JPH10146183A - 電極、検出装置およびセンサ - Google Patents

電極、検出装置およびセンサ

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JPH10146183A
JPH10146183A JP9032413A JP3241397A JPH10146183A JP H10146183 A JPH10146183 A JP H10146183A JP 9032413 A JP9032413 A JP 9032413A JP 3241397 A JP3241397 A JP 3241397A JP H10146183 A JPH10146183 A JP H10146183A
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nucleic acid
electrode
immobilized
conductor
detection
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JP9032413A
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Koji Hashimoto
幸二 橋本
Keiko Ito
桂子 伊藤
Toshiharu Mishiro
俊治 三代
Yoshio Ishimori
義雄 石森
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた再現性および定量性を発揮し、経済的
に核酸を検出可能な電極、検出装置およびセンサを提供
すること。 【解決手段】 核酸を固定化した電極、該電極を備えた
検出装置およびセンサによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸を固定化した
電極、核酸を固定化した電極を用いた検出装置および核
酸を固定化した電極を用いたセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の分子生物学の進歩により、核酸の
塩基配列と疾病との関係が明らかになってきた。そこ
で、特定の塩基配列あるいは特定の遺伝子の存在を検出
することによって、発病の可能性や疾病の進行の程度等
を探る遺伝子診断が、臨床検査の中で重要な位置を占め
るようになってきた。
【0003】一般に、特定の塩基配列あるいは特定の遺
伝子の存在を検出する電極は、導電体上にプローブとな
る核酸を固定化した構成をとっており、特定の塩基配列
あるいは特定の遺伝子の存在は、プローブとなる核酸と
試料中の核酸との間で形成されたハイブリッドを電気的
あるいは光学的な信号を測定することで検出する。とこ
ろが、従来の電極は、ワイヤー状の電極を樹脂で抱埋し
た構造をとるために、電極、特に、導電体においてプロ
ーブとなる核酸を固定化する領域の表面積がばらつきや
すい。さらに、物質の結晶構造は、その表面に固定化さ
れる他の物質の量に影響を与えることが知られている
が、従来のワイヤー状の形態を有する電極では結晶構造
を制御することができず、導電体上へ固定化されるプロ
ーブの量を制御することが困難である。したがって、導
電体上へ固定化されるプローブの量が変動しやすく、核
酸の検出に際し再現性が悪く、定量性にも劣るという問
題があった。
【0004】また、近年、遺伝子診断の分野では検出感
度の高感度化が進行しており、例えば、C型肝炎ウイル
スの遺伝子診断では、治療あるいは疾病の進行状態の指
標に用いる観点から、105 〜106 copy/mL程度まで
の核酸を検出可能な感度が要求されている。同様に、H
IVおよびHBV等のウイルスや細菌の検査あるいは癌
遺伝子の検出等においても高い検出感度が求められてお
り、さらなる高感度化が求められている。さらに、患者
への負担を軽減するために、採取するサンプルの微量化
が進行しており、血液電解質測定等では既に数マイクロ
リットルのサンプルから測定が行われている。
【0005】しかしながら、従来の電極を用いた検出装
置およびセンサでは、電気化学的な活性を有する物質が
電極の表面で直接反応したり、挿入剤や電気化学的な活
性を有するラベル化剤を用いた場合には挿入剤やラベル
化剤のプローブへの結合を防止できないため、バックグ
ランドが大きくなってしまう。したがって、存在量が1
5 copy/mL程度までの核酸が検出の限界であり(K.Ha
shimoto,Anal.Chem.66,3830,1994)、PCR法のように
酵素反応を用いた核酸の検出方法と比較すると検出感度
が低いという問題があった。
【0006】さらに、上述したΡCR法、酵素標識した
核酸プローブと化学発光を組み合わせた方法あるいは挿
入剤や電気化学的な活性を有するラベル化剤を用いて核
酸を検出する方法を適用した検出装置およびセンサ等に
よれば、反応系が複雑なことから、核酸の検出に要する
時間が長く、操作が煩雑であり、核酸の検出に要する経
済的な負担も大きいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
に鑑みてなされたもので、優れた再現性および定量性を
発揮し、経済的に核酸を検出可能な電極を提供すること
を目的とする。
【0008】また、本発明は、核酸の検出に際し、優れ
た再現性および定量性を発揮するとともに、検出に要す
る時間の短縮と操作性の向上が図られた、検出時の経済
性にも優れる検出装置を提供することを目的とする。
【0009】さらに、本発明は、核酸の検出に際し、優
れた再現性および定量性を発揮するとともに、検出感度
の高感度化が達成され、検出に要する時間の短縮と操作
性の向上が図られた、検出時の経済性にも優れる検出装
置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、核酸の検出に際し、優れ
た再現性および定量性を発揮するとともに、検出感度の
高感度化が達成され、検出に要する時間の短縮と操作性
の向上が図られた、検出時の経済性にも優れるセンサを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る電
極は、基板と、前記基板上に配置した導電体と、前記導
電体の表面を、外部に対する接続領域を確保しつつ被覆
した絶縁体と、前記導電体を露出するよう前記絶縁体に
設けた開口部と、前記開口部より露出した前記導電体に
固定化した核酸とを具備したことを特徴としている。
【0012】本願第1の発明における電極によれば、基
板上に配置した導電体を被覆した絶縁体の一部に、導電
体が露出するように開口部を設け、該開口部より露出し
た導電体に核酸を固定化したことにより、表面積が制御
された導電体上へ核酸を固定化することができるので、
固定化する核酸の量を制御することが可能となる。ま
た、基板上に導電体を配置したことにより、導電体の特
性を制御することができるので、導電体上に固定化する
核酸の量を制御することが可能となる。
【0013】本願第1の発明に係る電極において、基板
の材質はとくに限定されるものではなく、無機絶縁材料
および有機材料等を用いることができる。無機絶縁材料
としては、ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイ
ア、フォルステライト、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化
ケイ素およびその他の金属酸化物等を挙げることができ
る。また、有機材料としては、ポリエチレン、エチレ
ン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレン
テレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ア
クリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ア
セタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノ
ール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、
スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコーン樹脂、ポ
リフェニレンオキサイドおよびポリスルホン等を挙げる
ことができる。
【0014】また、基板上に配置する導電体の材質とし
ては、金が好ましいが、その他の材質も使用可能であ
る。例えば、金の合金、銀、プラチナ、水銀、ニッケ
ル、パラジウム、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムお
よびタングステン等の金属単体またはそれらの合金、グ
ラファイト、グラシーカーボン等の炭素やこれらの酸化
物もしくは化合物を挙げることができる。
【0015】さらに、基板上への導電体の配置は、蒸
着、スパッタ、メッキおよび印刷等の方法により行うこ
とができる。蒸着法としては、抵抗加熱法、高周波加熱
法および電子ビーム加熱法等を挙げることができる。ま
た、スパッタとしては、直流二極スパッタリング、バイ
アススパッタリング、非対称交流スパッタリング、ゲッ
タスパッタリングおよび高周波スパッタリング等を挙げ
ることができる。
【0016】また、基板上へ配置する導電体において
は、結晶構造の(111)面の配向指数を大きくするこ
とがより好ましく、これにより導電体上に固定化される
核酸の量を制御することが可能となる。なお、配向指数
は、ウィルソンの方法により、以下の式から求められ
る。
【0017】配向指数(h k l)=IF(hkl)
/IFR(hkl) ここで、hklは面指数、IF(hkl)は(h k
l)面の相対強度、ΙFR(hkl)はASTMカード
に記載されている標準金としてのIF(hkl)であ
る。
【0018】本願第1の発明に係る電極においては、上
記配向指数が1以上3以下であることが好ましく、2以
上3以下であることがより好ましい。導電体の配向指数
を高くするためには、例えば、導電体を蒸着またはスパ
ッタリングで基板上に配置する場合、基板を加熱してお
くことが有効である。加熱温度は特に限定されるもので
はないが、50℃以上500℃以下であることが好まし
い。
【0019】また、基板上に導電体を配置する際、該基
板と該導電体との間に、該導電体に用いた材質とは異な
った材質からなる接着層を介在させ、導電体が接着層に
なじむように構成すると、導電体の安定性を向上させる
ことが可能となる。接着層の材質としては、チタン、ク
ロム、銅、ニッケルの単体、これら単体の合金およびこ
れら単体もしくは合金を組み合わせたものを挙げること
ができる。この場合にも、導電体を蒸着またはスパッタ
リングで接着層上に配置する際、接着層を加熱しておく
ことが有効である。
【0020】さらに、絶縁体の材質としては、好ましく
は樹脂、より好ましくはフォトポリマーおよびフォトレ
ジストを挙げることができる。フォトレジストとして
は、光露光用フォトレジスト、遠紫外用フォトレジス
ト、X線用フォトレジストおよび電子線用フォトレジス
トを挙げることができる。光露光用フォトレジストとし
ては、環化ゴム、ポリけい皮酸およびノボラック樹脂等
を主原料とするものを挙げることができる。遠紫外用フ
ォトレジストとしては、環化ゴム、フェノール樹脂、ポ
リメチルイソプロペニルケトン(ΡMΙPK)およびポ
リメチルメタクリレート(ΡMMΑ)等を主原料とする
ものを挙げることができる。また、X線用レジストとし
ては、COΡおよびメタルアクリレートを主原料とする
ものの他、薄膜ハンドブック(オーム社)に記載され
た、当該技術分野で知られているものを挙げることがで
きる。さらに、電子線用レジストとしては、ΡMMΑを
はじめとする、上記ハンドブックに記載されたものを挙
げることができる。なお、絶縁体の膜厚は絶縁性確保の
ために100オングストローム以上が好ましく、また、
核酸の固定化のために1mm以下であることが好まし
い。
【0021】さらに、導電体を露出するよう絶縁体に設
けられた開口部は、導電体を絶縁体で被覆した後に、当
該技術分野で知られているリソグラフィーを用いて形成
できる。したがって、開口部の大きさ、換言すれば絶縁
体より露出した導電体の表面積を制御することが可能と
なり、固定化された核酸の量を制御することができる。
なお、絶縁体より露出した導電体の表面の形状は、曲率
変化が連続する形状、例えば、円、楕円あるいは正六角
形以上の多角形であることが望ましい。
【0022】リソグラフィーを行うに際し、絶縁体の好
ましい態様の一つは上述したレジストである。従来、レ
ジストは最終的に除去するのが一般的であるが、本願第
1の発明である電極の場合には、絶縁体として電極の一
部に用いることが可能であり、上述した耐水性の高い材
質でなければならない。また、レジストの他、ケイ素、
チタン、アルミニウム、亜鉛、鉛、カドミウム、タング
ステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニッケル等の
酸化物、窒化物および炭化物、またはその他の合金を用
いて、スパッタ、蒸着またはCVD等の方法により薄膜
を形成した後に、フォトリソグラフィー等のリソグラフ
ィーを行うことで開口部のパターニングを行って、開口
部の大きさ、換言すれば絶縁体より露出した導電体の表
面積を制御することができる。
【0023】また、開口部に絶縁体より露出した導電体
に対して核酸を固定化する場合には、導電体の表面を活
性化する処理を行うことが望ましい。この処理は、絶縁
体の表面に存在する異物を除去し、絶縁体の表面を完全
に暴露することにより、絶縁体の表面における自由エネ
ルギーを増加させ、核酸の固定化を確実にする目的で行
われる。具体的には、はじめに、導電体を脱イオン水で
洗浄する。洗浄後、0.1〜10Mの硫酸溶液中で−
0.5〜2V(vs Ag/AgCl)の範囲で、1〜
100000v/sの範囲で電位を走査させる。なお、
活性化は、硫酸の溶液だけでなく、混酸、王水、過塩素
酸等を使用して行ってもよい。こうして表面が活性化さ
れた導電体に核酸を固定化するが、固定化に際し、核酸
