JPH1015307A - 水の凝集濾過方法及び水処理装置 - Google Patents

水の凝集濾過方法及び水処理装置

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JPH1015307A
JPH1015307A JP18880996A JP18880996A JPH1015307A JP H1015307 A JPH1015307 A JP H1015307A JP 18880996 A JP18880996 A JP 18880996A JP 18880996 A JP18880996 A JP 18880996A JP H1015307 A JPH1015307 A JP H1015307A
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water
differential pressure
turbidity
filtration device
coagulant
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Application number
JP18880996A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nishimura
由明 西村
Kenichi Kaneko
健一 金子
Kensho Watanabe
憲昭 渡辺
Masahiro Kuwata
政博 桑田
Chikakazu Murata
周和 村田
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Tohoku Electric Power Co Inc
Organo Corp
Original Assignee
Tohoku Electric Power Co Inc
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した状態で濾過水を流出できる凝集濾過
方法を提供し、またその実施装置を提供する。 【解決手段】 本発明方法は、設定添加量で凝集剤を添
加した原水を凝集濾過装置14に通水して凝集濾過する
ことにより、原水を除濁する方法である。原水通水時の
濾過層の入口圧力と出口圧力との間で差圧計36により
測定した差圧の上昇速度が基準差圧上昇速度より低いこ
とを検出した場合には、通水時の差圧上昇速度が基準差
圧上昇速度とほぼ一致するように凝集剤の添加量を増加
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の凝集濾過方法
及びそれを実施する水処理装置に関し、更に詳細には、
懸濁物を含む河川水、湖沼水、工業用水、下排水処理水
等を原水として、懸濁物を含まない工業用水、水道用水
等の浄水、或いは純水、超純水等の原料水を安定して製
造できる水の凝集濾過方法及びその実施装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】河川水、湖沼水等を原水とし、その原水
を除濁する水処理装置には、凝集濾過装置と精密濾過膜
や限外濾過膜等を使用した膜濾過装置とを原水の流れに
沿って直列に接続し、凝集濾過装置で先ず原水の除濁を
行い、次いで膜濾過装置で残留する懸濁物を除去する、
例えば特開平5−285478号公報に開示されている
ような水処理装置がある。図10に示すように、前掲公
報に開示されている水処理装置(以下、従来の水処理装
置と言う)では、原水を原水タンク12に導入して凝集
剤を添加した後、凝集濾過装置14に通水し、原水中の
懸濁物を凝集濾過して一次濾過水を得る。この一次濾過
水を膜濾過装置18にて濾過して、凝集濾過装置14で
除去できなかった微細な懸濁物を除去し、除濁処理水を
得る。このように、従来の水処理装置では、凝集濾過装
置14の上流で原水に凝集剤を添加して凝集濾過装置1
4で凝集濾過を行うことにより、一次濾過水中の懸濁物
の量を少なくし、膜濾過装置18の負荷を低減してい
る。尚、24は、凝集剤注入設備である。
【0003】このような水処理装置では、凝集剤の添加
量は、一般に、原水中の懸濁物が凝集剤の作用により凝
集してマイクロフロックを形成できる程度の低い添加量
で良く、濁質成分を凝集沈殿装置により除去する場合の
ような高い添加量で凝集剤を添加する必要はない。尚、
