-1-リン酸とリン酸との濃
度比により、ホスホリラーゼを合成反応または分解反応
のいずれかに作用させるかを調節することが可能であ
る。
【0080】
【実施例】以下に具体的に実施例を用いて説明するが、
本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】(実施例1:耐熱性ホスホリラーゼ遺伝子
の単離、および耐熱性ホスホリラーゼ発現用プラスミド
の作製) (1)ホスホリラーゼ遺伝子の単離 目的の遺伝子である耐熱性のあるホスホリラーゼ遺伝子
のクローン化のために、本願発明者らは、バチルス ス
テアロサーモフィラスTRBE14株のブランチングエンザイ
ム遺伝子の配列(Takataら、Appl. Environ. Microbiol.
60, 3096-3104, 1994)をもとに、染色体DNAからIPCR法
(「細胞工学別冊植物細胞工学シリーズ2植物のPCR実験
プロトコール、秀瀾社」を参照)を用いて順次下流側に
存在するDNAフラグメントを取得した。そのDNA領域の模
式図を図2(b)に示す。塩基配列解析の結果図2(b)に示
した位置にホスホリラーゼ遺伝子がコードされているこ
とが明らかとなった。結果的にバチルス サチルスのグ
リコーゲン生合成系遺伝子群の構造と良く似ていたが、
各遺伝子の相同性は60%前後であり、オーバーラップの
度合いも微妙に異なっていた。また、グリコーゲン生合
成系遺伝子群のさらに上流の構造は全く異なっていた。
従って、バチルス サチルスがホスホリラーゼ遺伝子を
含むグリコーゲン生合成系遺伝子群を有している事実か
ら、直ちにバチルス ステアロサーモフィラスが同様の
グリコーゲン生合成系遺伝子群を有するとの想像はでき
ないことが、当業者に理解される。
【0082】(2)耐熱性ホスホリラーゼ遺伝子のクロー
ン化 配列表の配列番号1に示した塩基配列に基づいて、オリ
ゴヌクレオチド、プライマー-N(配列番号2)、プライマ
ー-C(配列番号3)を合成した。20pmolのプライマー-N、
20pmolのプライマー-C、0.2μgのバチルス ステアロサ
ーモフィラスTRBE14株染色体(GENOME DNA ISOLATION KI
T(BIO101社製)を用いて調製) 、Ex-Taq DNAポリメラー
ゼ(宝酒造製)を0.5ユニット、10mlの×10反応用緩衝
液、各20nmolのデオキシNTPを含む反応液100
μlを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施した。PC
Rは、94℃、1分間の加熱の後、98℃20秒、53℃1分、6
8℃2分のサイクルを30回繰り返し、最後に、72℃で10
分加熱する条件で実施した。その結果、耐熱性ホスホリ
ラーゼ遺伝子を含む約2.5kbpのDNAフラグメントが増幅
された。このDNAフラグメントを制限酵素、EcoRIとPstI
で切断した後、アガロースゲル電気泳動で精製し、ベク
ターpTrc99A(ファルマシア製)の同制限酵素切断点に組
み込み、耐熱性ホスホリラーゼ発現用プラスミドpTGP91
を得た。
【0083】(実施例2:耐熱性ホスホリラーゼの活性
測定)活性は、グルコース-1-リン酸とα-グルカンに反
応させたときに生じる無機リン酸をSahekiらの方法(Ana
l. Biochem. 148, 277-281 (1985))で定量することによ
り、以下のように測定した。100mM MOPS(pH7.0)、45mM
グルコース-1-リン酸、1%(w/v)可溶性デンプンの組成
からなる反応液(200μl)を、40℃で30分間保温した後、
亜鉛モリブデン溶液(100mM 酢酸亜鉛, 15mM モリブデン
酸アンモニウム(pH5.0))を添加し、反応を停止した。こ
れにアスコルビン酸溶液(溶液中の10%アスコルビン酸
(pH5))を200μl添加し、30℃で15分間保温した後、850
nmの吸光度を測定した。1分間に1μmolのリン酸を遊
離する酵素量を1ユニットとし、活性のユニットを算出
した。
【0084】(実施例3:耐熱性ホスホリラーゼの精製)
プラスミドpTGP91を含有する大腸菌TG−1株の全
培養液10ミリリットルを、1リットルのL培地(50μg/m