の5´または3´末端にチオール基を導入しておく。チ
オール化された核酸は、主としてチオール基の酸化を防
ぐ観点から、DTT等の還元剤の存在する溶液中に保存
される。DTT等の還元剤は、核酸の固定化の直前にゲ
ルろ過又は酢酸エチルによる抽出操作等により除去され
る。チオール基を導入した核酸を、表面が活性化された
導電体に固定化するには、イオン強度が0.01〜5、
pHが5〜10の範囲内に調整された緩衝液中に核酸を
溶解し、この緩衝液に活性化した直後の電極を浸漬する
ことにより行う。導電体への核酸の固定化は、緩衝液の
温度を4〜100℃の範囲とし、10分から1晩放置し
て行う。チオール基は、金等の導電体の表面に吸着さ
れ、強い相互作用で固定化されるので、チオール基を導
入した核酸は導電体の表面に強固に固定化されることと
なる。導電体に固定化される核酸の量は、上述した緩衝
液に溶解させる核酸の量を調整することにより制御され
るが、一般的には、緩衝液中の核酸の最終濃度が1ng
/ml〜1mg/mlとなるように調整される。この条
件のもとでは、核酸は導電体の表面に10 9copy/cm2〜1
014copy/cm2 程度固定化される。核酸を固定化した電
極は、 DNaseや RNase等の核酸分解酵素(ヌクレアー
ゼ)が存在しない条件で保存し、好ましくは遮光するこ
とにより保存することができる。保存期間が比較的短い
場合には、ハイブリダイゼーション溶液、トリス−ED
ΤA緩衝液(TE)または滅菌した脱イオン水中に浸し
て保存することが可能である。電極の保存温度は4℃以
下が好ましいが、より好ましくは−20℃程度で保存す
る。なお、長期間にわたり電極を保存する場合には、固
定化された核酸を安定に保つためにドライ条件下で保存
することが好ましい。電極をドライにする方法として
は、凍結乾燥や風乾等を挙げることができ、アルゴン等
の不活性ガス、窒素または乾燥空気等の気相の下、ある
いは真空状態の下で好適に実施することができる。
【0024】さらに、導電体の表面に固定化される核酸
は、DNA(一本鎖)のほかRNA(一本鎖)でもよ
く、塩基数も限定されるものではない。しかしながら、
特定の核酸をバックグラウンドを生じることなく確実に
検出するために、核酸は15塩基〜3000塩基程度の
長さにすることが好ましい。また、導電体の表面に固定
化される核酸の塩基配列は検出する核酸の塩基配列にし
たがって決定されるが、1種類の塩基配列だけでなく複
数種類の塩基配列からなる核酸を導電体の表面に固定化
することができる。検出する核酸としては、種々のウイ
ルス、細菌、寄生虫および真菌等に由来する核酸や腫瘍
をはじめとする種々の疾患を有する細胞に由来する核酸
であってもよい。なお、検出する核酸は、種々のウイル
ス、細菌、寄生虫、真菌および腫瘍をはじめとする種々
の疾患を有する細胞に由来する遺伝子や遺伝子の一部で
あってもよく、また、遺伝子以外の核酸であってもよ
い。ここで、遺伝子とは、ゲノム上のある長さをもった
特定の区画(構造遺伝子)を指すものである。ウイルス
としては、肝炎ウイルス(A、Β、C、D、E、Fおよ
びG型)、ヒト免疫不全症ウイルス、インフルエンザウ
イルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、ポリオー
マウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ム
ンプスウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、日
本脳炎ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、ヒト
Τ細胞白血病ウイルス、サイトメガロウイルス等を挙げ
ることができる。また、細菌および真菌としては、黄色
ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、病原性大腸菌、腸炎ビブ
リオ菌、ヘリコバクタービロリ菌、カンビロバクター、
コレラ菌、赤痢菌、サルモネラ菌、エルシニア、淋菌、
リステリア菌、レプトスビラ、レジオネラ菌、スピロヘ
ータ、肺炎マイコプラズマ、リッケチア、クラジミア、
マラリア、赤痢アメーバおよび病原真菌等を挙げること
ができる。また、種々の疾患を有する細胞としては、網
膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、家族性大腸ポリポーシ
ス、遺伝性ポリポーシス大腸癌、神経繊維腫症、家族性
乳癌、色素性乾皮症、脳腫瘍、口腔癌、食道癌、胃癌、
大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、甲状腺腫瘍、泌尿器腫
瘍、男性器腫瘍、女性器腫瘍、皮膚腫瘍、骨・軟部腫
瘍、白血病、リンパ腫、固形腫瘍に由来する細胞を挙げ
ることができる。さらに、導電体の表面に固定化される
核酸は、例えば、血液、血清、白血球、尿、便、精液、
唾液、組織、培養細胞および喀痰等の試料から抽出して
もよく、また、DNA合成機等により化学合成してもよ
い。上記試料から核酸を抽出する方法としては、特に限
定されるものではなく、フェノール−クロロホルム法等
の液−液抽出法や、担体を用いる固−液抽出法を用いる
ことができ、また、QIAmp(QIAGEN社製)や
スマイテスト(住友金属社製)等の市販の核酸抽出キッ
トを用いることも可能である。
【0025】本願第1の発明による電極は、核酸の検出
が必要であるならば、種々の疾患や疾病の進行の程度を
検出する医療分野のみならず、例えば、食品検査、検
疫、医薬品検査、法医学、農業、畜産、漁業および林業
等の全ての分野に適用することができる。
【0026】また、本願第2の発明に係る検出装置は、
基板と、前記基板上に配置した導電体と、前記導電体の
表面を、外部に対する接続領域を確保しつつ被覆した絶
縁体と、前記導電体を露出するよう前記絶縁体に設けた
開口部と、前記開口部より露出した前記導電体に固定化
した第1の核酸とを有する電極と、前記電極に固定化さ
れた第1の核酸と第2の核酸とを共存させ、設定した条
件下でハイブリダイゼーションを実行する反応部と、前
記電極に固定化された第1の核酸に電圧を印加する印加
手段と、前記印加手段の動作によって生じた信号を測定
する測定手段とを具備したことを特徴としている。
【0027】本願第2の発明における検出装置によれ
ば、電極に定量的に固定化した第1の核酸と第2の核酸
とを反応部でハイブリダイゼーションさせ、第1の核酸
に電圧を印加して生じた信号を測定することにより、該
信号の測定量と第2の核酸の量とを一義的に対応させる
ことができるので、再現性および定量性に優れるととも
に高い感度で第2の核酸を検出することが可能となる。
また、検出に要する時間の短縮と操作性の向上が達成さ
れるので、第2の核酸を経済的に検出することが可能と
なる。
【0028】本願第2の発明に係る検出装置において、
電極は、上述した本願第1の発明に係る電極と同等のも
のである。
【0029】また、反応部は、電極に固定化された第1
の核酸と第2の核酸とを共存させ、ハイブリダイゼーシ
ョンを実行可能な構成をとるものであるならば、特に限
定されないが、ハイブリダイゼーションは一般にイオン
強度0.01〜5、pΗ5〜10の範囲の緩衝液を用
い、10〜90℃の温度で1分以上1晩程度反応させる
ので、緩衝液の蒸発を防止するとともに温度管理が可能
な構造を有するものが好ましい。
【0030】さらに、電極に固定化された第1の核酸に
電圧を印加する印加手段としては、該電極の第1の核酸
を固定化した領域を作用極とし、該作用極に対応する対
極を設け、作用極と対極との間に電圧を印加するように
構成されていれば限定はされない。また、作用極と対極
との他に、グランドを基準系とする参照電極を設置して
もよい。また、通常、作用極と対極とは液体を介して配
置されており、該液体は核酸を分解するヌクレアーゼを
含まず、第1の核酸に対する電圧の印加と後述する測定
を妨げるものでなければ限定はされない。
【0031】また、印加手段の動作によって生じた信号
を測定する測定手段としては、電流値、電気伝導度、電
位、抵抗値、電気容量、インダクタンスおよびインピー
ダンス等の電気的な信号を検出する手段や、蛍光、化学
発光および電気化学発光を検出する手段が挙げられる。
核酸は、電圧を印加すると自身より発光するので、発光
強度を測定することにより、電極に存在する核酸の量、
換言すれば、第1の核酸とハイブリッド形成した第2の
核酸の量を検出することができる。また、第2の核酸の
検出に際し、電気的な信号を得るために、ヘキスト33
258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイ
シン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等の
ビスインターカレーター、トリスインターカレーターお
よびポリインターカレーター等の挿入剤、フィロセン類
および金属錯体等の電気化学的に活性な物質により電極
上の核酸を標識し、第1の核酸に電圧を印加することに
より該電気化学的に活性な物質に由来する反応電流値等
の電気的な信号を検出して、第1の核酸とハイブリッド
形成した第2の核酸の量を検出することができる。電気
的な測定は、3電極タイプ(参照電極、対極、作用極)
または2電極タイプ(対極、作用極)で行われ、挿入剤
等が電気的に反応するように電圧を印加し、挿入剤等に
由来する電流値等を測定する。この際、電圧は定速で掃
引するか、パルスで印加するか、又は定電圧を印加する
ことができる。測定には、ポテンショスタット、デジタ
ルマルチメータ、フアンクションジェネレータ等の装置
を用いて電流や電圧を制御する。そして、得られた電流
値等をもとに、検量線から第2の核酸の濃度を算出す
る。また、第2の核酸の検出に際し、光学的な信号を増
幅するために発光物質および蛍光物質を添加してもよ
い。蛍光物質としては、ヘキスト33258、アクリジ
ンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロイン
ターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレ
ーター、トリスインターカレーターおよびポリインター
カレーター等の挿入剤を挙げることができる。これらの
挿入剤は、紫外線等の照射により蛍光を発する。また、
ローダミン、フルオレッセイン類等の蛍光物質やルシフ
ェリン、アクリジニウムエステル類等の発光物質により
第2の核酸を標識し、紫外線等の照射や酵素等を添加す
ることにより光子を発生させ、第1の核酸とハイブリッ
ド形成した第2の核酸の量を検出することができる。さ
らに、ルシゲニンおよびルテニウム錯体等の電気化学発
光物質で第2の核酸を標識して発光させることにより、
第1の核酸とハイブリッド形成した第2の核酸の量を検
出することができる。また、アルカリフォスファターゼ
やパーオキシダーゼ等を用いて、第1の核酸とハイブリ
ッド形成した第2の核酸の量を検出することができる。
また、標識に際し、挿入剤、発光物質、電気化学発光物
質、蛍光物質および酵素の濃度はその種類により異なる
が、−般には1ng/ml〜1mg/mlの範囲で使用
する。このとき、標識は、イオン強度0.01〜5、p
H5から10の範囲の緩衝液を用いて行うとよい。した
がって、測定手段は、必要に応じ最適なものが単独ある
いは組み合わされて用いられる。なお、挿入剤、発光物
質、電気化学、発光物質、蛍光物質等の標識剤の非特異
吸着を抑制するために、第1の核酸の固定化後あるいは
固定化時に、第1の核酸を固定化する領域の表面を何ら
かの物質で被覆することが望ましい。該物質は、特に限
定される物ではないが、センサが金からなる場合には、
チオール化合物であることがより望ましい。チオール化
合物としては、チオール化核酸を用いることができる。
チオール化核酸にはヌクレオチド、デオキシヌクレオチ
ド、ヌクレオシド、デオキシヌクレオシドがあり、アデ
ニン、チミン、ヒポキサンチン、キサンチン、シトシ
ン、グアニン、ウラシル、イノシン、アデノシン、チミ
ジン、グアノシン、シチジン、ウリジンおよびリボチミ
ジンまたはこれらのオリゴマー等を挙げることができ
る。また、ジチオスレイトール、ジチオビスベンゼン安
息香酸およびアルカンチオールメルカプトエタノール等
のチオール化合物も用いることができる。該物質で第1
の核酸を固定化する領域の表面を被覆すると、該領域に
対する標識剤の非特異的な吸着が抑制され、S/Nが向
上することになる。また、印加手段を動作させ、生じた
信号を測定手段により測定をする場合には、バックグラ
ウンドを低減する目的からハイブリダイゼーション後の
電極をハイブリダイゼーション溶液や滅菌水等で洗浄す
ることが好ましい。
【0032】さらに、本願第3の発明に係る検出装置
は、第1の核酸を、第2の核酸の検出に必要な最小の面
積を有する領域内に固定化した電極と、前記電極に固定
化された第1の核酸と前記第2の核酸とを共存させ、設
定した条件下でハイブリダイゼーションを実行する反応
部と、前記電極に固定化された第1の核酸に電圧を印加
する印加手段と、前記印加手段の動作によって生じた信
号を測定する測定手段とを具備したことを特徴としてい
る。
【0033】本願第3の発明における検出装置によれ
ば、第2の核酸の検出に必要な最小の面積を有する領域
内に定量的に固定化した第1の核酸と第2の核酸とを反
応部でハイブリダイゼーションさせ、第1の核酸に電圧
を印加して生じた信号を測定することにより、該信号の
測定量と第2の核酸の量とを一義的に対応させるととも
にバックグラウンドを低減することができるので、再現
性および定量性に優れるとともに高い感度で第2の核酸
を検出することが可能となる。また、検出に要する時間
の短縮と操作性の向上が達成されるので、第2の核酸を
経済的に検出することが可能となる。
【0034】上述したように、現在、C型肝炎ウイルス
の検査では、治療の指標に最低でも105 copy/mLの感
度が要求されている。また、HIVやHBV等の検査あ
るいは細菌感染症、癌遺伝子等の検出でも同等あるいは
それ以上の高い検出感度が求められている。一般に、核
酸の検出をハイブリッド形成を行って実行する検出装置
