JPH10152594A - 重合体組成物 - Google Patents

重合体組成物

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JPH10152594A
JPH10152594A JP9254183A JP25418397A JPH10152594A JP H10152594 A JPH10152594 A JP H10152594A JP 9254183 A JP9254183 A JP 9254183A JP 25418397 A JP25418397 A JP 25418397A JP H10152594 A JPH10152594 A JP H10152594A
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copolymer
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Yukihiro Fujieda
幸弘 藤枝
Katsuei Takahashi
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健一 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系樹脂、並びにビニル芳香族化合物
重合体ブロックとオレフィン重合体ブロックとからなる
ブロック共重合体を含む重合体組成物において、加工
性、耐候性、発色性、着色性、柔軟性などの特性に優
れ、透明性に一層優れる改良された重合体組成物を提供
すること。 【解決手段】 (i)(A)アクリル系樹脂;(B)ビニル
芳香族化合物からなる重合体ブロック及びメタクリル酸
モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少な
くとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン重合体
ブロックとからなるブロック共重合体;並びに(C)アク
リル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶
しない重合体から主としてなる重合体組成物であって;
且つ(ii)前記重合体組成物中のアクリル系樹脂(A)と
重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共
重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC
B│)が0.01以下である;という要件(i)および
(ii)を備える本発明の重合体組成物によって上記の課
題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性に優れ、加
工性、耐候性、柔軟性、発色性、着色性などの特性にも
優れる重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂やオレフィン系エラス
トマーなどのオレフィン系重合体は、成形加工性、柔軟
性などに優れており、それらの特性を活かして、単独
で、または他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂、
柔軟化剤などを配合して成形材料として汎用されてい
る。オレフィン系重合体から製造される成形品として
は、例えば自動車のバンパー、コンソールパネルなどを
挙げることができる。しかし、オレフィン系重合体は、
極性基を持たないので、塗装性、印刷性、着色時の発色
性などに劣っており、成形加工時や、加工後の後処理時
に色や模様などの選択の幅が狭く、自由に選べないのが
現状である。また、オレフィン系重合体は、柔軟性を有
しているものの、その反面で表面硬度が低く、耐擦傷性
に劣るという欠点がある。しかしながら、オレフィン系
重合体は熱可塑性でありリサイクルが可能であるため、
環境問題などの点からリサイクル性のある材料が重要視
されるようになっている状況下、オレフィン系重合体に
おける上記したような欠点を改善しつつオレフィン系重
合体を積極的に用いてゆくことが望ましい。
【0003】また、メタクリル樹脂で代表されるアクリ
ル系樹脂は、透明性、発色性、耐候性、表面硬度などの
特性に優れており、しかも加熱すると分解して単量体に
なるため再利用が可能である。そのため、アクリル系樹
脂はそれらの特性を活かして成形材料を初めとして種々
の用途に用いられており、例えば屋外で使用されること
の多い各種成形品、窓ガラス、蛍光灯カバーなどに用い
られている。しかしながら、アクリル系樹脂は一般に柔
軟性に乏しく、耐衝撃性が低いために、これらの性質の
改良が求められている。
【0004】さらに、透明性、耐衝撃性、発色性などの
特性をある程度満足し得る樹脂材料として、ABS樹
脂、耐衝撃性アクリル樹脂などが知られているが、両者
とも耐衝撃性の付与のために主鎖中に不飽和結合を有す
るジエン系ゴムが用いられており、耐候性に劣ってい
る。一方、耐候性を改善した樹脂材料としては、AES
樹脂(A/EPDM/S共重合体)やアクリル酸エステ
ル系ゴムを分散させたアクリル系樹脂などが知られてい
るが、物性とコストのバランスから、用途などの点で限
定されざるを得ないのが現状である。
【0005】また、塩化ビニル系重合体は、安価であ
り、しかも可塑剤の配合量によって硬度や力学的特性な
どの調節が可能であることから、アクリル系樹脂におけ
るのと同じような高い表面硬度および透明性を要求され
る分野、オレフィン系重合体におけるのと同じような低
い表面硬度および柔軟性が要求される分野のいずれにお
いても広く用いられている。しかしながら、塩化ビニル
系重合体は、それ自体では加工性が悪く、そのため多量
の可塑剤を用いて成形加工が行われており、可塑剤の使
用に伴って成形品などの表面への可塑剤の滲み出しが生
ずるという大きな問題を抱えている。また、塩化ビニル
系重合体は、加熱すると分解して有害なハロゲン含有化
合物を生成するので、リサイクルがほとんどできず、塩
化ビニル系重合体を含む廃プラスチックの取り扱いに苦
慮しているのが現状である。
【0006】
【発明の内容】上記のような状況下に、本出願人は、ア
クリル系樹脂とオレフィン系重合体とをうまく複合化で
きれば、アクリル系樹脂の持つ透明性、表面硬度、耐候
性、発色性などの優れた特性と、オレフィン系重合体の
持つ加工性、低温特性、柔軟性などの優れた特性を併せ
持ち、しかも加熱しても有害ガスを発生せず、リサイク
ル性に優れる重合体材料が得られるはずであるという着
想のもとに種々研究を行ってきた。その結果、アクリル
系樹脂に対して、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブ
ロックと水素添加してオレフィン系重合体の形態にした
水添イソプレン重合体ブロックまたは水添イソプレン/
ブタジエン重合体ブロックとからなる特定のブロック共
重合体を配合して得られる熱可塑性樹脂組成物が、柔軟
性に富み、加工性、耐候性、透明性、力学的特性、着色
性、発色性などに優れており、しかも表面硬度が高く
て、リサイクル性にも優れていることを見出して先に出
願した(特開平5−295216号、特開平6−329
865号)。
【0007】そして、本発明者らは、本出願人による上
記した特開平5−295216号および特開平6−32
9865号の発明を踏まえて、より優れた重合体組成物
を得るべく更に検討を重ねてきた。その結果、アクリル
系樹脂に対して、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブ
ロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体
ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロック
と、オレフィン系重合体ブロックとを有するブロック共
重合体を配合してなる熱可塑性の重合体組成物におい
て、アクリル系樹脂と相溶し前記のブロック共重合体と
は相溶しない特定の重合体を更に含有させると、特開平
5−295216号および特開平6−329865号の
発明と同様に加工性、耐候性、力学的特性、表面硬度、
リサイクル性、発色性、着色性などの特性に優れ、しか
も透明性に一層優れていて、押出成形や射出成形などの
成形法の如何を問わず、透明で、白条が生じず、ヘイズ
のない、加工性、耐候性、力学的特性、表面硬度、リサ
イクル性、発色性、着色性などに優れる成形品が得られ
ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(i) (A)アク
リル系樹脂;(B)ビニル芳香族化合物からなる重合体
ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合
体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロッ
