JPH10152730A - 卑金属中の陽性金属除去方法 - Google Patents
卑金属中の陽性金属除去方法Info
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- JPH10152730A JPH10152730A JP31465296A JP31465296A JPH10152730A JP H10152730 A JPH10152730 A JP H10152730A JP 31465296 A JP31465296 A JP 31465296A JP 31465296 A JP31465296 A JP 31465296A JP H10152730 A JPH10152730 A JP H10152730A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 卑金属中の陽性金属を効率よく除去する方
法を提供する。 【解決手段】塩化物のほうが安定な酸化物等を酸素源と
して用い、陽性金属を含む卑金属熔体に、上記酸素源の
存在下で塩素ガスを導入し、該酸素源を塩素化する際に
発生する酸素によって熔体中の陽性金属を酸化しスラグ
化して除去する。
法を提供する。 【解決手段】塩化物のほうが安定な酸化物等を酸素源と
して用い、陽性金属を含む卑金属熔体に、上記酸素源の
存在下で塩素ガスを導入し、該酸素源を塩素化する際に
発生する酸素によって熔体中の陽性金属を酸化しスラグ
化して除去する。
Description
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、卑金属に含まれる陽性金
属を効率よく、かつ簡単に除去する方法に関する。本発
明は電池廃材のニッケル−コバルト合金等の脱鉄方法な
どとして好適である。
属を効率よく、かつ簡単に除去する方法に関する。本発
明は電池廃材のニッケル−コバルト合金等の脱鉄方法な
どとして好適である。
【0002】
【従来技術】ニッケル−水素電池(Ni-MH電池)などには
水素吸蔵材料としてニッケル−コバルト合金が用いられ
ており、このNi-MH電池の製造工程において生じる不良
品や廃材あるいは使用済みNi-MH電池(これらを総称し
て電池廃材と云う)には、ニッケルおよびコバルトがか
なりの割合で含まれている。このため、資源の有効利用
および環境保護を図るため、これらの廃棄物からニッケ
ルおよびコバルトを効率良く回収して再利用することが
求められている。
水素吸蔵材料としてニッケル−コバルト合金が用いられ
ており、このNi-MH電池の製造工程において生じる不良
品や廃材あるいは使用済みNi-MH電池(これらを総称し
て電池廃材と云う)には、ニッケルおよびコバルトがか
なりの割合で含まれている。このため、資源の有効利用
および環境保護を図るため、これらの廃棄物からニッケ
ルおよびコバルトを効率良く回収して再利用することが
求められている。
【0003】この場合、電池廃材には鉄が多量に含まれ
ており、ニッケルおよびコバルトを回収して再利用する
ためには鉄を効率よく除去する必要がある。従来知られ
ている脱鉄方法としては、(イ)ニッケル−コバルト合金
の熔体に塩素ガスを吹き込んで不純物の鉄を塩素化し、
塩化鉄として揮発除去させる方法、(ロ)塩素ガスに代え
て塩化物を加え、鉄を塩素化する方法。(ハ)ニッケル−
コバルト合金の熔体に酸素ガスを吹き込み、鉄を優先的
に酸化させてスラグ化する方法などが知られている。
ており、ニッケルおよびコバルトを回収して再利用する
ためには鉄を効率よく除去する必要がある。従来知られ
ている脱鉄方法としては、(イ)ニッケル−コバルト合金
の熔体に塩素ガスを吹き込んで不純物の鉄を塩素化し、
塩化鉄として揮発除去させる方法、(ロ)塩素ガスに代え
て塩化物を加え、鉄を塩素化する方法。(ハ)ニッケル−
コバルト合金の熔体に酸素ガスを吹き込み、鉄を優先的
に酸化させてスラグ化する方法などが知られている。
【0004】
【発明の解決課題】しかし、鉄を塩素化して揮発除去す
る方法は、鉄の含有量が多いと多量の塩化鉄が発生して
煙道に付着し閉塞する等の問題がある。しかも塩素ガス
を熔体に吹き込むものは、その反応効率が低く、また塩
化物を用いるものは添加した塩化物が揮発するのでやは
り反応効率が低い問題がある。酸素ガスを吹き込む方法