lアンピシリンを含む)を含む2リットル容坂口フラスコ
に添加し、37℃で振とうした。2.5時間後、終濃度1mM
のイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシドおよび
1mMのピリドキシンを添加し、さらに21.5時間37℃で培
養を続けた。菌体を遠心分離により集め、20mM Tris-HC
l(pH7.5)(以下、緩衝液Aという)で洗浄した後、同緩衝
液に再び懸濁して、超音波処理を行った。これを、遠心
分離して上清を粗酵素液とした。粗酵素液を60℃で1時
間処理して不溶物を除き緩衝液Aに対して透析した。透
析内液を緩衝液Aで平衡化したQ−セファロースカラム
(ファルマシア製)にロードして、100mM NaClを含む緩衝
液Aで洗浄した。耐熱性ホスホリラーゼは、500mM NaCl
を含む緩衝液で溶出した。
【0085】得られた酵素液に終濃度300mMになるよう
に、硫酸アンモニウムを添加した後、300mM硫酸アンモ
ニウムを含む緩衝液Aで平衡化したフェニルトヨパール
カラム(TOSOH製)にロードした。150mM硫酸アンモニウム
を含む緩衝液Aで洗浄した後、緩衝液Aで耐熱性ホスホ
リラーゼを溶出した。これを、緩衝液Aで平衡化したSo
urce15Qカラム(ファルマシア製)にロードし、緩衝液A
中のNaCl濃度を100mMから500mMに変化させることによっ
て酵素を溶出した。
【0086】得られた酵素液に終濃度300mMになるよう
に、硫酸アンモニウムを添加した後、300mM硫酸アンモ
ニウムを含む緩衝液Aで平衡化したResourcePheカラム
(ファルマシア製)にロードし、緩衝液Aで洗浄し、耐熱
性ホスホリラーゼを蒸留水を流すことにより溶出した。
得られた酵素液に終濃度20mMになるようにTris-HCl(pH
7.0)緩衝液を添加し、精製酵素液とした。精製酵素はSD
Sポリアクリルアミトゲル電気泳動で単一バンドを示し
た(図3)。
【0087】(実施例4:耐熱性ホスホリラーゼの比活
性)実施例3で精製した耐熱性ホスホリラーゼを用い
て、本酵素の比活性を測定した。比活性は1.82ユニット
/mgであった。実施例2で示した方法において、可溶性
デンプンをグリコーゲン(ウサギ肝臓由来、ベーリンガ
ーマンハイム製)に置換して測定した場合には3.45ユニ
ット/mgであった。この比活性は、大腸菌グリコーゲン
ホスホリラーゼの比活性(0.19ユニット/mg、Yuら、J.
Biol. Chem. 263,13706-13711, 1988)に比べると約9〜
18倍であった。
【0088】(実施例5:耐熱性ホスホリラーゼの性質)
実施例3で精製した耐熱性ホスホリラーゼの本酵素の酵
素学的性質を、当業者に周知の方法を用いて分析した。
本酵素の反応至適pHは6.5〜7であり(図4)、pH6.5〜11
の範囲で安定であった(図5)。また、反応至適温度は50
℃であり(図6)、45℃まで安定であった(図7)。さら
に、本酵素は無機リン酸やグルコース-1-リン酸で安定
化された。例えば、60mMのグルコース-1-リン酸存在下
では70℃、30分間の加熱後も約50%の活性が残存した。
また1Mリン酸存在下において60℃で反応を行ったとこ
ろ、1時間後も反応速度の低下は観察されなかった。
【0089】(実施例6:グルコース-1-リン酸の生産)5
0mgのモチトウモロコシデンプンを10mlの1Mリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)に懸濁し、沸騰水浴中で20分間加熱
することによって溶解させた。これを、60℃まで冷却
し、実施例3で精製した耐熱性ホスホリラーゼを0.13ユ
ニット添加した。経時的にサンプリングし、グルコース
-1-リン酸を定量した。グルコース-1-リン酸の定量は、
Weinhuse1艪轣AEnzyme and Microbial Technology 17,
140-146 (1994)に記述される酵素的方法に本質的に従
い、以下のように実施した。
【0090】80μlのサンプルに80μlの1M Tris-HCl(p
H7)、50mM MgCl2と640μlの蒸留水を添加した。これ
に、400μlの検出用試薬溶液(10mM Tris-HCl(pH7)、1.
