JPH10152633A - 延焼防止被覆用剥離剤 - Google Patents

延焼防止被覆用剥離剤

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JPH10152633A
JPH10152633A JP8313972A JP31397296A JPH10152633A JP H10152633 A JPH10152633 A JP H10152633A JP 8313972 A JP8313972 A JP 8313972A JP 31397296 A JP31397296 A JP 31397296A JP H10152633 A JPH10152633 A JP H10152633A
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JP
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fire spread
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solvent
weight
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JP8313972A
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English (en)
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Michitomo Fujita
道朝 藤田
Yoshimi Sato
好美 佐藤
Fumio Aida
二三夫 会田
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Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線、ケーブルの延焼防止被覆を、施工面の
形態に関係なく短時間で膨潤軟化させて剥離することが
でき、さらにそれ自体が難燃性に優れた延焼防止被覆用
剥離剤を提供する。 【解決手段】 本発明の剥離剤は、ベンジルアルコール
を主体とし、必要に応じてキシレン等の芳香族炭化水素
系溶剤を配合した有機溶剤と、この有機溶剤に対して40
〜 100重量%の水と、同じく 1〜 5重量%の界面活性剤
とを含有する。界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸
エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルを使用す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延焼防止被覆用剥
離剤に係わり、特に電線、ケーブルの外周に設けられた
延焼防止材の硬化被覆を、シースを損傷することなく効
率的に剥離するための剥離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大量の非難燃性ケーブルが布
設されている原子力発電所や火力発電所等の施設におい
ては、水平および垂直トレイ部、ボックス内部等に布設
されたケーブル群の外周に、万一の火災事故の発生に備
えて、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EE
A)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のよう
な熱可塑性樹脂を含む水性エマルジョンをベースとし、
これに有機難燃剤、無機充填剤、不燃性繊維、可塑剤等
を加えた延焼防止材(塗料)を塗布することが行なわれ
ている。塗布された延焼防止材は、時間の経過とともに
乾燥硬化してケーブルシースと密着し、延焼防止効果の
高い被覆が形成される。
【0003】ところで前記した施設においては、近時シ
ステムの変更やケーブルの点検あるいはケーブルの劣化
のため、一度布設したケーブルをラダートレイ等から取
り外し引き換える必要があり、このとき延焼防止被覆を
剥離する必要がある。
【0004】従来から、ケーブル上に設けられた延焼防
止被覆を剥離する方法としては、カッターやハンマーの
ような剥離用工具を用いて機械的に剥ぎ取る方法や、発
泡ポリウレタンや吸水性樹脂等に水を含ませたものをヒ
ーターとともに延焼防止被覆の上に置き、加温して膨潤