では、挿入剤、光学的および電気化学的に活性な標識物
質等が電極の表面で直接反応してしまったり、挿入剤や
光学的、電気化学的に活性な標識物質等が電極に固定化
された核酸(プローブ)に結合してしまうことで、バッ
クグランドが大きくなってしまう。したがって、非特異
的な信号(バックグランド)により核酸の検出感度を低
下させる原因となっている。核酸の検出感度を向上させ
るためには、非特異的な信号(バックグランド)を低減
させ、ハイブリッドの形成に由来する特異的な信号のみ
を測定することが重要である。すなわち、電極上で形成
したハイブリッドに由来する特異的な信号だけを確実に
検出できれば、核酸の検出に関して高感度化が期待でき
る。上述した非特異的な信号を低減するためには、挿入
剤、光学的および電気化学的に活性な標識物質等が電極
の表面で直接反応してしまったり、挿入剤や光学的、電
気化学的に活性な標識物質等が電極に固定化された核酸
(プローブ)に結合することを抑制すればよい。そし
て、該抑制を達成するためには、核酸を固定化する領域
の面積を小さくすることが有効になる。すなわち、核酸
を固定化する領域の面積を小さくすることで、挿入剤、
光学的および電気化学的に活性な標識物質等が電極の表
面、特に、核酸を固定化する領域に非特異的に結合する
量を減少させるとともに、電極に固定化される核酸の量
も減少することから、結果として、核酸に非特異的に結
合する挿入剤、光学的および電気化学的に活性な標識物
質等の量も減少することになる。したがって、核酸を固
定化する領域の面積を小さくするだけで、挿入剤等に由
来する非特異的な信号を抑制できることになる。ここ
で、基礎的解析より、電気化学的な反応を用いた核酸の
検出方法における検出感度と核酸を固定化する領域の面
積との関係は、式(1)で示されることが判明した。
【0035】y=0.72x+8.0……(1) ここで、yは核酸を固定化する領域の面積(cm2 )の
対数、xは検出感度(copy/mL)の対数である。
【0036】よって、式(1)より、例えば、105 co
py/mL以下の核酸の検出を達成するためには、電極に核
酸を固定化する領域の面積を7×10-4cm2 以下にす
る必要がある。このように、式(1)より、第2の核酸
の検出限界を設定することにより、第1の核酸を固定化
するに必要な最小の面積を算出することができる。とこ
ろで、上述したような微小な領域を均一に作製する手段
として、フォトリソグラフィーが利用できる。式(1)
から明らかなように、検出感度を向上させるためには、
第1の核酸を固定化する領域の面積を更に微小にする必
要がある。しかしながら、フォトリソグラフィーを用い
ても、10-8cm2 以下の領域を再現性よく作製するこ
とは困難であり、場合によっては再現性が低下すること
もある。したがって、第1の核酸を固定化する領域の面
積は10-8cm2 以上であることが望ましい。ここで、
第1の核酸を固定化する領域の面積を小さくすると、電
極に固定化される核酸(プローブ)の量が減るので、ハ
イブリダイゼーションに要する反応時間が短い場合には
特異的なハイブリッドの形成が少なくなり、得られる信
号の絶対量も減少する可能性がある。この場合には、ハ
イブリダイゼーションを行う時間を長くすることで信号
の絶対量を確保することができる。
【0037】本願第3の発明に係る検出装置において、
電極は、第1の核酸を固定化する領域の面積が、第2の
核酸の検出限界に対応して求められた面積を有してさえ
いれば特に限定はされず、例えば、本願第1の発明に係
る電極の構成をとることが可能である。また、反応部、
印加手段および測定手段については、上述した本願第2
の発明に係る検出装置と同様の構成および手法をとるこ
とができる。
【0038】また、本願第4の発明に係る検出装置は、
第1の核酸を固定化した第1の電極と、第2の核酸を固
定化するとともに、前記第1および前記第2の核酸に対
して第3の核酸がハイブリッドを形成できるように配置
された第2の電極と、前記第1および前記第2の電極に
接続された電源と、前記電源の動作によって生じた信号
を測定する測定手段とを具備したことを特徴としてい
る。
【0039】本願第4の発明における検出装置によれ
ば、第1および第2の核酸を固定化した第1および第2
の電極を該第1および前記第2の核酸に対して第3の核
酸がハイブリッドを形成できるように配置し、第1およ
び第2の電極に接続された電源より電圧を印加して生じ
た信号を測定することにより、第3の核酸に由来する信
号をバックグラウンドを低減しつつ確実に得ることがで
きるので、再現性および定量性に優れるとともに高い感
度で第3の核酸を検出することが可能となる。また、検
出に要する時間の短縮と操作性の向上が達成されるの
で、第3の核酸を経済的に検出することが可能となる。
【0040】本願第4の発明における検出装置は、核酸
を導電体とみなし、核酸に電圧をかけることにより生じ
る電流あるいは光子の放出(発光)を検出して第3の核
酸を検出しようとしたものである。すなわち、第3の核
酸が第1および第2の核酸とハイブリッドを形成する
と、ハイブリッドの形成部を通じて回路が構成される。
ここに、第1および第2の電極に接続された電源より電
圧を印加すると、第3の核酸を通じて電流が流れる。そ
こで、電流値、電気伝導度、電位、抵抗値、電気容量、
インダクタンスおよびインピーダンス等の電気的な信号
を検出すれば、第3の核酸に由来する信号のみを検出し
たことになる。また、第3の核酸を通じて電流が流れる
と、ハイブリッドを形成した第1、第2および第3の核
酸より光子が放出され核酸が発光する。そこで、発光強
度を測定すれば、第3の核酸に由来する信号を検出した
ことになる。したがって、電気的あるいは光学的な信号
を測定することにより、再現性および定量性に優れると
ともに高い感度で第3の核酸を検出することが可能とな
る。
【0041】本願第4の発明に係る検出装置において、
第1および第2の電極は、第1および第2の核酸を固定
化されたものであれば限定されるものではないが、核酸
の検出に際し再現性および定量性を向上させる目的か
ら、本願第1の発明による電極や本願第2の発明に適用
した電極を好適に用いることができる。さらに、バック
グラウンドの発生を防止する観点から、本願第3の発明
に適用した電極を好適に用いることができる。第1およ
び第2の電極に固定化する第1および第2の核酸の配列
は、各々1種類の塩基配列を示すものでもよいし、複数
種類の塩基配列からなるものでもよい。また、一般的に
は、第1および第2の核酸の配列は異なるように選択す
るが、第1および第2の核酸の配列を同じにしてもよ
い。第1および第2の電極の位置関係は、第3の核酸と
ハイブリッドを形成可能な位置に配置されていれば限定
されないが、安定したハイブリッドの形成を促すために
対向して配置することが望ましい。第1および第2の電
極を対向して配置した場合、第1および第2の電極の間
隔は第3の核酸の長さに依存して決定される。すなわ
ち、第3の核酸は、第1および第2の核酸の双方と端部
(5´端および3´端)の領域でハイブリッドを形成す
るので、第1、第2および第3の核酸の長さをA、Bお
よびCとすれば、第1および第2の電極の間隔Lは、C
+2α≦L<A+B+C+2α(αは第1および第2の
核酸に導入されたチオール基等による余剰の長さ)の範
囲となるように設定される。しかしながら、第1および
第2の核酸に第3の核酸が安定して結合するためには、
第1および第2の核酸と第3の核酸とが5〜30塩基程
度に渡ってハイブリッドを形成する必要があり、また、
第1および第2の核酸においてハイブリッドを形成する
領域が30塩基を越えると非特異的なハイブリッドの形
成を引き起こす可能性が高くなることから、第1および
第2の電極の間隔LはL=A+B+C+2α−(10塩
基〜60塩基の長さ)の範囲で調整されることが望まし
い。具体的には、第1および第2の電極の間隔Lは10
nm〜1mm、好ましくは、50nm〜1μm 程度に設定され
る。また、第1および第2の核酸と第3の核酸とがハイ
ブリッドを形成するように第1および第2の電極を配置
するためには、例えば、第1および第2の電極をキャピ
ラリーの内部にフォトリソグラフィーを用いて作り込む
ようにするとよい。このような構成によれば、第1およ
び第2の電極を配置したキャピラリーの内部でハイブリ
ダイゼーションを行うことができ、ハイブリダイゼーシ
ョン後における第1および第2の電極の洗浄や、第1お
よび第2の電極に接続された電源より電圧を印加して生
じた信号の測定も容易に行うことができる。さらに、前
記第1および前記第2の電極に接続された電源として
は、第1および第2の核酸とハイブリッドの形成が行わ
れた第3の核酸に電圧を印加できるものであれば特に限
定はされない。また、電源の動作によって生じた信号を
測定する測定手段としては、上述した本願第2および第
3の発明に係る検出装置と同様の構成および手法をとる
ことができる。
【0042】さらに、本願第5の発明に係るセンサは、
第1の核酸を固定化した第1の電極と、第2の核酸を固
定化するとともに、前記第1および前記第2の核酸に対
して第3の核酸がハイブリッドを形成できるように配置
された第2の電極とを具備したことを特徴としている。
【0043】本願第5の発明におけるセンサによれば、
第1および第2の核酸を固定化した第1および第2の電
極を、第1および第2の核酸に対して第3の核酸がハイ
ブリッドを形成できるように配置したことにより、第1
および第2の核酸に対して第3の核酸が安定したハイブ
リッドを容易に形成することが可能となる。
【0044】本願第5の発明におけるセンサにおいて、
第1および第2の電極は、第1および第2の核酸を固定
化されたものであれば限定されるものではないが、核酸
の検出に際し再現性および定量性を向上させる目的か
ら、本願第1の発明による電極を好適に用いることがで
きる。さらに、バックグラウンドの発生を防止する観点
から、本願第3の発明に適用した電極を好適に用いるこ
とができる。また、第1および第2の電極の位置関係
は、第1および第2の核酸に対し第3の核酸がハイブリ
ッドを形成可能な位置に配置されていれば限定されない
が、例えば、本願第4の発明に係る検出装置と同様の構
成および手法をとることができる。
【0045】次に、検出の対象となる核酸の調整方法に
ついて説明する。
【0046】一般に、核酸の調整に際しては、全血、血
清、白血球、細胞、組織、喀痰、尿、精液、唾液、種々
の食品群、土壌、河川の水や海水等を試料として用いて
いる。そして、いずれの場合でも、微量の核酸を効率よ
く抽出しなければならない。例えば、C型肝炎の検査等
では血清1mL中に含まれる数個から数十個のウイルスの
核酸を抽出しなければならない。また、病原性大腸菌O
−157は数百個の細菌の存在で感染するので、食品等
に付着した、わずかな細菌に由来する核酸を抽出しなけ
ればならない。通常、微量の核酸を抽出するためには、
抽出効率をあげるため、キャリアとしてダミーの核酸、
例えば、サケ精子DNAや牛胸腺DNA等を添加する。
しかしながら、該DNAの塩基配列は完全には知られて
いないため、本願発明において検出の対象となる核酸と
同じまたは類似の配列が含まれている可能性がある。キ
ャリア核酸が導電体や電極に固定化された核酸(プロー
ブ)と類似の配列を持つ場合には、検出対象となる核酸
ではなく、添加したキャリア核酸が導電体や電極に固定
化された核酸(プローブ)と反応してしまうことにな
る。したがって、実際には検出対象となる核酸が存在し
ない場合(陰性)であっても、誤って、検出対象となる
核酸が存在する(陽性)との判定(偽陽性)を下してし
まう。極めて低濃度に存在する核酸の検出が求められて
いる現在、上記偽陽性の発生は大きな問題となる。ま
た、核酸間でのハイブリッドの形成により核酸の検出を
する際には、検出対象となる核酸自身のセルフハイブリ
ダイゼーションによって、導電体や電極に固定化された
核酸(プローブ)と検出対象となる核酸との反応が阻害
されることが問題となる。すなわち、一部のウイルスを
除いて核酸は互いに相補的に結合した二本鎖のDNAで
あるため、一度、熱またはアルカリにより一本鎖に解離
させても、検出対象となる核酸はハイブリダイゼーショ
ンの際にプローブではなく、元の二本鎖のDNAに復元
してしまうのである。この反応は、検出対象となる核酸
の量が比較的多い場合に起こりやすく、高濃度側の検出
範囲を狭め定量性を低下させる要因となる。そこで、試
料より核酸を抽出する際に、キャリア核酸として、既知
の塩基配列からなる核酸、例えば、polyA、polyT等の
合成したホモオリゴヌクレオチド、poly(AT)等をは
じめとする合成したヘテロオリゴヌクレオチド、アデニ
ン(A)、チミン(T)、グアニン(G)およびシトシ
ン(C)がランダムに配列したオリゴヌクレオチド、一
般に使用されているプラスミドやプラスミドの分解物等
の核酸を0.1 ng/ml〜100 ng/ml程度となるように
添加して核酸の抽出を行うと、微量の核酸であっても効
率よく試料より抽出することができる。ただし、上記方
法にしたがって抽出した核酸を用いてハイブルダイゼー
ションを行う場合には、試料より核酸を抽出する際に添
加する核酸の配列が、検出の際に使用する核酸(プロー
ブ)の配列と相補的でないことを確認しておかなければ
ならない。また、添加するキャリア核酸は一種類に限定
されるわけではなく、一つの試料に複数種類のキャリア
核酸を添加することができる。また、キャリア核酸の分
子量も特に限定されるものではないが数塩基から数千塩
基程度の範囲が好ましい。試料より核酸を抽出する方法
は特に限定されるものではなく、フェノール−クロロホ
ルム法等の液−液抽出法、担体を用いる固液抽出法ある
いはQIAamp(QIAGEN社製)やスマイテス卜
(住友金属社製)等の市販のキットを利用することも可
能である。
【0047】抽出した核酸は、本願発明のみならず、各
種の用途に用いることができる。例えば、RIや蛍光物
質で標識したプローブを用いたドットブロット法、サザ
ンブロット法、ノ一ザンブロット法およびマイクロプレ
ート法を挙げることができる。また、プローブ側を担体
に固定化するタイプの検出法に用いることもできる。な
お、本法により調整した核酸を本願発明の電極、センサ