クと、ポリオレフィン重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体;並びに、(C)アクリル系樹脂(A)と相
溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体;か
ら主としてなる柔軟性に優れた重合体組成物であって;
且つ (ii) 前記重合体組成物からブロック共重合体(B)
を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブ
レンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)
の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が、
0.01以下である;ことを特徴とする重合体組成物で
ある。
【0009】
【発明の実施例の形態】以下に本発明について詳細に説
明する。本発明の重合体組成物で用いるアクリル系樹脂
(A)は、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエ
ステルから誘導される構造単位を主たる構造単位とする
アクリル系樹脂である。そのうちでも、本発明の重合体
組成物の機械的特性、耐熱性、耐候性、発色性、着色性
などが良好になる点から、アクリル系樹脂(A)とし
て、メタクリル酸メチルから誘導される構造単位(以下
「メタクリル酸メチル単位」ということがある)を主た
る構造単位とするメタクリル系重合体が好ましく用いら
れる。メタクリル系重合体は、メタクリル酸メチルの単
独重合体であっても、メタクリル酸メチルと他の共重合
性単量体との共重合体(以下「メタクリル酸メチル系共
重合体」という)であっても、またはそれらの混合物で
あってもよい。メタクリル系重合体としては、メタクリ
ル酸メチル単位の割合が50〜100重量%のものが好
ましく用いられ、80〜100重量%のものがより好ま
しく用いられる。
【0010】本発明の重合体組成物においてアクリル系
樹脂(A)としてメタクリル酸メチル系共重合体を用い
る場合、他の共重合性単量体は、メタクリル酸メチルと
共重合可能な不飽和単量体であればいずれでもよく特に
制限されず、例えば、アクリル酸;アクリル酸金属塩;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸;
メタクリル酸金属塩;メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸グリシジル、メタクリル酸シクログリシルなど
のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニルなどの酢酸エス
テル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどのビ
ニル芳香族化合物;無水マレイン酸、マレイン酸モノア
ルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルなどの
マレイン酸誘導体;N−フェニルマレイミドなどのマレ
イミド類などを挙げることができる。その際に、メタク
リル系共重合体は前記した他の共重合性単量体の1種ま
たは2種以上からなる構造単位を有していることができ
る。
【0011】アクリル系樹脂(A)は、本発明の重合体
組成物に良好な成形性を付与でき、しかもアクリル系樹
脂の透明性、剛性などの特性を発揮させ得る点から、そ
の数平均分子量が100,000以下であることが好ま
しい。そして、ブロック共重合体(B)との分散性およ
び重合体(C)との相溶性をも考慮すると、アクリル系
樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜80,00
0であることがより好ましい。
【0012】次に、本発明の重合体組成物で用いるブロ
ック共重合体(B)は、ビニル芳香族化合物からなる重
合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる
重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブ
ロックと、ポリオレフィン重合体ブロックとからなるブ
ロック共重合体である。ブロック共重合体(B)におけ
るビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックは、ビニ
ル芳香族化合物から誘導される構造単位から主としてな
る重合体ブロックであり、その場合のビニル芳香族化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−
シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−
エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチ
ル)スチレンなどを挙げることができる。ビニル芳香族
化合物からなる重合体ブロックは、前記した単量体の1
種または2種以上からなる構造単位を有していることが
できる。そのうちでも、ビニル芳香族化合物からなる重
合体ブロックは、スチレンおよび/またはα−メチルス
チレンよりなる構造単位から主としてなっているのが好
ましい。また、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロ
ックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構
造単位を有していてもよい。
【0013】ブロック共重合体(B)におけるメタクリ
ル酸モノエステルからなる重合体ブロックは、メタクリ
ル酸モノエステルから誘導される構造単位から主として
なる重合体ブロックであり、その場合のメタクリル酸モ
ノエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸ベンジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピルなどを
挙げることができる。メタクリル酸モノエステルからな
る重合体ブロックは前記した単量体の1種または2種以
上からなる構造単位を有していることができる。そのう
ちでも、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロ
ックは、アルキル基の炭素数が1〜14のメタクリル酸
モノアルキルエステルよりなる構造単位から主としてな
っているのが好ましく、メタクリル酸メチルよりなる構
造単位から主としてなっているのが特に好ましい。ま
た、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック
は、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構造単
位を有していてもよい。他の不飽和単量体としては、例
えばメタクリル酸;メタクリル酸ナトリウムなどのメタ
クリル酸金属塩;メタクリルアミドなどを挙げることが
できる。
【0014】ブロック共重合体(B)におけるポリオレ
フィン重合体ブロックは、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ペンテンなどのオレフィン系単量体の1種ま
たは2種以上よりなる構造単位から主としてなる重合体
ブロックであってもよく、またブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどのような共役ジエ
ン系化合物の1種または2種以上から形成された重合
体、若しくはそれを水素添加して得られる重合体からな
る重合体ブロックであってもよく、或いは前記したオレ
フィン系単量体の1種以上と前記した共役ジエン系化合
物の1種以上との共重合体、若しくはそれを水素添加し
て得られる共重合体からなる重合体ブロックであっても
よい。
【0015】そのうちでも、本発明では、ポリオレフィ
ン重合体ブロックが、1,2−結合量が30モル%未
満、好ましくは25モル%以下のポリブタジエン重合体
ブロック、およびそれを水素添加した水添ポリブタジエ
ン重合体ブロック;イソプレンよりなる構造単位から
主としてなるポリイソプレン重合体ブロック、およびそ
れを水素添加した水添ポリイソプレン重合体ブロック;
およびイソプレンとブタジエンよりなる構造単位から
主としてなるイソプレン/ブタジエン共重合体からなる
重合体ブロックおよびそれを水素添加した水添イソプレ
ン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロック;およ
びイソブチレンよりなる構造単位から主としてなるポ
リイソブチレン系重合体ブロックから選ばれる1種また
は2種以上の重合体ブロックであるのが入手の容易性な
どの点から好ましい。
【0016】ポリオレフィン重合体ブロックが上記した
のポリブタジエン重合体ブロックまたは水添ポリブタ