8μmol/ml NAD+,30nmol/ml グルコース-1,6-ジホスフ
ェート、 6ユニット/mlホスホグルコムターゼ(ウサギ筋
肉由来,ベーリンガーマンハイム社製)、6ユニット/ml
グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(Leuconos
toc mesenteroides由来、ベーリンガーマンハイム社
製))を添加し、37℃で30分間保温した後、340nmの吸光
度を測定した。
【0091】この結果、反応2時間後まで、ほぼ直線的
にグルコース-1-リン酸が増加し、最終的に14mMに達し
た(図8)。このときのデンプン分解率は約45.3%であっ
た。ホスホリラーゼはα-グルカンの非還元末端から作
用し、α-1,6-グルコシド結合の4残基手前で反応が停
止するので、本実験では分解反応はほぼ完全に終了して
いると判断した。
【0092】(実施例7:アミロースの生産)実施例3で
調製した耐熱性ホスホリラーゼと終濃度250mM、または4
00mMのグルコース-1-リン酸とを60℃で反応させた。反
応は10mMのクエン酸緩衝液(pH7.0)中で行い、酵素濃度
は0.85ユニット/mlであり、終濃度の0.1mMのマルトペン
タオースを反応プライマーとして用いた。経時的にサン
プリングし、100℃で5分間加熱した後に、前述のSahek
iらの方法により生じたリン酸を定量した。生じるアミ
ロースの分子量は、下の反応式を式(1)とを用いること
によって、算出した。
【0093】 反応式: nG-1-P + G(5) → nPi + G(5+n) ここで、G-1-Pはグルコース-1-リン酸であり、G(5)はマ
ルトペンタオース(5は重合度を表す)であり、 G(5+n)
は生じるアミロース(5+nは重合度を表す)である。
【0094】式(1):生成物の平均重合度=(生じるリン
酸のモル数/初発マルトペンタオロースのモル数) +
5 反応の経時経過を図9に示す。60℃でも長時間十分に反
応は進行し、生成物の沈澱も生じなかった。24時間後の
反応液をゲル濾過クロマトグラフィー(Superose6+Supe
rdex30(Pharmacia製、1cm×30cm)、溶出液150mM NaCl、
検出示差屈折計)にかけ、酵素合成アミロース(アジノキ
社製)を基準として、重合度を算定した。その結果、グ
ルコース濃度が250mMの場合、重合度261のアミロース、
およびグルコース濃度が400mMの場合、重合度196のアミ
ロースが生成されており、予想される大きさのアミロー
スが生成されたことが明らかとなった。
【0095】(実施例8:短鎖長アミロースを基質とし
たグルコース-1-リン酸の生産)実施例3で調製した耐熱
性ホスホリラーゼを以下の反応液中で反応した。反応液
組成は、0.2%または2%の短鎖長アミロース(ナカライテ
スク(株)製 AmyloseA (平均鎖長18)、コーンスターチの
α-1,6-結合を切断して乾燥した製品)、0.9Mリン酸カリ
ウム、耐熱性ホスホリラーゼ0.04ユニット/ml(pH7.0)を
含んだ。この反応液を60℃、65℃または70℃で18時間保
温した後、終濃度0.8規定となるように水酸化ナトリウ
ムを添加して反応を停止し、生じたグルコース-1-リン
酸を実施例6と同様の方法で測定した。
【0096】また対照実験として、ウサギ筋肉ホスホリ
ラーゼ(a型、Sigma社製)を用い、反応温度を30℃にした
以外は同様の条件で行った。2%の基質濃度では反応初
期(反応開始後、30分以内)に基質が沈澱を始め、反応が
停止した。そのため、酵素を0.4ユニット/mlに増加し、
反応温度を40℃として実験を行った。これらの結果を表
1に示す。ホスホリラーゼによる加リン酸分解は、マル
トテトラオースまでで止まるため、理論的限界収率は78
%である。
【0097】後者の条件では、基質の沈澱は観測されな
かったものの、耐熱性ホスホリラーゼを使用した場合の
ほうがグルコース-1-リン酸の収率が高くその値は、60
℃、65℃および70℃において61%〜68%であった(表1)。
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】本願発明の酵素は、今までに発見された
中で最も耐熱性の高いホスホリラーゼであり、前述の実
施例で示されるように、反応至適温度が50℃であり、60
℃でも十分に使用し得る。また比活性も大腸菌グリコー
ゲンホスホリラーゼの少なくとも9倍である。従って、
グルコース-1-リン酸を効率よく製造する際に問題とな
る、反応温度が低いために生じる雑菌の汚染およびα-
グルカンの老化、またはホスホリラーゼの逆反応を利用
してアミロースなどのα-グルカンを製造する際にも同
様に問題となる、雑菌汚染や生産物であるα-グルカン
の老化を、この耐熱性の酵素を使用することにより高い
反応温度で行い得るようになり、克服することが可能と
なった。
【0100】さらに本酵素遺伝子を大腸菌などの中温菌
を宿主として発現させた場合、耐熱性ホスホリラーゼを
含む得られた菌体抽出液を60℃で加熱処理することによ
り、夾雑酵素を簡単に除去し得、精製の面においても有
利であり得る。
【0101】
【配列表】
【0102】
【配列番号1】 配列の長さ:798 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Phe Thr Asp Lys Glu Thr Phe Lys Gln Ala Phe Leu Ile Arg Leu 1 5 10 15 Glu Thr Leu Cys Gly Lys Gln Phe Glu Glu Ser Thr Thr Arg Asp His 20 25 30 Tyr Tyr Val Leu Gly His Met Val Arg Glu His Ile Ser Arg His Trp 35 40 45 Ile Ala Thr Asn Glu Arg Asn Arg Ala Gln Lys Arg Lys Gln Val Tyr 50 55 60 Tyr Leu Ser Ile Glu Phe Leu Leu Gly Arg Leu Leu Gly Ser Asn Leu 65 70 75 80 Leu Asn Leu Gly Val Arg Gln Val Val Glu Glu Gly Leu Arg Asp