本明細書で、凝集剤の添加量又は凝集剤添加量とは、原
水量の単位体積当たりに添加する凝集剤の重量であっ
て、 凝集剤の添加量又は凝集剤添加量=(凝集剤重量)/
(原水量) で定義される。例えば、凝集剤としてPAC(ポリ塩化
アルミニウム)を使用する場合、添加量は一般に3〜1
0mg/lの範囲であり、他方凝集沈殿装置では、これ
に対して20〜60mg/lの範囲の場合が多い。ま
た、原水水質もそれ程大きく変動しないので、年間を通
してほぼ一定の添加量で運転される場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の水処理装置では、膜濾過装置において規則的な又は
定期的な通常の膜間差圧の上昇とは別に、膜間差圧が不
規則的でしかも急激に上昇し、そのため透過水の流量が
突然に低下すると言う現象が年に数回程度起こるという
問題があった。本発明者は、膜濾過装置の膜間差圧が不
規則でしかも急激に上昇する問題を調べたところ、その
原因は、凝集濾過装置から流出する一次濾過水中の懸濁
物の量が何らかの理由により急激に増え、その多量の懸
濁物が一次濾過水と共に膜濾過装置に流入するために、
濾過膜が閉塞して透過水の流量が低下することが判っ
た。しかも、濾過膜の閉塞はオペレータによって気づか
れない場合が多いために、透過水の流量が低下して始め
て水処理装置の不良を検知することができた。これで
は、水処理装置を安定した状態で運転することが難し
く、所定の流量の透過水を定常的に送水することができ
なかった。以上の説明では、従来技術として特開平5−
285478号公報に開示されている水処理装置を例に
挙げているが、上述した凝集濾過装置から流出する一次
濾過水の懸濁物の急激な増加は、他の凝集濾過装置の場
合でも同様である。
【0005】そこで、本発明の目的は、懸濁物を含まな
い濾過水を安定した状態で流出できる凝集濾過方法を提
供することであり、またその実施装置を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、先ず、一次
濾過水の懸濁物の量の増加の原因を調べた結果、原水の
濁度又は懸濁物の量と一次濾過水の懸濁物量の増加とは
必ずしも直接的な関係は無く、原水中で或る成分(特定
するのは難しいので、以下、X成分と言う)が増加する
と膜間差圧の急激な上昇が生じることを突き止めた。そ
れは、一定の添加量で凝集剤を原水に添加して水処理装
置を運転している際に、例えば台風時の懸濁物の多い河
川水を原水とした時には、必ずしも膜間差圧の上昇が生
じないのに対して、上記河川水中に雪解け水が多量に混
入した時には、懸濁物の量がそれ程多くないにもかかわ
らず膜間差圧の急激な上昇が生じることから判ったので
ある。
【0007】更に、研究を進めたところ、X成分が原水
中に混入すると、原水中の懸濁物が凝集不良を引き起こ
し、その結果、原水は、懸濁物凝集不良の状態で凝集濾
過装置に導入され、凝集濾過装置での懸濁物除去率が低
下して未凝集の懸濁物を多量に含む一次濾過水が凝集濾
過装置から流出すると共に、このような凝集不良が生じ
た時には、凝集濾過装置で懸濁物が捕捉されないため
に、凝集濾過装置の入口と出口との間の差圧の上昇速度
が、図3に示すように、正常に凝集している時の差圧上
昇速度に比べて低下することを突き止めた。
【0008】上述のような水質変動による懸濁物の凝集
不良発生を予知することは、凝集不良の原因が不明であ
るために技術的に困難であるから、通常は、懸濁物の凝
集不良を防止するために、定期的に原水をサンプリング
してジャーテストや凝集濾過テストを行って凝集剤の最
適添加量を決定し、その都度、凝集剤の添加量を増減す
ることが必要になる。しかし、原水をサンプリングして
凝集剤の最適添加量を決定し、その都度、凝集剤の添加
量を増減する作業を定期的に行うのは、煩わしく、しか
も定期的に作業を行っていても予期せぬ時に原水中で懸
濁物の凝集不良が発生することもある。そこで、本発明
者は、懸濁物の凝集不良が生じていることを速やかに、
かつ確実に検知する方法について鋭意研究を重ねた結
果、懸濁物の凝集不良が生じている時には凝集濾過装置
の差圧上昇速度が正常時より小さく、かつ一次濾過水の
濁度が著しく多くなるという、本発明者の見い出した上
記のような現象を利用することによって凝集不良が生じ
ていることを検知できるのではないかと考えるに至っ
た。
【0009】本発明者は、更に上述のような凝集不良が