は、このような問題はないが、酸化が進行して熔体中の
鉄濃度が低くなるとコバルトやニッケルの酸化が進み、
これらの回収率が低下する。本発明は従来の処理方法に
おける上記問題を解決したものであり、卑金属含有金属
から効率よく卑金属を除去する方法を提供することを目
的とする。
る方法は、鉄の含有量が多いと多量の塩化鉄が発生して
煙道に付着し閉塞する等の問題がある。しかも塩素ガス
を熔体に吹き込むものは、その反応効率が低く、また塩
化物を用いるものは添加した塩化物が揮発するのでやは
り反応効率が低い問題がある。酸素ガスを吹き込む方法
は、このような問題はないが、酸化が進行して熔体中の
鉄濃度が低くなるとコバルトやニッケルの酸化が進み、
これらの回収率が低下する。本発明は従来の処理方法に
おける上記問題を解決したものであり、卑金属含有金属
から効率よく卑金属を除去する方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、金属熔体に酸素ガスを直
接に導入して鉄を酸化するのではなく、塩化物のほうが
より安定な酸化物や炭酸塩などを酸素源として利用し、
この酸素源の存在下で金属熔体に塩素ガスを導入するこ
とにより、上記酸素源を塩化物に変え、この時に発生す
る高活性の酸素によって熔体中の陽性金属を効率よく酸
化してスラグ化し、金属熔体から除去できるようにした
ものである。
接に導入して鉄を酸化するのではなく、塩化物のほうが
より安定な酸化物や炭酸塩などを酸素源として利用し、
この酸素源の存在下で金属熔体に塩素ガスを導入するこ
とにより、上記酸素源を塩化物に変え、この時に発生す
る高活性の酸素によって熔体中の陽性金属を効率よく酸
化してスラグ化し、金属熔体から除去できるようにした
ものである。
【0006】すなわち本発明は、(1)陽性金属を含む卑
金属熔体に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸
化物、炭酸塩または水酸化物から選択される酸素源の存
在下で、塩素ガスを導入することにより該酸素源を塩素
化する際に発生する酸素によって熔体中の陽性金属を酸
化し、該金属酸化物をスラグに移行させて金属熔体から
除去することを特徴とする酸化性金属の除去方法であ
る。
金属熔体に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸
化物、炭酸塩または水酸化物から選択される酸素源の存
在下で、塩素ガスを導入することにより該酸素源を塩素
化する際に発生する酸素によって熔体中の陽性金属を酸
化し、該金属酸化物をスラグに移行させて金属熔体から
除去することを特徴とする酸化性金属の除去方法であ
る。
【0007】本発明の上記除去方法は以下の態様を含
む。 (2)陽性金属を含有する卑金属をフラックスと共に溶融
し、これに酸素含有ガスを導入して陽性金属の酸化を進
めた後に、酸素源を添加して塩素ガスを導入する除去方
法、(3)陽性金属を含む卑金属が、鉄を含有するニッケ
ル、コバルトあるいはこれらの合金である除去方法、
(4)陽性金属を含む卑金属が鉄含有ニッケル−コバルト
合金からなる電池廃材である除去方法、(5)酸素源が、
酸化カルシウム 、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、
炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムから選択される
1種または2種の化合物である除去方法。
む。 (2)陽性金属を含有する卑金属をフラックスと共に溶融
し、これに酸素含有ガスを導入して陽性金属の酸化を進
めた後に、酸素源を添加して塩素ガスを導入する除去方
法、(3)陽性金属を含む卑金属が、鉄を含有するニッケ
ル、コバルトあるいはこれらの合金である除去方法、
(4)陽性金属を含む卑金属が鉄含有ニッケル−コバルト
合金からなる電池廃材である除去方法、(5)酸素源が、
酸化カルシウム 、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、
炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムから選択される
1種または2種の化合物である除去方法。
【0008】