あるいは検出装置を用いて検出する場合、検出の対象と
なる核酸は二本鎖であることが多く、この場合、検出の
対象となる核酸間でのセルフハイブリダイゼーションに
より導電体や電極上に固定化された核酸(プローブ)と
の反応が阻害されてしまう。しかし、試料より核酸を抽
出する際に添加したキャリア核酸が検出の対象となる核
酸の一部に相補的な配列または類似の配列を持てば、該
配列の領域でキャリア核酸と検出の対象となる核酸との
間でハイブリッドが形成され、検出の対象となる核酸間
でのセルフハイブリダイゼーションを抑えることができ
る。このとき、キャリア核酸と検出の対象となる核酸と
の間での反応性を考慮して、キャリア核酸は数塩基から
数十塩基程度の長さとすると効果的である。なお、キャ
リア核酸は、導電体や電極上に固定化された核酸(プロ
ーブ)と検出の対象となる核酸間でのハイブリッドの形
成を妨げることのないように選択されるのは当然であ
る。このように、キャリア核酸の塩基配列を、検出の対
象となる核酸に相補的で、導電体や電極上に固定化され
た核酸等(プローブ)とはハイブリッドを形成しない配
列に設定すれば、試料からの核酸の抽出の効率を高める
だけでなく、検出の対象となる核酸間でのハイブリッド
の形成を抑えて定量的な核酸の検出を行うことが可能と
なる。 上述した核酸の抽出方法は、電極、光ファイバ
ーおよび水晶振動子等を用いた核酸の検出に適用すると
非常に効果的である。電極、光ファイバーおよび水晶振
動子等を用いた核酸の検出の原理は、これらに固定化さ
れた核酸(プローブ)によって検出の対象となる核酸が
釣り上げられ、その後の状態変化(一本鎖から二本鎖へ
の変化および重量の変化)を直接的あるいは間接的に測
定して読み取ることである。そこで、検出の対象となる
核酸と相補的な配列(電極、光ファイバーおよび水晶振
動子等に固定化された核酸すなわちプローブとハイブリ
ッドを形成する領域の配列を除く)を持つキャリア核酸
を用いれば、釣り上ってきた検出の対象となる核酸の未
反応部分(通常は一本鎖のまま)にキャリア核酸がハイ
ブリダイズし部分的に二本鎖を形成する。その結果、電
極、光ファイバーおよび水晶振動子等上の核酸の状態を
大きく変化させることになり、検出に要する信号を増大
させる。すなわち、水晶振動子を用いた場合であれば該
水晶振動子上の重量の変化量が大きくなり、検出信号で
ある周波数減少量が増大する。また、電極を用いた場合
であれば、電極上の二本鎖DNAの増加により測定に用
いる電気化学的な信号が増大する。さらに、標識剤とし
て、核酸の二重鎖にインターカレートする挿入剤、例え
ばヘキスト33258を用いる場合、本剤はAT配列に
結合することが知られているため、AT−richな領域に
対してキャリア核酸の配列を設定すればヘキスト332
58の結合量を増やすことができ、さらに効果的に測定
時の信号が増幅される。また、キャリア核酸として一部
あるいは全部が標識剤で標識されているものを用いれ
ば、さらに信号の増幅が期待できる。使用する標識剤
は、特に限定されるものではないが、上述した各種の標
識剤を好適に用いることができる。以上から、上述した
方法により試料から核酸を抽出することにより試料から
の核酸の抽出効率を向上させ、該抽出した試料を用いて
ハイブリダイゼーションにより対象とする核酸の存在を
検出する場合には、類似配列の存在による偽陽性を防止
するとともに対象とする核酸自身のセルフハイブリダイ
ゼーションを抑制し、測定に要する信号を増大させるこ
とが可能となる。
【0048】次に、本願第2〜第4の発明による検出装
置において、ハイブリダイゼーションを行う際の条件に
ついて説明する。
【0049】ハイブリダイゼーションは、通常、イオン
強度0.01〜5、pΗ5〜10の範囲の緩衝液中で行
う。緩衝液中にはハイブリダイゼーションの促進剤であ
る硫酸デキストラン、サケ精子DNAやウシ胸腺DNA
等のキャリア核酸、核酸の分解を防止するためにEDΤ
Αおよび界面活性剤等を添加することが可能である。な
お、上述したように、ハイブリダイゼーションを行う際
にキャリア核酸が混在する場合にはハイブリダイゼーシ
ョンを阻害する可能性があるのでキャリア核酸の添加に
は慎重を期し、必要に応じて既知の塩基配列からなるキ
ャリア核酸を添加するとよい。一方、試料より抽出した
核酸を90℃以上で熱変性させ緩衝液中に混合する。な
お、試料より抽出した核酸を90℃以上で熱変性させた
後、0℃で急冷して緩衝液中に混合することもできる。
反応中は、攪拌又は震盪等の操作を行って反応速度を高
めることも可能である。そして、10〜90℃の下、1
分以上1晩程度の反応時間でハイブリダイゼーションを
行う。ところで、上述したように、電極に固定された核
酸(プローブ)は、検出対象となる核酸をバックグラウ
ンドを生じることなく確実に検出するために15塩基〜
3000塩基程度の長さにすることが多い。そして、電
極に固定された核酸(プローブ)の塩基配列は、該核酸
(プローブ)と検出対象となる核酸とが特異的にハイブ
リッドを形成することができるよう、検出対象となる核
酸に特徴的な塩基配列と相補鎖を形成するように設計す
る。上述した反応温度は、電極に固定された核酸(プロ
ーブ)の塩基配列と検出の対象となる核酸とのホモロジ
ーによって最適値を選択するが、一般に、ハイブリダイ
ゼーションに際する適切な反応温度は、核酸が変性(融
解)する温度(Tm)より20〜25℃低い温度に設定
する。ここで、Tmは、以下の式より算出できる。
【0050】Tm=81.5+16.6(log 10[Ci]) +0.41(%
G+C) −0.63(% formamide)−(600/n) −1.5(% mismuc
h) ただし、Ciは一価の陽イオンの濃度、 nはプローブの塩
基数である。
【0051】また、簡便なTmの算出方法として、以下
の計算式を用いることができる。
【0052】Tm= 2℃(A+T)%+ 4℃(G+C)%(特に、プ
ローブが18 mer以下の場合) ハイブリダイゼーションに際し、Tmより20〜25℃
低い温度に設定した場合には、反応の平衡がほぼ二本鎖
形成側に偏っている。よって、反応時間を長くすること
で、特異的なハイブリッドの形成は経時的に多くなって
いく。また、特異的なハイブリッドの形成を、電気化学
的に促進することも可能である(特開平5−19989
8)。ハイブリダイゼーションの際、核酸(プローブ)
を固定化した電極にプラス電位を印加すると、反応液中
のDNAやRNAは負に帯電していることから、DNA
やRNAを電極の近傍に引き寄せることができる。その
ため、電極に固定化した核酸(プローブ)の近傍におい
てDNAやRNAの濃度が高くなる。液相中での核酸の
検出反応は、1960年にMarmurらによって解析されて
おり(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,46,456,1960)、核酸の
濃度に対して2次反応であることが示されている。よっ
て、電極の近傍で核酸の濃度が高くなれば、反応速度は
速くなるわけである。すなわち、電気化学的にハイブリ
ダイゼーションを促進することができることになる。な
お、本願第4の発明に係る検出装置においては、第1の
電極にプラス電位を印加してハイブリダイゼーションを
行った後、第2の電極にプラス電位を印加してハイブリ
ダイゼーションを行うようにするとよい。なお、測定時
のバックグラウンドを低減させるため、ハイブリダイゼ
ーションを行った後、測定手段により測定を行う前に、
電極は緩衝液(例えば、ハイブリダイゼーション溶液)
や滅菌した純水等で洗浄することが望ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】本願発明の電極およびセンサの構
成および作成法、並びに、検出装置の構成について順次
説明する。
【0054】(電極の構成)図1および図2は、本願発
明のひとつの実施形態にかかる電極の構成を示す上面図
(図1(a)および図2(a))およびA−B線で切断
した場合の断面図(図1(b)および図2(b))であ
る。図1においては、電極の基礎をなす基板12上に導
電体11を形成している。そして、導電体11および基
板12の一部に絶縁体14を形成させた後、フォトリソ
グラフィーにより開口して露出した導電体からなる開口
部13を形成している。また、図2においては、電極の
基礎をなす基板12上に、まず接着層15を形成してい
る。そして、接着層15の上に導電体11を形成させた
後、フォトリソグラフィーにより開口して露出した導電
体からなる開口部13を形成させている。さらに、図3
および図4は、本発明の別の実施態様にかかる電極で、
一度に一種類以上のプローブを使った検査または数検体
に対して一種類のプローブを使って同時に行う検査に使
用することが可能な電極である。図3および図4の電極
の基本的な構造は、図1または図2に記載の電極と同じ
であるが、開口部31を複数有しているものである。図
3に示した電極においては同一径の開口部31を複数形
成し、同一のサンプルが1つの開口部31に対応するよ
うにして核酸を検出する構成であるが、図4に示した電
極は定量性を向上させる目的から、2つの径からなる開
口部31および開口部32を1つの組とし、同一のサン
プルが2つの開口部31および開口部32に対応するよ
うにして核酸を検出する構成である。なお、図4におけ
る電極においては、開口部31および開口部32に固定
化される核酸(プローブ)の量は当然異なるようになっ
ている。さらに、図5は、本願発明の更に別の実施態様
にかかる電極で、開口部51にプローブを固定していな
い参照電極52を有している、レファレンス電極一体型
の電極である。図5に示した電極の基本的な構造は図1
または図2に記載の電極と同じであるが、参照電極52
には核酸(プローブ)を固定しておらず、図3に示した
電極と同じように開口部51を複数個有している。な
お、上述したように、図1〜図5における開口部の表面
積は、検出限界に基づいて式(1)より設定された表面
積、例えば、105 copy/mL以下の核酸の検出を達成す
る場合には7×10-4cm2 となるように調整されるこ
とはいうまでもない。また、図6は、上記電極を用いた
検出装置の一実施形態を示した図である。図6におい
て、61はプローブとなる核酸62を固定化した電極、
63は反応槽であり、電源64が電極61および反応槽
63を介して回路を形成するように接続されている。ま
た、回路の内部には、電流計65、電圧計66および可
変抵抗67が配置されており、反応槽63内でハイブリ
ダイゼーションを行った後に電圧を印加して回路に流れ
る電流等を測定するように構成されている。なお、反応
槽63の内部に保持される溶液は容易に置換することが
でき、測定時には反応槽63の内部を新鮮なハイブリダ
イゼーション溶液等で置換することが可能である。図6
における検出装置によれば、反応槽63の内部に上述し
た緩衝液(ハイブリダイゼーション溶液)およびサンプ
ルを保持させ、サンプルと核酸62とをハイブリダイゼ
ーションさせる。このとき、ハイブリダイゼーションの
温度および時間は上述したように設定されることが望ま
しい。次いで、好ましくは、反応槽63および電極61
を洗浄し、反応槽63の内部に新鮮な溶液(例えばハイ
ブリダイゼーション溶液)を満たして電源64を動作さ
せ、電流値あるいは電圧値等を電流計65や電圧計66
を用いて測定する。そして、測定結果より、サンプル中
に含まれる検出対象とした核酸の量(濃度)が算出され
る。なお、上述したように、各種の標識剤を用いて検出
感度をより向上させることが可能である。
【0055】また、図7および図8は、上記電極を用い
て完全に自動化された検出装置の一実施態様の構成を示
す図である。
【0056】図7および図8において、検出装置は、上
記の電極を具備した電極ホルダーと、上記電極および試
料を反応させるための、温度可変の反応槽を具備した反
応部と、反応(ハイブリダイゼーション)後に電極を洗
浄するための、温度可変の洗浄槽を具備した第一洗浄部
と、反応(ハイブリダイゼーション)後の洗浄済み電極
を挿入剤と反応させるための、温度可変の挿入剤溶液槽
を具備した挿入剤反応部と、挿入剤による反応後に電極
を洗浄するための、温度可変洗浄槽を具備した第二洗浄
部と、挿入剤による反応後の洗浄済み電極の電気化学測
定を行うための電気化学的測定部と、前記の電気化学的
測定により得たデータを分析するための分析ユニット
と、上記の一連の反応(ハイブリダイゼーション)、洗
浄、挿入剤による反応、洗浄、電気化学的測定を制御す
るための操作ユニットと、前記の反応部、第一洗浄部、
挿入剤反応部、第二洗浄部、電気化学的測定部を隣接し
てのせた移動装置とを備えている。なお、上記検出装置
には更に、検出用の試料(検体)を搬入する搬入口と、
試料から電極と反応させるための核酸を抽出するための
試料調整ユニットと、該搬入口と該試料調製ユニットと
の間および該試料調製ユニットと前記反応部との間の、
試料の移動を行う搬送ユニットと、前記の反応(ハイブ
リダイゼーション)、洗浄、挿入剤反応時に生じる廃液
を保管する気ための廃棄物保管ユニットとを備えている
ことが好ましい。
【0057】図7に示した、検出装置70は、上記で説
明した電極を保持するための電極固定ホルダ71、反応
槽72、第1洗浄槽73、挿入剤反応槽74、第2洗浄
槽75および電気化学測定槽76、並びに前記の反応槽
72、洗浄槽73、挿入剤反応槽74、洗浄槽75およ
び電気化学測定槽76をのせた移動装置77、並びに分
析ユニット78および操作ユニット79を具備してい
る。これらの槽の間での電極の移動は、移動装置77を
使って反応槽等を動かすことにより達成される。反応槽
72に、予め試料から抽出しておいた核酸の溶液を入れ
ておき、電極固定ホルダ71に固定された本願発明の電
極を反応槽72に浸す。次いで、反応槽72中で、核酸
の変性工程と、変性した核酸とプローブを固定化した電
極とのハイブリダイゼーションを行う工程と、洗浄工程
と、挿入剤反応工程と、洗浄工程と、電気化学工程とを
順次行う。変性工程では、試料から抽出した核酸を90
℃以上98℃以下、好ましくは95℃以上98℃以下に
加熱した後、急冷する。次のハイブリダイゼーションを
行う工程では、温度を30℃から80℃の間で、±0.