生じた場合は、凝集剤の添加量を増加させることによっ
て正常に凝集させることができることを見い出すと共
に、ある原水に対して、凝集剤の添加量を種々変化させ
た時の凝集剤の添加量と凝集濾過装置の入口と出口との
間の差圧との関係を調べた結果、正常に凝集している時
には、図4に示すように凝集剤の添加量を増やすにつれ
てそれに比例して差圧の上昇速度(即ち、単位時間当た
りに上昇する差圧の大きさ)が大きくなることを見い出
した。以上のことから、予め処理対象の原水に対して図
4のような関係を求めておけば、凝集不良が生じた時に
凝集剤の添加量をどの程度まで増加させれば正常に凝集
させることができるかを知ることができる。すなわち、
凝集剤の添加量を、凝集不良が生じた時点の添加量より
も増加させた結果、凝集濾過装置の差圧上昇速度が例え
ば図4の関係図から求めた差圧上昇速度(基準差圧上昇
速度)とほぼ一致すれば凝集不良は解消されたと判断す
ることができ、測定された差圧上昇速度が基準差圧上昇
速度より小さければ、まだ凝集不良の状態が解消されて
いないので凝集剤の添加量を更に増加させる必要がある
と判断することができるのである。
【0010】以上の知見に基づき、上記目的を達成する
ために、本発明に係る水の凝集濾過方法(以下、第1発
明方法と言う)は、設定添加量で凝集剤を添加した原水
を濾過層に通水して凝集濾過することにより、原水を除
濁する方法であって、原水通水時の濾過層の入口圧力と
出口圧力との差圧の上昇速度が基準差圧上昇速度より低
いことを検出した場合に、通水時の差圧上昇速度が基準
差圧上昇速度とほぼ一致するように凝集剤の添加量を増
加させることを特徴としている。
【0011】第1発明方法を実施するための本発明に係
る凝集濾過装置は、設定添加量で凝集剤を添加した原水
を濾過層に通水して凝集濾過することにより原水を除濁
する凝集濾過装置において、凝集剤の添加量を調節する
調節手段と、凝集濾過装置の入口圧力と出口圧力との差
圧を検出する差圧検出手段と、差圧検出手段により検出
した通水時の差圧の時間的変化により差圧の上昇速度を
算出する算出手段と、予め設定されている基準差圧上昇
速度と算出手段により算出した差圧の上昇速度とを比較
して、算出差圧上昇速度が基準差圧上昇速度より低いと
きは算出差圧上昇速度が基準差圧上昇速度とほぼ一致す
るように凝集剤の添加量を増量すべき旨の指令を調節手
段に発する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0012】第1発明方法及び後述の第2発明方法を実
施する装置において使用する凝集濾過装置の濾材は、特
に限定はないが、好適には、例えば濾材として繊維束や
繊維塊を使用した高速繊維濾過装置が好ましい。凝集剤
の添加量を調節する調節手段は、既知の手段であって、
例えば、凝集剤を収容する凝集剤槽、凝集剤槽から凝集
剤を原水に注入する手段(例えば、配管とポンプとの組
合せ)、配管に設けられた流量調節弁から構成されてい
る。また、流量調節弁に代えて容量可変式の注入ポンプ
を使用しても良い。差圧の上昇速度は、差圧検出手段に
より検出された差圧の時間的変化曲線を時間で微分する
ことにより求めることができる。一方、基準差圧上昇速
度は、実機の凝集濾過装置又は凝集濾過実験装置を使用
し、凝集剤の添加量をパラメータとして正常時の原水
(換言すれば、長期間にわたる平均的な原水)を通水し
て差圧上昇速度を算出することにより求めたデータで、
例えば図4に示すようなデータがその一例である。測定
した差圧の上昇速度が基準差圧上昇速度より低いことは
凝集不良の発生を意味するので、凝集剤を増量して凝集
不良を解消する。
【0013】また、本発明者は、凝集不良が発生して凝
集濾過装置で懸濁物の捕捉が不十分になると、凝集濾過
装置から流出する一次濾過水の濁度が高くなることも実
験により確認し、一次濾過水の濁度を監視し、濁度が高
くなると凝集不良が発生していると判定できることに着
目し、本第2発明を完成するに到った。よって、上記目
的を達成するために、本発明に係る別の水の凝集濾過方
法(以下、第2発明方法と言う)は、設定添加量で凝集
剤を添加した原水を濾過層に通水して凝集濾過すること
により、原水を除濁する方法であって、濾過層から流出
する濾過水の濁度が基準濁度より高くなったことを検出
した場合に、濾過水の濁度が基準濁度以下となるように
凝集剤の添加量を増加させることを特徴としている。