軟化させた後竹べら等で剥ぎ取る方法などが行なわれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の機械的
に剥離する方法では、多くの人手と時間がかかるばかり
でなく、剥離すべき延焼防止被覆の厚さがわからないこ
とが多いため、工具の先端でケーブルシース等の表面に
傷をつけてしまうおそれがあった。
【0006】また、後者の水を用い加温して膨潤させる
方法においては、軟化に要する時間が 2〜 3週間と極め
て時間がかかるうえに、延焼防止材の種類によっては十
分に軟化しないものがあり、さらに、施工面が垂直面の
場合には適用できないという問題があった。
【0007】さらに、原子力発電所等の内部において
は、防火の観点から難燃性に乏しい材料の使用は好まし
くなく、したがって非難燃性ケーブルの延焼防止のため
に施される延焼防止被覆の剥離剤としても、十分な難燃
性を有することが必要とされている。
【0008】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、電線、ケーブル上に設けられた延焼防
止被覆を、施工面の形態に関係なく短時間で膨潤軟化さ
せることができ、しかもそれ自体が難燃性に優れた延焼
防止被覆用剥離剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の延焼防止被覆用
剥離剤は、ベンジルアルコールと、該ベンジルアルコー
ルに対して40〜 100重量%の水と、同じくベンジルアル
コールに対して 1〜 5重量%の界面活性剤とを含有する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の第2の発明の延焼防止被覆
用剥離剤は、電線、ケーブル上に設けられた延焼防止被
覆の外周に塗布する剥離剤において、ベンジルアルコー
ルを主体とし芳香族炭化水素系溶剤を配合した有機溶剤
と、該有機溶剤に対して40〜100重量%の水と、同じく
有機溶剤に対して 1〜 5重量%の界面活性剤とを含有す
ることを特徴とする。
【0011】本発明の剥離剤が適用される延焼防止被覆
は、水性エマルジョンをベースに、有機難燃剤、難燃助
剤、無機充填剤、不燃性繊維、可塑剤等を加えた延焼防
止材(塗料)を、電線、ケーブルの外周に塗布し硬化さ
せたものである。ここで、水性エマルジョンとしては、
EVAエマルジョンのような酢酸ビニル系エマルジョン
やEEAエマルジョンのようなアクリル系エマルジョン
等が、有機難燃剤としては、塩素化パラフィン、塩素化
ナフタリン、デカブロモジフェニルオキサイド、ポリリ
ン酸アンモニウム等が、難燃助剤としては、三酸化アン
チモン、ほう酸亜鉛、酸化亜鉛等が、無機充填剤として
は、水酸化アルミニウム(水和アルミナ)、炭酸カルシ
ウム、含水ケイ酸マグネシウム、クレー、チタン白、タ
ルク等が、不燃性繊維としては、アスベスト、セラミッ
ク繊維、フェノール繊維、ガラス繊維等が、可塑剤とし
ては、トリス(β -クロロエチル)ホスフェートのよう
なリン酸エステル、塩素化ビフェニル、フタル酸ジブチ
ル等がそれぞれ挙げられる。
【0012】このような延焼防止材の市販品としては、
例えばフレームコート(当社の商品名)、フレイムマス
チック(日立電線株式会社の商品名)、エフコートB
(藤倉電線株式会社の商品名)、ダンネッカ(古河電工
株式会社の商品名)等がある。本発明の剥離剤において
は、有機溶剤として、ベンジルアルコールが単独で使用
されるか、あるいはベンジルアルコールに芳香族炭化水
素系溶剤を有機溶剤全体の50重量%以下の割合を占める
ように配合した溶剤が使用される。ここで、芳香族炭化
水素系溶剤としては、ベンゼン環を有する化合物のうち
で、異種元素を含まず炭素と水素のみから構成されてい
る化合物で、常温液状で溶剤として使用可能なものが用
いられ、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等が例示
される。ベンジルアルコールと芳香族炭化水素系溶剤と
の併用において、有機溶剤全体に占める芳香族炭化水素
系溶剤の好ましい割合を、50重量%以下に限定したの
は、有機溶剤全体の50重量%を越えて芳香族炭化水素系
溶剤を配合した場合には、PVCシースの機械的特性、
強度等が低下して好ましくないためである。
【0013】本発明においては、このようなベンジルア
ルコール単独あるいはベンジルアルコールと芳香族炭化
水素系溶剤とを混合した有機溶剤に対して、難燃性付与