Leu 85 90 95 Gly Ile Arg Leu Glu Asp Val Glu Glu Ser Glu Ala Asp Ala Gly Leu 100 105 110 Gly Asn Gly Gly Leu Gly Arg Leu Ala Ala Cys Phe Leu Asp Ser Leu 115 120 125 Ala Thr Leu Asn Leu Pro Gly His Gly His Gly Ile Arg Tyr Lys His 130 135 140 Gly Leu Phe Asp Gln Lys Ile Val Asp Gly Tyr Gln Val Glu Leu Pro 145 150 155 160 Gln Gln Trp Leu Arg His Gly Asn Val Trp Glu Ile Arg Lys Glu Glu 165 170 175 Leu Ala Val Glu Val Asn Phe Trp Gly Lys Val Glu Val Tyr Glu Gln 180 185 190 Asn Gly Cys Leu Val Phe Arg His Ile Asp Ser Lys Lys Val Met Ala 195 200 205 Val Pro Tyr Asp Met Pro Val Ile Gly Tyr Gly Thr Asn Thr Val Asn 210 215 220 Thr Leu Arg Leu Trp Asn Ala Glu Pro Ala Lys Thr Phe Pro Leu His 225 230 235 240 Lys Asp Val Met Gln Tyr Lys Arg Glu Thr Glu Ala Ile Ser Glu Phe 245 250 255 Leu Tyr Pro Asp Asp Ala His Asp Glu Gly Lys Ile Leu Arg Leu Lys 260 265 270 Gln Gln Tyr Phe Leu Val Ala Ala Ser Leu Gly Ser Ile Val Arg Ala 275 280 285 His Arg Leu Gln His Gly Asn Leu His Gln Leu His Glu Tyr Val Ala 290 295 300 Ile His Val Asn Asp Thr His Pro Val Leu Ala Ile Pro Glu Leu Met 305 310 315 320 Arg Ile Leu Leu Asp Glu Glu Gly Met Ser Trp Glu Glu Ala Trp His 325 330 335 Ile Thr Thr His Thr Ile Ala Tyr Thr Asn His Thr Thr Leu Ser Glu 340 345 350 Arg Leu Arg Met Ala Ile His Leu Phe Gln Pro Leu Leu Pro Arg Ile 355 360 365 Tyr Met Ile Val Glu Glu Ile Asn Glu Arg Phe Cys Arg Glu Leu Trp 370 375 380 Glu Arg Tyr Pro Gly Asp Trp Gly Arg Ile Glu Gln Met Ala Ile Ile 385 390 395 400 Ala His Gly Val Val Lys Met Ala His Leu Ala Ile Ala Gly Ser His 405 410 415 Ser Val Asn Gly Val Ala Lys Leu His Thr Glu Ile Leu Lys Gln Arg 420 425 430 Glu Met Arg Leu Phe Tyr Glu Trp Ala Pro His Lys Phe Asn Asn Lys 435 440 445 Thr Asn Gly Val Thr His Arg Arg Trp Leu Leu Lys Ala Asn Pro Glu 450 455 460 Leu Ser Ala Leu Ile Thr Asp Thr Thr Gly Ser Arg Trp Ile His Glu 465 470 475 480 Pro Glu Thr Leu Ile Glu Leu Lys Pro His Ala Ser Asp Pro Ala Phe 485 490 495 Gln Gln Ala Leu Ser Ala Val Lys Gln Gln Arg Lys Gly Lys Leu Ala 500 505 510 Ala Arg Ile Tyr Glu Lys Thr Gly Ile Arg Val Asp Glu Ser Ser Ile 515 520 525 Phe Asp Val Gln Val Lys Arg Leu His Ala Tyr Lys Arg Gln Leu Leu 530 535 540 Asn Val Leu His Ile Met Tyr Leu Tyr Asn Arg Leu Lys Glu Asp Pro 545 550 555 560 His Phe Ser Ile Tyr Pro Arg Thr Phe Ile Phe Gly Ala Lys Ala Ser 565 570 575 Pro Gly Tyr Tyr Tyr Ala Lys Arg Ile Ile Lys Leu Ile His Ser Val 580 585 590 Ala Asp Lys Val Asn Asn Asp Lys Gln Thr Asn Glu Gln Leu Lys Val 595 600 605 Ile Phe Leu Glu Asn Tyr Arg Val Ser Leu Ala Glu Glu Ile Phe Pro 610 615 620 Ala Ala Asp Val Ser Glu Gln Ile Ser Thr Ala Ser Ile Glu Ala Ser 625 630 635 640 Gly Thr Gly Asn Met Lys Phe Met Met Asn Gly Ala Leu Thr Leu Gly 645 650 655 Thr Leu Asp Gly Ala Asn Val Glu Ile Ala Glu Ala Val Gly Lys Glu 660 665 670 Asn Met Phe