【0014】第2発明方法を実施するための本発明に係
る凝集濾過装置は、設定添加量で凝集剤を添加した原水
を濾過層に通水して凝集濾過することにより原水を除濁
する凝集濾過装置において、凝集剤の添加量を調節する
調節手段と、凝集濾過装置から流出した濾過水の濁度を
測定する濁度測定手段と、予め設定されている基準濁度
と濁度測定手段により測定した濁度とを比較して、測定
濁度が基準濁度より高いときは測定濁度が基準濁度以下
となるように凝集剤の添加量を増量すべき旨の指令を調
節手段に発する制御手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0015】濁度測定手段としては、既知の透過光方
式、散乱光方式等の濁度計を使用できる。基準濁度は、
実機の凝集濾過装置又は凝集濾過実験装置を使用し、凝
集剤の添加量をパラメータとして正常時の原水(換言す
れば、長期間にわたる平均的な原水)を通水して一次濾
過水の濁度を測定することにより求めてもよいし、ある
いは一次濾過水の濁度の許容できる上限値と考えても良
い。測定した濁度が基準濁度より高いことは凝集不良の
発生を意味するので、凝集剤を増量して凝集不良を解消
する。
【0016】また、本発明に係る凝集濾過装置と、通水
経路に沿って凝集濾過装置の下流に直列に接続されてい
る膜濾過装置とで水処理装置を構成しても良い。膜濾過
装置の種類は特に制約は無い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、添付図面
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。
【0018】
【実施例】実施例1 実施例1は、第1発明方法を実施する例であって、図1
は第1発明方法を実施する水処理装置10のフローシー
トである。尚、図10に示す従来の水処理装置で使用し
た機器と同じ機能を有する機器には同じ符号を付してい
る。水処理装置10は、図1に示すように、原水の流れ
に沿って、河川水、工業用水等の原水を収容する原水タ
ンク12と、凝集濾過装置14と、一次濾過水タンク1
6と、膜濾過装置18と、原水タンク12から凝集濾過
装置14に原水を送水する第1送水ポンプ20と、一次
濾過水タンク16から膜濾過装置18に一次濾過水を送
水する第2送水ポンプ22とを備え、更に、原水タンク
12に凝集剤を注入する凝集剤注入設備24を備えてい
る。
【0019】凝集濾過装置14は、いわゆる高速流式の
繊維濾過装置であって、繊維素の間に懸濁物を捕捉でき
るように、多数の繊維素を集合させた繊維束や繊維塊等
の懸濁物捕捉用の担体を容器内に多数内蔵させて構成し
た濾過装置である。繊維素の濾材には、例えば太さが1
0μm 〜80μm 程度、長さが数十cm〜数mのアクリル
繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の非燃単繊
維を多数(例えば、数十〜数百本)束ねた長繊維束を多
数使用する。そのような長繊維束の下端を容器内部の下
部に設けられた目板に固定し、長繊維束の各上端を容器
上方に伸ばして自由端にした箒状の濾材になっている。
このような長繊維束の濾材を有する凝集濾過装置14に
下降流で原水を通すことにより、懸濁物を効率良く捕捉
することができる。
【0020】膜濾過装置18は、その仕様に関し特に限
定されるものではないが、本実施例では、限外濾過膜
(UF)を用いたクロスフロー式の膜濾過装置で構成さ
れている。膜としては、セラミック等の無機膜、又は酢
酸セルロース系、ポリスルホン系、ポリプロピレン系、
ポリエチレン系、ポリアクリロニトリル系、シリコーン
系など高分子化合物からなる有機膜等をチューブ状、プ
リーツ状、中空糸状、スパイラル状、平膜状にしたもの
を使用する。また、大流量の一次濾過水を処理する場合
には、中空糸膜を数百〜数千本束ねてケースに入れたモ
ジュール式の膜濾過装置を使用することもできる。尚、
膜濾過装置18は、全量濾過式でも良く、また精密濾過
膜(MF)を使用しても良い。
【0021】凝集剤注入設備24は、凝集剤を収容する
凝集剤タンク26と、注入ポンプ28と、凝集剤タンク
26から注入ポンプ28を経て原水タンク12までの注
入管30と、注入管30に設けられた流量調節弁32と
から構成されている。以上の構成により、凝集剤注入設
備24は、流量調節弁32によって制御されて、設定流