5℃、好ましくは±0.1℃のレベルで制御して反応を
行う。次の第一洗浄槽73では、電極を25℃から80
℃の間で温度制御しながら洗浄する。この工程により、
非特異的に電極に結合した核酸等を取り除くことができ
る。次に挿入剤溶液槽74で、洗浄済み電極を25℃か
ら80℃の間の温度で制御して、挿入剤と電極上に形成
された二本鎖核酸との反応を行わせる。次の第二洗浄槽
75では、電極を25℃から80℃の間で温度制御しな
がら洗浄する。更に、電気化学測定槽76で、電気的な
測定を行う。測定終了後、分析ユニット78に予め記録
されている検量線を参考にして試料中の検出対象の核酸
(目的遺伝子等)の濃度がアウトプットされる。以上の
操作を、それぞれの槽及びユニットと電気的につながれ
た操作ユニット79を通じて行う。また、図8に示した
検出装置80は図7に示した検出装置に加えて、試料搬
入口81と、試料調製ユニット83と、該試料搬入口8
1と該試料調製ユニット83との間、および該試料調製
ユニット83と上記した検出装置70との間を結ぶ試料
搬送ユニット82、並びに廃棄物保管ユニット87とを
備えている。この態様においては、試料を試料搬入口8
1に入れた後、試料搬送ユニット82を通って試料調製
ユニット83に運ばれ、該試料調製ユニット83で核酸
の抽出が行われる。抽出された核酸は該試料搬送ユニッ
卜82を通って上記の検出装置70に運ばれて、上述し
たように核酸の検出が行われる。なお、廃棄物保管ユニ
ット85に、洗浄工程等において生じた廃棄物を一時的
に保存する。
【0058】さらに、図9および図10は、本願発明に
係るセンサの一実施形態を示した図である。図9および
図10において、基板91、基板92、基板101、基
板102および基板103上に配置された導電体93、
導電体94、導電体104、導電体105および導電体
106上には各々核酸(プローブ)95、核酸96、核
酸107、核酸108および核酸109が固定化されて
いる。特に、図10によるセンサは、一度に二種類以上
のプローブを使った検査に使用することが可能である。
図9および図10のセンサにおける電極の基本的な構造
は、特に限定はされないが、図1〜図4に記載の電極を
好適に用いることができる。そして、図9(b)および
図10(b)に示したように、検出対象となる核酸11
0は、核酸110の両端部によって核酸95と核酸9
6、核酸107と核酸108あるいは核酸107と核酸
109との間にまたがるようにハイブリッドを形成す
る。また、検出対象となる核酸110が核酸95と核酸
96、核酸107と核酸108あるいは核酸107と核
酸109との間にまたがるようにハイブリッドを形成し
た場合に、図11に示すように、検出感度を向上させる
目的から標識剤により標識した核酸111を検出対象と
なる核酸110に結合させることもできる。また、図9
〜図11において、電極上の核酸を固定化した領域の表
面積を、検出限界に基づいて式(1)より設定された表
面積となるように調整するとより好ましい。さらに、図
11に示したように、基板91と基板92との間隙を一
定となるように確実に保持するために、基板91と基板
92との間にスペーサ112を設けることが好ましい。
該スペーサは、電極上に導電体を配置する際にフォトリ
ソグラフィーを用いて形成することができる。
【0059】また、図12は、上記センサを用いた検出
装置の電気的構成を示した図である。図12において、
プローブとなる核酸123および核酸124を固定化し
た電極121および電極122に対して、電源125が
電極121および電極122を介して回路を形成するよ
うに接続されている。また、回路の内部には、電流計1
26、電圧計127および可変抵抗128が配置されて
おり、電極121および電極122を介してハイブリダ
イゼーションを行った後に電圧を印加して回路に流れる
電流値等を測定するように構成されている。さらに、図
13は、上記センサを用いた本願発明の検出装置の一実
施態様を示した図である。図13においては、電極13
1および電極132は石英ガラス等からなるキャピラリ
ー133の内部に作り込まれており、キャピラリー13
3の内部でハイブリダイゼーションが行われる構成にな
っている。電極131および電極132には電源134
が電極131および電極132を介して回路を形成する
ように接続されており、回路の内部には、電流計13
5、電圧計136および可変抵抗137が配置されてい
る。なお、図13における検出装置においては、サンプ
ルの溶液がキャピラリー133の内部を一定方向に流通
する構成となっている。そこで、図14に示すように、
送液ポンプ141の動作およびサンプルの注入部142
からのサンプルの注入のタイミングを調整可能とし、キ
ャピラリー133の内部にサンプルを流通した後、サン
プルの溶液の流通を停止してハイブリダイゼーションを
行い、ハイブリダイゼーションが終了した後にキャピラ
リー133の内部を新鮮な溶液が流通するように構成す
ることにより、ハイブリダイゼーション後の電極および
キャピラリー133の内部を容易に洗浄することができ
る。したがって、測定装置143により、より定量性の
高い核酸の検出を行うことができる。なお、測定装置1
43は、電気化学的な信号を測定する装置あるいは核酸
より生じる光子を検出する装置でもよく、また、これら
を組み合わせた装置でもよい。また、ハイブリダイゼー
ション時の温度を正確に制御するために、キャピラリー
133の周囲にサーモスタット等により制御されるヒー
タ等の加熱手段を配置することも可能である。図15
は、上記図13および図14に示した構成を適用した検
出装置の一実施態様を示した図である。検出装置150
は、上記図9および図10に示したセンサを保持するた
めの固定ホルダ151、緩衝液(ハイブリダイゼーショ
ン溶液)を保持する溶液タンク152およびサンプルを
保持・注入する注入部153を、固定ホルダ151を介
してハイブリダイゼーション後の溶液を保存する廃液タ
ンク154と接続する送液ライン155、センサを保持
した固定ホルダ151からの信号を測定する測定ユニッ
ト156および測定ユニット156より測定された結果
を外部に出力するための出力端子157を具備してお
り、サンプルおよび緩衝液(ハイブリダイゼーション溶
液)は送液ポンプ158の駆動力により送液ライン15
5を介して移動する。溶液タンク152より、送液ライ
ン155を通じ固定ホルダ151に向かって緩衝液(ハ
イブリダイゼーション溶液)が送液されるが、その過程
で、注入部153より、予め試料から抽出しておいた核
酸の溶液が混合される。試料から抽出された核酸を混合
した緩衝液(ハイブリダイゼーション溶液)が固定ホル
ダ151に備えたセンサに到達すると、送液ライン15
5を介した送液は停止され、固定ホルダ151中で、核
酸の変性工程と、該変性した核酸とプローブを固定化し
た電極を有するセンサとの間でハイブリダイゼーション
を行う工程とを順次行う。なお、核酸の変性工程は、核
酸が固定ホルダ151に到達する以前に行ってもよく、
例えば、変性した核酸を注入口153より注入するよう
にしてもよい。固定ホルダ151においてハイブリダイ
ゼーションが終了すると、送液ライン155を通じて固
定ホルダ151に向かって緩衝液(ハイブリダイゼーシ
ョン溶液)が再び送液され、固定ホルダ151に備えた
センサを洗浄するとともに、測定ユニット156による
電気化学的あるいは光学的な測定が実行される。なお、
固定ホルダ151に備えたセンサを洗浄する前に、挿入
剤による反応工程を実施してもよい。上述したように、
変性工程では、試料から抽出した核酸を90℃以上98
℃以下、好ましくは95℃以上98℃以下に加熱した
後、急冷する。次のハイブリダイゼーションを行う工程
では、温度を30℃から80℃の間で、±0.5℃、好
ましくは±0.1℃のレベルで制御して反応を行う。ま
た、固定ホルダ151の洗浄時には、センサを25℃か
ら80℃の間で温度制御しながら洗浄する。そのため、
固定ホルダ151の内部には、温度制御が可能な加熱手
段が設置されている。さらに、測定ユニット156によ
る電気的あるいは光学的な測定結果は出力端子157よ
り外部に出力され、予め求められている検量線を参考に
して試料中の検出対象の核酸(目的遺伝子等)の濃度が
算出される。
【0060】(実施形態のまとめ)実施の形態に示され
た電極、センサおよび検出装置の構成、作用および効果
をまとめると次のとおりである。
【0061】(1)実施形態に示された電極(図1〜図
5)は、基板と、該基板上に配置された導電体と、該導
電体の一部の表面を覆って形成された絶縁体と、フォト
リソグラフィーにより前記導電体が露出するように該絶
縁体に形成された開口部と、該開口部より露出した導電
体に固定された核酸(プロ−ブ)とを具備し、該核酸プ
ローブに特異的に結合する所定の配列をもった核酸がプ
ローブに結合したときに生じる電気信号や光学的な信号
等を検出できるようになっている。上記電極は、開口部
がフォトリソグラフィーによって露出されているため
に、開口部の面積が検出対象となる核酸の検出限界にあ
わせて正確に制御されていて、その結果、開口部より露
出した導電体上に固定化される核酸(プローブ)の量が
正確に制御される。さらに、実施形態に示された電極
(図2)は、基板と導電体との間に接着層を有するもの
となっている。該電極においては、電極用の材質として
は優れているが、基板との接着性が悪い導電体を使っ
て、より安定で優れた電極を作成することができる。ま
た、実施形態に示された上記電極は、絶縁体に樹脂を用
いたものとなっており、樹脂のなかでも好ましくはフォ
トポリマーまたはフォトレジストを用いたものとなって
いる。さらに好ましくは、光露光用フォトレジスト、遠
紫外用フォトレジスト、X線用フォトレジストおよび電
子線用フォトレジストの何れかを用いたものとなつてい
る。上記電極においては、リソグラフィーによるパタ−
ニング後にレジストをそのまま絶縁体として用いること
ができ、電極作成にあたっての工程を少なくすることが
可能である。また、実施形態に示されたセンサ(図9〜
図11)は、各々核酸が固定化された2つの電極を有し
ており、該電極に固定化された核酸を介して検出対象と
なる核酸がハイブリッドを形成するので、電気的あるい
は光学的な測定により核酸を定量性が高く高感度に検出
することができる。実施形態に示された電極は、電極の
(111)の配向指数を、1以上3以下にしたものとな
っており、電極の中でも金を用いたものが好ましい。上
記電極においては、電極の(111)面が硫黄原子と相
互作用が強いために、チオール化した核酸プローブを効
率よく電極に固定化することが可能である。
【0062】(2)実施形態に示された検出装置(図
6、図13〜図15)は、上述した電極あるいはセンサ
を用いて核酸の検出が実施される構成をとっているため
に、検出の対象となる核酸を、電気的あるいは光学的な
測定により定量性が高く高感度に検出することができ
る。また、実施形態に示された検出装置(図7)は、所
定の塩基配列を有する核酸を検出するための電極を具備
した検出装置であって、電極と試料とを反応させるため
の、温度可変の反応槽を具備した反応部と、反応(ハイ
ブリダイゼーション)後に電極を洗浄するための、温度
可変の洗浄槽を具備した第一洗浄部と、反応後の洗浄済
み電極を挿入剤と反応させるための、温度可変の挿入剤
溶液槽を具備した挿入剤反応部と、挿入剤との反応後に
電極を洗浄するための、温度可変洗浄槽を具備した第二
洗浄部と、挿入剤との反応後の洗浄済み電極の電気化学
測定を行うための電気化学的測定部と、電気化字的測定
により得たデータを分析するための分析ユニットと、前
記の一連の反応、洗浄、挿入剤反応、洗浄、電気化学的
測定を制御するための操作ユニットと、前記の遺伝子反
応部、第一洗浄部、挿入剤反応部、第二洗浄部、電気化
字的測定部を隣接してのせた移動装置とを具備したもの
となっていて、更に前記の移動装置を用いることで、該
電極上の反応、該電極の洗浄、及び該電極の電気化学的
測定を順次行って、核酸を電気的、自動的に検出するも
のとなっている。上記検出装置は、特定配列を有する核
酸(遺伝子等)の検出に関わる、電極を使った一連の反
応、洗浄等を順次行えるように、反応槽等が移動装置上
に隣接してのせられていて、また各反応等を操作、分析
するためのユニットが接続されているため、所定の塩基
配列を有する核酸の検出を電気的、自動的に行うことが
可能である。また、実施の形態に示された自動遺伝子検
出装置(図8)は、上記の装置に加えて、試料搬入口
と、試料調製ユニットと、該試料搬入口と該試料調製ユ
ニットとの間、および該試料調製ユニットと上記検出装
置との間を結ぶ試料搬送ユニット、並びに廃棄物保管ユ
ニットとを備えたものとなっている。該検出装置は、試
料から核酸を抽出する試料調整ユニットと、試料搬入か
ら遺伝子検出反応槽間での輸送にかかわる試料搬送ユニ
ットと、廃棄物保管ユニットとを備えているため、試料
からの核酸の抽出から核酸の検出反応および分析に至る
までをすべて自動的に連続して、複数の試料に由来する
核酸の解析を行うことが可能である。
【0063】
【実施例】
(実施例1)本実施例では、図2に示された実施の形態
に対応する電極を製造した。
【0064】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板12を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、電子ビーム法により、まず常法によりチタ
ンを500オングストロームの厚さとなるように蒸着
し、次いで同様に金を5000オングストロ−ムの厚さ
となるように蒸着した。次に、光露光用フォトレジスト
AZ4620を用いて蒸着金属のリソグラフイーを行い
導電体11を形成した。次いで、同じフォトレジストを
塗布し、露光現像して、導電体11を露出させる開口部
13(面積:10-4cm2 )を持った電極を形成した。
【0065】次いで、この電極にΒ型肝炎ウイルス(Η
BV)の検出用の核酸(プローブ)を固定化(1012 cop
y/cm2 )した。また、比較のために、金ワイヤーを樹脂
で抱埋し、本実施例における電極と同一の核酸(プロー
ブ)を固定化(1012 copy/cm2 )した電極も同様に使用
した。プローブの固定および核酸の検出は、実施の形態
に示す方法により実施した。検出実験の結果、金ワイヤ
ー型の電極の場合、ばらつきは変動係数で10〜20%
であったが、本実施例における電極では変動係数が5%
以下であった。
【0066】(実施例2)本実施例では、図2に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0067】7.62cm(3インチ)のHOYA製N
A−40基板12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した
後、スパッタリングで、まず常法によりクロムを500
オングストロームの厚さとなるように成膜し、次に、同
様にして金を5000オングストロームの厚さとなるよ
うに成膜した。次いで、光露光用フォトレジストAZ4
620を用いてリソグラフィーを行い、接着層15およ
び導電体11を同時に形成した。次いで、同じフォトレ
ジストを塗布し、露光現像して、導電体11を露出させ
る開口部13(面積:10-4cm2 )を持った電極を形成し
た。
【0068】次いで、この電極に結核菌の検出用の核酸
(プローブ)を固定化(1012 copy/cm2 )した。プロー
ブの固定は、実施の形態に示す方法により実施した。ま
た、比較のために、金ワイヤーを樹脂で抱埋し、本実施
例における電極と同一の核酸(プローブ)を固定化(10
12 copy/cm2 )した電極も同様に使用した。
【0069】はじめに、キャリアより喀痰を採取し、フ
ェノール−クロロホルム法を用いて核酸の抽出を行っ
た。抽出した核酸は、150mMの塩化ナトリウム、1
5mMのクエン酸ナトリウム(pH7.0)の溶液に溶
解しハイブリダイゼーションに用いた。ハイブリダイゼ
ーションの後、電極を洗浄して挿入剤ヘキスト3325
8の溶液に浸漬した後、電気化学的な測定を行った。検
出実験の結果、金ワイヤー型の電極の場合、ばらつきは
変動係数で10〜20%であったが、本実施例における
電極では変動係数が5%以下であった。
【0070】(実施例3)本実施例では、図2に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0071】7.62cm(3インチ)のSiO2 (1