【具体的な説明】以下、本発明の除去方法について具体
的に説明する。なお、以下の説明において特に表示しな
い限り%は重量%である。
的に説明する。なお、以下の説明において特に表示しな
い限り%は重量%である。
【0009】本発明の除去方法は、塩化物のほうが安定
である酸化物、炭酸塩または水酸化物を酸素源として用
い、この酸素源の存在下で陽性金属を含む卑金属熔体に
塩素ガスを導入することにより該酸素源を塩素化し、こ
の際に発生する高活性の酸素によって金属熔体に含まれ
る陽性金属を酸化し、該金属酸化物をスラグに移行させ
て金属熔体から除去する方法である。
である酸化物、炭酸塩または水酸化物を酸素源として用
い、この酸素源の存在下で陽性金属を含む卑金属熔体に
塩素ガスを導入することにより該酸素源を塩素化し、こ
の際に発生する高活性の酸素によって金属熔体に含まれ
る陽性金属を酸化し、該金属酸化物をスラグに移行させ
て金属熔体から除去する方法である。
【0010】本発明の除去方法において卑金属とは金、
銀、銅および白金族元素を除く金属元素であり、2種以
上の金属元素からなる合金を含む。また陽性金属とは該
陽性金属を含む卑金属よりもイオン化傾向が大きく酸化
され易い金属を云う。具体的には、例えば、電池廃材の
ように鉄を含むニッケル−コバルト合金やクロムを含有
する鉄などが挙げられる。上記除去方法において酸素源
として用いるものは、塩化物のほうが安定である酸化
物、炭酸塩または水酸化物である。これにはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩または水酸
化物を用いることができる。具体的には、酸化カルシウ
ム 、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ムまたは水酸化ナトリウムから選択される1種または2
種の化合物が適当である。
銀、銅および白金族元素を除く金属元素であり、2種以
上の金属元素からなる合金を含む。また陽性金属とは該
陽性金属を含む卑金属よりもイオン化傾向が大きく酸化
され易い金属を云う。具体的には、例えば、電池廃材の
ように鉄を含むニッケル−コバルト合金やクロムを含有
する鉄などが挙げられる。上記除去方法において酸素源
として用いるものは、塩化物のほうが安定である酸化
物、炭酸塩または水酸化物である。これにはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩または水酸
化物を用いることができる。具体的には、酸化カルシウ
ム 、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ムまたは水酸化ナトリウムから選択される1種または2
種の化合物が適当である。
【0011】以下、上記除去方法を処理工程ごとに説明
する。(I) 溶融 処理すべき卑金属を加熱溶融して金属熔体にする。な
お、材料に応じて前処理を適宜施すのが好ましい。例え
ば、電池廃材などを処理する場合には、外装缶の一部を
開口あるいは切断して、加熱時に電池に内蔵されている
水素吸蔵合金から発生する水素ガスが缶外に抜け出すよ
うにし、爆発などを生じないように窒素等の不活性ガス
雰囲気下で加熱するのが好ましい。
する。(I) 溶融 処理すべき卑金属を加熱溶融して金属熔体にする。な
お、材料に応じて前処理を適宜施すのが好ましい。例え
ば、電池廃材などを処理する場合には、外装缶の一部を
開口あるいは切断して、加熱時に電池に内蔵されている
水素吸蔵合金から発生する水素ガスが缶外に抜け出すよ
うにし、爆発などを生じないように窒素等の不活性ガス
雰囲気下で加熱するのが好ましい。
【0012】(II)酸素源の添加 卑金属の溶融時あるいは溶融後に上記酸素源を添加す
る。好適な酸素源の例としては、酸化カルシウム(CaO)
、酸化ナトリウム(Na2O) 、水酸化ナトリウム(NaOH)、
炭酸カルシウム(CaCO3) 、炭酸ナトリウム(Na2CO3)など
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以
上の混合物として用いてもよい。なお、酸化カルシウム
は融点が高いので適当なフラックス、例えば、塩化カル
シウムなどと併用すると良い。酸素源の添加量は除去す
べき陽性金属が未酸化のまま残留しないように該陽性金