Leu Phe Gly Leu Thr Ala Glu Glu Val Leu Asn Tyr Tyr 675 680 685 Glu His Gly Gly Tyr Arg Ala His Glu Tyr Tyr His His Asp Lys Arg 690 695 700 Ile Lys Gln Val Val Asp Gln Leu Val Asn Gly Phe Phe Pro Asp Val 705 710 715 720 Ala Asp Tyr Phe Glu Pro Ile Tyr Asp Ser Leu Leu Thr Gln Asn Asp 725 730 735 Glu Tyr Phe Val Leu Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Thr Glu Ala His Glu 740 745 750 Arg Val Glu Ala Ala Tyr Arg Asp Pro Ala Arg Trp Trp Tyr Met Ser 755 760 765 Ala Val Asn Ile Ala His Ser Gly Tyr Phe Ala Ser Asp Arg Thr Ile 770 775 780 Ala Glu Tyr Ala Val Asp Ile Trp Gly Ile Ser Pro Ser Met 785 790 795 798
【0103】
【配列番号2】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTTGAATTCA CAAGCCTATG AACAGCTGA 29
【0104】
【配列番号3】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTTCTGCAGA CTTCTTGACT GGTGCGCAA 29
【0105】
【配列番号4】 配列の長さ:2580 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:バチルス ステアロサーモフィラス 株名:TRBE14 配列 GTTGGCGTCG GTCGGCAAAC CAATATAAAC AAGCCTATGA ACAGCTGATC AAAAAGGAGG 60 AGCACACGC TTG TTC ACG GAT AAA GAA ACG TTT AAA CAG GCG TTT TTG ATA 111 Met Phe Thr Asp Lys Glu Thr Phe Lys Gln Ala Phe Leu Ile 1 5 10 CGG CTT GAA ACG TTG TGC GGC AAA CAG TTC GAG GAG TCG ACG ACG CGC 159 Arg Leu Glu Thr Leu Cys Gly Lys Gln Phe Glu Glu Ser Thr Thr Arg 15 20 25 30 GAC CAT TAT TAT GTG CTT GGT CAT ATG GTA CGT GAA CAT ATT AGC CGC 207 Asp His Tyr Tyr Val Leu Gly His Met Val Arg Glu His Ile Ser Arg 35 40 45 CAT TGG ATC GCC ACG AAT GAG CGC AAT CGG GCG CAA AAG CGG AAG CAA 255 His Trp Ile Ala Thr Asn Glu Arg Asn Arg Ala Gln Lys Arg Lys Gln 50 55 60 GTG TAT TAT TTG TCG ATC GAG TTT TTA TTG GGC CGG TTG CTC GGC AGC 303 Val Tyr Tyr Leu Ser Ile Glu Phe Leu Leu Gly Arg Leu Leu Gly Ser 65 70 75 AAC TTA TTA AAC CTT GGT GTC CGT CAG GTC GTT GAA GAG GGG CTT CGC 351 Asn Leu Leu Asn Leu Gly Val Arg Gln Val Val Glu Glu Gly Leu Arg 80 85 90 GAT CTC GGC ATT CGT CTT GAA GAT GTC GAG GAG AGC GAG GCG GAT GCC 399 Asp Leu Gly Ile Arg Leu Glu Asp Val Glu Glu Ser Glu Ala Asp Ala 95 100 105 110 GGG CTT GGC AAC GGC GGA CTC GGG CGG CTC GCC GCC TGT TTT CTC GAT 447 Gly Leu Gly Asn Gly Gly Leu Gly Arg Leu Ala Ala Cys Phe Leu Asp 115 120 125 TCG CTG GCG ACG TTG AAT TTG CCG GGC CAT GGC CAT GGC ATC CGC TAT 495 Ser Leu Ala Thr Leu Asn Leu Pro Gly His Gly His Gly Ile Arg Tyr 130 135 140 AAA CAC GGG CTG TTT GAC CAA AAG ATC GTC GAT GGC TAT CAA GTC GAG 543 Lys His Gly Leu Phe Asp Gln Lys Ile Val Asp Gly Tyr Gln Val Glu 145 150 155 CTG CCT CAG CAA TGG CTG CGC CAC GGA AAC GTT TGG GAA ATA CGA AAA 591 Leu Pro Gln Gln Trp Leu Arg His Gly Asn Val Trp Glu Ile Arg Lys 160 165 170 GAG GAG CTG GCT GTC GAG GTC AAT TTT TGG GGG AAG GTT GAG GTG TAC 639 Glu Glu Leu Ala Val Glu Val Asn Phe Trp Gly Lys Val Glu Val Tyr 175 180 185 190 GAA CAA AAC GGG TGC CTC GTC TTC CGC CAT ATC GAC AGC AAA AAA GTG 687 Glu Gln