JPH10147155A - 車両用プロペラシャフト - Google Patents

車両用プロペラシャフト

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JPH10147155A
JPH10147155A JP30802296A JP30802296A JPH10147155A JP H10147155 A JPH10147155 A JP H10147155A JP 30802296 A JP30802296 A JP 30802296A JP 30802296 A JP30802296 A JP 30802296A JP H10147155 A JPH10147155 A JP H10147155A
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universal joint
shaft
vehicle
propeller shaft
constant velocity
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Yasushi Fujita
育志 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自在継手の内部フリクションによる自励的な
触れ回り振動を防止することにより、プロペラシャフト
1で発生する振動を軽減する。 【解決手段】 プロペラシャフト1は、軸長寸法L1
軸長寸法L2 よりも大きくし、第一及び第二シャフトP
1 ,P2 が自在継手C3 を頂点として左側へ凸となる交
角に配置することによって、プロペラシャフト1への入
力トルクが大きくなるときに、駆動トルクTにより発生
する2次モーメントMを利用して、継手部分での折れ
角、特に、第三等速自在継手C3 での折れ角θ3 を大き
くできるから、自在継手の内部フリクションによる自励
的な触れ回り振動を防止し、プロペラシャフト1で発生
する振動や騒音、特に、入力トルクの大きくなる走行状
態での振動及び騒音を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両前方側に配置
された変速機の出力側に第一自在継手を介して接続した
第一シャフトと、車両後方側に配置された終減速機の入
力側に第二自在継手を介して接続した第二シャフトとの
隣り合う端部を第三自在継手を介して接続した車両用プ
ロペラシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン前置き・後輪駆動車(FR車)
のプロペラシャフトは、車両の前後方向を貫くように配
置されるため、例えば、「新型車解説書 NISSAN
シルビア S14型系車の紹介」(日産自動車株式会
社1993年10月発行)に記載のように、変速機の出
力側に第一自在継手を介して接続した第一シャフトと、
終減速機の入力側に第二自在継手を介して接続した第二
シャフトとの隣り合う端部を第三自在継手を介して接続
し構成する。
【0003】しかし、こうしたプロペラシャフトは、そ
の構造上、振動を発生しやすいという問題がある。特
に、連結部材として用いた自在継手では、内部フリクシ
ョンに起因する自励的な振れ回り振動を発生しやすい。
また、自在継手の内部フリクションは、プロペラシャフ
トへの入力トルクに比例して大きくなるため、発進等の
加速を伴う走行などでは、振動の問題が顕著である。
【0004】ところで、振れ回り振動の原因となる内部
フリクションは、継手部分での折れ角が小さくなると急
激に増加する傾向にあることが知られているから、振れ
回り振動を防止するためには、継手部分での折れ角を大
きくすることが好ましい。
【0005】そこで従来から、例えば、図10に示すよ
うに、第一及び第二シャフトP1 ,P2 を自在継手C3
で連結したプロペラシャフトでは、終減速機3をオフセ
ットさせる等して継手部分(C1 ,C2 ,C3 )に積極
的に折れ角(θ1 ,θ2 ,θ3 )を付け、自励的な振れ
回り振動によるプロペラシャフトの振動を防止してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プロペラシャフトにあっては、車両空間を考慮して継手
部分に折れ角を付けるに過ぎないため、内部フリクショ
ンを軽減させて振れ回り振動を防止するのに十分ではな
い、というのが実情であった。