11)およびSiO2 (100)の基板12上にスパッ
タリングで、まず常法によりチタンを500オングスト
ロームの厚さとなるように成膜し、次いで同様にして、
金を5000オングストロームの厚さとなるように成膜
した。そして、各々の基板上の金(111)の配向指数
を測定した結果、SiO2 (111)上では約2、Si
2 (100)上では約1であった。次に、光露光用フ
ォトレジストAZ4620を用いてリソグラフィーを行
い、接着層15および導電体11を同時に形成した。次
いで、同じフォトレジストを塗布し、露光現像して、導
電体11を露出させる開口部13(面積:10-4cm2 )を
持った電極を形成した。
【0072】次いで、この電極にC型肝炎ウイルス(Η
CV)のRNAを検出するための核酸(プローブ)を固
定化(1012 copy/cm2 )した。核酸プローブの固定は、
実施の形態に示す方法により実施した。
【0073】はじめに、キャリアより血清を採取し、フ
ェノール法を用いてRNAの抽出を行った。抽出した核
酸(RNA)は、150mMの塩化ナトリウム、15m
Mのクエン酸ナトリウム(pΗ7.0)の溶液に溶解し
ハイブリダイゼーションに用いた。ハイブリダイゼーシ
ョンの後、電極を洗浄して挿入剤ヘキスト33258の
溶液に浸漬した後、電気化学的な測定を行った。検出実
験の結果、SiO2(111)基板を備えた電極の変動
係数が4%であったのに対し、SiO2 (100)基板
を備えた電極では変動係数が8%であった。以上より、
導電体上にプローブを固定化する際には、配向性の高い
導電体を用いたほうが再現性に優れることがわかった。
【0074】(実施例4)本実施例では、図2に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0075】7.62cm(3インチ)のアルミナ基板
12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパッタリ
ングで、まず常法によりチタンを500オングストロー
ムの厚さとなるように成膜し、次に、同様にして金を5
000オングストロームの厚さとなるように成膜した。
次いで、光露光用フォトレジストAZ4620を用いて
リソグラフィーを行い、接着層15および導電体11を
同時に形成した。次いで、同じフォトレジストを塗布
し、露光現像して、導電体11を露出させる開口部13
(面積:10-4cm2 )を持った電極を形成した。
【0076】次いで、この電極にヒト免疫不全症ウイル
ス(HIV)のenv遺伝子に結合するSK38プロー
ブを固定化(1012 copy/cm2 )した。プローブの固定
は、実施の形態に示す方法により実施した。また、比較
のために、金ワイヤーを樹脂で抱埋し、本実施例におけ
る電極と同一の核酸(プローブ)を固定化(1012 copy/
cm2 )した電極も同様に使用した。
【0077】はじめに、キャリアより血清を採取し、フ
ェノール法を用いてHIVのRNAの抽出を行った。抽
出した核酸(RNA)は、150mMの塩化ナトリウ
ム、15mMのクエン酸ナトリウム(pΗ7.0)の溶
液に溶解しハイブリダイゼーションに用いた。ハイブリ
ダイゼーションの後、電極を洗浄して挿入剤ヘキスト3
3258の溶液に浸漬した後、電気化学的な測定を行っ
た。検出実験の結果、金ワイヤー型の電極の場合、ばら
つきは変動係数で10〜20%であったが、本実施例に
おける電極では変動係数が5%以下であった。
【0078】(実施例5)本実施例では、図3に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0079】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板34を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、スパッタリングで、まず常法によりチタン
を500オングストロームの厚さとなるように成膜し、
次いで同様にして金を5000オングストロームの厚さ
となるように成膜した。次に、光露光用フォトレジスト
ΑZ4620を用いてリソグラフィーを行い、接着層、
導電体およびリード線33のパターンを形成した。次い
で同じフォトレジストを塗布し、露光現像して、導電体
を露出させる開口部31(面積:10-4cm2 )を持ったレ
ジストパターン(絶縁体)を備えた電極を形成した。こ
のリソグラフィーにより、1つの電極上に4つの開口部
31を作成した。
【0080】次いで、HBVのサブタイプである、 ad
r、 adw、 ayrおよび aywの各々にのみ相補的な20塩
基の核酸(プローブ)を、電極上の開口部31にひとつ
づつ(1対1に)固定化(1012 copy/cm2 )した。プロ
ーブの固定は、実施の形態に示す方法により実施した。
【0081】上記の実施例と同様にして、キャリアの血
清よりHBVに由来する核酸を抽出した。抽出した核酸
を、上記プローブとハイブリッドを形成可能な領域を含
むようにΡCRで増幅した後に、ハイブリダイゼーショ
ンを上記と同様に行った。検出実験の結果、該キャリア
から採取した血清では、サブタイプ adrに相補的なプロ
ーブを固定化した開口部のみにおいて信号が得られた。
したがって、1つの電極を用いることで簡単にHBVの
遺伝子型を決定することができた。
【0082】(実施例6)本実施例では、図5に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0083】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板54を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、電子ビーム法により、まず常法によりチタ
ンを500オングストロームの厚さとなるように蒸着
し、次いで同様に金を5000オングストロームの厚さ
となるように蒸着した。次に、光露光用フォトレジスト
AZ4620を用いてリソグラフィーを行い、接着層、
導電体およびリード線55のパターンを形成した。さら
に、CVDで窒化ケイ素膜を2000オングストローム
の厚さとなるように成膜して絶縁体53を形成させた。
次いで同じフォトレジストを塗布し、露光現像して、導
電体を露出させる開口部41(面積:10-4cm2 )を持っ
たレジストパターン(絶縁体)を備えた電極を形成し
た。このリソグラフィーにより、1つの電極上に4つの
開口部51と1つの参照電極52とを作成した。
【0084】次いで、この電極の4つの開口部51より
露出した導電体の各々に、Β型肝炎ウイルス(ΗBV)
の検出用の核酸(プローブ)を固定化(1012 copy/c
m2 )した。プローブの固定および核酸の検出は、実施
の形態に示す方法により実施した。検出実験の結果、一
度に4検体の検出が可能であり、また、すべてにおいて
変動係数が5%以下であった。
【0085】(実施例7)本実施例では、図3に示され
た実施の形態に対応する電極を作成した。
【0086】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板34を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、銀を5000オングストロームの厚さとな
るように成膜し、次に、SiO2 を5000オングスト
ロームの厚さとなるように成膜して絶縁体32を形成さ
せ、光露光用フォトレジストAZP4620を用いてS
iO2 のリソグラフィーを行った。このリソグラフィー
により、1つの電極上に4つの開口部31を作成した。
そして、最後に、AZリムーバを用いてレジストを除去
した。
【0087】この電極を用いて、実施例5と同様に検出
実験を行った。検出実験の結果、該キャリアから採取し
た血清では、サブタイプ adrに相補的なプローブを固定
化した開口部のみにおいて信号が得られた。したがっ
て、1つの電極を用いることで簡単にHBVの遺伝子型
を決定することができた。
【0088】(実施例8)実施の形態に記載の検出装置
80を用いて、血清中よりHCVの検出を試みた。電極
には、HCVの非翻訳領域に相補的な5´−CCTGT
GAGGAΑCTACTACTGTC−3´をプローブ
として固定した。プローブの固定は、実施の形態に示さ
れた方法によって実施した。ハイブリダイゼーションの
温度は53℃に設定し、洗浄、ハイブリッドを形成した
領域への挿入剤の挿入、分析工程は37℃で制御して行
った。その結果、検出装置80に試料をセットした後、
約1時間30分でΗCVに由来する核酸の濃度を定量す
ることができた。
【0089】(実施例9)本実施例では、図2に示され
た実施の形態に対応する電極を製造した。
【0090】7.62cm(3インチ)のパイレックス
ガラス基板12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、
電子ビーム法により、まず常法によりチタンを500オ
ングストロームの厚さとなるように蒸着し、次いで同様
に金を5000オングストロ−ムの厚さとなるように蒸
着した。次に、光露光用フォトレジストAZ4620を
用いてリソグラフィーを行い、開口部13の直径が、1
mm、0.1mmおよび0.05mmの三種類の電極を作製し
た。
【0091】次いで、この電極にΒ型肝炎ウイルス(Η
BV)の検出用の核酸(プローブ)を実施の形態に示す
方法により固定化(順に1012 copy/cm2 、1011 copy/cm
2 および1010 copy/cm2 )した。プローブの固定および
核酸の検出は、実施の形態に示す方法により実施した。
【0092】はじめに、キャリアより血清を採取し、フ
ェノール−クロロホルム法を用いてΗBVに由来する核
酸の抽出を行った。抽出した核酸は、150mMの塩化
ナトリウム、15mMのクエン酸ナトリウム(pH7.
0)の溶液に溶解しハイブリダイゼーションに用いた。
ハイブリダイゼーションの後、電極を洗浄して挿入剤ヘ
キスト33258の溶液に浸漬した後、ヘキスト332
58に由来する電気化学的な信号を測定した。なお、ハ
イブリダイゼーションの際には、電極にプラス0.5V
の電位を生じさせて、ハイブリダイゼーションの反応を
促進させた。そして、三種類の電極について検出感度を
比較したところ、表1に示す結果となり、開口部の面積
が小さい電極で感度が高くなることが分かった。
【0093】
【表1】 (実施例10)本実施例では、図2に示された実施の形
態に対応する電極を作成した。
【0094】7.62cm(3インチ)のHOYA製N
A−40基板12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した
後、スパッタリングで、まず常法によりクロムを500
オングストロームの厚さとなるように成膜し、次に、同
様にして金を5000オングストロームの厚さとなるよ
うに成膜した。次いで、光露光用フォトレジストAZ4
620を用いてリソグラフィーを行い、接着層15およ
び導電体11を同時に形成した。次いで、同じフォトレ
ジストを塗布し、露光現像して、導電体11を露出させ
る開口部13を持った電極を形成した。この際、開口部
13の形状を円形(直径1.6mm、周囲の長さ0.5c
m、面積0.02cm2 )、正方形(1.5×1.5mm、
周囲の長さ0.6cm、面積0.0225cm2 )とした2
種類の電極を作製した。
【0095】次いで、これらの電極にΒ型肝炎ウイルス
(ΗBV)の検出用の核酸(プローブ)を固定化(1012
copy/cm2 および1012 copy/cm2 )した。プローブの固
定および核酸の検出は、実施の形態に示す方法により実
施した。そして、各々の電極について検出感度を比較し
た。検出実験の結果、表2に示すように、検出感度は各
電極でほぼ同じであったが、円形の開口部を備えた電極
を用いた場合ばらつきが減少することが分かった。
【0096】
【表2】 (実施例11)本実施例では、図2に示された実施の形
態に対応する電極を作成した。
【0097】7.62cm(3インチ)のHOYA製N
A−40基板12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した
後、スパッタリングで、まず常法によりチタンを500
オングストロームの厚さとなるように成膜し、次に、同
様にして金を5000オングストロームの厚さとなるよ
うに成膜した。次いで、光露光用フォトレジストAZ4
620を用いてリソグラフィーを行い、接着層15およ
び導電体11を同時に形成した。次いで、同じフォトレ
ジストを塗布し、露光現像して、導電体11を露出させ
る開口部13を持った電極を形成した。この際、開口部
13の形状を円形とし、直径が10mmおよび0.1mmの
2種類の電極を作製した。
【0098】次いで、これらの電極にΒ型肝炎ウイルス
(ΗBV)の検出用の核酸(プローブ)を固定化(1012
copy/cm2 および1012 copy/cm2 )した。プローブの固
定および核酸の検出は、実施の形態に示す方法により実
施した。そして、各々の電極について検出感度および測
定に必要なサンプル量を比較した。検出実験の結果、表
3に示すように、開口部(核酸の固定化領域)の面積が
小さい電極で検出感度が高くなるとともに、より少ない
量のサンプルで測定することができた。
【0099】
【表3】 (実施例12)本実施例では、図4に示された実施の形
態に対応する電極を作成した。
【0100】7.62cm(3インチ)のパイレックス
ガラス基板12を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、
電子ビーム法により、まず常法によりチタンを500オ
ングストロームの厚さとなるように蒸着し、次いで同様
に金を5000オングストロ−ムの厚さとなるように蒸
着した。次に、光露光用フォトレジストAZ4620を
用いてリソグラフィーを行い、1つの電極上に面積の異
なる2つの開口部31(直径0.5mm、面積2×10-3
cm2 )および開口部32(直径0.05mm、面積2×1
-5cm2 )からなる組を2組(AおよびB)作製した。
【0101】次いで、この電極にΒ型肝炎ウイルス(Η
BV)の検出用の核酸(プローブ)を実施の形態に示す
方法により固定化(開口部31および開口部32ともに
1012copy/cm2 )した。プローブの固定および核酸の検
出は、実施の形態に示す方法により実施した。なお、A
側にはHBVのサブタイプ adrを検出するプローブを、
B側にはHBVのサブタイプ ayrに相補的な20塩基の
プローブを固定化した。 上記の実施例と同様にして、
キャリアの血清よりHBVに由来する核酸を抽出した。
抽出した核酸に対し、サブタイプ間で共通のプライマー
でΡCRを行った後に、段階希釈してハイブリダイゼー
ションを上記と同様に行った。ハイブリダイゼーション
の後、電極を洗浄して挿入剤ヘキスト33258の溶液
に浸漬した後、ヘキスト33258に由来する電気化学
的な信号を測定した。検出実験の結果、 adrに相補的な
プローブを固定化した開口部からのみポジティブな信号
が得られた。したがって、サンプルに含まれたHBV
は、 adrであることが分かった。また、段階希釈したサ
ンプルを用いた検出実験では、開口部の面積の異なる電
極を用いることで、6桁のダイナミックレンジで測定が
可能であった。
【0102】(実施例13)7.62cm(3インチ)
のパイレックスガラス基板を硫酸・過酸化水素溶液で洗
浄した後、スパッタリングでチタンを500オングスト
ロームの厚さとなるように成膜し、次いで同様に金を5
000オングストロ−ムの厚さとなるように成膜した。
次に、光露光用フォトレジストAZ4620を用いてリ
ソグラフィーを行ない、1つの電極上に面積の異なる2
つの開口部(直径0.5mm、面積2×10-3cm2 ;直径
0.05mm、面積2×10-5cm2 )を備えた電極を作製
した。次いで、この電極の開口部より露出した導電体に
Β型肝炎ウイルス(ΗBV)の検出用の核酸(プロー
ブ)を実施の形態に示す方法により固定化(2つの開口
部ともに1012 copy/cm2 )した。
【0103】そして、キャリアより血清を採取し、フェ
ノール−クロロホルム法を用いてΗBVに由来する核酸
の抽出を行った。抽出した核酸は、150mMの塩化ナ
トリウム、15mMのクエン酸ナトリウム(pH7.