Asn Gly Cys Leu Val Phe Arg His Ile Asp Ser Lys Lys Val 195 200 205 ATG GCG GTG CCA TAC GAC ATG CCC GTG ATC GGC TAC GGG ACG AAC ACG 735 Met Ala Val Pro Tyr Asp Met Pro Val Ile Gly Tyr Gly Thr Asn Thr 210 215 220 GTC AAT ACG CTG CGG CTT TGG AAC GCG GAG CCG GCG AAA ACG TTC CCG 783 Val Asn Thr Leu Arg Leu Trp Asn Ala Glu Pro Ala Lys Thr Phe Pro 225 230 235 CTT CAT AAG GAT GTC ATG CAA TAC AAG CGG GAG ACA GAA GCA ATT TCC 831 Leu His Lys Asp Val Met Gln Tyr Lys Arg Glu Thr Glu Ala Ile Ser 240 245 250 GAA TTT TTA TAC CCG GAT GAT GCG CAT GAC GAA GGG AAA ATT TTG CGC 879 Glu Phe Leu Tyr Pro Asp Asp Ala His Asp Glu Gly Lys Ile Leu Arg 255 260 265 270 TTG AAG CAG CAA TAT TTT CTC GTG GCC GCC AGC CTT GGC AGC ATC GTG 927 Leu Lys Gln Gln Tyr Phe Leu Val Ala Ala Ser Leu Gly Ser Ile Val 275 280 285 CGC GCC CAT CGC CTT CAG CAC GGG AAC CTA CAC CAG CTT CAT GAA TAT 975 Arg Ala His Arg Leu Gln His Gly Asn Leu His Gln Leu His Glu Tyr 290 295 300 GTC GCC ATT CAT GTA AAC GAC ACT CAT CCG GTG TTG GCG ATT CCG GAA 1023 Val Ala Ile His Val Asn Asp Thr His Pro Val Leu Ala Ile Pro Glu 305 310 315 CTA ATG CGC ATT TTG CTC GAT GAG GAA GGC ATG AGT TGG GAA GAA GCG 1071 Leu Met Arg Ile Leu Leu Asp Glu Glu Gly Met Ser Trp Glu Glu Ala 320 325 330 TGG CAC ATT ACG ACC CAT ACG ATC GCT TAC ACA AAC CAT ACG ACG TTA 1119 Trp His Ile Thr Thr His Thr Ile Ala Tyr Thr Asn His Thr Thr Leu 335 340 345 350 TCC GAG CGC TTG AGA ATG GCG ATT CAT TTA TTT CAG CCG CTC TTG CCG 1167 Ser Glu Arg Leu Arg Met Ala Ile His Leu Phe Gln Pro Leu Leu Pro 355 360 365 CGC ATT TAT ATG ATC GTC GAG GAA ATT AAC GAA CGA TTT TGC CGT GAG 1215 Arg Ile Tyr Met Ile Val Glu Glu Ile Asn Glu Arg Phe Cys Arg Glu 370 375 380 CTA TGG GAA CGC TAC CCC GGC GAT TGG GGG CGG ATT GAA CAA ATG GCC 1263 Leu Trp Glu Arg Tyr Pro Gly Asp Trp Gly Arg Ile Glu Gln Met Ala 385 390 395 ATT ATC GCC CAT GGC GTG GTG AAA ATG GCG CAT TTG GCC ATC GCC GGC 1311 Ile Ile Ala His Gly Val Val Lys Met Ala His Leu Ala Ile Ala Gly 400 405 410 AGC CAT AGC GTC AAC GGA GTG GCG AAG CTG CAT ACA GAA ATT TTG AAA 1359 Ser His Ser Val Asn Gly Val Ala Lys Leu His Thr Glu Ile Leu Lys 415 420 425 430 CAG CGG GAA ATG CGC TTG TTT TAC GAA TGG GCG CCG CAC AAG TTT AAC 1407 Gln Arg Glu Met Arg Leu Phe Tyr Glu Trp Ala Pro His Lys Phe Asn 435 440 445 AAT AAA ACG AAC GGG GTG ACG CAT CGA CGT TGG CTG TTA AAA GCG AAC 1455 Asn Lys Thr Asn Gly Val Thr His Arg Arg Trp Leu Leu Lys Ala Asn 450 455 460 CCC GAG CTG TCG GCG TTG ATT ACC GAC ACG ACC GGT TCG CGC TGG ATT 1503 Pro Glu Leu Ser Ala Leu Ile Thr Asp Thr Thr Gly Ser Arg Trp Ile 465 470 475 CAC GAG CCG GAA ACA CTG ATC GAG CTG AAA CCG CAT GCC TCC GAT CCG 1551 His Glu Pro Glu Thr Leu Ile Glu Leu Lys Pro His Ala Ser Asp Pro 480 485 490 GCG TTC CAG CAG GCG CTT TCG GCC GTT AAG CAG CAG CGC AAA GGC AAG 1699 Ala Phe Gln Gln Ala Leu Ser Ala Val