量の凝集剤を原水タンク12に注入することができる。
尚、本実施例では、原水タンク12に凝集剤を注入して
いるが、凝集剤は凝集濾過装置14の前で原水に注入さ
れれば良く、原水タンク12から凝集濾過装置14まで
の配管に注入しても良い。また、流量調節弁32に代え
て注入ポンプ28を可変容量式のポンプにし、それによ
り凝集剤の注入量を調節しても良い。凝集剤としてはポ
リ塩化アルミニウム、硫酸バンド、塩化第二鉄など各種
のものを用いることができる。
【0022】本水処理装置10には、更に制御装置34
が設けてあって、それには、基準差圧上昇速度が予め入
力されている。基準差圧上昇速度は、通常時或いは正常
時の原水(長期間にわたる平均的な原水と言い換えても
良い。)に凝集剤を所定添加量で添加した上で凝集濾過
装置14又は凝集濾過実験装置に通水し、通水経過時間
に対してその時点の差圧を測定して求めた、凝集剤添加
量をパラメータとする差圧上昇速度であって、例えば図
4に示すような凝集剤添加量と差圧の上昇速度との間の
相関関係である。制御装置34は、凝集濾過装置14の
差圧を検出する差圧計36の測定値に基づいて差圧上昇
速度を計算し、それが基準差圧上昇速度より小さい時に
は凝集剤の設定流量を増加する旨の指令を流量調節弁3
2に発する。
【0023】以下に、本水処理装置10の運転方法を説
明する。所定流量の原水を原水タンク12に受け入れる
と共に凝集剤注入設備24により所定流量の凝集剤を原
水タンク12に注入する。原水は第1送水ポンプ20に
より凝集濾過装置14に通水される。懸濁物の大部分
は、凝集剤の働きにより凝集して比較的大きなフロック
となり、凝集濾過装置14の濾過作用により原水から除
去される。懸濁物の大部分が除去された原水は、一次濾
過水として濾過水タンク16に入る。凝集濾過装置14
は、通水開始から所定時間経過後、又は差圧計36で測
定した差圧が設定値に達した時に、一旦通水が停止さ
れ、次いで逆流洗浄される。以後は、この手順の通水サ
イクルが繰り返される。
【0024】引き続き、一次濾過水は、濾過水タンク1
6から第2送水ポンプ22によって膜濾過装置18に通
水される。膜濾過装置18は、凝集濾過装置14を通り
抜けた微細な懸濁物を除去して除濁処理水を流出する。
本実施例では、膜濾過装置18は、クロスフロー方式で
運転されており、循環水は濾過水タンク16に戻り、一
次濾過水と共に膜濾過装置18に送水される。膜濾過装
置18は、通水開始から所定時間経過後、一旦通水が停
止され、逆圧洗浄される。以後は、この手順の通水サイ
クルがが繰り返される。
【0025】凝集濾過装置14の差圧は、差圧計36に
より連続的に測定され、差圧計36からの出力信号は制
御装置34に入力され、制御装置34からの出力信号が
流量調節弁32に入力され凝集剤の注入量を調節してい
る。
【0026】ここで、原水に凝集不良を引き起こす原因
となるX成分が流入した場合を想定する。原水中の懸濁
物はX成分のために凝集濾過装置14に入る前で十分に
凝集することができないので、多量の懸濁物が凝集濾過
装置14を通り抜けて後段の膜濾過装置18に導入さ
れ、膜濾過装置18の懸濁物除去負荷が高くなる。この
とき、凝集濾過装置14の差圧上昇速度は、図3に示す
ように正常に懸濁物の凝集が起こっている場合と比較し
て、小さい値となる。制御装置34では、凝集濾過装置
14の差圧上昇速度が、一定時間毎あるいは通水サイク
ル毎に計算され、予めプログラムされている凝集剤添加
量をパラメータとする基準差圧上昇速度と比較される。
【0027】差圧計36で測定した差圧に基づく差圧上
昇速度(以下、測定差圧上昇速度と言う)が基準差圧上
昇速度より低い場合、制御装置34からの指令により、
凝集剤注入設備24は、原水に対する凝集剤添加量を段
階的、あるいは連続的に増加して行き、測定差圧上昇速
度と基準差圧上昇速度との差が一定の範囲に収まるまで
凝集剤注入量を増加する。図5を参照して説明すると、
第1段階(図5中、1で表示した期間、以下同様)では
凝集不良が発生していないので、測定差圧上昇速度は、
基準差圧上昇速度にほぼ一致し、第2段階では測定差圧
上昇速度が基準差圧上昇速度より低くなっている。よっ
て、第2段階に入ったところで、凝集剤の添加量を増大
し、その結果、測定差圧上昇速度が基準差圧上昇速度と
一致ないし大きくなったところで凝集剤添加量を一定と
する(第3段階)。増量した凝集剤添加量で数サイクル