【0007】従って本発明である、請求項1または2に
記載の車両用プロペラシャフトは、自在継手の内部フリ
クションによる自励的な振れ回り振動を防止することに
より、プロペラシャフトで発生する振動、特に、入力ト
ルクの大きくなる走行状態での振動を軽減させることを
目的し、さらに、請求項3乃至5のいずれか一項に記載
の車両用プロペラシャフトは、請求項1または2におい
て、自在継手を選択することにより、プロペラシャフト
で発生する振動を一層軽減させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的から、本発明で
ある、請求項1に係る、車両用プロペラシャフトは、車
両前方側に配置された変速機の出力側に第一自在継手を
介して接続した第一シャフトと、車両後方側に配置され
た終減速機の入力側に第二自在継手を介して接続した第
二シャフトとの隣り合う端部を第三自在継手を介して接
続した車両用プロペラシャフトにおいて、第一自在継手
の中心から第三自在継手の中心までの間の第一軸長寸法
を、第三自在継手の中心から第二自在継手の中心までの
間の第二軸長寸法よりも大きくし、車両上方から観たと
き、前記第一シャフト及び第二シャフトが、第三自在継
手を頂点として車両前方向に対して左側へ凸となる交角
を持つように配置したことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明である、請求項2に係る、車
両用プロペラシャフトは、車両前方側に配置された変速
機の出力側に第一自在継手を介して接続した第一シャフ
トと、車両後方側に配置された終減速機の入力側に第二
自在継手を介して接続した第二シャフトとの隣り合う端
部を第三自在継手を介して接続した車両用プロペラシャ
フトにおいて、第一自在継手の中心から第三自在継手の
中心までの間の第一軸長寸法を、第三自在継手の中心か
ら第二自在継手の中心までの間の第二軸長寸法よりも小
さくし、車両上方から観たとき、前記第一シャフト及び
第二シャフトが、第三自在継手を頂点として車両前方向
に対して右側へ凸となる交角を持つように配置したこと
を特徴とするものである。
【0010】さらに、本発明である、請求項3に係る、
車両用プロペラシャフトは、請求項1または2におい
て、前記自在継手を等速自在継手にしたことを特徴とす
るものである。
【0011】加えて、本発明である、請求項4に係る、
車両用プロペラシャフトは、請求項3において、前記等
速自在継手をクロスグルーブ型等速自在継手にしたこと
を特徴とするものである。
【0012】また、本発明である、請求項5に係る、車
両用プロペラシャフトは、請求項3において、前記等速
自在継手をダブルオフセット型等速自在継手にしたこと
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】本発明である、請求項1に係る、車両用
プロペラシャフトは、第一軸長寸法を第二軸長寸法より
も大きくし、車両上方から観たとき、第一及び第二シャ
フトが、第三自在継手を頂点として車両前方向に対して
左側へ凸となる交角を持つように配置することによっ
て、入力トルクが大きくなるときに、プロペラシャフト
が伝達する駆動トルクにより発生する2次モーメントを
利用して、継手部分での折れ角、特に、第三自在継手で
の折れ角を大きくできるから、自在継手の内部フリクシ
ョンによる自励的な振れ回り振動を防止し、プロペラシ
ャフトで発生する振動や、振動に伴う騒音、特に、入力
トルクの大きくなる走行状態での振動及び騒音を軽減す
ることができる。
【0014】また、本発明である、請求項2に係る、車
両用プロペラシャフトは、第一軸長寸法を第二軸長寸法
よりも小さくし、車両上方から観たとき、第一及び第二
シャフトが、第三自在継手を頂点として車両前方向に対
して右側へ凸となる交角を持つように配置することによ
って、プロペラシャフトが請求項1のように配置できな
い状況でも、請求項1と同様な効果を得ることができ
る。
【0015】さらに、本発明である、請求項3に係る、
車両用プロペラシャフトは、請求項1または2におい
て、前記自在継手を等速自在継手とする。等速自在継手
ではない自在継手では、継手部分での折れ角が変化する
と共に、入力側と出力側との間のトルクが変動し、しか
も、その変動は、継手部分での折れ角が大きくなるほど
大きくなり、振動や騒音の一因となる。これに対して、
等速自在継手は、継手部分での折れ角がどのように変化