ジエン重合体ブロックである場合は、水素添加前の状態
で、ブタジエンからなる構造単位の70モル%以上、好
ましくは75〜100モル%が2−ブテン−1,4−イ
ジル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合
のブタジエン単位)であり、30モル%以下、好ましく
は25〜0モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=
CH2)−CH2−;1,2−結合ブタジエン単位]であ
るのが好ましい。
【0017】また、ポリオレフィン重合体ブロックが上
記したのポリイソプレン重合体ブロックまたは水添ポ
リイソプレン重合体ブロックである場合は、水素添加前
の状態で、そのイソプレンからなる構造単位が、2−メ
チル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C
(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン
単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH[C(CH
3)=CH2]−CH2−;3,4−結合のイソプレン単
位、および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C
(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合の
イソプレン単位]から選ばれる1種または2種以上の基
であることができる。
【0018】また、ポリオレフィン重合体ブロックが上
記したのイソプレン/ブタジエン共重合体からなる重
合体ブロックまたは水添イソプレン/ブタジエン共重合
体からなる重合体ブロックである場合は、水素添加前の
状態で、イソプレンからなる構造単位が、2−メチル−
2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレ
ン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基−から選
ばれる1種または2種以上の基であり、ブタジエンから
なる構造単位が2−ブテン−1,4−ジイル基および/
またはビニルエチレン基であることができる。イソプレ
ン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックまたは
水添イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブ
ロックにおけるブタジエンからなる構造単位とイソプレ
ンからなる構造単位の配置は、ランダム状、ブロック
状、テーパー状、またはそれらの2種以上の混在するも
ののいずれの形態であってもよい。
【0019】ポリオレフィン重合体ブロックが、上記し
た〜の範疇に含まれる、水素添加してなる重合体ブ
ロックである場合は、その水素添加の状態は完全水添で
あってもまたは部分水添であってもよい。そのうちで
も、ポリオレフィン重合体ブロック、ひいてはブロック
共重合体(B)、および本発明の重合体組成物の耐熱劣
化性、耐候性などの性質を良好なものとするためには、
ブタジエンからなる構造単位および/またはイソプレン
からなる構造単位における炭素−炭素間の二重結合の5
0%以上、特に80%以上が水素添加されていることが
好ましい。すなわち、水素添加後のポリオレフィン重合
体ブロックにおいて、その不飽和度が50モル%以下、
特に20モル%以下となっていることが好ましい。
【0020】ブロック共重合体(B)におけるビニル芳
香族化合物からなる重合体ブロック、メタクリル酸モノ
エステルからなる重合体ブロックおよびポリオレフィン
重合体ブロックの結合形態(配置状態)は、ビニル芳香
族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モ
ノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なく
とも1種の重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロ
ックとが結合しているブロック共重合体であれば特に制
限はなく、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック
とポリオレフィン重合体ブロックとが結合しているブロ
ック共重合体(B1)、メタクリル酸モノエステルから
なる重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロックと
が結合しているブロック共重合体(B2)、ビニル芳香
族化合物からなる重合体ブロックとポリオレフィン重合
体ブロックとメタクリル酸モノエステルからなる重合体
ブロックの3種の重合体ブロックが結合しているブロッ
ク共重合体(B3)のいずれであってもよい。具体例と
しては、下記の下記の一般式(I)〜(VIII)で表され
るブロック共重合体などを挙げることができる。
【0021】
【化1】 X−Y (I) X−(Y−X)m (II) Y−(X−Y)n (III) Z−Y (IV) Z−(Y−Z)o (V) Y−(Z−Y)p (VI) X−(Y−Z)s (VII) Z−(Y−X)t (VIII) (式中、Xはビニル芳香族化合物からなる重合体ブロッ
ク、Yはポリオレフィン重合体ブロック、Zはメタクリ
ル酸モノエステルからなる重合体ブロックを表し、m、
n、o、p、sは例えば1〜5の整数をそれぞれ示し、
tは例えば2〜5の整数を示す。)
【0022】そのうちでも、ブロック共重合体(B)と
しては、上記の一般式(I)または(IV)で表されるブ
ロック共重合体、並びに上記の一般式(II)、(II
I)、(V)、(VI)および(VII)においてm、n、
o、pおよびsがそれぞれ1であるブロック共重合体
が、ブロック共重合体の製造の容易性、入手の容易性、
成形性などの点から好ましく用いられる。特に、上記の
一般式(II)または(VII)においてmまたはsがそれ
ぞれ1であるブロック共重合体が、製造の容易性、入手
の容易性と共に、アクリル系樹脂(A)との分散性、力
学特性などの点からより好ましく用いられる。
【0023】ブロック共重合体(B)では、ビニル芳香
族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モ
ノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なく
とも1種の重合体ブロックの含有量(2種以上の重合体
ブロックが存在する場合はその合計含有量)が3〜50
重量%で、ポリオレフィン重合体ブロックの含有量が9
7〜50重量%であることが、ブロック共重合体(B)
の柔軟性、ひいては重合体組成物の柔軟性などの点から
好ましく、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック
およびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロッ
クから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックの含有
量が5〜50重量%で、ポリオレフィン重合体ブロック
の含有量が95〜50重量%であるのがより好ましい。
また、ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族化
合物からなる重合体ブロックとメタクリル酸モノエステ
ルからなる重合体ブロックの含有比率は特に制限され
ず、それらの一方の重合体ブロックのみを含む場合から
両方の重合体ブロックを含む場合をも含めて、任意の比
率にすることができる。
【0024】また、ブロック共重合体(B)は、その全
体の数平均分子量が10,000〜100,000であ
ることが、重合体組成物の成形性、重合体組成物中にお
けるブロック共重合体(B)の分散性などの点から好ま
しい。
【0025】本発明の重合体組成物は、1種類のブロッ
ク共重合体(B)のみを含有していても、または2種以
上のブロック共重合体(B)を含有していてもよい。ま
た、ブロック共重合体(B)は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、その分子内部および/または末端に、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基、無水カルボン酸基、エ
ポキシ基などの官能基の1種または2種以上を有してい
てもよい。
【0026】ブロック共重合体(B)の製法や入手法な
どは特に制限されず、ビニル芳香族化合物からなる重合
体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重
合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロ
ックと、ポリオレフィン重合体ブロックとを有する上記