成分として、40〜 100重量%の水が配合される。水の配
合量をこのような割合に限定したのは、以下に示す理由
による。すなわち、有機溶剤に対する水の配合割合が40
重量%未満の場合には、十分な難燃性が得られず、反対
に水の配合割合が 100重量%を越えると、得られる剥離
剤の延焼防止被覆に対する軟化効果が不十分になるばか
りでなく、所望の粘度(硬さ)に調整するために、繊維
状物質等を多量に配合しなければならず、好ましくな
い。
【0014】本発明における界面活性剤は、分子内に親
水基と疎水基とを合せ持ち、水−油の2相界面に強く吸
着されて、界面張力を著しく低下させる作用を示す物質
であり、例えばグリセリン脂肪酸エステルやポリグリセ
リン脂肪酸エステル等を使用することができる。そし
て、これらの界面活性剤の配合量は、前記したベンジル
アルコール単独あるいはベンジルアルコールと芳香族炭
化水素系溶剤とを混合した有機溶剤に対して、 1〜 5重
量%の割合とする。界面活性剤の配合量が有機溶剤の 1
重量%未満の場合には、有機溶剤と水とが分離しやす
い。反対に、界面活性剤を 5重量%を越えて配合して
も、それ以上の乳化分散効果は得られない。
【0015】本発明の剥離剤においては、有機溶剤と水
とを混合したこれらの溶剤に対して、以下に示す粘着
剤、繊維状物質、難燃剤等が配合され、適当な粘度に調
整されるとともに、さらに難燃性乃至低引火性が付与さ
れる。
【0016】すなわち、粘着剤は、前記した溶剤が延焼
防止被覆に浸透して吸収された後、残留する成分をそれ
自体の粘着力により包み込んで延焼防止被覆の外周に付
着させ、それにより粉体成分等の飛散を防止する機能を
有するものであり、粘度 5000cps以上の高い粘性を有す
る樹脂ラテックス、例えばアクリル樹脂系ラテックス
(分散液)やEVA系ラテックス等が使用される。な
お、このようなラテックス系の粘着剤を配合した剥離剤
においては、銅の腐食を抑える働きを有する防錆剤を添
加することが望ましい。ここで、防錆剤としては、ベン
ゾトリアゾール(BTA)、またはBTAの誘導体であ
る、1-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリ
アゾール、1,H-ベンゾトリアゾール、トルトライアゾー
ル、2-メルカプトベンゾチアゾール等が使用される。そ
して、このような防錆剤の添加量は、前記した溶剤に対
して 1〜10重量%、より好ましくは 2〜 5重量%の割合
とする。防錆剤の添加量が溶剤の 1重量%未満では、添
加による腐食抑制効果が現れず、逆に添加量が10重量%
を越えても、防錆効果の向上が見られない。
【0017】また、溶剤が延焼防止被覆に浸透吸収され
た後残留成分を一塊りに纏めて固まらせる機能を有する
繊維状物質を、前記粘着剤とともに配合し、粉体成分等
の飛散を防ぎ、取り除き作業あるいは廃棄処理作業を容
易にすることができる。このような繊維状物質として
は、フェノール樹脂繊維やカーボン繊維、木粉、ココナ
ットやし殻粉、コルク粉、セルロースパウダ、木材パル
プ、紙や布の粉等があり、特に、フェノール樹脂繊維で
あるカイノール(日本カイノール株式会社の商品名)や
セルロースパウダの使用が望ましい。
【0018】さらに、液状の難燃剤および/または粉体
状の無機難燃剤を配合することができる。ここで、液状
の難燃剤としては、トリス(β -クロロエチル)ホスフ
ェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(ジブロモプロピル)ホスフェートのような含ハロ
ゲンリン酸エステルや、塩素化パラフィン等の有機難燃
剤がある。これらの有機難燃剤は、プラスチック等の分
子(炭化水素)が高温酸化して発生するOHフリーラジ
カルを捕捉して連鎖反応を停止すると同時に、プラスチ
ック等の炭化を促進し、分解により低分子量可燃性物質
が生じないようにする機構により、あるいは不燃性のガ
スを発生する機構により、燃焼の継続を抑える働きをす
る。
【0019】また、粉体状の無機難燃剤としては、水酸
化アルミニウム(Al(OH)3 )、水酸化マグネシウ
ム(Mg(OH)2 )、炭酸水素ナトリウム(NaHC
3)等がある。これらの無機難燃剤は、加熱により分
解揮発する構造水が冷却剤として作用することにより、
あるいはそれ自体が吸熱分解反応をすることにより、燃
焼を抑え自己消火性を付与する働きをする。
【0020】液状の有機難燃剤の配合量は、前記したベ
ンジルアルコール単独あるいはベンジルアルコールと芳