しても、入力側と出力側との間のトルクが変動しないた
め、継手部分での折れ角が増大しても、トルク変動によ
る振動や騒音を発生させない。このため、等速自在継手
を採用した車両用プロペラシャフトでは、プロペラシャ
フトで発生する振動や騒音を一層軽減できる。
【0016】また、本発明である、請求項4に係る、車
両用プロペラシャフトは、請求項3において、前記等速
自在継手をクロスグルーブ型等速自在継手とする。クロ
スグルーブ型等速自在継手は、軸方向に摺動しない固定
型の等速自在継手と異なり、軸方向に摺動するスライド
型の等速自在継手であるから、他の等速自在継手と比べ
て、継手部分で駆動系の軸方向移動を吸収することがで
きる。このため、等速自在継手としてクロスグルーブ型
等速自在継手を採用したプロペラシャフトでは、継手部
分で駆動系の軸方向移動を吸収しつつ、プロペラシャフ
トで発生する振動や騒音を軽減することができる。
【0017】また、本発明である、請求項5に係る、車
両用プロペラシャフトは、請求項3において、前記等速
自在継手をダブルオフセット型等速自在継手とする。ダ
ブルオフセット型等速自在継手も、軸方向に摺動するス
ライド型の等速自在継手であるから、請求項4と同等な
効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、添
付した図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明による車両用プロペラシャ
フトの第一実施形態を車両上方から観た平面図であっ
て、同実施形態のプロペラシャフト1は、車両前方側に
配置された変速機5の出力側に第一等速自在継手C1
介して接続した第一シャフトP 1 と、車両後方側に配置
された終減速機3の入力側に第二等速自在継手C2 を介
して接続した第二シャフトP2 との隣り合う端部を第三
等速自在継手C3 を介して接続し構成する。このときプ
ロペラシャフト1は、第三等速自在継手C3 付近に設け
たセンターベアリングBc において、インシュレータを
介して車体(共に図示せず)に固定されている。
【0020】またプロペラシャフト1は、第一等速自在
継手C1 の中心から第三等速自在継手C3 の中心までの
間の第一軸長寸法L1 を、第三等速自在継手C3 の中心
から第二等速自在継手C2 の中心までの間の第二軸長寸
法L2 よりも大きくし、車両上方から観たとき、第一シ
ャフトP1 及び第二シャフトP2 が、第三等速自在継手
3 を頂点として車両前方向に対して左側へ凸となる交
角を持つように配置する。
【0021】他方、図2は、本発明の第二実施形態を車
両上方から観た平面図で、同実施形態のプロペラシャフ
ト2は基本的に第一実施形態と同様の構成であり、同一
部分の説明は同一符号を以て説明を省略する。但し、プ
ロペラシャフト2は、第一軸長寸法L1 を第二軸長寸法
2 よりも小さくし、車両上方から観たとき、第一シャ
フトP1 及び第二シャフトP2 が、第三等速自在継手C
3 を頂点として車両前方向に対して右側へ凸となる交角
を持つように配置する。
【0022】ここで、第一及び第二実施形態における第
一及び第二軸長寸法L1 ,L2 と、第一及び第二シャフ
トP1 ,P2 が第三等速自在継手C3 を頂点としてなす
交角の向きとの設定方法を説明する。
【0023】前述したように、プロペラシャフトで発生
する振動の内、等速自在継手の内部フリクションによる
自励的な振れ回り振動を防止するためには、継手部分で
の折れ角、特に、第三等速自在継手C3 での折れ角を大
きく(第三等速自在継手C3を頂点に第一及び第二シャ
フトP1 ,P2 がなす交角を大きく)する必要がある。
このため、本発明では、プロペラシャフトへの入力トル
クが大きくなるとき、プロペラシャフトの駆動トルクT
により発生する2次モーメントを利用して継手部分での
折れ角を大きくさせる。
【0024】以下、変速機5の出力軸における中心軸線
Oに対して第一シャフトP1 の中心軸線O1 がなす角を
折れ角θ1 、第一シャフトP1 の中心軸線O1 に対して
第二シャフトP2 の中心軸線O2 がなす角を折れ角
θ3 、第二シャフトP2 の中心軸線O2 に対して終減速
機3の中心軸線O3 がなす角を折れ角θ2 とする。
【0025】図3,4は、プロペラシャフト1につい
て、駆動トルクTに起因する2次モーメントMを説明す
るための模式図であり、図1と同一部分は同一符号を以