したようなブロック共重合体であればいずれも使用で
き、本発明の重合体組成物用にブロック共重合体(B)
を製造しても、市販されているブロック共重合体(B)
を用いても、またはその他の方法で入手してもよい。
【0027】何ら限定されるものではないが、ブロック
共重合体(B)におけるポリオレフィン重合体ブロック
が、上記のポリブタジエン重合体ブロックまたは水添
ポリブタジエン重合体ブロック、上記のポリイソプレ
ン重合体ブロックまたは水添ポリイソプレン重合体ブロ
ック、および/または上記の水添イソプレン/ブタジ
エン共重合体からなる重合体ブロックであるブロック共
重合体(B)は、リビングアニオン重合により合成する
ことができる。例えば、所望のブロック共重合体として
は、 (i) メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチル
リチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチル
リチウム、ペンチルブチルリチウム等のアルキルモノリ
チウムを重合開始剤として用いて、ビニル芳香族化合物
からなる重合体ブロックおよび/またはメタクリル酸モ
ノエステルからなる重合体ブロック、並びにポリオレフ
ィン重合体ブロックに相当する単量体を逐次重合させる
方法; (ii) 1,3−ビス(フェニルエテニル)ベンゼン、
1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン
などのエチレン性不飽和結合を1分子中に2個以上有す
る化合物を適当なアルキルリチウムでアニオン化した多
官能性重合開始剤、またはアルカリ金属塩の存在下にα
−メチルスチレン、ジエン化合物を直接アニオン化した
多官能性重合開始剤を使用して、ブロック共重合体
(B)の末端ブロックでない部分から重合を開始し、ビ
ニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよび/また
はメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック、
並びにポリオレフィン重合体ブロックに相当する単量体
を逐次添加して重合させる方法; (iii) ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック
および/またはメタクリル酸モノエステルからなる重合
体ブロック、並びにポリオレフィン重合体ブロックに相
当する重合体を別々にリビング重合して製造した後、ク
ロロシアン化合物などのカップリング剤を添加してそれ
らの重合体を結合する方法;などを採用して製造するこ
とができる。
【0028】ブロック共重合体(B)がメタクリル酸モ
ノエステルからなる重合体ブロックを含む場合には、メ
タクリル酸モノエステルをリビングアニオン重合した後
にオレフィン系単量体、ジエン系単量体、またはビニル
芳香族化合物を添加しても通常はブロック共重合しない
ので、上記(i)または(ii)の逐次添加方法を採用す
る際には、オレフィン系単量体、ジエン系単量体、また
はビニル芳香族化合物を重合した後にメタクリル酸モノ
エステルを添加して重合させてブロック共重合体を製造
する方法を採用するのが望ましい。その際に、メタクリ
ル酸モノエステルをブロック共重合させる前に、系内に
1,1−ジフェニルエチレンを添加して重合成長末端に
付加させることで重合成長末端であるカルバニオンの求
核性を制御し、その後にメタクリル酸モノエステルを添
加するようにしてもよい。
【0029】ブロック共重合体(B)が、メタクリル酸
モノエステルからなる重合体ブロックを含み、該重合体
ブロックがメタクリル酸および/またはその金属塩から
なる構造単位を含むものである場合には、メタクリル酸
モノエステルからなる重合体ブロックを有するブロック
共重合体を製造した後に、そのエステル結合の一部を加
水分解することによって、メタクリル酸またはその金属
塩よりなる構造単位をメタクリル酸モノエステルからな
る重合体ブロック中に含むブロック共重合体を得ること
ができる。
【0030】また、オレフィン系単量体、ジエン系単量
体などをアニオン重合してポリオレフィン重合体ブロッ
クまたはそのためのオレフィン重合体或いはそれらの水
素添加物を製造する場合には、そのミクロ構造を制御す
る観点から、ビニル化剤を添加することができる。ビニ
ル化剤の添加により、ジエン系単量体よりなる構造単位
における1,2−結合含有量または3,4−結合含有量
を制御することができる。それによって、ポリオレフィ
ン重合体ブロックが水添ポリブタジエン重合体ブロック
である場合にはその結晶性を調節することができ、また
ポリオレフィン重合体ブロックがポリイソプレン重合体
ブロックまたは水添ポリイソプレン重合体ブロックであ
る場合はそのガラス転移点を上昇させることができる。
その際に、ビニル化剤としては、例えば、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエー
テル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチル
モルフォリンなどのアミン系化合物などを挙げることが
できる。
【0031】また、上記のようにリビングアニオン重合
によりブロック共重合体(B)を製造する場合には、末
端のリビングアニオンを利用して、ブロック共重合体の
重合を終えた時点で所望の官能化停止剤(末端官能化
剤)を用いて末端を官能化することができる。この際に
用いる末端官能化剤としては、例えば、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイドなど
のエポキシ化合物;ベンズアルデヒドなどのアルデヒド
化合物;官能基をトリメチルシリル基で保護した官能基
含有ハロゲン化アルキル化合物;一酸化炭素、二酸化炭
素などの炭素酸化物などを挙げることができる。
【0032】ブロック共重合体(B)を製造する上記の
重合反応に際して使用できる溶媒としては、アニオン重
合の重合成長末端であるカルバニオンと副反応を起こさ
ないものであれば特に制限されない。ブロック共重合体
(B)の製造に用い得る溶媒の具体例としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
などの飽和脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベン
ゼンなどの芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒な
どを挙げることができる。ブロック共重合体(B)がメ
タクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを有す
る場合は、溶解性の点で、芳香族炭化水素溶媒またはエ
ーテル系溶媒を用いることが好ましい。
【0033】ブロック共重合体(B)を製造する際の重
合反応は、通常任意の温度で行うことができるが、メタ
クリル酸モノエステルを重合する場合、および/または
エーテル系溶媒を用いて重合を行う場合には、副反応を
抑制する観点から、0℃以下の温度で行うことが好まし
く、−30℃以下の温度条件で行うことがより好まし
い。
【0034】上記の重合により得られるブロック共重合
体中の不飽和基への水素添加は、従来既知の方法にした
がって行えばよく特に制限されないが、水添触媒の存在
下に分子状水素を付加させる方法が好ましく用いられ
る。その場合の水添触媒としては、例えば、ラネーニッ
ケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどをカーボン、
アルミナ、珪藻土などの担体に担持させたもの;遷移金
属に対してアルキルアルミニウム化合物またはアルキル
リチウム化合物を組み合わせたチーグラー触媒系などを
用いることができる。水素添加反応に当たっては、例え
ば、水素圧が常圧〜200kg/cm2、反応温度が常
温〜250℃の範囲、反応時間が0.1〜100時間の
範囲を採用することができる。水素添加反応により得ら
れるブロック共重合体(B)の回収に当たっては、例え
ば、反応液をメタノールなどで凝固させた後に加熱また
は減圧乾燥する方法、反応液を沸騰水中に注いで溶媒を
共沸させて除去した後に加熱または減圧乾燥する方法な
どを採用することができる。
【0035】また、ブロック共重合体(B)におけるポ
リオレフィン重合体ブロックが上記したのポリイソブ
チレン系重合体ブロックであるブロック共重合体(B)
の製法も特に制限されず、公知の方法を採用することが
できる。例えば、 (a) ルイス酸、およびルイス酸とカチオン重合活性
種を形成する有機化合物からなる開始剤系の存在下に、
必要に応じてピリジン誘導体、アミド類などの添加剤を
併用して、ヘキサン、塩化メチレンなどの不活性溶媒中
で、主としてビニル芳香族化合物からなる単量体と主と
してイソブチレンからなる単量体を段階的に重合させて
ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック−ポリイソ
ブチレンブロックからなるジブロック共重合体を製造す
る方法; (b) 1個の官能基を有する有機化合物とルイス酸と
を開始剤系として用いて、まず主としてビニル芳香族化
合物からなる単量体を重合系内に添加して重合させ、重
合反応が実質的に終了した後に主としてイソブチレンか
らなる単量体を重合系内に添加して重合させ、重合反応
が実質的に終了した後に、再度、主としてビニル芳香族
化合物からなる単量体を重合系内に添加して重合を行っ
てビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック−ポリイ
ソブチレン重合体ブロック−ビニル芳香族化合物からな
る重合体ブロックよりなるトリブロック共重合体を製造
する方法; (c) 2官能性単量体を用いてイソブチレンをまず重
合させた後に、ビニル芳香族化合物から主としてなる単
量体を重合系内に添加してビニル芳香族化合物からなる
重合体ブロック−ポリイソブチレン重合体ブロック−ビ
ニル芳香族化合物からなる重合体ブロックよりなるトリ
ブロック共重合体を製造する方法;などを採用して製造
することができる。
【0036】ポリオレフィン重合体ブロックがポリイソ
ブチレンであるブロック共重合体(B)の上記した製造
法で用いられるルイス酸としては、四塩化チタン、三塩
化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズなどを挙げる
ことができる。また、ルイス酸とカチオン重合活性種を
形成する上記の有機化合物としては、アルコキシ基、ア
シロキシ基、ハロゲン原子などの官能基を有する有機化
合物を挙げることができ、より具体的には、例えば、ビ
ス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2
−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2−ク
ロロ−2−プロピル)ベンゼンなどを挙げることができ
る。また、上記のアミド類としてはジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0037】さらに、本発明の重合体組成物は、アクリ
ル系樹脂(A)およびブロック共重合体(B)と共に、
第3の重合体として、アクリル系樹脂(A)と相溶しブ
ロック共重合体(B)とは相溶しない重合体(C)を含
有する。ここでいう「相溶」とは、異なる2種以上の重
合体が単量体単位レベル(単量体からなる構造単位レベ
ル)で混ざり合う、いわゆる熱力学的な相溶状態を意味
する。このような相溶状態は、公知文献である「ポリマ
ーブレンド−相溶性と界面−」第102〜106頁およ
び136〜137頁(株式会社シーエムシー、1984
年8月15日第2刷発行)にも記載されているように、
DSC(示差走査熱量計;Differential Scanning C
alorimeter)やディラトメトリーなどにより測定される
ブレンド物のガラス転移温度が、成分ポリマーのガラス
転移温度の範囲内で1つのみ測定されることによって確
認することができる。
【0038】そして、本発明の重合体組成物において
は、アクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)お
よび重合体(C)の各々の所定量を混合して、それらの
重合体3者から主としてなる柔軟性に優れた重合体組成
物を製造したときに、該重合体組成物からブロック共重
合体(B)を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体
(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重
合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC
B│)が0.01以下になるように、重合体(C)の
種類を選択すると共に、アクリル系樹脂(A)および重
合体(C)の配合割合を決めることが必要である。すな
わち、本発明の重合体組成物では、アクリル系樹脂
(A)をA重量部、ブロック共重合体(B)をB重量
部、および重合体(C)をC重量部の割合で用いて重合
体組成物を製造するときに、アクリル系樹脂(A)のA
重量部と重合体(C)のC重量部とを混合し溶融混練し
て得られるブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共
重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC
−nB│)が0.01以下になるようにして、重合体
(C)の種類を選択し、且つアクリル系樹脂(A)の配
合量(A重量部)、ブロック共重合体(B)の配合量
(B重量部)および重合体(C)の配合量(C重量部)
を決めて、それらの重合体3者を含有する重合体組成物
をつくることが必要である。
【0039】アクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブ
レンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)
の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が
0.01を超えると、重合体組成物の透明性が低減した
り、失われて、光線透過率が低く、ヘイズの大きいもの
となる。本発明の重合体組成物においては、上記の屈折
率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.008以下で
あることがより好ましい。
【0040】屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が
0.01以下である本発明の重合体組成物の調製に好ま
しく用い得る重合体(C)の例としては、スチレン・ア
クリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共
重合体、ポリフッ化ビニリデン、フェノキシ樹脂、ポリ
カーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンオキサイドなどを挙げることができ、本発明で
はそれらの重合体の1種または2種以上を重合体(C)
として用いることができる。そのうちでも、スチレン・
アクリロニトリル共重合体、フェノキシ樹脂、スチレン
・無水マレイン酸共重合体、ポリフッ化ビニリデンが相
溶性の点から好ましく用いられる。また、重合体(C)
としては、その数平均分子量が500,000以下であ
るものが成形性の点から好ましく用いられる。
【0041】何ら限定されるものではないが、上記した
屈折率差の条件を満たすような重合体(C)を選んで使
用する際の目安としては、重合体(C)とアクリル系樹
脂(A)を5/5の重量比で溶融混合して得られるブレ
ンド物から厚さ3mmの試験片を作製して、その20℃
における厚さ方向の全光線透過率およびヘイズ値を測定
したときに、全光線透過率が80%以上、好ましくは8
5%以上で、ヘイズ値が15%以下、好ましくは10%
以下となるような重合体(C)を選んで使用すると、上
記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.0
1以下である重合体組成物の調製が行い易い。また、上
記とは別の目安としては、アクリル系樹脂(A)の屈折
率をnA、ブロック共重合体(B)の屈折率がnBである
ときに、nA<nBである場合はブロック共重合体(B)
の屈折率nBよりも大きい屈折率を有する重合体のうち
から適当なものを選んで重合体(C)として用い、一方
A>nBである場合はブロック共重合体(B)の屈折率
Bよりも小さい屈折率を有する重合体のうちから適当
なものを選んで重合体(C)として用いると、上記した
屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下
である重合体組成物の調製が行い易い。
【0042】上記したように、本発明の重合体組成物で
は、アクリル系樹脂(A)および重合体(C)を所定の
量で配合してなるブレンド物の屈折率(nAC)と、重合
体(C)の屈折率(nC)の差の絶対値(│nAC−n
B│)が0.01以下になるようにして、重合体組成物
におけるアクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体
(B)および重合体(C)の種類並びに配合割合を決め
る必要がある。そのため、本発明の重合体組成物では重
合体3者の配合割合は一義的には決まらず、それぞれの
重合体の屈折率によって調整する必要があり、それぞれ
の重合体の屈折率に応じて種々異なってくる。
【0043】そして、本発明の重合体組成物において、
上記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.