香族炭化水素系溶剤とを混合した有機溶剤に対して、20
〜40重量%の割合とする。液状有機難燃剤の配合割合が
有機溶剤の20重量%未満では、粉体状の難燃剤をどれだ
け加えても難燃効果があまり上がらず、また40重量%を
越えた場合には、剥離剤の延焼防止被覆を膨潤軟化させ
る効果が低下し、へらで剥離可能となるまでに時間がか
かる。さらに、粉体状の無機難燃剤の配合量は、同じく
有機溶剤に対して 100〜 200重量%の割合とし、かつ剥
離剤に効果的に難燃性を持たせるために、液状有機難燃
剤の配合量に応じて調整された割合とすることが望まし
い。粉体状無機難燃剤の配合割合が有機溶剤の 100重量
%未満では、剥離剤が十分な難燃効果を持つようにする
には、液状有機難燃剤を前記した範囲を越えて多量に配
合しなければならず、必然的に延焼防止被覆を膨潤軟化
させる効果が低下し、また 200重量%を越えて配合した
場合には、剥離剤が固くなりすぎて塗布作業が難しくな
り、好ましくない。
【0021】本発明においては、剥離剤を塗布すべき延
焼防止被覆の施工面の形態、すなわち水平面であるか垂
直面であるかによって、あるいは剥離剤の塗布方法、す
なわちへら塗りであるかポンプ等を用いて押し出す機械
塗りであるかによって、液状有機難燃剤や粉体状無機難
燃剤、繊維状物質等の配合割合をそれぞれ変化させ、剥
離剤の粘度(硬さ)を調整することができる。
【0022】さらに本発明の剥離剤では、表面または内
部に有機溶剤を吸着あるいは吸収保持し、粘度を増大さ
せるなどの働きにより、必要かつ十分な量の有機溶剤を
延焼防止被覆の所望の部位に安定して付着させる機能を
有する保持材を、配合することができる。ここで、保持
材としては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレ
ー、アルミナのような無機充填剤、粉末ゴム、アクリル
樹脂やPVC等のプラスチック粉末、ゼオライトのよう
な無機多孔質材、発泡ゴム、発泡プラスチックのような
有機多孔質材、あるいは、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム(CMC)のような水溶性セルロースエーテ
ルや、アクリル酸ナトリウム系、界面活性剤系、アクリ
ル系等の増粘剤を使用することができる。これら保持材
の配合割合は、ゼオライトのような無機多孔質材の場合
は、無機多孔質材に対して10〜30重量%の有機溶剤が吸
着されるような割合とする。また、無機充填剤を用いる
場合その配合量は、有機溶剤に対して 100〜 300重量%
の割合とすることが望ましい。
【0023】またさらに本発明において、このような保
持材や繊維状物質などの固形成分を配合する場合には、
溶剤中での分散を促進し沈降を防止する機能を有する沈
降防止剤を添加混合することができる。沈降防止剤とし
ては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、
高分子カップリング剤のようなカップリング剤や、粒径
数μm のシリカ微粉末等がある。これらの沈降防止剤の
添加割合は、保持材等の固形分の総量に対して適宜選択
される。
【0024】本発明の剥離剤は、ベンジルアルコールを
主体とする有機溶剤と水とを配合したものに、界面活性
剤を加えて均一に混合分散させ、この混合溶剤に液状の
難燃剤やラテックス系の粘着剤を加えて、これらの成分
が完全に溶解するまで撹拌混合し、さらに繊維状物質や
粉体状の無機難燃剤等を加えて混合することにより得ら
れる。このとき溶剤の臭いをカバーする目的で、香料を
添加することも可能である。
【0025】こうして得られる本発明の剥離剤は、ペー
スト状を呈しており、電線、ケーブル上に設けられた延
焼防止被覆の外周に塗布あるいは被着される。そして、
30時間以上(通常96〜 120時間)放置した後、溶剤の浸
透により膨潤軟化した延焼防止被覆を、剥離剤の塗布層
とともに木製や竹製のへらを用いて剥離除去する。
【0026】ここで、剥離剤を塗布するには、へらやド
クターナイフ等を用いて、 5〜20mm程度の厚さに塗り付
ける方法が採られる。剥離剤の塗布厚を 5〜20mmとした
のは、塗布厚が 5mm未満では、延焼防止被覆を膨潤軟化
させるのに十分な溶剤量を確保することができず、また
20mm以上の厚さに塗布しても、延焼防止被覆を膨潤させ
る効果がそれ以上増大することがないためである。ま
た、剥離剤塗布後の放置時間を30時間以上としたのは、