Lys Gln Gln Arg Lys Gly Lys 495 500 505 510 CTC GCT GCC CGC ATT TAT GAA AAG ACC GGG ATC CGT GTT GAT GAG TCG 1647 Leu Ala Ala Arg Ile Tyr Glu Lys Thr Gly Ile Arg Val Asp Glu Ser 515 520 525 TCC ATC TTT GAT GTG CAA GTG AAG CGG CTG CAC GCC TAC AAA CGA CAG 1695 Ser Ile Phe Asp Val Gln Val Lys Arg Leu His Ala Tyr Lys Arg Gln 530 535 540 CTG TTG AAT GTA CTG CAC ATT ATG TAT CTA TAC AAT CGT CTA AAA GAA 1743 Leu Leu Asn Val Leu His Ile Met Tyr Leu Tyr Asn Arg Leu Lys Glu 545 550 555 GAC CCG CAC TTC TCG ATT TAC CCA CGC ACG TTC ATC TTC GGA GCG AAA 1791 Asp Pro His Phe Ser Ile Tyr Pro Arg Thr Phe Ile Phe Gly Ala Lys 560 565 570 GCG TCG CCT GGC TAC TAT TAC GCC AAG CGA ATC ATT AAG CTG ATT CAT 1839 Ala Ser Pro Gly Tyr Tyr Tyr Ala Lys Arg Ile Ile Lys Leu Ile His 575 580 585 590 TCG GTT GCC GAT AAG GTG AAC AAT GAC AAA CAG ACG AAC GAG CAG CTC 1887 Ser Val Ala Asp Lys Val Asn Asn Asp Lys Gln Thr Asn Glu Gln Leu 595 600 605 AAA GTC ATT TTT TTA GAA AAC TAT CGC GTG TCG CTT GCG GAG GAA ATT 1935 Lys Val Ile Phe Leu Glu Asn Tyr Arg Val Ser Leu Ala Glu Glu Ile 610 615 620 TTC CCG GCT GCT GAT GTG AGC GAA CAA ATT TCA ACC GCG AGC ATA GAG 1983 Phe Pro Ala Ala Asp Val Ser Glu Gln Ile Ser Thr Ala Ser Ile Glu 625 630 635 GCG TCC GGG ACG GGC AAC ATG AAA TTT ATG ATG AAC GGG GCG CTC ACG 2031 Ala Ser Gly Thr Gly Asn Met Lys Phe Met Met Asn Gly Ala Leu Thr 640 645 650 CTC GGA ACG CTC GAT GGA GCG AAC GTC GAA ATC GCT GAA GCG GTC GGA 2079 Leu Gly Thr Leu Asp Gly Ala Asn Val Glu Ile Ala Glu Ala Val Gly 655 660 665 670 AAA GAA AAT ATG TTT TTG TTC GGG CTG ACC GCC GAA GAA GTG CTG AAC 2127 Lys Glu Asn Met Phe Leu Phe Gly Leu Thr Ala Glu Glu Val Leu Asn 675 680 685 TAC TAC GAA CAC GGC GGT TAC CGG GCG CAT GAA TAT TAC CAC CAC GAC 2175 Tyr Tyr Glu His Gly Gly Tyr Arg Ala His Glu Tyr Tyr His His Asp 690 695 700 AAA CGG ATT AAA CAA GTG GTC GAT CAA CTT GTG AAC GGC TTT TTC CCT 2223 Lys Arg Ile Lys Gln Val Val Asp Gln Leu Val Asn Gly Phe Phe Pro 705 710 715 GAT GTT GCT GAT TAC TTT GAG CCG ATT TAC GAC TCC TTG CTG ACG CAA 2271 Asp Val Ala Asp Tyr Phe Glu Pro Ile Tyr Asp Ser Leu Leu Thr Gln 720 725 730 AAC GAC GAA TAT TTC GTT CTG CGC GAC TTT GCC GCT TAT ACC GAA GCG 2319 Asn Asp Glu Tyr Phe Val Leu Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Thr Glu Ala 735 740 745 750 CAT GAG CGG GTG GAG GCC GCT TAC CGC GAC CCG GCA CGC TGG TGG TAT 2367 His Glu Arg Val Glu Ala Ala Tyr Arg Asp Pro Ala Arg Trp Trp Tyr 755 760 765 ATG AGC GCG GTC AAC ATC GCG CAC TCC GGC TAC TTT GCA AGC GAC CGG 2415 Met Ser Ala Val Asn Ile Ala His Ser Gly Tyr Phe Ala Ser Asp Arg 770 775 780 ACG ATC GCC GAG TAC GCC GTC GAT ATT TGG GGC ATT TCA CCA TCG ATG 2463 Thr Ile Ala Glu Tyr Ala Val Asp Ile Trp Gly Ile Ser Pro Ser Met 785 790 795 798 TGAGGCAAAA GCAAAATCAA GGGCGGTTGC GCACCAGTCA AGAAGTTTGG TGAATCACGG 2523 TTGCTGACCT TGATTGGGCG GCAACGGCAT GAACAGAAAA GAGACGTTCT GAACCAA 2580