て説明するが、参照符号4は、プロペラシャフト1をセ
ンターベアリングBc の部分で車体に固定するために介
在したインシュレータであって、変速機5、等速自在継
手C1 ,C2 及び終減速機3は省略してある。
【0026】図1の模式図である図3では、プロペラシ
ャフト1が変速機5からの出力を終減速機3に伝達する
とき、プロペラシャフト1は、車両前方から観て時計回
り(右回り)方向に回転し、第三等速自在継手C3 にお
ける力のやりとりは、第一シャフトP1 と第二シャフト
2 との二等分面上の着力点Fで行われる。
【0027】着力点Fで第二シャフトP2 から第一シャ
フトP1 にかかる力をfとすると、駆動トルクTは、 T=2×f×t×cos(θ3 /2) ・・・・(1) で表される。ここで、tは、第三自在継手C3 の中心か
ら着力点Fまでの距離であって、着力点Fは、第一シャ
フトP1 の直交断面に対してオフセットしているため、
車両側面からプロペラシャフト1を観た図4に示すよう
に、第一シャフトP1 には、図面から観て反時計回り
(左回り)の2次モーメントMが発生する。この2次モ
ーメントMは、 M=2×f×t×sin(θ3 /2) =T×tan(θ3 /2) ・・・・(2) 第二シャフトP2 についても同様の計算を行うと、 M=T×tan(θ3 /2) で、第一シャフトP1 と同じ、反時計回り(左回り)の
モーメントとなる。
【0028】従って、車両上方から観たとき、第三等速
自在継手C3 を頂点として車両前方向に対して左側へ凸
となるプロペラシャフト1の場合、第一及び第二シャフ
トP1 ,P2 にはそれぞれ、左回りの2次モーメントM
が発生し、この2次モーメントMによるプロペラシャフ
ト1の力関係は、図5に示すようになる。
【0029】ところで、終減速機3は一般に、プロペラ
シャフトを側面から観た図6に示すように、プロペラシ
ャフト1から駆動トルクTを伝達されたときに上向きに
ワインドアップする傾向があり、しかも、このワインド
アップは、駆動トルクTが大きくなるほど顕著に現れ
る。そこで、このワインドアップに併せて第三等速自在
継手C3 を下向きに変位させれば、自在継手での折れ角
を大きくして、自在継手の内部フリクションを減少させ
ることができる。このため、内部フリクションによる自
励的な振れ回り振動を防止するためには、駆動トルクT
に起因する2次モーメントMによって、第三等速自在継
手C3 が下向きに変位するようにプロペラシャフトを構
成することが好ましい。
【0030】図5から、2次モーメントMによるプロペ
ラシャフト1での力関係をみるとき、第三等速自在継手
3 の中心からインシュレータ4(センターベアリング
cの中心付近)までの寸法をLo 、第一シャフトP1
の変速機5側端部に加わる力をf1 、第二シャフトP2
の終減速機3側端部に加わる力をf2 、センターベアリ
ングBc の中心付近に加わる力をf3 とすると、第一シ
ャフトP1 のつり合いより、 M=L1 ×f1 ・・・・(3) 第二シャフトP2 のつり合いより、 M=f1 ×L2 −f3 ×(L2 −Lo ) ・・・・(4) これら(3)及び(4)式から、センターベアリングB
c 付近での力f3 は、 f3 =−〔(L1 −L2 )×M〕/〔(L2 −Lo )×L1 〕 ・・・・(5) で表せる。
【0031】式(5)では、寸法L1 、L2 及び(L2
−Lo )と、2次モーメントMとが正であるから、セン
ターベアリングBc に加わる力f3 の向きは、右辺分子
における(L1 −L2 )の大小関係で決定される。
【0032】まず、(L1 −L2 )<0となるときは、
3 >0であるから、センターベアリングBc が、図に
示すように、このベアリングBc を支持するインシュレ
ータ4から下向きの力を受ける。しかし、その下向きの
力f3 は、プロペラシャフト1のセンターベアリングB
c 部分、つまり、第三等速自在継手C3 付近が上向きに
変位したときのインシュレータ4からの反力を示す。従
って、L1 <L2 を満たすように第一及び第二軸長寸法
1 、L2 を決定すると、終減速機3がワインドアップ
すると共に第三等速自在継手C3 部分は上向きに変位し
て、各継手部分での折れ角を小さくしてしまう。
【0033】逆に、(L1 −L2 )>0となるときは、
3 <0であるから、センターベアリングBc が、図と
は反対に、インシュレータ4から上向きの力を受ける。
この上向きの力f3 は、プロペラシャフト1のセンター