運転して、原水の水質がほぼ元に戻ったと想定される時
点で、凝集剤添加量を再び初期設定値に戻し、以後、差
圧の測定、測定差圧上昇速度の算出、測定差圧上昇速度
と基準差圧上昇速度との比較、次いで凝集剤添加量変更
の手順を繰り返しつつ連続運転を継続する(第4段
階)。なお、図5において、通水差圧の変化を示す線の
各谷の部分は、所定時間の通水を終了した凝集濾過装置
を逆流洗浄することにより、差圧が元の状態に回復した
ことを示している。
【0028】凝集剤添加量の初期設定値は、予め実験に
より決定しておけば良いが、経験的には、PACとして
2〜5mg/l(Al2 3 として0.2〜0.5mg
/l)が適当である。また、原水の性状が変化して凝集
不良を引き起こしてから正常時の原水性状に戻るまでに
は、経験的に24〜72時間程度かかるから、予めこの
時間を制御装置34に記憶させておき、凝集不良を引き
起こして凝集剤添加量を増量してから上記時間を経過し
たら自動的に凝集剤添加量を初期設定値に戻すように制
御するとよい。
【0029】実験例1 実施例1の水処理装置10を以下の条件で連続運転し、
凝集濾過装置14の通水差圧と膜濾過装置18の膜間差
圧を通水時間の経過に応じて測定した。原水には新潟県
工業用水を使用し、凝集濾過装置14にはアクリルの長
繊維束を充填した高速繊維濾過装置、膜濾過装置18に
はUF膜(旭化成工業製LNV−5010)、凝集剤に
はポリ塩化アルミニウムを用いた。図6は、水処理装置
10を運転したときの凝集濾過装置14の通水差圧の時
間変化と膜濾過装置18の膜間差圧の時間変化を示す。
図6に示すように、実施例1の水処理装置10を使用し
た例では、第1段階(図6中、1で表示した期間、以下
同様)では凝集剤の初期添加量をAl2 3 で0.3m
g/lに設定し、差圧上昇速度が基準差圧上昇速度より
小さい第2段階では添加量をAl2 3 で0.6mg/
lに設定し、更に添加量を高くした第3段階では添加量
をAl2 3で0.9mg/lに設定し、第4段階では
添加量を初期設定率に戻した。
【0030】また、比較のために水処理装置10と同じ
条件で図10に示した従来の水処理装置を運転し、同様
に凝集濾過装置14の通水差圧と膜濾過装置18の膜間
差圧を通水時間の経過に応じて測定した。図7は、従来
の水処理装置を運転したときの凝集濾過装置14の通水
差圧及び一次濾過水の濁度の時間変化と膜濾過装置18
の膜間差圧の時間変化を示す。
【0031】図6と図7に示す凝集濾過装置14の通水
差圧の上昇傾向及び図7の一次濾過水の濁度及び膜間差
圧の上昇傾向から明らかなように、実施例1の水処理装
置10を用いて凝集剤添加量を制御した実験例1では、
凝集濾過装置14の懸濁物除去能の低下現象が一時的に
しか発生せず、膜濾過装置18の膜間差圧の上昇がな
く、水処理装置10を安定して運転できることを確認し
ている。
【0032】実施例2 実施例2は、第2発明方法を実施する例であって、図2
は第2発明方法を実施する水処理装置40のフローシー
トである。水処理装置40は、以下に説明する相違部分
を除いて、図1に示す水処理装置10の構成と同じであ
る。相違部分は、水処理装置10の差圧計36に代えて
濁度計42を凝集濾過装置14の出口に取り付けたこと
である。本実施例では、制御装置34には、凝集濾過装
置14の出口で測定した一次濾過水の濁度の上限値(基
準濁度)が予め設定されている。凝集濾過装置14の出
口の一次濾過水の濁度は、濁度計42により連続的に測
定され、濁度計42からの出力信号は制御装置34へ入
力される。更に、制御装置34からの出力信号は、流量
調節弁32に入力され、その弁開度を変えることによ
り、凝集剤の注入量を調節している。
【0033】ここで、原水に凝集不良の原因となるX成
分が流入した場合を想定する。原水中の懸濁物はX成分
のために凝集濾過装置14に入る前で十分に凝集するこ
とができないので、多量の懸濁物が、凝集濾過装置14
を通り抜けて一次濾過水と共に膜濾過装置18に導入さ
れる。そのため、膜濾過装置18の懸濁物除去負荷が高
くなり、膜の閉塞現象が発生する。
【0034】そこで、図8に示すように、測定濁度が基
準濁度より低い第1段階(図8中、1で表示した期間、
以下同様)では、初期設定の添加量で凝集剤を添加し、
濁度が基準濁度を越えた第2段階に入ると、制御装置3
4から指令が出て、段階的、又は連続的に流量調節弁3