30時間未満では、延焼防止被覆の種類によってはあまり
膨潤しないものがあるためであり、最長放置時間を 120
時間程度としたのは、それ以上放置しても著しい効果の
増大が見られないためである。
【0027】本発明の剥離剤の塗布あるいは被着による
膨潤軟化効果は、通常数mmの厚さに及ぶため、延焼防止
被覆が厚いところでは、前記した一連の操作を 2〜 3回
繰り返して被覆を完全に剥離する必要がある。
【0028】さらに、剥離剤の塗布または被着層の上か
ら、バンドヒータのような面状ヒータ、赤外線ヒータ、
温風機等を用いて20〜50℃に加温することにより、延焼
防止被覆への剥離剤の浸透と膨潤軟化を促進し、剥離効
果をさらに上げることができる。このようなヒータによ
る加温は、特に外気温が低い場合の軟化を促進する上で
有効である。
【0029】またさらに、剥離剤の塗布層等の上に直接
あるいは前記ヒータ等の上に、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート等のシートやアル
ミニウム箔シートのような、液体を透過させない気密性
シートを被せることができる。このように気密性のシー
トを被せた場合には、シートにより剥離剤(溶剤成分)
の蒸発揮散が抑えられてこれが効率的に浸透するので、
延焼防止被覆の軟化がさらに促進される。
【0030】本発明の剥離剤においては、ベンジルアル
コールを主体とする有機溶剤と水とを混合した溶剤が用
いられているので、溶剤が延焼防止被覆中に浸透してこ
れを常温短時間で膨潤させ、へら等による剥離が容易な
程度に軟化させることができるうえに、剥離剤自体が難
燃性を有し、万一延焼防止被覆の剥離作業中に火災事故
等が発生した場合にも、剥離剤に引火して燃焼すること
がなく、延焼が効果的に防止される。また、界面活性剤
が添加され、有機溶剤と水とが均一に混じり合っている
ので、両者が分離することがなく、保管性に優れ塗布作
業性も良好である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0032】実施例1〜4 まずPVCシースケーブル(外径12mm)の外周に、当社
のフレームコートを乾燥後の厚さが15mmとなるように塗
布し、乾燥硬化させて延焼防止被覆とした。
【0033】次に、表1に示す配合組成の剥離剤を、以
下に示すようにして調製した。すなわち、ベンジルアル
コールに、粘着剤であるポリトロン(旭化成工業株式会
社のアクリル系ラテックスの商品名)と界面活性剤であ
るポエム(理研ビタミン株式会社の商品名)を、それぞ
れ表に示す割合で加え、必要に応じて若干加熱しながら
ラテックスが溶解するまで良く撹拌した後、得られた粘
稠溶液に、水を加えて撹拌混合した。次いで、白濁した
溶液に、繊維状物質であるKCフロック(日本製紙株式
会社のセルロースパウダの商品名)と無機難燃剤である
ハイジライト(昭和電工株式会社の水酸化アルミニウム
の商品名)とを、それぞれ同表に示す割合で加え、さら
に実施例2〜4では香料であるSX−6013(高砂香
料工業株式会社の商品名)を加えて混練し、ペースト状
の剥離剤とした。
【0034】また、比較のために、ベンジルアルコール
のみ、あるいはベンジルアルコールとキシレンとの混合
溶剤に、水と界面活性剤(比較例4においては、いずれ
も無添加)、粘着剤、繊維状物質および粉体状無機難燃
剤等を、それぞれ同表に示す配合組成で添加混合し、剥
離剤を調製した。
【0035】次いで、実施例および比較例でそれぞれ得
られた剥離剤を、前記したケーブルの延焼防止被覆の外
周に15mmの厚さに塗布し、 120時間放置した後、延焼防
止被覆の硬度(初期硬度は75)を JIS K6301 Aに準じて
測定するとともに、 1回の剥離剤塗布で剥離可能な延焼
防止被覆の厚さを測定した。また、へらによる剥離試験
を行ない、剥離性を評価した。さらに、 JIS K7201に準
じて剥離剤の燃焼試験を行ない、難燃性を評価するとと
もに酸素指数を測定した。またさらに、実施例および比
較例で得られた剥離剤を、 5日間放置し、有機溶剤と水
との分離の有無を調べた。これらの測定結果を、表1下
欄に示す。
【0036】
【表1】 表から明らかなように、ベンジルアルコールにその40〜
100重量%の水と 1〜5重量%の界面活性剤とを加えて
混合し、さらにラテックス系の粘着剤と繊維状物質およ
び粉体状無機難燃剤等を配合した実施例1〜4の剥離剤
は、規定の放置時間(96〜 120時間)で、ケーブルの延