01以下になるようにしながら、重合体組成物の全重量
に基づいて、ブロック共重合体(B)の割合を20〜9
0重量%とし、アクリル系樹脂(A)、重合体(C)お
よび場合により添加され得る他の成分の合計量を80〜
10重量%にすると、重合体組成物中においてブロック
共重合体(B)が連続相を形成して、透明性に優れるの
みならず、柔軟性、耐衝撃性などの特性にも一層優れた
重合体組成物を得ることができる。その際に、ブロック
共重合体(B)の割合は、30〜90重量%であること
がより好ましく、35〜85重量%であることが更に好
ましい。なお、本明細書でいう“ブロック共重合体
(B)が連続相を形成している”とは、重合体組成物の
断面を電子顕微鏡等で観察したときに、その断面像にお
いてブロック共重合体(B)がその上下左右方向に連続
していて途切れていないことを意味する。このような相
構造を有する本発明の重合体組成物は、柔軟性に富んで
おり、JIS K−6301により測定したゴム強度が
50〜90の範囲の値をとるか、あるいは引張弾性率が
1〜100MPaの範囲の値をとることができる。
【0044】また、本発明の重合体組成物においてはア
クリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重
合体(C)などの屈折率によって、各重合体の配合量の
調節が必要であることは上記したとおりであるが、本発
明の重合体組成物では、一般に、アクリル系樹脂(A)
と重合体(C)の合計重量に基づいて、アクリル系樹脂
(A)を50〜99重量%、重合体(C)を50〜1重
量%の割合で用いるのが、アクリル系樹脂の特性保持の
点から好ましい。
【0045】また、アクリル系樹脂(A)の所定量に対
してブロック共重合体(B)以外の第3の重合体の所定
量を混合して溶融混練したときに、白化などが生じて透
明性が失われたり低減して、アクリル系樹脂(A)と該
第3の重合体のブレンド物の屈折率の測定が不可能にな
る場合があるが、そのようなときには上記した屈折率の
差の絶対値(│nAC−nB│)を当然ながら求めること
ができないから、そのような第3の重合体自体が本発明
の重合体組成物で用いる重合体(C)として適していな
いか、または該第3の重合体の上記した所定量の割合で
の使用が本発明の重合体組成物の製造に適していないこ
ととなり、本発明の範囲から排除される。
【0046】本発明の重合体組成物は、本発明の効果を
阻害しない範囲において、必要に応じて、補強剤、充填
剤、顔料、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、離型剤などの他の添加剤の1種または
2種以上を含有していてもよく、またポリオレフィン類
などの他の重合体を含有していてもよい。
【0047】本発明の重合体組成物の製造法は特に限定
されず、熱可塑性重合体組成物の製造に従来使用されて
いる既知の方法のいずれもが採用できる。例えば、単軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーやその他の一
般に用いられる溶融混練機を使用して溶融混練し、必要
に応じてそれを更にペレットやその他の形態にして本発
明の樹脂組成物を製造することができる。混練に際して
は、アクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)お
よび重合体(C)の3者を同時に混合して溶融混練して
もよく、該3者を任意の順序で逐次に混合して溶融混練
してもよく、アクリル系樹脂(A)と重合体(C)を予
め溶融混練しこれにブロック共重合体(B)を混合して
溶融混練してもよく、或いはアクリル系樹脂(A)とブ
ロック共重合体(B)を予め溶融混練しこれに重合体
(C)を混合して溶融混練してもよい。
【0048】本発明の重合体組成物は、フイルム、シー
トおよびその他各種成形品などの用途に用いることがで
きる。そして、本発明の重合体組成物を用いてそれらの
成形品を製造する場合は、熱可塑性重合体組成物に対し
て一般に採用されている成形方法および成形装置を用い
て成形することができ、例えば射出成形、押出成形、プ
レス成形などを行うことによって任意の形状や寸法を有
する種々の成形品を製造することができる。特に、本発
明の重合体組成物は、その優れた透明性、加工性、耐候
性、柔軟性、着色性、発色性などの特性を活かして、車
両部品、電気・電子部品、光学部品、建材、雑貨品など
の用途に有効に用いることができる。また、本発明の重
合体組成物は、柔軟性、耐光性、着色性、発色性などの
特性を活かすべく、他の重合体へ添加してもよい。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、全光線透過率およびヘイズ、屈折率、ゴム硬
度、引張弾性率、並びにブロック共重合体の相分離の有
無および相溶性の測定または観察を次のようにして行っ
た。
【0050】(1)全光線透過率およびヘイズ:アクリ
ル系樹脂と重合体(C)のブレンド物または重合体組成
物のペレットを用いて射出成形機(東芝製作所製「IS
−80」)を使用して、シリンダー温度260℃、金型
温度30℃で射出成形を行って縦×横×厚さ=8cm×
8cm×3mmの試験片を作製し、直読ヘイズコンピュ
ーター(スガ試験機製「HGM−2DP」)を用いて、
測定温度20℃でその厚さ方向の全光線透過率およびヘ
イズを測定した。
【0051】(2)屈折率:アクリル系樹脂、ブロック
共重合体、重合体(C)、またはアクリル系樹脂と重合
体(C)のブレンド物を用いて、上記(1)におけるの
と同様にして縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mmの
試験片を作製し、測定温度20℃でその屈折率をアタゴ
社製の「デジタル屈折計RX−2000」を用いて測定
した。
【0052】(3)ゴム硬度:重合体組成物を用いて、
JIS K−6301に準拠して測定した。
【0053】(4)引張弾性率:重合体組成物を用い
て、上記(1)におけるのと同様にして、縦×横×厚さ
=10cm×10cm×3mmの成形片を作製した。成
形時の射出方向と引張り方向とが直交するように、JI
S K−6301に従って成形片を打ち抜いてダンベル
3号形の試験片を作製した。JIS K−6301の試
験条件に準拠して、引張り試験機(島津製作所製「島津
オートグラフ AG−5000D」)を用いて、試験片
の引張弾性率を測定した。
【0054】(5)ブロック共重合体の相分離の有無:
重合体組成物を用いて、上記(1)におけるのと同様に
して縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mm成形片を作
製し、その成形片からクライオマイクロトーム(ライヘ
ルト社製「FC−S」)により厚さ80nmの超薄切片
を切り出し、その超薄切片を四酸化ルテニウムにて染色