属に対する当量よりやや過剰に用いる。なお、当量を大
きく超えて用いると陽性金属の大部分が酸化した後に卑
金属の酸化が進行し、スラグロスが大きくなるので好ま
しくない。
る。好適な酸素源の例としては、酸化カルシウム(CaO)
、酸化ナトリウム(Na2O) 、水酸化ナトリウム(NaOH)、
炭酸カルシウム(CaCO3) 、炭酸ナトリウム(Na2CO3)など
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以
上の混合物として用いてもよい。なお、酸化カルシウム
は融点が高いので適当なフラックス、例えば、塩化カル
シウムなどと併用すると良い。酸素源の添加量は除去す
べき陽性金属が未酸化のまま残留しないように該陽性金
属に対する当量よりやや過剰に用いる。なお、当量を大
きく超えて用いると陽性金属の大部分が酸化した後に卑
金属の酸化が進行し、スラグロスが大きくなるので好ま
しくない。
【0013】(III)塩素ガスの導入 卑金属の熔体に上記酸素源の存在下で塩素ガスを導入す
る。塩素ガスの導入は卑金属熔体を溜めた密閉加熱炉な
どに塩素ガスを吹き込めばよいが、反応効率を高めるた
めに熔体中に吹き込むと良い。塩素ガスの導入により上
記酸化物等が塩素化され、これに伴い活性な酸素が放出
され、この酸素によって卑金属中の陽性金属が酸化され
てスラグ化する。
る。塩素ガスの導入は卑金属熔体を溜めた密閉加熱炉な
どに塩素ガスを吹き込めばよいが、反応効率を高めるた
めに熔体中に吹き込むと良い。塩素ガスの導入により上
記酸化物等が塩素化され、これに伴い活性な酸素が放出
され、この酸素によって卑金属中の陽性金属が酸化され
てスラグ化する。
【0014】例えば、ニッケル−コバルト合金の溶融浴
に生石灰(CaO)を加えて塩素ガスを吹き込んだ場合に
は、次式に示すように、生石灰が塩化カルシウムとな
り、生じた酸素によって鉄が酸化される。酸化ナトリウ
ムを用いた場合にも同様に鉄がスラグ化される。 CaO +Fe+Cl2 −−→ CaCl2 +FeO Na2O+Fe+Cl2 −−→ 2NaCl +FeO
に生石灰(CaO)を加えて塩素ガスを吹き込んだ場合に
は、次式に示すように、生石灰が塩化カルシウムとな
り、生じた酸素によって鉄が酸化される。酸化ナトリウ
ムを用いた場合にも同様に鉄がスラグ化される。 CaO +Fe+Cl2 −−→ CaCl2 +FeO Na2O+Fe+Cl2 −−→ 2NaCl +FeO
【0015】塩素ガスの導入量は、酸化源が十分に塩素
化されるように、該酸化源に対する当量よりやや過剰に
用いると良い。やや過剰量程度であれば、塩素化反応の
後半で未反応の酸素源が減少するのに伴い鉄の一部が塩
素化され、塩化鉄を生じて揮発するが、その量は少なく
煙道閉塞などの障害を生じない。塩素ガスの導入量が少
ないと陽性金属の酸化が不十分になる。また、当量を大
きく超えて用いると酸化源の塩素化と共に卑金属が塩素
化される量が多くなるので好ましくない。
化されるように、該酸化源に対する当量よりやや過剰に
用いると良い。やや過剰量程度であれば、塩素化反応の
後半で未反応の酸素源が減少するのに伴い鉄の一部が塩
素化され、塩化鉄を生じて揮発するが、その量は少なく
煙道閉塞などの障害を生じない。塩素ガスの導入量が少
ないと陽性金属の酸化が不十分になる。また、当量を大
きく超えて用いると酸化源の塩素化と共に卑金属が塩素
化される量が多くなるので好ましくない。
【0016】本発明の処理方法では、酸素源の塩素化に
よって生じた活性な酸素を利用して陽性金属を酸化する
ので酸化反応の効率が格段に良い。また陽性金属の酸化
物は副生した塩化物と共に安定なスラグを形成するの
で、揮発による煙道閉塞などの障害を引き起こす虞が無
く、金属熔体との分離も容易である。
よって生じた活性な酸素を利用して陽性金属を酸化する
ので酸化反応の効率が格段に良い。また陽性金属の酸化
物は副生した塩化物と共に安定なスラグを形成するの
で、揮発による煙道閉塞などの障害を引き起こす虞が無
く、金属熔体との分離も容易である。
【0017】(IV)2段階の処理法 塩素ガスの導入に先立ち、フラックスを熔体に加えて酸
素ガスあるいは空気を導入して大まかな酸化を行ない、
しかる後に酸素源の存在下で塩素ガスによる上記処理を
行なってもよい。酸素ガスないし空気の導入方法等は制