ベアリングBc 部分、つまり、第三等速自在継手C3
近が下向きに変位したときのインシュレータ4からの反
力を示す。従って、車両上方から車両前方向に観たと
き、プロペラシャフト1が第三等速自在継手C3 を頂点
として左側へ凸となる場合、L1 >L2 を満たすように
第一及び第二軸長寸法L1 、L2 を決定すると、終減速
機3がワインドアップすると共に、駆動トルクTに起因
する2次モーメントによって、第三等速自在継手C3
近が下向きに変位するから、継手部分での折れ角、特
に、第三自在継手C3 の折れ角θ3 を大きくでき、自在
継手における内部フリクションの軽減に効果がある。
【0034】他方、図7,8は、第二実施形態のプロペ
ラシャフト2について、駆動トルクTに起因する2次モ
ーメントを説明するための模式図であり、図2と同一部
分は同一符号を以て説明する。
【0035】プロペラシャフト2を車両上方から観たと
き、第一シャフトP1 及び第二シャフトP2 が第三等速
自在継手C3 を頂点として車両前方向に対して右側へ凸
となる場合、プロペラシャフト2が駆動トルクTを終減
速機3に伝達するとき、プロペラシャフト2は、車両前
方から観て時計回り(右回り)に回転し、駆動トルクT
は、第一実施形態と同様に、 T=2×f×t×cos(θ3 /2) ・・・・(6) で表される。ここで、tは、第三自在継手C3 の中心か
ら着力点Fまでの距離であって、着力点Fは、第一シャ
フトP1 の直交断面に対してオフセットしているため、
車両側面からプロペラシャフト2を観た図8に示すよう
に、第一シャフトP1 には、図面から観て時計回り(右
回り)の2次モーメントMが発生する。この2次モーメ
ントMは、 M=2×f×t×sin(θ3 /2) =T×tan(θ3 /2) ・・・・(7) 第二シャフトP2 についても同様の計算を行うと、 M=T×tan(θ3 /2) で、第一シャフトP1 側と同じ、時計回り(右回り)の
モーメントとなる。
【0036】従って、車両上方から観たとき、プロペラ
シャフト2が第三等速自在継手C3を頂点として車両前
方向に対して右側へ凸となる場合、第一シャフトP1
び第二シャフトP2 の側面にはそれぞれ、右回りのモー
メントMが発生し、2次モーメントMによるプロペラシ
ャフト2の力関係は、図9に示すようになる。
【0037】このときも同様に、終減速機3は、図6に
示すように、プロペラシャフト2から駆動トルクTを伝
達されたときに上向きにワインドアップする傾向がある
ため、内部フリクションによる自励的な振れ回り振動を
防止するためには、終減速機3のワインドアップに併
せ、第三等速自在継手C3 を下向きに変位させ、継手で
の折れ角を大きくすることが好ましい。
【0038】そこで、図9から、2次モーメントMによ
るプロペラシャフト1での力関係をみると、第一実施形
態と同様に、第一シャフトP1 のつり合いより、 M=L1 ×f1 ・・・・(8) 第二シャフトP2 のつり合いより、 M=f1 ×L2 +f3 ×(L2 −Lo ) ・・・・(9) これら(8)及び(9)式から、センターベアリングB
c 付近での力f3 は、 f3 =〔(L1 −L2 )×M〕/〔(L2 −Lo )×L1 〕 ・・・・(10) で表せる。
【0039】式(10)から、センターベアリングBc
に加わる力f3 の向きは、右辺分子における(L1 −L
2 )の大小関係で決定される。
【0040】(L1 −L2 )>0となるときは、f3
0であるから、センターベアリングBc では、このベア
リングBc を支持するインシュレータ4から、図に示す
ように、下向きの力f3 を受ける。しかし、その下向き
の力f3 は、プロペラシャフト2のセンターベアリング
c 部分、つまり、第三等速自在継手C3 付近が上向き
に変位したことを示す。従って、L1 >L2 を満たすよ
うに第一及び第二軸長寸法L1 、L2 を決定すると、終
減速機3がワインドアップすると共に、第三等速自在継
手C3 部分は上向きに変位して、各継手部分での折れ角
を小さくしてしまう。
【0041】逆に、(L1 −L2 )<0となるときは、
3 <0であるから、センターベアリングBc が、図と
反対に、インシュレータ4から上向きの力を受ける。こ
の上向きの力f3 は、プロペラシャフト2のセンターベ
アリングBc 部分、つまり、第三等速自在継手C3 付近
が下向きに変位したことを示す。従って、車両上方から