0)の溶液に溶解しハイブリダイゼーションに用いた。
ハイブリダイゼーションの後、電極を洗浄して挿入剤ヘ
キスト33258の溶液に浸漬し、ヘキスト33258
に由来する蛍光を測定して検出感度を比較した。その結
果、1時間程度では両者の間でS/N比に差は認められ
なかったが、時間の経過とともに直径0.05mmの開口
部の領域において蛍光強度のS/Nが向上し、24時間
後には、直径0.5mmの開口部の領域におけるS/Nの
約3倍にまで向上した。また、検出感度は直径0.5mm
の開口部の領域では5×106 copy/mLが限界であった
が、0.05mmの開口部の領域ではでは106 copy/mL
が限界であった。以上から、光学的な信号を検出する場
合も、プローブを固定化する領域の面積が小さい方が検
出感度が高いことがわかった。(実施例14)本実施例
では、図11に示された実施の形態に対応する電極を備
えたセンサを作成した。
【0104】2×2cmのパイレックスガラス基板91
および92を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパ
ッタリングで、該パイレックスガラス基板91および9
2上に直径2mmの金からなる電極94および電極93
を作製した。そして、電極93にはHBVのサブタイプ
間で共通の配列(チオール標識−ACTTCTCTCA
ATTTTCTAGG)からなる核酸をプローブ95と
して固定化(1012 copy/cm2 )し、電極94には別の共
通配列(チオール標識−CGTCCCGTCGGCGC
TGAATC)からなる核酸をプローブ96として固定
化(1012 copy/cm2 )した。なお、電極93および電極
94において、プローブを固定化した領域の面積は10-2
cm2 である。次に、電極93および電極94間に厚さ2
000オングストロームのスペーサー112を挟んで、
電極93および電極94間の距離を一定(2000オン
グストローム)に固定した。また、プローブ95および
プローブ96の固定、および核酸の検出は、実施の形態
に示す方法により実施した。 はじめに、キャリアより
血清を採取し、フェノール−クロロホルム法を用いてΗ
BVに由来する核酸の抽出を行った。抽出した核酸は、
150mMの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸ナト
リウム(pH7.0)の溶液に溶解してサンプルとし
た。次に、電極93および電極94の間に熱変性した該
サンプルを、1000μl/ hrの流量で流して1時間のハイ
ブリダイゼーションを行った後、電極93および電極9
4を超純水で十分に洗浄した。次いで、電極93および
電極94の間を超純水で満たして電気伝導度を測定し、
HBVの検出を行った。なお、HBVの検出は、段階希
釈した複数のサンプルを用いて行った。その結果、電極
93および電極94の間の電気伝導度とHBVのDNA
の濃度はほぼ比例関係にあることが確かめられた。した
がって、電極間の電気伝導度の測定によりHBVのDN
Aの濃度を定量できることが確認された。
【0105】(実施例15)2×4cmおよび2×2c
mのパイレックスガラス基板101および102、10
3を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパッタリン
グで、該パイレックスガラス基板101、102および
103上に直径2mmの金からなる電極104、105
および106を作製した。そして、電極104にはHB
Vのサブタイプ間で共通の配列(チオール標識−ACT
TCTCTCAATTTTCTAGG)からなる核酸を
プローブ107として固定化(1012 copy/cm2 )した。
一方、電極105にはHBVのサブタイプ ayrに選択的
な配列(チオール標識−CGTCCCGTCGGCGC
TGAATC)を固定化(1012 copy/cm2 )し、電極1
06にはHBVのサブタイプ adwに選択的な配列(チオ
ール標識−CGTCCCGTCGGCGCTGAAT
C)を固定化(1012 copy/cm2 )して、図10に示すよ
うな構成を備えたセンサを作成した。次に、電極104
および電極105、電極104および電極106間に厚
さ2000Aのスペーサーを挟んで、電極104および
電極105、電極104および電極106の間の距離を
一定(2000オングストローム)に固定した。また、
プローブ95およびプローブ96の固定、および核酸の
検出は、実施の形態に示す方法により実施した。次に、
電極104および電極105、電極104および電極1
06の間に、実施例14と同様にして得たサンプルを熱
変性して1000μl/ hrの流量で流通させ、1時間のハイ
ブリダイゼーションを行った。なお、ハイブリダイゼー
ションの工程を通じ、電極104、電極105およ電極
106を各々30分ずつ正に帯電させるようにした。そ
して、電極104、電極105および電極106を超純
水で十分に洗浄した。次いで、電極104および電極1
05、電極104および電極106の間を超純水で満た
して電気伝導度を測定し、HBVの検出を行った。その
結果、電極104と電極105との間では電気伝導度が
低下したが、電極104と電極106との間では電気伝
導度に変化がなかった。よって、上記サンプルに含まれ
るHBVは、 ayr型であることが確認された。
【0106】(実施例16)本実施例では、図11に示
された実施の形態に対応する電極を備えたセンサを作成
した。
【0107】2×2cmのパイレックスガラス基板91
および92を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパ
ッタリングで、該パイレックスガラス基板91および9
2上に直径2mmの金からなる電極94および93を作
製した。そして、電極93にはHBVのサブタイプ間で
共通の配列(チオール標識−ACTTCTCTCAAT
TTTCTAGG)からなる核酸をプローブ95として
固定化(1012 copy/cm2 )し、電極94には別の共通配
列(チオール標識−CGTCCCGTCGGCGCTG
AATC)からなる核酸をプローブ96として固定化
(1012 copy/cm2)した。なお、電極93および電極9
4において、プローブを固定化した領域の面積は10-2cm
2 である。次に、電極93および電極94間に厚さ20
00オングストロームのスペーサー112を挟んで、電
極93および電極94間の距離を一定(2000オング
ストローム)に固定した。また、プローブ95およびプ
ローブ96の固定、および核酸の検出は、実施の形態に
示す方法により実施した。
【0108】次に、電極93および電極94の間に熱変
性した該サンプルおよびルシゲニンで標識したプローブ
111を、1000μL/ hr の流量で流して1時間のハイブ
リダイゼーションを行った後、電極93および電極94
を超純水で十分に洗浄した。そして、電極93および電
極94の間に電圧を印加して発生した発光強度を測定
し、HBVの検出を行った。なお、HBVの検出は、段
階希釈した複数のサンプルを用いて行った。その結果、
測定された発光強度とHBVのDNAの濃度はほぼ比例
関係にあることが確かめられた。したがって、発光強度
の測定によりHBVのDNAの濃度を定量できることが
確認された。
【0109】(実施例17)本実施例では、図11に示
された実施の形態に対応する電極を備えたセンサを作成
した。
【0110】2×2cmのパイレックスガラス基板91
および92を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパ
ッタリングで、該パイレックスガラス基板91および9
2上に直径2mmの金からなる電極94および電極93
を作製した。そして、電極93にはHBVのサブタイプ
間で共通の配列(チオール標識−ACTTCTCTCA
ATTTTCTAGG)からなる核酸をプローブ95と
して固定化(1012 copy/cm2 )し、電極94には別の共
通配列(チオール標識−CGTCCCGTCGGCGC
TGAATC)からなる核酸をプローブ96として固定
化(1012 copy/cm2 )した。なお、電極93および電極
94において、プローブを固定化した領域の面積は10-2
cm2 である。次に、電極93および電極94間に厚さ2
000オングストロームのスペーサー112を挟んで、
電極93および電極94間の距離を一定(2000オン
グストローム)に固定した。また、プローブ95および
プローブ96の固定、および核酸の検出は、実施の形態
に示す方法により実施した。 次に、電極93および電
極94の間に熱変性した実施例14と同様のサンプルお
よびフィロセンで標識したプローブ111を、1000μL/
hr の流量で流して1時間のハイブリダイゼーションを
行った後、電極93および電極94を超純水で十分に洗
浄した。次いで、電極93および電極94の間を超純水
で満たして電圧を印加するとともに銀/塩化銀電極(参
照電極)を電極93および電極94間の超純水中に挿入
し、フェロセン由来の電流値を測定してHBVの検出を
行った。その結果、作用極(電極93および電極94)
で得られるフェロセン由来の電流値とHBVのDNAの
濃度はほぼ比例関係にあることが確かめられた。したが
って、電極間に流れる電流値の測定によりHBVのDN
Aの濃度を定量できることが確認された。
【0111】(実施例18)本実施例では、図11に示
された実施の形態に対応する電極を備えたセンサを作成
した。
【0112】2×2cmのパイレックスガラス基板91
および92を硫酸・過酸化水素溶液で洗浄した後、スパ
ッタリングで、該パイレックスガラス基板91および9
2上に直径2mmの炭素からなる電極94および93を
作製した。そして、電極93および94の表面を3−ア
ミノプロピリトリエトキシシランで処理した後、電極9
3にはHBVのサブタイプ間で共通の配列(アミノ基−
ACTTCTCTCAATTTTCTAGG)からなる
核酸をプローブ95として固定化(1013 copy/cm2
し、電極94には別の共通配列(アミノ基−CGTCC
CGTCGGCGCTGAATC)からなる核酸をプロ
ーブ96として固定化(1013 copy/cm2 )した。なお、
電極93および電極94において、プローブを固定化し
た領域の面積は10-4cm2 である。次に、電極93および
電極94間に厚さ2000オングストロームのスペーサ
ー112を挟んで、電極93および電極94間の距離を
一定(2000オングストローム)に固定した。また、
プローブ95およびプローブ96の固定、および核酸の
検出は、グルタルアルデヒドの共存下および実施の形態
に示す方法により実施した。
【0113】次に、電極93および電極94の間に熱変
性した実施例14と同様のサンプルを1000μl/ hrの流
量で流して1時間のハイブリダイゼーションを行った
後、電極93および電極94を超純水で十分に洗浄し
た。次いで、電極93および電極94の間を超純水で満
たし、該超純水中に白金電極(対極)および銀/塩化銀
電極(参照電極)を挿入して電極93および電極94
(作用極)間に電圧を印加した。そして、核酸から生じ
る微弱な発光を測定してHBVの検出を行った。その結
果、核酸から生じる微弱な発光とHBVのDNAの濃度
はほぼ比例関係にあることが確かめられた。したがっ
て、核酸から生じる微弱な発光の測定によりHBVのD
NAの濃度を定量できることが確認された。
【0114】次に、核酸の抽出効率の向上と偽陽性を呈
することなく高感度に核酸の検出を実行した実施例につ
いて詳述する。
【0115】(実施例19)B型肝炎の患者に由来する
パネル血清および健常者(ノンキャリア)に由来するH
BV未感染血清の各々1mLに、プロテイナーゼKおよび
界面活性剤(0.5% SDS)を作用させ、ウイルス
の外殻を壊してDNAを露出させた後、各々に5 〜100m
erからなる合成核酸(poly A)を100ng/ mLとなるよ
うに添加し、フェノ一ル・クロロホルム法を用いてDN
Aの抽出を行った。抽出したDNAをアルカリ変性させ
た後、ニトロセルロース膜にブロットし、RIでラベル
したプローブ(ΗBVのX領域に相補的な5′−CGT
CCCGTCGGCGCTGAATC−3′)を用いて
ドットブロット法による検出を行った。また、コントロ
ールとして、牛胸腺DNAを添加して抽出したDNAお
よびキャリア核酸を未添加で抽出したDNAを用いて同
様の操作を行った。なお、上記血清においては、ウイル
ス量は既知であり、低濃度から高濃度までのウイルス量
を示す複数の血清が用意されていた。
【0116】操作の結果、高濃度のウイルス量を示す血
清に対しては、上記いずれの方法でも同等の強度のスポ
ットをフィルム上に確認することができたが、低濃度の
ウイルス量を示す血清に対しては、キャリア核酸を未添
加で抽出したDNAにおいてシグナルの強度が弱かっ
た。また、HBV未感染血清については、合成核酸(po
ly A)を添加してDNAの抽出を行った場合には全くス
ポットが見られなかったが、牛胸腺DNAを添加してD
NAの抽出を行った場合には弱くスポットが見られ、低
濃度のウイルス量を示す血清のスポットとの区別がつか
なかった。
【0117】以上のことから、キャリア核酸を添加する
ことで、存在量の少ない(低濃度)核酸も効率よく抽出
できることが確かめられた。また、牛胸腺DNAをキャ
リア核酸として用いた場合には、わずかながらプローブ
との間で反応を起こし(ハイブリッドの形成)、HBV
未感染血清を陽性と判定してしまう危険性が示された。
これは、キャリアDNAにHBVに類似の塩基配列が存
在するためと推測される。 また、キャリアDNAとし
てpoly Aを用いた場合には、偽陽性の危険性はないこと
が確認された。
【0118】(実施例20)ΗBV−DNAをプラスミ
ドpSP 65に組み込んで作製したpYRB 259を用いて以下の
ようなモデル実験を行った。
【0119】マイクロタイタープレートにΗBVのX領
域に相補的なプローブ(5′−CGTCCCGTCGG
CGCTGAATC−3′)を吸着させた後、紫外線を
照射して、マイクロタイタープレートにプローブを固定
化(1012 copy/cm2 )した。一方、ターゲットとしてビ
オチンでラベルしたpYRB 259を作製した。次に、ビオチ
ン化したpYRB 259を100ng/ mLとなるように、また、
キャリア核酸としてHBV−DNAに相補的な配列を備
えた合成オリゴマー(5′−ACTTCTCTCAAT
TTTCTAGG−3′、5′−CGTCGCAGΑΑ
GATCTCAATC−3′、5′−TCGTGTTA
CAGGCGGGGTTT−3′および5′−CGAA
CCACTGAACAAATGGC−3′)を各々1ng
/ mLとなるようにハイブリダイゼーション溶液(150
m mol/ Lの塩化ナ卜リウム、15m mol/ Lのクエン酸ナ
トリウム、pH7.0)に溶解し、熱変性させた後、プロ
ーブを固定化したプレートのウェルに100μlずつ入
れ、43℃で1時間ハイブリダイゼーションを行った。
【0120】次に、ハイブリダイゼーションを行った
後、反応液中に残存するpYRB 259の量およびプレート上
のプローブとハイブリッドを形成したpYRB 259の量を、
ウサギ抗ビオチン抗体および HRP標識抗ウサギ IgG抗体
を用いて免疫化学的に測定した。また、コントロールと
して、合成オリゴマーを添加しない場合についても、同
様の操作を行った。
【0121】その結果、表4に示す通り、合成オリゴマ
ーを添加した場合には、マイクロタイタープレート上の
プローブとハイブリッドを形成したターゲット(pYRB 2
59)の量は、合成オリゴマーが未添加であったコントロ
ールと比較して約2.6倍、反応液に残存するターゲッ
ト(pYRB 259)の量は、合成オリゴマーが未添加であっ
たコントロールと比較して約3分の1であった。
【0122】
【表4】 以上から、キャリア核酸の添加によって、ターゲット自
身のセルフハイブリダイゼーションが抑制され、ターゲ