限されない。導入量等は処理する卑金属および陽性金属
の種類やその含有量などに応じて定めれば良い。
素ガスあるいは空気を導入して大まかな酸化を行ない、
しかる後に酸素源の存在下で塩素ガスによる上記処理を
行なってもよい。酸素ガスないし空気の導入方法等は制
限されない。導入量等は処理する卑金属および陽性金属
の種類やその含有量などに応じて定めれば良い。
【0018】フラックスは生成した酸化鉄を吸収するも
のであれば良く、塩化カルシウムなどのアルカリ金属な
いしアルカリ土類金属のハロゲン化物、或いは、シリカ
またはアルミナを含むものが好適である。特に鉄をスラ
グ化して除去する場合には、シリカ(SiO2)−アルミナ(A
l2O3)−石灰(CaO)からなる3成分系のフラックスが好ま
しい。このフラックスは安価であるうえに、比重および
粘性の点で鉄との分離性が良くメタル分とスラグの剥離
が良好である。また、アルミナ分を含むので、アルミナ
製の容器に対して侵蝕や溶損を防止するので安全に使用
できる利点がある。
のであれば良く、塩化カルシウムなどのアルカリ金属な
いしアルカリ土類金属のハロゲン化物、或いは、シリカ
またはアルミナを含むものが好適である。特に鉄をスラ
グ化して除去する場合には、シリカ(SiO2)−アルミナ(A
l2O3)−石灰(CaO)からなる3成分系のフラックスが好ま
しい。このフラックスは安価であるうえに、比重および
粘性の点で鉄との分離性が良くメタル分とスラグの剥離
が良好である。また、アルミナ分を含むので、アルミナ
製の容器に対して侵蝕や溶損を防止するので安全に使用
できる利点がある。
【0019】上記フラックの各成分の量比は、シリカ分
が55〜70%、石灰分が2〜10%およびアルミナ分
が20%以上からなるものが好ましい。シリカが55%
を下回るものは鉄の分離効果が低下し、特にシリカ分が
10%程度のものは鉄の熔体中への残留量が多くなる。
また、シリカ分が70%を上回ると相対的にアルミナ分
および石灰分が少なくなり、石灰分が2%未満では鉄の
分離効果が低くなる。一方、石灰分が15%を超えると
相対的にシリカ分およびアルミナ分が少なくなり、鉄の
分離効果が低下するので、石灰分は5%が適当である。
また、アルミナ分が10%程度ではやはり鉄の分離効果
が低く、従ってアルミナ分は20%以上が好ましい。一
方、アルミナ分が85%程度になると相対的にシリカ分
ないし石灰分が所定の量比を下回り、鉄の分離効果が低
下するので好ましくない。
が55〜70%、石灰分が2〜10%およびアルミナ分
が20%以上からなるものが好ましい。シリカが55%
を下回るものは鉄の分離効果が低下し、特にシリカ分が
10%程度のものは鉄の熔体中への残留量が多くなる。
また、シリカ分が70%を上回ると相対的にアルミナ分
および石灰分が少なくなり、石灰分が2%未満では鉄の
分離効果が低くなる。一方、石灰分が15%を超えると
相対的にシリカ分およびアルミナ分が少なくなり、鉄の
分離効果が低下するので、石灰分は5%が適当である。
また、アルミナ分が10%程度ではやはり鉄の分離効果
が低く、従ってアルミナ分は20%以上が好ましい。一
方、アルミナ分が85%程度になると相対的にシリカ分
ないし石灰分が所定の量比を下回り、鉄の分離効果が低
下するので好ましくない。
【0020】フラックスの添加量は概ね卑金属100重
量部に対して20〜35重量部、好ましくは25〜30
重量部が適当である。フラックスの添加量が上記範囲よ
り少ないと金属の分離効果が十分ではなく、また該添加
量が上記範囲を上回ると処理コストの無駄が多くなる。
量部に対して20〜35重量部、好ましくは25〜30
重量部が適当である。フラックスの添加量が上記範囲よ
り少ないと金属の分離効果が十分ではなく、また該添加
量が上記範囲を上回ると処理コストの無駄が多くなる。
【0021】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例および比較例
を示す。なお、これらは例示であり発明の範囲を限定す
るものではない。
を示す。なお、これらは例示であり発明の範囲を限定す
るものではない。
【0022】実施例1 ニッケル水素電池廃材(Fe:25.5%、Ni:34.5%、Co:3.3
%)100kgに生石灰30kg(廃材中の鉄分に対して1.