観たとき、プロペラシャフト2が第三等速自在継手C3
を頂点として車両前方向に対して右側へ凸となる場合、
1 <L2 を満たすように第一及び第二軸長寸法L1
2 を決定すると、終減速機3がワインドアップすると
共に、駆動トルクTに起因する2次モーメントによっ
て、第三等速自在継手C3 付近が下向きに変位するか
ら、継手部分での折れ角、特に、第三等速自在継手C3
での折れ角θ3 を大きくでき、自在継手における内部フ
リクションの軽減に効果がある。
【0042】以上のことから、第一実施形態におけるプ
ロペラシャフト1は、第一軸長寸法L1 が第二軸長寸法
2 よりも大きくなるように、第一及び第二軸長寸法L
1 ,L2 がL1 >L2 の関係を、また、車両上方から観
たとき、第一及び第二シャフトP1 ,P2 が第三等速自
在継手C3 を頂点として車両前方向に対して左側へ凸と
なるように、第三等速自在継手C3 での折れ角θ3 がθ
3 <0(θ1 >0,θ2 >0)の関係を満たすようにす
る。このことにより、プロペラシャフト1への入力トル
クが大きくなるときに、駆動トルクTにより発生する2
次モーメントを利用して、継手部分での折れ角、特に、
第三等速自在継手C3 での折れ角θ3 を大きくできるか
ら、自在継手の内部フリクションによる自励的な振れ回
り振動を防止し、プロペラシャフト1で発生する振動
や、この振動による騒音、特に、入力トルクが大きくな
る、例えば、発進時などの加速走行状態で発生する振動
及び騒音を軽減できる。
【0043】逆に、第二実施形態におけるプロペラシャ
フト2は、第一軸長寸法L1 が第二軸長寸法L2 よりも
小さくなるように、第一及び第二軸長寸法L1 ,L2
1<L2 の関係を、また、車両上方から観たとき、第
一及び第二シャフトP1 ,P 2 が第三等速自在継手C3
を頂点として車両前方向に対して右側へ凸となるよう
に、第三等速自在継手C3 での折れ角θ3 がθ3 >0
(θ1 <0,θ2 <0)の関係を満たすようにする。従
って、プロペラシャフトが上記のように配置できない状
況でも、上記と同様な作用効果を得ることができる。
【0044】また、等速自在継手ではない自在継手で
は、継手部分での折れ角が変化すると共に、入力側と出
力側との間のトルクが変動し、しかも、その変動は、継
手部分での折れ角が大きくなるほど大きくなり、振動や
騒音の一因となる。 これに対して、等速自在継手は、
継手部分での折れ角がどのように変化しても、入力側と
出力側との間のトルクが変動しないため、継手部分での
折れ角が増大しても、トルク変動による振動や騒音を発
生させない。このため、等速自在継手を採用したことに
よって、プロペラシャフト1または2で発生する振動や
騒音を一層軽減できる。
【0045】ところで、等速自在継手には、クロスグル
ーブ型等速自在継手と言われるものがある。クロスグル
ーブ型等速自在継手は、例えば、特開昭60−2226
22号、実開昭63−57821号、特開昭58−15
6722号に示すように、円筒形状の内径部材及び外径
部材を有し、これら内径部材の外周面及び外径部材の内
周面それぞれに、軸線方向に対して傾斜したボール溝を
設け、内径及び外径部材とのボール溝を合わせてボール
部材で軸受するとき、内径及び外径部材のボール溝が互
いに交差する構成の継手である。即ち、クロスグルーブ
型等速自在継手は、軸方向に摺動しない固定型の等速自
在継手と異なり、軸方向に摺動するスライド型の等速自
在継手であるから、他の等速自在継手と比べて、継手部
分で駆動系の軸方向移動を吸収することができる。この
ため、等速自在継手としてクロスグルーブ型等速自在継
手を採用したプロペラシャフト1または2では、継手部
分で駆動系の軸方向移動を吸収しつつ、プロペラシャフ
トで発生する振動や騒音を軽減することができる。
【0046】また、等速自在継手には、ダブルオフセッ
ト型等速自在継手と言われるものがある。このダブルオ
フセット型等速自在継手とは、円筒形状の内径部材及び
外径部材を有し、これら内径部材の外周面及び外径部材
の内周面それぞれに、軸線方向に対して平行なボール溝
を設け、これらボール溝間にボール部材を介在させた構
成の継手である。即ち、ダブルオフセット型等速自在継
手も、軸方向に摺動するスライド型の等速自在継手であ
るから、継手部分で駆動系の軸方向移動を吸収すること
ができる。このため、等速自在継手としてダブルオフセ
ット型等速自在継手を採用したプロペラシャフトも、前