ットがマイクロタイタープレート上のプローブとハイブ
リッドを形成する効率が向上することが確認された。
【0123】(実施例21)ATカット、振動周波数9
MHz、電極面積0.196cm2 、電極材料が金である
水晶振動子にΗBVのX領域に相補的な5′−CGTC
CCGTCGGCGCTGAATC−3′をチオール基
を介して固定化し、ΗBV−DNA検出センサを作製し
た。ターゲットとしてpYRB 259およびキャリア核酸とし
てプラスミドpSP 65の超音波分解物をそれぞれ100ng
/ mLとなるようハイブリダイゼーション溶液(150m
mol/ Lの塩化ナ卜リウム、15m mol/ Lのクエン酸ナト
リウム、pH7.0)に溶解し、該溶液の5mLを熱変性さ
せた後に上記の水晶振動子を該溶液に挿入し、43℃で
1時間ハイブリダイゼーションを行った。一方、コント
ロールとして、pSP 65の超音波分解物を添加しない場合
についても同様の操作を行った。
【0124】その結果、pSP 65の超音波分解物を添加し
なかった場合には、水晶振動子の振動数の減少量は約1
00Hzであったが、pSP 65の超音波分解物を添加した場
合では水晶振動子の振動数の減少量は約350Hzであっ
た。この結果は、水晶振動子上のプローブとハイブリッ
ドを形成したpYRB 259に対して、さらに、pSP 65の超音
波分解物がハイブリダイズしたために、水晶振動子の振
動数の変化量が増大したことを示しており、キャリア核
酸の添加により検出信号が増大することが確認された。
【0125】(実施例22)本実施例では、図2に示さ
れた実施の形態に対応する電極を製造した。
【0126】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板12を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、スパッタリングにより、まず常法によりチ
タンを500オングストロームの厚さとなるように成膜
し、次いで同様に金を5000オングストロ−ムの厚さ
となるように成膜した。次に、光露光用フォトレジスト
AZ4620を用いて蒸着金属のリソグラフイーを行い
導電体11を形成した。次いで、同じフォトレジストを
塗布し、露光現像して、導電体11を露出させる開口部
13(面積:0.07cm 2 )を持った電極を形成した。
【0127】次いで、この電極に、プローブとしてΒ型
肝炎ウイルス(ΗBV)のX領域に相補的な核酸(5′
−CGTCCCGTCGGCGCTGAATC−3′)
をチオール基を介して固定化(1012 copy/cm 2 )した。
【0128】次に、ターゲットとしてpYRB 259およびキ
ャリア核酸としてプラスミドpSP 65の超音波分解物をそ
れぞれ103 copy/ mLとなるようハイブリダイゼーション
溶液(150m mol/ Lの塩化ナ卜リウム、15m mol/ L
のクエン酸ナトリウム、pH7.0)に溶解し、該溶液の
100μL を加熱してDNAを熱変性させた後に上記の
電極を該溶液中に入れ、43℃で1時間ハイブリタイゼ
ーションを行った。そして、ハイブリダイゼーションを
行った後、電極を洗浄して挿入剤へキスト33258の
溶液に浸漬した後、電気化学的な測定を行った。一方、
コントロールとして、pSP 65の超音波分解物を添加しな
い以外は上記の場合と同様にして操作を行った。
【0129】その結果、ヘキスト33258に由来する
電流値は、pSP 65の超音波分解物を添加した場合には、
pSP 65の超音波分解物を添加しないコントロールと比較
して5nAの有意な差が認められた。この結果は、電極上
のプローブにハイブリダイズしたpYRB 259にさらにpSP
65の超音波分解物がハイブリダイズしたために、ヘキス
ト33258の結合量が増大したことを示しており、キ
ャリア核酸の添加により検出信号が増大することが確認
された。
【0130】(実施例23)本実施例では、図2に示さ
れた実施の形態に対応する電極を製造した。
【0131】7.62cm(3インチ)のパイレックス
(登録商標)ガラス基板12を硫酸・過酸化水素溶液で
洗浄した後、電子ビーム法により、まず常法によりチタ
ンを500オングストロームの厚さとなるように蒸着
し、次いで同様に金を5000オングストロームの厚さ
となるように蒸着した。次に、光露光用フォトレジスト
AZ4620を用いてリソグラフィーを行い、接着層1
5および導電体11を同時に形成した。さらに、CVD
により窒化ケイ素膜を2000オングストロームの厚さ
となるように成膜して絶縁体14を形成させた。次いで
同じフォトレジストを塗布し、露光現像して、導電体を
露出させる開口部13(面積:0.07cm 2 )を持ったレジ
ストパターン(絶縁体)を備えた電極を形成した。
【0132】次いで、この電極の開口部13に露出した
導電体上に、プローブとしてΗBVのX領域に相補的な
塩基配列5′−CGTCCCGTCGGCGCTGAA
TC−3′を持つ核酸を、チオール基を介して固定化し
た。
【0133】一方、B型肝炎の患者に由来する血清50
0μL をプロテイナーゼΚおよび界面活性剤(0.5%
SDS)で処理した後、キャリア核酸として5 〜100m
erからなる合成核酸(poly A)およびΗBVに相補的な
塩基配列である合成オリゴマー(5′−ACTTCTC
TCAATTTTCTAGG−3′、5′−CGTCG
CAGAAGATCTCAATC−3′、5′−TCG
TGTTACAGGCGGGGTTT−3′および5′
−CGAACCACTGAACAAATGGC−3′)
を各々0.1ng/ mLとなるように添加し、フェノ一ル・
クロロホルム法を用いてDNAの抽出を行った。そし
て、抽出したDNAをハイブリダイゼーション溶液(1
50m mol/ Lの塩化ナ卜リウム、15m mol/ Lのクエン
酸ナトリウム、pH7.0) 500μlに溶解し、該溶液の
100μlを加熱してDNAを熱変性させた後に上記の電
極を溶液中に入れ、43℃で1時間ハイブリタイゼーシ
ョンを行った。そして、ハイブリダイゼーションを行っ
た後、電極を洗浄して挿入剤へキスト33258の溶液
に浸漬した後、電気化学的な測定を行った。さらに、コ
ントロールとして、キャリア核酸を添加しない以外は上
記の場合と同様にして操作を行った。一方、検量線用の
サンプルとして、既知濃度のHBV−DNAを血清抽出
液(正常人血清で同様の抽出操作を経たもの)で希釈
し、前述のキャリア核酸を加えたものを用いて同様に測
定した。
【0134】その結果、キャリア核酸の添加を行わなか
ったコントロールにおいては、図16のBに示すように
検量線の直線範囲が105 −107 copy/ mLであるた
め、検量線の上限あるいは下限をはずれるサンプルが多
く存在したが、キャリア核酸を添加した場合には、図1
6のAに示すように検量線の直線範囲が103 −108c
opy/ mLと広がったため、HBV−DNAを検出可能な
範囲(コピー数)が拡大し、この範囲からはずれるサン
プルは著しく減少した。したがって、キャリア核酸を添
加することにより、検出限界の顕著な向上が達成される
ことが確認された。 なお、上述したすべての電極は、
90℃以上の熱水処理、あるいは0.2mol/ L程度以上
でのアルカリ溶液処理あるいは尿素等の変性剤による処
理で簡単に再生することができ、繰り返して使用するこ
とが可能である。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように、本願第1の発明に
係る電極によれば、基板上に配置した導電体を被覆した
絶縁体の一部に、導電体が露出するように開口部を設
け、該開口部より露出した導電体に核酸を固定化したこ
とにより、表面積が制御された導電体上へ核酸を固定化
することができる。また、基板上に導電体を配置したこ
とにより、導電体の特性を制御することができる。プロ
ーブを固定化する電極の表面積及び結晶楕造を制御する
ことができる。したがって、優れた再現性および定量性
を発揮し、経済的に核酸を検出可能な電極を提供するこ
とができる。
【0136】また、本願第2の発明に係る検出装置によ
れば、電極に定量的に固定化した第1の核酸と第2の核
酸とを反応部でハイブリダイゼーションさせ、第1の核
酸に電圧を印加して生じた信号を測定することにより該
信号の測定量と第2の核酸の量とを一義的に対応させる
ことができ、また、検出に要する時間の短縮と操作性の
向上が達成される。したがって、核酸の検出に際し、優
れた再現性および定量性を発揮するとともに、検出に要
する時間の短縮と操作性の向上が図られた、検出時の経
済性にも優れる検出装置を提供することができる。
【0137】さらに、本願第3の発明に係る検出装置に
よれば、第2の核酸の検出に必要な最小の面積を有する
領域内に定量的に固定化した第1の核酸と第2の核酸と
を反応部でハイブリダイゼーションさせ、第1の核酸に
電圧を印加して生じた信号を測定することにより、該信
号の測定量と第2の核酸の量とを一義的に対応させると
ともにバックグラウンドを低減することができ、検出に
要する時間の短縮と操作性の向上を達成することができ
る。したがって、核酸の検出に際し、優れた再現性およ
び定量性を発揮するとともに、検出感度の高感度化が達
成され、検出に要する時間の短縮と操作性の向上が図ら
れた、検出時の経済性にも優れる検出装置を提供するこ
とができる。
【0138】また、本願第4の発明に係る検出装置によ
れば、第1および第2の核酸を固定化した第1および第
2の電極を該第1および前記第2の核酸に対して第3の
核酸がハイブリッドを形成できるように配置し、第1お
よび第2の電極に接続された電源より電圧を印加して生
じた信号を測定することにより、第3の核酸に由来する
信号をバックグラウンドを低減しつつ確実に得ることが
できる。したがって、核酸の検出に際し、優れた再現性
および定量性を発揮するとともに、検出感度の高感度化
が達成され、検出に要する時間の短縮と操作性の向上が
図られた、検出時の経済性にも優れる検出装置を提供す
ることができる。
【0139】また、本願第5の発明に係る検出装置によ
れば、第1および第2の核酸を固定化した第1および第
2の電極を、第1および第2の核酸に対して第3の核酸
がハイブリッドを形成できるように配置したことによ
り、第3の核酸は第1および第2の核酸に対して安定し
たハイブリッドを容易に形成することができる。したが
って、核酸の検出に際し、優れた再現性および定量性を
発揮するとともに、検出感度の高感度化が達成され、検
出に要する時間の短縮と操作性の向上が図られた、検出
時の経済性にも優れるセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態にかかる電極の概略
図。
【図2】本発明の一つの実施形態にかかる電極の概略
図。
【図3】本発明の別の実施形態にかかる電極の概略図。
【図4】本発明の別の実施形態にかかる電極の概略図。
【図5】本発明の更に別の実施態様にかかる電極の概略
図。
【図6】本発明に係る電極を用いた検出装置の一実施態
様を示した図。
【図7】本発明に係る電極を用いて完全に自動化された
検出装置の一実施態様の構成を示した図。
【図8】本発明に係る電極を用いて完全に自動化された
検出装置の一実施態様の構成を示した図。
【図9】本発明に係るセンサの一実施態様を示した図。
【図10】本発明に係るセンサの一実施態様を示した
図。
【図11】本発明に係るセンサの一実施態様を示した
図。
【図12】本発明に係るセンサを用いた検出装置におけ
る電気的構成の一実施態様を示した図。
【図13】本発明に係るセンサを用いた検出装置を模式
的に示した図。
【図14】本発明に係るセンサを用いた検出装置を模式
的に示した図。
【図15】本発明に係るセンサを用いた検出装置の一実
施態様を示した図。
【図16】実施例23におけるHBV−DNAの検出限
界を示した図。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、61、131、132
……電極 11、93、94、104、105、106……導電体 12、35、54、91、92……基板 101、102、103、121、122……基板 13、31、32、51……開口部 14、33、53……絶縁体 15……接着層 34、55……リード線 52……参照電極 62、95、96、107、108、109、110…
…核酸 63……反応槽 64、125……電源 65、126、135……電流計 66、127、1
36……電圧計 67、128、137……可変抵抗 68……対極 70、80、150……検出装置 71……電極固定
ホルダ 72……反応槽 73……第1洗浄槽 74……挿
入剤溶液槽 74……挿入剤溶液槽 75……第2洗浄槽 76
……電気化学測定槽 77……移動装置 78……分析ユニット 79…
…操作ユニット 81……試料搬入口 82……試料搬送ユニット 83……試料調製ユニット 84……制御ユニット 85……廃棄物保管ユニット 86……廃液保管ユニ
ット 87……試薬供給ユニット 88……分析ユニット
112……スペーサ 133……キャピラリー 141、158……送液ポ
ンプ 142、153……注入部 143……測定装置 144、152……溶液タンク 145、154……
廃液タンク 151……固定ホルダ 155……送液ライン 1
56……測定ユニット 157……出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石森 義雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に配置した導電体と、 前記導電体の表面を、外部に対する接続領域を確保しつ
    つ被覆した絶縁体と、 前記導電体を露出するよう前記絶縁体に設けた開口部
    と、 前記開口部より露出した前記導電体に固定化した核酸
    と、を具備したことを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板上に配置した導電体
    と、前記導電体の表面を、外部に対する接続領域を確保
    しつつ被覆した絶縁体と、前記導電体を露出するよう前
    記絶縁体に設けた開口部と、前記開口部より露出した前
    記導電体に固定化した第1の核酸とを有する電極と、 前記電極に固定化された第1の核酸と第2の核酸とを共
    存させ、設定した条件下でハイブリダイゼーションを実
    行する反応部と、 前記電極に固定化された第1の核酸に電圧を印加する印
    加手段と、 前記印加手段の動作によって生じた信号を測定する測定
    手段と、を具備したことを特徴とする検出装置。
  3. 【請求項3】 第1の核酸を、第2の核酸の検出に必要
    な最小の面積を有する領域内に固定化した電極と、 前記電極に固定化された第1の核酸と前記第2の核酸と
    を共存させ、設定した条件下でハイブリダイゼーション
    を実行する反応部と、 前記電極に固定化された第1の核酸に電圧を印加する印
    加手段と、 前記印加手段の動作によって生じた信号を測定する測定
    手段と、を具備したことを特徴とする検出装置。
  4. 【請求項4】 第1の核酸を固定化した第1の電極と、 第2の核酸を固定化するとともに、前記第1および前記
    第2の核酸に対して第3の核酸がハイブリッドを形成で
    きるように配置された第2の電極と、 前記第1および前記第2の電極に接続された電源と、 前記電源の動作によって生じた信号を測定する測定手段
    と、を具備したことを特徴とする検出装置。
  5. 【請求項5】 第1の核酸を固定化した第1の電極と、 第2の核酸を固定化するとともに、前記第1および前記
    第2の核酸に対して第3の核酸がハイブリッドを形成で
    きるように配置された第2の電極と、を具備したことを
    特徴とするセンサ。
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