2当量)および塩化カルシウム10kgを加えて溶融炉に
装入し、窒素ガス雰囲気中で1400〜1600℃に加熱して溶
融した後に該熔体に塩素ガスを吹き込み(導入塩素ガス
量:12.273Nm3、廃材中の鉄分に対して1.2倍当量)、ス
ラグ化処理を行った。冷却後、スラグ93.5kgとメタ
ル38kgを回収した。揮発減量は8.5kgであった。回
収したスラグとメタルの成分(量比)は表1のとおりであ
り、ニッケルの回収率は98.5%、コバルトの回収率
は87.5%と高く、しかも回収メタルの鉄残量は2.5
%と少なく、鉄の除去率は96.3%であった。
%)100kgに生石灰30kg(廃材中の鉄分に対して1.
2当量)および塩化カルシウム10kgを加えて溶融炉に
装入し、窒素ガス雰囲気中で1400〜1600℃に加熱して溶
融した後に該熔体に塩素ガスを吹き込み(導入塩素ガス
量:12.273Nm3、廃材中の鉄分に対して1.2倍当量)、ス
ラグ化処理を行った。冷却後、スラグ93.5kgとメタ
ル38kgを回収した。揮発減量は8.5kgであった。回
収したスラグとメタルの成分(量比)は表1のとおりであ
り、ニッケルの回収率は98.5%、コバルトの回収率
は87.5%と高く、しかも回収メタルの鉄残量は2.5
%と少なく、鉄の除去率は96.3%であった。
【0023】実施例2 フラックスの塩化カルシウムを用いず、生石灰に代えて
炭酸ナトリウム62.8kg(廃材中の鉄分に対して1.3当
量)を酸素源として用いた他は実施例1と同様にして加
熱溶融し、塩素ガスを吹き込んでスラグ化処理を行った
(導入塩素ガス量:12.273Nm3、廃材中の鉄分に対して1.
2倍当量)。冷却後、スラグ87.3kgとメタル37.5kg
を回収した。揮発減量は38kgであった。回収したスラ
グとメタルの成分(量比)は表1のとおりであり、ニッケ
ルの回収率は98.6%、コバルトの回収率は85.2%
と高く、しかも回収メタルの鉄残量は1.5%と少な
く、鉄の除去率は97.8%であった。
炭酸ナトリウム62.8kg(廃材中の鉄分に対して1.3当
量)を酸素源として用いた他は実施例1と同様にして加
熱溶融し、塩素ガスを吹き込んでスラグ化処理を行った
(導入塩素ガス量:12.273Nm3、廃材中の鉄分に対して1.