【図面の簡単な説明】
【図1】ホスホリラーゼを用いたG-1-Pの生成、および
サイクロアミロース生成の概念を示す模式図である。
【図2】(a)はバチルスサチルス由来のグリコーゲン生
合成系遺伝子群を示し、(b)はバチルスステアロサーモ
フィラスTRBE14株由来のグリコーゲン生合成系遺伝子群
を示す。
【図3】精製した耐熱性ホスホリラーゼをSDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動した結果を示す。
【図4】耐熱性ホスホリラーゼの至適pHを示したグラフ
である。
【図5】耐熱性ホスホリラーゼのpH安定性を示したグラ
フである。
【図6】耐熱性ホスホリラーゼの反応至適温度を示した
グラフである。
【図7】耐熱性ホスホリラーゼの耐熱性を示したグラフ
である。
【図8】耐熱性ホスホリラーゼを用い、モチトウモロコ
シデンプンからのグルコース-1-リン酸の生産を経時的
に定量したグラフである。
【図9】耐熱性ホスホリラーゼを用い、グルコース-1-
リン酸からのアミロースの生産を経時的に定量したグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスホリラーゼであって以下の性質: 1)基質特異性:α-1,4-グルカンまたはグルコース-1-
    リン酸; 2)至適温度:50℃; 3)耐熱性:60℃においても耐熱性であり;および 4)pH安定性:pH6.5〜11;を有する、ホスホリラーゼ。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1の1位のMetから798
    位のMetまでのアミノ酸配列を有する、請求項1に記載
    のホスホリラーゼ。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1の1位のMetから798
    位のMetまでのアミノ酸配列中の1またはそれ以上のア
    ミノ酸の欠失、置換、あるいは付加による変異を有する
    ホスホリラーゼであって、該変異を含むホスホリラーゼ
    が、該変異を含まないホスホリラーゼと同等またはそれ
    以上の比活性および耐熱性を有する、請求項1に記載の
    ホスホリラーゼ。
  4. 【請求項4】 前記ホスホリラーゼが、バチルス ステ
    アロサーモフィラスTRBE14株由来である、請求項1に記
    載のホスホリラーゼ。
  5. 【請求項5】 請求項2または3のいずれかの項に記載
    のホスホリラーゼであって、比活性が大腸菌ホスホリラ
    ーゼよりも高い、ホスホリラーゼ。
  6. 【請求項6】 前記比活性が大腸菌グリコーゲンホスホ
    リラーゼの少なくとも9倍である、請求項2または3の
    いずれかの項に記載のホスホリラーゼ。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号1の1位のMetから798
    位のMetまでのアミノ酸配列をコードする配列を含む、
    ホスホリラーゼ遺伝子。
  8. 【請求項8】 前記ホスホリラーゼ遺伝子が配列表の配
    列番号4に記載のDNA配列である、ホスホリラーゼ遺伝
    子。
  9. 【請求項9】 配列表の配列番号1の1位のMetから798
    位のMetまでのアミノ酸配列中の1またはそれ以上のア
    ミノ酸の欠失、置換、あるいは付加による変異を有する
    ホスホリラーゼであって、該変異を含むホスホリラーゼ
    が、該変異を含まないホスホリラーゼと同等またはそれ
    以上の比活性および耐熱性を有するホスホリラーゼをコ
    ードする遺伝子。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号2および3のプライ
    マーのセットを用いてPCRにより増幅される、ホスホリ
    ラーゼ遺伝子を含むDNA。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかの項に記載
    の耐熱性ホスホリラーゼ遺伝子を含有する発現ベクタ
    ー。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の発現ベクターで形
    質転換された微生物。
  13. 【請求項13】 前記微生物が原核生物である、請求項
    12に記載の形質転換微生物。
  14. 【請求項14】 前記微生物が中温菌である、請求項1
    2に記載の形質転換微生物。
  15. 【請求項15】 前記原核生物がEscherichia coliであ
    る、請求項13に記載の形質転換微生物。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の形質転換された微
    生物を培養する工程、60℃以上に加熱する工程、および
    該培養により生産されたホスホリラーゼを回収、精製す
    る工程を含む、耐熱性ホスホリラーゼの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記形質転換された微生物が中温菌で
    ある、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記形質転換された微生物がEscheric
    hia coliである、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載の方法によって回
    収、精製されたホスホリラーゼ。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし3のいずれかの項に記
    載のホスホリラーゼを用いてα-グルカンを加リン酸分
    解する工程を含む、グルコース-1-リン酸を生成する方
    法。
  21. 【請求項21】 糖類およびグルコース-1-リン酸を基
    質として、請求項1ないし3に記載のホスホリラーゼを
    作用させる工程を含む、α-グルカンの合成方法。
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