記クロスグルーブ型等速自在継手を採用したと同等な効
果が得られる。
【0047】上述したところは、本発明の好適な実施形
態を示したにすぎず、当業者によれば、請求の範囲にお
いて、種々の変更を加えることができる。例えば、他の
等速自在継手としては、トリポート型等速自在継手など
であってもよい。また、変速機については、手動変速機
であっても、自動変速機であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を車両上方から観たとき
の平面図である。
【図2】本発明の第二実施形態を車両上方から観たとき
の平面図である。
【図3】図1に示したプロペラシャフトの模式図であ
る。
【図4】図1のプロペラシャフトに発生する2次モーメ
ントを側面から示した模式図である。
【図5】図4の2次モーメントによる力関係を示した模
式図である。
【図6】終減速機がワインドアップしたときのプロペラ
シャフトを示す側面図である。
【図7】図2に示したプロペラシャフトの模式図であ
る。
【図8】図2のプロペラシャフトに発生する2次モーメ
ントを側面から示した模式図である。
【図9】図8の2次モーメントによる力関係を示した模
式図である。
【図10】従来のプロペラシャフトを車両上方から観た
ときの平面図である。
【符号の説明】
1, 2 プロペラシャフト 3 終減速機 4 インシュレータ 5 変速機 Bc センターベアリング C1 第一等速自在継手 C2 第二等速自在継手 C3 第三等速自在継手 P1 第一シャフト P2 第二シャフト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方側に配置された変速機の出力側
    に第一自在継手を介して接続した第一シャフトと、車両
    後方側に配置された終減速機の入力側に第二自在継手を
    介して接続した第二シャフトとの隣り合う端部を第三自
    在継手を介して接続した車両用プロペラシャフトにおい
    て、 第一自在継手の中心から第三自在継手の中心までの間の
    第一軸長寸法を、第三自在継手の中心から第二自在継手
    の中心までの間の第二軸長寸法よりも大きくし、 車両上方から観たとき、前記第一シャフト及び第二シャ
    フトが、第三自在継手を頂点として車両前方向に対して
    左側へ凸となる交角を持つように配置したことを特徴と
    する車両用プロペラシャフト。
  2. 【請求項2】 車両前方側に配置された変速機の出力側
    に第一自在継手を介して接続した第一シャフトと、車両
    後方側に配置された終減速機の入力側に第二自在継手を
    介して接続した第二シャフトとの隣り合う端部を第三自
    在継手を介して接続した車両用プロペラシャフトにおい
    て、 第一自在継手の中心から第三自在継手の中心までの間の
    第一軸長寸法を、第三自在継手の中心から第二自在継手
    の中心までの間の第二軸長寸法よりも小さくし、 車両上方から観たとき、前記第一シャフト及び第二シャ
    フトが、第三自在継手を頂点として車両前方向に対して
    右側へ凸となる交角を持つように配置したことを特徴と
    する車両用プロペラシャフト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記自在継
    手は、等速自在継手であることを特徴とする車両用プロ
    ペラシャフト。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記等速自在継手
    は、クロスグルーブ型等速自在継手であることを特徴と
    する車両用プロペラシャフト。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記等速自在継手
    は、ダブルオフセット型等速自在継手であることを特徴
    とする車両用プロペラシャフト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020006893A (ko) * 2000-07-14 2002-01-26 이계안 프로펠러 샤프트의 구조
JP2023043363A (ja) * 2021-09-16 2023-03-29 帝国繊維株式会社 消防救助車

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