2倍当量)。冷却後、スラグ87.3kgとメタル37.5kg
を回収した。揮発減量は38kgであった。回収したスラ
グとメタルの成分(量比)は表1のとおりであり、ニッケ
ルの回収率は98.6%、コバルトの回収率は85.2%
と高く、しかも回収メタルの鉄残量は1.5%と少な
く、鉄の除去率は97.8%であった。
【0024】実施例3 実施例1〜2で用いたのと同じ電池廃材100kgにフラ
ックス(CaCl2)20kgを加えて溶融炉に装入し、窒素ガ
ス雰囲気中で1400〜1600℃に加熱して溶融した後に該熔
体中に空気を吹き込み(導入空気の酸素量:4.091Nm3、
廃材中の鉄分に対して0.8倍当量)、スラグを生成させ
た。このスラグおよび熔体の成分を表1に示した。空気
吹込み後、生石灰5.8kg(熔体中の鉄に対し1.2当量)を
添加し、実施例1〜2と同様にして熔体中に塩素ガスを
吹き込んだ(導入塩素ガス量:2.295Nm3、熔体中の鉄分に
対して1.2倍当量)。冷却後、スラグ13.7kgとメタル
36.5kgを回収した。揮発減量は1.5kgであった。回
収したスラグとメタルの成分(量比)は表1のとおりであ
り、ニッケルの回収率は97.1%、コバルトの回収率
は88.5%と高く、しかも回収メタルの鉄残量は0.1
%未満と少なく、99%以上の鉄が除去された。本実施
例に示されるように、酸素ないし空気の吹き込みによる
第1段処理と、これに引続く酸素源存在下の塩素ガス導
入の第2段処理とを行うことにより電池廃材に含まれる
鉄分をほぼ完全に除去することができる。
ックス(CaCl2)20kgを加えて溶融炉に装入し、窒素ガ
ス雰囲気中で1400〜1600℃に加熱して溶融した後に該熔
体中に空気を吹き込み(導入空気の酸素量:4.091Nm3、
廃材中の鉄分に対して0.8倍当量)、スラグを生成させ
た。このスラグおよび熔体の成分を表1に示した。空気
吹込み後、生石灰5.8kg(熔体中の鉄に対し1.2当量)を
添加し、実施例1〜2と同様にして熔体中に塩素ガスを
吹き込んだ(導入塩素ガス量:2.295Nm3、熔体中の鉄分に
対して1.2倍当量)。冷却後、スラグ13.7kgとメタル
36.5kgを回収した。揮発減量は1.5kgであった。回
収したスラグとメタルの成分(量比)は表1のとおりであ
り、ニッケルの回収率は97.1%、コバルトの回収率
は88.5%と高く、しかも回収メタルの鉄残量は0.1
%未満と少なく、99%以上の鉄が除去された。本実施
例に示されるように、酸素ないし空気の吹き込みによる
第1段処理と、これに引続く酸素源存在下の塩素ガス導
入の第2段処理とを行うことにより電池廃材に含まれる
鉄分をほぼ完全に除去することができる。
【0025】実施例4 含クロム鉄基合金(Fe:96%、Cr:2.5%、C:1.0%)10
00kgに生石灰80kgを加えて溶融炉に装入し、窒素ガ
ス雰囲気中で1500〜1700℃に加熱して溶融した後に該熔
体に塩素ガスを吹き込み(導入塩素ガス量:19.386Nm3、
合金中クロム分に対して1.2倍当量)、スラグ化処理を行
った。冷却後、スラグ110kgとメタル945kgを回収
した。揮発減量は25kgであった。回収したスラグとメ
タルの成分(量比)は表1のとおりであり、鉄の回収率は
99.6%であり、回収した鉄に含まれるクロムの残量
は0.1%と格段に少なく、クロムの除去率は96%で
あった。
00kgに生石灰80kgを加えて溶融炉に装入し、窒素ガ
ス雰囲気中で1500〜1700℃に加熱して溶融した後に該熔
体に塩素ガスを吹き込み(導入塩素ガス量:19.386Nm3、
合金中クロム分に対して1.2倍当量)、スラグ化処理を行
った。冷却後、スラグ110kgとメタル945kgを回収
した。揮発減量は25kgであった。回収したスラグとメ
タルの成分(量比)は表1のとおりであり、鉄の回収率は
99.6%であり、回収した鉄に含まれるクロムの残量
は0.1%と格段に少なく、クロムの除去率は96%で
あった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の除去方法によれ
ば、従来の処理方法に比べて酸化反応の効率が良く、卑
金属中の陽性金属を高い除去効率でスラグ化し除去する
ことができる。また陽性金属の酸化物は副生した塩化物
と共に安定なスラグを形成するので、揮発による煙道閉
塞などの障害を引き起こす虞が無い。
ば、従来の処理方法に比べて酸化反応の効率が良く、卑
金属中の陽性金属を高い除去効率でスラグ化し除去する
ことができる。また陽性金属の酸化物は副生した塩化物
と共に安定なスラグを形成するので、揮発による煙道閉
塞などの障害を引き起こす虞が無い。
Claims (5)
- 【請求項1】 陽性金属を含む卑金属熔体に、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩または水
酸化物から選択される酸素源の存在下で、塩素ガスを導
入することにより該酸素源を塩素化する際に発生する酸
素によって熔体中の陽性金属を酸化し、該金属酸化物を
スラグに移行させて金属熔体から除去することを特徴と
する酸化性金属の除去方法。 - 【請求項2】 陽性金属を含有する卑金属をフラックス
と共に溶融し、これに酸素含有ガスを導入して陽性金属
の酸化を進めた後に、酸素源を添加して塩素ガスを導入
する請求項1に記載の除去方法。 - 【請求項3】 陽性金属を含む卑金属が、鉄を含有する