焼防止被覆を 4〜 5mmの厚さに亘って、へら等による剥
離が可能な程度まで膨潤軟化させることができるうえ
に、燃焼試験での酸素指数が大きく着火後すぐに消火す
る。また、長時間放置しても、溶剤であるベンジルアル
コールと水とがほとんど分離することがなく、保管が容
易で塗布作業性が良好である。
【0037】これに対して、ベンジルアルコールに水を
100重量%を越えて配合し、さらに1〜 5重量%の界面
活性剤と粘着剤、繊維状物質等を配合した比較例1の剥
離剤においては、ベンジルアルコールと水とが分離しや
すいばかりでなく、延焼防止被覆に対する膨潤軟化効果
が十分でなく、 1回の塗布で剥離することができる延焼
防止被覆の厚さが薄い。また、ベンジルアルコールとキ
シレンとを混合してなる有機溶剤に、40〜 100重量%の
水と 1重量%未満の界面活性剤とを配合した溶剤を用い
た比較例2の剥離剤では、有機溶剤と水とが分離しやす
く、均一に混合分散された剥離剤が得られない。さら
に、ベンジルアルコールとキシレンとを混合してなる有
機溶剤に、水を全く配合しないか、あるいは配合しても
配合量が有機溶剤の40重量%未満である比較例3〜4の
剥離剤においては、酸素指数が低く、着火後燃焼が継続
するなど十分な難燃性を持たない。特に、比較例4の剥
離剤では、粉体状無機難燃剤も配合されていないので、
難燃性を持たずそれ自体が極めてよく燃焼する。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の剥離剤によれば、延焼防止被覆の所望の部位のみに剥
離剤を塗布し、短時間で膨潤軟化させて容易に剥離を行
なうことができ、ケーブルシースに傷を付けるおそれが
ない。また、剥離剤自体が難燃性を有し、万一延焼防止
被覆の剥離作業中に火災事故等が発生した場合にも、剥
離剤に引火して燃焼することがなく、延焼が効果的に防
止される。また、界面活性剤が添加されているので、有
機溶剤と水とが均一に混合分散して分離することがな
く、保管性に優れ塗布作業性も良好である。
【0039】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線、ケーブル上に設けられた延焼防止
    被覆の外周に塗布する剥離剤において、 ベンジルアルコールと、該ベンジルアルコールに対して
    40〜 100重量%の水と、同じくベンジルアルコールに対
    して 1〜 5重量%の界面活性剤とを含有することを特徴
    とする延焼防止被覆用剥離剤。
  2. 【請求項2】 電線、ケーブル上に設けられた延焼防止
    被覆の外周に塗布する剥離剤において、 ベンジルアルコールを主体とし芳香族炭化水素系溶剤を
    配合した有機溶剤と、該有機溶剤に対して40〜 100重量
    %の水と、同じく有機溶剤に対して 1〜 5重量%の界面
    活性剤とを含有することを特徴とする延焼防止被覆用剥
    離剤。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステ
    ルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特
    徴とする請求項1または2記載の延焼防止被覆用剥離
    剤。
JP8313972A 1996-11-25 1996-11-25 延焼防止被覆用剥離剤 Withdrawn JPH10152633A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309126A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Kansai Electric Power Co Inc:The 延焼防止被覆用剥離剤
CN1319655C (zh) * 2003-01-31 2007-06-06 关东化成工业株式会社 未熟化或未干漆的清洗液、清洗方法和设备、清洗液的应用
JP2014105253A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Yokohama Yushi Kogyo Kk エチレン−酢酸ビニル共重合体の剥離剤
CN105255249A (zh) * 2015-11-02 2016-01-20 中国人民解放军镇江船艇学院 一种船舶专用的环保型脱漆剂及其制备方法

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