処理して超薄切片中のブロック共重合体を染色し、ブロ
ック共重合体における相分離の有無を透過型電子顕微鏡
(日立製作所製「H−7100」)を用いて観察し、切
断面においてブロック共重合体が上下左右方向に連続し
た相を形成していて途中で途切れていない場合に連続相
を形成しているものと判断した。
【0055】(6)相溶性:アクリル系樹脂(A)と重
合体(C)との相溶性、およびブロック共重合体と重合
体(C)との相溶性について、これらの樹脂の溶融混合
物を用い、DSC(Mettler Instruments 社製「DS
C30」)により評価した。窒素ガス雰囲気下に、昇温
速度10℃/分で測定した際に、単一のガラス転移温度
が観測された場合を「相溶」と判定し「○」で示し、2
つ以上のガラス転移温度が観測された場合を「非相溶」
と判定し「×」で示した。
【0056】《合成例1》[アクリル系樹脂(A-1)の
製造] 還流冷却器付き重合容器に純水500重量部を仕込み、
次いでメタクリル酸メチル425重量部、アクリル酸メ
チル55重量部、ラウリルパーオキサイド2.5重量部
およびラウリルメルカプタン4重量部の混合溶液を仕込
み、撹拌しながら窒素で雰囲気を置換した後、80℃ま
で昇温して同温度で2時間、次いで95℃で1時間重合
し、得られた生成物を水洗、乾燥してビーズ状のアクリ
ル系樹脂を得た[以下これを「アクリル系樹脂(A-
1)」とする]。このビーズ状アクリル系樹脂(A-1)
をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の数平均
分子量は18,400であり、分子量分布は2.1であ
った。また、このアクリル系樹脂(A-1)の屈折率を上
記した方法で測定したところ、1.490であった。
【0057】《合成例2》[アクリル系樹脂(A-2)の
製造] 還流冷却器付き重合容器に純水500重量部を仕込み、
次いでメタクリル酸メチル490重量部、アクリル酸メ
チル10重量部、ラウリルパーオキサイド2.5重量部
およびラウリルメルカプタン4重量部の混合溶液を仕込
み、撹拌しながら窒素で雰囲気を置換した後、80℃ま
で昇温して同温度で2時間、次いで95℃で1時間重合
し、得られた生成物を水洗、乾燥してビーズ状のアクリ
ル系樹脂を得た[以下これを「アクリル系樹脂(A-
2)」とする]。このビーズ状アクリル系樹脂(A-2)
をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の数平均
分子量は19,000であり、分子量分布は2.0であ
った。また、このアクリル系樹脂(A-2)の屈折率を上
記した方法で測定したところ、1.491であった。
【0058】また、以下の例において使用したそれぞれ
の成分の内容、屈折率またはメーカーは下記に示すとお
りである。
【0059】○SEPS1:ポリスチレン−ポリイソプ
レン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体
の水添物(水添前のブロック共重合体におけるスチレン
含量30重量%;水添前のポリイソプレンブロックの
1,4−結合量92%および3,4−結合量8%;ポリ
スチレン換算の数平均分子量35,100;ヨウ素価に
より測定したポリイソプレンブロックの水添率93.2
%;屈折率1.506)
【0060】○SPES2:ポリスチレン−ポリイソプ
レン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体
の水添物(水添後のブロック共重合体におけるスチレン
含量3重量%;水添前のポリイソプレンブロックの1,
4−結合量94%および3,4−結合量6%;ポリスチ
レン換算の数平均分子量95,100;ヨウ素価により
測定したポリイソプレンブロックの水添率95.2%;
屈折率1.478)
【0061】○SHVIS:ポリスチレン−ポリイソプ
レン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体
の水添物(水添前のブロック共重合体におけるスチレン
含量30重量%;水添前のポリイソプレンブロックの
1,4−結合量45%および3,4−結合量55%;ポ
リスチレン換算の数平均分子量90,000;ヨウ素価
により測定したポリイソプレンブロックの水添率85
%;屈折率1.512)
【0062】○SEEPS−OH:ポリスチレン−イソ
プレン・1,3−ブタジエン共重合体−ポリスチレンの
構造を持ち且つ片末端に水酸基を有するトリブロック共
重合体の水添物(水添前のブロック共重合体におけるス
チレン含量30重量%;水添前のイソプレン・1,3−
ブタジエン共重合体ブロックのイソプレン単位/1,3
−ブタジエン単位=1/1モル比;ポリスチレン換算の
数平均分子量40,000;ヨウ素価により測定したイ
ソプレン・1,3−ブタジエン共重合体ブロックの水添
率95%;水添前でのイソプレン単位全体における1,
4−結合量95%および3,4−結合量5%;トリブロ
ック共重合体1分子当たりの水酸基含有量0.8個;屈
折率1.505)
【0063】○SIBUS:ポリスチレン−ポリイソブ
チレン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合
体(スチレン含量30重量%;ポリスチレン換算の数平
均分子量34,000および分子量分布1.23;屈折
率1.533)
【0064】○SIM:ポリスチレン−ポリイソプレン
−ポリメタクリル酸メチルの構造を持つトリブロック共
重合体(スチレン含有量13重量%、イソプレン含有量
74重量%、メタクリル酸メチル含有量13重量%;ポ
リスチレン換算の数平均分子量69,000;分子量分
布1.04;屈折率1.528)
【0065】○フェノキシ樹脂:東都化成株式会社製
「YP−50」(屈折率1.598)
【0066】○AS樹脂(1):アクリロニトリル・スチ
レン共重合体(屈折率1.573)(三井東圧化学株式
会社製「ライタックA930PC])
【0067】○AS樹脂(2):アクリロニトリル・スチ
レン共重合体(屈折率1.561)(三井東圧化学株式
会社製「ライタックA330PC])
【0068】○PVDF:ポリフッ化ビニリデン(屈折
率1.421)(クレハ化学工業株式会社製「KFポリ
マーKF#1000」)
【0069】《実施例》 (1) アクリル系樹脂(A)として上記したアクリル
系樹脂(A-1)またはアクリル系樹脂(A-2)を用い、
上記したフェノキシ樹脂、AS樹脂(1)、AS樹脂(2)
およびPVDFのうちの一種を下記の表1に示す割合で
混合し、2軸押出機(日本製鋼所製「TEX44C」)
を用いて240℃で溶融混練してペレットを製造した。
このペレットを用いて射出成形機(東芝製作所製「IS
−80」)を使用して、上記したようにシリンダー温度
260℃、金型温度30℃で、縦×横×厚さ=8cm×
8cm×3mmの試験片を作製して、そのブレンド物の
屈折率を上記した方法で測定したところ、下記の表1に