2の弁開度を大きくし、凝集剤の添加量を増加する。凝
集濾過装置14の出口濁度が制御装置34に設定した基
準濁度以下となるまで凝集剤添加量を増加して行く。測
定濁度が基準濁度以下になった第3段階で凝集剤注入量
を一定とする。引き続き、増量した凝集剤添加量で運転
して、原水の水質がほぼ元に戻ったと想定される第4段
階で、凝集剤添加量を再び初期設定値に戻し、一次濾過
水濁度の測定、測定濁度と基準濁度との比較、次いで凝
集剤添加量変更の手順を繰り返しつつ連続運転を継続す
る。
【0035】基準濁度は後段の膜濾過装置の性能等にも
よるが、経験的に一度以下が望ましい。
【0036】実験例2 実施例2の水処理装置40を以下の条件で連続運転し、
凝集濾過装置14の通水差圧と膜濾過装置18の膜間差
圧を通水時間の経過に応じて測定した。原水には新潟県
工業用水、凝集濾過装置3にはアクリルの長繊維束を充
填した高速繊維濾過装置、膜濾過装置5にはUF膜(旭
化成工業製LNV−5010)、凝集剤にはポリ塩化ア
ルミニウムを用いた。膜濾過装置18の出口での基準濁
度を1度(カオリン)に設定した。
【0037】図9は、水処理装置40を運転したときの
凝集濾過装置14の出口での一次濾過水の濁度の時間的
変化と膜濾過装置18の膜間差圧の時間的変化を示す。
図9に示すように、実施例1の水処理装置40を使用し
た例では、第1段階(図9中、1で表示した期間、以下
同様)では凝集剤の初期添加量をAl2 3 で0.3m
g/lに設定し、一次濾過水の濁度が基準濁度(濁度の
上限値)より大きい第2段階では添加量をAl2 3
0.6mg/lに設定し、更に添加量を大きくした第3
段階では添加量をAl2 3 で0.9mg/lに設定
し、第4段階では添加量を初期設定量に戻た。
【0038】従来装置による結果を示す前掲の図7と図
9に示す一次濾過水の濁度及び膜間差圧の上昇傾向から
明らかなように、実施例2の水処理装置40を用いて凝
集剤添加量を制御した実験例2では、凝集濾過装置14
の出口濁度の上昇が短時間で解消し、膜濾過装置18の
膜間差圧上昇もなく、水処理装置40の安定運転が確保
できることを確認している。
【0039】
【発明の効果】本発明方法によれば、凝集濾過装置の入
口圧力と出口圧力との差圧を測定し、その差圧上昇速度
が予め求めた基準差圧上昇速度より低いときには、原水
中の懸濁物の凝集不良が生じていると判断し、凝集剤の
添加量を増加する。また、凝集濾過装置から流出する一
次濾過水の濁度を測定し、予め設定した基準濁度より高
いときには、原水中の懸濁物の凝集不良が生じていると
判断し、凝集剤の添加量を増加する。したがって、原水
の水質の変動が生じて、原水中で懸濁物の凝集不良が発
生した場合に、本発明方法によれば、凝集不良の発生を
検知し、凝集剤の添加量を増加することにより、凝集不
良現象を速やかに解消することができる。また、凝集濾
過装置の下流に膜濾過装置を設けている場合には、従来
予測することが難しかった膜濾過装置の膜閉塞の発生を
予測して、その発生を未然に防止することができる。
【0040】本発明に係る水処理装置は、本発明方法を
実施するのに最適な装置を実現しており、原水の性状変
化があっても凝集濾過装置での懸濁物除去能力は影響を
受けず、後段の膜濾過装置の安定運転が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明方法を実施する水処理装置10のフロ
ーシートである。
【図2】第2発明方法を実施する水処理装置40のフロ
ーシートである。
【図3】凝集濾過装置の通水時間と差圧との関係を示す
グラフである。
【図4】凝集剤添加量と差圧上昇速度との相関関係を示
すグラフである。
【図5】凝集剤の添加量を変化させた場合の凝集濾過装
置の通水時間と差圧との関係を示すグラフである。
【図6】実験例1の結果を示すグラフであって、通水時
間と、凝集濾過装置の通水差圧及び膜濾過装置の膜間差
圧との関係を示すグラフである。
【図7】従来の水処理装置を使用して測定した結果を示
すグラフであって、通水時間と、凝集濾過装置の通水差
圧及び一次濾過水の濁度並びに膜濾過装置の膜間差圧と
の関係を示すグラフである。
【図8】凝集剤の添加量を変化させた場合の凝集濾過装
置の通水時間と濁度との関係を示すグラフである。
【図9】実験例2の結果を示すグラフであって、通水時
間と、凝集濾過装置の一次濾過水の濁度及び膜濾過装置
の膜間差圧との関係を示すグラフである。