ニッケル、コバルトあるいはこれらの合金である請求項
1または2に記載の除去方法。 - 【請求項4】 陽性金属を含む卑金属が鉄含有ニッケル
−コバルト合金からなる電池廃材である請求項3に記載
の除去方法。 - 【請求項5】 酸素源が、酸化カルシウム 、酸化ナト
リウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムまたは水酸化
ナトリウムから選択される1種または2種の化合物であ
る請求項1〜4のいずれかに記載の除去方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31465296A JPH10152730A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | 卑金属中の陽性金属除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31465296A JPH10152730A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | 卑金属中の陽性金属除去方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10152730A true JPH10152730A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18055915
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31465296A Withdrawn JPH10152730A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | 卑金属中の陽性金属除去方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10152730A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012102350A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 有価金属回収方法 |
| WO2013080266A1 (ja) * | 2011-11-28 | 2013-06-06 | 住友金属鉱山株式会社 | 有価金属回収方法 |
| CN103459623A (zh) * | 2011-04-15 | 2013-12-18 | 住友金属矿山株式会社 | 有价金属的回收方法 |
| KR20180059599A (ko) * | 2016-11-25 | 2018-06-05 | (주) 케이엠씨 | 고농도 니켈 회수를 위한 폐에칭액 재활용 방법 |
| KR20180059601A (ko) * | 2016-11-25 | 2018-06-05 | (주) 케이엠씨 | 고농도 염화제이철 제조를 위한 폐에칭액 재활용 방법 |
-
1996
- 1996-11-26 JP JP31465296A patent/JPH10152730A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012102350A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 有価金属回収方法 |
| CN103459623A (zh) * | 2011-04-15 | 2013-12-18 | 住友金属矿山株式会社 | 有价金属的回收方法 |
| WO2013080266A1 (ja) * | 2011-11-28 | 2013-06-06 | 住友金属鉱山株式会社 | 有価金属回収方法 |
| CN103370427A (zh) * | 2011-11-28 | 2013-10-23 | 住友金属矿山株式会社 | 有价金属的回收方法 |
| KR20160021914A (ko) * | 2011-11-28 | 2016-02-26 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 유가 금속 회수 방법 |
| EP2703504B1 (en) | 2011-11-28 | 2019-01-23 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | Method for recovering valuable metal |
| US10294546B2 (en) | 2011-11-28 | 2019-05-21 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | Method for recovering valuable metal |
| KR20180059599A (ko) * | 2016-11-25 | 2018-06-05 | (주) 케이엠씨 | 고농도 니켈 회수를 위한 폐에칭액 재활용 방법 |
| KR20180059601A (ko) * | 2016-11-25 | 2018-06-05 | (주) 케이엠씨 | 고농도 염화제이철 제조를 위한 폐에칭액 재활용 방법 |
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