示すとおりであった。また、この(1)で得られた試験
片の全光線透過率およびヘイズの測定、並びにブレンド
物の相溶性の観察を上記した方法で行ったところ、下記
の表1に示すとおりであった。
【0070】
【表1】
【0071】(2) また、上記(1)とは別に、アク
リル系樹脂(A)として上記したアクリル系樹脂(A-
1)またはアクリル系樹脂(A-2)を用い、ブロック共
重合体としてSEPS1、SEPS2、SHBIS、S
EEPS−OH、SIBUSおよびSIMのうちの一種
を用い、上記したフェノキシ樹脂、AS樹脂(1)、AS
樹脂(2)およびPVDFのうちの一種を用いまたは用い
ずに、下記の表2に示す割合で混合して、2軸押出機
(日本製鋼所製「TEX44C」)を用いて240℃で
溶融混練してペレットを製造した。このペレットを用い
て射出成形機(東芝製作所製「IS−80」)を使用し
て、上記したようにシリンダー温度260℃、金型温度
30℃で、縦×横×厚さが8cm×8cm×3mmの試
験片、および10cm×10cm×3mmの試験片をそ
れぞれ作製した。得られた試験片の全光線透過率、ヘイ
ズ、ゴム硬度および引張弾性率の測定、並びにブロック
共重合体の相分離の有無の観察を上記した方法で行った
ところ、下記の表3に示すとおりであった。また、上記
(1)の結果から、│nAC−nB│の値を求めて、下記
の表3に併せて示した。なお、上記ブロック共重合体と
重合体(C)との相溶性はいずれも「非相溶」(×)で
あった。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】上記の表1〜3の結果から、アクリル系樹
脂(A)、ブロック共重合体(B)、およびアクリル系
樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶し
ない重合体(C)を、アクリル系樹脂(A)と重合体
(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重
合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC
B│)が0.01以下になるようにして配合してなる
実験番号13〜21の重合体組成物の場合は、全光線透
過率が極めて高く且つヘイズが小さくて、透明性に極め
て優れていることがわかる。そして、上記の実験番号1
3〜21の重合体組成物のうちでも、ブロック共重合体
(B)の連続相が形成されるようにしてアクリル系樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)を
配合している実験番号13〜20の重合体組成物の場合
には、さらにゴム硬度が小さく柔軟性の点においても優
れる重合体組成物が得られることがわかる。
【0075】一方、アクリル系樹脂(A)と重合体
(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重
合体(B)の屈折率(nB)の差の絶対値(│nAC−nB
│)が0.01を超えている実験番号22と23の重合
体組成物、およびアクリル系樹脂(A)と第3の重合体
とのブレンド物が既に白化して不透明化してしまってい
る実験番号24の重合体組成物の場合は、全光線透過率
が低く且つヘイズが高くて、透明性に劣る重合体組成物
しか得られないことがわかる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、アクリル系樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)、およびアクリル系樹
脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しな
い重合体(C)を、アクリル系樹脂(A)と重合体
(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重
合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC
B│)が0.01以下になるようにして配合してなる
本発明の重合体組成物は、透明性および柔軟性に優れて
おり、しかも加工性、耐候性、発色性、着色性などの特
性にも優れているので、それらの特性を活かして、各種
成形品をはじめとして種々の用途に有効に使用すること
ができると共に、他の重合体素材に添加して重合体改質
に利用することもできる。そして、本発明の重合体組成
物において、重合体組成物中においてブロック共重合体
の連続相が形成されるようにして上記の重合体3者を配
合した場合には、上記した特性と併せて、特に柔軟性に
一層優れる重合体組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 活栄 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 浜田 健一 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)(A)アクリル系樹脂;(B)ビ
    ニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタク
    リル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれ
    る少なくとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン
    重合体ブロックとからなるブロック共重合体;並びに
    (C)アクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体
    (B)とは相溶しない重合体;から主としてなる柔軟性
    に優れた重合体組成物であって;且つ (ii) 前記重合体組成物からブロック共重合体(B)
    を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブ
    レンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)
    の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が、
    0.01以下である;ことを特徴とする重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(B)が連続相を形成
    している請求項1の重合体組成物。
  3. 【請求項3】 重合体組成物の全重量に基づいて、ブロ
    ック共重合体(B)を20〜95重量%の割合で含有す
    る請求項1または2の重合体組成物。
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