【図10】従来の水処理装置のフローシートである。
【符号の説明】
10 第1発明方法を実施する水処理装置 12 原水タンク 14 凝集濾過装置 16 一次濾過水タンク 18 膜濾過装置 20 第1送水ポンプ 22 第2送水ポンプ 24 凝集剤注入設備 26 凝集剤タンク 28 注入ポンプ 30 注入管 32 流量調節弁 34 制御装置 36 差圧計 40 第2発明方法を実施する水処理装置 42 濁度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 憲昭 新潟県新潟市桃山町二丁目200 東北電力 株式会社新潟火力発電所内 (72)発明者 桑田 政博 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内 (72)発明者 村田 周和 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定添加量で凝集剤を添加した原水を濾
    過層に通水して凝集濾過することにより、原水を除濁す
    る方法であって、 原水通水時の濾過層の入口圧力と出口圧力との差圧の上
    昇速度が基準差圧上昇速度より低いことを検出した場合
    に、通水時の差圧上昇速度が基準差圧上昇速度とほぼ一
    致するように凝集剤の添加量を増加させることを特徴と
    する水の凝集濾過方法。
  2. 【請求項2】 設定添加量で凝集剤を添加した原水を濾
    過層に通水して凝集濾過することにより、原水を除濁す
    る方法であって、 濾過層から流出する濾過水の濁度が基準濁度より高くな
    ったことを検出した場合に、濾過水の濁度が基準濁度以
    下となるように凝集剤の添加量を増加させることを特徴
    とする水の凝集濾過方法。
  3. 【請求項3】 設定添加量で凝集剤を添加した原水を濾
    過層に通水して凝集濾過することにより原水を除濁する
    凝集濾過装置において、 凝集剤の添加量を調節する調節手段と、 凝集濾過装置の入口圧力と出口圧力との差圧を検出する
    差圧検出手段と、 差圧検出手段により検出した通水時の差圧の時間的変化
    により差圧の上昇速度を算出する算出手段と、 予め設定されている基準差圧上昇速度と算出手段により
    算出した差圧の上昇速度とを比較して、算出差圧上昇速
    度が基準差圧上昇速度より低いときは算出差圧上昇速度
    が基準差圧上昇速度とほぼ一致するように凝集剤の添加
    量を増量すべき旨の指令を調節手段に発する制御手段と
    を備えることを特徴とする凝集濾過装置。
  4. 【請求項4】 設定添加量で凝集剤を添加した原水を濾
    過層に通水して凝集濾過することにより原水を除濁する
    凝集濾過装置において、 凝集剤の添加量を調節する調節手段と、 凝集濾過装置から流出した濾過水の濁度を測定する濁度
    測定手段と、 予め設定されている基準濁度と濁度測定手段により測定
    した濁度とを比較して、測定濁度が基準濁度より高いと
    きは測定濁度が基準濁度以下となるように凝集剤の添加
    量を増量すべき旨の指令を調節手段に発する制御手段と
    を備えることを特徴とする凝集濾過装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の凝集濾過装置
    と、通水経路に沿って凝集濾過装置の下流に直列に接続
    されている膜濾過装置とを備えることを特徴とする水処
    理装置。
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Cited By (5)

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KR101174757B1 (ko) * 2010-07-20 2012-08-17 (주)한영계기 간이수도용 정수장치
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KR20190055840A (ko) * 2016-10-07 2019-05-23 케미라 오와이제이 물 집약 공정에서 소수성 상태 및 파울링을 제어하기 위한 방법 및 시스템

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